JP7275694B2 - 感熱記録媒体、及び物品 - Google Patents
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Description
このようなベンゾトリアゾール化合物は、通常、高い結晶性と昇華性を有しており、高温環境下での使用や長期間の保存によって、蒸散、結晶化、ブリードアウトなどが起こる。特に、真夏のトラックの中などは、60℃近くの温度に達するため、ベンゾトリアゾール化合物がブリードアウトし、感熱記録媒体の紫外線吸収能が低下することで、感熱記録媒体の地肌部の着色が発生するという問題がある。また、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウトなどが起こることで、感熱記録媒体の印字部に粉吹きが発生するという問題がある。
また、感熱記録媒体に融点130℃以上のベンゾトリアゾール化合物を2種類以上含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明の感熱記録媒体は、感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、前記紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含み、更に必要に応じて、支持体、ガスバリア層、及びその他の層を有する。
前記感熱記録媒体は、1回記録の場合は、感熱記録層を有する感熱記録媒体であり、画像記録及び画像消去を繰り返して行う場合には、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体である。
前記紫外線吸収層は、紫外線吸収剤として、高融点のベンゾトリアゾール化合物と、バインダー樹脂として、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含み、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記紫外線吸収剤としては、構造中にベンゾトリアゾール骨格を含むベンゾトリアゾール化合物であれば、他に特殊な構造などに制限されず、幅広く用いられる。前記ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(融点:111℃)、(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(融点:154℃)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3,5-ジ(1,1-ジメチルベンジル)]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-2-イルメチル)-5-メチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(5,5-ジメチルヘキシル)-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、メタクリル酸2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(融点:111℃)、2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(融点:154℃)、及び2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)が好ましく、より高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)がより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、構造中にスチレンを含有する樹脂が用いられる。
前記構造中にスチレンを含有する樹脂としては、例えば、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、架橋剤により、ウレタン結合で架橋されることによって、バインダー樹脂の塗膜強度を上げることができる点から、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、光熱変換材料などが挙げられる。
前記分散状態とは、ベンゾトリアゾール化合物が水溶媒中で粒子状に存在している状態を意味しており、分散状態のベンゾトリアゾール化合物を用いて紫外線吸収層を形成した場合、図1に示すように、粒子状のベンゾトリアゾール化合物が確認される。
前記溶解状態とは、ベンゾトリアゾール化合物が有機溶剤中に溶解している状態を意味しており、溶解状態のベンゾトリアゾール化合物を用いて紫外線吸収層を形成した場合、図2に示すように、ベンゾトリアゾール化合物が溶剤中に溶解し、粒子状のベンゾトリアゾール化合物が確認されない。前記溶解状態であることで、ベンゾトリアゾール化合物の比表面積が大きくなり、高い紫外線吸収能が得られる。
したがって、ベンゾトリアゾール化合物は、有機溶剤に溶解させて使用することが好ましい。
前記感熱記録層は、1回記録の場合には、感熱記録層となり、画像記録及び画像消去を繰り返して行う場合には、可逆性感熱記録層となる。以下、両者を分けて説明する。
<<感熱記録層>>
前記感熱記録層としては、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、更に必要に応じて、光熱変換材料、又はその他の成分を含有してなる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録材料に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が挙げられる。このようなロイコ染料としては、例えば、2-アニリノ-3-メチル-6-ジブチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-クロルフタリド、3,3-ビス(p-ジブチルアミノフェニル)フタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロルフルオラン、3-ジメチルアミノ-5,7-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンズフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロルフルオラン、3-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2-{N-(3’-トリフルオルメチルフェニル)アミノ}-6-ジエチルアミノフルオラン、2-{3,6-ビス(ジエチルアミノ)-9-(o-クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-7-o-クロルアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N,n-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’-クロロ-8’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、6’-ブロモ-3’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-クロルフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-ニトロフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジエチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-メチルフェニル)フタリド、3-(2’-メトキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-ヒドロキシ-4’-クロル-5’-メチルフェニル)フタリド、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-イソブチル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピペリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4’-プロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシチジノ-4’,5’-ベンゾフルオラン、3-N-メチル-N-イソプロピル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-イソアミル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2’,4’-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピベリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-N-ブチルアニリノ)フルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4’-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(-2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}-6-ジメチルアミノフタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-フェニルエチレン-2-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-p-クロロフェニルエチレン-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-メトキシ)-3-(1”-p-ジメチルアミノフェニル-1”-p-クロロフェニル-1”,3”-ブタジエン-4”-イル)ベンゾフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-ベンジルオキシ)-3-(1”-p-ジメチルアミノフェニル-1”-フェニル-1”,3”-ブタジエン-4”-イル)ベンゾフタリド、3-ジメチルアミノ-6-ジメチルアミノ-フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド、3,3-ビス(2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-p-メトキシフェニル)エテニル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-ビス{1,1-ビス(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル}-5,6-ジクロロ-4,7-ジプロモフタリド、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-p-トリルスルホニルメタン、2-(フェニルアミノ)-3-メチル-6-[エチル(p-トリル)アミノ]スピロ[9H-キサンテン-9,1’(3’H)-イソベンゾフラン]-3’-オン、6-(ジエチルアミノ)-2-[3-(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H-キサンテン-9,3’(1’H)-イソベンゾフラン]-1’-オンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時に発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等を適用することができる。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’-イソプロピリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(o-メチルフェノール)、4,4’-セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-ターシャリーブチルフェノール)、p-ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5-トリス(4-ターシャリーブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2-(3,4’-ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、4-{β-(p-メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン、1,5-ビス(4-ヒドロキシフェニチオ)-5-オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-クロロフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリ-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ターシャリ-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’-チオビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、4,4’-ジフェノールスルホン、4-イソプロポキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン(4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン)、4-ベンジロキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジフェノールスルホキシド、p-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-プロパン、N,N’-ジフェニルチオ尿素、N,N’-ジ(m-クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’-ジフェノールスルホン、2,2’-ジアリル-4,4’-ジフェノールスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-4’-メチルジフェニルスルホン、1-アセチルオキシ-2-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-1-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-3-ナフトエ酸亜鉛、α,α-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-α-メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’-チオビス(2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-クロロフェノール)、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドデシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α-ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α-ヒドロキシオクタデシルホスホン酸、α-ヒドロキシエイコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドコシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラコシルホスホン酸、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタデシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジドコシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メチルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキサデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層には近赤外線レーザーで印字することを踏まえ、近赤外線域に吸収をもつ光熱変換材料を添加することが可能である。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂、更に必要に応じて、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、可塑剤、各種顔料、消泡剤、顔料、分散剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、水溶性高分子及び前記水性樹脂エマルジョンなど一般的に感熱記録層に用いられている公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等のラテックス類、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層の別の形成方法としては、例えば、前記ロイコ染料を、バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散してロイコ染料層用塗布液を調製し、前記顕色剤を、バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散して顕色剤層用塗布液を調製する。その後、前記ロイコ染料層用塗布液を支持体の上に塗布し、乾燥させてロイコ染料層を形成し、前記顕色剤層用塗布液を前記ロイコ染料層の上に塗布し、乾燥させて顕色剤層を形成し、感熱記録層を形成する。
前記可逆性感熱記録層としては、ロイコ染料及び可逆性顕色剤を含有し、更に必要に応じて、光熱変換材料、又はその他の成分を含有してなる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感熱記録層と同様のものが挙げられる。
前記可逆性顕色剤としては、熱を因子として発消色を可逆的に行うことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基、長鎖炭化水素基などを有する化合物が挙げられる。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
前記一般式(1)及び(2)中、R2は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、炭素数としては、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。前記置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、R3は、脂肪族炭化水素基を表し、炭素数としては、1~35が好ましく、6~35がより好ましく、8~35が特に好ましい。これらの脂肪族炭化水素基は、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用して有していてもよい。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分枝鎖、及び不飽和結合のいずれかであってもよいが、直鎖が好ましい。
前記一般式(1)及び(2)中、R1、R2、及びR3の炭素数の和としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発色性及び消色性が向上する点から、8以上40以下が好ましく、11以上35以下がより好ましい。
前記一般式(1)中、X及びYは、並びに前記一般式(2)中、Yは、N原子及びO原子のいずれかを含む2価の基を表し、例えば、酸素原子、アミド基、尿素基、ジアシルヒドラジン基、シュウ酸ジアミド基、アシル尿素基などが挙げられる。これらの中でも、アミド基、尿素基が好ましい。
前記一般式(1)中、nは、0~1の整数を示す。
前記光熱変換材料としては、前記感熱記録層と同様のものが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂、更に必要に応じて、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、可塑剤、各種顔料、消泡剤、顔料、分散剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、支持体上に可逆性感熱記録層を結着することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基やカルボキシル基等の架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は水酸基やカルボキシル基等を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、及びポリウレタンポリオール樹脂が好ましい。
前記塗工液の溶媒または分散媒としては、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤、又水を主とする溶液が挙げられる。前記塗工液の溶媒または分散媒が、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤の場合は、前記可逆性感熱記録層の架橋状態が十分になった後に、前記塗工液を塗布することができる。架橋が十分でないと、溶剤により一度形成された可逆性感熱記録層が再溶出してしまうことがある。前記塗工液の溶媒または分散媒が、水を主とする溶液である場合は、十分に架橋する前に塗布することができる。十分に架橋すると濡れ性が変わり、水を弾くようになってしまうため水を主とする塗工液を塗りにくくなる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、材料、形状、構造、平均厚みを選択することができる。
前記感熱記録媒体は、外気中の酸素の感熱記録層への侵入を防止し、耐光性を向上させる点から、ガスバリア層を設けることができ、更に、少なくとも2層のガスバリア層の間に感熱記録層を有するように、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層を設けることが好ましい。ガスバリア層を設けることで、太陽光に晒された場合でも地肌着色や画像濃度の低下、画像消去時の画像の消し残りを抑制することができる。
前記ガスバリア性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体樹脂、エチレン-ビニルアルコール系共重合体樹脂、又はこれらを含む組成物などが挙げられる。
前記本発明の感熱記録媒体1は、前記支持体11、前記感熱記録層12、及び前記紫外線吸収層13に加え、図4から図9に示すように、ガスバリア層14A及び14Bを設けることができる。
前記その他の層としては、通常、感熱記録媒体に使用されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘着層、保護層、アンダー層、着色層、アンカー層などを設けることができる。
前記感熱記録媒体は、最下層側に粘着層を設けて、感熱記録粘着ラベルとすることができる。前記感熱記録粘着ラベルは、印字した後に被着体に貼り付けての使用や、印字する前にコンテナなどの被着体に貼り付け、その後レーザーで印字や消去をするというような使用が可能となる。
前記粘着層は、必要に応じて浸透剤、造膜助剤、消泡剤、防錆剤、増粘剤、濡れ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、無機充填剤などの添加剤を含有することができる。
前記感熱記録媒体は感熱記録層上に、保護層を設けることができる。前記保護層を設けることにより、ロール形状で保管又は使用時の、感熱記録媒体中の発色性阻害要因を防止できる。前記感熱記録層上に保護層を設けない場合、十分なバリア性が得られず、使用環境によっては、発色性の低下が起こることがある。
前記保護層は、1回記録の感熱記録媒体に用いられる感熱記録媒体用保護層と、画像記録及び画像消去を繰り返して行う可逆性感熱記録媒体用保護層とで、材料が異なる。
前記感熱記録媒体用保護層の材料としては、ポリビニルアルコール樹脂及びフィラーが挙げられ、必要に応じて、耐水化剤、界面活性剤、熱可融性物質、滑剤、圧力発色防止剤などのその他の成分を含有してなる。
前記ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、公知の方法で製造され、ポリ酢酸ビニルの鹸化物以外に、他のビニルエステルと共重合し得る単量体を含有することができる。
前記単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、又はその塩、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、又はその塩などが挙げられる。
前記可逆性感熱記録媒体用保護層は、バインダー樹脂を含有し、必要に応じて、離型剤、フィラー、顔料、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などのその他の成分を含有してなる。
前記光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ、などが挙げられる。前記光源の波長は、前記可逆性感熱記録媒体に添加されている光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。
前記感熱記録媒体は、発色感度、平滑性、接着性の向上、粘着剤の感熱記録層へのマイグレード防止の点から、前記支持体と前記感熱記録層との間に、必要に応じて、アンダー層を更に設けることができる。 前記アンダー層としては、フィラー、バインダー樹脂、熱可融性物質などを含有してなる。
前記感熱記録媒体には、視認性を向上させる点から、前記支持体と前記感熱記録層との間に着色層を設けてもよく、前記感熱記録層上の記録したい箇所以外に設けることが好ましい。
前記着色層は、着色剤、バインダー樹脂、分散液、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記感熱記録媒体は、各層間の密着性の向上や塗工する際の不具合を防止する点から、各層間にアンカー層やバリア層を設けることができる。
前記感熱記録媒体は、紫外線吸収層塗布液に含まれるトルエンやメチルエチルケトンなどの溶剤によって、感熱記録層が発色してしまうことを防止する点から、バリア層を設けることができる。
前記バリア層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガスバリア層としても機能を発揮することができる点から、ポリビニルアルコール系重合体を含む層が好ましい。
本発明の感熱記録媒体の用途は、1回記録の感熱記録媒体としては、例えば、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野、図書、文書等の複写分野、ファクシミリ等の通信分野、券売機、レシート、領収書等の発券分野、航空機業界のバッゲージ用タグ、ピルケース、ピルボトルなどの多方面に用いることができる。また、本発明の感熱記録媒体は、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができることから、熱転写リボンの代替品としても用いることができる。
可逆性感熱記録媒体としては、例えば、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカードなどが挙げられる。カードサイズよりも小さなタグ状のサイズでは、値札等に利用することができ、カードサイズよりも大きなタグ状のサイズでは、工程管理、出荷指示書、チケット等に使用することができる。ラベル状の可逆性感熱記録媒体は、貼り付けることができるため、繰り返し使用する台車、容器、箱、コンテナ等に貼り付けて工程管理、物品管理などに使用することができる。また、カードサイズよりも大きなシートサイズでは、画像記録する範囲が広くなるため、一般文書や工程管理用の指示書などに使用することができる。
前記感熱記録媒体への画像形成方法(画像記録装置)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルヘッド、熱傾斜試験機、レーザー光などが挙げられる。
本発明の物品は、本発明の感熱記録媒体を有する。
<可逆性感熱記録層用塗布液の調製例>
-可逆性感熱記録層用塗布液1の調製-
下記構造式(1)で表される可逆性顕色剤5質量部、40質量%スチレンアクリルポリオール溶液(水酸基価:200mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):25℃、溶媒:メチルエチルケトンと酢酸ブチルの混合溶媒)10質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を加え、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)で測定した50%累積体積粒径(D50)が1μmとなるようにボールミルにより分散し、可逆性顕色剤分散液を得た。
-紫外線吸収層用塗布液1の調製-
2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃、分子量:351.5)1質量部、トルエン20質量部、及び50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエンとキシレンと酢酸ブチルの混合溶媒)6質量部を加え、撹拌させて紫外線吸収層用塗布液1を調製した。
-紫外線吸収層用塗布液2~9の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表1~2の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液2~9を得た。なお、表1~2における組成の各数字の単位は「質量部」である。
-紫外線吸収層用塗布液10の調製-
2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃、分子量:315.8)1質量部、100質量%ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート0.2質量部、及びイオン交換水10.8質量部を加え、平均粒径が0.5μmとなるようにボールミルにより分散し、分散液を得た。
前記分散液1.2質量部、スチレン-アクリル共重合体エマルジョン(重量平均分子量:200,000、ガラス転移温度(Tg):80℃、固形分濃度:48質量%)0.63質量部、及びイオン交換水2.4質量部を加え、撹拌させて紫外線吸収層用塗布液10を調製した。
-紫外線吸収層用塗布液11~14の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表2~3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液11~14を得た。
-紫外線吸収層用塗布液15の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例10において、表3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例10と同様にして、紫外線吸収層用塗布液15を得た。
-紫外線吸収層用塗布液16の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液16を得た。
-紫外線吸収剤-
・2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃、分子量:351.5)
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液1(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエン22.3質量部、キシレン7.6質量部、酢酸ブチル20.1質量部の混合溶媒)
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液2(水酸基価:50mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):83℃、溶媒:メチルイソブチルケトン40質量部、酢酸ブチル10質量部の混合溶媒)
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液3(水酸基価:94mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):83℃、溶媒:酢酸エチル15質量部と酢酸ブチル35質量部の混合溶媒)
・30質量%ポリスチレン溶液(重量平均分子量:280,000、ガラス転移温度(Tg):100℃、溶媒:トルエン溶媒)
・30質量%スチレン-アクリル共重合体溶液(重量平均分子量:80,000、ガラス転移温度(Tg):106℃、溶媒:メチルエチルケトン溶媒)
・スチレン-アクリル共重合体エマルジョン(重量平均分子量:200,000、ガラス転移温度(Tg):80℃、固形分濃度:48質量%)
・40質量%アクリルポリオール溶液(水酸基価:60mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):100℃、溶媒:酢酸エチル20質量部と酢酸ブチル38質量部の混合溶媒)
・65質量%ポリエステルポリオール溶液(水酸基価:23mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):10℃、溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14質量部とシクロヘキサノン21質量部の混合溶媒)
・10質量%ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:77,000)
・75質量%アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート溶液(NCO含量:12.8%、溶媒:酢酸エチル)
・ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:75μm)の片面上に、ワイヤーバーを用いて前記可逆性感熱記録層用塗布液1を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、平均厚み10μmの可逆性感熱記録層を形成した後、50℃で24時間放置した。
次に、前記可逆性感熱記録層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成し、可逆性感熱記録媒体1を作製した。
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体2~10を得た。
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更し、紫外線吸収層形成後に50℃で24時間放置した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体11を得た。
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:平均厚み:75μm)の片面に、ワイヤーバーを用いて前記可逆性感熱記録層用塗布液1を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、平均厚み10μmの可逆性感熱記録層を形成した。
次に、可逆性感熱記録層上に、ワイヤーバーを用いて下記ガスバリア層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの第1のガスバリア層を形成させ、さらに前記白色ポリエチレンテレフタレートフィルムの前記片面とは反対側の片面に、ワイヤーバーを用いて下記ガスバリア層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの第2のガスバリア層を形成した。
次に、前記第1のガスバリア層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液10を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成した後、50℃で24時間放置し、可逆性感熱記録媒体12を作製した。
10質量%ポリビニルアルコール溶液(重量平均分子量:約770,00、鹸化度:98.5mol%)1質量部、10%質量ナトリウム四珪素雲母分散液(アスペクト比:1,500、平均粒子径:12μm)0.1質量部、及びイオン交換水0.5質量部を加え、攪拌させてガスバリア層用塗布液1を調製した。
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体13~14を得た。
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体15を得た。
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更し、可逆性感熱記録層形成後に50℃で24時間放置しない以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体16を得た。
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体17を得た。
実施例12において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例12と同様にして、可逆性感熱記録媒体18を得た。
実施例12において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例12と同様にして、可逆性感熱記録媒体19を得た。
実施例1において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体20を得た。
透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:25μm)の片面に、ワイヤーバーを用いて、実施例1~12及び比較例1~5、7の可逆性感熱記録媒体で使用している紫外線吸収層用塗布液を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層(紫外線透過率測定用サンプル)を作製した。なお、比較例6及び8の可逆性感熱記録媒体は、紫外線吸収層を設けていないため、本評価は行わなかった。
前記紫外線透過率測定用サンプルを、作製直後、23℃で1日間放置後、60℃で1日間放置後、又は70℃で1日間放置後に、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、U-4100)を用いて、波長300nm~380nmの範囲で1nm毎に透過率を測定した。
また、実施例11、12及び比較例3、5、7の紫外線透過率測定用サンプルを80℃で1日間放置後に、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、U-4100)を用いて、波長300nm~380nmの範囲で1nm毎に透過率を測定した。
なお、前記分光光度計を用いて、前記透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:25μm)を測定した値をベースラインとする。
[評価基準]
◎:1.00未満
○:1.00以上5.00以下
×:5.00超
実施例1~9、11~12及び比較例1~3、5、7の前記紫外線透過率測定用サンプルを、作製直後、作製後23℃で1日間放置後、作製後60℃で1日間放置後、又は作製後70℃で1日間放置後、目視にて析出などのブリードアウトが起きているかを確認した。なお、実施例10及び比較例4は、紫外線吸収層に含まれるベンゾトリアゾール化合物が分散状態であり、放置処理を行う前から白濁しているため、本評価は行わなかった。また、比較例6及び8は、紫外線吸収層を設けていないため、本評価は行わなかった。
また、実施例11、12及び比較例3、5、7の紫外線透過率測定用サンプルを80℃で1日間放置後に、目視にて析出などのブリードアウトが起きているかを確認した。
[評価基準]
○:ブリードアウトが確認されなかった
×:ブリードアウトが確認された
リコーリライタブルレーザマーカー(商品名:LDM200-110、株式会社リコー製、中心波長:980nm)を用いて、照射距離150mm、走査速度3,000mm/s、レーザー出力16.5Wの条件で、実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体に、ベタ画像を印字した。なお、前記ベタ画像は、反射濃度計(X-Rite938、X-Rite社製)を用いて、反射濃度が測定可能である大きさのものである。
実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体を、印字直後、23℃で1日間放置後、60℃で1日間放置後、又は70℃で1日間放置後に、人工太陽光照射装置(商品名:SKL-2.5KP30型、セリック株式会社製)を用いて、温度35℃、24時間、75%RH環境下40,000ルックスの条件で、人工太陽光照射試験を行った。また、実施例11、12及び比較例3、5、7の可逆性感熱記録媒体を80℃で1日間放置後に、人工太陽光照射装置(商品名:SKL-2.5KP30型、セリック株式会社製)を用いて、温度35℃、24時間、75%RH環境下40,000ルックスの条件で、人工太陽光照射試験を行った。なお、前記条件は、本発明の使用が想定される物流業界などにおいて半年間から数年間の運用中に太陽光に晒された環境と同程度である。
前記反射濃度計を用いて、前記光照射を行う直前の地肌部の色見L0 *a0 *b0 *、及び前記光照射を行った直後の地肌部の色見Ls *as *bs *を測定し、下記式(1)によってΔEを算出した。
ΔE=((L0 *-Ls *)2+(a0 *-as *)2+(b0 *-bs *)2)1/2・・・式(1)
[評価基準]
◎◎◎:1.6以下
◎◎ :1.6超2.4以下
◎ :2.4超3.2以下
○ :3.2超6.5以下
× :6.5超9.7以下
×× :9.7超13.0以下
×××:13.0超
前記人工太陽光照射試験後において、実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体の印字部に粉吹きが起きているか否かを観察し、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:粉吹きが起きていない
×:粉吹きが起きている
<ロイコ染料層用塗布液の調製例1>
-ロイコ染料層用塗布液1-
2-アニリノ-3-メチル-6-ジブチルアミノフルオラン1質量部、メチルエチルケトン15質量部、50質量%スチレンアクリルポリオール溶液(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエンとキシレンと酢酸ブチルの混合溶媒)0.45質量部、及び75質量%アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO含量:12.8%、溶媒:酢酸エチル)1質量部を加え、攪拌してロイコ染料層用塗布液1を調製した。
-顕色剤層用塗布液1-
4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン1質量部、イオン交換水9質量部、10質量%イタコン酸変性ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:80,000、鹸化度:87.5mol%)1質量部、及び界面活性剤(商品名:オルフィンPD-001N、日信化学工業株式会社製)0.01質量部を加え、ボールミル用いて平均粒径が1μmになるまで分散し、分散液1を得た。
前記分散液1を1.01質量部、及びポリビニルアルコール10質量%水溶液(重量平均分子量:770,00、鹸化度:98.5mol%)3質量部を加え、撹拌して顕色剤層用塗布液1を調製した。
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:75μm)の片面上に、ワイヤーバーを用いて下記ロイコ染料層用塗布液1を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み0.8μmのロイコ染料層を形成した。
次に、前記ロイコ染料層上に、ワイヤーバーを用いて下記顕色剤層用塗布液1を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの顕色剤層を形成した。
なお、前記ロイコ染料層と前記顕色剤層の2つで感熱記録層となる。
次に、前記顕色剤層上に、ワイヤーバーを用いて10質量%ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:約770,00、鹸化度:98.5mol%)(ガスバリア層用塗布液2)を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmのバリア層を形成した。
次に、前記バリア層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液11を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成した後、60℃で24時間放置し、感熱記録媒体1を作製した。
実施例13において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例13と同様にして、感熱記録媒体2を得た。
実施例1~12及び比較例1~8において、熱傾斜試験機(HG-100-2 東洋精機社製)を用いて、170℃、0.2kgf/cm2、1秒間の条件で印字した以外は、実施例1~12及び比較例1~8と同様の方法で評価した。
実施例12は、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に、可逆性感熱記録層を設けていることから、外部からの酸素を遮断することができるため、「地肌部の着色」の評価が「◎◎◎」となっている。
比較例3では、紫外線吸収層中のバインダー樹脂をウレタン結合により架橋しているが、ブリードアウトが生じている。このことからウレタン結合の架橋によるバインダー樹脂の塗膜強度の向上効果だけでは、不十分であり、バインダー樹脂の構造中にスチレンを含有する樹脂を用いることが重要であることが分かる。
比較例6及び8において、70℃の温度で1日間放置後の「印字部の粉吹き」の評価が、「○」となっているのは、紫外線吸収層中にベンゾトリアゾール化合物が含まれていないことが要因と考える。
更に、実施例11~12は、ポリイソシアネートによりスチレンアクリルポリオールをウレタン結合で架橋させることで80℃の温度においても、ベンゾトリアゾール化合物がブリードアウトせず、上記同様地肌部の着色を抑制することができ、印字部の粉吹きも抑制し、より多くの用途、使用環境にて適応させることができることが明らかである。
<1> 感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、
前記紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と、
スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含むこと特徴とする感熱記録媒体である。
<2> 暴露時の光源側に前記紫外線吸収層を有する前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<3> 支持体を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<4> 前記ベンゾトリアゾール化合物が、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールである前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<5> 前記スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかのガラス転移温度(Tg)が、80℃以上110℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<6> 前記感熱記録層が、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<7> 前記スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がウレタン結合で架橋された前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<8> 少なくとも2層のガスバリア層を有し、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に感熱記録層を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<9> 前記支持体上に設けられた、前記感熱記録層を有する側の層のうちの少なくともいずれかの層が光熱変換材料を含有し、レーザーで記録可能である前記<3>から<8>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<10> 記録側の前記感熱記録層上に有する層の厚みの合計が、12μm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱記録媒体を有することを特徴とする物品である。
11 支持体
12 感熱記録層
13 紫外線吸収層
14A 第1のガスバリア層
14B 第2のガスバリア層
Claims (6)
- 感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、
前記紫外線吸収層が、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールと、
スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかである構造中にスチレンを含有する樹脂と、を含み、
前記2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールの含有量が、前記構造中にスチレンを含有する樹脂1質量部に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下であることを特徴とする感熱記録媒体。 - 前記感熱記録層が、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層である請求項1に記載の感熱記録媒体。
- 前記スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がウレタン結合で架橋された請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録媒体。
- 少なくとも2層のガスバリア層を有し、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に前記感熱記録層を有する請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録媒体。
- 請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録媒体であることを特徴とするレーザー印字用の感熱記録媒体。
- 請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録媒体、及び請求項5に記載のレーザー印字用の感熱記録媒体の少なくともいずれかを有することを特徴とする物品。
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