JP7275093B2 - リチウムイオン二次電池に用いる正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池に用いる正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に用いる正極活物質の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池の正極には、一般的にリチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質が備えられている。例えば、特許文献1には、サイクル特性や出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を得るために、正極活物質として、粒度分布が狭く、中空構造を有するリチウム遷移金属含有複合酸化物粒子が開示されている。粒度分布が狭いことにより、粒子にかかる電圧の差が小さくなるため、粒子の選択的劣化を防ぎ、優れたサイクル特性を実現することができる。また、電解質が侵入可能な中空構造を有することにより、電解質との反応面積が大きくなるため、優れた出力特性を実現することができる。
しかしながら、中空構造を有する正極活物質では、タップ密度(g/cm)を向上させることが困難であるため、セル容量を向上させることに課題がある。そこで、電解質との反応面積を担保しながらセル容量を向上させるため、例えば、粒子径が小さく、内部空隙の少ない構造(典型的には中実構造)の正極活物質を用いることが検討されている。
特開2018-104276号公報
しかしながら、本発明者の検討によると、粒子径の小さい正極活物質を製造するために正極活物質原料粉体(正極活物質前駆体)の平均粒子径を小さくすると(例えば、4μm未満)、従来一般的に用いられているバッチ式の焼成方法では激しい焼結が起こり得ることが見出された。かかる焼結により、上記原料粉体を構成する粒子同士が接合し、正極活物質の粒子径が上記原料粉体の粒子径よりもはるかに大きくなり、製造される正極活物質の粒子径の大きさのばらつきも大きくなる。そのため、焼結によるかかる原料粉体の粒子同士の接合を抑制する技術が望まれている。
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、正極活物質原料粉体に含まれる粒子同士の焼結による接合を抑制し得る正極活物質を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、平均粒子径の小さい正極活物質原料粉体とリチウム化合物との混合物を様々な条件で焼成を行った。そして鋭意検討を行った結果、かかる混合物を焼成温度に達した気体中に分散させて焼成を行うことにより、焼結を抑制しながら正極活物質を製造できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、ここで開示される正極活物質製造方法は、レーザー回折・光散乱法における平均粒子径が4μm未満の遷移金属水酸化物を準備する正極活物質原料粉体準備工程と、該遷移金属水酸化物と、リチウム化合物とを混合する混合工程と、該混合工程で得られた混合物を焼成する焼成工程と、を包含する。そして、該焼成工程において、上記混合物を焼成温度に達した気体中に分散させることによって焼成することを特徴とする。
かかる構成によれば、正極活物質原料粉体とリチウム化合物との混合物が気体中に分散した状態で焼成できるため、焼結により上記原料粉体に含まれる粒子同士が焼結により接合することを抑制することができる。
また、ここで開示される正極活物質製造方法の好ましい一態様では、上記焼成工程において、上記混合物を無極性溶媒に分散させたスラリーを焼成温度に達した気体中に噴霧することによって、上記混合物を焼成する。また、他の好ましい一態様では、かかる無極性溶媒としてアルコキシドを含む。
かかる構成によれば、かかる混合物を気体中でより分散させた状態で焼成することができるため、焼結による接合をより抑制することができ得る。
また、ここで開示される正極活物質製造方法の好ましい一態様では、上記焼成工程において、上記混合物を解砕するためのメディアを備える流動層熱処理装置を用いて上記混合物を焼成する。また、他の好ましい一態様では、かかるメディアとしてジルコニアボールを用いる。
かかる構成によれば、流動層中のメディアにより上記混合物を解砕しながら焼成することができるため、焼結による正極活物質の粒子径の増大を抑制することができ得る。
また、ここで開示される正極活物質製造方法の好ましい一態様では、上記遷移金属水酸化物は、Ni、Mn、Coからなる群から選択される少なくとも一種の金属元素を備える。
かかる構成によれば、焼結による平均粒子径の増大が抑制されたリチウムイオン二次電池に好適な正極活物質を製造することができる。
一実施形態に係る正極活物質の製造方法により製造される正極活物質を備えるリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る正極活物質の製造方法により製造される正極活物質を備える捲回電極体の構成を示す模式分解図である。 一実施形態に係る正極活物質の製造工程を説明するための大まかなフローチャートである。 一実施形態に係る正極活物質の製造方法に用いられる焼成装置の模式図である。 一実施形態に係る正極活物質の製造方法に用いられる流動層熱処理装置の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。ここで開示される方法により製造される正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として好適に用いることができるため、まず、リチウムイオン二次電池100の構成例について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
また、本明細書において数値範囲をA~B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、一般的な解釈と同様であり、A以上B以下を意味するものである。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池(すなわち化学電池)の他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」は、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正極と負極との間をリチウムイオンに伴う電荷の移動によって充放電を行う二次電池である。また、本明細書において「活物質」とは、電荷担体を可逆的に吸蔵・放出する材料をいう。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、電池ケース30の内部に、扁平形状の捲回電極体20と、非水電解質(図示せず)とが収容されることで構築される角型の密閉型電池である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44が備えられている。また、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。さらに、電池ケース30には、非水電解質を注液するための注液口(図示せず)が設けられている。電池ケース30の材質は、高強度であり軽量で熱伝導性が良い金属製材料が好ましく、このような金属材料として、例えば、アルミニウムやスチール等が挙げられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示されるように、長尺シート状の正極50と、長尺シート状の負極60とが、2枚の長尺シート状のセパレータ70を介して積層され、捲回軸を中心として捲回された電極体である。正極50は、正極集電体52と、該正極集電体52の片面または両面の長手側方向に形成された正極活物質層54とを備えている。正極集電体52の捲回軸方向(即ち、上記長手側方向に直交するシート幅方向)の片側の縁部には、該縁部に沿って帯状に正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(即ち、正極集電体露出部52a)が設けられている。また、負極60は、負極集電体62と、該負極集電体62の片面または両面の長手側方向に形成された負極活物質層64とを備えている。負極集電体62の上記捲回軸方向の片側の反対側の縁部には、該縁部に沿って帯状に負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分(即ち、負極集電体露出部62a)が設けられている。正極集電体露出部52aと負極集電体露出部62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。正極集電板42aは、外部接続用の正極端子42と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。同様に、負極集電板44aは、外部接続用の負極端子44と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。
正極50を構成する正極集電体52としては、例えば、アルミニウム箔が挙げられる。正極活物質層54は、ここで開示される方法により製造された正極活物質を備えることができる。また、正極活物質層54は、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54は、正極活物質と必要に応じて用いられる材料(導電材、バインダ等)とを適当な溶媒(例えばN-メチル-2-ピロリドン:NMP)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を正極集電体52の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
負極60を構成する負極集電体62としては、例えば、銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。また、負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層64は、負極活物質と必要に応じて用いられる材料(バインダ等)とを適当な溶媒(例えばイオン交換水)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を負極集電体62の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。あるいは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下程度が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分を含んでいてもよく、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
一実施形態に係る製造方法によって製造される正極活物質は、レーザー回折・光散乱法における平均粒子径が小さい正極活物質原料粉体(例えば平均粒子径が4μm未満)を用いて製造される。ここで開示される製造方法では、かかる原料粉体の焼結による粒子間の接合を抑制して焼成を行うことができる。そのため、製造される正極活物質のレーザー回折・光散乱法における平均粒子径は、上記原料粉体の平均粒子径との差が小さくなるため、典型的には4μm未満であり、例えば3.5μm以下または3μm以下であり得る。また、典型的にはかかる平均粒子径は、例えば0.1μm以上であって、1μm以上、2μm以上または2.5μm以上であり得る。
なお、本明細書において「平均粒子径」は、レーザー回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒子径の小さい側からの累積頻度50体積%に相当する粒子径D50(「メジアン径」ともいう。)のことをいう。また、上記正極活物質は、一次粒子が凝集した二次粒子の形態であってもよい。
一実施形態に係る製造方法によって製造される正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物粒子を含み、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられる公知のリチウム遷移金属酸化物粒子と同様の結晶構造および同様の組成を有していてよい。例えば、リチウム遷移金属酸化物粒子は、層状構造、スピネル構造等の結晶構造を有していてよい。
リチウム遷移金属酸化物粒子としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物(例、LiNiO)、リチウムコバルト系複合酸化物(例、LiCoO)、リチウムマンガン系複合酸化物(例、LiMn)、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5)、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)等が挙げられる。
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
次に、ここで開示される正極活物質の製造方法について説明する。ここで開示される正極活物質粒子の製造方法は、図3のフローチャートに示すように、レーザー回折・光散乱法における平均粒子径が4μm未満の遷移金属含有化合物を準備する正極活物質原料粉体準備工程S11と、前記遷移金属含有化合物と、リチウム化合物とを混合する混合工程S12と、前記混合工程で得られた混合物を焼成する焼成工程S13と、と包含する。
まず、正極活物質原料粉体準備工程S11について説明する。正極活物質原料粉体準備工程S11は、通常の正極活物質原料粉体の製造方法と同様であってよい。
ここで準備する正極活物質原料粉体としては、従来用いられている遷移金属水酸化物を使用することができ、そのなかでもNi、Mn、Coからなる群から選択される少なくとも一種の金属元素を備えた遷移金属水酸化物を含むことが好ましい。具体例としては、ニッケル系複合水酸化物、コバルト系複合水酸化物、マンガン系複合水酸化物、ニッケルマンガン系複合水酸化物、ニッケルコバルトマンガン系複合水酸化物、鉄ニッケルマンガン系複合水酸化物等が挙げられる。
なお、本明細書において「ニッケルコバルトマンガン系複合水酸化物」とは、Ni、Co、Mn、O、Hを構成元素とする水酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ水酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。このことは、上記したニッケル系複合水酸化物、コバルト系複合水酸化物、マンガン系複合水酸化物、ニッケルマンガン系複合水酸化物等についても同様である。
正極活物質原料粉体の平均粒子径は、典型的には4μm未満であり、例えば3.5μm以下または3μm以下であり得る。また、典型的にはかかる平均粒子径は、例えば0.1μm以上であって、1μm以上、2μm以上または2.5μm以上であり得る。
以下、正極活物質原料粉体準備工程S11の好適な一例について説明する。
まず、遷移金属化合物の水溶液を準備する。遷移金属化合物としては、例えば、遷移金属の硫酸塩、遷移金属の硝酸塩、遷移金属のハロゲン化物等の水溶性化合物を用いることができる。かかる遷移金属の元素としては、Ni、Mn、Coからなる群から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。また、アルカリ化合物の水溶液を用意する。アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができ、好ましくは、水酸化ナトリウムである。また、アンモニア水を用意する。
一方で、反応容器中に水(典型的にはイオン交換水)を加え、反応容器中を撹拌しながら雰囲気を不活性ガス(例えば、Nガス、Arガス等)で置換する。次に、上記反応容器に上記アルカリ化合物の水溶液を加え、pHを調整する(例えば、pH11~13)。
上記反応容器中を撹拌しながら、上記遷移金属化合物の水溶液と、上記アンモニア水とを該反応容器に滴下する。このとき、上記反応容器内のpHが低下するため、上記アルカリ化合物の水溶液を適宜加えることにより、上記反応容器内のpHを11~13の範囲内に調整する。さらに、このとき、反応容器中の水溶液のアンモニア濃度が10g/L~30g/Lに維持されるように調整する。
上記遷移金属化合物の水溶液とアンモニア水の滴下後、上記反応容器を所定時間(例えば、1時間~3時間)静置する。これにより、遷移金属水酸化物粒子を十分に沈殿させる。その後、吸引濾過等によって上記遷移金属水酸化物粒子を回収し、水洗後、乾燥を行う。これにより、遷移金属水酸化物粉体(正極活物質原料粉体)を得ることができる。
次に、混合工程S12について説明する。ここで用いるリチウム化合物としては、例えば、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム等の焼成により酸化物に変換される化合物を用いることができる。
上記正極活物質原料粉体と、リチウム化合物とを、公知の混合装置(例、シェーカミキサ、Vブレンダ、リボンミキサ、ジュリアミキサ、レーディゲミキサ等)を用いて公知方法に従って混合することにより、混合物を得ることができる。
なお、正極活物質原料粉体とリチウム化合物との混合量については、所望する正極活物質に含まれるリチウムと遷移金属との元素比に従って適宜変更すればよい。
次に、焼成工程S13について説明する。焼成工程S13では、混合工程S12で得られた混合物を焼成温度(例えば、900℃~1000℃)に達した気体中(典型的には空気中)に分散させることによって焼成することが好ましい。混合物を気体中に分散させることにより、混合物に含まれる原料粉体の粒子同士が焼結により接合することを抑制することができる。
混合物を焼成温度に達した気体中に分散させることによって、混合物へ熱が伝わり易くなるため、焼成時間は例えば1時間以下(典型的には30分以下)で実施することができる。
以下、焼成工程S13の好適例として実施形態(I)および(II)について図面を参照にしながら説明する。図4は実施形態(I)の焼成方法を説明するための焼成装置の模式図である。図5は実施形態(II)の焼成方法を説明するための流動層熱処理装置の模式図である。なお、図4および図5に示す矢印は、上記焼成温度に達した気体の流れ(供給および排気)の方向を示す。
<実施形態(I)>
図4に示すように、混合工程S12で得られた混合物Mを焼成用容器82に供給するためのノズル84と、焼成物(正極活物質)を分離するためのサイクロン(粉体分離機)86とを接続した焼成装置を準備する。まず、高温気体(例えば、900℃~1000℃)を焼成用容器82に供給する。かかる気体は公知方法に従って供給すればよく、例えば、電気ヒーターで熱した空気を熱風として供給することができる。
次に、ノズル84から上記混合物Mを焼成用容器82に供給する。このとき、かかる混合物は溶媒に分散されたスラリーとし、かかるスラリーを噴霧させて供給することが好ましい。これにより、混合物の焼成用容器82中での分散性が高くなり、混合物Mに含まれる粒子同士の距離が離れるため、焼結による粒子同士の接合をより抑制することができる。なお、噴霧方法は、特に限定されるものではなく、公知の噴霧器を用いて噴霧することができる。
上記スラリーに用いる溶媒としては、無極性溶媒を用いることが好ましい。無極性溶媒であれば、該溶媒中で正極活物質原料粉体とリチウム化合物とをより均一に混合させることができる。無極性溶媒としては、例えば、アルコキシド、アセトン等を使用することができ、なかでもアルコキシドを用いることが好ましい。アルコキシドは、例えば、リチウムアルコキシド(例、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド等)、ニッケル2-メトキシエトキシド等を用いることができる。
ノズル84から供給された混合物Mは、焼成用容器82に予め供給されている上記高温気体によって焼成される。焼成時間は、例えば10分間以下(典型的には1分間以下)で実施することができる。
焼成された混合物(正極活物質)は、サイクロン86により回収することができる。サイクロンにより排出された空気は、例えばバグフィルタを備えた装置を通過させることにより、サイクロンで回収されなかった粒子を回収することができる。なお、サイクロンは公知のものを使用すればよい。
<実施形態(2)>
図5に示すように、メディア92、メッシュ(整流板)94、混合工程S12で得られた混合物Mを供給するためのノズル96およびバグフィルタ98を備える流動層熱処理装置90を準備する。そして、流動層熱処理装置90中に焼成温度に達した高温気体(例えば、900℃~1000℃)の熱風を連続的に供給することによって、メディア92を流動層熱処理装置90内に分散させ、流動層を形成する。流動層を形成した後、ノズル96から混合物Mを流動層へ供給する。これにより、かかる混合物が上記高温気体の熱風およびメディア92からの熱伝導により焼成される。また、メディア92同士が流動層中で接触することにより、かかる混合物を解砕しながら混合物を焼成することができる。焼成時間は、例えば1時間以下(典型的には30分以下)で実施することができる。焼成後、焼成された混合物(正極活物質)を回収する。回収方法は公知方法に従えばよく、例えば、サイクロンやフィルター等を用いることで正極活物質を回収することができる。
ノズル96から供給される混合物Mは、粉体状であっても、スラリー状であってもよい。粉体状である場合、予熱圧縮した気体(典型的には900℃以下の空気)により、混合物Mをノズル96から供給することができる。また、混合物Mをスラリー化する場合では、上述した実施形態(I)と同様にすればよい。
メディア92は、公知のメディア(例えばセラミックボール等)を使用することができるが、なかでもジルコニアボールを用いることが好ましい。ジルコニアボールは高い耐熱性を有するため、焼成温度に達した空気中で用いることに適している。メディア92の粒径は、例えば0.05mm~25mm(典型的には0.5mm~3mm)であってよく、例えば1mmであってよい。
メッシュ(整流板)94およびバグフィルタ98は従来から流動層熱処理装置に用いられているものを使用すればよい。なお、図5ではバグフィルタ98は流動層が形成される容器中に設置されているが、バグフィルタの配置場所はこれに限られるものではなく、例えばかかる容器の排気口にサイクロンを取り付け、該サイクロンを通過した後の排気口にバグフィルタを設置してもよい。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。例えば、車両に搭載されるモーター用の高出力動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、一例として一実施形態に係る製造方法によって製造される正極活物質を備える扁平形状の捲回電極体を備えた角型の非水電解液リチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、これは一例に過ぎず限定されるものではない。例えば、捲回電極体の代わりに、シート状の正極とシート状の負極とがセパレータを介して交互に積層された積層電極体を備えた非水電解質二次電池であってもよい。また、電解質としてポリマー電解質を使用するポリマー電池であっても良い。また、角型電池ケースの代わりに、円筒型、コイン型等の形状の電池ケースを用いても良く、電池ケースの代わりにラミネートフィルムを用いたラミネート型二次電池であってもよい。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極活物質原料粉末および該粉末とリチウム化合物との混合物の準備>
硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸マンガン(MnSO)とが1:1:1のモル比となるようにイオン交換水に溶解し、原料溶液を調製した。また、アンモニア水および水酸化ナトリウム水溶液を準備した。
反応容器内にイオン交換水を加え、撹拌しながら反応容器内の雰囲気を不活性ガスで置換し、不活性雰囲気にした。次に、かかる反応容器内にNaOH水溶液を加え、pHを11~13の範囲となるように調整した。そして、かかる反応容器に上記原料溶液とアンモニア水を一定量ずつ滴下した。このとき、pHを上記範囲内に保持するため、NaOH水溶液を適宜加えた。また同時に、反応容器中の水溶液のアンモニア濃度が10g/L~30g/Lに維持されるように調整した。上記原料溶液とアンモニア水の滴下後、1時間~3時間静置し、沈殿物を得た。かかる沈殿物を吸引濾過により回収し、イオン交換水で洗浄した後、40℃~80℃で6時間~8時間減圧乾燥して、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物からなる正極活物質原料粉体を得た。
得られた原料粉体と、炭酸リチウム(LiCO)とを、該原料粉体に含まれるニッケル、コバルトおよびマンガンの合計と、リチウムとのモル比が1:1となるように乳鉢で混合し、混合物を得た。
以下、焼成方法ついて説明するが、以下の焼成において、参考例では平均粒子径が4μmの正極活物質原料粉体が混合した混合物、例1~4では平均粒子径が2.8μmの正極活物質原料粉体が混合した混合物を使用した。
<焼成>
(参考例、例1)
上記混合物をアルミナ製のるつぼに移し、マッフル炉内で400℃~1000℃で5時間~10時間焼成した。これにより、参考例および例1の焼成物(正極活物質)であるリチウム複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3:NCM)粒子を得た。
(例2)
流動層熱処理装置を用いて焼成した。該流動層熱処理装置中に直径1mmのジルコニアボールを設置した。次に900℃~1000℃の空気の熱風を上記流動層熱処理装置中に連続的に導入し、上記ジルコニアボールを分散させ、流動層を形成した。次に、予熱圧縮によって800℃~900℃となった空気を用いて上記混合物を上記流動層へ供給し、1分間~30分間焼成を行った。その後、ジルコニアボールと焼成した混合物(正極活物質)とをフィルターにより分離し、例2の正極活物質であるリチウム複合酸化物(NCM)粒子を得た。
(例3)
上記混合物をニッケル2-メトキシエトキシドを含有する2-メトキシエタノールに分散させスラリーとした。一方で、焼成用容器中に900℃~1000℃の空気を連続的に送風した。かかる焼成用機中に、上記スラリーを噴霧器により噴霧することで焼成した。焼成後、サイクロンによって焼成物を回収した。このようにして、例3の正極活物質であるリチウム複合酸化物粒子(NCM)を得た。
(例4)
上記混合物を撹拌翼付の電気炉に投入し、該撹拌翼を回転させながら900℃~1000℃で1時間~2時間焼成した。これにより、例4の正極活物質であるリチウム複合酸化物(NCM)粒子を得た。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
例2~4および参考例の正極活物質を用いて、それぞれの評価用リチウムイオン二次電池を作製した。一方で、例1の焼成物では、焼結による粒子間の接合が激しく、正極シートに塗工できなかったため、評価用リチウムイオン二次電池は作製できなかった。
評価用リチウムイオン二次電池として、上記作製した正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極活物質:AB:PVDF=87:10:3の質量比となるようにN-メチル-2-ピロリドン中で混合し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストをオールグッド社製のフィルムアプリケーターを用いてアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、80℃で5分間乾燥させることにより正極シートを作製した。
負極活物質として、天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=96:2:2の質量比となるようにイオン交換水中で混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストをオールグッド社製のフィルムアプリケーターを用いて銅箔集電体の両面に塗布し、80℃で5分間乾燥させることにより負極シートを作製した。
また、セパレータシートとしてPP/PE/PPの三層構造を有する多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意したセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して円筒型の捲回電極体を作製した。作製した捲回電極体の正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を溶接により取り付け、注液口を有する電池ケースに収容した。
次に、電池ケースの注液口から非水電解液を封入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。以上のようにして、各例の評価用リチウムイオン二次電池を得た。
<平均粒子径の測定>
上記作製した各例(例1を除く)の正極活物質原料粉体それぞれに対してレーザー回折式粒度分布測定装置を用いてメジアン径(D50)を測定した。その結果を「原料粉体平均粒子径(μm)」として表1に示す。また、各例の焼成物(正極活物質)それぞれに対しても同様にメジアン径(D50)を測定した。その結果を「焼成物平均粒子径(μm)」として表1に示す。なお、例1の焼成物については、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、スケールバーとの比較による結果を示した。
<活性化処理および初期放電容量の測定>
定電流-定電圧方式とし、上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を1/3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、各評価用リチウムイオン二次電池を1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を初期放電容量とした。なお、かかる充放電の操作は25℃で行った。また、ここで「1C」とは、1時間でSOC(state of charge)を0%から100%まで充電できる電流の大きさのことをいう。
<初期抵抗測定>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を、3.70Vの開放電圧に調整した。これを、25℃の温度環境下に置いた。1Cの電流値で10秒間放電し、電圧変化量ΔVを求めた。電流値とΔVを用いて電池抵抗を算出した。例4の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗を1.00とした場合の、各例の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗の比を求めた。結果を表1に示す。
<サイクル後容量維持率の測定>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を60℃の環境下に置いた。各評価用リチウムイオン二次電池を2Cで4.2Vまで定電流充電を行った後、2Cで3.0Vまで定電流放電を行うことを1サイクルとして、200サイクル繰り返した。その後、200サイクル後の放電容量を上述した初期放電容量と同様の方法で測定した。そして、サイクル容量維持率(%)を以下の式1:
(200サイクル後の放電容量)/(初期放電容量)×100・・・式1
により算出した。結果を表1に示す。
<体積容量比の測定>
上記測定した初期放電容量を用いて、例4の体積容量(mAh/cm)に対する各例の体積容量の比を計算によって求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0007275093000001
表1に示すように、原料粉体の平均粒子径が4μm以上である参考例であれば、マッフル炉によるバッチ式の焼成でも、焼成物である正極活物質の平均粒子径に大きな変化はなかった。その一方で、例1に示すように、原料粉体の平均粒子径が4μm未満(ここでは2.8μm)であると、マッフル炉によるバッチ式の焼成により、激しい焼結による原料粉体の粒子同士の接合が生じ、粒子径が10μmを超える焼成物となった。
一方で、焼成温度に達した気体中に分散された状態で焼成を行った例2および例3では、原料粉体の平均粒子径と焼成物(正極活物質)の平均粒子径との差が小さかったことから、焼結による粒子間の接合が抑制されて焼成されていることがわかる。また、例4のように、撹拌翼により撹拌しながら電気炉で焼成した場合は、焼成物(正極活物質)の平均粒子径が原料粉体よりも小さくなったことから、撹拌翼により過剰に焼成物が微細化されたと考えられる。
また、表1に示す例2~4の体積容量比、初期抵抗、サイクル容量維持率を比較すると、例2および例3は、例4よりもいずれの点においても優れていることがわかる。
したがって、正極活物質原料粉体を焼成温度に達した気体中に分散された状態で焼成することによって、従来焼結による原料粉体の粒子同士の接合の抑制が困難であった平均粒子径が4μm未満の原料粉体を焼成することができる。そして、これにより、より優れた電池性能(詳しくは体積容量比、電池抵抗低減効果およびサイクル容量維持率)を有する正極活物質を製造することができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
60 負極
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータ
82 焼成用容器
84、96 ノズル
86 サイクロン
90 流動層熱処理装置
92 メディア
94 メッシュ
98 バグフィルタ
100 リチウムイオン二次電池

Claims (3)

  1. リチウムイオン二次電池用の正極活物質を製造する方法であって、
    レーザー回折・光散乱法における平均粒子径が4μm未満の遷移金属水酸化物を準備する正極活物質原料粉体準備工程と、
    前記遷移金属水酸化物と、リチウム化合物とを混合する混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合物を焼成する焼成工程と、
    を包含し、
    ここで、前記焼成工程において、前記混合物を無極性溶媒に分散させて調製したスラリーを焼成温度に達した気体中に噴霧することによって、前記混合物を焼成する、正極活物質製造方法。
  2. 前記無極性溶媒としてアルコキシドを含む、請求項に記載の正極活物質製造方法。
  3. 前記遷移金属水酸化物は、Ni、Mn、Coからなる群から選択される少なくとも一種の金属元素を備える、請求項1または2に記載の正極活物質製造方法。
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