以下の説明を通して、当業者により完璧な理解を提供するために特有の詳細が記載される。しかし、本開示を不必要に曖昧にすること回避するために、よく知られている要素は詳細に示されないか、または説明されないことがある。それにしたがって、説明および図面は、制限的な意味ではなく、例証的な意味とみなされるものである。
風の方向が矢印で図示され、空気の流れが湾曲線で図示される、図1を参照すると、レール装着型補助帆システムの1つの例となる実施形態100が、船101上に図示され、このとき帆108はその展開構成にある。レール装着型補助帆システム100は、複数の帆ユニット102を含む。帆ユニット102は、船101の周囲回りのその船体上に、船101の主要貨物領域が、たとえば貨物を運ぶなどのために全体的に片付けられるように装着される。
レール装着型補助帆システム100は、これが使用される船に燃料節減を提供する。理論に縛られるものではないが、理論上の帆領域対変位計算および本発明者によって最近風洞試験されたモデルを使用することにより、船の既存のエンジンのみでの走行と比較した燃料節減は、最大25%になると推定された。一部の実施形態では、これは、船ルートにわたる燃料の10%程度の典型的な節減に言い換えることができると思われる。一部の実施形態では、レール装着型補助帆システム100は、船の操縦および/または停止を支援するために使用される。
一部の実施形態では、複数の帆ユニット102が、船101の船体の側面に沿って展開される。図2~5の図示される実施形態では、補助帆システム100は、Green Dolphin 575 Handmax上に設置される。図示される実施形態では、レール装着型補助帆システム100は、19個の帆ユニット102を有する。1から25個の間の帆ユニット、またはそれらの間の任意の数、または間隔、たとえば2、4、6、8、10、12、15、または20個の帆ユニット102を含む、帆ユニット102の任意の適切な数が、代替の実施形態において使用され得る。操作構成にある図示される実施形態では、9個の帆ユニット102が船101の各側面に設けられ、1個の帆ユニット102が船101の艦首に設けられる。
帆ユニット102のサイズおよび位置は、帆ユニット102が設置される船のタイプに応じて当業者によって決定され得る。帆ユニット102の隣り合う対間の距離は、これらのブームが互いに干渉せずに完全に回転することを可能にするのに十分でなければならず、たとえば、上側ブーム106および下側ブーム104がおよそ15.6mの長さを有する実施形態では、隣り合う帆ユニット間の干渉を回避するために、少なくとも16.5mのスペーシング間隔がこれらの帆間に設けられなければならない。
一部の実施形態では、帆ユニット102は、これによって形成された帆の配列が、図56に示されるようにすべての帆が艦首に向かって内方向を指しながら、シェブロン構成で立てられるように回転される。そのような構成は、たとえば風が船101の真後ろから吹いており、それによってタッキングの必要性を回避できる場合、望ましくなり得る。シェブロン構成はまた、所望の場合、スピンネーカまたはMS Beluga Skysail上で使用されるSkysailなどの他の類似の帆などの追加の補助帆をさらに使用することを可能にする。
図示される実施形態では、帆ユニット102は、横帆艤装の帆108である。一部の実施形態では、横帆艤装の帆108は、100m2から300m2の間、これらの間の任意値、たとえば120、140、160、180、200、220、240、260、または280m2などの表面積を有する。代替の実施形態では、任意の所望の帆の表面積が使用され得る。代替の実施形態では、任意の所望のタイプの帆、たとえば航空機翼スタイルの帆、フレットナー(Flettner)・ロータ、従来の帆などが、横帆艤装の帆の代わりに使用され得る。
図1に示される実施形態と同じ構成要素を同じ参照番号が指す図2に最適に見られるように、各帆ユニット102は、下側ブーム104と、上側ブーム106と、横帆108と、マスト110とを有する。マスト110は、船101のデッキの上方を鉛直に延びて、横帆108を支持し、上側ブーム106および下側ブーム104は、帆108がそれらの間を延びるように全体的に水平に延びる。上側ブーム106は、マスト110に沿って鉛直に上昇および下降され、それによって横帆108を上昇および下降させることができ、これは、以下でより詳細に説明される。
各帆ユニット102は、レール・システム112に沿って船101の外側デッキ回りの移動のために支持される。図示される実施形態では、レール・システム112は、船101の外側デッキの少なくとも一部分に沿って伸びる上部レール114と、上部レール114に対して平行に、かつこれより低い高さで伸びる底部レール116とを有する。複数の固定された装着点200が、レール・システム112回りに設けられ、それにより、帆ユニット102は、任意の所望の装着点200において使用のための適所に締め付けられ得る。
図3~5に最適に見られるように、帆ユニット102は、レール・システム112に沿って摺動されて船のデッキの外側円周回りを移動することができる。図7の図示される実施形態では、レール・システム112は、船101の右舷側118、左舷側120、船尾122、および艦首124回りを連続的に伸びる。代替の実施形態では、レール・システム112は、たとえば、右舷側118および左舷側120に沿ってのみ延びる、右舷側118に沿って部分的に、および左舷側120に沿って部分的にのみ延びる、右舷側118に沿った2つの別個のセクション、および左舷側120に沿った2つの別個のセクションにおいて延びる、前述のバリエーションのいずれかに加えて、船尾122に沿って独立的に延びる、船尾122の周りに連続的に、かつ右舷側118の一部分だけおよび左舷側面120の一部分だけ延びるなど、不連続であることもできる。全般的に、レール・システム112は、左舷側120の一部分、右舷側118の少なくとも一部分、および船尾122の全周に沿って延びて、帆ユニット102を船101のいずれの側からも完全に移すことを可能にする。
図6は、レール・システム112が不連続である例となる実施形態を示す。レール・システム112は、図6の実施形態では、船101の左舷側、船尾、および右舷側の周りに延びるが、船101の艦首124の周りは連続的に延びない。この実施形態では、補助の艦首装着型帆ユニット103が提供される。補助の艦首装着型帆ユニット103は、レール・システム112に装着されず、ポケット装着システム、すなわち船101の船体の特有の地点にある固定された装着部を使用して、レール・システム112とは独立的に、艦首124において船101の船体上の特有の地点に独立的に装着される。補助の艦首装着型帆ユニット103は、レール・システム112に沿って移動されることは可能でなく、所望に応じて別個に設置および設置解除されなければならない。
図4および5から見られ得るように、帆ユニット102は、レール・システム112に沿って移動されて、たとえば帆ユニット102が必要とされない場合に格納のために、またはドックサイド操作(たとえば荷物の積み卸し)が行われ得るように船101の側面を片付けるために、邪魔にならないように選択的に片付けられ得る。図5は、ドックサイド操作が港において船101の右舷側118で実際され得るように、帆ユニット102が船101の右舷側118および船尾122の両方から片付けられている構成を図示する。一部の実施形態では、船101は、船尾122にわたって伸びるロープによって海岸に繋がれる。
図示される実施形態では、帆ユニット102は、ロープ・システム126を使用してレール・システム112に沿って移動される。図8に図示される1つの例となる実施形態では、ロープ・システム126は、3本のロープ、すなわち第1のロープ128、第2のロープ130、および第3のロープ132を有し、この場合第1のロープ128および第2のロープ130は、以下で説明されるように一緒に繋がれ得る。第1のロープ128、第2のロープ130、および第3のロープ132は、最初、図8に示されるように、船101の艦首124近くに設けられたスプール138に巻き付けられて提供される。
1つの例となる実施形態では、第1のロープ128、第2のロープ130、および第3のロープ132は、図9Aに最適に見られるように、それらの自由端部に設けられたループ端部128A、130A、および132Aを有する。
ロープ・システム126は、モータ136によって回転されるキャプスタン134を使用して帆ユニット102を船101のデッキ回りで移動させるように移動される(図9A)。図示される実施形態では、キャプスタン134は、船101の艦首124に装着され、第1のロープ128、第2のロープ130、および第3のロープ132は、キャプスタン134の下方のスプール138上に収容される。代替の実施形態では、キャプスタン134は、任意の所望の場所に装着可能であり、第1のロープ128、第2のロープ130、および第3のロープ132は、任意の適切な場所に収容可能である。
ロープ・システム126は、帆ユニット102をレール・システム112回りで移動させるように操作される。1つの例となる実施形態では、帆ユニット102は、ドックサイド操作を干渉しないようにレール・システム112に沿って移動される。帆ユニット102は、船が港に走行するとき、または港自体内でのドックサイド操作を準備するのに適した任意の時間に移動され得る。
帆ユニット102をレール・システム112回りで移動させるために、(ロープ・システム126の正しい使用をオペレータに支援するために特定の色、たとえば1つの例となる実施形態では黒であることによって表示されてよく、それにより、第1のロープ128は、本明細書では黒色ロープ128としても参照される)第1のロープ128は、キャプスタン134に巻き付けられ、船101の周囲の一部分の周りに伸びる。ローラ140、141などの適切な構造要素が、適切な場所(たとえば船101の船尾回り)に使用されて、黒色ロープ128が、たとえば図9Bに示されるように船101回りの円滑な進行経路を有することを確実にする。
黒色ロープ128の第1のループ端部128Aは、(これもまた、ロープ・システム126の正しい使用をオペレータに支援するために特定の色、たとえば1つの例となる実施形態では白であることによって表示されてよく、それにより、第2のロープ130は、本明細書では白色ロープ130としても参照される)第2のロープ130の第1のループ端部130Aに繋がれて、たとえば図9Aに示されるような連続ケーブルを形成する。1つの例となる実施形態では、フックおよびループ締結具133が、ロープの自由ループ端部を一緒に繋げるために使用される。
帆ユニット102は、たとえば図10に示されるように、帆ユニット102上の適切な場所に設けられたホーン・クリート148上にループ掛けされ得る、縛られたストラップを使用して、黒色ロープ128および白色ロープ130に繋がれる。図10に示され挿入図では、簡単なウェビング・ループ142が、ロープ回りにウェビング・ループ142を進め、ウェビング・ループ142の第1の端部をその反対側の端部を通り抜けて送ることによってロープ・システム126のロープ(たとえばロープ128、130、または132)上に縛られ得る。ウェビング・ループ142は、次いで、ロープの周りにきつく縛られて、締め付け端部144を提供することができ、ウェビング・ループ142の反対の自由端部146は、帆ユニット102上の適切な場所に設けられたホーン・クリート148の周りに締め付けられ得る。
レール・システム112上の帆ユニット102の位置を調整するために、たとえばドックサイドを片付けるために、一部の実施形態では、(これもまた、ロープ・システム126の正しい使用をオペレータに支援するために特定の色、たとえば1つの例となる実施形態では黄色であることによって表示されてよく、それにより、第3のロープ132は、本明細書では黄色ロープ132としても参照される)第3のロープ132が、使用される。帆ユニット102は、簡単なウェビング・ループ142を上記で説明したのと同じような方法で使用して黄色ロープ132を関連の帆ユニット102のホーン・クリート148に締め付けることによって黄色ロープ132に結合されて、これらユニットの移動を可能にすることができる。黄色ロープ132は、次いで、船101の第1の側の帆ユニット102を近付けて一緒に集めるために使用可能であり、それによって船101の第2のドックサイド側の帆ユニット102を船101の周りに引っ張り、所望のドックサイド活動の邪魔にならないようにし、これは1つの例となる操作方法において以下でより詳細に説明される。
GD 575船上に設置された19個の帆ユニットの1つの例となる実施形態では、帆ユニットをドックサイドから片付ける(「カーテン操作」と称される)操作全体は、2人の乗組員が完了するのに30分もかからないことが予想される。
1つの例となる実施形態では、複数の帆ユニット102を船101に積み込む方法が、提供される。船の2つの艦首ドア139が、図11に示されるように開かれ、乗組員が船101の艦首プラットフォーム上のキャプスタン134およびロープ・スプール138に行く。黒色ロープ128が、スプール138から引っ張られ、任意の適切な方法で、たとえば黒色ロープ128が艦首ドアを抜けて供給されるときにその第1のループ端部128Aをボート・フックを使用して把持することにより、船101の艦首上をおよび/または艦首ドア139(この例となる実施形態では左舷艦首ドア)を抜けて進められる。黒色ロープ128は、この例となる実施形態では船のハンド・レールと帆ユニット102の上部レールとの間のスペース内で、ロープの案内または転向が必要であるか、または望ましい任意の場所に位置決めされた適切なローラ140および/またはサイド・ローラ141によって、船の側面の周りに引っ張られる。
図9Bに示されるように船101の船尾122において、黒色ロープ128は、黒色ロープ128を鉛直方向に支持するオーバ・サイド・ローラ141を含む船尾ローラ140の周りに敷設される。この例示的な実施形態では、黒色ロープ128は、左舷側120の周りにかつ右舷側118を上流へ「S9」位置まで、すなわち艦首124における右舷側118上の第1の帆ユニット102から数えて9番目の帆ユニットによって占有される位置まで引っ張られる。
白色ロープ130が、たとえば同じような方法で、船101の反対側の周りに引っ張られて、右舷艦首ドア139を出た黒色ロープ128と合流する。この例となる実施形態では、白色ロープ130は右舷側118を下流へ「S9」位置まで引っ張られて黒色ロープ128と合流する。両方のロープ128、130は、キャプスタン134を支持する組立体上に設けられたホーン・クリート上に、または船の艦首124の任意の適切な場所に、乗組員が黒色ロープ128をキャプスタンの周りに締め付け、黒色ロープ128および白色ロープ130のループ端部128A、130Aを任意の適切な方法で一緒に繋げることによってこれらの端部を締め付けることができるまで、たるませて保たれる。
黒色ロープ128および白色ロープ130の第1のループ端部128A、130Aは、これらの合流点において、たとえばこの例となる実施形態では「S9」位置において、任意の適切な方法で一緒に繋げられる。この例となる実施形態では、2本のロープは、フックおよびループ(たとえばベルクロ(商標))ストラップ133を使用して一緒に繋がれる。黒色ロープ128内のたるみは吸い取られ、キャプスタン134に巻き付けられ、黒色ロープ128の第2のループ端部128Aは、任意の適切な方法で、たとえばこの例となる実施形態ではフックおよびループ・ストラップ133を使用して、船の艦首において白色ロープ130の第2のループ端部130Aに結合される。したがって、黒色ロープ128および白色ロープ130は、これらの自由ループ端部128A、130Aがこのようにして一緒に繋がれたとき、1本の連続ロープを形成する。
帆ユニット102は、船101の側面に沿って、任意の適切なスペーシング距離150だけ互いから離間される(図3および4)。隣り合う帆ユニット102の各対間のスペーシング距離は、同じか、または船101の各側面に沿って隣り合う帆ユニット102の各対間でおよそ同じ距離であることができるが、その必要はない。この例示的な実施形態では、右舷側118および左舷側120の各々に沿った帆ユニット102のスペースは、およそ16.5mである。一部の実施形態では、黒色ロープ128および白色ロープ130は、距離インジケータ、たとえば適切な場所にあるロープの周りの二重リング・マーカを用いてマークされて、帆ユニット102をロープ128、130に沿って適正に位置決めすることを支援する。
この例となる実施形態では、第1の二重リング・マーカが、白色ロープ130に沿ってスペーシング距離150、すなわちこの例となる実施形態では16.5mのところに設けられる。組み合わせられた黒色/白色ロープ128、130は、第1の二重リング・マーカが引っ張られ、帆ユニット102がレール・システム112に積み込まれる地点に隣接するまで、キャプスタン134上に引き戻される。この例となる実施形態では、帆ユニットは、S3位置(すなわち右舷側118に沿って艦首124から3番目の帆位置)に積み込まれものとする。
P1位置(すなわち左舷側120の船101の艦首124にある第1の位置)に配置される帆ユニット102は、最初にS3位置に積み込まれ、簡単なウェビング・ループ142を使用して、第1の二重リング・マーカのところで白色ロープ130に繋がれ、このウェビング・ループは、その締め付け端部144において白色ロープ130上に縛られ、P1帆ユニット102に設けられたホーン・クリート148回りにウェビング・ループ142の自由端部146を締め付けることによってP1帆ユニット102に締め付けられる。
簡単なウェビング・ループ142の長さは、帆ユニット102がレール・システム112に沿って移動されて、船101回りの所望の位置に入ることができるように帆ユニット102の十分なあそび(すなわち移動自由度)を提供するのに十分になるように選択される。たとえば、多くの実施形態では、ウェビング・ループ142は、各帆ユニット102が船101の船尾122にあるコーナ回りを移動できるのに十分なあそびを提供する必要がある。
P1帆ユニット102が第1の二重リング・マーカのところで白色ロープ130に締め付けられた状態で、P1帆ユニット102は、右舷側118上のレール・システム112に沿って船尾122に向かって、この実施形態ではP2帆ユニット102となる次の隣接する帆ユニット102に対して所望のスペーシング距離150だけ引っ張られる。この例となる実施形態では、P1とP2の帆ユニット102との間のスペーシング距離150は16.5mであり、そのため、白色ロープ130に沿った次の二重リング・マーカは、第1の二重リング・マーカから16.5mのスペーシング距離150のところに設けられる。P1帆ユニット102は、こうして、右舷側118に沿って16.5mの距離だけ引っ張られ、それにより、P2帆ユニット102は、P1帆ユニット102から所望のスペーシング距離150のところで白色ロープ130に締め付けられ得る。
このプロセスは、左舷側帆ユニットのすべて(この例となる実施形態ではP1からP9)が、右舷側の互いから所望のスペーシング距離150のところで白色ロープ130に結合されるまで繰り返される。
左舷側帆ユニットは、次いで、これらの帆を移動構成にして(すなわち上側ブーム106および下側ブーム104を船101の側面に対して全体的に平行にして)、第1の帆ユニットがP1位置に到達するまで、キャプスタン134によって作動されるロープ・システム126を使用して船101の船尾122の周りに引っ張られる。P1からP9の帆ユニット102の各帆ユニットは、次いで、適所に下降され、これらのそれぞれの装着点200上の所定場所に以下で説明されるように締め付けられる。図示される実施形態では、P1からP9の帆ユニット102の各帆ユニットは、ウェビング・ループ142の自由端部146をホーン・クリート148から取り外し、ウェビング・ループ142の締め付け端部144を白色ロープ130から取り外すことによって白色ロープ130から解放される。
この段階において、またこの例となる実施形態では、左舷側帆ユニット102の下側ブーム104および上側ブーム106は、横帆108が船101の左舷側120に対して垂直に配向されるように90°転換されることが可能であり、これは、帆ユニット102が使用のために展開される最初の構成である。
左舷側帆ユニット102が解放された後(この例となる実施形態ではP1からP9)、連続ロープ128/130は、キャプスタン134を使用して、白色ロープ130上の二重リング・マーカが再度帆ユニット102の積み込み位置、すなわちこの例となる実施形態ではS3位置に隣接するまで船101の周りに引っ張られる。
S1位置(すなわち艦首124に最も近い右舷側118上の位置)を占有する第1の右舷帆ユニット102は、次いで、積み込み位置(すなわちこの例となる実施形態ではS3位置)に積み込まれ、第1の二重リング・マーカのところで白色ロープ130に繋がれる。S1帆ユニット102は、船101の船尾122にあるコーナをナビゲートする必要はないため、一部の実施形態では、船101の船尾122をナビゲートする必要があった左舷側帆ユニットの積み込みに使用されたものより短い簡単なウェビング・ループ142が、右舷側帆ユニットを積み込むために使用され得る。
S1帆ユニット102が白色ロープ130に繋がれると、キャプスタン134は、S1帆ユニットを所定のスペーシング距離150(すなわちこの例となる実施形態では16.5m)だけ艦首124に向かって引っ張るように作動される。第2の二重リング・マーカが積み込み位置(すなわちこの例となる実施形態ではS3位置)に到達すると、S2位置を占有する帆ユニット102が、積み込まれ、第2の二重リング・マーカのところで白色ロープ130に繋がれ、S1およびS2の両方の帆ユニット102は、艦首124に向かって移動構成で、S1帆ユニットがS1位置に到達するまで引っ張られる。S1およびS2の両方の帆ユニット102は、次いで、レール112上に下降され、以下で説明されるようにこれらのそれぞれの装着点200上に展開され、適所に係止され、S1およびS2帆ユニットは、ウェビング・ループ142を取り外すことによって白色ロープ130から引き離される。
この段階において、またこの例となる実施形態では、S1およびS2帆ユニットの下側ブーム104および上側ブーム106は、横帆108が船101の右舷側118に対して垂直に配向されるように90°転換されることが可能であり、これは、帆ユニット102が使用のために展開される最初の構成である。
キャプスタン134は、次いで、第1の二重リング・マーカを積み込み位置(すなわちこの例となる実施形態ではS3位置)まで戻すように作動される。S9からS3の残りの帆ユニット102の各々が、次いで、積み込まれ、適切なスペーシング距離150のところで白色ロープ130に繋がれ、船101の船尾122に向かって移動構成で、S3からS9の帆ユニットのすべてが適所になるまで引っ張られる。S3からS9の帆ユニット102は、次いで、下降され、係止され、解放され、これらの上側ブーム106および下側ブーム104は、横帆108が船101の右舷側118に対して垂直に配向されるように90°転換されることが可能であり、これは、帆ユニット102が使用のために展開される最初の構成である。
補助の艦首装着型帆ユニット103が使用される実施形態では、補助の艦首装着型帆ユニット103は、帆ユニット102の積み込み手順中の任意の所望の時間、たとえばレール・システム112への帆ユニット102の積み込みの前、後、またはその間に艦首に装着される。1つの例となる実施形態では、補助の艦首装着型帆ユニット103は、第1の帆ユニット102(たとえばこの説明される、例となる実施形態ではP1帆ユニット102)がレール・システム112に装着され、白色ロープ130に縛られた後、船121の艦首124に設けられた艦首クレードル上に装着される。
たとえば、船101の積み卸しなどのドックサイド操作に従事する準備のために帆ユニット102の一部またはすべてを片付けるための方法の例となる実施形態が、ここで説明される。この例となる実施形態は、帆ユニット102を船101の右舷側118から片付けることを参照して説明されるが、適切な改変形態が、帆ユニット102を左舷側120から片付けるために使用され得る。
第1の工程として、右舷側帆ユニットの上側ブーム106および下側ブーム104は、それらの展開構成、すなわち上側ブーム106および下側ブーム104が、図3に示されるように船101の側面に対して全体的に垂直に延びる配向から、移動構成に回転され、すなわち、これらが、たとえば図4の右舷側帆ユニット102に示されるように、船101の右舷側118に対して平行に延びるように転換される。
一部の実施形態では、黄色ロープ132には、図示される実施形態では6m間隔である、所定の格納スペーシング間隔154(図4)のところに(図12および13に概略的に示される)二重リング・マーカ152が提供される。黄色ロープ132には、任意の所望の数の二重リング・マーカ152が提供されて、たとえば、最後の左舷側帆ユニット102(すなわち図示される例となる実施形態ではP9帆ユニット)の最終収容位置および船101の船尾122の周りに引かれる第1の右舷側帆ユニットの最終収容位置(すなわち図示される実施形態ではS9帆ユニット)を表示することができる。一部の実施形態では、黄色ロープ132には、二重リング・マーカは提供されない。使用される正確な格納スペーシング間隔154は重要ではないが、収容構成にあるときに隣り合う帆ユニット102の構成要素を互いに衝突させることを回避するのに十分な距離でなければならない。
黄色ロープ132は、そのスプール138から取り外され、そのたるんだ端部を、たとえばキャプスタン134を含有する組立体上の適切な場所に設けられたホーン・クリート上にループがけして、船の左舷側上に延ばされる。黄色ロープ132は、次いで、船101の左舷側120を下流へその開始位置まで引っ張られ、これは、この例となる実施形態では、最後の二重リング・マーカ152からその3番目がP9帆ユニット102に隣接して位置決めされた状態である。この構成では、黄色ロープ132上の最後の二重リング・マーカ152は、S8帆ユニット102に利用可能であり、黄色ロープ132上の最後から2番目の二重リング・マーカ152は、右舷帆ユニット102が、そのデッキ片付け構成まで引き回されたときにS9帆ユニット102に利用可能である。
黄色ロープ132がその所望の開始位置に締め付けられると、黄色ロープ132内のたるみは吸い取られ、黄色ロープ132は、キャプスタン134に巻き付けられる。P9帆ユニット102は、白色ロープ130に関してこれまで説明したようにウェビング・ループ142を使用して、最後の二重リング・マーカ152から3番目のところで黄色ロープ132に繋がれる。P9帆ユニット102は、黄色ロープ132上の次の格納スペーシング間隔154(すなわちこの例となる実施形態では6m)二重リング・マーカ152がP8帆ユニット102に隣接するまで、レール・システム112に沿って引っ張られる。P8帆ユニット102は、次いで、ウェビング・ループ142を使用して黄色ロープ132に繋がれ、P8およびP9両方の帆ユニット102は、黄色ロープ132上の次の格納スペーシング間隔154(すなわちこの例となる実施形態では6m)二重リング・マーカ152がP7帆ユニット102に隣接するまで、レール・システム112に沿って引っ張られる。
このプロセスは、P9からP2までの左舷側帆ユニットのすべてが、これらの間に所望の格納スペーシング間隔154(この図示される実施形態では6m)を伴って集められるまで繰り返される。P1左舷側帆ユニット102は、P1位置に留まり、最終二重リング・マーカ152(この場合は6mの格納スペーシング間隔154を表示する)がP1帆ユニット102のホーン・クリート148と位置合わせされた状態でブレースされる。
黄色ロープ132の自由ループ端部132Aは、船のハンド・レールに沿って提供された永久ホーン・クリート上にループ掛けされ、黄色ロープ132の反対側の端部は、キャプスタン134から解放され、たるみが船のデッキ上にスプールされた状態で、P1帆ユニット102のホーン・クリート148に結ばれる。相互連結された黒色ロープ128および白色ロープ130から形成された連続ロープは、これまで説明したように船101の周囲回りに展開され、ロープは、図10および19に示されるように、P1帆ユニット102のホーン・クリート148に設けられたロープ・ガイド156を通って進められる。
(連続の黒色ロープ128および白色ロープ130の一部を形成する)白色ロープ130は、その二重リング・マーカ152が各右舷帆ユニット102に隣接して位置決めされるように位置合わせされる。右舷帆ユニット102は、これまで説明したようにウェビング・ループ142を使用して白色ロープ130に各々が繋がれる。右舷帆ユニットは、船101の船尾122の周りを進まなければならないので、各右舷帆ユニットを白色ロープ130に繋げるために使用されるウェビング・ループ142は、帆ユニット102が船尾122のコーナの周りを進むことを可能にするに十分なあそびを提供するのに十分な長さでなければならない。
右舷帆ユニット102が白色ロープ130に繋がれると、キャプスタン134は、図5に示されるように、連続する黒色ロープ128および白色ロープ130を引いて右舷帆ユニットを船101の船尾122の周りに、それらの帆を移動構成にして、S9位置からの帆ユニット102が左舷側P9位置からの帆ユニット102に近くなるまで(1つの例となる実施形態では約10m内に)移動させる。
S9帆ユニット102上の上側ブーム106および下側ブーム104は、これらがその収容構成になるように、すなわちこれらが、図5の左舷側帆ユニット102に関して示されるように、船101の側面に対して全体的に垂直に延びるように90°回転される。右舷帆ユニットは、次いで、左舷側120上の艦首124に向かって、S9ユニットが、P9ユニットから格納スペーシング間隔154(たとえば、この例となる実施形態では6m)のところにある黄色ロープ132上の二重リング・マーカ152に隣接するまで引っ張られる。S9帆ユニット102は、次いで、二重リング・マーカ152の場所のところで黄色ロープ132に繋がれる。S9帆ユニット102を黄色ロープ132に繋げるために短いウェビング・ループ142が使用され得る。S9帆ユニット102は、次いで、白色ロープ130から引き離され、プロセスは、S8帆ユニット102上の上側ブーム106および下側ブーム104を90°回して収容構成にし、S8帆ユニット102を黄色ロープ132上の(S9帆ユニットから格納スペーシング間隔154、たとえば、この例となる実施形態では6mだけ離間された)次の二重リング・マーカ152に向かって前進させ、S8帆ユニット102を黄色ロープ132に繋ぎ、S8帆ユニット102を白色ロープ130から引き離し、さらに残りの帆ユニット102に対しても同様に続けることによって、ドックサイド操作のための所望の作業領域、たとえば図5の図示される実施形態に示されるように右舷側118および船尾122から、十分な数が片付けられるまで繰り返される。
帆ユニット102を使用のためのその展開構成に戻すために、逆のプロセスが続けられる。
ロープ・システム126を使用して帆ユニット102を船101の周りで移動させるプロセスは、P1、P2、P3およびP4と標識された4つの左舷側帆ユニット102と、S1、S2、S3およびS4と標識された4つの右舷側帆ユニット102とを有し、3本の別個のロープを有するロープ・システム126を使用する仮想の船を用いて図12~16に概略的に図示される。図12に示されるように、黄色ロープ132が、船101の左舷側に沿って延ばされ、P4帆ユニットは、格納スペーシング間隔を表示する二重リング・マーカ152の1つのところでこれに繋がれる。P4帆ユニットは、次いで、その帆を収容構成にして、これがP3帆ユニットから、格納スペーシング間隔だけ離間されるまで前方に引っ張られる。P3帆ユニットは、次いで、P4帆ユニットが締め付けられるものに隣接する二重リング・マーカ152のところで黄色ロープ132に繋がれ、この対は、図13に示されるように、P3帆ユニットがP2帆ユニットから格納スペーシング間隔だけ離間するまで艦首124に向かって引っ張られる。
このプロセスは、左舷側帆ユニットのすべてが前方に引っ張られ、隣接する帆ユニット102の各対間の同じ距離であることができるが、そうである必要はない格納スペーシング間隔だけ離間されて、黄色ロープ132上の所定場所に締め付けられるまで繰り返される。黄色ロープ132の最も船尾側の端部は、任意の適切な方法で、たとえば、船101のレール上のホーン・クリート上に締め付けられ、一方で黄色ロープ132の反対側(すなわち艦首)の端部は、次いで、キャプスタン134から取り外され、所定場所に締め付けられて、左舷側帆ユニットを所定場所に締め付け、一方で黒色ロープ128および白色ロープ130は、船の周囲回りに展開され、一緒に繋がれて上記で説明したような連続ロープを作製する。
S1、S2、S3およびS4位置にある右舷側帆ユニットはすべて、図14に概略的に示されるように、スペーシング距離を表示する二重リング・マーカ152のところで白色ロープ130に、帆108をその移動構成にして(すなわち船101の側面に対して平行に配向されて)繋がれる。キャプスタン134は、右舷側帆ユニットを船101の縁に沿って、その船尾122の周りで移動させるように作動される。S4帆ユニットは、収容構成(すなわち上側ブーム106および下側ブーム104が船101の側面に対して垂直に延びる状態)に転換されて、図15に示されるようにP4帆ユニットから格納距離まで移動される。
S4帆ユニットは、次いで、図16に示されるように、所望の場合に黄色ロープ132に繋げられることが可能であり、S3帆ユニットは、所望の場合に同様の方法でS4帆ユニットから格納距離まで移動されることが可能である。このプロセスは、十分な数の右舷側帆ユニットが、右舷側118、また必要であれば船101の船尾122がドックサイド操作を実施するために片付けられるように収容位置に置かれるまで繰り返される。
代替の実施形態では、2本だけのロープ128および130を有する代替のロープ・システムが、帆ユニット102を船101の周囲回りで移動させるために使用され得る。たとえば、4個の左舷側帆ユニット102と4個の右舷側帆ユニット102とを有する仮想の船を用いて図17~18に概略的に図示されるように、上記で説明したように一緒に繋がれた黒色ロープ128および白色ロープ130を備える2本ロープ・システムが、帆ユニット102を船101の周囲回りで移動させるために使用され得る。各帆ユニットが繋げられる第3のロープを使用して帆ユニット102を所定場所に締め付けるのではなく、各帆ユニット102は、組み合わせられた黒色ロープ128および白色ロープ130をキャプスタン134を使用して作動させることによってその収容位置に移動可能であり、次いで、たとえば適切に位置決めされたクリートを使用して帆ユニット102を船のデッキまたはレールに繋げることによって、その収容位置に締め付けられ得る。
図17に示されるように、左舷側帆ユニットおよび右舷側帆ユニットの各々は、最初その展開構成にある。組み合わせられた黒色ロープ128および白色ロープ130は、上記で説明したように船101の周りに伸ばされる。P1帆ユニットは、船のレールまたは他の適切な締め付け構造に繋がれ、収容構成(すなわち、上側ブーム106および下側ブーム104が船101の側面に対して垂直に配向された状態)に置かれ、一方でP2からP4およびS1からS4の帆ユニットは、組み合わせられた黒色ロープ128および白色ロープ130に繋がれ、これらの帆は、移動構成(すなわち船101の側面に対して平行に延びる)に移動した。
キャプスタン134は、次いで、帆ユニットを船101の側面の周りで移動させるように作動され、後に続く各帆ユニットは、図18に示されるように、船101の右舷側から帆ユニットが片付けられるまで、収容構成(すなわち上側ブーム106および下側ブーム104が船101の側面に対して垂直に配向された状態)まで移動され、船101のレールに沿って適所に締め付けられる。
帆ユニット102がそれに沿って移動され得る任意の適切なレール・システムは、さまざまな実施形態において使用され得る。図20~27を参照すると、帆ユニット102を使用のための所定場所に固定するための装着点200を備えたレール・システム112の例となる実施形態が、図示される。
帆ユニット102の各々は、ベース・ユニット204に装着された帆108およびマスト110を提供する。ベース・ユニット204はすべて、一部の実施形態では、その操作のために必要とされるすべての制御装置およびモータを含む。帆ユニット102は、船101の周りの適切な場所においてレール・システム112上に配列として装着される。一部の実施形態では、ベース・ユニット204は、全体的に円筒状である、マスト110を含有するためのハウジング205を有する。
図示される実施形態では、レール・システム112は、上部レール114と底部レール116とを有する。図21に示されるように、底部レール116は、船の側面上に、船体の側面に直接装着され、溝206を有し、溝内には、各帆ユニット102のベース・ユニット204のハウジングの内側面に設けられたホイール208が受け入れられ、溝206内で移動可能である。
図22に示されるように、図示される実施形態では、上部レール114は、3本の異なるレールを有する。第1は、外部上部レール212であり、第2は、内側プロファイルレール214であり、このレールは、1回の持ち上げ作用で、ベース・ユニット204の上方向および外方向移動を推進することによって、以下で説明されるように装着点200にベース・ユニット204を締め付けるために使用される固定ペグおよびラグからベース・ユニット204を自由にして持ち上げることを可能にするレールであり、この上方向および外方向移動は、ベース・ユニット204を所定場所に締め付けるために使用されるラグを解放すると共に、ベース・ユニット204に僅かに角度を付けてこれらがレール・システム12に沿って円滑に移動することを可能にする。外部上部レール212はまた、内側プロファイルレール214と一緒になって、図23に示されるようにベース・ユニット204に設けられた単一のローラ・ボール210のためのチャネル216として作用し、それによって、溝206内の移動のためにベース・ユニット204の底部に設けられた適切なホイールと一緒になって、各ベース・ユニット204がレール・システム112上で船の周りをロールすることを可能にする。上部レール114はまた、面レール218を有し、この面レールは、レール・システム112回りの帆ユニット102の移動を干渉することを回避するための平坦な表面を提供する。帆ユニット102の移動中、ユニットは、僅かに外向きに面レール218から離れるように角度付けされ、それにより、ベース・ユニット204は円滑に摺動して通り過ぎることができる。
上部レール114のベース部分には、水を船のデッキから逃がすための複数の開口220が提供される。外部上部レール212および面レール218によって形成された上部面および側部面は、以下で説明されるように各ベース・ユニット204上の配置/固定および係止ペグを受け入れる予備用のスロットの存在を除いて、全体的に平坦な表面である。一部の実施形態では、上部レール114の内部分は、たとえば、レール装着型補助帆システム100を操作するために使用される動力およびデータ・ケーブルを受け入れることができる内部スペース202を含む。
装着点200が、帆ユニット102を展開することが望まれる船101の周囲に沿った各点に設けられる。図20を参照すると、装着点200の例となる実施形態が図示される。装着点200は、装着点200を船の船体に係止するために複数の船リブまたはフレーム部材にわたって伸び、これらに締め付けられた2本以上の水平レール222を有する。図示される実施形態では、少なくとも2本の鉛直に延びるレール224が、水平レール222に装着されるが、代替の構成が使用され得る。各鉛直に延びるレール224には、これを貫通して形成される複数のキー穴スロット226が提供され、このスロットは、図24に示されるようにベース・ユニット204のハウジングの内側面に設けられた対応するラグ228を受け入れ締め付けて、ベース・ユニット224を船の船体上に係止する。図示される実施形態のラグ228の構成は、図25にも示され、ここでは一連の6個のラグ228が提供され、3つのラグ228はベース・ユニット204の鉛直に延びる支持柱に沿って提供される。代替の装着構成が、代替の実施形態において使用され得る。
図26および27において見られ得るように、1つまたは複数のブレース230が、各ベース・ユニット204の上部および/または底部に設けられる。ブレース230には、固定され係止するペグが提供され、このペグは、上部レール114および底部レール116内に形成された対応するスロットに係合されてベース・ユニット204を所定場所にさらに締め付け、ブレース230がその締め付け構成にあるときにベース・ユニット204を横方向に安定化させることができる。
図27に示されるように、ブレース230は最初、その収容構成、すなわちレール・システム112から離れて後退されてセットされ、上部レール114および底部レール116と、ブレース230を受け入れ締め付けるための対応する場所にある上部および底部レール116に設けられた対応するスロット240を介して解放可能および係合可能である。1つの例となる実施形態では、上部ブレース230は、ホーン・クリート・ハンドルを備えた係止ペグを使用して所定場所に係止され、その一方で底部レールは、ラッチを使用して底部レール116を係合させることによって所定場所に係止され得る。所望の場合、ラッチは、たとえばラッチ解放ケーブルを使用して解放され、次いで、所定場所に固定されて、ラッチを打ち当てない最終組立を施すことができる。
帆ユニット102は、任意の適切な方法および任意の適切な場所においてレール・システム112に積み込まれ得る。1つの例となる実施形態では、図28を参照すると、帆ユニット102は、S3の位置、すなわち右舷側118の艦首124から3番目の位置において積み込まれる。2つの前部および後部のスペーサ232が、上部レール114上に締め付けられる。スペーサ232は、クレーン・オペレータが帆ユニット102をレール・システム112に装着することを視覚的に支援するために、異なる色(たとえば、この例となる実施形態では後部は青、前部は黄色)であってよい可撓性のフラッグ・マーカ234を有する。
帆ユニット102は、スペーサ232まで持って行かれ、ベース・ユニット204上の上部プレート236は、スペーサ232上のガイドと係合する。クレーンが、次いで、上部プレートがスペーサ窪みと同一平面になるまで帆ユニット102を枢動し、このユニットを(図示される実施形態では1.3°であるが、任意の所与の実施形態では、正確な角度は重要ではなく、上部レール114および底部レール116の位置決めの結果となる)鉛直に対して僅かに角度を付けてセットしながら下降させる。ローラ・ボール210は、上記で説明されたように、上部レール114と接触させられて上部レール114と係合する。
積み込みオペレータは、次いで、帆ユニット102上に、図示される実施形態ではいくらか、たとえば半分のところに設けられた前部および後部のシザー・ジャッキ238を開放して、底部ホイール208を底部レール116内の溝206内に下降させることができる。
ローラ・ボール210が上部レール114内のチャネル216上にあり、底部ホイール208が底部レール116上の溝206内にある状態で、帆ユニット102は自己支持式となり、クレーンは解放される。シザー・ジャッキ238は、ホイール208およびローラ210がユニットを支持している状態で全開にされ得る。前部スペーサ232が取り外される。ユニットが高い位置にある状態で、帆ユニット102は、レール・システム114に沿って邪魔にならないように、および/または船101回りの必要とされる位置まで、たとえば上記で説明したようなロープ・システム126を使用してロールされ得る。帆ユニット102が邪魔にならないようにして、後部スペーサ232は、適所に戻されることが可能であり、次の帆ユニット102がクレーンによって積み込まれ得る。
図29に示されるように、図示される実施形態の帆ユニット102は、帆のローラ・ブラインド設計であり、これらは、完全な上位置から完全な下位置まで1/10ずつの帆降下で縮帆するように構成される。帆108は、マスト110上で支持され、マストは、その長手方向軸回りで回転することができ、その回転経路に沿って任意の点において適所に固定され得る。一部の実施形態では、マスト110は、その長手方向軸回りを360°回転し、適所に固定され得る。
図示される実施形態では、下側ブーム104および上側ブーム106(したがって帆108)は、マスト110に沿って水平にずらされ、すなわちマスト110は、下側および上側ブーム106の水平の中心点にはなく、およそ2/5:3/5でずらされ、すなわち第1の縁から測定してブーム104、106の幅のおよそ2/5のところに位置決めされ、このとき下側ブーム104および上側ブーム106の短い方の部分は、帆ユニット102が使用されるとき、船101の中心に向かって内向きに配向されている。
図示される実施形態では、帆108は、ローラ・ブラインドであり、帆108は、図30および34Aにそれぞれ示されるように、ロッド300および315によって上側ブーム106および下側ブーム104内に捕捉されている。ロッド300は、上側ブーム106内に固定されて帆を上側ブーム106内に固定して保つ。ロッド315も同様に、帆108を下側ブーム104内に固定関係で保つ。
下側ブーム104は、その長手方向軸回りで回転可能であり、それにより、帆108が作製される布は、帆108が縮帆されるか、または下降されるときに下側ブーム104に巻き付けられ得る。これに対応して、上側ブーム106が上昇されるとき、下側ブーム104は、帆108が広げられ上昇されるときに回転される。
図示される実施形態では、下側ブーム104の回転を促すために、底部ブーム・インサート314が提供される(図34B)。底部ブーム・インサート314は、下側ブーム104に固定関係で装着され、この中に着座し、それにより、下側ブーム104および底部ブーム・インサート314は、ユニットとして回転する。底部ブーム・インサート314は、底部ブーム組立体(示さず)内の複数の支持ベアリング上に回転可能に装着されて下側ブーム104および底部ブーム・インサート314が回転することを可能にする。底部ブーム・インサート314には、一方の端部に、図示される実施形態では、底部ブーム・インサート314と一体的に形成されたボビン318が提供される。
帆108が下降されるにつれて帆108を下側ブーム104回りに巻き、帆108が上昇されるにつれて帆108を巻き出すために、ロッド300および底部ブーム・インサート314は、図31および図34Aに概略的に示されるようにプーリ301および縮帆ケーブル303のセットを介して一緒に結合される。縮帆ケーブル303は、ボビン318からマスト110の上側部分まで延び、それらの自由端部において上部ブーム・カラー310に結合される。上側ブーム106がその完全に下降した位置にあるとき、縮帆ケーブル303は、ボビン318から完全に延ばされて、マスト110の上側部分まで上り、そして上側ブーム106まで下り、それにより、ボビン318は、その周りに巻き付けられた縮帆ケーブル303の部分をほとんどまたは全く有さない。
上昇された上部ブーム・カラー310によって上側ブーム106が上方向に作動されるにつれて、帆108上に力が及ぼされ、それによって下側ブーム104を回転させて帆108を解放し、吊り上げることを可能にする。これに対応して、たるみが、上部ブーム・カラー310の上方向の移動によって縮帆ケーブル303内に導入され、ボビン318が回転するときにボビン318に巻き付けられる。図示される実施形態では、ボビン318は、テーパにされた表面320、すなわち径方向に内方向の点から径方向に外方向の点までのテーパを有する。
上側ブーム106が下降されたとき、上部ブーム・カラー310は、たとえば以下で説明されるように吊り上げケーブル428を解放することによって下降される。上部ブーム・カラー310の下降は、縮帆ケーブル303を、縮帆ケーブル303がボビン318に到達する地点で引き、それによって縮帆ケーブル303が巻き出されるようになるにつれて底部ブーム・インサート314、したがって下側ブーム404を回転させる。帆108は、下側ブーム104上の適所でロッド315に固定されて保たれており、それにより、縮帆ケーブル303の巻き出しは、帆108をこうして下側ブーム104の周りに巻き付けて戻す。下側ブーム104に巻き付けられた帆108の量が増大するにつれて、下側ブーム104および帆108の組み合わせられた厚さは増大する。一部の実施形態では、テーパにされた表面320を提供することにより、ボビン318に巻き付けられた縮帆ケーブル303の見かけ厚さが、上昇および下降プロセスを通じて、下側ブーム104および帆108の組み合わせられた厚さに類似したままであることが確実にされ、それにより、下側ブーム104および底部ブーム・インサート314は、均一かつ円滑に一緒に回転することができる。
各マストは、さまざまな固定点およびプーリを備えたマストヘッド302によってかぶせられる。マストヘッド302は、さまざまな支持ケーブルを締め付け、この支持ケーブルは、マストを帆ユニット102の構造の残りの部分に締め付け、下側ブーム104、上側ブーム106、および帆108を締め付け、作動させる。マストヘッド302はまた、制御ケーブルが船のデッキに向かって延びることも可能にする。
図示される実施形態では、マストヘッド302は、図32および33に示されるように、単一形状ビームとして一体的に形成されたマスト強化アーム304および前方スプール・アーム306を保つ。上側ブーム106は、任意の適切な方法で、たとえば部分的に上部ブーム支持ケーブルを介して、部分的に上部ブーム・カラー310を介してマスト110上の適所に保たれ、この上部ブーム・カラーは、マストに対する鉛直動作を可能にするためにマスト110に係合されるとともに、上側ブーム106に締め付けられる。一部の実施形態では、上部ブーム・カラー310は、マスト110に対する上側ブーム106の水平ずれを釣り合わせるように釣り合い錘がかけられて、帆108を吊り上げるか、または下降させるときの移動の容易さを促す。上側ブーム106は、以下でより詳細に説明されるように、任意の適切な方法、たとえば適切なケーブルおよびプーリの作用を通してマスト110を上り下りするように作動されて、帆108を吊り上げるか、または下降させることができる。
下側ブーム104も同様に、任意の適切な方法で、たとえば底部ブーム支持ケーブル312を介してマスト110上の適所に保たれる。下側ブーム104は、横方向に移動しないように、任意の適切な方法で、後部の底部ブーム支持ケーブル312などの後部および前部の底部ブーム支持ケーブルを介して締め付けられる。底部ブーム支持ケーブルの前部および後部の2つのセットが、図示される実施形態において使用されて下側ブーム104を適所に保つため、これはひっくり返らない。一部の実施形態では、底部ブーム・スプールが提供され、この底部ブーム・スプールは、下側ブーム104に対して垂直に延びて底部ブーム支持ケーブルを前方向に帆108から離れるように延ばして、帆108が底部ブーム支持ケーブルに接触するか、またはこれを擦ることを防止する。
マスト110の縮帆および角度などの操作上のパラメータは、任意の適切な方法で制御され得る。一部の実施形態では、マスト110の縮帆および角度は、ケーブル、コグ、およびウォームねじを使用して制御される。ケーブル、コグ、およびウォームねじは、中央で電子的に(たとえば中央で船101のブリッジから)、マスト110の制御ユニットのオペレータによって電子的に、および/またはマスト110の制御ユニットのオペレータによって手動の形で制御され得る。
1つの実施形態では、帆108の自動式縮帆を行うための自動式機械的安全装置が、提供される。1つの実施形態では、マスト110の自動のマスト解放を行うための自動式機械的安全装置が、提供される。一部の実施形態では、これらの自動式機械的安全装置は、過強風および/または突風による船101、マスト110、または帆108へのダメージを防止するか、または限定することができる。
1つの実施形態では、自動式機械的安全装置は、帆108の自動式縮帆機能を提供し、全体的に自動式縮帆安全特徴400と称される。自動式縮帆機能は、図38に概略的に示されるように、上部ブーム曲げ検出ケーブル402によってトリガーされる。図35および図36に概略的に示されるように、通常の操作状態中、上部ブーム106は、全体的に水平に延びる。しかし、強風事象中、すなわち所定の安全操作力より大きい力を帆108およびマスト110に及ぼす風事象中、上部ブーム106は、増大した力によって曲がり、これは、図37に誇張した形で概略的に示される。
上部ブーム曲げ検出ケーブル402の位置は、図38において、2つの位置、すなわち点線で示され、通常の風状態を反映する第1の位置404、および実線で示され、第2の位置406で概略的に図示されており、この第2の位置では、強風状態が上側ブーム106をマストに対して前方に曲げ、これによってさらに曲げ検出ケーブル402の各端部上に力を及ぼし、それによって2つの側面が合流する点と、以下で説明されるように可変レバー408を作動させるために制御パネルまで下落する曲げ検出ケーブル402の部分上とに上方向の力を及ぼす。
上部ブーム曲げ検出ケーブル402は、可変レバー408(図39)上の適切に位置決めされたプーリ、コグ、およびレバーを介して作用して、ドラム・ラッチ410を解放し、それによって上側ブーム106を解放して、上部ブーム吊り上げケーブル428がその周りに伸ばされる上側ブーム・ケーブル・ドラム422を一回転させることによって帆108を縮帆して下げる。一部の実施形態では、上部ブーム・ケーブル・ドラム422は、帆108の高さの1/10におよそ等しい円周を有して、上部ブーム曲げ検出ケーブル402がトリガーされたとき、一部の実施形態では帆108の1/10の降下、すなわち風に晒される帆108の表面積の10%の低減を生み出す。
図39および40を参照すると、自動式縮帆安全特徴400を起動させるために、上部ブーム曲げ検出ケーブル402は、各帆ユニット102の制御パネル内に設けられた慣性ドラム414まで伸ばされる(慣性ドラム414が内部で支持されるハウジングは、明確にするために図39から省略される)。上部ブーム曲げ検出ケーブル402は、一方の端部において慣性ドラム414を回転させるように連結される。慣性ドラム414は、回転式作動装置コグ416を有し、その歯は、作動レバー409を介して可変レバー408を回転させるように結合された回転式レバー・コグ418に設けられた、対応する歯に係合される。
帆108を上昇させるか、または下降させるときに受ける通常の操作状態下では、慣性ドラム414は、緩衝部材として作用し、上部ブーム曲げ検出ケーブル402によってかけられた通常の力を吸収することができ、すなわち慣性ドラム414は、特に迅速に回転せず、これに対応して回転式作動装置コグ416の歯が回っても、回転式レバー・コグ418上の歯は僅かしか回らない。作動レバー409および可変レバー408は、こうして、ドラム・ラッチ410を解放するには不十分である少量だけ回転され、このドラム・ラッチは、普通の状態では、以下で説明されるように上部ブーム・ケーブル・ドラム422の外側円周に対して付勢される。
しかし、強風事象、たとえば突風または特定の速度を上回る持続的な風が発生したとき、慣性ドラム414は、曲げ検出ケーブル402によってかけられた回転力を吸収することはできず、その結果、回転式作動装置コグ416は、可変レバー408がドラム・ラッチ410を作動させることを可能にするのに十分な程度で作動レバー409を持ち上げるのに十分な程度に回転式レバー・コグ418を回転させ、たとえば、これは、非起動位置を示す図41に対比させて起動位置で図42に示される。ドラム・ラッチ410の作動は、回転のために上部ブーム・ケーブル・ドラム422を解放する。
図示される実施形態では、作動ケーブル413は、作動レバー409を起動位置に持ち上げることによって移動可能であり、作動ケーブル413は、可変レバー408の第1の端部408A上に上方向の力を及ぼすように位置決めされる。これにより、可変レバー408は枢動点415回りを枢動し、それにより、可変レバー408の第2の端部408Bは、下方向に変位されて、第2の作動ケーブル417を介してドラム・ラッチ410上に下方向の力を及ぼす。
ドラム・ラッチ410の作動は、回転のために上部ブーム・ケーブル・ドラム422を解放し、その理由は、ドラム・ラッチ410は、普通の状態では、内方向に付勢されて上部ブーム・ケーブル・ドラム422の一部分の外側円周426に沿って提供された締め付け凹部424と係合したままであるためである。ドラム・ラッチ410は、締め付け凹部424と係合したままであるように任意の適切な方法で、たとえばドアラッチに類似する方法で内方向にばね付勢ドラム・ラッチ410を介して、内方向に付勢され得る。
可変レバー408によって作動されたとき、ドラム・ラッチ410は、締め付け凹部424から外方向に引き出される(図40に最適に見られる)。これにより、上部ブーム・ケーブル・ドラム422の外側円周426が摺動してドラム・ラッチ420を過ぎることが可能になり、それにより、上側ブーム106の降下によってかけられた力の下で吊り上げケーブル428によって上部ブーム・ケーブル・ドラム422を回転させることを可能にし、この吊り上げケーブルは、上部ブーム・ケーブル・ドラム422から上部ブーム・カラー310に延びて上部ブーム106を上昇させ、下降させる。作動レバー409の非起動位置および起動位置が、図41および42それぞれに図示される。
一部の実施形態では、吊り上げケーブル428は、上部ブーム・ケーブル・ドラム422を周り、一方の端部において上側ブーム106の上部まで、反対側の端部において上側ブーム106の底部まで伸びる閉ループとして伸ばされる。
上部ブーム曲げ検出ケーブル402によってかけられた圧力が低下すると、慣性ドラムは再度、小さい力を緩衝することができ、可変レバー408は、ドラム・ラッチ410を作動させない。ドラム・ラッチ410は、したがって、その内方向に付勢された締め付け構成に戻り、上部ブーム・ケーブル・ドラム422の外側円周426に沿って径方向に内方向に迅速に付勢される。したがって、上部ブーム・ケーブル・ドラム422が1回転すると、ドラム・ラッチ410は、締め付け凹部424と再度位置合わせされるようになり、締め付け凹部424の内側で内方向に延びて、上部ブーム・ケーブル・ドラム422を再度所定場所に締め付け、顕著な風事象が可変レバー408を再度作動させない限り、上部ブーム106がさらに降下することを防止する。
留意されるように、上記で説明したような上部ブーム・ケーブル・ドラム422の回転は、吊り上げケーブル428を解放して、上部ブーム106が下方向に移動することを可能にする。一部の実施形態では、吊り上げケーブル428がその回りに巻かれる上部ブーム・ケーブル・ドラム422の円周は、マスト110の鉛直高さのおよそ1/10に対応する。したがって、可変レバー408の起動および対応する上部ブーム・ケーブル・ドラム422の1回転の結果、上部ブーム106の高さは1/10降下し、または風に晒される帆108の表面積はおよそ10%減少する。
一部の実施形態では、自動式帆安全縮帆特徴400を使用して帆108を縮帆するプロセスは、帆108の適切な程度の縮帆に到達するまで、1回、2回、3回、またはそれ以上繰り返されてよい。
図39に見られるように、可変レバー408は、ドラム・ラッチ410を作動させるケーブル413、417に複数の異なる連結点411を提供することによって調整可能である。ドラム・ラッチ410を作動させるケーブル413、417が固定される連結点411間の距離および可変レバー408の中央の枢動点415を調整することにより、作動レバー409にドラム・ラッチ410を解放させるためにかけられなければならない力の量は、所望に応じて変えられ得る。
これもまた図39に最適に見られるように、手動解放レバー430が提供され、この手動解放レバーは、ドラム・ラッチ410を回転させて締め付け凹部424との係合から外すために使用されて、所望の場合に自動式帆安全縮帆特徴400の手動作動を可能にし、および/または上部ブーム・ケーブル・ドラム422を回転させて帆108を吊り上げケーブル428を使用して吊り上げることが望まれるとき、たとえばモータまたはハンド・クランクを使用することによってドラム・ラッチ410を締め付け凹部424から解放することを可能にすることができる。一部の実施形態では、各帆ユニット102には、たとえば手動縮帆、マスト角度の制御、および電力損失の場合のマスト・コグ504の上昇および下降のために、帆ユニット102の別の形のモータ駆動式構成要素を操作するために装着された1つまたは複数のハンド・クランクが提供される。
代替の実施形態では、上部ブーム・ケーブル・ドラム422に巻き付けられた吊り上げケーブル428を使用するのではなく、その代わりに連続チェーンが、マスト110を上り下りするように伸ばされ、上側ブーム106を上昇させ下降させるように連結され、チェーン掴みドラム(すなわち、上側ブーム106を上昇させるために上方向に、または上側ブーム106を下降させるために下方向にチェーンを巻くためにチェーンのリンク内に挿入され得る指部または突出部を備えたドラム)に巻き付けられることが可能であり、チェーン掴みドラムは、説明された実施形態における上部ブーム・ケーブル・ドラム422の代わりになることができる。チェーンはケーブルよりも伸張しにくい傾向があり得るため、そのような実施形態は、長期にわたってより信頼性高い操作を提供することができる。そのような実施形態では、チェーン掴みドラムは、自動式縮帆安全帆特徴400の操作によるものを含む、上側ブーム106を上昇させ、下降させることを可能にするために上部ブーム・ケーブル・ドラム422を回転させるための上記で説明した同じ方法で回転され得る。
1つの実施形態では、自動式機械的安全装置は、帆108を回転させて風と位置合わせすることを可能にするマスト110の自動回転的解放を提供して、帆108上の風圧力を極めて迅速に解放し、これは、全般的に自動式マスト回転解放特徴500と呼ばれる。この実施形態では、マスト強化ケーブル502は、マスト110(たとえば図43および44に示されるように)に結合される。マスト110が、図44に示されるように強すぎる風および風圧力からの偏向を受けた場合、マスト強化ケーブル502は、機械スイッチ503(図45~48)を作動させてマスト解放錘520を解放してマスト・コグ504を、普通の操作状態下でマスト110の角度設定を制御するウォームねじ506から持ち上げる(図49および51)。これにより、図53に示され通常の操作構成と対比させて図54に示されるように2/5:3/5でずらされた帆を風と並列にして回転させることを可能にして、帆108、したがってマスト110上の風圧力を即座に解放する。
図示される実施形態では、所定量の力がマスト110に及ぼされた後、マスト110を自動的に解放するために機械スイッチをトリガーするために、チェーン・テンショナおよびばねが使用される。図45および47に示されるように、普通の機械スイッチ503は、スイッチ503が作動されたときにスイッチ503によって移動されるように連結されたピン518上に作用するマスト解放錘520の重量によって、上昇位置に保たれる。スイッチ503を作動させる突出タブ508が、チェーン・テンショナの保持器510を通って上方に伸びるアイ・バー511(図46)によってマスト強化ケーブル502に連結される。突出タブ508は、通常の状態では、保持器510の内側に固定されたばね512によってスイッチ503の上部の所定場所に保たれるように付勢される。
より詳細には、突出タブ508は、第1の端部508Aを保持器510内に固定した状態で着座し、これは、その第1の端部において、保持器510内に含有されたばね512によってアイ・バー511を介して付勢される。保持器510は、チェーン・テンショナと同じように作用し、マスト強化ケーブル502および船101上の固定された点と係合され、それにより、通常の帆走操作中にマスト強化ケーブル502によって及ぼされた力は、普通の状態では、ばね512によって吸収される。
マスト110を許容の所定限界を超えて曲げ、それによって所定量の力をマスト強化ケーブル502上に及ぼす強風事象が発生するとき、保持器510上にマスト強化ケーブル502によって及ぼされた力は、保持器510内に枢動可能に装着されたばね付き係止タブ514が保持器510に完全に入るのに十分な程度にばね512を圧縮する。係止タブ514は、保持器510に入り、図46および48に示されるように突出タブ508の第1の端部508Aと係合する。係止タブ514は、こうして、所定場所に係止されるようになる。これが発生すると、突出タブ508の第2の端部508Bは、機械スイッチ503が下方向に強制され作動されるように下方向に移動する。スイッチ503の作動は、マスト解放錘520が降下するのに十分な遠さまでピン518を引き出す(図46および48)。
ばね512は、フックの法則の適用に基づいて、所定量の力が超えられると、ばねが対応する所定の線形変位を受けるように選択される。一部の実施形態では、ケーブル・テンショナとして作用するばね512および保持器510は、自動式マスト回転解放特徴500が所望の範囲の操作マージン内で働くことを確実にするように選択される。
機械スイッチ503の作動は、ピン518を引いてマスト解放錘520を解放するものであり、このマスト解放錘は、落下することによってケーブル522およびプーリ524を介してマスト・コグ505をウォームねじ506から持ち上げ、これは、図49および51に図示されるその通常の作動位置と比較した、図50および52に図示されるマスト・コグ504の上昇位置によって示される。通常操作中、ウォームねじ506の回転は、マスト・コグ504を回転させ、それによってマスト110の回転の角度を制御するために使用される。
マスト・コグ504が(普通の状態ではマスト110を回転させるために使用される)ウォームねじ506から自由になると、マスト110は自由に回転し、また帆108がずらされているため、帆108の一方側は、帆108の他方側より大きい風力を受け、それによって帆108を風に対して平行に転換し、帆108およびマスト110にかけられた風力を迅速に減少させ、これは、図53に示されるような普通の操作構成における帆108の位置と、図54に示されるような自動式マスト回転解放特徴500が起動された後の位置との相違によって示される。
図示される実施形態を含む一部の実施形態では、自動式マスト回転解放特徴500がトリガーされたとき、自動式マスト回転解放特徴500は、自動式縮帆安全特徴400を自動的にトリガーして帆108を完全に縮帆する。図51および52に最適に見られるように、自動式マスト回転解放特徴500は、スイッチ503が作動されたときに引かれるケーブル516を含む。ケーブル516は、スイッチ503(図45~48)および可変レバー408の第1の端部408Aに結合され、それにより、スイッチ503がマスト強化ケーブル502によって作動されたとき、ケーブル516は引かれ、可変レバー408を不可逆的に起動させて、ドラム・ラッチ410を解放する。スイッチ503はその操作構成のままであるためにケーブル516は張力下にあるままであるので、ドラム・ラッチ410は締め付け凹部424と再係合できず、上部ブーム・ケーブル・ドラム422は、帆108が完全に縮帆されるまで自由に転換し続ける。この実施形態は、マスト回転解放特徴500が強風事象によってトリガーされた場合に風に晒される帆領域をゼロに完全に低減することによって、帆108およびマスト110に追加の保護を提供する。一部の実施形態では、上部ブーム・ケーブル・ドラム422が自由に回転するとき、上側ブーム106は勢いよく落下し得るため、摩擦ストラップ526(図47)が、上部ブーム・ケーブル・ドラム422の背面のボブ528に巻き付けられることが可能であり、これは、マスト解放錘520が落下するときに上側ブーム106の下落を遅らさせるように締結する。
一部の実施形態では、適切なシールディングおよび耐候性が、帆ユニット102の構成要素(たとえば制御パネル上のケーブルおよびレバー)が海の天候状態に晒されることによってダメージを受けることを防止するために提供され得る。
上記で説明したように使用されるときの補助帆システム100の機能は、船101のエンジンを支援し、燃料を節減することである。したがって、帆システム100の操作のマージンは、マスト故障または船の転覆の限界内に十分入っており、それによって開発の始まりから試験を経て販売までのリードタイムを短縮することができる。
帆ユニット102はまた、船101を任意の通常の船として使用することを可能にするように任意の適切な方法で調整され得る。たとえば、図55は、帆ユニット102が船101の艦首124および船尾122に移動されている帆ユニット102の構成を図示し、ここでは上側ブーム106および下側ブーム104は、垂直構成に置かれており、それにより、船101の両側は、片付けられ、船101はパナマ運河またはスエズ運河などの狭いスペースを抜けて進むことができる。一部の代替の実施形態では、上側ブーム106および下側ブーム104は、デッキまで低くされるか、または保管カートに積み込まれ得る。
帆システム100のさまざまな部分の保全作業は、船101が航路上にあるときに行われ得る。帆システム100は補助の帆システムにすぎないため、船101の進行には重要ではなく、これは、穏やかな天候または港に合わせて補修が計画されることが可能であり、すぐに完了する必要はないことを意味する。船101は、一部またはすべての帆ユニット102が故障する場合でも、依然としてその航海を場合によってはよりゆっくりと続けることができる。
補助帆システム100のさまざまな構成要素を作製するための適切な材料は、当業者によって選択され得る。たとえば、一部の実施形態では、マスト110ならびに下側ブーム104および上側ブーム106は、アルミニウムから作製され得る。そのような実施形態では、アルミニウム/鋼の化学反応を回避するために、樹脂バリアが使用され得る。アルミニウム/鋼の化学反応を回避するための代替の実施形態では、たとえばマスト110ならびに下側ブーム104および上側ブーム106にオールスチールを使用する帆システム100の設計が、使用され得る。一部のそのような実施形態では、マストおよびブームは、クレーンおよび放送パイロンに使用されるものなどの三角形のオープン・フレームとなる。代替の実施形態では、またより持続可能な材料として、一部の実施形態では、マスト110および/または下側ブーム104および上側ブーム106は、木材、たとえば有効長さで生み出され得るラミネート加工された(laminated)ベイトウヒから作製され得る。
補助帆システム100のさまざまな構成要素の構築および連結は、当業者の予想される知識内にある。1つの例となる実施形態では、ケーブル固定点は、一次係止プレート、二次係止プレート、および「R」クリップを使用するチェーン・リンク・トラップによって、それらの使用点に締め付けるように作製され、それによって艤装/脱艤装を、工具を使用せずに2人ほどの数人によって手動で行うことを可能にする。しかし、任意の適切な係合機構が、代替の実施形態において使用され得る。
レール装着型補助帆システム100の例となる実施形態が、本明細書において説明される自動式機械的安全装置の例となる実施形態を併用して説明されてきたが、代替の実施形態では、適切な帆ユニットを船に固着するために、他の装着システムが使用され得る。たとえば、一部の実施形態では、マストは、固定された点に装着されることが可能であり、脱艤装システムが、たとえば、港における貨物の積み卸しを可能にするために、帆ユニットを邪魔にならないように移動させるために提供され得る。一部の実施形態では、マストは、レール・システムに装着され、これに対して移動可能であることができ、モータは、各帆ユニットをレール・システムに沿って移動させるために提供され得る。
さらに別の代替の実施形態では、「カーテンレール」装着システムが使用可能であり、固定されたケーブルが、船の周りを延びることができ、これは、帆ユニットをレール・システムに沿って移動させるために使用可能である。一部のそのような実施形態では、固定されたケーブルは、電動キャプスタンを使用して移動されることが可能であり、帆ユニットは、ケーブルの移動が帆ユニットをレール・システムに沿って引っ張ることになるように任意の適切な方法で固定されたケーブルに繋がれ得る。
さらに別の実施形態では、「ポケット」装着システムが、帆ユニット102の一部を締め付けるために使用可能であり、このシステムでは、マストはポケット内に締め付けられ、ポケットはさらに船の側面に締め付けられる。
いくつかの例示的な態様および実施形態が上記で論じられてきたが、当業者は、特定の改変形態、置換、追加、およびそれらの副組み合わせを認識するであろう。したがって、後続の付属の特許請求の範囲およびこれ以後導入される特許請求の範囲は、すべてのそのような改変形態、置換、追加、および副組み合わせを、本明細書全体としての最も広い解釈に一致するように含むように解釈されることが意図される。