以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。図1~図13は本実施形態に係る眼鏡枠形状測定装置(例えば、眼鏡枠形状測定装置1)の構成について説明する図である。なお、本実施形態においては、眼鏡枠形状測定装置の奥行き方向(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの上下方向)をY方向、奥行き方向に垂直(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの左右方向)な平面上の水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(眼鏡が配置された際の眼鏡フレームの前後方向)をZ方向として説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
なお、本実施形態における眼鏡枠形状測定装置には、眼鏡フレームFのリム部分が下方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が上方向とした状態で配置される。すなわち、眼鏡枠形状測定装置に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRが下方向、眼鏡フレームFの左右のテンプルFTL,FTRが上方向となる。もちろん、本実施形態の眼鏡枠形状測定装置においては、眼鏡フレームFのリム部分が下方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が上方向とした状態で配置される構成を例に挙げて説明するがこれに限定されない。例えば、眼鏡フレームFのリム部分が上方向、眼鏡フレームFのテンプル部分が下方向とした状態で配置される構成であってもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの上端が下方向、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの下端が上方向となるように配置される構成であってもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置に眼鏡フレームFが配置された場合に、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの上端が上方向、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRの下端が下方向となるように配置される構成であってもよい。
<概要>
本開示の実施形態に係る眼鏡枠形状測定装置(例えば、眼鏡枠形状測定装置1)の概要について説明する。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームの形状を測定する。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、光学式測定ユニット(例えば、光学式測定ユニット30)を備える。例えば、光学式測定ユニットは、眼鏡フレームのリムの溝のリム形状を非接触式で光学的に測定する。例えば、眼鏡枠形状測定装置は、測定子ユニット(例えば、測定子ユニット60)を備える。例えば、測定子ユニットは、眼鏡フレームのリムの溝のリム形状を、眼鏡フレームに溝に測定子(例えば、測定子61)を接触させることで(接触式で)測定する。
例えば、光学式測定ユニットは、投光光学系(例えば、投光光学系30a)と、受光光学系(例えば、受光光学系30b)と、を備える。例えば、投光光学系は、光源(例えば、光源31)を有する。例えば、投光光学系は、眼鏡フレームのリムの溝に向けて光源から測定光束を照射する。なお、例えば、光源は、少なくとも1つ以上の光源が用いられてもよい。例えば、1つの光源が用いられてもよい。また、例えば、複数の光源が用いられてもよい。例えば、受光光学系は、第1検出器(例えば、検出器37)を有する。例えば、受光光学系は、投光光学系によって眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射され、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束を第1検出器によって受光する。なお、例えば、第1検出器は、少なくとも1つ以上の検出器が用いられてもよい。例えば、1つの検出器が用いられてもよい。また、例えば、複数の検出器が用いられてもよい。
例えば、投光光学系と受光光学系は、断面形状を取得できる位置関係であれば、任意の位置にそれぞれ配置することができる。例えば、投光光学系と受光光学系の双方が測定子ユニット(例えば、測定子等)の片側にまとめて配置されるようにしてもよい。また、例えば、例えば、投光光学系と受光光学系の双方が測定子ユニットを挟んで両側に分けて配置(例えば、投光光学系を測定子ユニットの左側に配置し、受光光学系を測定子ユニットの右側に配置)されるようにしてもよい。もちろん、上記と異なる位置に投光光学系と受光光学系を配置するようにしてもよい。例えば、投光光学系と受光光学系を測定子ユニットの上側に配置してもよいし、下側に配置してもよい。もちろん、上記のいずれかの配置位置を組み合わせた位置(例えば、左上側、右上側、左下側、右下側等)に配置するようにしてもよい。
例えば、測定子ユニットは、測定子を備える。例えば、測定子は、眼鏡フレームのリムの溝に押し当てられる。例えば、測定子ユニットは、第2検出器(例えば、モータ225、モータ235、モータ245、エンコーダ265a、エンコーダ286、エンコーダ288)を備える。例えば、第2検出器は、測定子の位置を検出する。例えば、第2検出器は、少なくとも1つ以上の検出器が用いられてもよい。例えば、1つの検出器が用いられてもよい。また、例えば、複数の検出器が用いられてもよい。
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を保持する保持ユニット(例えば、保持ユニット25)を備える。
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、変更手段(例えば、移動ユニット210、回転ユニット260)を備える。例えば、変更手段は、眼鏡フレームに対して保持ユニットを移動させることで、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を眼鏡フレームに対して一体的に移動させて、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定位置を変更する。
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、制御手段(例えば、制御部50)を備える。例えば、制御手段は、眼鏡枠形状測定装置の動作を制御する。例えば、制御手段は、1つの制御手段によって、眼鏡枠形状測定装置の動作を制御するようにしてもよい。また、例えば、制御手段は、複数の制御手段を有し、複数の制御手段によって、眼鏡枠形状測定装置の動作を制御するようにしてもよい。
例えば、制御手段は、変更手段の動作を制御して、眼鏡フレームのリムの溝の測定を行う。また、例えば、制御手段は、第1検出器によって検出された検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。また、例えば、制御手段は、第2検出器によって検出された検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状を取得する。
上記のように、例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、眼鏡フレームのリムの溝に向けて光源から測定光束を照射する投光光学系と、投光光学系によって眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射され、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束を第1検出器によって受光する受光光学系と、有する光学式測定ユニットと、眼鏡フレームのリムの溝に押し当てられる測定子と、測定子の位置を検出する第2検出器と、を有する測定子ユニットと、を備える。また、例えば、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置は、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を保持する保持ユニットと、眼鏡フレームに対して保持ユニットを移動させることで、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を眼鏡フレームに対して一体的に移動させて、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定位置を変更する変更手段と、眼鏡枠形状測定装置の動作を制御する制御手段と、を備える。また、本実施形態において、眼鏡枠形状測定装置において、制御手段は、変更手段の動作を制御して、眼鏡フレームの前記リムの溝の測定を行い、第1検出器によって検出された検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得し、第2検出器によって検出された検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状を取得する。このような構成によって、例えば、測定子ユニットを保持する保持ユニットと、光学式測定ユニットを保持する保持ユニットと、をそれぞれ設け、眼鏡フレームに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、1つの保持ユニットの移動によって、眼鏡フレームに対して、光学式測定ユニットと測定子ユニットとを一体的に移動させることができるため、余分な構成や複雑な制御が必要なくなる。これによって、容易な構成で、光学式測定ユニットと測定子ユニットの測定を実施することができる。また、測定子ユニットによって測定される測定結果と、光学式測定ユニットによって測定される測定結果と、の双方の測定結果を取得することができるため、各測定結果を組み合わせて、より良好なリムの形状情報を取得することができる。
例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、それぞれで測定を行う際、同一のタイミングで測定を行うようにしてもよい。また、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、異なるタイミングで測定を行うようにしてもよい。また、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、同一のタイミングでの測定と、異なるタイミングでの測定と、を組み合わせて測定行うようにしてもよい。
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段(例えば、回転ユニット260)を備えるようにしてもよい。また、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、保持ユニットに対して光学式測定ユニットを移動可能とする移動手段を備えるようにしてもよい。なお、例えば、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段としては、測定子ユニットにおける少なくとも測定子を移動可能な構成であればよい。例えば、測定子の他に第2検出器についても保持ユニットに対して移動可能としてもよい。
上記のように、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段を備え、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットが連結され、測定子が保持ユニットに対して移動されることで、測定子とともに光学式測定ユニットが保持ユニットに対して、一体的に移動されるようにしてもよい。このように、例えば、測定子に対して光学式測定ユニットを連結することで、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが保持ユニットに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、余分な構成や複雑な制御が必要なくなり、眼鏡枠形状測定装置をより容易な構成の装置とすることができる。また、測定子に対して光学式測定ユニットを連結することで、測定子ユニットと、光学式測定ユニットと、保持ユニットに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、省スペース化することができるため、眼鏡フレームの測定時における測定子ユニットと、光学式測定ユニットと、が干渉してしまい、測定が困難となることを抑制することができる。
また、例えば、光学式測定ユニットの場合には、リムの溝に対して非接触で測定を行うため、リムの溝に対する光学式測定ユニットの位置合わせが困難となる場合がある。上記の構成によって、例えば、光学式測定ユニットが、リムの溝に沿った状態で移動をする測定子の移動と一体的に移動することができるため、リムの溝に対する光学式測定ユニットの位置合わせが容易となり、良好に測定を行うことができる。
例えば、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットが連結する構成としては、測定子部分に光学式測定ユニットが連結してもよい。また、例えば、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットが連結する構成としては、測定子を支持する測定子軸(例えば、測定子軸62)に連結されるようにしてもよい。もちろん、例えば、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットが連結する構成としては、上記構成に限定されない。例えば、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットが連結する構成としては、測定子が保持ユニットに対して移動に伴って、測定子とともに光学式測定ユニットが保持ユニットに対して、一体的に移動できるように、連結される構成であればよい。
なお、例えば、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段と、保持ユニットに対して光学式測定ユニットを移動可能とする移動手段とは、移動手段における少なくとも一部の構成が兼用される構成としてもよい。また、例えば、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段と、保持ユニットに対して光学式測定ユニットを移動可能とする移動手段とは、別途それぞれ設けられる構成としてもよい。この場合、保持ユニットに対して、測定子と、光学式ユニットと、がそれぞれ移動可能となるため、より細やかな制御は可能となる。
例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、同一の測定位置を測定可能な構成としてもよい。すなわち、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、同一の測定位置に対して、光学式測定ユニットによる測定と、測定子ユニットによる測定と、を同一のタイミングで実施可能な構成としてもよい。
また、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、異なる測定位置を測定可能な構成としてもよい。すなわち、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、異なる測定位置に対して、光学式測定ユニットによる測定と、測定子ユニットによる測定と、を同一のタイミングで実施可能な構成としてもよい。この場合、例えば、光学式測定ユニットによるリムの溝の測定位置である第1測定位置と、測定子ユニットによるリムの溝の測定位置である第2測定位置と、が異なる測定位置を測定可能とするように、測定ユニットと光学式測定ユニットが配置されるようにしてもよい。このような構成によって、光学式測定ユニットと、測定子ユニットとが、同一のタイミングにて異なる測定位置を測定する。例えば、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが同時に同一の測定位置を測定する構成の場合には、光学式測定ユニットによる測定光束が測定子によって遮蔽されてしまうことがあり、光学式測定ユニットによる測定が困難となる場合がある。本開示の構成によれば、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが異なる測定位置を測定することができるため、測定子による測定光束の遮蔽を抑制し、良好に測定を行うことができる。
なお、例えば、異なる測定位置を測定可能な構成としては、隣接した位置を測定可能な構成としてもよい。この場合、例えば、光学式測定ユニットによるリムの溝の測定位置である第1測定位置(例えば、第1測定位置T)と、測定子ユニットによるリムの溝の測定位置である第2測定位置(例えば、第2測定位置S)と、が隣接した測定位置を測定するように、測定ユニットと光学式測定ユニットが配置されるようにしてもよい。このような構成によって、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットは、より近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となる。例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットと間での測定位置が大きくずれる場合には、測定が困難となる場合がある。一例として、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットとの一方が眼鏡フレームのカーブ部分(例えば、鼻側部分、耳側部分等)に差し掛かった際に、他方は眼鏡フレームの上部又は下部に位置している場合があり、測定を進行することができなくなり、測定が困難となる場合がある。本開示の構成によれば、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子ユニットによる測定位置と、がより近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となるため、測定が困難(例えば、測定光束がXYZ方向にずれることでリム溝に測定光束が良好に照射されない等)となることを抑制し、良好に測定を行うことが可能となる。
また、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットと間での測定位置が大きくずれる場合には、良好な測定を取得することが困難となる場合がある。一例として、例えば、眼鏡フレームの位置によって、リムの溝の角度が異なる部位があり、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットとの一方の測定位置におけるリムの溝の角度と、他方の測定位置におけるリムの溝の角度とが異なることによって、光学式測定ユニットによる測定光束がリムの溝に良好に照射できず、良好な測定結果を取得することが困難となる場合がある。本開示の構成によれば、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子ユニットによる測定位置と、がより近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となるため、光学式測定ユニットによる測定光束をリムの溝に良好に照射することができ、良好な測定結果を取得することができる。
また、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットと間での測定位置が大きくずれる場合には、光学式測定ユニットと測定子ユニットのそれぞれで取得された測定結果を対応付けることが困難となる場合がある。一例として、眼鏡フレームのタイプによって、部分的にリムの溝が傾斜している構成を有するものがあり、このような眼鏡フレームを測定する場合に、一方はリムの溝が傾斜した位置を測定し、他方はリムの溝が傾斜していない位置を測定することがあり、眼鏡フレームにおけるどこのリムの溝を測定しているのか把握することが困難となる場合がある。このため、光学式測定ユニットと測定子ユニットの双方で測定結果が取得された場合に、双方の測定結果の関係性を把握することが困難となり、対応付けが困難なる場合がある。本開示の構成によれば、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子ユニットによる測定位置と、がより近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となるため、略同一の測定位置での測定結果を取得することができ、双方の測定結果の関係性が把握しやすくなる。このため、光学式測定ユニットと測定子ユニットとで取得されたそれぞれの測定結果を良好に対応付けすることができる。
もちろん、例えば、異なる測定位置を測定可能な構成としては、隣接した位置に限定されない。例えば、異なる測定位置を測定可能な構成としては、離れた位置を測定可能な構成としてもよい。
例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、異なる測定位置を測定可能な構成の場合において、測定進行方向において、光学式測定ユニットによる測定が測定子ユニットによる測定よりも先に実施される構成としてもよい。この場合、例えば、光学式測定ユニットの第1測定位置は、測定進行方向において、測定子ユニットによる第2測定位置よりも先行した測定位置であるようにしてもよい。このような構成によって、例えば、予め、測定子によって測定される測定位置の情報が光学式測定ユニットによる測定結果から取得されるため、光学式測定ユニットによる測定を完了した測定位置に対して、測定子ユニットによる測定を行う場合に、光学式測定ユニットによる測定結果に基づいて、眼鏡フレームに対する測定子の位置を調整しやすくなる。これによって、測定子が眼鏡フレームの溝から外れてしまうこと、測定子がリムの溝に正確に挿入されていない状態で測定をしてしまうこと、等を抑制することができる。
なお、例えば、光学式測定ユニットによる測定ではリムの溝の断面形状を取得することができるため、リムの溝の状態(例えば、溝の傾斜、溝の深さ等)が把握しやすい。このため、測定子ユニットによる測定結果に基づいて、光学式測定ユニットの位置を調整する構成に比べて、眼鏡フレームに対する位置調整をより良好に行いやすい。
また、例えば、光学式測定ユニットと、測定子ユニットは、異なる測定位置を測定可能な構成の場合において、測定進行方向において、測定子ユニットによる測定が光学式測定ユニットによる測定よりも先に実施される構成としてもよい。この場合、例えば、測定子ユニットによる第2測定位置は、測定進行方向において、光学式測定ユニットの第1測定位置よりも先行した測定位置であるようにしてもよい。
なお、例えば、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸(例えば、光軸L1)が、測定子から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸(例えば、測定軸L3)に対して、動径平面(XY平面)上において傾斜して配置されるようにしてもよい。すなわち、例えば、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸が、測定子から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸に対して、動径平面上において所定の傾斜角度(例えば、傾斜角度β)だけ傾斜して配置されるようにしてもよい。この場合、例えば、投光光学系は、投光光学系における測定光束が眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される光軸と、測定子から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸と、の動径平面上における成す角が、鋭角となるように配置されていてもよい。このような構成によって、例えば、測定子ユニットによる測定位置と、光学式測定ユニットによる測定位置と、を隣接した位置又は同一の位置に容易に設定しやすくなる。また、例えば、測定子ユニットの測定軸と、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸と、が並行するように配置される構成に比べ、測定子ユニットによる測定位置と、光学式測定ユニットによる測定位置と、を隣接した位置に設定しやすくなる。
例えば、制御手段は、光学式測定ユニットによる測定位置に関する第1位置情報と、測定子による測定位置に関する第2位置情報と、に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝に対して測定位置が同一の測定位置を測定することで取得された、リムの溝の断面形状と、リムの形状と、を対応付けるようにしてもよい。すなわち、光学式測定ユニットによる測定結果と測定子ユニットによる測定結果と、第1位置情報と第2位置情報に基づいて、を対応付けするようにしてもよい。このような構成によって、例えば、測定子ユニットによって測定される測定結果と、光学式測定ユニットによって測定される測定結果と、容易に対応付けることが可能となり、より良好なリムの形状情報を取得することができる。
例えば、第1位置情報と第2位置情報としては、測定位置間のずれ情報(例えば、ずれ量ΔD)であってもよい。この場合、例えば、第1位置情報と第2位置情報としては、予め、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子による測定位置と、の測定位置のずれ情報(第1位置情報と第2位置情報とのずれ量)が取得されてもよい。また、例えば、第1位置情報と第2位置情報としては、測定時において検出された第1位置情報と第2位置情報とに基づいて、測定位置間のずれ情報が取得されてもよい。
また、例えば、第1位置情報と第2位置情報としては、測定位置の位置座標であってもよい。この場合、例えば、第1位置情報と第2位置情報としては、測定時において検出された光学式測定ユニットの測定位置を示す第1位置座標と、測定子ユニットの測定位置を示す第2位置座標とが取得されてもよい。
例えば、制御手段は、光学式測定ユニットによって取得されたリムの溝の断面形状と、測定子ユニットによって測定されたリムの形状と、を対応付けることによって、統合リム形状データを取得するようにしてもよい。例えば、統合リム形状データを取得することで、リムに関するより詳細な情報を取得できるため、リムの詳細な情報に基づくレンズの加工が可能となり、眼鏡フレームに対してレンズをより良好に嵌め込むことが可能な形状にレンズを加工することができる。
なお、本開示においては、眼鏡枠形状測定装置は、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を保持する保持ユニットを備える構成を例に挙げたがこれに限定されない。例えば、測定子ユニットを保持する保持ユニットと、光学式測定ユニットを保持する保持ユニットと、をそれぞれ設け、眼鏡フレームに対してそれぞれ移動可能とする構成であってもよい。この場合、例えば、眼鏡枠形状測定装置は、測定子ユニットを保持する第1保持ユニットと、光学式測定ユニットを保持する第2保持ユニットと、を備え、眼鏡フレームに対して第1保持ユニットと、第2保持ユニットと、をそれぞれ移動させることで、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定位置をそれぞれ変更する変更手段を備えるようにしてもよい。さらに、第1保持ユニットに対して測定子を移動可能とする第1移動手段と、第2保持ユニットに対して光学式測定ユニットを移動可能とする第2移動手段と、を備えるようにしてもよい。
以下、各構成についてより詳細に説明する。
<投光光学系>
例えば、光学式測定ユニットにおける投光光学系は、光学部材を有してもよい。この場合、例えば、光源から出射された測定光束が各光学部材を介して眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射されるようにしてもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。例えば、絞りを用いることによって、焦点深度を深くすることができる。もちろん、光学部材としては、上記光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
なお、例えば、投光光学系は、光源から出射された測定光束が眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される構成であればよい。例えば、少なくとも光源を有する構成であってもよい。また、例えば、投光光学系としては、光学部材とは異なる部材を経由して、光源から出射された測定光束が眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される構成であってもよい。
例えば、投光光学系によって、眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される測定光束は、スポット状の測定光束を照射してもよい。また、例えば、投光光学系によって、眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射される測定光束は、幅を有する測定光束(例えば、スリット状の測定光束)であってもよい。この場合、例えば、投光光学系は、光源からの測定光束を眼鏡フレームのリムの溝に向けて照射し、リムの溝上に光切断面を形成させてもよい。例えば、受光光学系は、光切断面のリムの溝での反射(例えば、散乱、正反射等)により取得されるリムの溝の反射光束(例えば、散乱光、正反射光等)を検出器によって、受光するようにしてもよい。
例えば、幅を有する測定光束を照射する場合、スリット状の光束を出射する光源を用いてもよい。例えば、点光源を用いてもよい。この場合、例えば、点光源を複数並べて配置することによって、幅を有する測定光束を照射するようにしてもよい。また、例えば、点光源から照射されたスポット状の光束を走査することによって、幅を有する測定光束を照射するようにしてもよい。また、例えば、点光源から照射されたスポット状の測定光束を光学部材によって拡散させることによって、幅を有する測定光束を照射するようにしてもよい。もちろん、例えば、光源としては、上記光源とは異なる種々の種類の光源を用いて、幅を有する測定光束を照射するようにしてもよい。
<受光光学系>
例えば、光学式測定ユニットにおける受光光学系は、光学部材を有してもよい。この場合、例えば、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束が各光学部材を介して、第1検出器に受光されるようにしてもよい。例えば、光学部材としては、レンズ、ミラー、絞り、等の少なくともいずれかを用いてもよい。もちろん、光学部材としては、上記光学部材に限定されず、異なる光学部材が用いられてもよい。
なお、例えば、受光光学系は、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束が検出器に受光される構成であればよい。例えば、受光光学系は、少なくとも第1検出器を有する構成であってもよい。また、例えば、受光光学系としては、光学部材とは異なる部材を経由して、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束が第1検出器に受光される構成であってもよい。
なお、例えば、本実施形態において、受光光学系の撮像光軸(例えば、撮像光軸L2)は、投光光学系の光軸に対して、Z方向において所定の傾斜角度(例えば、傾斜角度α)分だけ下方に傾斜させた構成であってもよい。また、例えば、本実施形態において、受光光学系の撮像光軸は、投光光学系の光軸に対して、動径平面(XY平面)上において所定の傾斜角度(例えば、傾斜角度θ)分だけ傾斜させた構成であってもよい。
<測定子ユニット>
例えば、測定子ユニットは、眼鏡フレームのリムの溝に押し当てられる測定子と、測定子の位置を検出する第2検出器と、を有する。なお、例えば、第2検出器は、測定子ユニットの位置を検出できる構成であればよい。すなわち、例えば、第2検出器は、測定子が移動した場合における測定子の位置を検出することができる構成であればよい。この場合、例えば、X方向と、Y方向と、Z方向と、回転方向(回転)と、傾斜方向(傾斜)と、の少なくともいずれかの方向に移動した場合における測定子の位置が検出できる構成であればよい。
<変更手段>
例えば、変更手段は、眼鏡フレームに対して保持ユニットを移動させることで、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、を眼鏡フレームに対して一体的に移動させて、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定位置を変更する。例えば、変更手段としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、保持ユニットの位置をX方向に移動させるX方向変更手段であってもよい。例えば、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、保持ユニットの位置をY方向に移動させるY方向変更手段であってもよい。
例えば、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、保持ユニットの位置をZ方向に移動させるZ方向変更手段であってもよい。例えば、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、保持ユニットの位置を回転させる回転変更手段(例えば、回転ユニット260)であってもよい。例えば、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、駆動源(例えば、モータ)を有し、保持ユニットの傾斜角度を変更させる傾斜角度変更手段であってもよい。
また、例えば、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、X方向変更手段と、Y方向変更手段と、Z方向変更手段と、回転変更手段と、傾斜角度変更手段と、の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、保持ユニットの位置を移動させる構成としては、上記変更手段に限定されず、保持ユニットの位置を上記方向とは異なる方向に移動させる変更手段が用いられる構成であってもよい。
<制御手段>
例えば、制御手段は、眼鏡フレームのリムの溝によって反射された測定光束の反射光束を処理して、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得する。例えば、制御手段は、第1検出器における反射光束の受光位置から断面形状を取得してもよい。例えば、断面形状は、画像(画像データ)であってもよい。すなわち、断面形状は、断面画像であってもよい。また、例えば、断面形状は、信号(信号データ)であってもよい。すなわち、断面形状は、断面形状の信号データであってもよい。
例えば、断面形状としては、二次元断面形状、三次元断面形状等が挙げられる。例えば、二次元断面形状は、1つの動径角におけるリムの溝に測定光束を照射し、その反射光束を受光することによって取得される断面形状である。例えば、本実施形態において、二次元断面形状は、リムの溝を眼鏡フレームの動径方向(本実施形態においては、XY方向)に垂直な方向(本実施形態においては、Z方向)に切断した面の形状である。なお、例えば、二次元断面形状は、測定光束を横断位置(本実施形態においては、Z方向)に沿って走査させることによって取得してもよい。また、例えば、三次元断面形状は、二次元断面形状を各動径角毎に取得することによって、取得される断面形状である。例えば、三次元断面形状は、二次元断面形状を取得するための測定光束を眼鏡フレームの動径平面方向(本実施形態においては、XY平面方向)で走査することによって取得するようにしてもよい。
なお、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、欠損している位置の周辺の位置(例えば、隣接する位置)における反射光束の受光結果から、欠損部分を補間するようにしてもよい。また、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、断面形状を近似することによって、欠損部分を補間するようにしてもよい。また、例えば、断面形状の取得した際に、断面形状の一部が欠損している場合に、欠損部分が取得されるように断面形状の再取得を行うようにしてもよい。
例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも1つの箇所(1つの動径角の位置)でのリムの溝の二次元断面形状が取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の位置(例えば、眼鏡フレームの左端、右端、上端、下端等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、二次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、1つの動径角の位置で取得されるようにしてもよい。
例えば、三次元断面形状を取得する場合、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも一部の領域でのリムの溝の三次元断面形状が取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の領域(例えば、眼鏡フレームの左端領域、右端領域、上端領域、下端領域等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、三次元断面形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、一部分の領域で取得されるようにしてもよい。なお、眼鏡フレームのリムの全周に対して三次元断面形状を取得していない場合で、眼鏡フレームのリムの全周の三次元断面形状を取得したい場合には、二次元断面形状を取得した部分の二次元断面形状(三次元断面形状)に基づいて、補間をすることによって、眼鏡フレームのリムの全周の三次元断面形状を取得してもよい。
例えば、制御手段は、取得したリムの断面形状に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状(形状データ)を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、制御手段は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の断面形状から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状(例えば、玉型形状、周長等)を取得するようにしてもよい。
例えば、制御手段は、第2検出器によって検出された検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状(リムの形状データ)を取得する。例えば、リムの形状としては、リムの玉型形状(玉型形状データ)であってもよい。また、例えば、リムの形状としては、リムの玉型形状に基づいて算出されるリムの周長(周長データ)であってもよい。例えば、測定子によって測定されるリムの形状(リムの玉型形状)は、リムの三次元玉型形状(三次元玉型形状データ)であってもよいし、リムの二次元玉型形状(二次元玉型形状データ)であってもよい。また、例えば、測定子によって測定されるリムの玉型形状は、リムの内形形状に基づく形状であればよい。
例えば、本実施形態において、リムの三次元玉型形状は、測定子を、リムの溝を眼鏡フレームの周方向に移動させて測定を行うことで取得される。例えば、眼鏡フレームの各動径角におけるリムの溝の三次元位置(XYZの位置)を測定していくことで、リムの三次元玉型形状が取得される。なお、例えば、制御手段は、リムの形状として、リムの三次元玉型形状に基づいて、リムの周長(リムの周方向の距離)を算出するようにしてもよい。
例えば、本実施形態において、リムの二次元玉型形状は、測定子を、リムの溝を眼鏡フレームの周方向に移動させて測定を行うことで取得される。例えば、眼鏡フレームの各動径角におけるリムの溝の二次元位置(XYの位置)を測定していくことで、リムの二次元玉型形状が取得される。なお、例えば、制御手段は、リムの形状として、リムの二次元玉型形状に基づいて、リムの周長を算出するようにしてもよい。
なお、例えば、制御手段は、リムの三次元玉型形状に基づいて、二次元玉型形状を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、リムの三次元玉型形状を二次元平面(XY平面)に投影することでリムの二次元玉型形状を取得するようにしてもよい。
なお、例えば、玉型形状(例えば、二次元玉型形状、三次元玉型形状)の取得した際に、玉型形状の一部が欠損している場合に、欠損している位置の周辺の位置(例えば、隣接する位置)における測定結果から、欠損部分を補間するようにしてもよい。また、例えば、玉型形状の取得した際に、玉型形状の一部が欠損している場合に、欠損部分が取得されるように玉型形状の再取得を行うようにしてもよい。
例えば、リムの三次元玉型形状は、眼鏡フレームのリムの全周(各動径角においてリムが形成されているすべての部分)の内、少なくとも1つの箇所(1つの動径角の位置)でのリムの三次元玉型形状が取得されるようにしてもよい。この場合、例えば、リムの三次元玉型形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、リムの三次元玉型形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、複数の位置(例えば、眼鏡フレームの左端、右端、上端、下端等)で取得されるようにしてもよい。また、この場合、例えば、リムの三次元玉型形状は、眼鏡フレームのリムの全周において、1つの動径角の位置で取得されるようにしてもよい。なお、リムの二次元玉型形状を取得する場合についても、上記のリムの三次元玉型形状の取得と同様に、少なくとも1つの箇所(1つの動径角の位置)でのリムの三次元玉型形状が取得されるようにしてもよい。
例えば、制御手段は、光学式測定ユニットによって取得されたリムの溝の断面形状と、測定子ユニットによって測定されたリムの形状と、を対応付けることによって、統合リム形状データを取得するようにしてもよい。例えば、統合リム形状データとしては、光学式測定ユニットによって取得されたリムの溝の断面形状と、測定子ユニットによって測定されたリムの形状と、を統合(組み合わせ)処理することによって、新たに取得されるデータであればよい。一例として、例えば、統合リム形状データとしては、リムの断面形状と、リムの周長と、が組み合わせられたデータであってもよい。
例えば、リムの周長は、光学式測定ユニットによって測定されたリムの周長に対して、測定子によって接触式で測定されたリム周長の方がより精度のよい結果を取得することができる。また、例えば、玉型形状についてもリム周長と同様のことがいえる。一方で、測定子ユニットによる測定ではリムの断面形状を測定することは困難であるが、光学式測定ユニットによって断面形状を容易に取得することができる。このため、測定子ユニットによって取得されたリムの形状と、光学式測定ユニットによって測定されたリムの溝の断面形状と、を組み合わせることがより良好なデータを取得することができる。つまり、光学式測定ユニットと、測定子ユニットと、でそれぞれが不足する部分を充足するようなデータを取得することができるため、より良好な加工を可能とすることに繋がる。
なお、本実施形態において、受光光学系の撮像光軸が投光光学系の光軸に対してZ方向において傾斜角度α分だけ下方に傾斜している場合に、リムの溝の断面形状を補正するようにしてもよい。また、本実施形態において、受光光学系の撮像光軸が投光光学系の光軸に対して、XY平面上において傾斜角度θ分だけ傾斜して配置されている場合に、リムの溝の断面形状を補正するようにしてもよい。また、例えば、本実施形態において、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸が、測定子から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸に対して、動径平面上(XY平面上)において傾斜角度β分だけ傾斜して配置されている場合、リムの溝の断面形状を補正するようにしてもよい。つまり、上記のような、いずれかの傾斜構成を有する場合に、例えば、制御手段は、傾斜角度αと、傾斜角度θと、傾斜角度θと、の少なくともいずれかの傾斜角度に基づいて、リムの溝の断面形状を補正するようにしてもよい。一例として、制御手段は、傾斜角度αと、傾斜角度θと、傾斜角度θと、の少なくともいずれかの傾斜角度を利用した三角関数によって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を補正してもよい。もちろん、制御手段は、傾斜角度αと、傾斜角度θと、傾斜角度θと、の少なくともいずれかの傾斜角度に基づく、三角関数とは異なる演算によって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を補正してもよい。このように、傾斜角度に基づき、リムの溝の断面形状を補正することによって、傾斜角度の影響によって生じた断面形状の歪みを補正した断面形状を取得することが可能となり、リムの溝の断面形状を精度よく取得することができる。
<移動手段>
例えば、移動手段は、保持ユニットに対して、測定子を任意の方向に移動可能とすることができる。例えば、移動手段は、保持ユニットに対して、測定子を、X方向と、Y方向と、Z方向と、回転方向(回転)と、傾斜方向(傾斜)と、の少なくともいずれかの方向に移動可能としてもよい。なお、例えば、保持ユニットに対して、測定子が回転方向に移動可能な構成とは、所定の回転軸(例えば、回転軸LO)を回転中心として、測定子が回転可能な構成を示す。また、例えば、保持ユニットに対して、測定子に傾斜方向に移動可能な構成とは、測定子が保持ユニットに対して傾斜可能な構成を示す。
また、例えば、移動手段は、保持ユニットに対して、光学式測定ユニットを任意の方向に移動可能とすることができる。例えば、移動手段は、保持ユニットに対して、光学式測定ユニットを、X方向と、Y方向と、Z方向と、回転方向(回転)と、傾斜方向(傾斜)と、の少なくともいずれかの方向に移動可能としてもよい。なお、例えば、保持ユニットに対して、光学式測定ユニットが回転方向に移動可能な構成とは、所定の回転軸(例えば、回転軸LO)を回転中心として、光学式測定ユニットが回転可能な構成を示す。また、例えば、保持ユニットに対して、光学式測定ユニットに傾斜方向に移動可能な構成とは、光学式測定ユニットが保持ユニットに対して傾斜可能な構成を示す。
例えば、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段と、保持ユニットに対して光学式測定ユニットを移動可能とする移動手段とは、兼用される構成としてもよい。この場合、例えば、測定子に対して光学式測定ユニットが連結され、測定子が保持ユニットに対して移動されることで、測定子とともに光学式測定ユニットが保持ユニットに対して、一体的に移動される構成であってもよい。すなわち、移動手段によって、測定子が保持ユニットに対して移動可能とされることで、測定子とともに光学式測定ユニットが保持ユニットに対して、一体的に移動可能とされる構成であってもよい。
<レンズ加工>
例えば、眼鏡枠形状測定装置によって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状と、リムの溝のリムの形状と、をレンズの加工に用いてもよい。もちろん、断面形状と、リムの形状と、に基づいて取得された統合リム形状データが用いられてもよい。例えば、レンズの周縁を加工するレンズ加工装置(例えば、レンズ加工装置300)は、眼鏡枠形状測定装置における光学式測定ユニットによって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状と、眼鏡枠形状測定装置における測定子ユニットによって取得されたリムの形状と、を取得する。
例えば、眼鏡枠形状測定装置は、送信手段を有し、送信手段によって、レンズ加工装置に向けて眼鏡フレームのリムの溝の断面形状とリムの形状とを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、レンズ加工装置は、受信手段を有し、眼鏡枠形状測定装置から送信された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状とリムの形状を受信するようにしてもよい。
なお、例えば、レンズ加工装置に眼鏡枠形状測定装置が備えられた構成であってもよい。また、例えば、レンズ加工装置と眼鏡枠形状測定装置とが別途それぞれ別装置であってもよい。この場合には、有線と無線との少なくともいずれかによって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状とリムの形状とが眼鏡枠形状測定装置からレンズ加工装置に送信されるようにしてもよい。
例えば、レンズ加工装置は、加工制御手段(例えば、制御部310)を備えてもよい。例えば、加工制御手段は、眼鏡枠形状測定装置によって取得された眼鏡フレームのリムの溝の断面形状と、リムの形状と、に基づいてレンズの周縁を加工してもよい。例えば、加工制御手段は、レンズを保持するレンズ保持手段及び加工具を制御して、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状と、リムの形状と、に基づいてレンズの周縁を加工してもよい。
例えば、本実施形態において、レンズ加工装置は、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状と、リムの形状と、に基づいてレンズの周縁を加工する加工制御手段を備える。これによって、眼鏡フレームに加工後のレンズを良好に枠入れする際に、リムの溝の形状と加工後のレンズの輪郭形状が近い形状となるため、枠入れを良好に行うことができる。
<実施例>
本開示の典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。図1は、眼鏡枠形状測定装置の外観略図である。例えば、図2は、眼鏡フレームが保持された状態のフレーム保持ユニットの上面図である。例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置1は、フレーム保持ユニット10と、測定ユニット20と、を備える。例えば、フレーム保持ユニット10は、眼鏡フレームFを所期する状態に保持する。例えば、測定ユニット20は、フレーム保持ユニット10に保持された眼鏡フレームFのリム(例えば、左側リムFL、右側リムFRs)の溝に向けて測定光束を照射し、その反射光束を受光することにより、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる。また、例えば、測定ユニット20は、フレーム保持ユニット10に保持された眼鏡フレームFのリム(例えば、左側リムFL、右側リムFRs)の溝に測定子を挿入し、測定子の移動を検出することにより、リムの形状を測定する。例えば、測定ユニット20はフレーム保持ユニット10の下に配置されている。
例えば、眼鏡枠形状測定装置1の筐体の前側には測定開始用のスイッチ等を持つスイッチ部4が配置されている。例えば、眼鏡枠形状測定装置1の筐体の後側には、タッチパネル式のディスプレイ3が配置されている。例えば、レンズの周縁加工に際し、パネル部3により玉型データに対するレンズのレイアウトデータ、レンズの加工条件等が入力される。例えば、眼鏡枠形状測定装置1で得られた取得結果(リムの溝の断面形状、眼鏡フレーム形状等)及びディスプレイ3で入力されたデータは、レンズ加工装置に送信される。なお、眼鏡枠形状測定装置1は、特開2000-314617号公報等と同じく、レンズ加工装置に組み込まれる構成としてもよい。
<フレーム保持ユニット>
例えば、フレーム保持ユニット10の下側には、測定ユニット20が備えられている。例えば、保持部ベース101上には眼鏡フレームFを水平に保持するための前スライダー102と後スライダー103が載置されている。なお、例えば、水平とは略水平であってもよい。例えば、前スライダー102と後スライダー103は、その中心線CLを中心に2つのレール111上を対向して摺動可能に配置されていると共に、バネ113により常に両者の中心線CLに向かう方向に引っ張られている。
例えば、前スライダー102には、眼鏡フレームFのリムをその厚み方向からクランプするためのクランプピン130a,130bがそれぞれ2箇所に配置されている。例えば、後スライダー103には眼鏡フレームFのリムをその厚み方向からクランプするためのクランプピン131a,131bがそれぞれ2箇所に配置されている。また、例えば、型板を測定するときは、前スライダー102及び後スライダー103が開放され、周知の型板保持治具が所定の取付け位置140に配置されて使用される。このフレーム保持ユニット10の構成は、例えば、特開2000-314617号公報等に記載された周知のものが使用できる。
例えば、眼鏡フレームFは、眼鏡装用時のリムの下側が前スライダー102側に位置され、リムの上側が後スライダー103側に位置される。例えば、左右のリムのそれぞれの下側及び上側に位置するクランプピンにより、眼鏡フレームFは所定の測定状態に保持される。
なお、本実施例においては、リムの前後方向の位置を規制する構成として、上記クランプピン130a,130b及びクランプピン131a,131bの構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。周知の機構が使用されても良い。例えば、左右リムの前後方向を固定する機構としては、V字状の溝を持つ当接部材(規制部材)を左右リム用にそれぞれ設ける構成でも良い。
<測定ユニット>
以下、測定ユニット20の構成について説明する。例えば、測定ユニット20は、光学式測定ユニット30を備える。例えば、光学式測定ユニット30は、投光光学系30aと、受光光学系30bと、で構成される。例えば、投光光学系30a及び受光光学系30bは、眼鏡フレームの形状及び眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる(詳細は後述する)。また、例えば、測定ユニット20は、測定子ユニット60を備える。例えば、測定子ユニットは、測定子61を備える。例えば、測定子ユニット60は、眼鏡フレームのリムの形状(例えば、リムの玉型形状)を取得するために用いられる(詳細は後述する)。本実施例において、測定子ユニット60における測定子61に対して光学式測定ユニット30が連結されている。
例えば、測定ユニット20は、光学式測定ユニット30(投光光学系30aと受光光学系30b)と、測定子ユニット60と、を保持する保持ユニット25を備える。例えば、測定ユニット20は、保持ユニット25をXYZ方向に移動させる移動ユニット210を備える(例えば、図3~図5参照)。また、例えば、測定ユニット20は、回転軸L0を中心として保持ユニット25を回転させる回転ユニット260を備える(例えば、図6参照)。なお、例えば、本実施例において、XY方向はフレーム保持ユニット10により保持される眼鏡フレームFの測定平面(リムの動径方向)と平行であり、Z方向は測定平面に垂直な方向である。
<移動ユニット>
以下、移動ユニット210について説明する。例えば、図3~図5は、移動ユニット210の構成を説明する図である。例えば、図3は、移動ユニット210を上方から見た斜視図を示している。例えば、図4は、移動ユニット210の下方から見た斜視図を示している。例えば、図5は、Z移動ユニット220とY移動ユニット230の上面斜視図(X移動ユニット240とベース部211を取り外した状態の斜視図)を示している。
例えば、移動ユニット210は、大別して、Z移動ユニット(Z方向変更手段)220と、Y移動ユニット(Y方向変更手段)230と、X移動ユニット(X方向変更手段)240と、を備える。例えば、Z移動ユニット(Z方向変更手段)220は、保持ユニット25をZ方向に移動させる。例えば、Y移動ユニット230は、保持ユニット25及びZ移動ユニット220を保持し、Y方向へ移動させる。例えば、X移動ユニット240は、保持ユニット25をZ移動ユニット220及びY移動ユニット230と共にX方向に移動させる。
例えば、X移動ユニット240は、概略的に次のように構成されている。例えば、X移動ユニット240は、水平方向(XY方向)に伸展した方形状の枠を持つベース部211の下方に、X方向に延びるガイドレール241を備える。例えば、Y移動ユニット230のYベース230aが、ガイドレール241に沿って、X方向に移動可能に取り付けられている。例えば、ベース部211には、モータ(駆動源)245が取り付けられている。例えば、モータ245の回転軸には、X方向に延びる送りネジ242が取り付けられている。例えば、Yベース230aに固定されたナット部246が送りネジ242に螺合されている。これにより、モータ245が回転されると、Yベース230aがX方向に移動される。なお、例えば、X移動ユニット240のX方向の移動範囲は、眼鏡フレームの左右のレンズ枠を測定可能にするために、保持ユニット25が搭載されるYベース230aを眼鏡フレームの左右幅以上に移動可能な長さを持つようにしてもよい。
例えば、Y移動ユニット230は、概略的に次のように構成されている。例えば、Yベース230aには、Y方向に延びるガイドレール231が取り付けられている。例えば、Zベース220aは、ガイドレール231に沿ってY方向に移動可能に取り付けられている。例えば、Yベース230aにはY移動用のモータ(駆動源)235とY方向に延びる送りネジ232が回転可能に取り付けられている。例えば、モータ235の回転は、ギヤ等の回転伝達機構を介して送りネジ232に伝達される。例えば、送りネジ232には、Zベース220aに取り付けられたナット227が螺合されている。これらの構成により、モータ235が回転されると、Zベース220aがY方向に移動される。
例えば、X移動ユニット240及びY移動ユニット230によりXY移動ユニットが構成される。例えば、保持ユニット25をXY方向に移動させる範囲は、測定可能なリムの動径よりも大きくされている。また、例えば、保持ユニット25のXY方向の移動位置は、後述する制御部50によりモータ245及びモータ235が駆動されるパルス数によって検知され、保持ユニット25のXY方向の位置を検知する第1のXY位置検知ユニットがモータ245,235及び制御部50により構成される。例えば、保持ユニット25のXY位置検知ユニットとしては、モータ245及びモータ235のパルス制御で検知する他、モータ245及び235のそれぞれの回転軸に取り付けられたエンコーダ等のセンサを使用する構成でも良い。
例えば、Z移動ユニット220は、概略的に次のように構成されている。例えば、Zベース220aにはZ方向に延びるガイドレール221が形成され、このガイドレール221に沿って保持ユニット25が取り付けられた移動ベース250aがZ方向に移動可能に保持されている。例えば、Zベース220aには、Z移動用のパルスモータ225が取り付けられていると共に、Z方向に延びる送りネジ(図示を略す)が回転可能に取り付けられている。例えば、保持ユニット25のベース250aに取り付けられたナットに螺合されている。例えば、モータ225の回転はギヤ等の回転伝達機構を介して送りネジに伝達され、送りネジの回転により保持ユニット25がZ方向に移動される。保持ユニット25のZ方向の移動位置は、後述する制御部50によってモータ225が駆動されるパルス数により検知され、保持ユニット25のZ方向の位置を検知するZ位置検知ユニットがモータ225及び制御部50により構成される。例えば、保持ユニット25のZ位置検知ユニットとしては、モータ225のパルス制御で検知する他、モータ225の回転軸に取り付けられたエンコーダ等のセンサを使用する構成でも良い。
なお、以上のようなX方向、Y方向及びZ方向の各移動機構は、実施例に限られず、周知の機構が採用できる。例えば、保持ユニット25を直線移動させる代わりに、回転ベースの中心に対して円弧起動で移動させる構成としても良い(例えば、特開2006-350264号公報等参照)。
<光学式測定ユニット、測定子ユニット、回転ユニット>
次いで、光学式測定ユニット30、回転ユニット260、測定子ユニット60、について説明する。例えば、図6は、光学式測定ユニット30、回転ユニット260、測定子ユニット60について説明する図である。
例えば、測定子ユニット60は、測定子61、測定子軸62、を備える。例えば、測定子61は、測定子軸62に取り付けられている。例えば、保持ユニット25は、Z方向に延びる回転軸LOの軸回りに測定子軸62を回転する回転ユニット260を有する。例えば、回転ユニット260は、測定子軸62が取り付けられた回転ベース261と、回転軸LOを中心として回転ベース261を回転させるモータ(駆動源)265と、を有する。
例えば、回転ベース261は、測定子軸62を、測定子61の先端方向に移動可能(傾斜可能)に保持する。すなわち、測定子軸62が保持ユニット25に対して、測定子61の先端方向に移動可能(傾斜可能)に保持されている。また、例えば、回転ベース261は、測定子軸62を、Z方向に移動可能に保持する。すなわち、測定子軸62が保持ユニット25に対して、Z方向に移動可能に保持されている。例えば、測定子61の先端方向の位置、及び測定子軸62の中心位置は、検知器であるエンコーダ286により検知される。測定子61のZ方向の位置、及び測定子軸62のZ方向の位置は、検出器であるエンコーダ288により検知される。なお、保持ユニット25は、測定子61の先端をリム(右リムRIRと左リムRIL)の溝に押し当てる測定圧を付与するための図示なき測定圧付与機構を備える。なお、例えば、測定子ユニット60の構成については、特開2013-68488号公報等に記載された周知のものが使用できる。
例えば、測定子ユニット60における測定子軸62には光学式測定ユニット30が連結されている。例えば、測定子軸62が移動されることで、測定子軸62の動きに合わせて、測定子軸62に連結された光学式測定ユニット30が一体的に移動される。例えば、光学式測定ユニット30は、測定子軸62の移動に合わせて、測定子61の先端方向に移動可能(傾斜可能)となっているとともに、Z方向に移動可能となっている。すなわち、光学式測定ユニット30が、保持ユニット25に対して、測定子61の先端方向に移動可能(傾斜可能)に保持されているとともに、Z方向に移動可能に保持されている。この場合、例えば、光学式測定ユニット30の位置は、測定子61及び測定子軸62の位置の検出と同様に、検出器であるエンコーダ286、エンコーダ288により検知される。また、回転軸LOの軸回りに測定子軸62が回転されることによって、光学式測定ユニット30が回転軸LOの軸回りに回転される。
例えば、光学式測定ユニット30は、カバー38を有する。例えば、カバー38の内部には、投光光学系30a及び受光光学系30bが収納されている。例えば、カバー38には、開口部39が設けられている。例えば、開口部39は、投光光学系30aからの測定光束を通過させるとともに、眼鏡フレームFで反射された反射光束を通過させる。例えば、開口部39には開口部39を覆うような透明パネルが設けられていてもよい。例えば、開口部39は、投光光学系30aのから照射される測定光束をカバー38の内部から外部に向けて出射する。すなわち、投光光学系30aからの測定光束は、開口部39を通過して眼鏡フレームFのリムの溝に向けて照射される。例えば、開口部39は、眼鏡フレームFのリムの溝によって反射された反射光束をカバー38の外部からカバー38の内部の受光光学系30bに向けて通過させる。すなわち、眼鏡フレームFのリムの溝によって反射された反射光束は、開口部39を通過して受光光学系30bに受光される。例えば、回転ユニット260は、Z方向に延びる回転軸LOを中心に測定子軸62を回転させることで、開口部39が向くXY方向を変更する。
例えば、回転ベース261の下部の外周には、大径ギア262が形成されている。例えば、回転ユニット260は、取り付け板252を有する。例えば、取り付け板252には、モータ265が取り付けられている。例えば、モータ265の回転軸にピニオンギア266が固定され、ピニオンギア266の回転は、取り付け板252に回転可能に設けられたギア263を介して、大径ギア262に伝達される。したがって、モータ265の回転により、回転ベース261が回転軸LOの軸回りに回転される。例えば、モータ265の回転は、モータ265に一体的に取り付けられたエンコーダ(センサ)265aにより検出され、エンコーダ265aの出力から回転ベース261(すなわち、測定子軸62、光学式測定ユニット30)の回転角が検知される。回転ベース261の回転の原点位置は、図示を略す原点位置センサにより検知される。なお、以上のような回転ユニット260の各移動機構は、実施例に限られず、周知の機構が採用できる。
次いで、光学式測定ユニット30の詳細について説明する。例えば、図7は、光学式測定ユニット30の光学系について示す概略構成図である。なお、例えば、図7は、光学式測定ユニット30を側方(図6におけるC方向)から見た図を示している。例えば、光学式測定ユニット30は、眼鏡フレームFを取得するために用いられる。例えば、本実施例において、光学式測定ユニット30は、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得するために用いられる。また、例えば、本実施例において、光学式測定ユニット30は、眼鏡フレームFの形状を測定するために用いられる。例えば、光学式測定ユニット30は、投光光学系30aと受光光学系30bを備える。例えば、投光光学系30aと受光光学系30bは、カバー38の内部に配置される。
例えば、本実施例において、光学式測定ユニット30は、シャインプルークの原理に基づいて眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状を取得する構成となっている。例えば、投光光学系30aは、眼鏡フレームのリムの溝にスリット光を照射する。例えば、受光光学系30bは、スリット光が照射される光軸L1に対して傾斜した撮像光軸L2を持ち、シャインプルークの原理に基づいて配置されたレンズと検出器を備える。もちろん、光学式測定ユニット30は、シャインプルークの原理に基づく光学系ではなく、異なる構成の光学系が用いられてもよい。光学式測定ユニット30は、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状が取得される光学系であればよい。
例えば、投光光学系30aは、光源31と、レンズ32と、スリット板33と、レンズ34と、を備える。例えば、光源31より出射された測定光束は、レンズ32によって集光してスリット板33を照明する。例えば、スリット板33を照明した測定光束は、スリット板33により細いスリット状に制限された測定光束となり、レンズ34を介して、眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される。すなわち、例えば、スリット光が眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される。これにより、眼鏡フレームFのリムの溝FAは、スリット光により光切断された形で照明される。
例えば、受光光学系30bは、レンズ36と、検出器(例えば、受光素子)37と、を備える。例えば、受光光学系30bは、Z方向において、投光光学系30aの下方に配置されている。すなわち、例えば、受光光学系30bは、投光光学系30aの光軸L1に対して受光光学系30bの光軸(撮像光軸)L2がZ方向において、傾斜角度α分だけ下方に傾斜して配置されている。例えば、受光光学系30bは、リムの溝FAでの反射により取得されるリムの溝FAの反射光束を下方から検出する。例えば、受光光学系30bは、眼鏡フレームFのリムの溝FAに対して、斜め方向から断面形状を取得する構成となっている。例えば、受光光学系30bは、シャインプルークの原理に基づいて眼鏡フレームFのリムの溝FAの断面形状を取得する構成となっている。
例えば、レンズ36は、リムの溝FAでの反射により取得されるリムの溝FAの反射光束(例えば、リムの溝FAの散乱光、リムの溝FAの正反射光等)を検出器37に導く。例えば、検出器37は、眼鏡フレームFのリムの溝FAと略共役な位置に配置された受光面を持っている。例えば、受光光学系30bは、投光光学系30aの投光光軸L1に対して下方に傾斜した撮像光軸L2を持ち、シャインプルークの原理に基づいて配置されたレンズ36と検出器37を持っている。受光光学系30bは、撮像光軸L2が投光光学系30aの光軸L1と所定の角度で交わるように配置されている。例えば、投光光学系30aによって眼鏡フレームFのリムの溝FAに照射される光断面と、眼鏡フレームFのリムの溝FAを含むレンズ系(眼鏡フレームFのリムの溝FA及びレンズ36)と検出器37の受光面(受光位置)とがシャインプルークの関係にて配置されている。
なお、本実施例においては、投光光学系30aと受光光学系30bが測定子軸62の片側に一体的に配置されている構成を例に挙げているがこれに限定されない。例えば、投光光学系30aと受光光学系30bは任意の位置に配置することができる。一例として、例えば、測定子軸62を挟んで測定子軸62の双方に投光光学系30aと受光光学系30bとが分けられて配置される構成としてもよい。このような構成すれば、測定子軸62の双方のスペースを利用して、投光光学系30aと受光光学系30bが配置できるため、無駄なスペ―スが生じづらくなる。
<光学式測定ユニットと測定子ユニットの測定位置関係>
次いで、光学式測定ユニット30による測定位置と、測定子ユニット60による測定位置と、の関係について説明する。図8は、光学式測定ユニット30と測定子ユニット60を上方(図6におけるB方向)から見た図を示す。
例えば、図8に示すように、本実施例において、光学式測定ユニット30によって測定される第1測定位置Tと、測定子ユニット60によって測定される第2測定位置Sと、が異なる測定位置を測定するように、光学式測定ユニット30と測定子ユニット60が配置されている。また、本実施例においては、第1測定位置Tと、第2測定位置Sと、が隣接した測定位置を測定するように、測定ユニットと光学式測定ユニットが配置されている。本実施例においては、第1測定位置Tと、第2測定位置Sと、は、ずれ量ΔD分だけ測定位置がずれている。
なお、例えば、本実施例において、第1測定位置Tと第2測定位置Sがより近い位置を測定可能とするために、光学式測定ユニット30における投光光学系30aの光軸L1が、測定子61から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸L3に対して、動径平面上(XY平面上)において傾斜角度β分だけ傾斜して配置されている。
また、例えば、本実施例において、投光光学系30aのスリット光により光切断された切断面が検出できるように、光学式測定ユニット30における受光光学系30bの撮像光軸L2が、投光光学系30aの光軸L1に対して、動径平面上(XY平面上)において傾斜角度θ分だけ傾斜して配置されている。すなわち、本実施例において、受光光学系30bの撮像光軸L2は、投光光学系30aの光軸L1に対して、Z方向において傾斜角度α分だけ下方に傾斜し、且つ、XY平面上において傾斜角度θ分だけ傾斜して配置されている。
また、例えば、光学式測定ユニット30の第1測定位置Tは、測定進行方向E(後述する図10参照)において、測定子ユニット60による第2測定位置Sよりも先行した測定位置となっている。すなわち、本実施例においては、光学式測定ユニット30によって測定された後、測定子ユニット60による測定が行われる。
<制御手段>
図9は、眼鏡枠形状測定装置1に関する制御ブロック図である。制御部50には、不揮発性メモリ(記憶手段)52、ディスプレイ3、スイッチ部4等が接続されている。
例えば、制御部50は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備える。制御部50のCPUは、各部(例えば、光源31、検出器37、エンコーダ265a、エンコーダ286、エンコーダ288)及び各ユニットの駆動手段(例えば、フレーム保持ユニット10の駆動源、各モータ225、235、245、265)等、装置全体の制御を司る。また、例えば、制御部50は、各種演算(例えば、各センサからの出力信号等に基づいて眼鏡フレームの形状の演算等)を行う演算手段(解析手段)として機能する。RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部50のROMには、装置全体の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。なお、制御部50は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。不揮発性メモリ(記憶手段)52は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、眼鏡枠形状測定装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を不揮発性メモリ(メモリ)52として使用することができる。
例えば、制御部50は、レンズの周縁を加工するレンズ加工装置300と接続されている。例えば、眼鏡枠形状測定装置1によって取得された各種データがレンズ加工装置300の制御部310に送信される。レンズ加工装置300の制御部310は、受信した各種データに基づいてレンズ加工装置300の各部及び各ユニットの駆動手段を制御して、レンズの加工を行う。もちろん、レンズ加工装置300と眼鏡枠形状測定装置1は、一体的に構成された装置であってもよい。
例えば、本実施例において、ディスプレイ3は、タッチパネル式のディスプレイが用いられる。すなわち、本実施例において、ディスプレイ3がタッチパネルであるため、ディスプレイ3が操作部(操作ユニット)として機能する。この場合、制御部50はディスプレイ3が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ3の図形及び情報の表示等を制御する。もちろん、眼鏡枠形状測定装置1に、別途、操作部が設けられる構成としてもよい。この場合、例えば、操作部には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。もちろん、ディスプレイ60と、操作部と、の双方が用いられ、眼鏡枠形状測定装置1が操作される構成としてもよい。なお、本実施例においては、ディスプレイ60が操作部として機能するとともに、別途、スイッチ部(操作部)4が備えられた構成を例に挙げて説明する。
<制御動作>
以上のような構成を持つ装置の動作を説明する。例えば、操作者は、フレーム保持ユニット10に眼鏡フレームFを保持させる。例えば、操作者は、眼鏡フレームFの左右リムFL,FRが下方向、眼鏡フレームFの左右のテンプルFTL,FTRが上方向となるように、フレーム保持ユニット10に眼鏡フレームFを保持させる。
例えば、フレーム保持ユニット10に眼鏡フレームFが保持されると、操作者は、スイッチ部4を操作して、測定を開始させる。例えば、測定開始のトリガ信号が出力されると、制御部50は、X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220、及び回転ユニット260の少なくともいずれかを駆動することによって、保持ユニット25を移動させて眼鏡フレームFのリムの測定を開始する。例えば、本実施例において、リムの測定は、右リムFRから測定が開始される。もちろん。左リムFLから測定が開始される構成であってもよい。
例えば、制御部50は、保持ユニット25を移動させることによって、光学式測定ユニット30(投光光学系30a及び受光光学系30b)及び測定子ユニット60を移動させ、眼鏡フレームのリム輪郭を測定していく。これによって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状及びリムの形状(本実施例においてはリムの玉型形状及び周長)を取得する。なお、本実施例においては、投光光学系30a及び受光光学系30bは、シャインプルークの関係を維持した状態で、眼鏡フレームFに対して移動される。すなわち、眼鏡フレームFのリムの溝に対して、光学式測定ユニット30が一定の位置関係となるように移動させることで、眼鏡フレームFのリムの溝の断面形状が取得できる。
図10は、光学式測定ユニット30及び測定子ユニット60が初期位置に移動される前の状態を示す図である。図11は、光学式測定ユニット30及び測定子ユニット60が初期位置に移動された後、測定開始位置へ移動された状態を示す図である。なお、図10、図11においては、便宜上、受光光学系30bについては省略している。
例えば、測定開始のトリガ信号が出力されると、制御部50は、移動ユニット210(X移動ユニット240、Y移動ユニット230、Z移動ユニット220の少なくともいずれか)、及び回転ユニット260の駆動を制御し、退避位置に置かれていた保持ユニット25を初期位置まで移動させる。本実施例においては、光学式測定ユニット30の初期位置SR1と、測定子ユニット60の初期位置SR2と、がそれぞれ設定されている。なお、本実施例において、測定子ユニット60による測定位置Sは、光学式測定ユニット30による測定位置Tから、ずれ量ΔD分だけずれた位置となるために(図8参照)、光学式測定ユニット30の初期位置SR1と、測定子ユニット60の初期位置SR2と、は、X方向にずれ量ΔD分だけ離れた位置にそれぞれ設定されている。なお、本実施例において、例えば、光学式測定ユニット30における測定開始の初期位置SR1は、保持ユニット25が右リムFRの下端側のクランプピン130a,130bと、クランプピン131a,131bと、の中央位置に設定されている。すなわち、上記の中央位置に光学式測定ユニット30による第1測定位置Tが位置されるように制御が行われる。なお、このとき、測定子ユニット60による測定開始の初期位置S2は、上記中央位置から測定の進行方向とは逆の方向にずれ量ΔD分だけずれた位置に設定される。もちろん、初期位置は、任意の位置に設定することができる。
例えば、本実施例において、測定子ユニット60の測定子61の第2測定位置Sを初期位置SR1に位置されることによって、光学式測定ユニット30の第1測定位置Tも初期位置SR1に位置される。すなわち、測定子ユニット60の測定子61の第2測定位置Sが初期位置SR2に移動されることによって、光学式測定ユニット30も移動されるため、光学式測定ユニット30の第1測定位置Tが初期位置SR1に位置されることになる。もちろん、初期位置へ移動させる方向は上記方法に限定されない。
例えば、制御部50は、移動ユニット210、及び回転ユニット260の少なくともいずれかの駆動を制御し、測定子61の第2測定位置Sを初期位置SR1に位置させる。例えば、制御部50は、初期位置SR2にて、測定子61の先端がリムの上側を向くように、回転ユニット260を回転させる。図11に示すように、例えば、制御部50は、測定子61の第2測定位置Sの初期位置SR1への移動が完了すると、測定子61がリムの溝に接触するように、保持ユニット25をリム側に移動させる。これによって、測定子61の先端がリムの溝に挿入され、測定子61は初期位置SR2から測定開始位置S1へ移動される。
例えば、制御部50は、測定子61の第2測定位置Sが初期位置SR2から測定開始位置S1へ移動され、光学式測定ユニット30の第1測定位置Tが初期位置SR1から測定開始位置T1に移動されると、光源31を点灯する。例えば、光源31の点灯により、眼鏡フレームFのリムの溝はスリット光により光切断される。スリット光で光切断された眼鏡フレームFのリムの溝からの反射光束は受光光学系30bに向かい、検出器37により受光される。例えば、制御部50は、検出器37によって受光された反射光束に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝の二次元断面形状を取得する。なお、本実施例においては、断面形状として、断面画像を取得する。もちろん、断面形状は、信号として取得される構成であってもよい。
例えば、制御部50は、測定子61の先端をリムの溝FAに沿って移動させる。このとき、制御部50は、モータ265を駆動することで、回転ベース261を回転角(動径角)毎に回転させるとともに、回転軸LOの軸回りに測定子軸62及び測定子61を回転させる。測定子61は、リムの溝の変化に追従して、X方向、Y方向、及びZ方向に移動する。本実施例では、トレース時における測定子61のX方向及びY方向の位置が、エンコーダ286により検知され、トレース時における測定子61のZ方向の位置が、エンコーダ288により検知される。なお、本実施例においては、測定進行方向Eに測定子61の先端をリムの溝FAに沿って移動させる。
例えば、制御部50は、回転ベース261の回転角(動径角)毎に、基準位置からリムの溝FAまでの動径長を得る。例えば、本実施例では、回転ベース261の回転角が0.36度毎に設定されている。また、例えば、本実施例では、基準位置が回転軸LOの位置に設定されている。例えば、回転ベース261のある回転角(θn)における動径長(rn)は、測定子軸282の回旋角と、回旋中心から測定子61の先端までの距離(これは既知である)と、に基づいて演算される。また、例えば、制御部50は、リムの溝の位置として、モータ225のパルス数と、モータ235のパルス数と、モータ245のパルス数と、エンコーダ265aの検出結果と、エンコーダ286の検出結果と、エンコーダ288の検出結果と、の少なくともいずれかから演算し、メモリ52に記憶させる。例えば、制御部50は、回転ベース261の回転角毎に、X方向、Y方向、及びZ方向におけるリムの溝の位置を得る。
例えば、回転ベース261を1回転させることで、リムの溝の三次元玉型形状データ(xn,yn,zn)(n=1、2、3、・・・、N)が取得される。なお、本実施例において、このような三次元玉型形状データは、三次元の直交座標で表されている。三次元玉型形状データは、X方向及びY方向の位置を回転角θn及び動径長rnによって二次元の極座標で表すとともに、Z方向の位置をZ座標で表した(rn,zn,θn)(n=1,2,3、・・・、N)に適宜変換されてもよい。例えば、制御部50は、上記のように取得したリムの溝の三次元玉型形状データを、測定子ユニット60による測定結果として、メモリ52に記憶させる。なお、例えば、制御部50は、三次元玉型形状データのZ座標を省略することで、二次元玉型形状データにしてもよい。例えば、制御部50は、三次元玉型形状データにおける回転角θn毎のXY座標を繋ぎ合わせて二次元とした二次元玉型形状データを取得し、メモリ52に記憶させる。
また、一方で、測定子61の移動に伴って、光学式測定ユニット30によるリムの溝に対する測定光束の照射位置が変更される。本実施例においては、測定子61によるリムの溝FAの測定と、光学式測定ユニット30によるリムの溝の測定が並行して行われる。例えば、測定子61に移動に伴って、光学式測定ユニット30によるリムの溝の断面画像の測定位置が変更される。例えば、測定子61のリムの溝FAに沿った移動によって、順に各動径角におけるリムの溝の断面画像が測定されていく。すなわち、リムの断面画像を取得する位置がリムの周方向に移動されていく。
例えば、制御部50は、断面画像の各取得位置(各測定位置)において、リムの溝の断面画像を取得していき、取得した断面画像をそれぞれメモリ52に記憶させていく。また、各断面画像の取得位置を、モータ225のパルス数と、モータ235のパルス数と、モータ245のパルス数と、エンコーダ265aの検出結果と、エンコーダ286の検出結果と、エンコーダ288の検出結果と、の少なくともいずれかから演算し、メモリ52に記憶させる。すなわち、モータ225のパルス数と、モータ235のパルス数と、モータ245のパルス数と、エンコーダ265aの検出結果と、エンコーダ286の検出結果と、エンコーダ288の検出結果と、の少なくともいずれかを取得することで、リムの断面画像が取得された位置を特定することができる。このようにして、例えば、制御部50は、リムの溝の断層画像を取得した位置(取得位置情報)を取得することができる。例えば、取得位置情報は、リムの溝の三次元断面画像、眼鏡フレームの形状、等を取得する際に用いることができる。
例えば、制御部50は、リムの全周に亘って、上記制御を繰り返していくことによって、リムの全周におけるリムの溝の断面画像を取得することができる。例えば、リム全周におけるリムの溝の断面画像の取得が完了すると、制御部50は、メモリ52に記憶したリム全周の断面画像とその取得位置情報を呼び出し、演算処理を行って、三次元断面画像を取得する。例えば、制御部50は、取得した三次元断面画像を、メモリ52に記憶させる。なお、本実施例においては、リム全周における断面画像の取得が完了した後に三次元断面画像を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。リムの溝の断面画像の各取得位置にといて、断面画像を取得する毎に、演算処理を行っていく構成であってもよい。
なお、本実施例において、受光光学系30bの撮像光軸L2は、投光光学系30aの光軸L1に対して、Z方向において傾斜角度α分だけ下方に傾斜し、且つ、XY平面上において傾斜角度θ分だけ傾斜して配置されている。また、例えば、本実施例において、光学式測定ユニット30における投光光学系30aの光軸L1が、測定子61から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸L3に対して、動径平面上(XY平面上)において傾斜角度β分だけ傾斜して配置されている。上記のような構成に場合、例えば、制御部50は、傾斜角度αと、傾斜角度θと、傾斜角度θと、の少なくともいずれかの傾斜角度に基づいて、リムの溝の断面形状を補正するようにしてもよい。一例として、制御部50は、傾斜角度αと、傾斜角度θと、傾斜角度θと、の少なくともいずれかの傾斜角度を利用した三角関数によって、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を補正してもよい。このように、傾斜角度に基づき、リムの溝の断面形状を補正することによって、傾斜角度の影響によって生じた断面形状の歪みを補正した断面形状を取得することが可能となり、リムの溝の断面形状を精度よく取得することができる。
なお、例えば、制御部50は、検出器37にリムの溝の反射光束が良好に受光されておらず、良好に断面画像が取得できていない場合に、検出器37にリムの溝の反射光束が受光されるように反射光束の受光位置を変更するようにしてもよい。例えば、制御部50は、断面画像が検出されるように、光学式測定ユニット30の位置を移動させるようにしてもよい。
なお、例えば、測定子61の先端をリムの溝FAに沿って移動させる際に、光学式測定ユニット30によって取得された測定結果(例えば、断面画像)に基づいて、測定子61の位置を調整しながら移動させるようにしてもよい。すなわち、光学式測定ユニット30によるリムの溝の測定の方が、測定子61の測定よりも先に測定が行われるため、先に取得された測定結果に基づいて、測定子61がリムの溝から脱落しないように、予測制御を行うことができる。この場合、例えば、制御部50は、光学式測定ユニット30によって取得された断面画像を画像処理し、リムの溝の底を検出し、検出したリムの溝の底の位置に基づいて、測定子61がリム溝の底の位置に挿入されるように、測定子61の位置を移動させるようにしてもよい。
例えば、制御部50は、右リムFR(又は、左リムFL)の測定が終了すると、X移動ユニット240の駆動を制御し、他方のリムの測定用の所定位置に保持ユニット25を移動させる。上記の測定制御と同様にして、他方のリムの測定を行う。右リムFR及び左リムFLの測定結果は、メモリ52に記憶される。
例えば、制御部50は、測定子ユニット60によるリムの溝の三次元玉型形状データの取得と、光学式測定ユニットによる三次元断面画像の取得が完了すると、三次元玉型形状データ、三次元断面画像と、を対応付けることで、統合リム形状データを取得するようにしてもよい。例えば、制御部50は、対応付け処理を行う際、第1測定位置Tと第2測定位置Sとのずれ量ΔDに基づいて、測定位置のずれを考慮して対応付け処理行うようにしてもよい。これによって、三次元玉型形状データ、三次元断面画像と、を容易に対応付けすることができる。例えば、制御部80は、統合リム形状データを取得すると、メモリ52に記憶させる。
以上のようにして、眼鏡枠形状測定装置1によって取得されたリムの溝の統合リム形状データ等は、制御部50によって、レンズ加工装置300に送信される。例えば、レンズ加工装置300の制御部310は、眼鏡枠形状測定装置1によって取得されたリムの溝の統合リム形状データ等を受信する。
例えば、レンズ加工装置300としては、レンズをレンズチャック軸に保持して回転するレンズ回転手段と、加工具回転軸に取り付けられた加工具を回転する加工具回転手段と、を備える。例えば、レンズ加工装置300において、レンズ加工装置の制御部310は、眼鏡枠形状測定装置1によって取得された取得情報(例えば、眼鏡フレームのリムの溝の統合リム形状データ等)に基づいて、レンズ回転手段と加工具回転手段を制御して、レンズの周縁加工を行う。なお、レンズ加工装置の制御部310としては、眼鏡枠形状測定装置1の制御部が兼用される構成であってもよいし、別途、レンズ加工装置の各種制御を行うための制御部310が設けられる構成であってもよい。
なお、本実施例において、統合リム形状データは、ディスプレイ3上に表示されるようにしてもよい。もちろん、レンズ加工装置300の図示無きディスプレイに表示されるようにしてもよい。この場合、例えば、統合リム形状データに含まれる三次元玉型形状データと三次元断面画像とが重畳表示されるようしてもよい。
以上のように、例えば、本実施例における眼鏡枠形状測定装置は、光学式測定ユニットと測定子ユニットとを保持する保持ユニットと、眼鏡フレームに対して保持ユニットを移動させることで光学式測定ユニットと測定子ユニットとを眼鏡フレームに対して一体的に移動させて、眼鏡フレームのリムの溝に対する測定位置を変更する変更手段と、眼鏡枠形状測定装置の動作を制御する制御手段と、を備える。また、制御手段は、変更手段の動作を制御して眼鏡フレームのリムの溝の測定を行い、第1検出器によって検出された検出結果に基づいて眼鏡フレームのリムの溝の断面形状を取得し、第2検出器によって検出された検出結果に基づいて眼鏡フレームのリムの形状を取得する。このような構成によって、例えば、測定子ユニットを保持する保持ユニットと、光学式測定ユニットを保持する保持ユニットと、をそれぞれ設け、眼鏡フレームに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、1つの保持ユニットの移動によって、眼鏡フレームに対して、光学式測定ユニットと測定子ユニットとを一体的に移動させることができるため、余分な構成や複雑な制御が必要なくなる。これによって、容易な構成で、光学式測定ユニットと測定子ユニットの測定を実施することができる。また、測定子ユニットによって測定される測定結果と、光学式測定ユニットによって測定される測定結果と、の双方の測定結果を取得することができるため、各測定結果を組み合わせて、より良好なリムの形状情報を取得することができる。
また、例えば、本実施例において、眼鏡枠形状測定装置は、保持ユニットに対して測定子を移動可能とする移動手段を備える。この場合、例えば、測定子ユニットに前記光学式測定ユニットが連結され、測定子が保持ユニットに対して移動されることで、測定子とともに光学式測定ユニットが保持ユニットに対して、一体的に移動される。このように、例えば、測定子ユニットに対して光学式測定ユニットを連結することで、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが保持ユニットに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、余分な構成や複雑な制御が必要なくなり、眼鏡枠形状測定装置をより容易な構成の装置とすることができる。また、測定子に対して光学式測定ユニットを連結することで、測定子ユニットと、光学式測定ユニットと、保持ユニットに対してそれぞれ移動可能とする構成と比べて、省スペース化することができるため、眼鏡フレームの測定時における測定子ユニットと、光学式測定ユニットと、が干渉してしまい、測定が困難となることを抑制することができる。
また、例えば、光学式測定ユニットの場合には、リムの溝に対して非接触で測定を行うため、リムの溝に対する光学式測定ユニットの位置合わせが困難となる場合がある。上記の構成によって、例えば、光学式測定ユニットが、リムの溝に沿った状態で移動をする測定子の移動と一体的に移動することができるため、リムの溝に対する光学式測定ユニットの位置合わせが容易となり、良好に測定を行うことができる。
また、本実施例において、例えば、光学式測定ユニットによるリムの溝の測定位置である第1測定位置と、測定子ユニットによるリムの溝の測定位置である第2測定位置と、が異なる測定位置を測定可能とするように、測定ユニットと光学式測定ユニットが配置される。このような構成によって、光学式測定ユニットと、測定子ユニットとが、同一のタイミングにて異なる測定位置を測定する。例えば、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが同時に同一の測定位置を測定する構成の場合には、光学式測定ユニットによる測定光束が測定子によって遮蔽されてしまうことがあり、光学式測定ユニットによる測定が困難となる場合がある。本開示の構成によれば、測定子ユニット及び光学式測定ユニットが異なる測定位置を測定することができるため、測定子による測定光束の遮蔽を抑制し、良好に測定を行うことができる。
また、本実施例において、光学式測定ユニットによるリムの溝の測定位置である第1測定位置と、測定子ユニットによるリムの溝の測定位置である第2測定位置と、が隣接した測定位置を測定するように、測定ユニットと光学式測定ユニットが配置されている。このような構成によって、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットは、より近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となる。例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットと間での測定位置が大きくずれる場合には、測定が困難となる場合がある。一例として、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットとの一方が眼鏡フレームのカーブ部分(例えば、鼻側部分、耳側部分等)に差し掛かった際に、他方は眼鏡フレームの上部又は下部に位置している場合があり、測定を進行することができなくなり、測定が困難となる場合がある。本開示の構成によれば、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子ユニットによる測定位置と、がより近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となるため、測定が困難となることを抑制し、良好に測定を行うことが可能となる。
また、例えば、光学式測定ユニットと測定子ユニットと間での測定位置が大きくずれる場合には、光学式測定ユニットと測定子ユニットのそれぞれで取得された測定結果を対応付けることが困難となる場合がある。一例として、眼鏡フレームのタイプによって、部分的にリムの溝が傾斜している構成を有するものがあり、このような眼鏡フレームを測定する場合に、一方はリムの溝が傾斜した位置を測定し、他方はリムの溝が傾斜していない位置を測定することがあり、眼鏡フレームにおけるどこのリムの溝を測定しているのか把握することが困難となる場合がある。このため、光学式測定ユニットと測定子ユニットの双方で測定結果が取得された場合に、双方の測定結果の関係性を把握することが困難となり、対応付けが困難なる場合がある。本開示の構成によれば、光学式測定ユニットによる測定位置と、測定子ユニットによる測定位置と、がより近い(隣接した)測定位置を測定することが可能となるため、略同一の測定位置での測定結果を取得することができ、双方の測定結果の関係性が把握しやすくなる。このため、光学式測定ユニットと測定子ユニットとで取得されたそれぞれの測定結果を良好に対応付けすることができる。
また、例えば、本実施例において、光学式測定ユニットの第1測定位置は、測定進行方向において、測定子ユニットによる第2測定位置よりも先行した測定位置である。このような構成によって、例えば、予め、測定子によって測定される測定位置の情報が光学式測定ユニットによる測定結果から取得されるため、光学式測定ユニットによる測定を完了した測定位置に対して、測定子ユニットによる測定を行う場合に、光学式測定ユニットによる測定結果に基づいて、眼鏡フレームに対する測定子の位置を調整しやすくなる。これによって、測定子が眼鏡フレームの溝から外れてしまうこと、測定子がリムの溝に正確に挿入されていない状態で測定をしてしまうこと、等を抑制することができる。
なお、例えば、光学式測定ユニットによる測定ではリムの溝の断面形状を取得することができるため、リムの溝の状態(例えば、溝の傾斜、溝の深さ等)が把握しやすい。このため、測定子ユニットによる測定結果に基づいて、光学式測定ユニットの位置を調整する構成に比べて、眼鏡フレームに対する位置調整をより良好に行いやすい。
また、例えば、本実施例において、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸が、測定子から眼鏡フレームのリムの溝の測定位置に向かう測定軸に対して、動径平面上において傾斜して配置される。このような構成によって、例えば、測定子ユニットによる測定位置と、光学式測定ユニットによる測定位置と、を隣接した位置又は同一の位置に容易に設定しやすくなる。また、例えば、測定子ユニットの測定軸と、光学式測定ユニットにおける投光光学系の光軸と、が並行するように配置される構成に比べ、測定子ユニットによる測定位置と、光学式測定ユニットによる測定位置と、を隣接した位置に設定しやすくなる。
また、例えば、本実施例において、制御手段は、光学式測定ユニットによる測定位置に関する第1位置情報と、測定子による測定位置に関する第2位置情報と、に基づいて、眼鏡フレームのリムの溝に対して測定位置が同一の測定位置を測定することで取得された、リムの溝の断面形状と、リムの形状と、を対応付ける。このような構成によって、例えば、測定子ユニットによって測定される測定結果と、光学式測定ユニットによって測定される測定結果と、容易に対応付けることが可能となり、より良好なリムの形状情報を取得することができる。
また、例えば、本実施例において、レンズ加工装置は、眼鏡フレームのリムの溝の断面形状に基づいてレンズの周縁を加工する加工制御手段を備える。これによって、眼鏡フレームに加工後のレンズを良好に枠入れする際に、リムの溝の形状と加工後のレンズの輪郭形状が近い形状となるため、枠入れを良好に行うことができる。
<変容例>
なお、例えば、制御部50は、取得した断面画像を解析処理することによって、リムの溝に関する種々のパラメータを取得するようにしてもよい。図12は、断面画像40の輝度分布の取得について説明する図である。図13は、リムの溝の断面画像から取得されるパラメータについて説明する図である。例えば、制御部50は、画像処理によって、断面画像40の輝度分布を取得することで、リムの溝41のパラメータを取得することができる。例えば、制御部50は、取得された断面画像40に対して、走査線S1、走査線S2、走査線S3、・・・走査線Snの順に輝度値の検出を行い、輝度分布を得る。例えば、輝度分布を取得することで、リムの溝の形状を検出することができる。例えば、制御部50は、リムの溝41のパラメータとして、リムの溝41の底までの距離K1、リムの溝41の左右の斜面角度θ1,θ2、リムの溝41の左右の斜面長さK2,K3、左右のリム肩の長さK4,K5、等を得ることができる。
なお、例えば、制御部50は、取得した断面画像から眼鏡フレームのリムの形状データ(本実施例においては、玉型形状データ)を取得することができる。例えば、制御部50は、眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝41の断面画像40から眼鏡フレームの複数の動径角におけるリムの溝41の底をそれぞれ検出し、検出した検出結果に基づいて、眼鏡フレームのリムの形状を取得する。
例えば、上記のように、制御部50は、画像処理によって、断面画像の輝度分布を取得することで、リムの溝41の底の位置を検出する。図12に示されるように、例えば、制御部50は、取得された断面画像40に対して、走査線S1、走査線S2、走査線S3、・・・走査線Snの順に輝度値の検出を行い、輝度分布を得る。例えば、制御部50は、得られた輝度分布において、もっとも下側の位置で輝度値の検出がされた位置をリムの溝41の底として検出してもよい。
例えば、制御部50は、各動径角毎に取得された断面画像をそれぞれ処理して、画像上におけるリムの溝の底の位置をそれぞれ検出する。例えば、制御部50は、断面画像から検出された画像上におけるリムの溝の底の位置と、その断面画像を取得した取得位置情報と、からリムの溝の底の位置情報を取得する。例えば、制御部50は、各動径角毎においてそれぞれ取得された断面画像から画像上におけるリムの溝の底の位置を検出し、検出された画像上におけるリムの溝の底の位置と、その断面画像を取得した取得位置情報と、から各動径角毎のリムの溝の底の位置情報をそれぞれ取得する。これによって、例えば、制御部50は、眼鏡フレームFの三次元玉型形状データ(rn,zn,θn)(n=1,2,3、・・・,N)を取得する。例えば、眼鏡フレームFnの三次元玉型形状データは、リムの全周に亘って取得されてもよいし、リムの全周の内、一部の領域において、取得されてもよい。以上のようにして、眼鏡フレームFの形状を取得することができる。
なお、例えば、取得した眼鏡フレームの三次元玉型形状データに基づいて各種パラメータを取得してもよい。例えば、眼鏡フレームの三次元玉型形状データから二次元玉型形状データを取得するようにしてもよい。例えば、二次元玉型形状データは、三次元玉型形状データを眼鏡フレームFの正面方向のXY平面に投影した形状することによって取得することができる。なお、二次元玉型形状データは、三次元玉型形状データから取得する構成を例に挙げたがこれに限定されない。各動径角におけるリムの断面画像に基づいて、リムの溝の底の位置情報を取得する際に、XY平面上におけるリムの溝の底の位置情報のみを検出するようにすることで、取得するようにしてもよい。
なお、本実施例においては、各動径角毎にリムの溝の底の位置情報を取得することによって、眼鏡フレームの三次元玉型形状データを取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、眼鏡フレームの三次元玉型形状データを取得する際に、各動径角において、リムの溝の底の位置情報を取得していない位置については、周辺の動径角におけるリムの溝の底の位置情報に基づいて、補間することで、リムの溝の底の位置情報を取得するようにしてもよい。また、例えば、眼鏡フレームの三次元玉型形状データを取得する際に、各動径角において、リムの溝の底の位置情報を取得していない位置については、周辺の動径角におけるリムの溝の底の位置情報の近似の結果から補間するようにしてもよい。