JP7269773B2 - 土壌保護シート、土壌保護法、及び防草材 - Google Patents

土壌保護シート、土壌保護法、及び防草材 Download PDF

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Description

本発明は、土壌保護シート、土壌保護法、及び防草材に関する。
これまで土壌保護法について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、アスファルト層を備える防草シートを地表面に設置する方法が記載されている(特許文献1の請求項1、段落0001など)。
カルシウムアルミネート及び骨材を含有してなる防草材が記載されている(特許文献2の請求項1、請求項4など)。
特開2009-138486号公報 WO2017/029883号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のシートにおいて、遮熱性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、アスファルトやセメントなどの、地面を施工するために一般的に使用される材料を用いた土壌保護シートには、シートの表面温度が土壌よりも高くなる傾向があるため、遮熱性が不十分であることが判明した。
上記特許文献2には、着色剤についての記載がない。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、カルシウムアルミネート、及び石膏に着色剤を併用した粉末状水硬性材料を用い、これをシート状の不織布中に適切に分散させた土壌保護シートを使用することで、シートの表面温度を土壌よりも低くできるため、遮熱性が良好な土壌保護シートを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
シート状の不織布と、前記シート状の不織布中に分散された粉末状水硬性材料とを備える、土壌保護シートであって、
前記粉末状水硬性材料が、
カルシウムアルミネートと、
石膏と、
着色剤と、を含有する、
土壌保護シートが提供される。
また本発明によれば、
上記の土壌保護シートを土壌に設置する工程と、
前記土壌保護シートに散水することにより前記粉末状水硬性材料を硬化する工程と、を含む、
土壌保護法が提供される。
また本発明によれば、
カルシウムアルミネートと、
石膏と、
着色剤と、を含有する、
防草材が提供される。
本発明によれば、遮熱性に優れた土壌保護シート、それを用いた土壌保護法、及び防草材が提供される。
本実施形態の土壌保護シートの概要について説明する。
本実施形態の土壌保護シートは、シート状の不織布と、シート状の不織布中に分散された粉末状水硬性材料と、を備えるものである。土壌保護シート中の粉末状水硬性材料は、カルシウムアルミネートと、石膏と、着色剤と、を含有する。
本発明者の知見によれば、カルシウムアルミネートと石膏を含む粉末状水硬性材料に着色剤を加え、この粉末材料をシート状の不織布に適切に分散させることで、着色剤を含む土壌保護シートを土壌に設置したとき、そのシート表面における温度上昇を周囲の土壌よりも低く抑えられることが判明した。
詳細なメカニズムは定かではないが、他の粉末状水硬性材料とともに着色剤が不織布中に適切に分散されているため、シート状の不織布の表面や内部において、近赤外線領域の光などといった光の吸収を適度に抑制でき、シート表面における温度上昇を抑制できる、と考えられる。
土壌保護シートは、シートの表面から水を散布すると、数分で土壌保護シートを硬化できるため、簡便に土壌表面に設置できる。土壌保護シートを水で硬化したシートは、優れた遮熱性を発揮できる。また、蓄熱性が抑制されており、着色剤を含まないものと比較して、温度上昇が抑制され、高温状態が保持されにくくなる。
また、適切な着色剤を選択することで、土壌の地面における色味と同系統の色味となるような土壌保護シートを実現できる。これにより、周囲の土壌に溶け込むような土壌保護シートを使用することで、土壌設置時に美観が損なわれることを防止できる。
また、土壌保護シートは、水により硬化され、雑草の生長を阻止できる十分な強度を発現できる。このため、土壌保護シートは、防草シートに好適に用いることができる。
本実施形態の土壌保護シートの各構成について詳述する。
本実施形態の土壌保護シートは、シート状の不織布と、シート状の不織布中に分散された粉末状水硬性材料と、を備える。
シート状の不織布は、1本ごとに、独立に分散された繊維が、接着剤や熱による接着、あるいは機械的な絡合によって形成された3次元の繊維集合体である。3次元の繊維集合体は、内部に空隙を多く含む構造的特徴を有する。
シート状の不織布としては、空隙に粉末状水硬性材料を取り込むことを考慮すると、綿製、樹脂製からなる群の1種以上からなるシートが好ましく、樹脂製からなるシートがより好ましい。樹脂としては、合成樹脂が好ましい。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群の1種以上が好ましい。
不織布は、有機繊維で構成されてもよい。有機繊維として、例えば、アラミド系繊維、セルロース系繊維、ナイロン系繊維、ビニロン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、レーヨン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ乳酸系繊維や、木綿や麻などの植物系繊維、羊毛や絹などの動物系繊維などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、ポリエステル系繊維や生分解性のあるセルロース系繊維や植物系繊維を使用してもよい。
シート状の不織布の目付け量は、例えば、10g/m~1000g/mが好ましく、30g/m~500g/mがより好ましい。
シート状の不織布の目付け量の下限を上記下限値以上とすることで、不織布内に分散された粉末状水硬性材料を固定化しやすくなる。シート状の不織布の目付け量の上限を上記上限値以下とすることで、粉末状水硬性材料を不織布内に十分に分散させられる。
本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
シート状の不織布の厚みは、例えば、1mm~20mmが好ましく、3mm~10mmがより好ましい。シート状の不織布の厚みを、土壌保護シートの厚みとしてよい。
シート状の不織布の厚みの下限を上記下限値以上とすることで、雑草の発芽を抑制できる。シート状の不織布の厚みの上限を上記上限値以下とすることで、粉末状水硬性材料を分散したシート自体を軽量化でき、かかるシートの作業性を高められる。
粉末状水硬性材料は、カルシウムアルミネートと、石膏と、着色剤とを含む。
カルシウムアルミネートは、CaOとAlとを主成分とする水和活性を有する、粉末状のカルシウムアルミネートである。このカルシウムアルミネートは、カルシウム原料とアルミナ原料などを混合して、キルン内で焼成し、あるいは、電気炉内で溶融して、冷却することにより得られる。
カルシウムアルミネートのCaOとAlとのモル比は、1.0~3.5が好ましく、1.3~3.0がより好ましく、1.5~2.5が最も好ましい。これにより、硬化後のシートにおける初期強度を十分なものとすることができる。
カルシウムアルミネートは、硬化性や強度発現性の点で、溶融後に急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。
カルシウムアルミネートのCaOやAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩などと置換した化合物を使用してもよく、あるいは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが少量固溶した化合物を使用してもよい。
カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の面で、例えば、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。ガラス化率を70%以上にすると、水により硬化した場合、シートにおける初期強度を向上できる。
ガラス化率χは、次の式を用いて算出することが好ましい。
ガラス化率χ(%)=100×(1-S/S
上記式中、S及びSは、次のようにして測定できる。
まず、ガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1~10℃/分の冷却速度で徐冷する。そして、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求める。
カルシウムアルミネートの比表面積について、例えば、ブレーン比表面積3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。これにより、シートの初期強度を高められる。
石膏として、半水石膏と無水石膏を使用してもよい。強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏として、粉末状の石膏を使用できる。
石膏の比表面積について、例えば、ブレーン比表面積で3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上が好ましい。これにより、シートの初期強度を高められる。
石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、20質量部~300質量部が好ましく、50質量部~150質量部がより好ましい。石膏の使用量の下限を上記下限値以上とすることで、シートの長期強度が発現され、適当な作業時間を確保することができる。石膏の使用量の上限を上記上限値以下とすることで、シートの初期強度を高められる。
着色剤は、可視領域で吸収を示す粉末状の着色剤が用いられる。この着色剤は、近赤外線領域の光を反射するものでもよい。
着色剤は、黒色顔料、黄色顔料、茶色顔料、赤色顔料、青色顔料、及び緑色顔料、白色顔料などの着色顔料を使用してもよい。この中でも、着色剤は、茶色顔料、緑色顔料、及び赤色顔料からなる群から選ばれる1種以上を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これにより、土壌の美観を維持できる土壌保護シートを実現できる。
着色剤の使用量は、カルシウムアルミネートと石膏と必要に応じて使用する骨材の合計100質量部に対して、0.001質量部~10質量部が好ましく、0.01質量部~3質量部がより好ましく、0.1質量部~0.5質量部が最も好ましい。着色剤の使用量の下限を上記下限値以上とすることで、土壌の表面温度の上昇を抑制する遮熱効果を示すとともに、設置場所の美観を保持できる。着色剤の使用量の上限を上記上限値以下とすることで、シートの初期強度を高められる。
着色顔料として、無機材料で構成される無機顔料を使用してもよい。例えば、無機赤色顔料として、酸化鉄を含む顔料を使用してもよい。
着色剤の累積体積50%の粒子径をD1としたとき、D1は、例えば、0.1μm以上5μm以下、好ましくは0.2μm以上3μm以下、より好ましくは0.3μm以上2μm以下である。
D1の上限を上記上限値以下とすることで、粉末状水硬性材料中で他の粉末材料と適度に混ざり合い易くなるため、シート状の不織布中の表面や内部に、より均一に分散した状態で着色剤を配置させることができる。
カルシウムアルミネートの累積体積50%の粒子径をD2としたとき、D1/D2は、例えば、0.01~0.9、好ましくは0.03~0.5、より好ましくは0.05~0.3である。D1/D2の上限を上記上限値以下とすることで、比較的大きな粒子であるカルシウムアルミネートの粉末の間に、比較的小さな着色剤を適切に充填できる。
石膏の累積体積50%の粒子径をD3としたとき、D1/D3は、例えば、0.01~0.9、好ましくは0.03~0.5、より好ましくは0.05~0.3である。D1/D3の上限を上記上限値以下とすることで、比較的大きな粒子である石膏の粉末の間に、比較的小さな着色剤を適切に充填することが可能になる。
粉末状水硬性材料は、骨材を含んでもよい。骨材としては、細骨材が好ましい。細骨材とは、ひび割れ抵抗性を向上する目的で使用し、特に限定するものではなく一般に市販されているものが使用できる。例えば、珪砂、スラグ系骨材、焼成工程を得て中空や多孔質状となった軽量骨材、石灰砂などが挙げられ、乾燥したものが好ましい。
この中でも、市販されている天然の石灰岩や石灰石由来の骨材やケイ酸質由来の骨材などが使用できる。また、軽量化を目的として骨材の最大粒子径は、5.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、1.2mm以下が最も好ましい。充填性を高める観点から、最大粒子径が異なる2種以上の骨材を使用してもよい。
骨材の使用量は、カルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対して、100質量部~100質量部が好ましく200質量部~800質量部がより好ましく、300質量部~500質量部が最も好ましい。骨材の使用量の下限を上記下限値以上とすることで、ひび割れ抵抗性を向上できる。骨材の使用量の上限を上記上限値以下とすることで、シートの初期強度を高められる。
本実施形態の土壌保護シートの製造方法は、粉末状水硬性材料をシート状の不織布内に分散するものであれば特に限定するものではない。
製造方法の一つとしては、まず、ニードルパンチ方式でシート状の不織布を製造する。製造した不織布シートを振動機の上に載せ、振動させながら粉末状水硬性材料をシートの表面に均一になるように加える。振動によって不織布シート内の空隙に粉末状水硬性材料を分散させる。以上により、土壌保護シートが得られる。
土壌保護シートには、粉末状水硬性材料が飛散しないように、不織布シートの片面には、プラスチック製、又は紙製の飛散防止シート(はく離シート)が貼り付けられていてもよい。
飛散防止シートは、透水係数1.0×10-3cm/sec以上の透水性を有するシートを使用してもよい。
土壌保護シートは、枚葉状でもよく、巻き取り可能なロール状でもよい。
土壌保護シートは、使用するまで、プラスチック製の袋に梱包して保管してもよい。
本実施形態の防草材は、カルシウムアルミネートと、石膏と、着色剤と、を含有する粉末状水硬性材料である。これらの成分や配合比率は、土壌保護シートで例示したものを使用してもよい。防草材は、シート以外の形状に成形できるため、様々な設置場所への適用が可能である。また、土壌保護シートの補修に利用してもよい。
本実施形態の土壌保護法は、土壌保護シートを土壌に設置する工程と、土壌保護シートに散水することにより粉末状水硬性材料を硬化する工程と、を含むものである。
飛散防止シートを片面に有する土壌保護シートを用いる場合、飛散防止シートを地面側となるように、除草後の地面に土壌保護シートを設置する。そして、土壌保護シートの表面に対して、水又は水性ポリマーエマルジョン液を散布し、土壌保護シートを硬化させてもよい。硬化することにより、道路、鉄道、公園、河川などの周辺地面、施設敷地、農地などの土壌を保護できる。
土壌保護シートの固定は、特に限定するものではないが、たとえば、土壌保護シートを介してピンを打ち込で土壌に固定してもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用できる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
1. シート状の不織布と、前記シート状の不織布中に分散された粉末状水硬性材料とを備える、土壌保護シートであって、
前記粉末状水硬性材料が、
カルシウムアルミネートと、
石膏と、
着色剤と、を含有する、
土壌保護シート。
2. 1.に記載の土壌保護シートであって、
前記着色剤の累積体積50%の粒子径をD1としたとき、
D1が、0.1μm以上5μm以下である、土壌保護シート。
3. 2.に記載の土壌保護シートであって、
前記カルシウムアルミネートの累積体積50%の粒子径をD2としたとき、
D1/D2が、0.01以上0.9以下である、土壌保護シート。
4. 2.又は3.に記載の土壌保護シートであって、
前記石膏の累積体積50%の粒子径をD3としたとき、
D1/D3が、0.01以上0.9以下である、土壌保護シート。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の土壌保護シートであって、
前記着色剤が、茶色顔料、緑色顔料、及び赤色顔料からなる群から選ばれる1種以上を含む、
土壌保護シート。
6. 5.に記載の土壌保護シートであって、
前記赤色顔料が、酸化鉄を含む、土壌保護シート。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の土壌保護シートであって、
前記粉末状水硬性材料が、骨材を含む、土壌保護シート。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の土壌保護シートであって、
前記不織布の厚みが1mm以上20mm以下である、土壌保護シート。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の土壌保護シートであって、
防草シートに用いられる、土壌保護シート。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載の土壌保護シートであって、
前記カルシウムアルミネートのCaOとAl とのモル比が、1.0以上3.5以下である、土壌保護シート。
11. 1.~10.のいずれか一つに記載の土壌保護シートを土壌に設置する工程と、
前記土壌保護シートに散水することにより前記粉末状水硬性材料を硬化する工程と、を含む、
土壌保護法。
12. カルシウムアルミネートと、
石膏と、
着色剤と、を含有する、
防草材。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<粉末状水硬性材料の調製>
・カルシウムアルミネート100質量部
・石膏100質量部
・カルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対して、骨材400質量部
・カルシウムアルミネートと石膏と骨材の合計100質量部に対して、着色剤0.5質量部
以上の配合比率で、カルシウムアルミネート、石膏、骨材、及び着色剤を混合して、粉末状水硬性材料aを得た。
<使用材料>
・カルシウムアルミネート(12CaO・7Alに対応する熱処理物を急冷したもの、非晶質、ガラス化率:97%、ブレーン比表面積:5,800cm/g、CaO/Alモル比:1.8、D50:7.3μm)
・石膏(天然無水石膏、ブレーン比表面積:5,000cm/g、D50:6.6μm)
・着色剤(トダカラー750、酸化鉄系、戸田工業株式会社製、D50:0.7μm)
・骨材(細骨材、新潟県糸魚川産石灰砂乾燥品、最大粒子径:1.2mm以下)
(測定方法)
・粒子径(D50):カルシウムアルミネート、石膏、着色剤の粒子径は、堀場レーザー粒度分布計LA-95を用いて測定した。D50は、累積体積50%の粒子径を示す。
・ブレーン比表面積:JISR 5201に準じて測定した。
・骨材の最大粒子径:JIS A 1102に準じて骨材のふるい分けを行い、完全通過しない一番大きなふるい目の寸法を最大粒子径とした。
<土壌保護シートの作製>
目付け量150g/m、厚さ5mmの綿製の不織布シート(横20cm×縦20cm)をニードルパンチ方式で作製した。
作製した不織布シートをテーブル状振動機にセットし、得られた粉末状水硬性材料a3kgをシート上に均一になるように加え、1分間振動させて不織布内に分散させた。
表面に残存する余分な材料は除き、粉末状水硬性材料aを含む不織布シート(土壌保護シートa)を得た。
<使用材料>
・不織布シート:ポリプロピレン製
(比較例1)
着色剤を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、粉末状水硬性材料bを得た。得られた粉末状水硬性材料bを用いて、実施例1と同様にして、粉末状水硬性材料bを含む不織布シート(土壌保護シートb)を得た。
得られた土壌保護シートについて、以下の評価項目に基づいて評価を行った。
(試験方法)
実施例1、比較例1で得られた土壌保護シートを、除草した土壌の地面に敷き、シート表面から水(水道水)2.0kg/mを、ジョウロを用いて散水し、土壌保護シートを硬化させた。
なお、比較のために市販されているアスファルトとセメントを用いて同様のシートを作成した。
<表面温度>
硬化させた土壌保護シートを試験圃場(圃場サイズ:縦約15m×横約40m)に6時に設置して、日中(8時~17時まで)のシートの表面温度を測定した。
下記の表面温度の測定には、赤外線放射温度計FLUKE62MAX(FLUKE社製)を使用した。
各表面の表面温度の測定結果を表1に示す。
表1の測定対象の説明を以下に記す。
<測定対象>
・硬化させた土壌保護シートa(粉末状水硬性材料aを不織布内に分散させた土壌保護シートa、表1の「粉末状水硬性材料a」に相当)
・硬化させた土壌保護シートb(粉末状水硬性材料bを不織布内に分散させた土壌保護シートb、表1の「粉末状水硬性材料b」に相当)
・硬化させたアスファルト(アスファルトを不織布内に分散させた土壌保護シート、表1の「アスファルト」に相当)
・硬化させたセメント(セメントを不織布内に分散させた土壌保護シート、表1の「セメント」に相当)
Figure 0007269773000001
実施例1の土壌保護シートaは、土壌や比較例1の土壌保護シートbよりも、日中(8時~17時)のいずれの表面温度や、日中の最大表面温度も低い値を示した。12時~13時にかけて土壌の表面温度が急激に低下する温度変化に応じて、実施例1の土壌保護シートaは、比較例1の土壌保護シートbよりも、急速に温度が低下する、表面温度のプロファイルを示した。
<美観>
実施例1の土壌保護シートaは、比較例1の土壌保護シートbよりも、土壌の地表面における赤土色に近い色味を示した。周囲の土壌に視覚的に溶け込むため、実施例1の土壌保護シートaを用いることによって、設置場所の美観を維持できることが分かった。また、使用する着色剤の選択と配合により施工する環境に合わせた配色設計が可能である。
<防草試験>
実施例1の土壌保護シートaについて、別に用意した裸地試験圃場で防草試験を実施した。
メヒシバの種子0.1g、ツユクサの種子0.5g及びオオバコの種子0.1gを川砂100gと良く混合し、試験用のシードベッド(播床)を調製した。このシードベッドを1mあたり10g均一にまいた。その後、実施例1の土壌保護シートaを上記の施工方法と同様に施工した。
設置1週間後、1か月後の観察では実施例1の土壌保護シートを設置した場所では、メヒシバ、ツユクサ、オオバコの叢生は確認できなかった。実施例1の土壌保護シートを設置していない場所では、上記の植物が繁茂した。
以上より、播種した種子の異常ではなく、実施例1の土壌保護シートによる防草効果だと考えられる。
実施例1の土壌保護シートaは、比較例1の土壌保護シートbと比べて、土壌の表面温度の上昇を抑制する遮熱効果を示すとともに、設置場所の美観を保持できることが分かった。また、実施例1の土壌保護シートaは、防草効果もあるため、防草シートに好適に用いることができる。
また、実施例1の粉末状水硬性材料aは防草材として使用できる。

Claims (9)

  1. シート状の不織布と、前記シート状の不織布中に分散された粉末状水硬性材料とを備える、土壌保護シートであって、
    前記粉末状水硬性材料が、
    カルシウムアルミネートと、
    石膏と、
    近赤外線領域の光を反射する着色剤と、を含有
    前記着色剤、前記カルシウムアルミネート、前記石膏の累積体積50%の粒子径を、それぞれ、D1、D2、D3としたとき、
    D1が、0.1μm以上5μm以下、
    D1/D2が、0.01以上0.9以下、および
    D1/D3が、0.01以上0.9以下である、
    土壌保護シート。
  2. 請求項1に記載の土壌保護シートであって、
    前記着色剤が、茶色顔料、緑色顔料、及び赤色顔料からなる群から選ばれる1種以上を含む、
    土壌保護シート。
  3. 請求項に記載の土壌保護シートであって、
    前記赤色顔料が、酸化鉄を含む、土壌保護シート。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載の土壌保護シートであって、
    前記粉末状水硬性材料が、骨材を含む、土壌保護シート。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の土壌保護シートであって、
    前記不織布の厚みが1mm以上20mm以下である、土壌保護シート。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の土壌保護シートであって、
    防草シートに用いられる、土壌保護シート。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の土壌保護シートであって、
    前記カルシウムアルミネートのCaOとAlとのモル比が、1.0以上3.5以下である、土壌保護シート。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の土壌保護シートを土壌に設置する工程と、
    前記土壌保護シートに散水することにより前記粉末状水硬性材料を硬化する工程と、を含む、
    土壌保護法。
  9. カルシウムアルミネートと、
    石膏と、
    近赤外線領域の光を反射する着色剤と、を含有
    前記着色剤、前記カルシウムアルミネート、前記石膏の累積体積50%の粒子径を、それぞれ、D1、D2、D3としたとき、
    D1が、0.1μm以上5μm以下、
    D1/D2が、0.01以上0.9以下、および
    D1/D3が、0.01以上0.9以下である、
    防草材。
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