JP2020151948A - 感熱記録材料、感熱記録方法、及び感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録材料、感熱記録方法、及び感熱記録媒体 Download PDF

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JP2020151948A JP2019052283A JP2019052283A JP2020151948A JP 2020151948 A JP2020151948 A JP 2020151948A JP 2019052283 A JP2019052283 A JP 2019052283A JP 2019052283 A JP2019052283 A JP 2019052283A JP 2020151948 A JP2020151948 A JP 2020151948A
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Abstract

【課題】発色性、耐地肌カブリ性、及び耐候性に優れる感熱記録材料の提供。【解決手段】少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を含有し、前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、1質量%以上70質量%以下である感熱記録材料である。前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、2質量%以上50質量%以下である態様が好ましく、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する態様がより好ましく、前記塩基性モノマーが、ピペリジル骨格を有する態様がさらに好ましく、前記塩基性モノマーが、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートから選択される少なくとも1種である態様がさらに好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、感熱記録材料、感熱記録方法、及び感熱記録媒体に関する。
電子供与性染料(以下、ロイコ染料と称することもある)と、電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と称することもある)とを含有する感熱記録媒体は、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融混合することによって発色する。このような感熱記録媒体は、ロイコ染料の種類を選択することにより、黒以外にもカラーの画像を得ることができる。
しかし、ロイコ染料のカラー画像は黒画像に比べて画像安定性(保存性)がよくないことが知られている。画像の保存性を向上させるために様々な提案がなされている。
例えば、感熱記録層に特定の電子受容性顕色剤を染料とともに含有させることによって、発色感度を向上させる方法や、染料を合成樹脂で被覆して複合化させることにより保存性を向上させる方法などが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
本発明は、発色性、耐地肌カブリ性、及び耐候性に優れる感熱記録材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の感熱記録材料は、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を含有し、前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、1質量%以上70質量%以下である。
本発明によると、発色性、耐地肌カブリ性、及び耐候性に優れる感熱記録材料を提供することができる。
図1は、感熱記録媒体に印字する記録装置の一例を示す斜視図である。 図2は、感熱記録媒体に印字する記録装置の他の一例を示す斜視図である。 図3は、感熱記録媒体に印字する記録装置におけるレーザアレイの一例を示す図である。 図4は、本発明の感熱記録材料に含有される被覆粒子(マイクロカプセル)の電子顕微鏡写真の一例である。
(感熱記録材料)
本発明の感熱記録材料は、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を含有し、更に必要に応じて、顕色剤、酸化防止剤、及びその他の成分を含有する。
本発明者らは、発色性、耐地肌カブリ性、及び耐候性に優れる感熱記録材料について検討したところ、以下の知見を得た。
従来の感熱記録媒体では、カラー電子供与性染料によるカラー画像の画像安定性(保存性)を向上させるために感熱記録材料中に添加剤(例えば、酸化防止剤など)を添加していたが、添加剤を含有する感熱記録媒体は地肌カブリが生じやすくなるという問題がある。
また、従来の感熱記録媒体では、地肌カブリを改善するために、樹脂被膜で染料をカプセル化する方法が採用されているが、この方法で形成される被膜の厚みが厚いために、発色感度が低下するという問題がある。
そこで、本発明者らは、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を感熱記録材料に用いることにより、従来に比べて薄い被膜で十分な地肌カブリを抑制することができ、かつ、記録時に十分に染料の発色を誘導することができることを見出した。また、従来の電子供与性染料を被覆したカプセルに比べて、非常に小粒径のマイクロカプセルにすることができるため、発色感度を向上させることができることを見出した。
−被覆粒子−
前記被覆粒子は、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子である。
−−ポリマー−−
前記ポリマーは、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する。
共重合単位とは、ポリマー中における2種以上のモノマーで区切られる単位を意味する。
前記ポリマーとしては、少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、塩基性モノマーを互いに異なる2種以上の塩基性モノマーの共重合体であっても、塩基性モノマーと塩基性モノマー以外のモノマーとの共重合体であってもよい。
前記塩基性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩基性の単官能モノマー、塩基性の多官能モノマーなどが挙げられる。
塩基性の単官能モノマーとしては、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、N−メチルアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル,N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ−3−メチルブチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
塩基性の多官能モノマーとしては、例えば、ジアリルアミン、N,N−ジアリルメチルアミン、2−メチルジアリルアミン、ビス(2−メチルアリル)アミン、2−エチルジアリルアミン、ビス(2−エチルアリル)アミン、2−イソプロピルジアリルアミン、ビス(2−イソプロピルアリル)アミン、2−Tert−ブチルジアリルアミン、ビス(2−Tert−ブチルアリル)アミン、トリアリルアミン、トリス(2−メチルアリル)アミンなどが挙げられる。なお、上記の(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートとを意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミドとメタクリルアミドとを意味する。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ピペリジル骨格を有する、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレートなどが好ましい。塩基性のモノマーがピペリジル骨格有すると、より良好な地肌カブリ防止性と、より良好な画像安定性を得ることができる。
前記塩基性モノマー以外のモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メタクリル酸メチル、スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、m−ブロモスチレン、m−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルピリジン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、ブチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、ニトロエチレン、ビニリデンシアニド、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクロレイン、メチルアクロレイン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、α−アセトキシアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチル、α−シアノアクリル酸メチル、α−フェニルアクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−ブトキシエチル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メチルトリグリコール、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸シアノエチル、アクリル酸フェロセニルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヘプタフルオロブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル、トリフルオロアクリル酸メチル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−2−ニトロブチル、アクリル酸、α−ブロモアクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、アクリロニトリル、アリルグリシジルエーテル、アリル酢酸、アリルアルコール、アリルベンゼン、N−アリルステアリルアミド、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバミン酸エチル、N−ビニルカルバゾール、クロトンアルデヒド、クロトン酸、1,1−ジフェニルエチレン、テトラフルオロエチレン、フマル酸ジエチル、1−ヘキセン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、インデン、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、マレイミド、メタクリルアミド、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェロセニルメチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリロイルアセトン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニルキノリン、安息香酸ビニル、ビニルドデシルエーテル、ビニルエチルスルホキシド、ギ酸ビニル、ビニルイソブチルエーテル、ラウリン酸ビニル、ビニルフェニルエーテル、アセチレン、フェニルアセチレンなどがあげられる。
また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、オクタエチレングリコールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなどのポリエチレングリコールジメタクリレート類、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ブタジエン、ブタジエン−1−カルボン酸エチル、ブタジエン−1,4−ジカルボン酸ジエチル、ジアリルメラミン、フタル酸ジアリル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、イソプレン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテートなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記、塩基性多官能モノマー、及び非塩基性多官能モノマーを含有させることにより、多官能モノマーを含有させない場合に比べ耐熱カブリ性を向上することができる。これは、多官能モノマーを含有させることにより、より高密度な架橋構造になり熱により軟化しにくくなるためである。多官能モノマーの含有量を調節することにより、耐熱カブリ性、発色感度などの特性を調節することができる。
前記塩基性ポリマーを重合してなるポリマーの重合方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などが挙げられる。
前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル系共重合ポリマーなどが挙げられる。
前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーが、(メタ)アクリル系共重合ポリマーであると、電子供与性染料前駆体粒子表面を効率よく被覆することが可能であり、被膜の膜厚を従来の染料のマイクロカプセルよりも薄くすることができる。
前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆する方法としては、懸濁重合法、乳化重合法(例えば、特開2000‐158822号公報)、ミニエマルション重合法などのラジカル重合法を用いることができる。
前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーが、塩基性モノマーと塩基性モノマー以外のモノマーとの共重合体である場合には、ポリマー中の塩基性モノマーの含有量としては、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、2質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマー中の塩基性モノマーの含有量が、1質量%以上70質量%以下であると、薄い被膜で十分に地肌カブリを抑制することができる。
前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーの被膜は、電子供与性染料の全体を被覆している状態のみならず、本発明の効果を発現できる程度に電子供与性染料を被覆している状態であればよい。前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーの被膜が電子供与性染料を覆っている割合としては、例えば、電子供与性染料の表面積に対して、50%以上100%以下が好ましく、80%以上100%以下がより好ましい。前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーの被膜が電子供与性染料を覆っている割合が、50%以上100%以下であると、感熱記録材料中に添加する塩基性モノマーの含有量を少なくしても、地肌カブリを十分に抑制することができ、且つ、十分な発色感度(発色性)を得ることができる。
なお、本発明において、前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した状態の粒子を「マイクロカプセル」と称することがある。
前記塩基性モノマーを重合してなるポリマーの被膜の平均厚みとしては、5nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上40nm以下がより好ましい。前記塩基性ポリマーを重合してなるポリマーの被膜の平均厚みが、5nm以上100nmm以下であると、地肌カブリを十分に抑制することができ、且つ、十分な発色感度(発色性)を得ることができる。
前記塩基性モノマーを重合してなるポリマーの被膜の平均厚みは、電子供与性染料の表面に被膜を形成する際の塩基性モノマー及び非塩基性モノマーの添加量によって、適宜調整することができる。
前記塩基性ポリマーを重合してなるポリマーの被膜の平均厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡で観察する方法、ポリマー被覆前後の粒子径を粒度分布計を用いて測定し、その差から求める方法などが挙げられる。
前記塩基性ポリマーを被覆した粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.05μm以上2μm以下が好ましく、0.07μm以上1μm以下がより好ましい。
−−電子供与性染料−−
前記電子供与性染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録媒体に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ロイコ化合物としては、例えば、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トリルスルホニルメタン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチルフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−(p−n−ブチルアミノアニリノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、2―メシジノ−8−ジエチルアミノ−ベンズ〔C〕フルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ(n−ブチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド、3−〔1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドなどが挙げられる。これらの中でも、カラー染料として用いることができるものが好ましい。
前記電子供与性染料の50%累積体積粒径(D50)としては、0.05μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上0.5μm以下がより好ましく、0.05μm以上0.4μm以下がさらに好ましい。
前記電子供与性染料の50%累積体積粒径(D50)を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA−920、株式会社堀場製作所製)などが挙げられる。
前記電子供与性染料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感熱記録層全量100質量部に対し、5質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。
−−顕色剤−−
前記顕色剤としては、前記電子供与性染料が加熱時に反応して発色させるための種々の電子受容性物質を適用することができる。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性物質、有機又は無機酸性物質、これらのエステル又は塩などが挙げられる。
前記顕色剤としては、例えば、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロへキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1’−イノプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’−シクロへキシリデンビスフェノール、4,4’−シクロへキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2’−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2,−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸m−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサへプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサヘプタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(O−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤の50%累積体積粒径(D50)としては、0.1μm以上0.5μm以下が好ましく、0.1μm以上0.4μm以下がより好ましい。
前記顕色剤の50%累積体積粒径(D50)を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA−920、株式会社堀場製作所製)などが挙げられる。
前記顕色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電子供与性染料1質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上5質量部以下がより好ましい。
−−酸化防止剤−−
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)ブタン酸〕グリコールエステル、ビス〔2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
従来の感熱記録材料では、酸化防止剤を添加することによって地肌カブリが生じやすくなってしまうという問題があったのに対し、本発明の感熱記録材料に酸化防止剤を添加することにより、相乗的に地肌カブリを抑制することができることを見出した。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光熱変換材料、紫外線吸収剤、バインダー樹脂、感度向上剤として種々の熱可融性物質、補助添加剤、界面活性剤、滑剤、填剤などが挙げられる。
−−−光熱変換材料−−−
前記光熱変換材料とは、レーザー光を吸収し熱に変換する材料を意味し、無機系材料と有機系材料とに大別できる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラックやGe、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属又は半金属及びそれを含む合金や金属ホウ化物粒子、金属酸化物粒子が挙げられる。
前記金属ホウ化物及び金属酸化物としては、例えば6ホウ化物、酸化タングステン化合物、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛が好適である。
前記光熱変換材料としては、無機系材料が好ましく、その中でも6ホウ化物または酸化タングステン化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記6ホウ化物としては、例えば、LaB、CeB、PrB、NdB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、(La,Ce)Bなどが挙げられる。
前記酸化タングステン化合物としては、例えば、一般式:WyOz(ただし、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表されるタングステン酸化物の微粒子、又は一般式:MxWyOz(ただし、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0である)で表される複合タングステン酸化物の粒子などが挙げられる(国際公開第2005/037932号パンフレット、特開2005−187323号公報参照)。これらの中でも、近赤外領域の吸収が大きく、可視領域の吸収が小さい点から、セシウム含有酸化タングステンが好ましい。
前記有機系材料としては、吸収すべき光波長に応じて各種の染料を適宜用いることができるが、光源として半導体レーザーを用いる場合には、600nm以上1,200nm以下付近に吸収ピークを有する近赤外吸収色素が用いられ、例えば、シアニン色素、キノン系色素、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシアニン系色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光熱変換材料は、感熱記録層に含有してもよく、感熱記録層以外の層に含有してもよい。前記感熱記録層以外の層に含有する場合には、前記感熱記録層に隣接して光熱変換材料を含む層を設けることが好ましい。
前記光熱変換材料の含有量としては、感熱記録層に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.3質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−−紫外線吸収剤料−−−
前記紫外線吸収材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
前記紫外線吸収材料としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジーt−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−バインダー樹脂−−−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶性樹脂などその性質を問わない。
前記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルション;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体等のラテックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、基材への接着性の観点から、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体が好ましい。
−−−熱可融性物質−−−
前記熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グリコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−補助添加剤−−−
前記補助添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記補助添加剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4」チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−界面活性剤−−−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−滑剤−−−
前記滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−填剤−−−
前記填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系微粉末などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記填剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記バインダー樹脂1質量部に対して、0.4質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましい。
(感熱記録媒体)
本発明の感熱記録媒体は、支持体と、前記支持体上に、本発明の感熱記録材料からなる感熱記録層と、を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。これら各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。ただし、前記光熱変換層の上に設ける層においては、照射する特定波長のレーザー光のエネルギーロスを少なくするために該特定波長において吸収の少ない材料を用いて層を構成させることが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、色調、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料、有機材料などが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコーン、酸化シリコーン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体は、接着性を向上させる目的で、例えば、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理などにより表面改質することが好ましい。
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm以上5,000μm以下が好ましく、20μm以上2,000μm以下がより好ましい。
<感熱記録層>
前記感熱記録層は、本発明の感熱記録材料を用いた層である。感熱記録層の材料などについては、本発明の感熱記録材料と同一であるため、説明を省略する。
前記感熱記録層の乾燥後の付着量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0g/m以上20.0g/m以下が好ましく、2.0g/m以上10.0g/m以下がより好ましく、2.0g/m以上4.0g/m以下が特に好ましい。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光熱変換層、着色層、プライマー層、紫外線吸収層、バック層、保護層、接着層、粘着層、バリア層、光反射層などが挙げられる。
<光熱変換層>
前記光熱変換層は、前記レーザー光を高効率で吸収し発熱する役割を有する光熱変換材料を少なくとも含有してなる。前記光熱変換材料は前記画像記録層又は前記画像記録層の近接層の少なくとも一方の層に含有させても良く、前記画像記録層中に光熱変換材料を含有させる場合には前記画像記録層は前記光熱変換層を兼ねることとなる。また画像記録層と光熱変換層の間に両層が相互作用を抑制する目的でバリア層を形成することがあり、材料として熱伝導性のよい層が好ましい。前記画像記録層と光熱変換層の間に挟む層は、目的に応じて適宜選択することができ、これらに限定されるものではない。
前記光熱変換材料としては、無機系材料と有機系材料とに大別できる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラックやGe、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属又は半金属及びそれを含む合金や金属ホウ化物粒子、金属酸化物粒子が挙げられる。
前記金属ホウ化物及び金属酸化物としては、例えば6ホウ化物、酸化タングステン化合物、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、及びアンチモン酸亜鉛が好適である。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、吸収すべき光波長に応じて各種の染料を適宜用いることができるが、光源として半導体レーザを用いる場合には、700nm以上1,600nm以下の波長範囲内に吸収ピークを有する近赤外吸収色素が用いられる。具体的には、シアニン色素、キノン系色素、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシアニン系化合物などが挙げられる。繰返し画像処理を行うためには、耐熱性に優れた光熱変換材料を選択するのが好ましく、この点からフタロシアニン系化合物が特に好ましい。
前記近赤外吸収色素は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光熱変換層を設ける場合には、通常、前記光熱変換材料は、樹脂と併用して用いられる。該光熱変換層に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、前記無機系材料及び有機系材料を保持できるものであれば、公知のものの中から適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが好ましく、前記画像記録層で用いられたバインダー樹脂と同様なものを好適に用いることができる。
これらの中でも、感熱記録媒体の非発色部の透明性点から、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体が好ましい。
<着色層>
前記着色層は少なくとも着色剤を含有してなり、デザイン性を向上させる目的で設けることが好ましい。前記着色剤は前記画像記録層又は前記画像記録層以外の層に含有させても良く、前記画像記録層中に着色剤を含有させる場合には前記画像記録層は前記着色層を兼ねることとなる。
着色剤の種類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水性インキ、有機溶剤系インキ、紫外線硬化型インキなどの各種一般印刷用インキ、染料及び/又は顔料を含有する各種塗液などが挙げられる。
着色層を設ける方法は、特に限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷など従来公知の種々の印刷方式、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などの各種塗布方式が挙げられる。
<プライマー層>
前記支持体と前記画像記録層の結着性を向上させる目的で、支持体と画像記録層の間にプライマー層を設けてもよい。前記プライマー層に含有する成分は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<紫外線遮断層>
前記紫外線遮断層は少なくとも紫外線吸収剤または紫外線散乱剤を含有してなり、前記感熱記録媒体の光劣化を防止する目的で、設けることが好ましい。紫外線遮断層は390nm以下の紫外線を吸収または散乱するように、紫外線遮断層の厚みを適宜選択することが好ましい。
<バック層>
感熱記録媒体のカール、帯電防止、搬送性の向上のために支持体の画像記録層を設ける面と反対側にバック層を設けてもよい。前記バック層は、バインダー樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、フィラー、導電性フィラー、滑剤、着色顔料等のその他の成分を含有してなる。
<保護層>
前記画像記録層を保護する目的で該画像記録層上に保護層を設けることが好ましい。前記保護層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1層以上に形成してもよく、露出している最表面に設けることが好ましい。
<接着層>
前記接着層を設けて感熱記録ラベルとすることができる。
また画像記録層上または画像記録層とは反対側の支持体上に接着層を設けて、各種の紙やフィルムを貼り合わせても良い。特に包装部材として使用する場合には、包装物の保存性向上の目的で、アルミ蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルムといった酸素遮断フィルムを貼り合わせることが好ましい。
<粘着層>
前記粘着層を設けて感熱記録ラベルとすることができる。
<バリア層>
前記画像逆記録層と画像記録層上の層の密着性向上、画像記録層上の層の塗布による画像記録層の変質防止、画像記録層上の層中の添加剤の画像記録層への移行を防止する目的で、両者の間にバリア層を設けることが好ましく、これによって画像の保存性が改善できる。
<光反射層>
画像記録層をレーザを用いて発色させる場合には、画像記録層のレーザー光が出射される方向とは反対側に光反射層を設けることが好ましい。光反射層を設けることで、反射されたレーザー光が画像記録層に再び吸収されることによる感度向上や、レーザー光を吸収してしまう画像記録層以外の層や支持体がレーザにより破壊されるのを防ぐことができる。光反射層としては、白色顔料を用いることが好ましい。
−感熱塗料又は感熱インク−
前記感熱塗料又は感熱インクは、前記感熱記録媒体における感熱記録材料と同様のものを用いることができ、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記その他の成分としては、例えば、溶媒、UV硬化性塗料の場合にはモノマー、オリゴマー、反応性希釈剤が溶媒の役割を担う。また、塗工性の調整や塗布によって形成される皮膜の特性を調整する添加剤として、界面活性剤、消泡剤、滑剤、硬化剤、帯電防止剤などが挙げられる。
本発明の感熱記録媒体は、その用途に応じて所望の形状に加工することができ、前記形状としては、例えば、カード状、タグ状、ラベル状、シート状、ロール状などが挙げられる。
<用途>
本発明の感熱記録媒体の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、POS(Point of Sales)分野などに用いられ、生鮮食料品、弁当、惣菜などに貼付するラベル、生鮮食料品、弁当、惣菜などに巻きつける帯などが挙げられる。前記態様として用いることにより、内容物の視認性が向上し、消費者にとっては内容物を確認しながら商品選択をすることができる。その他の態様としては、例えば、チケット、タグ、カードなどが挙げられる。より具体的には、例えば、券売機、レシート、領収書などの発券分野;航空機業界のパッケージ用タグ、ピルケース、ピルボトルなど:図書、文書などの複写分野においては、ファクシミリの出力用紙などが挙げられる。
(感熱記録媒体の製造方法)
本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体又は構造体上に本発明の感熱記録材料を塗布又は付与して感熱記録層を形成する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記支持体としては、本発明の感熱記録媒体に用いるものと同様のものを用いることができるため、その説明を省略する。
前記構造体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、袋、ボトル、瓶、コンテナ、段ボールなどの各種容器などの工業製品や仕掛品などが挙げられる。これらの構造体に、感熱記録材料を混ぜたり、感熱インキを塗布又は付与した形態としてもよい。
前記支持体又は構造体上に本発明の感熱記録材料を塗布又は付与して感熱記録層を形成する工程において、支持体又は構造体上に本発明の感熱記録材料を塗布する方法としては、特に制限はなく、従来公知の種々の塗布方式が適用でき、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前記支持体又は構造体上に本発明の感熱記録材料を塗布又は付与して感熱記録層を形成する工程において、支持体上に本発明の感熱記録材料を付与する方法としては、特に制限はなく、従来公知の種々の印刷方式が適用でき、例えば、インクジェット方式、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。
その他の工程としては、例えば、フィルム貼り合わせ工程などが挙げられる。
(物品)
物品は、本発明の感熱記録媒体を有する。
物品としては、本発明の感熱記録媒体を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、生鮮食料品、飲料、弁当、惣菜、図書、文書、これらを梱包材、包装資材、包装紙等で梱包した梱包品などが挙げられる。
(感熱記録方法)
本発明の感熱記録方法は、本発明の感熱記録材料に対し、光を照射することにより画像を記録する方法である。
画像記録方法は、加熱することにより画像記録を行うもので、加熱手段としては種々のものが考えられるが、非接触で加熱できるレーザー光を使用することが好ましい。なお、本発明において、感熱記録方法を画像記録方法と称することがある。
前記レーザー光には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、YAGレーザ光、ファイバーレーザ光、半導体レーザ、固体レーザ、色素レーザなどを通常用いられるレーザが挙げられる。中でも装置の小型化、更には低価格化が可能であるという利点から、半導体レーザー光が特に好ましい。
前記レーザー光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、700nm以上が好ましく、720nm以上がより好ましく、750nm以上が更に好ましい。前記レーザー光の波長の上限としては、目的に応じて適宜選択することができるが、1,600nm以下が好ましく、1,300mm以下がより好ましく、1,200nm以下が特に好ましい。
前記レーザー光の波長を700nmより短い波長にすると、可視光領域では媒体の画像形成時のコントラストが低下したり、媒体が着色してしまうという問題がある。更に短い波長の紫外光領域では、媒体の劣化が起こりやすくなるという問題がある。また光熱変換材料に有機色素を用いる場合、耐熱性が高く吸収波長が長い光熱変換材料を得るのは難しい。これよりレーザー光の波長としては1,600nm以下が好ましい。
また、近赤外レーザを用いた光熱変換方式で層内部から発熱することによって、印字箇所を短時間に、顕色剤の融点以上に加熱することができる。近赤外レーザを用いることで、記録層に照射されたレーザー光は光熱変換材料によって吸収され、それ以外の材料では透過もしくは散乱する。近赤外レーザ波長に対して適切な吸光係数を有する光熱変換材料を選択することによって、レーザー光を吸収した光熱変換材料は数百℃以上に加熱されると推定される。融点に対して十分な熱量が供給されることによって、300℃以上の融点を有する顕色剤を用いても、一般的な融点の顕色剤(150〜200℃)を用いた場合と同等の印字条件で発色することが可能となる。また、近赤外レーザを単位面積当たり数十μ秒以下の短い時間で照射することで、加熱時間が短くなりフィルムのシュリンク等のダメージが発生せずに、印字することが可能となる。
前記画像形成装置における画像形成工程において照射されるレーザー光の出力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1W以上が好ましく、3W以上がより好ましく、5W以上が特に好ましい。1W未満であると、画像形成に時間がかかり、画像形成時間を短くしようとすると出力が不足してしまう。
また、前記レーザー光の出力の上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200W以下が好ましく、150W以下がより好ましく、100W以下が特に好ましい。200Wを超えると、レーザ装置の大型化を招くことがある。
また感熱記録媒体への画像記録を高速で行う場合には、複数のレーザ発光素子をアレイ状に配置したレーザアレイを用いる装置であることが特に好ましい。
一例として、記録対象物として感熱記録部を有する構造体、具体的には、記録対象物として、長尺状の感熱記録ラベルに画像を記録するレーザ記録装置について説明する。
図1は、レーザ記録装置たる画像記録システム100の概略斜視図である。
以下の説明では、感熱記録ラベルの搬送方向(移動方向)をX軸方向、上下方向をZ軸方向、移動方向および上下方向いずれにも直交する方向をY軸方向として説明する。
画像記録システム100は、以下に詳述するように、記録対象物たる感熱記録ラベルにレーザー光を照射して、表面の加工処理や画像の記録処理を行う。
画像記録システム100は、図1に示されるように、搬送装置10、記録装置20、本体部30、光ファイバ42、エンコーダ部60などを備えている。
記録装置20は、記録対象物にレーザー光を照射して、記録対象物の表面に加工処理を施したり、記録対象物に可視像たる画像を記録したりするものであり、レーザ照射装置に相当する。記録装置20は、搬送装置10の−Y側、すなわち搬送路の−Y側に配置されている。
搬送装置10は、例えば、複数の回転ローラを利用して感熱記録ラベルを搬送する。
本体部30は、搬送装置10、記録装置20などが接続されており、画像記録システム100全体を制御するものである。
エンコーダ部60は、感熱記録ラベルの移動速度を取得する。
図2は、画像記録システム100の構成を示す概略斜視図である。
画像記録システム100は、レーザー光源であるレーザ処理装置30を備えている。レーザ処理装置30は、レーザアレイ部14aとファイバアレイ部14bとを有するレーザ照射装置14と、光学部43と、を備えている。ここでは、レーザ照射装置14として、複数の光ファイバのレーザ出射部を記録対象物たる感熱記録ラベルの移動方向である副走査方向(X軸方向)と直交する主走査方向(Z軸方向)にアレイ状に配置したファイバアレイを用いて、表面加工処理、画像の記録を行うファイバアレイ記録装置を用いている。レーザ処理装置30は、レーザ発光素子41から出射したレーザー光を、ファイバアレイを介して感熱記録ラベルに照射し、描画単位からなる画像(可視像)を記録する。
レーザアレイ部14aは、アレイ状に配置された複数のレーザ発光素子41と、レーザ発光素子41を冷却する冷却ユニット50と、レーザ発光素子41に対応して設けられ、対応するレーザ発光素子41を駆動するための複数の駆動ドライバ45と、複数の駆動ドライバ45を制御するコントローラ46とを備えている。コントローラ46には、レーザ発光素子41に電力を供給するための電源48および画像情報を出力するパーソナルコンピュータなどの画像情報出力部47が接続されている。
通常、レーザ発光素子41においては、レーザー光に変換されないエネルギーが熱に変換されることで発熱する。そのため、冷却手段である冷却ユニット50によりレーザ発光素子41を冷却する。また、ここでのレーザ照射装置14は、ファイバアレイ部14bを用いることで、各レーザ発光素子41を離して配置することが可能となっている。これにより、隣接するレーザ発光素子41からの熱の影響を小さくすることが可能となり、レーザ発光素子41の冷却を効率的に行うことが出来るので、レーザ発光素子41の温度上昇、バラツキを回避することが出来、レーザー光の出力バラツキを低減出来、濃度ムラ、を改善できる。なお、レーザー光の出力とはパワーメータで計測される平均出力である。レーザー光の出力制御方法としては2種類あり、ピークパワーを制御する方法と、パルスの発光比率(デューティー:レーザ発光時間/周期時間)を制御する方法とがある。
冷却ユニット50は、冷却液を循環させてレーザ発光素子41を冷却する液冷方式であり、冷却液が各レーザ発光素子41から熱を受ける受熱部51と、冷却液の熱を放熱する放熱部52とを備えている。受熱部51と放熱部52とは、冷却パイプ53a、53bにより接続されている。受熱部51は、良熱伝導性部材で形成されたケース内部に良熱伝導性部材で形成された冷却液が流れるための冷却管が設けられている。複数のレーザ発光素子41は、受熱部51にアレイ状に配置されている。
放熱部52は、ラジエータと、冷却液を循環させるためのポンプとを備えている。放熱部52のポンプにより送り出された冷却液は、冷却パイプ53aを通って、受熱部51へ流入する。そして、冷却液は、受熱部51内の冷却管を移動しながら受熱部51に配列されたレーザ発光素子41の熱を奪ってレーザ発光素子41を冷やす。受熱部51から流出したレーザ発光素子41の熱を奪って温度上昇した冷却液は、冷却パイプ53b内を移動して放熱部52のラジエータへ流れ込み、ラジエータにより冷却される。ラジエータにより冷却された冷却液は、再びポンプにより受熱部51へ送り出される。
ファイバアレイ部14bは、レーザ発光素子41に対応して設けられた複数の光ファイバ42と、これら光ファイバ42のレーザ出射部42a付近を、上下方向(Z軸方向)にアレイ状に保持するアレイヘッド44とを備えている。各光ファイバ42のレーザ入射部は、対応するレーザ発光素子41のレーザ出射面に取り付けられている。
なお、一つのアレイヘッド44ですべての光ファイバ42を保持しようとした場合、アレイヘッド44が長尺となり、変形しやすくなる。その結果、一つのアレイヘッド44では、ビーム配列の直線性やビームピッチの均一性を保つのが難しい。このため、アレイヘッド44は、光ファイバ42を100個〜200個保持するものとする。そのうえで、レーザ照射装置14は、100個〜200個の光ファイバ42を保持した複数のアレイヘッド44を、感熱記録ラベルの移動方向に対して直交する方向であるZ軸方向に並べて配設するのが好ましい。
図3は、レーザアレイの配列状態について説明する図である。図3に示すように、図2におけるアレイヘッド44の光ファイバ42は、光学部43によって集光された焦点位置において、感熱記録媒体にレーザを照射して発色して形成されるドット径R1が連なるように配列される。
レーザー光の走査方向には、主走査方向と副走査方向とがあり、主走査方向と副走査方向とは互いに直交する。主走査方向とは、複数の光ファイバ42を配列する方向である。副走査方向とは、感熱記録ラベルが移動する方向である。
なお、アレイヘッド44と感熱記録ラベルとを相対的に移動させて感熱記録ラベルに画像を記録するため、アレイヘッド44が感熱記録ラベルに対して移動してもよく、感熱記録ラベルがアレイヘッド44に対して移動してもよい。感熱記録ラベルに対してアレイヘッド44を移動させる場合でも、アレイヘッド44を観測点とすれば、感熱記録ラベルの移動速度という表現を用いることができる。
また、図2に示すように、光学系の一例である光学部43は、各光ファイバ42から出射した発散光束のレーザー光を平行光束に変換するコリメートレンズ43aと、レーザ照射面である感熱記録ラベルの表面にレーザー光を集光する集光レンズ43bとを有している。また、上記光学部43を設けるか否かは、目的に応じて適宜選択すればよい。
パーソナルコンピュータなどの画像情報出力部47は、画像情報をコントローラ46に入力する。コントローラ46は、入力された画像情報に基づいて各駆動ドライバ45を駆動するための駆動信号(制御パルス)を生成する。コントローラ46は、生成された駆動信号(制御パルス)を各駆動ドライバ45へ送信する。具体的には、コントローラ46は、クロックジェネレータを備えている。コントローラ46は、クロックジェネレータが発振するクロック数が、規定のクロック数となったら、各駆動ドライバ45を駆動するための駆動信号(制御パルス)を各駆動ドライバ45へ送信する。
各駆動ドライバ45は、駆動信号(制御パルス)を受信すると、電流パルスを送信して対応するレーザ発光素子41を駆動する。レーザ発光素子41は、駆動ドライバ45の駆動に従い、発光パルスを出力してレーザー光を照射する。レーザ発光素子41から照射されたレーザー光は、対応する光ファイバ42に入射し、光ファイバ42のレーザ出射部42aから出射される。光ファイバ42のレーザ出射部42aから出射されたレーザー光は、光学部43のコリメートレンズ43a、集光レンズ43bを透過した後、記録対象物である感熱記録ラベルに照射される。感熱記録ラベルに照射されたレーザー光により加熱されることにより、感熱記録ラベルに画像が記録される。
ところで、記録装置として、ガルバノミラーを用いてレーザー光を偏向して記録対象物に画像を記録するものを用いた場合、文字等の画像は、ガルバノミラーの回転で一筆書きするように、レーザー光を照射して記録する。そのため、ある一定の情報量を記録対象物に記録する場合、記録対象物の搬送を停止させないと、記録が間に合わないという制約がある。
一方、レーザ照射装置14では、複数のレーザ発光素子41をアレイ状に配置したレーザアレイを用いることで、各画素に対応するレーザ発光素子のON/OFF制御で、感熱記録ラベルに画像を記録することができる。これにより、情報量が多くても、感熱記録ラベルの搬送を停止させずに、感熱記録ラベルに画像を記録することができる。よって、レーザ照射装置14によれば、多くの情報を記録対象物に記録する場合でも、生産性を落とさずに、画像を記録することができる。
レーザ照射装置14は、レーザー光を照射して感熱記録ラベルを加熱することで、感熱記録ラベルに画像を記録するため、ある程度の高出力のレーザ発光素子41を用いる必要がある。そのため、レーザ発光素子41の発熱量が多い。ファイバアレイ部14bを有さない従来のレーザアレイ記録装置においては、解像度に応じた間隔でレーザ発光素子41をアレイ状に配置する必要がある。従って、従来のレーザアレイ記録装置においては、200dpiの解像度にするためには、レーザ発光素子41を非常に狭いピッチで配置することになる。その結果、従来のレーザアレイ記録装置においては、レーザ発光素子41の熱が逃げ難く、レーザ発光素子41が高温となる。従来のレーザアレイ記録装置においては、レーザ発光素子41が高温となると、レーザ発光素子41の波長や光出力が変動してしまい、記録対象物を規定の温度にまで加熱することができず、良好な画像を得ることができなくなる。また、従来のレーザアレイ記録装置においては、このようなレーザ発光素子41の温度上昇を抑えるために、記録対象物の搬送スピードを落としてレーザ発光素子41の発光間隔を開ける必要があり、生産性を十分高めることができない。
通常、冷却ユニット50はチラー方式を用いることが多く、本方式では加熱を行わず冷却のみを行う。そのため、光源の温度はチラーの設定温度より高くなることはないが、環境温度より冷却ユニット50及び接触させているレーザ発光素子41の温度は変動することになる。一方、レーザ発光素子41として半導体レーザを用いた場合、レーザ発光素子41の温度に応じてレーザ出力が変化する現象が発生する(レーザ発光素子41の温度が
低温になるとレーザ出力が高くなる)。従って、レーザ出力を制御するためには、レーザ発光素子41の温度又は冷却ユニット50の温度を計測し、その結果に応じてレーザ出力が一定になるようにレーザ出力を制御する駆動ドライバ45への入力信号を制御することで、正常な画像形成を行うことが好ましい。
これに対し、レーザ照射装置14は、ファイバアレイ部14bを用いたファイバアレイ記録装置である。ファイバアレイ記録装置を用いることで、ファイバアレイ部14bのレーザ出射部42aを、解像度に応じたピッチで配置すればよく、レーザアレイ部14aのレーザ発光素子41間のピッチを画像解像度に応じたピッチにする必要がなくなる。これにより、レーザ照射装置14によれば、レーザ発光素子41の熱が十分放熱できるように、レーザ発光素子41間のピッチを十分広くすることができる。これにより、レーザ照射装置14によれば、レーザ発光素子41が高温となるのを抑制することができ、レーザ発光素子41の波長や光出力が変動するのを抑制することができる。その結果、レーザ照射装置14によれば、感熱記録ラベルに良好な画像を記録することができる。また、レーザ発光素子41の発光間隔を短くしても、レーザ発光素子41の温度上昇を抑制することができ、感熱記録ラベルの移動速度をあげることができ、生産性を高めることができる。
また、レーザ照射装置14においては、冷却ユニット50を設けて、レーザ発光素子41を液冷することで、レーザ発光素子41の温度上昇をより一層抑制することができる。その結果、レーザ照射装置14によれば、さらに、レーザ発光素子41の発光間隔を短くすることができ、感熱記録ラベルの移動速度をあげることができ、生産性を高めることができる。レーザ照射装置14では、レーザ発光素子41を液冷しているが、冷却ファンなどを用いてレーザ発光素子41を空冷するようにしてもよい。液冷の方が空冷より冷却効率が高く、レーザ発光素子41を良好に冷却できるというメリットがある。一方、空冷とすることで、液冷より冷却効率は落ちるが、安価にレーザ発光素子41を冷却することができるというメリットがある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
(1)A液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
電子供与性染料前駆体である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド12質量部を、2.5%ポリビニルアルコール水溶液98質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとした溶液を調製した。この溶液を重合容器に移し、メタクリル酸メチル5.2質量部、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を加え撹拌しながら70℃に昇温した。ここに重合開始剤である3%過硫酸カリウム水溶液4質量部を加えて、撹拌を続けながら6時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるA液120質量部を得た。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.230μm、平均膜厚は15nm、被覆率は100%であった。なお、被覆前後の「体積平均粒径」は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定し、「平均膜厚」は、被覆前後の体積平均粒子径の差から求めた。また、「被覆率」は、透過電子顕微鏡(JEM−2100、日本電子製)を用い、加速電圧:200kV、明視野法の条件で、50個の被覆染料粒子を観察し、各粒子の被覆率を平均して求めた。以下、「体積平均粒径」、「平均膜厚」、及び「被覆率」を求める場合には、同様の方法を用いた。
(2)B液(顕色剤分散液)の調製
下記の組成をボールミルで分散して、体積平均粒子径0.2μmのB液を調製した。
・3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン・・・33質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・67質量部
(3)感熱発色層塗布液の調製
下記の組成を混合して、感熱発色層塗布液を調製した。
・上記A液・・・39.2質量部
・上記B液・・・35.6質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%)・・・9.8質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%)・・・0.39質量部
・水・・・15質量部
次に、支持体として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名:ルミラーE20)を用い、上記白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記感熱発色層塗布液を、該感熱発色層塗布液に含まれる染料の乾燥付着量が0.5g/mになるように塗布し、乾燥させて、感熱発色層を形成した。
(4)保護層塗布液の調製
まず、水酸化アルミニウムの水分散液[C液]を作製した。
・水酸化アルミニウム(昭和電工ハイジライト 43M)・・・30質量部
・水・・・70質量部
次に、下記の配合割合で、上記の[C液]と他の成分とを配合して保護層塗布液を作製した。
・上記C液・・・11質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール(重合度1700)10%水溶液・・34質量部
・ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂25%・・・4質量部
・ステアリン酸亜鉛分散液(30%)・・・1質量部
・水・・・43質量部
上記保護層塗布液を、上記感熱記録層上に乾燥付着量が2g/mになるように塗布、乾燥して保護層を形成し、感熱記録媒体1を作製した。
(製造例2)
(1)D液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
製造例1の(1)A液の作製において、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた代わりに、ジアリルアミン0.8質量部を用いた以外は、製造例1の(1)A液の作製と同一条件で、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるD液120質量部を作製した。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.228μm、平均膜厚は14nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製において、A液を用いた代わりに、上記D液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体2を作製した。
(製造例3)
(1)E液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
製造例1の(1)A液の作製において、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた代わりに、N,N−ジメチルアリルアミン0.8質量部を用いた以外は、製造例1の(1)A液の作製と同一条件で、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるE液120質量部を得た。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.239μm、平均膜厚は14.5nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記E液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体3を作製した。
(製造例4)
(1)F液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
(製造例1)の(1)A液の作製で、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた代わりに、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた以外は、(製造例1)の(1)A液の作製と同一条件で、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるF液120質量部を得た。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.231μm、平均膜厚は15.5nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記F液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体4を作製した。
(製造例5)
(1)G液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
電子供与性染料前駆体である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド40質量部を10%ポリビニルアルコール水溶液80質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとし、電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるG液120質量部を得た。
(2)感熱発色層塗布液の調製
下記の組成を混合して、感熱発色層塗布液を調製した。
・上記G液・・・11.8質量部
・上記B液・・・35.6質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%)・・・9.8質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%)・・・0.39質量部
・水・・・42質量部
次に、支持体として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名:ルミラーE20)を用い、上記白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記感熱発色層塗布液を、該感熱発色層塗布液に含まれる染料の乾燥付着量が0.5g/mになるように塗布し、乾燥させて、感熱発色層を形成した。
次に、製造例1で作製した上記保護層塗布液を、上記感熱記録層上に乾燥付着量が2g/mになるように塗布、乾燥して保護層を形成し、感熱記録媒体5を作製した。
(製造例6)
(1)H液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
電子供与性染料前駆体である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド12質量部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液98質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとした。この液を重合容器に移し、メタクリル酸メチル6質量部を加え撹拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である3%過硫酸カリウム水溶液4質量部を加えて、撹拌を続けながら6時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、塩基性モノマーを含まないポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるH液120質量部を得た。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.230μm、平均膜厚は15nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記H液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体6を作製した。
(製造例7)
(1)I液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
電子供与性染料前駆体である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド12質量部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液98質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとした。この液を重合容器に移し、メタクリル酸メチル12質量部を加え撹拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である3%過硫酸カリウム水溶液4質量部を加えて、撹拌を続けながら6時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、塩基性モノマーを含まないポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるH液120質量部を得た。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記I液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体7を作製した。
(製造例8)
(1)J液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
電子供与性染料前駆体である3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド12質量部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液98質量部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径を0.2μmとした。この液を重合容器に移し、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート6質量部を加え撹拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である3%過硫酸カリウム水溶液4質量部を加えて、撹拌を続けながら6時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、塩基性モノマーのみを重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるJ液120質量部を得た。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.230μm、平均膜厚は15nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記J液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体8を作製した。
(製造例9)
(1)A2液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
製造例1の(1)A液の作製において、メタクリル酸メチル5.2質量部を用いた代わりに、メタクリル酸メチル5.94質量部を用い、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた代わりに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.06質量部を用いた以外は、製造例1の(1)A液の作製と同一条件で、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるA2液120質量部を作製した。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.229μm、平均膜厚は14.5nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製において、A液を用いた代わりに、上記A2液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体9を作製した。
(製造例10)
(1)A3液(被覆電子供与性染料分散液)の作製
製造例1の(1)A液の作製において、メタクリル酸メチル5.2質量部を用いた代わりに、メタクリル酸メチル1.8質量部を用い、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.8質量部を用いた代わりに、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート4.2質量部を用いた以外は、製造例1の(1)A液の作製と同一条件で、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子の分散液であるA3液120質量部を作製した。得られた被覆染料粒子の体積平均粒径は0.228μm、平均膜厚は14nm、被覆率は100%であった。
製造例1の(3)感熱発色層塗布液の調製において、A液を用いた代わりに、上記A3液を用いた以外は、製造例1と同一条件で感熱記録媒体10を作製した。
次に、製造した感熱記録媒体1〜10について、以下のようにして、「発色性」、「耐地肌カブリ性」、及び「耐候性(耐光性、耐熱性、耐湿熱性)」を評価した。
<発色性及び耐地肌カブリ性>
感熱紙評価試験装置(大倉電機製)を用い、下記印字条件で20mm×20mmの大きさのベタ画像を感熱記録媒体1〜10に記録した。記録を行った感熱記録媒体1〜10を下記評価基準に基づき、評価した。結果を表1に示した。
−印字条件−
サーマルヘッドドット密度:8dot/mm
印加電力:0.8W/dot
パルス幅:1.0msec
ライン周期:10msec/line
[発色性:評価基準]
5:画像記録部の濃度が1.70以上
0:画像記録部の濃度が1.70未満
[耐地肌カブリ性:評価基準]
5:地肌部の濃度が0.1未満
0:地肌部の濃度が0.1以上
<耐光性>
感熱印字シミュレーター(大倉電気製)を用い、下記印字条件で20mm×20mmの大きさのベタ画像を感熱記録媒体1〜10に記録した。記録を行った感熱記録媒体1〜10にウエザオメーター(アトラス社製 製品名:Ci3000+)を用いて、各試験片にキセノン光を24時間照射した後のシアン濃度を測色計(エックスライト社製 製品名:イグザクト)を用いて測定し、下記評価基準で評価した。結果を表1に示す。
[耐光性:評価基準]
5:画像記録部の濃度が1.65以上、かつ地肌部の濃度が0.2未満
0:画像記録部の濃度が1.65未満、又は地肌部の濃度が0.2以上
<耐熱性>
感熱紙評価試験装置(大倉電機製)感熱印字シミュレーターを用い、下記印字条件で20mm×20mmの大きさのベタ画像を感熱記録媒体1〜10に記録した。記録を行った感熱記録媒体1〜10を、60℃及び80℃の加湿していない恒温槽中で、各試験片を24時間保存した後のシアン濃度を測色計(エックスライト社製、製品名:イグザクト)を用いて測定し、下記評価基準で評価した。結果を表1に示す。
[60℃耐熱性:評価基準]
5:画像記録部の濃度が1.50以上、かつ地肌部の濃度が0.15未満
0:画像記録部の濃度が1.50未満、又は地肌部の濃度が0.15以上
[80℃耐熱性:評価基準]
5:画像記録部の濃度が1.50以上、かつ地肌部の濃度が0.40未満
3:画像記録部の濃度が1.50以上、かつ地肌部の濃度が0.40以上0.50未満
0:画像記録部の濃度が1.50未満、又は地肌部の濃度が0.50以上
<耐湿熱性>
感熱印字シミュレーター(大倉電気製)を用い、下記印字条件で20mm×20mmの大きさのベタ画像を感熱記録媒体1〜10に記録した。記録を行った感熱記録媒体1〜10を、40℃、RH40%の恒温恒湿槽中で、各試験片を24時間保存した後のシアン濃度を測色計(エックスライト社製、製品名:イグザクト)を用いて測定し、下記評価基準で評価した。結果を表1に示す。
[耐湿熱性:評価基準]
5:画像記録部の濃度が1.50以上、かつ地肌部の濃度が0.13未満
0:画像記録部の濃度が1.50未満、又は地肌部の濃度が0.13以上
表1中、塩基性モノマーを共重合したポリマーで被覆した電子供与性染料前駆体粒子を用いた実施例1〜6の感熱記録媒体は、試験前、及び耐光性、耐熱性、耐湿熱性の各試験後において、画像部の濃度が高く、地肌部の濃度が低く良好な評価結果であった。塩基性モノマーを共重合せずに実施例と同一の質量のポリマーで被覆した比較例2では、被覆していない比較例1と同程度の地肌濃度であり、ほとんど地肌かぶり抑制効果が得られていなかった。また、塩基性モノマーを共重合せずに実施例の2倍の質量のポリマーで被覆した比較例3では、比較例2より地肌かぶり抑制効果が向上したが、発色感度が低下し、画像部の濃度が大幅に低下した。さらに、塩基性モノマーのみ用いた比較例4は、60℃耐熱性。耐湿熱性試験後の地肌濃度が大幅に上昇し、比較例1〜3に比べても劣っていた。
(製造例11)
(1)K液(酸化防止剤分散液)の調製
下記の組成をボールミルで分散して、体積平均粒子径0.2μmの酸化防止剤の分散液であるK液を調製した。
・1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert-ブチルフェニル)ブタン(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ADEKA社製)・・・25質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・50質量部
・水・・・25質量部
(2)感熱発色層塗布液の調製
下記の組成を混合して、感熱発色層塗布液を調製した。
・上記A液・・・32.4質量部
・上記B液・・・29.3質量部
・上記K液・・・25.9質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%)・・・8.1質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%)・・・0.32質量部
・水・・・3.9質量部
次に、支持体として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名:ルミラーE20)を用い、上記白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記感熱発色層塗布液を、該感熱発色層塗布液に含まれる染料の乾燥付着量が0.5g/mになるように塗布し、乾燥させて、感熱発色層を形成した。
次に、実施例1で作製した上記保護層塗布液を、上記感熱記録層上に乾燥付着量が2g/mになるように塗布、乾燥して保護層を形成し、感熱記録媒体11を作製した。
(製造例12)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記D液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体12を作製した。
(製造例13)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記E液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体13を作製した。
(製造例14)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記FE液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体14を作製した。
(製造例15)
(1)感熱発色層塗布液の調製
下記の組成を混合して、感熱発色層塗布液を調製した。
・上記G液・・・9.7質量部
・上記B液・・・29.4質量部
・上記K液・・・25.9質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分:10質量%)・・・8.1質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分:10質量%)・・・0.32質量部
・水・・・26.5質量部
次に、支持体として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名:ルミラーE20)を用い、上記白色ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、上記感熱発色層塗布液を、該感熱発色層塗布液に含まれる染料の乾燥付着量が0.5g/mになるように塗布し、乾燥させて、感熱発色層を形成した。
次に、実施例1で作製した上記保護層塗布液を、上記感熱記録層上に乾燥付着量が2g/mになるように塗布、乾燥して保護層を形成し、感熱記録媒体15を作製した。
(製造例16)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記H液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体16を作製した。
(製造例17)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記I液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体17を作製した。
(製造例18)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記I液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体18を作製した。
(製造例19)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記A2液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体19を作製した。
(製造例20)
製造例11の(2)感熱発色層塗布液の調製でA液を用いた代わりに、上記A3液を用いた以外は、製造例11と同一条件で感熱記録媒体20を作製した。
次に、得られた製造例11〜20の各感熱記録媒体について、上記評価方法にて「画像部及び地肌部の耐光性」、「耐熱性」、「耐湿熱性」を評価した。結果を表2に示した。
酸化防止剤を添加した実施例7〜12においては、酸化防止剤を添加していない実施例1〜6に比べ、試験前と及び耐光性、60℃耐熱性、耐湿熱性の各試験後において地肌部の濃度が大幅に低くなり、地肌のかぶりが抑えられるとともに、画像濃度の低下も少なくなっており、高い画像安定性と地肌かぶりの抑制が両立された。80℃耐熱性においては、実施例9、12は、実施例3、6と地肌濃度は変わらなかったが、実施例7、8,10、11では、実施例1、2,4、5に比べて、地肌濃度が低下し、良好な地肌かぶり抑制性能が得られた。
電子供与性染料前駆体粒子をポリマーで被覆していない比較例5においては、酸化防止剤の添加により、耐光性を除き地肌かぶりが大幅に悪化した。塩基性モノマーを含まないポリマーで被覆した比較例6、7、及び塩基性モノマーのみを用いた比較例8は、比較例5に比べて、一定の地肌かぶり抑制効果が得られたが、比較例6の耐光性と比較例7の80℃耐熱性を除き実施例7〜12に比べて大幅に劣る結果であった。
次に、製造例1で得られた染料分散液をろ過し、染料分散液中の固形分(被覆染料)を透過電子顕微鏡(JEM−2100、日本電子製)を用い、加速電圧:200kV、明視野法で観察した。結果を図4に示す。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を含有し、
前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、1質量%以上70質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、2質量%以上50質量%以下である、前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する、前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> 前記塩基性モノマーが、ピペリジル骨格を有する、前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> 前記塩基性モノマーが、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートから選択される少なくとも1種である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6> 前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーが、(メタ)アクリル系共重合ポリマーである、前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7> 前記電子供与性染料がカラー染料である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<8> 支持体と、前記支持体上に前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料からなる感熱記録層と、を有することを特徴とする感熱記録媒体である。
<9> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料、又は前記<8>に記載の感熱記録媒体に対し、光を照射することにより画像を記録することを特徴とする感熱記録方法である。
<10> 前記光がレーザ光である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録方法である。
<11> 前記レーザ光が、YAGレーザ光、ファイバーレーザ光、及び半導体レーザ光のいずれかである、前記<9>から<10>のいずれかに記載の感熱記録方法である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料、前記<8>に記載の感熱記録媒体、及び前記<9>から<11>のいずれかに記載の感熱記録方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
米国特許2016/0318327公報 特開2000−158822号公報

Claims (11)

  1. 少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーで電子供与性染料を被覆した被覆粒子を含有し、
    前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、1質量%以上70質量%以下であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記ポリマー中の前記塩基性モノマーの含有量が、2質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
  4. 前記塩基性モノマーが、ピペリジル骨格を有する、請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記塩基性モノマーが、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートから選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 前記少なくとも塩基性モノマーを共重合単位として有する共重合ポリマーが、(メタ)アクリル系共重合ポリマーである、請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
  7. 前記電子供与性染料がカラー染料である、請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 支持体と、前記支持体上に請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料からなる感熱記録層と、を有することを特徴とする感熱記録媒体。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料、又は請求項8に記載の感熱記録媒体に対し、光を照射することにより画像を記録することを特徴とする感熱記録方法。
  10. 前記光がレーザ光である、請求項9に記載の感熱記録方法。
  11. 前記レーザ光が、YAGレーザ光、ファイバーレーザ光、及び半導体レーザ光のいずれかである、請求項9から10のいずれかに記載の感熱記録方法。

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