JP7275694B2 - 感熱記録媒体、及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録媒体、及び物品に関する。
従来、感熱記録媒体の感熱記録層にはロイコ染料が含有されており、前記ロイコ染料は、太陽光や蛍光灯の光、特に紫外線に弱いため、通常、ベンゾトリアゾール化合物等の紫外線吸収剤が添加されている。
このようなベンゾトリアゾール化合物は、通常、高い結晶性と昇華性を有しており、高温環境下での使用や長期間の保存によって、蒸散、結晶化、ブリードアウトなどが起こる。特に、真夏のトラックの中などは、60℃近くの温度に達するため、ベンゾトリアゾール化合物がブリードアウトし、感熱記録媒体の紫外線吸収能が低下することで、感熱記録媒体の地肌部の着色が発生するという問題がある。また、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウトなどが起こることで、感熱記録媒体の印字部に粉吹きが発生するという問題がある。
そこで、前記問題点を解決するため、例えば、ベンゾトリアゾール化合物に、架橋剤であるイソシアネート化合物と反応し得る反応基を付加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、感熱記録媒体に融点130℃以上のベンゾトリアゾール化合物を2種類以上含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、ベンゾトリアゾール化合物に、架橋剤であるイソシアネート化合物と反応し得る反応基を付加する方法は、使用するベンゾトリアゾール化合物の合成が煩雑になる。また、感熱記録媒体に融点130℃以上のベンゾトリアゾール化合物を2種以上含有させる方法は、使用できる紫外線吸収剤が極度に制限されるなどの問題がある。
近年、感熱記録媒体は、屋内での使用だけでなく、例えば、車のダッシュボード上に放置した物品(ペットボトルなど)のラベル、屋外で保管されている生協の通い箱のラベル、物流輸送のコンテナのラベルなどの屋外での使用が増えてきていることから、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる感熱記録媒体の提供が望まれている。
本発明は、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる感熱記録媒体を提供することを目的とする。なお、前記高温と強い紫外線に晒される環境とは、高温と強い紫外線に、同時に晒される場合だけではなく、高温の環境に晒された後に、強い紫外線に晒される場合も含む。
前記課題を解決するための手段としての本発明の感熱記録媒体は、感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、前記紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含む。
本発明によると、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる感熱記録媒体を提供することができる。
図1は、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールが分散状態で存在している紫外線吸収層をSEM(1,000倍)で観察した図である。 図2は、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールが溶解状態で存在している紫外線吸収層をSEM(1,000倍)で観察した図である。 図3は、本発明の感熱記録媒体の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の感熱記録媒体の他の一例を示す概略図である。 図10は、本発明の可逆性感熱記録媒体について、温度と発色濃度の関係を示す概略図である。 図11は、消色状態と発色状態とが熱により可逆的に変化するメカニズムを示す概略図である。
(感熱記録媒体)
本発明の感熱記録媒体は、感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、前記紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含み、更に必要に応じて、支持体、ガスバリア層、及びその他の層を有する。
前記感熱記録媒体は、1回記録の場合は、感熱記録層を有する感熱記録媒体であり、画像記録及び画像消去を繰り返して行う場合には、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体である。
本発明の感熱記録媒体は、単独の紫外線吸収層を設け、前記紫外線吸収層が、高融点のベンゾトリアゾール化合物と、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含むことにより、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる。
<紫外線吸収層>
前記紫外線吸収層は、紫外線吸収剤として、高融点のベンゾトリアゾール化合物と、バインダー樹脂として、スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含み、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記紫外線吸収層が、ベンゾトリアゾール化合物と特定のバインダー樹脂の組合せを含有することにより、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下でも、高い紫外線吸収能を有し、地肌部の着色や印字部の粉吹きを抑制することができる。
前記紫外線吸収能とは、波長領域が300nm~380nmである紫外線の透過率(紫外線透過率)で規定することができ、前記紫外線透過率が、5.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。
前記紫外線透過率の測定方法としては、例えば、透明基材に紫外線吸収層を形成させ、分光光度計(U-4100、日立ハイテクノロジーズ株式会社製)を用いて波長300nm~380nmの範囲で1nm毎に透過率を測定し、得られた各波長での透過率の平均値を算出することで求めることができる。
-紫外線吸収剤-
前記紫外線吸収剤としては、構造中にベンゾトリアゾール骨格を含むベンゾトリアゾール化合物であれば、他に特殊な構造などに制限されず、幅広く用いられる。前記ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(融点:111℃)、(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(融点:154℃)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3,5-ジ(1,1-ジメチルベンジル)]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-2-イルメチル)-5-メチルフェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(5,5-ジメチルヘキシル)-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、メタクリル酸2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(融点:111℃)、2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(融点:154℃)、及び2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)が好ましく、より高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃)がより好ましい。
前記ベンゾトリアゾール化合物の融点としては、80℃以上が好ましく、高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、100℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。
前記ベンゾトリアゾール化合物の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。特筆すべき点は、1000以下の分子量のものでも用いることができるという点である。
-バインダー樹脂-
前記バインダー樹脂としては、構造中にスチレンを含有する樹脂が用いられる。
前記構造中にスチレンを含有する樹脂としては、例えば、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、架橋剤により、ウレタン結合で架橋されることによって、バインダー樹脂の塗膜強度を上げることができる点から、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がより好ましい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エポキシ化合物などが挙げられる。これらの中でも、イソシアネート類が好ましく、イソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化合物がより好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000以上が好ましい。前記バインダー樹脂の重量平均分子量は、例えば、TOF-SIMS、熱分解GC-MS、NMR、FT-IRなどを用いて測定することができる。
前記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上110℃以下が好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量分析(DSC)を用いて測定することができる。
前記紫外線吸収層における、前記構造中にスチレンを含有する樹脂と前記ベンゾトリアゾール化合物の含有比は、高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができる点から、前記構造中にスチレンを含有する樹脂1質量部に対して、前記ベンゾトリアゾール化合物0.1質量部以上0.5質量部以下が好ましい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、光熱変換材料などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾトリアゾール化合物の溶媒中における状態としては、分散状態と溶解状態が挙げられる。これらの中でも、高い紫外線吸収能を有する点から、溶解状態が好ましい。
前記分散状態とは、ベンゾトリアゾール化合物が水溶媒中で粒子状に存在している状態を意味しており、分散状態のベンゾトリアゾール化合物を用いて紫外線吸収層を形成した場合、図1に示すように、粒子状のベンゾトリアゾール化合物が確認される。
前記溶解状態とは、ベンゾトリアゾール化合物が有機溶剤中に溶解している状態を意味しており、溶解状態のベンゾトリアゾール化合物を用いて紫外線吸収層を形成した場合、図2に示すように、ベンゾトリアゾール化合物が溶剤中に溶解し、粒子状のベンゾトリアゾール化合物が確認されない。前記溶解状態であることで、ベンゾトリアゾール化合物の比表面積が大きくなり、高い紫外線吸収能が得られる。
したがって、ベンゾトリアゾール化合物は、有機溶剤に溶解させて使用することが好ましい。
前記紫外線吸収層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式粉砕により水などの溶媒中で分散状態にしたベンゾトリアゾール化合物、又はトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの有機溶剤に溶解させた溶解状態のベンゾトリアゾール化合物を、バインダー樹脂、及び必要に応じてその他の成分などと共に混合して紫外線吸収層用塗布液を調製する方法が挙げられる。その後、前記紫外線吸収層用塗布液を塗布し、乾燥させて紫外線吸収層を形成する。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本又は5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記紫外線吸収層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上15μm以下がより好ましい。
<感熱記録層>
前記感熱記録層は、1回記録の場合には、感熱記録層となり、画像記録及び画像消去を繰り返して行う場合には、可逆性感熱記録層となる。以下、両者を分けて説明する。
<<感熱記録層>>
前記感熱記録層としては、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、更に必要に応じて、光熱変換材料、又はその他の成分を含有してなる。
-ロイコ染料-
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録材料に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が挙げられる。このようなロイコ染料としては、例えば、2-アニリノ-3-メチル-6-ジブチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-クロルフタリド、3,3-ビス(p-ジブチルアミノフェニル)フタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロルフルオラン、3-ジメチルアミノ-5,7-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンズフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロルフルオラン、3-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2-{N-(3’-トリフルオルメチルフェニル)アミノ}-6-ジエチルアミノフルオラン、2-{3,6-ビス(ジエチルアミノ)-9-(o-クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-7-o-クロルアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N,n-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’-クロロ-8’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、6’-ブロモ-3’-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-クロルフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-ニトロフェニル)フタリド、3-(2’-ヒドロキシ-4’-ジエチルアミノフェニル)-3-(2’-メトキシ-5’-メチルフェニル)フタリド、3-(2’-メトキシ-4’-ジメチルアミノフェニル)-3-(2’-ヒドロキシ-4’-クロル-5’-メチルフェニル)フタリド、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-イソブチル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピペリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4’-プロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシチジノ-4’,5’-ベンゾフルオラン、3-N-メチル-N-イソプロピル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-イソアミル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2’,4’-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピベリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-N-ブチルアニリノ)フルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4’-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(-2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}-6-ジメチルアミノフタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-フェニルエチレン-2-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-p-クロロフェニルエチレン-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-メトキシ)-3-(1”-p-ジメチルアミノフェニル-1”-p-クロロフェニル-1”,3”-ブタジエン-4”-イル)ベンゾフタリド、3-(4’-ジメチルアミノ-2’-ベンジルオキシ)-3-(1”-p-ジメチルアミノフェニル-1”-フェニル-1”,3”-ブタジエン-4”-イル)ベンゾフタリド、3-ジメチルアミノ-6-ジメチルアミノ-フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド、3,3-ビス(2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-p-メトキシフェニル)エテニル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-ビス{1,1-ビス(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル}-5,6-ジクロロ-4,7-ジプロモフタリド、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-p-トリルスルホニルメタン、2-(フェニルアミノ)-3-メチル-6-[エチル(p-トリル)アミノ]スピロ[9H-キサンテン-9,1’(3’H)-イソベンゾフラン]-3’-オン、6-(ジエチルアミノ)-2-[3-(トリフルオロメチル)アニリノ]スピロ[9H-キサンテン-9,3’(1’H)-イソベンゾフラン]-1’-オンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ロイコ染料の50%累積体積粒径(D50)としては、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましい。
前記ロイコ染料の50%累積体積粒径(D50)は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)などを用いて測定することができる。
前記ロイコ染料は、有機溶媒中に溶解して使用することができる。
前記ロイコ染料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感熱記録層に対して、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
-顕色剤-
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時に発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等を適用することができる。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’-イソプロピリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(o-メチルフェノール)、4,4’-セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-ターシャリーブチルフェノール)、p-ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5-トリス(4-ターシャリーブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2-(3,4’-ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、4-{β-(p-メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン、1,5-ビス(4-ヒドロキシフェニチオ)-5-オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-クロロフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリ-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ターシャリ-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’-チオビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、4,4’-ジフェノールスルホン、4-イソプロポキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン(4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン)、4-ベンジロキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジフェノールスルホキシド、p-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-プロパン、N,N’-ジフェニルチオ尿素、N,N’-ジ(m-クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’-ジフェノールスルホン、2,2’-ジアリル-4,4’-ジフェノールスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-4’-メチルジフェニルスルホン、1-アセチルオキシ-2-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-1-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-3-ナフトエ酸亜鉛、α,α-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-α-メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’-チオビス(2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-クロロフェノール)、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドデシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α-ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α-ヒドロキシオクタデシルホスホン酸、α-ヒドロキシエイコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドコシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラコシルホスホン酸、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタデシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジドコシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メチルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキサデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤の50%累積体積粒径(D50)としては、0.05μm以上0.5μm以下が好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がより好ましい。
前記顕色剤の50%累積体積粒径(D50)は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)などを用いて測定することができる。
前記顕色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感熱記録層全体に対して、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
-光熱変換材料-
前記感熱記録層には近赤外線レーザーで印字することを踏まえ、近赤外線域に吸収をもつ光熱変換材料を添加することが可能である。
前記光熱変換材料としては、例えば、カーボンブラックや、Ce、La、Ge、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属、半金属、又はそれを含む化合物が挙げられる。これらの中でも、地肌着色の抑制と近赤外領域の吸収を大きくする点から、金属ホウ化物及び金属酸化物の少なくともいずれかの粒子が好ましい(例えば、特許第5874170号公報参照)。
前記金属ホウ化物及び金属酸化物としては、例えば、6ホウ化物、酸化タングステン化合物、酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛が挙げられる。
前記6ホウ化物としては、例えばLaB、CeB、PrB、NdB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、(La,Ce)B、などが挙げられる。これらの中でも、近赤外領域の吸収が大きい点から、LaBが好ましい。
前記酸化タングステン化合物としては、一般式:WyOz(ただし、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表されるタングステン酸化物の微粒子、一般式:MxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0である)で表される複合タングステン酸化物の微粒子などが挙げられる。これらの中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、セシウム含有酸化タングステンが好ましい。
前記酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛の中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、酸化インジウムスズ(ITO)が好ましい。
前記光熱変換材料の含有量は、画像のコントラスト及び発色濃度が向上する点から、感熱記録層に対して、0.001g/m以上20g/m以下が好ましく、0.005g/m以上10g/m以下がより好ましい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂、更に必要に応じて、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、可塑剤、各種顔料、消泡剤、顔料、分散剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
--バインダー樹脂--
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、水溶性高分子及び前記水性樹脂エマルジョンなど一般的に感熱記録層に用いられている公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等のラテックス類、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層の形成方法としては、例えば、前記ロイコ染料及び前記顕色剤を、前記バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散した後、さらに必要に応じて前記その他の成分などと共に混合して感熱記録層用塗布液を調製する。その後、前記感熱記録層用塗布液を支持体の上に塗布し、乾燥させて感熱記録層を形成する。
前記感熱記録層の別の形成方法としては、例えば、前記ロイコ染料を、バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散してロイコ染料層用塗布液を調製し、前記顕色剤を、バインダー樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機により分散粒径が0.1μm以上3μm以下になるまで粉砕分散して顕色剤層用塗布液を調製する。その後、前記ロイコ染料層用塗布液を支持体の上に塗布し、乾燥させてロイコ染料層を形成し、前記顕色剤層用塗布液を前記ロイコ染料層の上に塗布し、乾燥させて顕色剤層を形成し、感熱記録層を形成する。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本又は5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記感熱記録層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上15μm以下がより好ましい。
<<可逆性感熱記録層>>
前記可逆性感熱記録層としては、ロイコ染料及び可逆性顕色剤を含有し、更に必要に応じて、光熱変換材料、又はその他の成分を含有してなる。
-ロイコ染料-
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感熱記録層と同様のものが挙げられる。
-可逆性顕色剤-
前記可逆性顕色剤としては、熱を因子として発消色を可逆的に行うことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基、長鎖炭化水素基などを有する化合物が挙げられる。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、下記一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0007275694000001
Figure 0007275694000002
前記一般式(1)及び(2)中、Rは、単結合及び炭素数1~24の脂肪族炭化水素基のいずれかを表す。
前記一般式(1)及び(2)中、Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、炭素数としては、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。前記置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基などが挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、炭素数としては、1~35が好ましく、6~35がより好ましく、8~35が特に好ましい。これらの脂肪族炭化水素基は、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用して有していてもよい。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分枝鎖、及び不飽和結合のいずれかであってもよいが、直鎖が好ましい。
前記一般式(1)及び(2)中、R、R、及びRの炭素数の和としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発色性及び消色性が向上する点から、8以上40以下が好ましく、11以上35以下がより好ましい。
前記一般式(1)中、X及びYは、並びに前記一般式(2)中、Yは、N原子及びO原子のいずれかを含む2価の基を表し、例えば、酸素原子、アミド基、尿素基、ジアシルヒドラジン基、シュウ酸ジアミド基、アシル尿素基などが挙げられる。これらの中でも、アミド基、尿素基が好ましい。
前記一般式(1)中、nは、0~1の整数を示す。
-光熱変換材料-
前記光熱変換材料としては、前記感熱記録層と同様のものが挙げられる。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂、更に必要に応じて、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、可塑剤、各種顔料、消泡剤、顔料、分散剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
-バインダー樹脂-
前記バインダー樹脂としては、支持体上に可逆性感熱記録層を結着することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基やカルボキシル基等の架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は水酸基やカルボキシル基等を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、及びポリウレタンポリオール樹脂が好ましい。
前記可逆性感熱記録層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ロイコ染料、前記可逆性顕色剤、及び前記バインダー樹脂を溶媒中に溶解又は分散させ、可逆性感熱記録層用塗布液を調製し、前記可逆性感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布し、乾燥させて可逆性感熱記録層を形成する方法や、前記バインダー樹脂のみを溶解した溶媒に、前記ロイコ染料及び前記可逆性顕色剤を分散させ、可逆性感熱記録層用塗布液を調製し、前記可逆性感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布し、乾燥させて可逆性感熱記録層を形成する方法などが挙げられる。なお、前記支持体を用いることなく、シート状の可逆性感熱記録媒体として形成することもできる。前記溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記可逆性感熱記録層を形成した後、前記可逆性感熱記録層上に塗工液を塗布し、別の層を設けることができる。
前記塗工液の溶媒または分散媒としては、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤、又水を主とする溶液が挙げられる。前記塗工液の溶媒または分散媒が、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤の場合は、前記可逆性感熱記録層の架橋状態が十分になった後に、前記塗工液を塗布することができる。架橋が十分でないと、溶剤により一度形成された可逆性感熱記録層が再溶出してしまうことがある。前記塗工液の溶媒または分散媒が、水を主とする溶液である場合は、十分に架橋する前に塗布することができる。十分に架橋すると濡れ性が変わり、水を弾くようになってしまうため水を主とする塗工液を塗りにくくなる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本又は5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記可逆性感熱記録層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像のコントラスト及び発色濃度が向上する点から、1μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上18μm以下がより好ましい。
前記感熱記録層又は可逆性感熱記録層の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層、複数層などが挙げられる。塗工時の発色カブリが起こりやすい場合には、ロイコ染料を含有するロイコ染料層と顕色剤を含有する顕色剤層に分けて塗工することができる。この場合、ロイコ染料層と顕色剤層の2つを合わせて感熱記録層または可逆性感熱記録層となる。
前記可逆性感熱記録層の発色、消色メカニズムは、熱により色調が透明状態と発色状態とに可逆的に変化する態様である。
図10及び図11に示すとおり、消色状態(A)にある前記可逆性感熱記録層を昇温していくと、発色温度Tにて、前記ロイコ染料と前記可逆性顕色剤とが溶融して混合し、発色が生じる発色状態(B)となる。前記発色状態(液体)(B)から急冷すると、発色を維持したまま室温まで温度が下がり、発色が安定化された発色状態(固体)(C)となる。前記発色状態(液体)(B)から前記発色状態(固体)(C)への移行は、降温速度に依存しており、徐冷すると消色が生じる。発色状態(C)から再び昇温していくと、前記発色温度Tよりも低い消色温度Tにて消色が生じ、消色状態(E)となる。この状態から降温すると、消色状態(A)に戻る。なお、発色状態(液体)(B)からの徐冷による消色、及び発色状態(固体)(C)からの昇温による消色は、いずれも消色温度Tで前記ロイコ染料と前記可逆性顕色剤の凝集構造の変化、分離、結晶化が生じる。
前記発色状態(液体)(B)から急冷して得た発色状態(C)は、前記ロイコ染料と前記可逆性顕色剤の分子同士が接触し、発色が安定化している固体の状態である。一方、消色状態(A)は、前記ロイコ染料と前記可逆性顕色剤が分離して結晶化している。前記可逆性顕色剤が結晶化することにより、完全な消色が生じる。
更に、前記可逆性感熱記録層を発色温度Tより高い温度Tまで繰返し昇温すると、前記可逆性顕色剤が熱分解を起こし、ロイコ染料と分離しにくくなるため、消色温度Tに加熱しても消去できない消去不良が発生する。前記可逆性感熱記録媒体の加熱時に、前記発色温度Tと前記温度Tの差を小さくすることにより、繰返しによる前記可逆性感熱記録媒体の劣化を抑えることができる。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、材料、形状、構造、平均厚みを選択することができる。
前記材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料、有機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機材料が好ましい。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコーン、酸化シリコーン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、合成紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のフィルムなどが挙げられる。これらは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のフィルムがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正方形及び長方形等の多角形、円形、楕円形、平板状、シート状などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造、積層構造などが挙げられる。
前記平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上2,000μm以下が好ましく、20μm以上1,000μm以下がより好ましい。
前記支持体は、塗布層の接着性を向上させることを目的として、コロナ放電処理、酸化反応処理(例えばクロム酸など)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理、などを行うことにより表面改質するのが好ましい。また、画像部の視認性向上やレーザーで印字する場合には、レーザーを支持体で反射させレーザー光を有効に使用するという点から、前記支持体に酸化チタンなどの白色顔料を添加することが好ましい。
前記支持体としては、白色のものが好ましいが、用途によっては透明な支持体を用いることでき、感熱記録層などの支持体に塗工する層全体の透明性が高い場合は、透明感熱記録媒体となり得る。前記透明感熱記録媒体を、屋外で使用する場合は、必ずしも感熱記録層の上層側から太陽光が照射されるとは限らず、下層側からも太陽光が照射される可能性があるため、感熱記録層の上層または下層に紫外線吸収層を設けることが好ましい。
<ガスバリア層>
前記感熱記録媒体は、外気中の酸素の感熱記録層への侵入を防止し、耐光性を向上させる点から、ガスバリア層を設けることができ、更に、少なくとも2層のガスバリア層の間に感熱記録層を有するように、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層を設けることが好ましい。ガスバリア層を設けることで、太陽光に晒された場合でも地肌着色や画像濃度の低下、画像消去時の画像の消し残りを抑制することができる。
前記ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂を含有し、更に必要に応じて、無機層状化合物を含有してなる。
前記ガスバリア性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体樹脂、エチレン-ビニルアルコール系共重合体樹脂、又はこれらを含む組成物などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系重合体樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコールの誘導体としては、例えば、水酸基の40mol%程度までがアセタール化されているポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、カルボキシル基、アミノ基等の変性基を有するビニルモノマーとの共重合体などが挙げられる。
前記ポリビニルアルコール系重合体樹脂の重合度は、100以上5,000以下が好ましく、500以上3,000以下がより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系重合体樹脂の鹸化度は、60mol%以上が好ましく、75mol%以上がより好ましく、90mol%以上がさらに好ましく、95mol%以上が特に好ましい。
前記無機層状化合物としては、例えば、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、スメクタイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石、鱗片状シリカなどの天然物、合成雲母、物理的処理又は化学的処理されている雲母などの合成品が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ガスバリア性が向上する点から、モンモリロナイト又は合成雲母が好ましい。
前記ガスバリア層の形成方法としては、ガスバリア樹脂を用いたコーティング層を設ける方法、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の蒸着層、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロン等の高分子フィルム上に無機酸化物を蒸着したシリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、シリカ/アルミナ蒸着フィルムなどの無機蒸着フィルムを、接着層などを介して貼り合わせて設ける方法が挙げられる(例えば、特許第5171295号公報参照)。これらの中でも、ガスバリア機能と印字または消去性の両立という観点から、ガスバリア樹脂を用いたコーティング層を設ける手法が好ましい。
前記ガスバリア層は、前記可逆性感熱記録媒体において、サーマルヘッドなどの接触式の画像処理方法にて、繰り返し印字及び消去によるガスバリア層の剥離を防ぐため、ガスバリア性樹脂と無機層状化合物の親和性向上目的にオキサゾリン系化合物等(例えば、特許第51378001号公報参照)、ガスバリア性樹脂の硬化剤目的に有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物等、隣接層との密着性向上目的にシランカップリング剤及びチタンカップリング剤及びイソシアネート化合物及びアジリジン化合物及びカルボジイミド化合物等を必要に応じて含有してもよい(例えば、特許第5788667号公報参照)。
前記塗布方法としては、無機層状化合物を配向させることが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラビアシリンダー等を用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法、エアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法などが挙げられる。
前記ガスバリア層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガスバリア性及び熱感度が向上する点から、0.1以上10μm以下が好ましく、0.3以上5μm以下がより好ましい。
ここで、本発明の感熱記録媒体の層構造の具体例を図3から図9を用いて説明する。図3に示すように、本発明の感熱記録媒体1は、支持体11上に感熱記録層12及び紫外線吸収層13を設けることができ、感熱記録層12よりも暴露時の光源側に紫外線吸収層13を設けることが好ましい。前記暴露時の光源としては、本発明が運用されるような物流業界などにおいては、太陽光や蛍光灯の光などが挙げられる。
前記本発明の感熱記録媒体1は、前記支持体11、前記感熱記録層12、及び前記紫外線吸収層13に加え、図4から図9に示すように、ガスバリア層14A及び14Bを設けることができる。
<その他の層>
前記その他の層としては、通常、感熱記録媒体に使用されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘着層、保護層、アンダー層、着色層、アンカー層などを設けることができる。
<<粘着層>>
前記感熱記録媒体は、最下層側に粘着層を設けて、感熱記録粘着ラベルとすることができる。前記感熱記録粘着ラベルは、印字した後に被着体に貼り付けての使用や、印字する前にコンテナなどの被着体に貼り付け、その後レーザーで印字や消去をするというような使用が可能となる。
前記粘着層に用いられる粘着剤の主成分としては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種を主体とする単量体を乳化重合して得られるアクリル樹脂、アクリル酸エステル-スチレン共重合体、及びアクリル酸エステル-メタクリル酸エステル-スチレン共重合体、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル-アクリル系共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種を主体とする単量体を乳化重合して得られるアクリル樹脂、アクリル酸エステル-スチレン共重合体、及びアクリル酸エステル-メタクリル酸エステル-スチレン共重合体が好ましい。
前記粘着層は、必要に応じて浸透剤、造膜助剤、消泡剤、防錆剤、増粘剤、濡れ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、無機充填剤などの添加剤を含有することができる。
<<保護層>>
前記感熱記録媒体は感熱記録層上に、保護層を設けることができる。前記保護層を設けることにより、ロール形状で保管又は使用時の、感熱記録媒体中の発色性阻害要因を防止できる。前記感熱記録層上に保護層を設けない場合、十分なバリア性が得られず、使用環境によっては、発色性の低下が起こることがある。
前記保護層は、1回記録の感熱記録媒体に用いられる感熱記録媒体用保護層と、画像記録及び画像消去を繰り返して行う可逆性感熱記録媒体用保護層とで、材料が異なる。
-感熱記録媒体用保護層-
前記感熱記録媒体用保護層の材料としては、ポリビニルアルコール樹脂及びフィラーが挙げられ、必要に応じて、耐水化剤、界面活性剤、熱可融性物質、滑剤、圧力発色防止剤などのその他の成分を含有してなる。
前記ポリビニルアルコール樹脂としては、例えば、公知の方法で製造され、ポリ酢酸ビニルの鹸化物以外に、他のビニルエステルと共重合し得る単量体を含有することができる。
前記単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、又はその塩、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、又はその塩などが挙げられる。
前記フィラーとしては、例えば、ホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルサイト等の無機フィラーや、架橋ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチル樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂等の有機フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録媒体用保護層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、記録した画像の、食品に含まれる水及び酸性成分物質、包装に使用される可塑剤や油脂類などに対する保存安定性が向上する点から、1.0μm以上5.0μm以下が好ましい。
-可逆性感熱記録媒体用保護層-
前記可逆性感熱記録媒体用保護層は、バインダー樹脂を含有し、必要に応じて、離型剤、フィラー、顔料、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などのその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線(UV)硬化性樹脂、熱架橋樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硬い膜を形成し、表面の物理的な接触によるダメージ、レーザー加熱による媒体変形を抑止することができる点から、紫外線硬化性樹脂、熱架橋樹脂が好ましい。
前記紫外線硬化性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマー、各種単官能又は多官能のアクリレート、各種単官能又は多官能のメタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。これらの中でも、膜の硬さ、収縮度、柔軟性、塗膜強度などを調節することができる点から、4官能以上の多官能性のモノマー又はオリゴマーが好ましい。
前記紫外線硬化性樹脂を硬化させるための紫外線照射は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置などを備えた紫外線照射装置などが挙げられる。
前記光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ、などが挙げられる。前記光源の波長は、前記可逆性感熱記録媒体に添加されている光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂を硬化するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度などを決めることができる。
前記熱架橋樹脂としては、例えば、前記可逆性感熱記録層で用いられたバインダー樹脂と同様のものを用いることができ、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの架橋剤と反応する基を有しているものが挙げられる。
前記可逆性感熱記録媒体用保護層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、繰り返し記録時の熱による劣化を防止し、発色性、消色性を維持できる点から、0.1μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましく、1.5μm以上6μm以下が特に好ましい。
<<アンダー層>>

前記感熱記録媒体は、発色感度、平滑性、接着性の向上、粘着剤の感熱記録層へのマイグレード防止の点から、前記支持体と前記感熱記録層との間に、必要に応じて、アンダー層を更に設けることができる。 前記アンダー層としては、フィラー、バインダー樹脂、熱可融性物質などを含有してなる。
<<着色層>>
前記感熱記録媒体には、視認性を向上させる点から、前記支持体と前記感熱記録層との間に着色層を設けてもよく、前記感熱記録層上の記録したい箇所以外に設けることが好ましい。
前記着色層は、着色剤、バインダー樹脂、分散液、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<アンカー層>>
前記感熱記録媒体は、各層間の密着性の向上や塗工する際の不具合を防止する点から、各層間にアンカー層やバリア層を設けることができる。
前記アンカー層としては、バインダー樹脂、イソシアネート化合物、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<バリア層>>
前記感熱記録媒体は、紫外線吸収層塗布液に含まれるトルエンやメチルエチルケトンなどの溶剤によって、感熱記録層が発色してしまうことを防止する点から、バリア層を設けることができる。
前記バリア層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガスバリア層としても機能を発揮することができる点から、ポリビニルアルコール系重合体を含む層が好ましい。
前記感熱記録媒体において、記録側の前記感熱記録層上に設けられているすべての層の厚みの合計は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像の記録や消去が良好に行える点から、12μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下が特に好ましい。
<用途>
本発明の感熱記録媒体の用途は、1回記録の感熱記録媒体としては、例えば、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野、図書、文書等の複写分野、ファクシミリ等の通信分野、券売機、レシート、領収書等の発券分野、航空機業界のバッゲージ用タグ、ピルケース、ピルボトルなどの多方面に用いることができる。また、本発明の感熱記録媒体は、屋外などの高温と強い紫外線に晒される環境下においても、高い紫外線吸収能及び耐熱性を有し、ベンゾトリアゾール化合物のブリードアウト、地肌部の着色、及び印字部の粉吹きを抑制することができることから、熱転写リボンの代替品としても用いることができる。
可逆性感熱記録媒体としては、例えば、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカードなどが挙げられる。カードサイズよりも小さなタグ状のサイズでは、値札等に利用することができ、カードサイズよりも大きなタグ状のサイズでは、工程管理、出荷指示書、チケット等に使用することができる。ラベル状の可逆性感熱記録媒体は、貼り付けることができるため、繰り返し使用する台車、容器、箱、コンテナ等に貼り付けて工程管理、物品管理などに使用することができる。また、カードサイズよりも大きなシートサイズでは、画像記録する範囲が広くなるため、一般文書や工程管理用の指示書などに使用することができる。
前記感熱記録媒体の形状としては、前記用途に応じて所望の形状に加工することができ、例えば、カード状、タグ状、ラベル状、シート状、ロール状、などが挙げられる。
(画像記録方法)
前記感熱記録媒体への画像形成方法(画像記録装置)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルヘッド、熱傾斜試験機、レーザー光などが挙げられる。
前記サーマルヘッドとしては、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記レーザー光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9.3μm以上10.8μm以下の波長を有するCOレーザー、半導体レーザー(LD)、YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーアレイなどが挙げられる。半導体レーザー(LD)、YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーアレイはレーザー波長が近赤外線の波長となるため、これらを用いて画像形成または画像消去の少なくともいずれかを実施する場合は、感熱記録媒体において、支持体に対して感熱記録層が設けられた側のいずれかの層に光熱変換材料を有する。
前記可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去するときは、赤外線ランプ、ヒートローラー、ホットスタンプ、ドライヤーなどを用いて加熱することにより、画像を消去することが可能である。
(物品)
本発明の物品は、本発明の感熱記録媒体を有する。
本発明の感熱記録媒体を有するとは、本発明の感熱記録媒体を貼付、装着などをしている状態を意味する。
本発明の物品としては、本発明の感熱記録媒体を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、生鮮食料品、飲料、弁当、惣菜、図書、文書、これらを梱包材、包装資材、包装紙等で梱包した梱包品、物流で使用されるパレット、コンテナなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、可逆性感熱記録媒体の試験と感熱記録媒体の試験を分けて説明する。
(可逆性感熱記録媒体の試験)
<可逆性感熱記録層用塗布液の調製例>
-可逆性感熱記録層用塗布液1の調製-
下記構造式(1)で表される可逆性顕色剤5質量部、40質量%スチレンアクリルポリオール溶液(水酸基価:200mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):25℃、溶媒:メチルエチルケトンと酢酸ブチルの混合溶媒)10質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を加え、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-920、株式会社堀場製作所製)で測定した50%累積体積粒径(D50)が1μmとなるようにボールミルにより分散し、可逆性顕色剤分散液を得た。
Figure 0007275694000003
前記可逆性顕色剤分散液86質量部、2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン1.5質量部、セシウム含有酸化タングステン化合物の分散液(固形分濃度:18.5質量%(メチルイソブチルケトンと酢酸ブチルと2-ブタノールの混合溶媒))0.5質量部、75質量%ポリイソシアネート溶液(アダクトタイプ、NCO含量:12.8%、溶媒:酢酸エチル)6質量部、及びメチルエチルケトン30質量部を加え、撹拌させて可逆性感熱記録層用塗布液1を調製した。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例1>
-紫外線吸収層用塗布液1の調製-
2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃、分子量:351.5)1質量部、トルエン20質量部、及び50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエンとキシレンと酢酸ブチルの混合溶媒)6質量部を加え、撹拌させて紫外線吸収層用塗布液1を調製した。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例2~9>
-紫外線吸収層用塗布液2~9の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表1~2の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液2~9を得た。なお、表1~2における組成の各数字の単位は「質量部」である。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例10>
-紫外線吸収層用塗布液10の調製-
2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃、分子量:315.8)1質量部、100質量%ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート0.2質量部、及びイオン交換水10.8質量部を加え、平均粒径が0.5μmとなるようにボールミルにより分散し、分散液を得た。
前記分散液1.2質量部、スチレン-アクリル共重合体エマルジョン(重量平均分子量:200,000、ガラス転移温度(Tg):80℃、固形分濃度:48質量%)0.63質量部、及びイオン交換水2.4質量部を加え、撹拌させて紫外線吸収層用塗布液10を調製した。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例11~14>
-紫外線吸収層用塗布液11~14の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表2~3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液11~14を得た。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例15>
-紫外線吸収層用塗布液15の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例10において、表3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例10と同様にして、紫外線吸収層用塗布液15を得た。
<紫外線吸収層用塗布液の調製例16>
-紫外線吸収層用塗布液16の調製-
紫外線吸収層用塗布液の調製例1において、表3の組成及び含有量に変更した以外は、紫外線吸収層用塗布液の調製例1と同様にして、紫外線吸収層用塗布液16を得た。
Figure 0007275694000004
Figure 0007275694000005
Figure 0007275694000006
表1~表3に示す、紫外線吸収剤及びバインダー樹脂などの詳細については、以下のとおりである。
-紫外線吸収剤-
・2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジtert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:80℃、分子量:351.5)
Figure 0007275694000007
・2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(融点:111℃、分子量:441.6)
Figure 0007275694000008
・2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(融点:154℃、分子量:323.5)
Figure 0007275694000009
・2-(2’-ヒドロキシ-5’-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:103℃、分子量:323.4)
Figure 0007275694000010
・2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(融点:138℃、分子量:315.8)
Figure 0007275694000011
・2-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-オクトキシフェノール(融点:74℃、分子量:339.4)
Figure 0007275694000012
-バインダー樹脂-
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液1(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエン22.3質量部、キシレン7.6質量部、酢酸ブチル20.1質量部の混合溶媒)
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液2(水酸基価:50mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):83℃、溶媒:メチルイソブチルケトン40質量部、酢酸ブチル10質量部の混合溶媒)
・50質量%スチレン-アクリルポリオール共重合体溶液3(水酸基価:94mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):83℃、溶媒:酢酸エチル15質量部と酢酸ブチル35質量部の混合溶媒)
・30質量%ポリスチレン溶液(重量平均分子量:280,000、ガラス転移温度(Tg):100℃、溶媒:トルエン溶媒)
・30質量%スチレン-アクリル共重合体溶液(重量平均分子量:80,000、ガラス転移温度(Tg):106℃、溶媒:メチルエチルケトン溶媒)
・スチレン-アクリル共重合体エマルジョン(重量平均分子量:200,000、ガラス転移温度(Tg):80℃、固形分濃度:48質量%)
・40質量%アクリルポリオール溶液(水酸基価:60mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):100℃、溶媒:酢酸エチル20質量部と酢酸ブチル38質量部の混合溶媒)
・65質量%ポリエステルポリオール溶液(水酸基価:23mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):10℃、溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14質量部とシクロヘキサノン21質量部の混合溶媒)
・10質量%ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:77,000)
-架橋剤-
・75質量%アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート溶液(NCO含量:12.8%、溶媒:酢酸エチル)
-界面活性剤-
・ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート
(実施例1)
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:75μm)の片面上に、ワイヤーバーを用いて前記可逆性感熱記録層用塗布液1を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、平均厚み10μmの可逆性感熱記録層を形成した後、50℃で24時間放置した。
次に、前記可逆性感熱記録層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成し、可逆性感熱記録媒体1を作製した。
(実施例2~10)
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体2~10を得た。
(実施例11)
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更し、紫外線吸収層形成後に50℃で24時間放置した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体11を得た。
(実施例12)
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:平均厚み:75μm)の片面に、ワイヤーバーを用いて前記可逆性感熱記録層用塗布液1を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、平均厚み10μmの可逆性感熱記録層を形成した。
次に、可逆性感熱記録層上に、ワイヤーバーを用いて下記ガスバリア層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの第1のガスバリア層を形成させ、さらに前記白色ポリエチレンテレフタレートフィルムの前記片面とは反対側の片面に、ワイヤーバーを用いて下記ガスバリア層用塗布液1を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの第2のガスバリア層を形成した。
次に、前記第1のガスバリア層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液10を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成した後、50℃で24時間放置し、可逆性感熱記録媒体12を作製した。
-ガスバリア層用塗布液1の調製-
10質量%ポリビニルアルコール溶液(重量平均分子量:約770,00、鹸化度:98.5mol%)1質量部、10%質量ナトリウム四珪素雲母分散液(アスペクト比:1,500、平均粒子径:12μm)0.1質量部、及びイオン交換水0.5質量部を加え、攪拌させてガスバリア層用塗布液1を調製した。
(比較例1~2)
実施例1において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体13~14を得た。
(比較例3)
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体15を得た。
(比較例4)
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更し、可逆性感熱記録層形成後に50℃で24時間放置しない以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体16を得た。
(比較例5)
実施例11において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例11と同様にして、可逆性感熱記録媒体17を得た。
(比較例6)
実施例12において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例12と同様にして、可逆性感熱記録媒体18を得た。
(比較例7)
実施例12において、表4に示す塗布液の組合せに変更した以外は、実施例12と同様にして、可逆性感熱記録媒体19を得た。
(比較例8)
実施例1において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体20を得た。
Figure 0007275694000013
次に、実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体について、以下のようにして、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」、及び「印字部の粉吹き」を評価した。結果を表5~表10に示した。
<紫外線透過率>
透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:25μm)の片面に、ワイヤーバーを用いて、実施例1~12及び比較例1~5、7の可逆性感熱記録媒体で使用している紫外線吸収層用塗布液を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層(紫外線透過率測定用サンプル)を作製した。なお、比較例6及び8の可逆性感熱記録媒体は、紫外線吸収層を設けていないため、本評価は行わなかった。
前記紫外線透過率測定用サンプルを、作製直後、23℃で1日間放置後、60℃で1日間放置後、又は70℃で1日間放置後に、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、U-4100)を用いて、波長300nm~380nmの範囲で1nm毎に透過率を測定した。
また、実施例11、12及び比較例3、5、7の紫外線透過率測定用サンプルを80℃で1日間放置後に、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、U-4100)を用いて、波長300nm~380nmの範囲で1nm毎に透過率を測定した。
なお、前記分光光度計を用いて、前記透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:25μm)を測定した値をベースラインとする。
[評価基準]
◎:1.00未満
○:1.00以上5.00以下
×:5.00超
<ブリードアウト>
実施例1~9、11~12及び比較例1~3、5、7の前記紫外線透過率測定用サンプルを、作製直後、作製後23℃で1日間放置後、作製後60℃で1日間放置後、又は作製後70℃で1日間放置後、目視にて析出などのブリードアウトが起きているかを確認した。なお、実施例10及び比較例4は、紫外線吸収層に含まれるベンゾトリアゾール化合物が分散状態であり、放置処理を行う前から白濁しているため、本評価は行わなかった。また、比較例6及び8は、紫外線吸収層を設けていないため、本評価は行わなかった。
また、実施例11、12及び比較例3、5、7の紫外線透過率測定用サンプルを80℃で1日間放置後に、目視にて析出などのブリードアウトが起きているかを確認した。
[評価基準]
○:ブリードアウトが確認されなかった
×:ブリードアウトが確認された
<地肌部の着色>
リコーリライタブルレーザマーカー(商品名:LDM200-110、株式会社リコー製、中心波長:980nm)を用いて、照射距離150mm、走査速度3,000mm/s、レーザー出力16.5Wの条件で、実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体に、ベタ画像を印字した。なお、前記ベタ画像は、反射濃度計(X-Rite938、X-Rite社製)を用いて、反射濃度が測定可能である大きさのものである。
実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体を、印字直後、23℃で1日間放置後、60℃で1日間放置後、又は70℃で1日間放置後に、人工太陽光照射装置(商品名:SKL-2.5KP30型、セリック株式会社製)を用いて、温度35℃、24時間、75%RH環境下40,000ルックスの条件で、人工太陽光照射試験を行った。また、実施例11、12及び比較例3、5、7の可逆性感熱記録媒体を80℃で1日間放置後に、人工太陽光照射装置(商品名:SKL-2.5KP30型、セリック株式会社製)を用いて、温度35℃、24時間、75%RH環境下40,000ルックスの条件で、人工太陽光照射試験を行った。なお、前記条件は、本発明の使用が想定される物流業界などにおいて半年間から数年間の運用中に太陽光に晒された環境と同程度である。
前記反射濃度計を用いて、前記光照射を行う直前の地肌部の色見L 、及び前記光照射を行った直後の地肌部の色見L を測定し、下記式(1)によってΔEを算出した。
ΔE=((L -L +(a -a +(b -b 1/2・・・式(1)
[評価基準]
◎◎◎:1.6以下
◎◎ :1.6超2.4以下
◎ :2.4超3.2以下
○ :3.2超6.5以下
× :6.5超9.7以下
×× :9.7超13.0以下
×××:13.0超
<印字部の粉吹き>
前記人工太陽光照射試験後において、実施例1~12及び比較例1~8の可逆性感熱記録媒体の印字部に粉吹きが起きているか否かを観察し、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:粉吹きが起きていない
×:粉吹きが起きている
Figure 0007275694000014
Figure 0007275694000015
Figure 0007275694000016
Figure 0007275694000017
Figure 0007275694000018
Figure 0007275694000019
(感熱記録媒体の試験)
<ロイコ染料層用塗布液の調製例1>
-ロイコ染料層用塗布液1-
2-アニリノ-3-メチル-6-ジブチルアミノフルオラン1質量部、メチルエチルケトン15質量部、50質量%スチレンアクリルポリオール溶液(重量平均分子量:23,000、水酸基価:64mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):81℃、溶媒:トルエンとキシレンと酢酸ブチルの混合溶媒)0.45質量部、及び75質量%アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO含量:12.8%、溶媒:酢酸エチル)1質量部を加え、攪拌してロイコ染料層用塗布液1を調製した。
<顕色剤層用塗布液の調製例1>
-顕色剤層用塗布液1-
4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン1質量部、イオン交換水9質量部、10質量%イタコン酸変性ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:80,000、鹸化度:87.5mol%)1質量部、及び界面活性剤(商品名:オルフィンPD-001N、日信化学工業株式会社製)0.01質量部を加え、ボールミル用いて平均粒径が1μmになるまで分散し、分散液1を得た。
前記分散液1を1.01質量部、及びポリビニルアルコール10質量%水溶液(重量平均分子量:770,00、鹸化度:98.5mol%)3質量部を加え、撹拌して顕色剤層用塗布液1を調製した。
(実施例13)
白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(平均厚み:75μm)の片面上に、ワイヤーバーを用いて下記ロイコ染料層用塗布液1を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み0.8μmのロイコ染料層を形成した。
次に、前記ロイコ染料層上に、ワイヤーバーを用いて下記顕色剤層用塗布液1を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmの顕色剤層を形成した。
なお、前記ロイコ染料層と前記顕色剤層の2つで感熱記録層となる。
次に、前記顕色剤層上に、ワイヤーバーを用いて10質量%ポリビニルアルコール水溶液(重量平均分子量:約770,00、鹸化度:98.5mol%)(ガスバリア層用塗布液2)を塗布し、70℃で1分間乾燥させて、平均厚み2μmのバリア層を形成した。
次に、前記バリア層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液11を塗布し、90℃で1分間乾燥させて、平均厚み4μmの紫外線吸収層を形成した後、60℃で24時間放置し、感熱記録媒体1を作製した。
(比較例9)
実施例13において、紫外線吸収層を設けなかった以外は、実施例13と同様にして、感熱記録媒体2を得た。
次に、実施例13及び比較例9の感熱記録媒体について、以下のようにして、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」を評価した。また、実施例13の感熱記録媒体について、実施例1~12及び比較例1~8と同様の方法で、「紫外線透過率」及び「ブリードアウト」を評価した。なお、比較例9の感熱記録媒体は、紫外線吸収層を設けていないため、「紫外線透過率」及び「ブリードアウト」の評価は行わなかった。結果を表11~表12に示した。
<地肌部の着色及び印字部の粉吹き>
実施例1~12及び比較例1~8において、熱傾斜試験機(HG-100-2 東洋精機社製)を用いて、170℃、0.2kgf/cm、1秒間の条件で印字した以外は、実施例1~12及び比較例1~8と同様の方法で評価した。
Figure 0007275694000020
Figure 0007275694000021
実施例1~12は、23℃、60℃及び70℃のいずれかの温度で1日間放置後の、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」の評価がいずれも「○」以上である。
実施例1~5は、紫外線吸収層中にそれぞれ異なるベンゾトリアゾール化合物を含有しており、実施例1~5の中でも、60℃及び70℃のいずれかの温度で1日間放置後の「紫外線透過率」の評価、23℃、60℃及び70℃のいずれかの温度で1日間放置後の「地肌部の着色」の評価は、実施例5が最も良好である。このことから、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールが最も紫外線吸収能が高く、地肌部の着色を抑制することができる。
紫外線吸収層中のバインダー樹脂として、スチレン-アクリルポリオール共重合体を用いている実施例5~7、ポリスチレンを用いている実施例8、スチレン-アクリル共重合体を用いている実施例9及び10は、23℃、60℃及び70℃のいずれかの温度で1日間放置後の、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」の評価がいずれも「○」以上であり、この点については、ベンゾトリアゾール化合物と構造中にスチレンを含有する樹脂の組合せが要因であると考える。
実施例11及び12は、80℃で1日間放置後においても、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」の評価が「○」以上である。この点については、スチレン-アクリルポリオール共重合体がポリイソシアネートによって、ウレタン結合で架橋された状態となり、物理的な塗膜強度が向上したことが要因と考える。
実施例12は、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に、可逆性感熱記録層を設けていることから、外部からの酸素を遮断することができるため、「地肌部の着色」の評価が「◎◎◎」となっている。
比較例1~8は、23℃、60℃及び70℃のいずれかの温度で1日間放置後の、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」の評価のいずれかが「×」以下である。
比較例1~3、5及び7では、70℃で1日間放置後の、「紫外線透過率」、「ブリードアウト」、「地肌部の着色」及び「印字部の粉吹き」の評価が「×」以下である。比較例1~3及び7の結果については、紫外線吸収層中のバインダー樹脂として、構造中にスチレンを含有する樹脂を用いていないことが要因と考える。比較例5の結果については、ベンゾトリアゾール化合物の融点が、80℃未満であることが要因と考える。これらの結果から、紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と構造中にスチレンを含有する樹脂とを含むことが重要であると考えられる。
比較例3では、紫外線吸収層中のバインダー樹脂をウレタン結合により架橋しているが、ブリードアウトが生じている。このことからウレタン結合の架橋によるバインダー樹脂の塗膜強度の向上効果だけでは、不十分であり、バインダー樹脂の構造中にスチレンを含有する樹脂を用いることが重要であることが分かる。
比較例6及び8は、ガスバリア層を設けているが、紫外線吸収層を設けておらず、「地肌部の着色」の評価が「×××」と著しく悪いことから、紫外線吸収層が地肌部の着色の抑制に重要であり、ガスバリア層を設けたとしても紫外線吸収層を欠くことによる地肌部の着色を抑制することができないことが分かる。
比較例6及び8において、70℃の温度で1日間放置後の「印字部の粉吹き」の評価が、「○」となっているのは、紫外線吸収層中にベンゾトリアゾール化合物が含まれていないことが要因と考える。
上記結果から、実施例1~10は、70℃までブリードアウトが起きていないため、真夏のトラックのコンテナ内などで想定される60℃の温度においても余裕度をもった運用ができ、想定される市場用途の大半の使用環境において地肌部の着色を抑制することができ、印字部の粉吹きも抑制し、視認性を担保できることが明らかである。
更に、実施例11~12は、ポリイソシアネートによりスチレンアクリルポリオールをウレタン結合で架橋させることで80℃の温度においても、ベンゾトリアゾール化合物がブリードアウトせず、上記同様地肌部の着色を抑制することができ、印字部の粉吹きも抑制し、より多くの用途、使用環境にて適応させることができることが明らかである。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、
前記紫外線吸収層が、融点80℃以上のベンゾトリアゾール化合物と、
スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかと、を含むこと特徴とする感熱記録媒体である。
<2> 暴露時の光源側に前記紫外線吸収層を有する前記<1>に記載の感熱記録媒体である。
<3> 支持体を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<4> 前記ベンゾトリアゾール化合物が、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールである前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<5> 前記スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかのガラス転移温度(Tg)が、80℃以上110℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<6> 前記感熱記録層が、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<7> 前記スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がウレタン結合で架橋された前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<8> 少なくとも2層のガスバリア層を有し、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に感熱記録層を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<9> 前記支持体上に設けられた、前記感熱記録層を有する側の層のうちの少なくともいずれかの層が光熱変換材料を含有し、レーザーで記録可能である前記<3>から<8>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<10> 記録側の前記感熱記録層上に有する層の厚みの合計が、12μm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録媒体である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱記録媒体を有することを特徴とする物品である。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱記録媒体、及び前記<11>に記載の物品によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2001-30630号公報 特開2009-66897号公報
1 感熱記録媒体
11 支持体
12 感熱記録層
13 紫外線吸収層
14A 第1のガスバリア層
14B 第2のガスバリア層

Claims (6)

  1. 感熱記録層と、紫外線吸収層とを有する感熱記録媒体であって、
    前記感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を含有し、
    前記紫外線吸収層が、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールと、
    スチレン-アクリル共重合樹脂、スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂、及びポリスチレン樹脂の少なくともいずれかである構造中にスチレンを含有する樹脂と、を含み、
    前記2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールの含有量が、前記構造中にスチレンを含有する樹脂1質量部に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下であること特徴とする感熱記録媒体。
  2. 前記感熱記録層が、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層である請求項1に記載の感熱記録媒体。
  3. 前記スチレン-アクリルポリオール共重合樹脂がウレタン結合で架橋された請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  4. 少なくとも2層のガスバリア層を有し、第1のガスバリア層と第2のガスバリア層の間に前記感熱記録層を有する請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録媒体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録媒体であることを特徴とするレーザー印字用の感熱記録媒体。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録媒体、及び請求項5に記載のレーザー印字用の感熱記録媒体の少なくともいずれかを有することを特徴とする物品。
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