本発明は、アミスルピリドエナンチオマーの不均等混合物を含む医薬組成物、アミスルピリドエナンチオマーの不均等混合物を含む障害の処置のための医薬、アミスルピリドエナンチオマーの不均等混合物を含む医薬組成物で対象体において障害を処置する方法、アミスルピリドエナンチオマーの不均等混合物を含む医薬組成物で対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法に関する。
種々の態様において、本発明の医薬および方法が処置する障害は、精神障害;気分障害;うつ病性障害;大うつ病性障害の補助的治療として;双極性障害;双極性うつ病;統合失調症;統合失調症の陰性症状;治療抵抗性うつ病(TRD);統合失調感情障害;不安障害;強迫性障害;神経認知障害に関連する行動異常;行為障害;神経障害;薬物誘発性運動障害;および運動障害の1つ以上を含む。
アミスルピリドは、1つの不斉中心を有し、そのため、2つのエナンチオマー形態が存在する:R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド((R)-(+)-4-アミノ-N-[(1-エチルピロリジン-2-イル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドとも称され、IUPAC名は4-アミノ-5-(エタンスルホニル)-N-{[(2R)-1-エチルピロリジン-2-イル]メチル}-2-メトキシベンズアミドである)(本明細書において(R)-(+)-アミスルピリドまたは(R)-アミスルピリドと省略される);およびS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド((S)-(-)-4-アミノ-N-[(1-エチルピロリジン-2-イル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドとも称され、IUPAC名は、4-アミノ-5-(エタンスルホニル)-N-{[(2S)-1-エチルピロリジン-2-イル]メチル}-2-メトキシベンズアミドである)(本明細書において(S)-(-)-アミスルピリドまたは(S)-アミスルピリドと省略される)。これら2つのエナンチオマー形態は、下記化学構造を有する:
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド、
(R)-アミスルピリド
S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド、
(S)-アミスルピリド
ドーパミンD2関連副作用は、臨床経験からよく知られており、占有率が80%の閾値を超えるとき錐体外路副作用の発生率が増加することが観察されており、錐体外路副作用は約70~75%の占有率でも生じることが研究は示している(G. Grunder, et al., Nature, 8, 198-202, (2009);Nyberg, et al., Am. J. Psychiatry, 156, 873-875 (1999);Farde, et al. Arch. Gen. Psychiatry, 49, 538-544 (1992))。しかしながら、極めて高いD2/3 受容体占有率は、統合失調症の陽性症状に対する効果に関連しているだけでなく、一般的に必要とされており、ドーパミン受容体アンタゴニストの抗精神病効果は、60~80%の線条体D2/3受容体占有率の治療ウィンドウで生じると考えられる(G. Grunder, et al., Nature, 8, 198-202, (2009))。
ドーパミンD2関連副作用もまた、ラセミのアミスルピリドでの臨床経験からよく知られており、錐体外路症状(EPS)、遅発性ジスキネジア(TD)およびアカシジアが挙げられる(C. Coulouvrat et al., International Clinical Psychopharmacology, Vol 14, No. 4, 209-218 (1999))。一般的に約67%を超えるD2占有率は、用量の関数として臨床利益に寄与する基本的な5-HT7薬力学の能力を制限する副作用をもたらすことが分かった
(Farde, et al. Arch. Gen. Psychiatry, 49, 538-544 (1992))。D2占有率の影響は、年齢に関連しており、EPS事象は、約60%の占有率のアルツハイマーの高齢患者で認められ;臨床的に有意義な反応は、43%の占有率にて見られた(Reeves et al., Brain,140, 1117-1127)。同様の結果が、一般的に高齢患者でも得られた(Uchida et al., The American J. of Geriatic Pyschiatry, 22 (1) 1007-1016)。
選択的セロトニン5-HT7アンタゴニストは、げっ歯類およびヒトにおいて急速眼球運動(REM)睡眠を調節することが知られている(Bonaventure et al, 2012)。一般的に、REM抑制は、ヒトの用量の選択に適したセロトニン作動性抗うつ薬様活性の並進バイオマーカーであると理解されている。5-HT7受容体は、様々な薬理学的ツール(受容体特異的アゴニストおよびアンタゴニスト)およびノックアウトモデルの使用により、睡眠の中枢制御ならびに概日リズム、気分および認知に関連することが示されている。これらの同じ3つのドメインは、しばしば、大うつ病性障害および双極性障害などの気分障害ならびに精神病性障害において極めて障害されている。
いくつかの実験の過程において、本発明者らは、利益が、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い不均等混合物から得ることができることを予想外にも発見した。(R)-(+)-アミスルピリドのセロトニン活性が抗うつ作用を有することを発見した。アミスルピリドエナンチオマーは、ドーパミンD2とセロトニン5-HT7受容体間で異なる立体選択性を有し、それ故にアミスルピリドエナンチオマー混合物の相対効力を変化させ、ドーパミンD2受容体の効力と比較してセロトニン5-HT7の効力を増加させることができ、エナンチオマーの1つ以上に関連する望ましくない副作用を減少させながら、同時に効果的な組成物、処置方法、受容体阻害方法および医薬を提供できることもまた発見した。
特定の(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い不均等混合物は、D2遮断の抗不安薬および抗精神病薬の利益を維持し、同時にドーパミン関連錐体外路副作用を減少させながら、気分および認知症状をより効果的に標的にするために、(S)-アミスルピリドにより提供されるD2遮断に対して(R)-アミスルピリドにより提供される5-HT7拮抗作用の割合を増加さることにより、気分障害、精神障害および/または気分/精神病混合性障害を処置するアプローチを提供し得ることを発見した。
本発明者らは、R-エナンチオマーが、セロトニン5-HT7受容体に対して極めて立体選択的であり、それ故に、アミスルピリドで見られる5-HT7拮抗作用は、R-エナンチオマーにほぼ独占的に起因し得ることを示している。また、本発明者らは、ラットにおいて前臨床睡眠ポリグラフ(PSG)試験を実施し、これは、R-アミスルピリドによるREM抑制を示し、選択的5-HT7アンタゴニストについて報告された効果と一致している。また、本発明者らは、ヒト試験のおける他の5-HT7選択的アンタゴニストで観察されたものと同様に、R-アミスルピリドが、臨床的に有意義で、統計的に有意な、REM睡眠の抑制を示すことを健常なヒトボランティアにおいて示している。
本発明者らは、インビボにおける非ヒト霊長類のPETイメージング実験により、S-エナンチオマーが、ドーパミンD2受容体に対して極めて立体選択的であることを示している。また、本発明者らは、S-アミスルピリドが、臨床的に有意義な用量依存的D2受容体占有率を示すことを健常なヒトボランティアにおいて示している。
種々の態様および実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含みおよび/または用い、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、組成物、製剤、方法および医薬であって、(R)-(+)-アミスルピリドの発見した抗うつ作用を提供し、同時に(S)-(-)-アミスルピリドの気分安定化作用を維持し、(S)-(-)-アミスルピリドに関連するドーパミンD2受容体遮断のより高いレベルに関連する望ましくない副作用を最小限にすることができる、種々の組成物、製剤、方法および医薬を提供する。
発明者らは、本発明の種々の態様および実施態様において、D2占有率に対する5-HT7占有率の寄与により種々の実施態様において定義されるアミスルピリドエナンチオマーの固定用量の組合せは、うつ病性障害におけ組み合わされた、種々の実施態様では改善組み合わされたた、根底にある用量反応性のドーパミンD2活性の臨床的利益を維持しながら、医師が5-HT7薬力学を優性にすることで対象体を処置できることにより、臨床的利益を示すことを発見した。
本組成物は、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含み、ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を約10分超減少させること;(b)REM睡眠潜時が約20分を超えること、または(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供するのに有効な比である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
組成物中のRおよびSのアミスルピリド相対量は、D2占有率が約20%~約60%であるように選択される。約65%を超える占有率は、有害事象に関連する。有害事象を考慮して、いくつかの実施態様において、組成物中のS異性体の量は、約60%または約50%のD2占有率を達成するのに必要な量を超えてはならない。いくつかの実施態様において、最小のS異性体は、約20%~約25%のD2占有率を達成するのに十分であるべきである。いくつかの実施態様において、最小のS異性体は、約30%のD2占有率を達成するのに十分である。
投与されるR-アミスルピリドの量は、患者がREM睡眠時間を過ごす時間の少なくとも約10分~約45分、約15分~30分または約18分~約31分の減少を達成するのに十分であるべきである。
いくつかの実施態様において、アミスルピリド組成物におけるR:S異性体の相対比は、遊離塩基重量として約63:37から約95:5である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約77:23から約93:7である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約74:26から約92:8である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約65:35から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約75:25から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約80:20から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10である。種々の実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約85:15である。
種々の態様において、本発明の組成物は、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含み、ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような比である。種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲であり;種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約15nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約50nM~約80nMの範囲である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、このような組成物は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、比は、遊離塩基重量として約85:15である。
種々の態様において、本発明の組成物は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約85:15である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約63:37から約95:5の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約77:23から約93:7の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約74:26から約92:8の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約65:35から約88:12の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約75:25から約88:12の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約80:20から約88:12の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。種々の実施態様において、組成物は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比を含む。
種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
エナンチオマーのアミスルピリド(amisulpride enantiomer)が特定の重量で存在すると言われ、このようなアミスルピリドエナンチオマー(enantiomeric amisulpride)がその医薬的に許容される塩として提供されるとき、その重量は、塩部分を除いたアミスルピリドエナンチオマー部分を指し、それが遊離塩基であると理解されるべきである。したがって、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比が記載されるとき、それは、特にアミスルピリドエナンチオマーの一方のみがその医薬的に許容される塩として存在するかまたはアミスルピリドエナンチオマーが異なる医薬的に許容される塩として存在するとき、あらゆる塩部分を除いたアミスルピリド部分のみの重量比であると理解されるべきである。
種々の態様において、本発明は、アミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物および1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供すると理解されるべきである。種々の実施態様において、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする対象体への投与のために製剤化される。種々の実施態様において、本発明の組成物は、対象体への投与のために製剤化され;種々の実施態様において、組成物は、固形経口剤形で提供される。
組成物がアミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物および1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、このような組成物は、約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;種々の実施態様において重量比は、約85:15である。
(S)-(-)-アミスルピリドの投与は、有害事象が減少し、所望の治療効果を達成するために、約20%~約60%のD2占有レベルを達成するのに十分であるべきである。約70%~約75%を超えるレベルにて、有害事象は高い頻度および重症度で発生する。より優れたD2占有率を達成するより高い投与レベルは、患者が許容できないレベルの有害事象を経験しないならば、用いられ得る。(S)-(-)-アミスルピリドの典型的な1日用量は、約5mg~約150mg、約10mg~約150mgまたは約15mg~約100mgである。すべての用量は、遊離塩基としてである。
(R)-(+)-アミスルピリド遊離塩基の典型的な1日用量は、約50mg~約1000mg、好ましくは約100mg~約600mg、さらにより好ましくは150mg~約600mgであり、さらに別の好ましい1日用量は、170mg~約340mgである。用量は、1日1回用量または分割用量で投与され得る。
(R)-(+)-アミスルピリドおよび(S)-(-)-アミスルピリドが単一投与形態に組み合わされるならば、各々の相対量は、遊離塩基重量として、約77:23から93:7、約80:20から約90:10、または約85:15であるべきである。(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの比は、所望の治療効果を達成するのに必要な各々の相対量により決定され得る。
種々の態様において、本発明は、神経障害および精神障害の1つ以上を処置するための医薬および方法であって、該医薬および方法が、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物を投与することを含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、医薬および方法を提供する。
説明を簡潔にするために、用語「R優性アミスルピリド混合物」は、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を意味するのに用いられる。
種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、該方法が、R優性アミスルピリド混合物を含む組成物を投与することを含み、混合物は、下記:約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を約10分超減少させること;(b)REM睡眠潜時が約20分を超えること、または(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供する治療上有効量で投与される、方法を提供する。種々の実施態様において、このような組成物は、約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、該方法が、R優性アミスルピリド混合物を含む組成物を投与することを含み、混合物は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに治療上有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量で投与され、方法を提供する。種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲であり;種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約15nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約50nM~約80nMの範囲である。種々の実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである。種々の実施態様において、このような組成物は、約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。
種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクル、ならびに約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgの(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、このような組成物は、約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。
種々の態様において、本発明は、ヒト対象体において精神障害を処置するための医薬および方法であって、該医薬および方法が、処置サイクルにおいて、ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、合わせた量で、処置当たり、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mg、それを必要とするヒト対象体へ投与することを含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、処置サイクル中(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、医薬および方法を提供する。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、合わせた量の処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約80:20から約90:10の範囲であり;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、および(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、処置サイクル中別々に与えられる。種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって約200mgである。種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって約400mgである。対象体において精神障害または神経障害と精神障害の両方を処置する態様および実施態様の、種々の実施態様において、障害は、気分障害、双極性障害(BPD)、うつ病、双極性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、大うつ病性障害の補助的治療として、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)、統合失調症、統合失調症の陰性症状および統合失調感情障害の1つ以上である。種々の実施態様において、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソードを処置するための医薬および方法を提供する。
種々の態様において、本発明は、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量を対象体に投与することを含む、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害するための医薬および方法を提供する。種々の実施態様において、ドーパミンD2活性の阻害およびセロトニン5-HT7活性の阻害は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および:(a)REM睡眠を約10分超減少させること、(b)REM睡眠潜時が約20分を超えること、または(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を含む。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い(R)-(+)-アミスルピリドの量を含み、種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、約80:20から約90:10の範囲であり;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、約50mg~約1000mgの合わせた量で存在し、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、約80:20から約90:10の範囲であり;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mgの合わせた量で存在し;種々の実施態様において、合わせた量は、好ましくは約350mg~約700mgであり;(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、約80:20から約90:10の範囲であり;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、阻害は、1つ以上の精神障害、神経障害またはそれらの組合せに罹患している対象体において生じる。種々の実施態様において、障害は、気分障害、双極性障害(BPD)、うつ病、双極性うつ病、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード、大うつ病性障害(MDD)、大うつ病性障害の補助的治療として、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)、統合失調症、統合失調症の陰性症状および統合失調感情障害の1つ以上である。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、阻害は、1つ以上の精神障害に罹患している対象体において生じ、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、治療上有効量で存在する。対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、阻害は、1つ以上の精神障害に罹患している対象体において生じ、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、治療上有効量で該対象体に投与される。
本発明の種々の組成物、製剤、方法および医薬の種々の態様および実施態様において、アミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物を含む組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルをさらに含むと理解されるべきである。種々の実施態様において、このような組成物は、対象体への投与のために製剤化され;種々の実施態様において、組成物は、経口剤形で提供される。種々の実施態様において、経口剤形は、散剤、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、経口液剤または経口懸濁剤の形態である。種々の実施態様において、経口剤形は、固形経口剤形である。種々の実施態様において、固形経口剤形は、錠剤を含み、種々の実施態様において、固形経口剤形は、カプセル剤を含む。
種々の実施態様において、本発明の種々の組成物、製剤、方法および医薬で用いられるエナンチオマーのアミスルピリドの一方または両方は、図7A~Cおよび8A~Dに記載する結晶フォームAおよびフォームA'のエナンチオマーのアミスルピリドの遊離塩基の結晶形であると理解されるべきである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶、またはその両方である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり、約95%超の化合物純度を有し;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶であり、約95%超の化合物純度を有するか、あるいは(R)-(+)-アミスルピリドは、約95%超の化合物純度を有する結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり、(S)-(-)-アミスルピリドは、約95%超の化合物純度を有する結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である。
種々の実施態様において、本発明の結晶形は、いくつかの有利な物理特性を有する。例えば、(S)-アミスルピリドD-酒石酸塩結晶形に対して、(R)-アミスルピリドフォームAおよび(S)-アミスルピリドフォームA'の結晶形は、25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大質量変化が、0.5%未満であることを示して、実質的に非吸吸湿性であり、一方、(S)-アミスルピリドD-酒石酸塩結晶は、25℃にて相対湿度0~95%でスキャンしてDVSで測定した水分吸脱着等温線の最大質量変化が、52±9%(n=4、σ=18.25)であることを示して、極めて吸湿性であることが見出された。
略語「DSC」は、示差走査熱量測定を指し、略語XRPDは、X線粉末回折を指し、略語NMRは、核磁気共鳴を指し、略語DVSは、動的水蒸気吸脱着を指し、略語HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを指し、略語GCは、ガスクロマトグラフィーを指す。(R)-(+)-アミスルピリドおよび(R)-アミスルピリドなる略語は、R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを指す。(S)-(-)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドなる略語は、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを指す。本明細書で明確に節女されていない他の略語は、当該技術分野における通常の意味を有する。
本発明のこれらのおよび他の対象、特徴および利点は、付随する表および図面と併せて、本発明の種々の態様および実施態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本明細書において引用するすべての公開文書は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする。
本発明の理解を容易にするために、以下の定義が提供される。一般的に、他に定義されていない用語には、当該技術分野において一般的に受け入れられている意味が与えられると理解されるべきである。本明細書で用いられる用語は、特定の実施態様のみを説明する目的であり、特許請求の範囲よってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
本明細書における「一の実施態様」、「実施態様」、「一の態様」、または「態様」への言及は、実施態様または態様に関連して記載されている特定の特徴、構造または特性が、開示の実施態様または態様の少なくとも1つに含まれることを意味する。
本明細書で用いられる「アミスルピリド」の記載は、明確にさらに限定されない限り、アミスルピリドの医薬的に許容される塩を含む。本明細書で用いられる用語「ラセミのアミスルピリド」は、(R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドの重量で50:50の混合物を指す。
本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしにヒトおよび下等動物の組織と接触して用いるのに適し、かつ合理的な利益/リスク比と釣り合っている、それらの塩を示す。医薬的に許容される塩は当該技術分野において既知である。例えば、S.M.BergeらはJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19において医薬的に許容される塩を記載している。本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものを含む。医薬的に許容される塩の例、無毒性酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸と形成されるか、またはイオン交換などの当該技術分野において用いられる他の方法により形成されるアミノ基の塩である。他の医薬的に許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ボロン酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、ケイ皮酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロアイオダイド、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。医薬的に許容されるカウンターイオンは、医薬製剤を製造するのに好ましいが、他のアニオンは、合成中間体として十分に許容可能である。したがって、このような塩が化学中間体であるとき、Xはヨウ化物、シュウ酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などの医薬的に望ましくないアニオンであり得る。
種々の態様において、本発明は、アミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物および1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。種々の実施態様において、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする対象体への投与のために製剤化される。種々の実施態様において、本発明の組成物は、対象体への経口投与のために製剤化される。
本明細書で用いられる、投与が企図される「対象体」なる用語は、ヒト(すなわち任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象体(例えば、乳児、幼児、青年)または成人対象体(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人))および/または他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの商業的に関連する哺乳動物を含む哺乳動物;および/またはニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラおよび/またはシチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類を含む鳥類を含むがこれらに限定されない。
本発明の組成物は、経口的に、非経腸的に、吸入により、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、口腔的に、舌下的に、経膣的にまたは埋め込み型リザーバーにより投与され得る。本明細書で用いられる用語「非経腸」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または吸入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。本発明の組成物の無菌注射用形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当該技術分野において公知の技術に従って製剤化され得る。無菌注射用製剤はまた、無毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中における無菌注射用溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール溶液であり得る。使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液を含むがこれらに限定されない。また、無菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。本発明の医薬的に許容される組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含むあらゆる経口許容される形態で経口投与され得る。
他に明記されない限り、用語「含む(includes)」(またはそのあらゆる変形、例えば「含む(include)」、「含む(including)」など)は、オープンエンドであることを意図する。例えば、「Aは1、2および3を含む」は、Aは1、2および3を含むがこれらに限定されないことを意味する。
本明細書で用いられる用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」および「処置する(treating)」は、本明細書に記載される疾患もしくは障害またはその1つ以上の症状の回復、軽減、発症の遅延または抑制を指す。種々の実施態様において、処置は、1つ以上の症状が発症した後に施され得る。他の実施態様において、処置は症状がない状態で施される。例えば、処置は症状の発症前に(例えば、症状の履歴および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)対象体に施され得る。処置はまた、症状が回復した後に、例えばそれらの再発を予防または遅延させるために継続され得る。
本明細書で用いられる語句「遊離塩基に基づいて」は、アミスルピリド(RおよびS-アミスルピリド)の量がアミスルピリド遊離塩基の分子量に基づいて測定されることを指す。他に明確に断らない限り、アミスルピリド(例えば、アミスルピリドのラセミ、R、Sまたは不均等混合物)についての本明細書に記載の重量は、遊離塩基を指す。R:S-アミスルピリドの重量比が85:15の混合物において、アミスルピリドの量は、他に明確に断らない限り、RおよびS-アミスルピリド遊離塩基の分子量に基づいて測定される。いくつかの実施態様において、例えば約50mg~約1000mgの、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量を言及するとき、その量は、他に明確に断らない限り、遊離塩基の分子量に基づく。
本明細書に記載の化合物は、同位体を含み得る。同位体は、原子番号が同じであるが質量数が異なる原子を含む。例えば、水素の同位体は、トリチウムおよび重水素を含む。いくつかの実施態様において、化合物の1つ以上の原子は、天然または非天然存在量の原子の同位体で置き換えまたは置換され得る。いくつかの実施態様において、本開示の化合物の1つ以上の水素原子は、重水素で置き換えまたは置換され得る。
本明細書で用いられる「用語」は、他に明記されない限り、数値または値の範囲に関連して用いられるとき、記載の値または値の範囲の5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%変化し得る。いくつかの実施態様において、数値または値の範囲は、5%変化する。
本発明のアミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物は、種々の実施態様において、担体材料と組み合されて、単一投与形態で組成物を生成し、処置される対象体および特定の投与様式を含む様々な因子に応じて変化させ得る。任意の特定の対象体についての特定の投与および処置レジメンは、対象体の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事、投与時間、排泄速度、併用薬物および医師の判断並びに処置される特定の疾患または障害の重症を含む様々な因子に依存することも理解されるべきである。
種々の態様および実施態様において、本発明は、
医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量を、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比が遊離塩基重量として約85:15で
含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約63:37から約95:5である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約77:23から約93:7である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約74:26から約92:8である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約65:35から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約75:25から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約80:20から約88:12である。いくつかの実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10である。
種々の態様および実施態様において、本発明は、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比である、組成物を提供する。種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドの量は、約20%~約60%、種々の実施態様において好ましくは、約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有レベルを達成するように選択され;(R)-アミスルピリドの量は、(a)急速眼球運動(REM)睡眠を約10分、種々の実施態様において好ましくは、約20分以上、種々の実施態様において好ましくは、約15分~約45分抑制すること;(b)REM睡眠潜時が約10分超、種々の実施態様において、約20分超、種々の実施態様において、約30分超増加させることにより急速眼球運動(REM)睡眠を抑制すること;および(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上を達成するように選択される。
ドーパミンD2受容体占有率は、例えば、結果の統計的有意性を提供するのに十分な数のヒトの群において観察された平均占有率によって、ヒトの脳におけるD2陽電子放出断層撮影(PET)により測定され得る。REM睡眠の抑制は、例えば、結果の統計的有意性を提供するのに十分な数のヒトの群において観察された平均阻害によって、ヒト対象体における睡眠ポリグラフ(PSG)により測定され得る。
種々の態様において、本発明の組成物は、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含み、ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を約10分超減少させること;(b)REM睡眠潜時が約10分を超えること、および(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供するのに有効な比である。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率を提供するのに有効な比である。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、(i)REM睡眠を約10分超減少させること;(ii)REM睡眠を約20分超減少させること;(iii)REM睡眠を約15分~約45分減少させること;および(iv)REM睡眠を約15分~約30分減少させることの1つ以上を提供するのに有効な比である。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、(i)REM睡眠潜時が約10分を超えること;(ii)REM睡眠潜時が約20分を超えること;および(iii)REM睡眠潜時が約30分を超えることの1つ以上を提供するのに有効な比である。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、(i)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること;(ii)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約6.5%超減少させること;および(iii)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約8%超減少させることの1つ以上を提供するのに有効な比である。
(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む本発明の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。
(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む本発明の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、約80:20から約90:10の範囲である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10である。好ましくは種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、85:15である。
(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む本発明の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgであり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、約170mg~約600mg、種々の実施態様において好ましくは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約30mg~約105mg、種々の実施態様において好ましくは、約40mg~約105mgの量で存在する。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約85mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約15mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約170mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約30mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約255mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約45mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約340mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約60mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約425mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約75mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約510mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約90mgであり;種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgであり、(R)-アミスルピリドの量は、約595mgであり、(S)-アミスルピリドの量は、約105mgである。
種々の態様において、本発明の組成物は、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約350mg~約700mgの合わせた量であって;(a)(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比が、約85:15である量;および(b)(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量が、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(i)REM睡眠を約10分超減少させること、(ii)REM睡眠を約20分超減少させること;および(iii)REM睡眠を約15分~約45分減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供するのに有効な量を与える量の1つ以上の量で含む。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
本発明の態様の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約400mg~約700mgであり;(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。
本発明の態様の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgであり、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を約10分超減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供するのに有効な量で存在し;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、遊離塩基重量として、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11、または90:10;好ましくは、遊離塩基重量として85:15である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、遊離塩基重量として、およそ63:37、65:35、74:26、75:35、77:23、80:20、88:12、95:5、93:7、または92:8である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、遊離塩基重量として、およそ63:37から95:5、65:35から88:12、74:26から92:8、75:35から88:12、77:23から93:7、または80:20から88:12である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
種々の態様において、本発明の組成物は、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含み、ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、および(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような比である。種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲である。種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。
本発明の態様の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6、種々の実施態様において、約3~約5の範囲であるような比であり;(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgであり、種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
本発明の態様の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6、種々の実施態様において、約3~約5の範囲であるような比であり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは、遊離塩基重量として85:15である。
本発明の態様の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6、種々の実施態様において、約3~約5の範囲であるような比であり;(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgであり、種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgであり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する。
種々の態様および実施態様において、本発明の医薬および組成物の種々の実施態様は、対象体における精神障害、対象体における神経障害、または神経障害および精神障害の両方を処置するのに用いられ得て、ここで該障害は、気分障害、双極性障害(BPD)、うつ病、双極性うつ病、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード、大うつ病性障害(MDD)、大うつ病性障害の補助的治療として;混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)、統合失調症、統合失調症の陰性症状、および統合失調感情障害の1つ以上を含むがこれらに限定されないと理解されるべきである。
種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、該方法が、R優性アミスルピリド混合物を含む組成物を投与することを含み、混合物は、下記:約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を、約10分超、種々の実施態様において好ましくは、約20分以上、種々の実施態様において好ましくは、約15分~約45分減少させること;(b)REM睡眠潜時を、約10分超、種々の実施態様において、約20分超、種々の実施態様において、約30分超増加させることによる急速眼球運動(REM)睡眠の抑制;および(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる、急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供する治療上有効量で投与される、方法を提供する。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の比は、約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率を提供するのに有効な比である。
ドーパミンD2受容体占有率は、例えば、結果の統計的有意性を提供するのに十分な数のヒトの群において観察された平均占有率によって、ヒトの脳におけるD2陽電子放出断層撮影(PET)により測定され得る。REM睡眠の抑制は、例えば、結果の統計的有意性を提供するのに十分な数のヒトの群において観察された平均阻害によって、ヒト対象体における睡眠ポリグラフ(PSG)により測定され得る。
種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、該方法が、R優性アミスルピリド混合物を含む組成物を投与することを含み、混合物は、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに治療上有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量で投与され、方法を提供する。種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲であり、種々の実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。
R優性アミスルピリド混合物を投与することを含む対象体において精神障害を処置するための本発明の態様および実施態様の種々の実施態様において、混合物は、約80:20から約90の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含む。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10である。好ましくは種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、85:15である。
R優性アミスルピリド混合物を投与することを含む対象体において精神障害を処置するための本発明の態様および実施態様の種々の実施態様において、混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量を含む。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
R優性アミスルピリド混合物を投与することを含む対象体において精神障害を処置するための本発明の態様および実施態様の種々の実施態様において、混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量を含む。種々の態様において、本発明は、対象体において精神障害を処置する方法であって、1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクル、ならびに約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgの(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。種々の実施態様において、このような組成物は、約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgであり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する。
種々の態様において、本発明は、ヒト対象体において精神障害を処置するための医薬および方法であって、該医薬および方法が、処置サイクルにおいて、ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、合わせた量で、処置当たり、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgを、それを必要とするヒト対象体へ投与することを含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、処置サイクル中(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、医薬および方法を提供する。種々の実施態様において、合わせた量の処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲である。種々の実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量としておよそ65:35から88:12、75:25から88:12、または80:20から88:12の範囲である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
種々の実施態様において、処置サイクル当たりの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、または1000mgであり;合わせた量の処置サイクルにわたる(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩のエナンチオマー重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10;好ましくは85:15である。
種々の態様において、本発明は、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量を対象体に投与することを含む、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害するための医薬および方法を提供する。種々の実施態様において、ドーパミンD2活性の阻害およびセロトニン5-HT7活性の阻害は、約20%~約60%、種々の実施態様において好ましくは、約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および(a)REM睡眠を約10分超、種々の実施態様において好ましくは、約20分以上、種々の実施態様において好ましくは、約15分~約45分減少させること、(b)REM睡眠潜時が約10分、種々の実施態様において、約20分、種々の実施態様において、約30分を超えること;または(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を含む。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い(R)-(+)-アミスルピリドの量を含み、種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgの合わせた量で存在し、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgの合わせた量で存在し、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgであり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する。
種々の態様および実施態様において、本発明の組成物の種々の実施態様は、精神障害、神経障害または神経障害および精神障害の両方を処置するのに用いられ得て、そしてそれらを処置する医薬を製造するのに用いられ得て、ここで該障害は、気分障害、双極性障害(BPD)、うつ病、双極性うつ病、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード、大うつ病性障害(MDD)、大うつ病性障害の補助的治療として;混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)、統合失調症、統合失調症の陰性症状、および統合失調感情障害の1つ以上を含むがこれらに限定されないと理解されるべきである。
種々の態様において、本発明は、R優性アミスルピリド混合物を含み、精神障害、神経障害またはその両方の処置のために用いられる、組成物および医薬を提供し、インビトロで測定されたセロトニン5-HT7受容体阻害定数対インビトロで測定されたドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲である、R優性アミスルピリド混合物を含む。種々の実施態様において、インビトロにおけるセロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲であり、種々の実施態様において、インビトロにおけるセロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。
R優性アミスルピリド混合物を含み、精神障害、神経障害またはその両方の処置のために用いられる、本発明の組成物および医薬の態様および実施態様の種々の実施態様において、アミスルピリド混合物は、約80:20から約90の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含む。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10である。好ましくは種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、85:15である。
R優性アミスルピリド混合物、1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む、精神障害、神経障害またはその両方の処置のために用いられる、本発明の組成物および医薬の態様および実施態様の種々の実施態様において、アミスルピリド混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量を含む。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。
R優性アミスルピリド混合物を含み、精神障害、神経障害またはその両方の処置のために用いられる、本発明の組成物および医薬の態様および実施態様の種々の実施態様において、アミスルピリド混合物は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量を含む。
種々の態様において、本発明は、R優性アミスルピリド混合物を含み、精神障害、神経障害またはその両方の処置のために用いられる、組成物および医薬を提供し、組成物または医薬は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含み、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mgである。種々の実施態様において、このような組成物および医薬は、約80:20から約90:10である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、重量比は、約85:15である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量は、およそ50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1000mgであり;(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10であり;好ましくは85:15である。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する。
対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法の種々の実施態様において、阻害は、1つ以上の精神障害に罹患している対象体において生じ、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物は、治療上有効量で存在する。
本発明の組成物は、好ましくは、投与の容易さおよび用量の均一性のため投与単位形態に製剤化される。本明細書で用いられる表現「投与単位形態」は、処置される対象体に適切な薬剤の物理的に別個の単位を指す。しかしながら、本発明の組成物の1日の使用合計は、健全な医学的判断の範囲内で主治医により決定されると理解されるべきである。
種々の態様において、本発明は、ヒト対象体において精神障害を処置するための医薬および方法であって、該医薬および方法が、処置サイクルにおいて、ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、合わせた量で、処置当たり、約50mg~約1000mg、種々の実施態様において、約200mg~約700mg、種々の実施態様において好ましくは、約350mg~約700mg、それを必要とするヒト対象体へ投与することを含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、処置サイクル中(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、医薬および方法を提供する。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約800mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mg~約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約100mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約300mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである。種々の実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである。種々の実施態様において、合わせた量の処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲であり;好ましくは種々の実施態様において、比は、遊離塩基重量として約85:15である。種々の実施態様において、R:Sの比は、遊離塩基重量としておよそ65:35から88:12、75:25から88:12、または80:20から88:12の範囲である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、および(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、処置サイクル中別々に与えられる。
組成物は、アミスルピリドエナンチオマーの1つのみまたはそれらの組合せを含む別々の投与単位形態において、(R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドエナンチオマーの両方を含む1つの投与単位形態として、処置サイクルにわたって投与され得ると理解されるべきである。例えば、種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、および(S)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、処置サイクル中別々に与えられる。
また、処置サイクルにわたるある量の組成物の投与は、複数の投与レジメンにおいて提供され得ると理解されるべきである。例えば、種々の実施態様において、複数の投与レジメンは、実質的に同時に2つ以上の投与単位形態を投与すること;連続して2つ以上の投与単位形態を投与すること;互いに一定の時間内に、好ましくは種々の実施態様において互いに4~48時間以内に、2つ以上の投与単位形態を投与すること;およびそれらの組合せを含む。
例えば、種々の実施態様において、処置サイクルは2日であり、ここで、S-エナンチオマーの総投与量は、処置サイクル当たり1回(例えば、治療レベルでD2占有率を維持するために)与えられ、R-エナンチオマーの総投与量は、1日当たり最大3回(例えば、ほぼ同じ間を開けた間隔で処置サイクル当たり最大6回)、種々の好ましい実施態様において、投与当たりほぼ同じ投与量で(例えば、所望の血漿レベルを維持し、1日中5-HT7効果を有するために)与えられる。
本発明の種々の実施態様において、処置サイクルは、1日1回であり、投与は、(a)1日1回;(b)1日2回;(c)1日3回;または(d)1日4回なされる。本発明の種々の実施態様において、処置サイクルは、2日毎である。
種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比は、遊離塩基重量として約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって約200mgである。種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマーは、遊離塩基重量として約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって約400mgである。
American Psychiatric Associationにより2013年に公表されたDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Ed.(以下「DSM-5」)は、出典明示により本明細書の一部とされ、様々な疾患および障害の診断のために当業者が頼りにする標準的な診断システムを提供する。
種々の態様において、本発明の医薬および方法が処置する疾患または障害は、精神障害;気分障害;うつ病性障害;双極性障害;双極性うつ病(例えば双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード)、統合失調症;統合失調感情障害;不安障害;強迫性障害;神経認知障害に関連する行動異常;行為障害;神経障害;薬物誘発性運動障害;および運動障害の1つ以上を含む。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、気分障害、双極性障害(BPD)、うつ病、双極性うつ病、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード、大うつ病性障害(MDD)、大うつ病性障害の補助的治療として、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病(TRD)および統合失調感情障害の1つ以上である。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、統合失調症(妄想型、混乱型、緊張型または鑑別不能型)、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般的な医学的状態による精神病性障害および物質誘発性もしくは薬剤誘発性(例えば、フェンシクリジン、ケタミンおよび他の解離性麻酔剤、アンフェタミンおよび他の覚醒剤ならびにコカイン)精神病性障害、精神病障害、感情障害関連性精神病、短期反応精神病、統合失調症性感情精神病、統合失調症または統合失調症型パーソナリティ障害のような「統合失調症スペクトラム」障害、または統合失調症の陽性、陰性および認知症状および他の精神病の両方を含む精神病(例えば、大うつ病、躁うつ(双極性)障害、アルツハイマー病および外傷後ストレス症候群)に関連する病気を含む精神病;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、および身体醜形障害、ためこみ症、抜毛症および皮膚むしり症を含む関連障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社交不安障害、限局性恐怖症、物質誘発性不安障害および一般的な医学的状態による不安を含む不安障害;薬物関連障害および嗜癖行動(薬物誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘性障害、精神病性障害または不安障害;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、睡眠剤または抗不安薬を含む物質への耐性、依存性またはそれらの中止を含む);肥満、神経性過食症、異食症および強迫性摂食障害のような摂食障害;双極性うつ病、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、物質/薬物誘発性双極性障害および関連障害、別の医学的状態による双極性障害および関連障害、他の特定の双極性障害および関連障害、ならびに不特定型双極性障害および関連障害を含む双極性障害;単極性うつ病、季節性うつ病および分娩後うつ病、非定型うつ病、緊張病性うつ病、老人性うつ病、内因性うつ病、メランコリー性うつ病、周産期うつ病、状況性うつ病、慢性うつ病、双極性うつ病、大うつ病性障害(MDD)、補助的治療としてのMDD、不安性苦痛の特定項目を伴う大うつ病性障害、混合性の特徴を伴うMDD(MDD-MF)、メランコリー性の特徴を伴うMDD、非定型性の特徴を伴うMDD、気分と一致する精神病性の特徴を伴うMDD、気分に一致しない精神病性の特徴を伴うMDD、緊張病を伴うMDD、周産期発症を伴うMDD、季節性パターンを伴うMDD、治療抵抗性うつ病(TRD)、および永続性うつ病性障害(気分変調症)を含むがこれらに限定されないうつ病、ならびに抑うつ気分(悲しみ)、集中力低下、不眠症、疲労感、食欲障害、過度の罪悪感および自殺願望に関連するうつ病、月経前緊張症(PMS)および月経前不快気分障害(PDD)、一般的な医学的状態による気分障害および物質誘発性気分障害;不眠症、中途覚醒(disturbed sleep)、時差ぼけ、過眠症、カタプレキシー、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、レム睡眠行動障害、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、概日リズム睡眠障害、睡眠相後退障害、夢遊病、夜驚症、夜尿症、急速眼球運動睡眠行動障害、交代勤務睡眠障害、日中の過剰な眠気、非24時間睡眠覚醒障害、睡眠時麻痺およびナルコレプシーを含む睡眠障害より選択される。
精神障害は、認知、感情もしくは気分または行動の最も統合的な側面における異常をもたらす特定可能な症状により特徴付けられる脳の病的状態である。これらの障害は、症状の重症度、期間および機能障害において変化し得る。精神障害は、世界中の数百万の人々を苦しめ、生産性の損失による多大な人間の苦痛および経済的負担をもたらす。気分障害は、広汎性気分障害、精神運動機能障害および植物性症状により特徴付けられる単極性(うつ病)および双極性(躁うつ病)障害を含む、異種性で典型的には再発する病気のグループとしてしばしば定義される精神疾患の1種である。自殺は、気分障害の患者で最も深刻な合併症であり、気分障害の処置をされていない患者の15~25%の死因であり、認識されていないかまたは不十分な処置がなされたうつ病は、全自殺既遂者の50~70%に寄与する。
本明細書で用いられる用語「気分障害」は、うつ病、大うつ病、大うつ病性障害、軽度うつ病、精神病を伴わない重度うつ病、精神病を伴う重度うつ病、メランコリア(以前は、内因性うつ病)、非定型うつ病、気分変調障害、躁うつ病、双極性障害、双極性うつ病(例えば双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード)、双極性I型障害、双極性II型障害、双極性III型障害、気分循環性障害および慢性軽躁病を含む。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、双極性障害である。双極性障害(双極性I型障害および双極性II型障害の両方を含む)は、人口の約2%の有病率を有する重篤な精神障害であり、両方の性別に等しく影響を与える。それは、高揚(すなわち、躁)およびうつ気分の間の周回により特徴付けられる再発寛解状態であり、大うつ病性障害および統合失調症のような他の障害と区別される。大部分の個体は、重篤なうつ病を経験するが、双極性I型は完全な躁病エピソードの発症により定義される。躁病の症状は、高揚または過敏性気分、多動症、誇大的態度、必要な睡眠の減少、観念奔逸および一部の例では精神病を含む。うつ病エピソードは、無快感症、悲しい気分、絶望、自尊心の欠如、集中力低下および嗜眠により特徴付けられる。患者は、うつ病状態で大半の時間を過ごすが、双極性II型は、大うつ病エピソードおよび軽躁(躁病ほど重篤ではない)エピソードの発症として定義される。他の関連する状態は、気分循環性障害を含む。
双極性I型障害において、本格的な躁病および大うつ病エピソードは、交互に生じる。双極性I型障害は、一般的にうつ病から始まり、その経過中に少なくとも1回の躁または興奮期により特徴付けられる。うつ病期は、躁病の即時の前兆および後遺症であり得て、あるいはうつ病と躁病は、数か月または数年離れ得る。
双極性II型障害において、うつ病エピソードは、軽躁病(通常1週間未満の比較的軽度で、非精神病性の期間)と交互に生じる。軽躁期中に、気分は明るくなり、睡眠の必要性は減少し、精神運動活動は患者の通常のレベルを超えて加速する。しばしば、切り替えは、概日的因子(例えば、憂鬱な状態で就寝し、早朝に軽躁状態で起床すること)により誘発される。過眠および過食は、特徴的であり、季節的に(例えば秋または冬に)再発し得て;不眠症および食欲不振は、うつ病期中に生じる。一部の人については、軽躁期は、高エネルギー、自信および過正常な社会的機能に関連するため、適応性である。通常はうつ病の終わりに気分の心地よい上昇を経験する多くの患者は、特に質問されない限りそれを報告しない。
大うつ病エピソードおよび双極性障害の家族歴を有する患者は、しばしばわずかな軽躁傾向を示し;その気質は、発揚性(hyperthymic)(すなわち、意欲的で野心的で達成志向)と呼ばれる。
気分循環性障害において、重症度の低い軽躁および小うつ病の期間は、不規則な経過をたどり、各期間は、数日続く。気分循環性障害は、一般的に双極性II型障害の前兆である。しかしながら、それはまた、大気分障害を合併することなく極端な気分障害として発生し得る。このような場合、自信の低下と睡眠の増加を伴う遅延性うつ病の短い周期は、高揚または熱意の増加と睡眠の減少と交互に生じる。別の形態では、低度の抑うつの特徴が優勢であり;双極性の傾向は、高揚または苛立ちが抗うつ薬によっていかに容易に誘発されるかによって主に示される。慢性軽躁病において、ある形態は臨床的にはめったに見られず、高揚期が優勢であり、習慣的に睡眠時間は6時間未満に減少する。この形態の人は、常に陽気で、自信があり、エネルギッシュで、計画に満ちており、軽率で、過剰に関与し、お節介である;彼らは、落ち着きのない衝動で駆け寄り、人に声をかける。
したがって、種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、他の特定可能な双極性障害および関連障害、または特定不能な双極性障害および関連障害、ならびに不安性苦痛の特定項目を伴う、混合性の特徴を伴う、急速な周回を伴う、メランコリー性の特徴を伴う、非定型性の特徴を伴う、気分と一致する精神病性の特徴を伴う、気分に一致しない精神病性の特徴を伴う、緊張病を伴う、周産期発症を伴う、および/または季節性パターンを伴う双極性I型障害または双極性II型障害の1つ以上である。Huらによる比較的最近の論文(Prim Care Companion CNS Disord. 2014; 16(2): PCC.13r01599)は、双極性障害は、プライマリケア臨床で一般的に遭遇するが、しばしば誤診または未診断であることを強調している。DSM-5は、混合した特定項目を含めることで亜症候群性の混合した症状を有する患者の大部分を捕捉しようとする。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、うつ病性障害である。うつ病性障害は、単極性うつ病、季節性うつ病および分娩後うつ病、非定型うつ病、緊張病性うつ病、老人病性うつ病、内因性うつ病、メランコリー性うつ病、周産期うつ病、状況性うつ病、慢性うつ病、双極性うつ病(例えば、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード)、大うつ病性障害(MDD)、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、治療抵抗性うつ病(TRD)ならびに気分変調症を含むがこれらに限定されず、そして抑うつ気分(悲しみ)、集中力低下、不眠症、疲労感、食欲障害、過度の罪悪感および自殺願望、月経前緊張症(PMS)および月経前不快気分障害(PDD)、一般的な医学的状態による気分障害および物質誘発性気分障害に関連する。
うつ病は、情動障害であり、その病因は、1つの原因または理論では説明できない。残念ながら、抗うつ薬による治療に対して臨床反応が最適以下であるうつ病患者の処置選択肢は限られている。抗うつ薬療法を開始する約30%の患者は、うつ病の処置に一般的に用いられる第1選択の抗うつ薬に対して最適以下または遅延した臨床反応を示す。
典型的には、患者が数週間の抗うつ薬による治療の後に最適以下または遅延した臨床反応を示すならば、臨床医の最初のアプローチは、抗うつ薬の投与量を増加させることである。投与量の増加後も患者の反応が不十分なならば、多くの臨床医が追及する最も一般的なアプローチは、a)別の抗うつ薬に切り替える;またはb)第2の抗うつ薬を追加する;またはc)炭酸リチウム、甲状腺ホルモン(トリヨードチロニン)、精神刺激薬、モダフィニル、非定型抗精神病薬、ブスピロンまたはピンドロールなどの薬剤を投与することにより増強治療を試みることである。
その完全な症候群の発現において、臨床的うつ病は、エピソードの経過を伴い、エピソード間の残存症状の程度が変化する大うつ病性障害として現れる。典型的には、気分は、抑うつされ、いらいらし、および/または不安である。患者は、眉間にしわがあり、口角が下を向き、姿勢が悪く、アイコンタクトが低下し、会話がそっけない(または欠如する)ことで悲惨に見えることがある。病的な気分は、罪悪感、自己否定的な考え、集中力の低下、躊躇、通常の活動への関心の低下、社会的離脱、無力感、絶望感、ならびに死および自殺に浮いて繰り返し考えることを伴い得る。睡眠障害は、一般的である。一部では、病的な気分は、涙がかれるほど深く;患者は、悲しみ、喜びおよび楽しみを含む通常の感情を経験できず、世界が無色となり、生命を失いそして死んだと感じると訴える。
メランコリア(以前は、内因性うつ病)は、著しい(思考および活動の)精神運動の鈍化または激越(例えば、落ち着きのなさ、手をもむ、言葉の圧力)、体重減少、不合理な罪悪感、および楽しみを経験する能力の喪失により特徴付けられる。気分および活動は日によって変化し、朝は最低である。ほとんどのメランコリー性の患者は、夜中または早朝における入眠困難、複数回の覚醒および不眠を訴える。性欲は、しばしば低下するかまたは失われる。無月経が生じ得る。摂食障害および体重減少は、るい痩および電解質バランスの二次的乱れをもたらし得る。
非定型うつ病において、反植物性特徴(reverse vegetative features)は、臨床症状を支配し;それらは、不安恐怖症の症状、夜間の悪化、初期不眠症、しばしば日中に及ぶ過眠症、および体重増加を伴う過食症を含む。メランコリアの患者とは異なり、非定型うつ病の患者は、潜在的にポジティブな事象に対して明るい気分を示すが、わずかな逆境で麻痺性うつ病にしばしば陥る。非定型うつ病性障害と双極性II型障害は、かなり重複する。
気分変調障害において、抑うつ症状は、典型的には小児期または青年期にいつの間にか始まり、数年または数十年にわたり断続的または低悪性度の経過をたどり;大うつ病エピソードは、それを複雑にし得る(二重うつ病)。純粋な気分変調症において、抑うつ兆候は、閾値以下のレベルで発生し、抑うつ気質のもの:習慣的に暗い、悲観的、ユーモアがないまたは楽しむことができない;受動的で無気力;内向的;懐疑的、酷評的または不平不満;自己批判的、自責的および自虐的;ならびに不足、失敗およびネガティブな事象にとらわれるとかなり重複する。
多くのうつ病患者を徹底的に評価すると、双極性の特徴が明らかになり、うつ病性障害の患者の5人に1人はまた、偽りのない軽躁病または躁病を発症する。単極性から双極性障害への切り替えの多くは、抑うつ兆候の発生から5年以内に生じる。切り替えの予測因子は、うつ病の早期発症(25歳未満)、産後うつ病、うつ病の頻繁なエピソード、身体的処置(例えば、抗うつ薬、光線療法、睡眠妨害、電気けいれん療法)により気分が急速に明るくなる、および3世代連続で気分障害の家族歴を含む。
エピソード間で、双極性障害の患者は、抑うつ気分およびときに高エネルギーの活動を示し;双極性うつ病における発達的および社会的機能の混乱は、単極性障害においてより一般的である。双極性障害において、単極性障害より、うつ病エピソードは短く(3~6か月)、発症年齢は若く、エピソードの発症は突然であり、サイクル(1つのエピソードから次のエピソードまでの時間)は短い。周期性は、双極性障害の急速交代型(rapid-cycling forms)において特に顕著になる(通常、4エピソード/年以上と定義される)。また、双極性のうつ病エピソードは、BPDの処置が困難な要素である。例えば、精神科医は、双極性障害全体の患者の約25%が躁病エピソードの間は難治性であるのに対し、約70%がうつ病エピソードの間は難治性であることを示す。
したがって、種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、双極性うつ病、双極性I型障害に関連する大うつ病エピソード、大うつ病性障害(MDD)、永続性うつ病性障害(気分変調症)、月経前不快気分障害(PMDD)、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)、別の医学的状態によるうつ病性障害、他の特定可能なうつ病性障害、特定不能なうつ病性障害、または治療抵抗性うつ病(TRD)、ならびに不安性苦痛の特定項目を伴う、混合性の特徴を伴う、メランコリー性の特徴を伴う、非定型性の特徴を伴う、気分と一致する精神病性の特徴を伴う、気分に一致しない精神病性の特徴を伴う、緊張病を伴う、周産期発症を伴うおよび/または季節性パターンを伴うMDD、ならびに季節性情動障害の1つ以上である。
TRDは、少なくとも2つの抗うつ薬の十分な用量および期間の適切な過程に十分に反応しない大うつ病性障害(MDD)の症例を説明するための臨床精神医学において用いられる用語であることを理解されるべきである。
種々の実施態様において、うつ病性障害は、急性自殺念慮または希死念慮に関連する。米国食品医薬品局は、MDDなどのうつ病性障害を有する子供、青年および若年成人(24歳まで)の一部において抗うつ薬が自殺念慮および行動のリスクを増大させ得ることを示す「黒枠」ラベル警告を採用した。種々の実施態様において、本発明の組成物および方法は、MDDなどのうつ病性障害を有する子供、青年および/または若年成人において自殺念慮および/または行動のリスクを増大させないと考えられる。種々の実施態様において、本発明は、自殺念慮および/または行動のリスクを増大させることなく子供、青年および/または若年成人においてうつ病性障害(例えば、MDD)の1つ以上の症状と処置するための医薬および方法を提供する。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、統合失調症である。統合失調症は、通常青年期の初期に現れ、精神病症状、一過性の進行および発症、ならびに/または社会行動および専門能力における劣化のような特徴により特徴付けられる原因不明の障害である。特徴的な精神病性症状は思考内容(例えば、多重的、断片的、散乱的、不信的または単純妄想的内容または迫害的思考)および心理(例えば、連想性の喪失、空想奔逸、不可解による矛盾)の障害ならびに知覚(例えば、幻覚)、感情(例えば、表面的または不適切な感情)、自己知覚、意志、衝動および/または人間関係の障害ならびに、および精神運動障害(例えば、緊張病)。他の症状もまた、この障害と関連性がある。統合失調症は、サブグループ:妄想および幻覚および思考欠如障害、混乱行動および感情荒廃により特徴付けられる妄想型;思考障害および荒廃感情が共存する「破瓜型統合失調症」とも称される混乱型;顕著な精神運動障害が明らかであり、症状が緊張病性昏迷およびろう屈症を含み得る緊張型;および精神病性症状が存在するが、妄想型、混乱型または緊張型の基準を満たさない鑑別不能型に分類される。統合失調症の症状は通常、3つの広いカテゴリ:陽性、陰性および認知症状において現れる。陽性症状は、幻覚および妄想のような通常の経験の「過剰」を表すものである。陰性症状は、対象が無快感症および社会的相互行為の減少のような通常の経験の欠如を有するものである。認知症状は、持続的注意の欠如および意志決定における欠如のような統合失調症患者における認知機能障害に関する。
したがって、種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、統合失調症型(パーソナリティ)障害、妄想障害、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調症、統合失調感情障害、物質/薬物誘発性精神病性障害、別の医学的状態による精神病性障害、他の特定可能な統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害、特定不能な統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害の1つ以上である。
統合失調感情障害は、統合失調症および気分障害の両方の態様、例えば、大うつ病性障害、双極性障害、双極性障害に関連する大うつ病エピソードなどを含む状態を含むと理解されるべきである。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、不安障害である。不安障害は、通常は状況に対する過剰反応として一般化され、注目されない恐怖、心配および困惑により特徴付けられる。不安障害は、恐怖、不安もしくは忌避行動および関連する認知的思考を誘発する対象の状況または類型により異なる。不安は、受け止められる将来的な脅威に対する感情的応答であるが、恐怖は受け止められるまたは現実の直接的な脅威に関連する点で、恐怖とは異なる。それらはまた、関連した思考または信念の内容において異なる。不安障害の例は、分離不安障害、選択的無言症、限局性恐怖症、社会的不安障害(社交不安障害)、パニック障害、パニック発作指示子、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/薬物誘発性不安障害、別の医学的状態による不安障害、病気不安障害、社会的(現実的)コミュニケーション障害、他の限局的不安障害および非限局的不安障害;反応性愛着障害、抑止された社会的関与障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス障害および適応障害を含むストレス要因関連障害を含む。
種々の実施態様において、神経もしくは精神疾患または障害は、精神状態によって引き起こされる睡眠障害を含む睡眠障害であり、不眠症、中途覚醒(disturbed sleep)、時差ぼけ、過眠症、カタプレキシー、睡眠関連障害(例えば、睡眠時無呼吸、不眠症、ナルコレプシー、カタプレキシー)、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、レム睡眠行動障害、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、概日リズム睡眠障害、睡眠相後退障害、夢遊病、夜驚症、夜尿症、急速眼球運動睡眠行動障害、交代勤務睡眠障害、日中の過剰な眠気、非24時間睡眠覚醒障害、睡眠時麻痺およびナルコレプシーを含むがこれらに限定されない。
種々の実施態様において、本発明は、睡眠中および相当する日中の両方の急速眼球運動(REM)を抑制するための医薬および方法を提供する。
種々の実施態様において、本発明は、睡眠中および相当する日中の両方の過剰REMを抑制または排除するための医薬および方法を提供する。
種々の実施態様において、神経および/もしくは精神疾患または障害は、強迫性障害および関連障害(例えば、身体醜形障害、ためこみ症、抜毛症、皮膚むしり症)である。
種々の実施態様において、神経および/もしくは精神疾患または障害は、反抗挑発症、間欠性爆発性障害、行動障害、反社会的パーソナリティ障害、放火症、窃盗症、他の特定可能な破壊的、衝動抑制および行動障害、特定不能な破壊的、衝動抑制および行動障害を含む破壊的、衝動制御および行動障害である。
種々の実施態様において、本発明の組成物、製剤、方法および医薬は、他の治療と組み合わせて用いられ得る。適切な治療は、心理療法、認知行動療法、光線療法、経頭蓋磁気刺激法、迷走神経刺激法および脳深部刺激法を含むがこれらに限定されない。
種々の態様において、本発明は、アミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物および1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む、製剤および組成物を提供する。
種々の実施態様において、本発明の医薬組成物は、1つ以上の結合剤、充填剤、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、希釈剤、増粘剤または粘度低下剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、矯味剤、芳香剤、着香剤、希釈剤、ならびに薬物を美しく見せるかまたは本発明の組成物を含む医薬および医薬品の製造を助けるための他の公知の添加物を含むがこれらに限定されない、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含むと理解されるべきである。当業者に周知の担体および添加剤の例は、例えばAnsel, Howard C., et al., Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004;Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000;およびRowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005に記載されている。
種々の実施態様において、組成物は、公知の確立された慣例に従って、1つ以上の医薬的に許容される添加剤と共に製剤化される。したがって、種々の実施態様において、組成物は、例えば液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、注射溶液または懸濁剤として製剤化される。経口用途の製剤が好ましく、例えば、薬理活性成分が不活性固形希釈剤と混合されている錠剤、カプレット剤またはカプセル剤として提供され得る。錠剤はまた、造粒剤および崩壊剤を含み得て、そしてコーティングされていてもよく、またはコーティングされていなくてもよい。局所用途の製剤は、例えば局所液剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、フォーム剤、貼付剤、散剤、固形剤、スポンジ剤、テープ剤、吸入剤、ペース剤またはチンキ剤として提供され得る。
種々の実施態様において、本発明は、アミスルピリドエナンチオマー(またはエナンチオマーの1つ以上の医薬的に許容される塩)の不均等混合物および1つ以上の医薬的に許容される添加剤、担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約25mg~約1000mg、種々の実施態様において、約50mg~約750mg、種々の実施態様において、約50mg~約300mg、種々の実施態様において好ましくは、約100mg~約300mgである、組成物を含む。種々の実施態様において、このような組成物は、遊離塩基重量として約80:20から約90:10の範囲である、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比を含み;好ましくは種々の実施態様において、比は、遊離塩基重量として約85:15である。
種々の実施態様において、アミスルピリドエナンチオマーの不均等混合物を含む組成物は、固形経口剤形として製剤化される。(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む組成物の総量は、1つの投与単位形態、例えば1つの錠剤、カプセル剤などで提供される必要はないと理解されるべきである。種々の実施態様において、例えば、2つの投与単位形態の投与が、所望の(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた量の投与もたらすような投与単位形態で提供される組成物が好ましい。
例えば、種々の実施態様において、約85mgの(R)-アミスルピリドおよび約15mgの(S)-アミスルピリドを含む、約100mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量(100mgの錠剤/カプセル剤)を含む、投与単位形態で提供される。したがって、これら100mgの錠剤/カプセル剤3つの投与が、約300mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量の投与をもたらし;一方、これら100mgの錠剤/カプセル剤2つの投与が、約400mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量の投与をもたらす。
例えば、種々の実施態様において、約170mgの(R)-アミスルピリドおよび約30mgの(S)-アミスルピリドを含む、約200mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量(200mgの錠剤/カプセル剤)を含む、投与単位形態で提供される。したがって、これら200mgの錠剤/カプセル剤2つの投与が、約400mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量の投与をもたらし;一方、これら200mgの錠剤/カプセル剤3つの投与が、約600mgの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量の投与をもたらす。
経口剤形を含む種々の実施態様において、剤形は、液体懸濁液または溶液である。例えば、種々の実施態様において、経口剤形は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を有する液体に溶解または懸濁させた、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む。種々の実施態様において、液体剤形は、クエン酸緩衝液を有する20mL溶液に溶解または懸濁させた、活性成分の組合せ((R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリド)を含む。
種々の実施態様において、本発明は、表1に記載するものと実質的に一致する溶液を含む液体経口剤形を提供し、ここで表1において、「1mg当たりのAPIのmg(R:Sが85:15)」のカラムは、水溶液1mL当たりの(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量((R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドの比が重量として85:15である)を示し、pHのカラムは、緩衝化pH範割合は、重量%である。
種々の実施態様において、経口投与に適する本発明の製剤は、粉末、顆粒またはそれら両方として活性医薬成分((R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドおよびその医薬的に許容される塩)、および1つ以上の医薬的に許容される添加剤を各々含む、カプセル剤、カシェ剤または錠剤として提供される。
種々の実施態様において、固形経口剤形は、(a)総重量の約20%~約40%を占め、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドの錠剤比が、遊離塩基重量として約85:15である、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量、(b)約30%~約55%の賦形剤(例えば、マンニトール、ラクトース一水和物の1つ以上)、および(c)約15%~約30%の崩壊剤(例えばα化デンプン、クロスカルメロースナトリウム)を有するコアを含む錠剤の形態である。種々の実施態様において、コアは、(i)約1%~約5%の結合剤(例えば、部分けん化ポリビニルアルコールを含むがこれに限定されないポリビニルアルコール);および(ii)約0.75%~約3%の滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)をさらに含む。
種々の実施態様において、本発明は、表2に記載のものと実質的に一致するコアを有する錠剤を含む固形経口剤形を提供する。種々の実施態様において、本発明は、表2に記載のものと実質的に一致するコア、および表3のものと実質的に一致するコーティングを有する錠剤を含む固形経口剤形を提供し、ここで表2および3において、略語q.s.は、十分な量(必要なだけ)を意味し、精製水が処理中に除去されたか除去されると理解されるべきである。
種々の実施態様において、表2と実質的に一致するコアおよび表3と実質的に一致するコーティングを有する錠剤を提供する。種々の好ましい実施態様において、すべての添加剤は、それぞれ米国薬局方(USP)、日本薬局方(JP)、日本医薬品添加物規格(JPE)、欧州薬局方(Ph. Eur.)、および/または国民医薬品集(NF)モノグラフに準拠する。
種々の実施態様において、活性医薬成分((R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドおよびその医薬的に許容される塩)は、医薬的に許容される添加剤と混合した乾燥粉末として提供される。種々の実施態様において、活性医薬成分((R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドおよびその医薬的に許容される塩)は、顆粒である。種々の実施態様において、活性医薬成分(R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドの一方または両方は、それぞれ、フォームAおよびフォームA'の化合物結晶である。
造粒した活性医薬成分の種々の実施態様において、顆粒は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤と共にカプセルに入れられる。種々の実施態様において、表2のものと実質的に一致する量および割合で医薬的に許容される添加剤と共に造粒した活性医薬成分を含むカプセル剤を提供する。造粒した活性医薬成分の種々の実施態様において、顆粒は、表3のものと実質的に一致するコーティングでコーティングされる。
種々の実施態様において、医薬組成物および経口剤形は、速放性医薬組成物である。種々の実施態様において、速放性医薬組成物は、(例えば有効成分の量に関して)1日1回、2回、3回または4回投与されるように製剤化される。種々の実施態様において、組成物の(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマーまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、約80:20から約90:10の範囲である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、およそ80:20、81:19、82:18、83:17、84:16、85:15、86:14、87:13、88:12、89:11または90:10である。好ましくは種々の実施態様において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の重量比は、85:15である。種々の実施態様において、速放性医薬組成物中における(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、約50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、750mg、800mg、900mgまたは1000mgである。種々の実施態様において、1回投与されるか、または処置サイクルにわたって投与されるように、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量は、約50~1000mgの範囲である。種々の実施態様において、1回投与されるか、または処置サイクルにわたって投与されるように、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた総量は、約200~750mgの範囲である。
種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって200mgである。種々の実施態様において、処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15であり、処置サイクルは、1日1回であり、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの総量は、処置サイクルにわたって400mgである。
種々の実施態様において、対象体に1回投与されるか、または対象体に処置サイクルにわたって投与される、速放性医薬組成物中における(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;ならびに、例えば、(a)REM睡眠を約10分超減少させること;(b)REM睡眠潜時が約15分を超えること、または(c)総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させることの1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を提供するのに十分である。速放性組成物の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、約15分~約60分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を引き起こすのに十分である。
本発明の速放性医薬組成物の種々の実施態様において、速放性医薬組成物は、結合剤、充填剤、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、希釈剤、増粘剤または粘度低下剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、矯味剤、芳香剤または着香剤を含むがこれらに限定されない、1つ以上の添加剤を含む担体系をさらに含有する。任意のこのような添加剤成分の量は、対象とする部位への(R)-アミスルピリド、(S)-アミスルピリドまたはその両方の送達を最大にするために当業者によって決定され得る。
種々の実施態様において、本発明の経口剤形は、(R)-(+)-アミスルピリド、(S)-(-)-アミスルピリドの別個の形態を用いるものであり、(R)-アミスルピリドの遊離塩基結晶形についてはフォームAと、(S)-アミスルピリドの遊離塩基結晶形についてはフォームA'と称され、本明細書でさらに詳細に記載されている。種々の実施態様において、エナンチオマーのアミスルピリドは、高い多形純度、キラル純度、および化合物純度の1つ以上で提供される。
いくつかの実施態様において、本開示は、
遊離塩基重量として約85mg~約600mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約15mg~約100mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、
遊離塩基重量として約65:35から約88:12の(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比で。
含む医薬組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約75:25から約88:12である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約80:20から約88:12である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約85:15である。
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、
遊離塩基重量として約170mg~約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mg~約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む。
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、
遊離塩基重量として約170mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩。
を含む。
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、
遊離塩基重量として約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩。
を含む。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mgまたは700mgである。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mg~約600mgである。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mg~約400mgである。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mgである。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約400mgである。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、約20%~約60%のドーパミンD2受容体の占有率を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、約30%~約50%のドーパミンD2受容体の占有率を投与後に対象体に提供するのに有効である。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、急速眼球運動(REM)睡眠を10分超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、急速眼球運動(REM)睡眠を約15分~約45分減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、急速眼球運動(REM)睡眠を約15分~約30分減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、急速眼球運動(REM)睡眠潜時が約20分を超えることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、急速眼球運動(REM)睡眠潜時が約30分を超えることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、総睡眠時間に対する総急速眼球運動(REM)睡眠時間を約5%超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、総睡眠時間に対する総急速眼球運動(REM)睡眠時間を約6.5%超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効である。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量は、
約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および
約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、組成物中の(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である。いくつかの実施態様において、REM睡眠の減少は、約15~約45分である。いくつかの実施態様において、REM睡眠潜時は、約30分を超える。いくつかの実施態様において、総睡眠時間に対する総REM睡眠時間の減少は、約6.5%超である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約85:15である。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約100mg~約700mgである。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量である、医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲である。いくつかの実施態様において、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である。いくつかの実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である。いくつかの実施態様において、ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである。
いくつかの実施態様において、組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される。いくつかの実施態様において、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、医薬組成物の総重量の約20%~約40%を占め;そして、1つ以上の医薬的に許容される添加剤は:
医薬組成物の総重量の約30%~約55%を占める賦形剤;および
医薬組成物の総重量の約15%~約30%を占める崩壊剤
を含む。
いくつかの実施態様において、
1つ以上の医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約5mg/mL~約200mg/mLの合わせた量で含む水溶液であって、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約65:35から約88:12の範囲である水溶液
を含む、液体医薬組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、本開示は、本明細書で提供される医薬組成物を投与することを含む、対象体において精神障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施態様において、精神障害は、うつ病性障害である。いくつかの実施態様において、精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である。いくつかの実施態様において、精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である。いくつかの実施態様において、精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である。いくつかの実施態様において、精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である。いくつかの実施態様において、精神障害は、統合失調感情障害である。いくつかの実施態様において、精神障害は、双極性障害である。いくつかの実施態様において、精神障害は、双極性うつ病である。いくつかの実施態様において、処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する。
いくつかの実施態様において、本明細書で提供される組成物は、1日1回投与される。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量を、対象体に投与することを含む、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法を提供する。
種々の実施態様において、遊離塩基重量として約85mg~約600mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および遊離塩基重量として約15mg~約100mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を含む、組成物であって、組成物中における(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比が、遊離塩基重量として50:50を超える、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に投与することを含む、双極性障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施態様において、
遊離塩基重量として約85mg~約600mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約15mg~約100mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、組成物であって、
組成物中における(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比が、遊離塩基重量として約65:35から約88:12である、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に投与することを含む、双極性障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施態様において、双極性障害は、双極性うつ病である。
いくつかの実施態様において、
遊離塩基重量として約170mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に1日1回投与することを含む、双極性うつ病を処置する方法を提供する。
いくつかの実施態様において、
遊離塩基重量として約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に1日1回投与することを含む、双極性うつ病を処置する方法を提供する。
本開示はまた、以下の実施態様を提供する:
実施態様1. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、不均等混合物は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、医薬組成物。
実施態様2. ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である、実施態様1の医薬組成物。
実施態様3. REM睡眠の減少は、約15~約45分である、実施態様1の医薬組成物。
実施態様4. REM睡眠潜時は、約30分を超える、実施態様1の医薬組成物。
実施態様5. 総睡眠時間に対する総REM睡眠時間の減少は、約6.5%超である、実施態様1の医薬組成物。
実施態様6. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様1の医薬組成物。
実施態様7. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様6の医薬組成物。
実施態様8. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様1の医薬組成物。
実施態様9. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様10. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様11. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様12. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様13. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様14. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様1の医薬組成物。
実施態様15. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様1の医薬組成物。
実施態様16. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量である、医薬組成物。
実施態様17. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲である、実施態様16の医薬組成物。
実施態様18. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である、実施態様17の医薬組成物。
実施態様19. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である、実施態様16の医薬組成物。
実施態様20. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである、実施態様19の医薬組成物。
実施態様21. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様16の医薬組成物。
実施態様22. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様21の医薬組成物。
実施態様23. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様16の医薬組成物。
実施態様24. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様25. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様26. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様27. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様28. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様29. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様16の医薬組成物。
実施態様30. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの塩の不均等混合物は、
約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および
約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効な量である、実施態様16の医薬組成物。
実施態様31. (R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する、実施態様30の医薬組成物。
実施態様32. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様16の医薬組成物。
実施態様33. 下記:
医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比が重量として約85:15である、約50mg~約1000mgの、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量
を含む、医薬組成物。
実施態様34. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様33の医薬組成物。
実施態様35. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様33の医薬組成物。
実施態様36. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様33の医薬組成物。
実施態様37. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様33の医薬組成物。
実施態様38. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様33の医薬組成物。
実施態様39. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様33の医薬組成物。
実施態様40. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、実施態様33の医薬組成物。
実施態様41. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および
約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、実施態様40の医薬組成物。
実施態様42. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様33の医薬組成物。
実施態様43. 下記:
医薬的に許容される添加剤;および
合わせた量が約50mg~約1000mgの、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物
を含み、
ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
REM睡眠を約10分超減少させることにより特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効な量で存在するものである、医薬組成物。
実施態様44. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様43の医薬組成物。
実施態様45. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様43の医薬組成物。
実施態様46. ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である、実施態様43の医薬組成物。
実施態様47. REM睡眠の減少は、約15~約45分である、実施態様43の医薬組成物。
実施態様48. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様43の医薬組成物。
実施態様49. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様43の医薬組成物。
実施態様50. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様43の医薬組成物。
実施態様51. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様43の医薬組成物。
実施態様52. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様43の医薬組成物。
実施態様53. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様43の医薬組成物。
実施態様54. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物を投与することを含む、対象体において精神障害を処置する方法であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、該不均等混合物は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること。
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供する治療上有効量で投与される、方法
実施態様55. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様54の方法。
実施態様56. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様55の方法。
実施態様57. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様54の方法。
実施態様58. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様54の方法。
実施態様59. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様54の方法。
実施態様60. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様54の方法。
実施態様61. 精神障害は、双極性障害である、実施態様54の方法。
実施態様62. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様54の方法。
実施態様63. 処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する、実施態様54の方法。
実施態様64. ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である、実施態様54の方法。
実施態様65. REM睡眠の減少は、約15~約45分である、実施態様54の方法。
実施態様66. REM睡眠の減少は、約15~約30分である、実施態様54の方法。
実施態様67. 総睡眠時間に対する総REM睡眠時間の減少は、約6.5%超である、実施態様54の方法。
実施態様68. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様54の方法。
実施態様69. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様68の方法。
実施態様70. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様54の方法。
実施態様71. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様54の方法。
実施態様72. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様54の方法。
実施態様73. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様54の方法。
実施態様74. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様54の方法。
実施態様75. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様54の方法。
実施態様76. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様54の方法。
実施態様77. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様54の方法。
実施態様78. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を投与することを含む対象体において精神障害を処置する方法であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに治療上有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量である、方法。
実施態様79. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様78の方法。
実施態様80. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様79の方法。
実施態様81. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様78の方法。
実施態様82. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様78の方法。
実施態様83. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様78の方法。
実施態様84. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様78の方法。
実施態様85. 精神障害は、双極性障害である、実施態様78の方法。
実施態様86. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様78の方法。
実施態様87. 処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する、実施態様78の方法。
実施態様88. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である、実施態様78の方法。
実施態様89. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約60nMの範囲である、実施態様78の方法。
実施態様90. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである、実施態様89の方法。
実施態様91. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様78の方法。
実施態様92. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様78の方法。
実施態様93. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様78の方法。
実施態様94. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様78の方法。
実施態様95. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様78の方法。
実施態様96. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様78の方法。
実施態様97. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様78の方法。
実施態様98. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様78の方法。
実施態様99. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様78の方法。
実施態様100. (R)-(+)-アミスルピリドおよび(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの塩の不均等混合物は、
約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および
約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効な量である、実施態様78の方法。
実施態様101. (R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約100mgの量で存在する、実施態様100の方法。
実施態様102. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様78の方法。
実施態様103. 下記:
医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比が重量として約85:15である、約400mg~約700mgの、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量
を含む、医薬組成物を投与することを含む対象体において精神障害を処置する方法
実施態様104. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様103の方法。
実施態様105. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様104の方法。
実施態様106. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様103の方法。
実施態様107. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様103の方法。
実施態様108. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様103の方法。
実施態様109. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様103の方法。
実施態様110. 精神障害は、双極性障害である、実施態様103の方法。
実施態様111. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様103の方法。
実施態様112. 処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する、実施態様103の方法。
実施態様113. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様101の方法。
実施態様114. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様103の方法。
実施態様115. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様103の方法。
実施態様116. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様103の方法。
実施態様117. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様103の方法。
実施態様118. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様103の方法。
実施態様119. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様103の方法。
実施態様120. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、実施態様103の方法。
実施態様121. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および
約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、実施態様120の方法。
実施態様122. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様103の方法。
実施態様123. 下記:
医薬的に許容される添加剤;および
合わせた量が約50mg~約1000mgの、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物
を含み、
ここで、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
REM睡眠を約10分超減少させることにより特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を投与後に対象体に提供するのに有効な量で存在するものである、医薬組成物を投与することを含む対象体において精神障害を処置する方法。
実施態様124. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様123の方法。
実施態様125. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様124の方法。
実施態様126. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様123の方法。
実施態様127. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様123の方法。
実施態様128. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様123の方法。
実施態様129. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様123の方法。
実施態様130. 精神障害は、双極性障害である、実施態様123の方法。
実施態様131. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様123の方法。
実施態様132. 処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する、実施態様123の方法。
実施態様133. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様123の方法。
実施態様134. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様123の方法。
実施態様135. ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である、実施態様123の方法。
実施態様136. REM睡眠の減少は、約15~約45分である、実施態様123の方法。
実施態様137. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様123の方法。
実施態様138. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様123の方法。
実施態様139. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様123の方法。
実施態様140. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様123の方法。
実施態様141. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様123の方法。
実施態様142. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様123の方法。
実施態様143. 組成物は、固形経口剤形で提供される、実施態様123の方法。
実施態様144. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量を、対象体に投与することを含む、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法。
実施態様145. 対象体は、哺乳類である、実施態様144の方法。
実施態様146. 対象体は、ヒトである、実施態様145の方法。
実施態様147. ドーパミンD2活性の阻害およびセロトニン5-HT7活性の阻害は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を含む、実施態様146の方法。
実施態様148. 阻害は、1つ以上の精神障害に罹患している対象体において生じる、実施態様146の方法。
実施態様149. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様148の方法。
実施態様150. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様149の方法。
実施態様151. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様148の方法。
実施態様152. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様148の方法。
実施態様153. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様148の方法。
実施態様154. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様148の方法。
実施態様155. 精神障害は、双極性障害である、実施態様148の方法。
実施態様156. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様148の方法。
実施態様157. 精神障害は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を含む、実施態様148の方法。
実施態様158. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量は、治療上有効量である、実施態様147または148の方法。
実施態様159. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの不均等混合物は、(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約50mg~約1000mgの合わせた量で含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、実施態様158の方法。
実施態様160. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様159の方法。
実施態様161. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15である、実施態様159または160の方法。
実施態様162. 処置サイクルにおいて、ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、合わせた量で、処置当たり約100mg~約1000mg、それを必要とするヒト対象体へ投与することを含み、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、処置サイクル中(S)-(-)-アミスルピリドの量より多い、ヒト対象体において精神障害を処置する方法。
実施態様163. 処置サイクルは、1日1回である、実施態様162の方法。
実施態様164. ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、1日1回提供される、実施態様163の方法。
実施態様165. ある量の(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、およびある量の(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、約12時間に1回提供される、実施態様163の方法。
実施態様166. 処置サイクルは、2日毎である、実施態様162の方法。
実施態様167. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩、および(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩は、処置サイクル中別々に与えられる、実施態様162の方法。
実施態様168. 処置サイクルにわたる(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー重量比は、約85:15である、実施態様162の方法。
実施態様169. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様162の方法。
実施態様170. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様169の方法。
実施態様171. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様162の方法。
実施態様172. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様162の方法。
実施態様173. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様162の方法。
実施態様174. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様162の方法。
実施態様175. 精神障害は、双極性障害である、実施態様162の方法。
実施態様176. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様162の方法。
実施態様177. 精神障害は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を含む、実施態様162の方法。
実施態様178. 下記:
1つ以上の医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約50mg~約1000mgの合わせた量で含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、医薬組成物。
実施態様179. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様178の医薬組成物。
実施態様180. (R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、医薬組成物の総重量の約20%~約40%を占め;そして
1つ以上の医薬的に許容される添加剤は、
医薬組成物の総重量の約30%~約55%を占める賦形剤;および
医薬組成物の総重量の約15%~約30%を占める崩壊剤
を含む、実施態様178の医薬組成物。
実施態様181. 賦形剤は、D-マンニトールである、実施態様180の医薬組成物。
実施態様182. 崩壊剤は、α化デンプンおよびクロスカルメロースナトリウムの1つ以上である、実施態様181の医薬組成物。
実施態様183. 下記:
医薬組成物の総重量の約1%~約3%を占める結合剤;および
医薬組成物の総重量の約0.75%~約3%を占める滑沢剤
をさらに含む、実施態様181の医薬組成物。
実施態様184. 医薬組成物は、実施態様178の組成から構成されるコアおよびコアのコーティングを含む、実施態様178の医薬組成物。
実施態様185. 医薬組成物は、実施態様179の組成から構成されるコアおよびコアのコーティングを含む、実施態様179の医薬組成物。
実施態様186. 医薬組成物は、実施態様180の組成から構成されるコアおよびコアのコーティングを含む、実施態様180の医薬組成物。
実施態様187. コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびタルクの1つ以上から構成されるフィルムコーティングを含む、実施態様184、185または186の医薬組成物。
実施態様188. 下記:
1つ以上の医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約5mg/mL~約200mg/mLの合わせた量で含む水溶液であって、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である水溶液
を含む、医薬組成物。
実施態様189. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様188の医薬組成物。
実施態様190. 下記:
緩衝剤;および
水溶液の総重量の約2%~約60%を占める甘味料
をさらに含む、実施態様188の医薬組成物。
実施態様191. 甘味料は、グリセリンおよびスクラロースの1つ以上を含む、実施態様190の医薬組成物。
実施態様192. 緩衝剤は、クエン酸を含む、実施態様190の医薬組成物。
実施態様193. 緩衝剤は、水溶液のpHを3~5に維持するのに十分な量のクエン酸を含む、実施態様192の医薬組成物。
実施態様194. 防腐剤をさらに含む、実施態様190の医薬組成物。
実施態様195. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害をインビトロで提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量である、医薬組成物。
実施態様196. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲である、実施態様195の医薬組成物。
実施態様197. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である、実施態様196の医薬組成物。
実施態様198. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である、実施態様195の医薬組成物。
実施態様199. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである、実施態様198の医薬組成物。
実施態様200. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、約80:20から約90:10の範囲である、実施態様195の医薬組成物。
実施態様201. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの重量比は、85:15である、実施態様200の医薬組成物。
実施態様202. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様195の医薬組成物。
実施態様203. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約50mg~約1000mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様204. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約200mg~約700mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様205. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約400mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様206. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約500mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様207. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約600mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様208. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの合わせた量は、約700mgである、実施態様195の医薬組成物。
実施態様209. (R)-(+)-アミスルピリドは、約300mg~約600mgの量で存在し、(S)-(-)-アミスルピリドは、約40mg~約105mgの量で存在する、実施態様195の医薬組成物。
実施態様210. 精神障害の処置に用いられる、実施態様1~53または実施態様178~209の組成物。
実施態様211. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様210の組成物。
実施態様212. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様211の組成物。
実施態様213. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様210の組成物。
実施態様214. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様210の組成物。
実施態様215. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様210の組成物。
実施態様216. 精神障害は、双極性障害である、実施態様210の組成物。
実施態様217. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様210の組成物。
実施態様218. 精神障害は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上である、実施態様210の組成物。
実施態様219. 精神障害の処置のための医薬の製造における、実施態様1~53または実施態様178~209のいずれかの組成物の使用。
実施態様220. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様219の組成物。
実施態様221. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様220の医薬。
実施態様222. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様219の組成物。
実施態様223. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様219の組成物。
実施態様224. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様219の組成物。
実施態様225. 精神障害は、双極性障害である、実施態様219の組成物。
実施態様226. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様219の組成物。
実施態様227. 精神障害は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上である、実施態様219の組成物。
本開示は、以下の実施態様もまた提供する:
実施態様1A. 下記:
遊離塩基重量として約85mg~約600mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約15mg~約100mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩を、
遊離塩基重量として約65:35から約88:12の(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドのエナンチオマー比で
を含む、医薬組成物。
実施態様2A. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約75:25から約88:12である、実施態様1Aの医薬組成物。
実施態様3A. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約80:20から約88:12である、実施態様1Aまたは2Aの医薬組成物。
実施態様4A. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約85:15である、実施態様1A~3Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様5A. 下記:
遊離塩基重量として約170mg~約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mg~約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、実施態様1A~4Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様6A. 下記:
遊離塩基重量として約170mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、実施態様1A~5Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様7A. 下記:
遊離塩基重量として約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、実施態様1A~5Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様8A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mgまたは700mgである、実施態様1A~4Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様9A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mg~約600mgである、実施態様1A~4Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様10A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mg~約400mgである、実施態様1A~4Aおよび9Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様11A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約200mgである、実施態様1A~4Aおよび8A~10Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様12A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約400mgである、実施態様1A~4Aおよび8A~10Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様13A. (R)-(+)-アミスルピリドは、結晶フォームAの(R)-(+)-アミスルピリド結晶であり;(S)-(-)-アミスルピリドは、結晶フォームA'の(S)-(-)-アミスルピリド結晶である、実施態様1A~12Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様14A. 約20%~約60%のドーパミンD2受容体の占有率を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~13Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様15A. 約30%~約50%のドーパミンD2受容体の占有率を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~14Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様16A. 急速眼球運動(REM)睡眠を10分超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~15Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様17A. 急速眼球運動(REM)睡眠を約15分~約45分減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~16Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様18A. 急速眼球運動(REM)睡眠を約15分~約30分減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~17Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様19A. 急速眼球運動(REM)睡眠潜時が約20分を超えることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~18Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様20A. 急速眼球運動(REM)睡眠潜時が約30分を超えることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~19Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様21A. 総睡眠時間に対する総急速眼球運動(REM)睡眠時間を約5%超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~20Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様22A. 総睡眠時間に対する総急速眼球運動(REM)睡眠時間を約6.5%超減少させることにより特徴付けられるREM睡眠時間の抑制を投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~21Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様23A. 約30%~約50%のドーパミンD2受容体占有率;および約15分~約45分の急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制を、投与後に対象体に提供するのに有効な、(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の合わせた量を含む、実施態様1A~13Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様24A. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、組成物中の(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの量は、
約20%~約60%のドーパミンD2受容体占有率;および
下記:
REM睡眠を約10分超減少させること、
REM睡眠潜時が約20分を超えること、または
総睡眠時間に対する総REM睡眠時間を約5%超減少させること
の1つ以上により特徴付けられる急速眼球運動(REM)睡眠時間の抑制
を、投与後に対象体に提供するのに有効である、医薬組成物。
実施態様25A. ドーパミンD2受容体占有率は、約30%~約50%である、実施態様24Aの医薬組成物。
実施態様26A. REM睡眠の減少は、約15~約45分である、実施態様24Aまたは25Aの医薬組成物。
実施態様27A. REM睡眠潜時は、約30分を超える、実施態様24A~26Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様28A. 総睡眠時間に対する総REM睡眠時間の減少は、約6.5%超である、実施態様24A~27Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様29A. (R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約85:15である、実施態様24A~28Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様30A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の合わせた量は、遊離塩基重量として約100mg~約700mgである、実施態様24A~29Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様31A. (R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドまたはそれらの医薬的に許容される塩の不均等混合物を含む医薬組成物であって、(R)-(+)-アミスルピリドの量は、(S)-(-)-アミスルピリドの量より多く、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性の阻害を投与後に対象体に提供するのに有効であって、セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約2~約6の範囲であるような量である、医薬組成物。
実施態様32A. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約3~約5の範囲である、実施態様31Aの医薬組成物。
実施態様33A. セロトニン5-HT7受容体阻害定数対ドーパミンD2受容体阻害定数の比は、約4である、実施態様31Aまたは32Aの医薬組成物。
実施態様34A. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約11nM~約20nMの範囲であり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約40nM~約85nMの範囲である、実施態様31A~33Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様35A. ドーパミンD2受容体阻害定数は、約17nMであり、セロトニン5-HT7受容体阻害定数は、約66nMである、実施態様31A~34Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様36A. 組成物は、1つ以上の医薬的に許容される添加剤を含む固形経口剤形で提供される、実施態様1A~35Aのいずれかの医薬組成物。
実施態様37A. (R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの合わせた総量は、医薬組成物の総重量の約20%~約40%を占め;そして
1つ以上の医薬的に許容される添加剤は、
医薬組成物の総重量の約30%~約55%を占める賦形剤;および
医薬組成物の総重量の約15%~約30%を占める崩壊剤
を含む、実施態様36Aの医薬組成物。
実施態様38A. 下記:
1つ以上の医薬的に許容される添加剤;および
(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物を、約5mg/mL~約200mg/mLの合わせた量で含む水溶液であって、(R)-(+)-アミスルピリド対(S)-(-)-アミスルピリドの比は、遊離塩基重量として約65:35から約88:12の範囲である水溶液
を含む、液体医薬組成物。
実施態様39A. 実施態様1A~38Aのいずれかの医薬組成物を投与することを含む対象体において精神障害を処置する方法。
実施態様40A. 精神障害は、うつ病性障害である、実施態様39Aの方法。
実施態様41A. 精神障害は、大うつ病性障害(MDD)である、実施態様39Aの方法。
実施態様42A. 精神障害は、混合性の特徴を伴う大うつ病性障害(MDD-MF)である、実施態様39Aの方法。
実施態様43A. 精神障害は、治療抵抗性うつ病(TRD)である、実施態様39Aの方法。
実施態様44A. 精神障害は、統合失調症および統合失調症の陰性症状の1つ以上である、実施態様39Aの方法。
実施態様45A. 精神障害は、統合失調感情障害である、実施態様39Aの方法。
実施態様46A. 精神障害は、双極性障害である、実施態様39Aの方法。
実施態様47A. 精神障害は、双極性うつ病である、実施態様39Aの方法。
実施態様48A. 処置方法は、統合失調症、統合失調症の陰性症状、治療抵抗性うつ病、双極性障害およびうつ病の2つ以上を処置する、実施態様39Aの方法。
実施態様49A. 組成物は、1日1回投与される、実施態様39A~48Aのいずれかの方法。
実施態様50A. 下記:
遊離塩基重量として約170mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約30mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に1日1回投与することを含む、双極性うつ病を処置する方法。
実施態様51A. 下記:
遊離塩基重量として約340mgの(R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩;および
遊離塩基重量として約60mgの(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩
を含む、組成物の有効量を、処置を必要とする対象体に1日1回投与することを含む、双極性うつ病を処置する方法。
実施態様52A. (R)-(+)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩と、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその医薬的に許容される塩の不均等混合物の有効量を、対象体に投与することを含む、対象体においてドーパミンD2活性およびセロトニン5-HT7活性を阻害する方法。
本明細書で用いられる用語「多形純度」は、特定の結晶多形である重量%を指す。例えば、(R)-アミスルピリドフォームA結晶が95%超の多形純度を有することにより特徴付けられるとき、物質の95重量%超はフォームAの(R)-アミスルピリド結晶であり、5重量%未満が(R)-アミスルピリドの他の多形または非晶質形であることを意味する。
本明細書で用いられる用語「キラル純度」および「エナンチオマー純度」は、相互交換可能に用いられ、特定のエナンチオマーの重量%を指す。例えば、物質(例えば化合物または結晶)を含有する(R)-アミスルピリド90%超がキラル純度を有することにより特徴付けられるとき、物質中のアミスルピリドの95重量%超は(R)-アミスルピリドであり、5重量%未満がアミスルピリドの他のエナンチオマー形態であることを意味する。
本明細書で用いられる用語「化合物純度」は、特定の結晶多形を含む特定の化学物質である重量%を指す。例えば、アミスルピリドフォームA結晶が95%超の化合物純度を有することにより特徴付けられるとき、物質の95重量%超はアミスルピリドフォームA結晶であり、5重量%未満が他の多形を含む化合物であることを意味する。
例えば、(R)-アミスルピリドフォームA結晶が99%超の化合物純度および97%超のキラル純度を有するとして特徴付けられるとき、97重量%超の物質はエナンチオマー形態(R)-アミスルピリドフォームAであり、3重量%未満が他のアミスルピリドエナンチオマーであること、および99重量%超の物質はアミスルピリドであり、1重量%未満が他の化合物であることを意味する。例えば、(R)-アミスルピリドフォームA結晶が99%超の化合物純度、97%超のキラル純度および95%超の多形純度を有するとして特徴付けられるとき、95重量%超の物質はフォームAの(R)-アミスルピリド結晶であり、5重量%未満が(R)-アミスルピリドの他の多形または非晶質形であり、97重量%超の物質はエナンチオマー形態(R)-アミスルピリドであり、3重量%未満が他のアミスルピリドエナンチオマーであること、および99重量%超の物質はアミスルピリドであり、1重量%未満が他の化合物であることを意味する。
化合物純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を含むがこれらに限定されない、多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ得る。キラル純度(エナンチオマー純度としても知られる)は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含むがこれらに限定されない、多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ得る。水分含有量は、を含むがこれらに限定されない、電量滴定多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ得る。
例えば、種々の実施態様において、フォームAの(R)-アミスルピリド結晶、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶またはその両方は、約90%超の多形純度、約95%超の多形純度、約97%超の多形純度、約99%超の多形純度、約99.5%超の多形純度、約99.7%超の多形純度、または約99.9%超の多形純度を有する活性成分として提供される。
例えば、種々の実施態様において、フォームAの(R)-アミスルピリド結晶、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶またはその両方は、約95%超の化合物純度、約97%超の化合物純度、約99%超の化合物純度、約99.5%超の化合物純度、約99.7%超の化合物純度、または約99.9%超の化合物純度を有する活性成分として提供される。種々の実施態様において、フォームAの(R)-アミスルピリド結晶、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶またはその両方は、約8000ppm未満の残留溶媒、約6000ppm未満の残留溶媒、約4000ppm未満の残留溶媒、約2000ppm未満の残留溶媒、約1000ppm未満の残留溶媒、約800ppm未満の残留溶媒、または約500ppm未満の残留溶媒を有して提供される。
本発明の態様、実施態様および特徴は、以下の実施例からさらに理解し得るが、これらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例1は、インビトロデータを示し、実施例2および3は、動物試験データを示し、実施例4~6は、人臨床データを示す。
実施例1:ドーパミンD2およびセロトニン5-HT7親和性のインビトロアッセイ
アミスルピリドエナンチオマーおよびラセミのアミスルピリドを、放射性リガンド結合技術(Eurofins Panlabs, Inc.)によるヒトチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞ドーパミンD2受容体に対する親和性について試験した。受容体のBmax値は、1.6pmole/mgタンパク質であった。放射性リガンドは、0.090nMの解離定数(Kd、同一条件下の過去の値)を有する0.16nMの濃度の[3H]スピペロンであった。インキュベート緩衝液は、50mM Tris-HCl、pH7.4、1.4mMアスコルビン酸、0.001%BSA、および150mM NaClであった。試験下のアミスルピリド化合物(例えば、エナンチオマーのアミスルピリドおよびラセミのアミスルピリド)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、1%最終濃度でアッセイウェルに加えた。アミスルピリドエナンチオマーおよびラセミのアミスルピリドによる特異的結合のパーセント阻害値を、10μMから3nMまで減らした最終濃度の12の段階希釈で生成した。各濃度を2回繰り返して試験した。ドーパミンD2受容体に対するアミスルピリドエナンチオマーの親和性およびラセミのアミスルピリド親和性は、3回の独立した実験の平均に基づく。Cheng-Prusoff式、ならびに試験化合物のIC50観察値、アッセイに用いた放射性リガンドの濃度およびリガンドのKdの過去の値(実験的に得た)を用いて、親和性を計算した。
アミスルピリドエナンチオマーおよびラセミのアミスルピリドを、放射性リガンド結合技術(Eurofins Panlabs, Inc.)によるヒトCHO-K1細胞において組み換え発現させたセロトニン5-HT7受容体に対する親和性について試験した。受容体のBmax値は、0.95pmole/mgタンパク質であった。放射性リガンドは、7.40nMの解離定数(Kd、同一条件下の過去の値)を有する5.5nMの濃度の[3H]リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)であった。インキュベート緩衝液は、50mM Tris-HCl、pH7.4、10mM MgCl2、0.5mM EDTAであった。試験下のアミスルピリド化合物(例えば、エナンチオマーのアミスルピリドおよびラセミのアミスルピリド)をDMSOに溶解させ、1%最終濃度でアッセイウェルに加えた。アミスルピリドエナンチオマーおよびラセミのアミスルピリドによる特異的結合のパーセント阻害値を、10μMから3nMまで減らした最終濃度の12の段階希釈で生成した。各濃度を2回繰り返して試験した。セロトニン5-HT7受容体に対するアミスルピリドエナンチオマーの親和性およびラセミのアミスルピリド親和性は、3回の独立した実験の平均に基づく。Cheng-Prusoff式、ならびに試験化合物のIC50観察値、アッセイに用いた放射性リガンドの濃度およびリガンドのKdの過去の値(実験的に得た)を用いて、親和性を計算した。
特異的結合のパーセント阻害を、試験薬物濃度(すなわち、(R)-アミスルピリド(S)-アミスルピリド、およびラセミのアミスルピリド)の関数として決定した。逆のエナンチオマーに存在する臨床的利益を合わせる可能性を有する別個の薬理活性があることを発見した。
図1Aを参照すると、(R)-アミスルピリド(下向きの三角形)、(S)-アミスルピリド(上向きの三角形)およびラセミのアミスルピリド(円)について、実施例1のドーパミンD2結合の%阻害に関するデータが示されている。縦棒は、3回の独立した測定からの±1の標準偏差を表す。図1Aは、(S)-エナンチオマーが、ドーパミンD2受容体のより強力なエナンチオマーであることを示す。
図1Bを参照すると、(R)-アミスルピリド(下向きの三角形)、(S)-アミスルピリド(上向きの三角形)およびラセミのアミスルピリド(円)について、実施例1のセロトニン5-HT7の%阻害に関するデータが示されている。縦棒は、3回の独立した測定からの±1の標準偏差を表す。図1Bは、(R)-エナンチオマーが、セロトニン5-HT7受容体への結合の阻害においてより強力であることを示す。
表4は、放射性リガンド結合によりインビトロで決定した阻害定数(Ki)値(nM)を要約し、ラセミのアミスルピリドを、重量として約85:15の(R)-(+)-アミスルピリドと(S)-(-)-アミスルピリドの混合物と比較する。ヒトドーパミンD
2受容体またはヒトセロトニン5-HT
7受容体をCHO細胞またはCHO-K1細胞においてそれぞれ発現させた。平均の標準誤差を、複数回の独立した測定に基づき示す。
実施例1は、(R)-エナンチオマーが、セロトニン5-HT7受容体に対して極めて立体選択的であり、それ故に、アミスルピリドの5-HT7拮抗作用は、ほぼ独占的に(R)-エナンチオマーに存在すること、および(S)-エナンチオマーが、ドーパミンD2受容体に対して極めて立体選択的であり、それ故に、ラセミのアミスルピリドのD2拮抗作用は、ほぼ独占的に(S)-エナンチオマーに存在することを示している。図1Aを再度参照すると、(S)-アミスルピリドのD2拮抗作用は、(R)-アミスルピリドのものの約20倍と決定され、そして、図1Bを再度参照すると、(R)-アミスルピリドの5-HT7拮抗作用は、(S)-アミスルピリドのものの約300倍と決定された。
図1Cを参照すると、実施例1の手順に従って決定した、(R)-アミスルピリドと(S)-アミスルピリドの様々な混合物についての受容体相対親和性(5-HT
7:D
2)に関するデータが示されており、ここで、x軸は、(R)-アミスルピリドである試験薬物のパーセンテージを示し、残りのパーセンテージは、(S)-アミスルピリドである。表5は、(S)-エナンチオマー単独(比0:100)から(R)-エナンチオマー単独(比100:0)までの、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドの様々な比(第1カラム)、n=3の独立した測定のドーパミンD
2についてのnMでのKi値(平均±1の標準偏差)(第2カラム)、およびセロトニン5-HT
7(第3カラム)、および5-HT
7対D
2のKi値の比(第4カラムおよび図1C中のプロット)についてリストで示す。
実施例2、3Aおよび3B:動物試験
一連の動物試験を、様々な投与量の(R)-アミスルピリドを用いてラットにおいて実施した。
実施例2:強制水泳試験
強制水泳試験(FST)は、試験化合物の抗うつ薬様活性の指標である。ラットは、「諦めて」動かなくなる前に、泳ぐ。抗うつ薬様活性を有する化合物は、ラットが動かない時間を減少させる。
動物(n=90)を5つの群に分けた。4つの群の動物を、(R)-アミスルピリドの3つの投与量の1つまたはイミプラミン(コントロール)で処置し、一方、他の群の動物に、ビヒクル(M リン酸+0.1M NaOH(pH6~7))のみを投与した。トレーニングセッションにおいて、各動物を、25±1℃に設定した水5.8Lを含むプラスチック円柱に優しく入れた。トレーニングセッションの開始15分後、動物を水から出した。投与溶液を、トレーニングの終了15分後に投与した。
水泳試験の前に、動物に、ビヒクル(1ml/kg)、イミプラミン(10mg/kg)または(R)-アミスルピリド(0.15、0.5および1.5mg/kg)を水泳試験前24時間、5時間および1時間にて腹腔内投与した。水泳試験をトレーニングセッションと同じ方法で5分間実施した。水泳試験において、各動物の行動を、ビデオカメラを用いて水平方向に記録した。水泳試験後、二酸化炭素の吸入により動物を直ぐに屠殺した。
不動時間を測定した人が処置の情報を有しないことを確保したブラインド方法で、水泳の動画を処理した。姿勢を維持するための微動を除き、体や前足を動かさずに水中に浮いたままでいる動物を不動と判断した。動物が動かないままの合計時間を、不動時間と定義した。投与についてブラインドの観察者は、不動時間を測定した。各動物の不動時間を、小数点第1まで測定し、整数に丸めた。不動時間を秒の単位で表す。各シリーズにおいて、不動時間の平均を計算し、整数に丸めた。各群の平均および標準誤差(SE)を、3回の実験シリーズから得られたデータを用いて計算し、整数に丸めた。すべての結果を平均±SEとして表す。
イミプラミンのデータを、5%の両側有意水準(p<0.05)のt検定を用いて分析した。イミプラミンが、コントロールと比較して不動時間を有意に減少した場合、その後(R)-アミスルピリドのデータを、5%の両側有意水準(p<0.05)のダネット多重比較検定を用いてパラメトリックに分析した。データを図2に示す。
図2を参照すると、ビヒクル、イミプラミン(比較)、および0.15、0.5および1.5mg/kgの(R)-アミスルピリドについてのデータが示されている。不動時間の値は、平均±平均の標準誤差(SEM)である。記号##は、ビヒクルに対してp<0.01のp値を示し(両側t検定を用いて決定);*は、ビヒクルに対してp<0.05のp値を示し、**は、p<0.0のp値を示す(パラメトリック両側ダネット多重比較検定を用いて決定)。
ビヒクル処置群における動物の不動時間は、168±12秒であった。10mg/kgのイミプラミンは、すべてのシリーズにおいて不動時間を20%超短縮し、平均不動時間は105±15秒であり、これは、ビヒクル処置群の平均より有意に短かった。0.15、0.5、および1.5mg/kgの投与量の(R)-アミスルピリドで処置した動物の不動時間は、それぞれ142±11、124±12および111±16秒であった。(R)-アミスルピリドは、0.5および1.5mg/kgにて不動時間を有意に減少させ(イミプラミンとの比較)、これは、(R)-アミスルピリドの抗うつ薬様活性を示している。
実施例3A:(R)-アミスルピリドの睡眠試験
げっ歯類において、5-HT7受容体遮断は、うつ病モデルで効果的であり、REM睡眠潜時を増加させ、REM持続時間を減少させることが示されている。
この試験において、自由に動いているラットにおいて睡眠構築に対する(R)-アミスルピリドの効果を評価した。急速眼球運動(REM)睡眠時間、非急速眼球運動(NREM)睡眠時間、覚醒(WAKE)時間を、脳波(EEG)および筋電図(EMG)の記録を用いて測定した。(R)-アミスルピリド(10、30、100mg/kg、p.o.)を、明期中に記録の開始10分前に投与した。EEGおよびEMGを明期の開始から6時間記録した。ビヒクル(0.05N HCl/0.5%メチルセルロース400溶液)または投与懸濁液を、明期の開始10分前に経口投与した。投与量は、5mL/kgであった。薬物処置の順序は、疑似ランダムに変化し、個々の動物で、実験の間隔を少なくとも1週間開けた。
無線送信機(T TL11M2-F40-EET; Data Science International, New Brighton, MN, USA)を、麻酔した動物の背中の皮下に埋め込み、一対の電極ワイヤーを、次の位置の頭蓋に定位固定で埋め込んだ:1つは前頭頂部(ブレグマの2mm前方、正中線の2mm左)、もう1つは頭頂部(ブレグマの5mm後方、正中線の2mm右)。歯科用セメントを用いて、EEG電極を固定した。筋電図(EMG)を背側頸部筋肉から記録した。その後、EEG/EMG記録の前に、動物を個々のプラスチックケージにおいて少なくとも1週間回復させた。500Hzのサンプリング速度にてA.R.T.ソフトウェア(Data Science International, New Brighton, MN, USA)を用いて防音ボックスにおけるホームケージにおいてEEG/EMGを記録した。
睡眠段階分析を、Sleepsignソフトウェア(KISSEI COMTEC CO., LTD, Nagano, Japan)を用いて、オフラインで実施した。10秒間の電気的活動を分析し、各時間を、次の定義に従い、EEGおよびEMGの波形に基づいて自動的に覚醒、REM、およびNREMに割り当てた:覚醒を、EMGが個々の閾値を超える状態として定義し、NREMを、デルタ波(0.5~4Hz)のパワーが個々の閾値を超えるが、EMG活動が無い状態として定義し、そしてREMを、シータ波(4~8Hz)が0.5~80Hzの周波数の合計パワーの40%を超えるが、EMG活動が無い状態として定義した。REM、覚醒およびNREMの各期の持続時間を、2時間ごとに睡眠中に各状態で過ごした時間を合計することによって計算した。
図3A(n=6)および3B(n=7)を参照すると、ビヒクルおよび10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgの(R)-アミスルピリドについてのデータが示されている。y軸は、REM睡眠を抑制した時間を分で表し、これらの値は、平均±平均の標準誤差(SEM)である。記号*は、p<0.05のp値を示し、**は、p<0.01のp値を示し、***は、p<0.001のp値を示す(二元配置分散分析、その後ポストホックパラメトリックダネット多重比較検定を用いて決定)。
すべてのデータを平均±S.E.Mで表す。連続する2時間のREM睡眠、NREM睡眠時間および覚醒時間の各々を、反復測定の二元配置分散分析、その後ポストホックダネット検定を用いて、統計的に比較した。すべての統計分析を、GraphPad Prism 6ソフトウェア(GraphPad Software, Inc., CA, USA, ver. 6.03J)を用いて実施した。
(R)-アミスルピリド(10、30、100mg/kg、p.o.)処置は、自由に動いているラットにおいて用量依存的にREM睡眠持続時間を減少させ、100mg/kgの後、0~2時間および2~4時間(投与後の時間)においてREM睡眠持続時間を有意に減少させることが測定された。NREM睡眠時間および覚醒時間に対する(R)-アミスルピリドの効果は観察されなかった。
実施例3B:85:15(R:S-アミスルピリド)およびラセミのアミスルピリドの睡眠試験
げっ歯類において、5-HT7受容体遮断は、うつ病モデルで効果的であり、REM睡眠潜時を増加させ、REM持続時間を減少させることが示されている。
この試験において、自由に動いているラットにおいて睡眠構築に対する85:15(R:S-アミスルピリド)およびラセミのアミスルピリドの効果を評価した。この試験における群は次のとおりである。試験化合物をクロスオーバーデザインでラットに投与した。
ビヒクルまたは固定比のアミスルピリド投与溶液を、明期(明期:10:00AM~10:00PM)の開始10分前に経口投与した。個々の投与量は、4mL/kgであった。個々の投与量は、各実験日に測定した動物の体重に基づいて計算した。各処置後に少なくとも1週間ウォッシュアウトを設けた。
R-アミスルピリドおよびS-アミスルピリドを別々に秤量した。その後、ビヒクル(0.05N HCl/0.5%MC溶液)を、25mg/mL(100mg/kgの投与溶液)または7.5mg/mL(30mg/kgの投与溶液)の濃度を有する各溶液に加えた。固定比のアミスルピリド(R/S=85/15または50/50)溶液(すなわち投与製剤)を、R-アミスルピリドおよびS-アミスルピリド溶液を混合することにより製造した。
無線送信機を、各々麻酔した動物(ペントバルビタールナトリウム、32.4mg/kg、i.p.およびメデトミジン塩酸塩、0.5mg/kg、i.p.)の腹腔内に埋め込んだ。一対の電極ワイヤーを、次の位置の頭蓋に定位固定で埋め込んだ:1つは前頭頂部(ブレグマの2mm前方、正中線の2mm左)、もう1つは頭頂部(ブレグマの5mm後方、正中線の2mm右)。歯科用セメントを用いて、脳波(EEG)電極を固定した。筋電図(EMG)を背側頸部筋肉から記録した。その後、EEG/EMG記録の前に、動物を個々のプラスチックケージにおいて少なくとも2週間回復させた。500Hzのサンプリング速度にてA.R.T.ソフトウェア(Data Science International, New Brighton, MN, USA)を用いて防音ボックスにおけるホームケージにおいてEEG/EMGを記録した。
睡眠段階分析を、Sleepsign ソフトウェア(KISSEI COMTEC CO., LTD, Japan)を用いて、オフラインで実施した。10秒間の電気的活動を分析し、各時間を、次の定義に従い、EEGおよびEMGの波形に基づいて自動的に覚醒、REM、およびNREMに割り当てた:覚醒を、EMGが個々の閾値を超える状態として定義し、NREMを、デルタ波(0.5~4 Hz)のパワーが個々の閾値を超えるが、EMG活動が無い状態として定義し、そしてREMを、シータ波(4~8 Hz)が0.5~80Hzの周波数の合計パワーの40%を超えるが、EMG活動が無い状態として定義した。R-アミスルピリドは投与0~4時間後に活性であることを示す以前の研究(1)に基づいて、REM睡眠、NREM睡眠および覚醒の持続時間を、処置後最初の4時間からのデータを用いて計算した。
すべてのデータを平均±SEMで表す。投与後最初の4時間中の各睡眠構築(すなわちREM睡眠持続時間、NREM睡眠持続時間および覚醒持続時間)における各投与量での85/15と50/50のアミスルピリド間の差を、反復測定の一元配置分散分析、その後、ポストホックボンフェローニ多重比較検定により分析した。すべての統計分析を、GraphPad Prism 6ソフトウェア(raphPad Software, Inc., CA, USA, ver. 6.03J)を用いて実施した。
0.05未満のp値を統計的に有意であるとみなした。
図3Cは、REM睡眠時間(分)において、ビヒクルを30mg/kgおよび100mg/kgの85:15の比(R:S-アミスルピリド)およびラセミのアミスルピリドと比較するデータを示す。図3Dは、NREM睡眠時間(分)において、ビヒクルを30mg/kgおよび100mg/kgの85:15の比(R:S-アミスルピリド)およびラセミのアミスルピリドと比較するデータを示す。図3Eは、覚醒時間(分)において、ビヒクルを30mg/kgおよび100mg/kgの85:15の比(R:S-アミスルピリド)およびラセミのアミスルピリドと比較するデータを示す。
総投与量30mg/kgのアミスルピリドは、固定比(R/S=85/15)で、ラセミ体(R/S=50/50)と比較して優れたREM睡眠時間の減少(p=0.0495)およびNREM睡眠時間の増加(p=0.0083)を示すことを結果は示している。REMおよびNREM睡眠時間におけるこれらの差は、総投与量100mg/kgのアミスルピリドでは観察されなかった。この試験で試験したいずれの投与量でも覚醒時間において85/15と50/50の間で差は無かった。REM睡眠抑制の強度は、総投与量におけるR-アミスルピリドの量に対して用量依存すると考えられた。実際、30mg/kg(50/50)、30mg/kg(85/15)、100mg/kg(50/50)および100mg/kg(85/15)の各処置には、それぞれ15、25.5、50および85mg/kgのR-アミスルピリドが含まれた。より優れたREM睡眠の減少が、より高い投与量のR-アミスルピリドを投与した処置群において観察された。REM睡眠抑制に対するR-アミスルピリドの効果は、より高い投与量(すなわち50mg/kg以上のR-アミスルピリド)にて飽和した。同様の効果が、NREM睡眠時間においても観察された。
結論として、固定比(R/S=85/15)アミスルピリドは、自由に動いているラットにおいて、ラセミ体(R/S=50/50)より優れたREM睡眠時間の減少およびNREM睡眠時間の増加を示す。
実施例4~6 ヒト試験
一連のヒト臨床試験を、(R)-アミスルピリド、(S)-アミスルピリド、および(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の重量%(w/w%)比の混合物の様々な投与量で実施した。
実施例4:ドーパミンD2受容体占有率のPET試験
これらのヒト臨床試験において、単回投与量で各エナンチオマーを健常なヒト対象体に投与し、最大耐量を決定する。
効果について臨床的に有意な閾値で、脳におけるドーパミンD2受容体を占有できる(S)-アミスルピリドの最小投与量を、陽電子放出断層撮影(PET)臨床試験に参加する健常なヒトボランティアに、単回投与量の(S)-アミスルピリドを投与することにより決定した。(S)-アミスルピリドの最小有効投与量の設定値は、ボランティアにおいて脳ドーパミンD2受容体のおよそ1/4から1/3に結合できる最小投与量レベルであった。
単回経口投与後の(S)-アミスルピリドのドーパミンD2占有率を、非常に選択的なD2のPET放射性トレーサーと共に陽電子放出断層撮影(PET)を用いて、正常な健常ボランティアにおいて実施した。RO50(50%のD2受容体占有率に必要とされる投与量)について狭い(2倍未満)予測間隔を有することを目的として、試験に対象体を登録した。-1日目(投与量の投与前)に、ベースラインPETスキャン(2時間)を各対象体に対して実施し、コントロールとして用いた。1日目に、(S)-アミスルピリドを、臨床現場の薬局で調製した10mlの経口液剤として経口投与した。経口液剤は、クエン酸一水和物、クエン酸三ナトリウム二水和物および水を含有するpH4.5のクエン酸緩衝液である。(S)-アミスルピリドの量および総量から濃度を決定し得る。25mg、45mg、100mgおよび200mgの投与量を用いた。その後、選択的なD2のPETトレーサー(11C PHNO)を、投与後PETスキャン前に静脈内投与した。PETトレーサー投与後所期の時間にて、投与後のPETスキャン(90分)を開始し、投与後およそ3、8および27時間時間にて実施しした。PETスキャンセッションを通じて、血漿試料を採取し、(S)-アミスルピリドレベルについて分析した。血漿濃度は、3時間にてピークに達し、27時間の時間間隔でベースライン近くのレベルまで数倍低下した。(S)-アミスルピリドの消失は、アミスルピリドについて報告されている二相性消失半減期と一致しており、これは、2~5時間の初期消失相および約12時間の末期血漿半減期により特徴付けられる(A.J. Coukell et al, CNS Drugs 6(3), 237-256 (1996))。
D2占有率の推定のために、尾状核と被殻が関心領域として機能し、小脳が参照領域として機能する単純化された参照組織モデル(SRTM)を用いた。S-アミスルピリドのD2占有率と投与量間の関係をより正確に決定するために、各投与量/対象体の観察されたD2占有率を、由来した血漿濃度に対してプロットし、脳ドーパミンD2受容体の30%~50%の占有率に関連する投与量レベルを決定した。
図4は、ドーパミンD2受容体への(S)-アミスルピリド結合の効果についてのヒト臨床試験(n=6)からの分析データを示す。PETスキャンを、投与27時間後に実施し、50%の占有率(RO50)をもたらす(S)-アミスルピリドの量を、72mg~124mgの±95%信頼区間を有する92mgであると決定した。
血漿濃度が低下しているにもかかわらず、27時間まで安定したD2の脳占有率が観察されることを予想外にも発見した。比較において、急速に排泄される他のD2アンタゴニストのクエチアピンは、約7時間の消失半減期および血漿濃度トラフに関連するD2占有率トラフを有する(C.L. Delaney and C.B. Nemeroff, Clin. Pharmokinetics, 40 (7), 509-522 (2001); D.C. Mamo et al., J. Clin. Psychiatry, 69:1, 81-86 (2008))。したがって、驚くべきことに、85:15混合物((R)-アミスルピリド:(S)-アミスルピリド)を投与した対象体についての試験(実施例6のヒト試験)における27時間後(2回の完全半減期を超える)の脳D2占有率は、投与後8時間と同じくらい高いことを発見した。
実施例5:REM抑制試験
臨床的に有意な効果までボランティアにおいて急速眼球運動(REM)睡眠を有意に抑制できる(R)-アミスルピリドの最小投与量を、睡眠ポリグラフ(PSG)臨床試験に参加するボランティアに、臨床現場の薬局で調製した20mlの経口液剤として(R)-アミスルピリドを投与することにより決定した。経口液剤は、クエン酸一水和物、クエン酸三ナトリウム二水和物および水を含有するpH4.5のクエン酸緩衝液である。(S)-アミスルピリドの量および総量から濃度を決定し得る。REM抑制が、5-HT7拮抗作用およびその薬力学の臨床的に有意なレベルを決定するのに用いられるバイオマーカーであった。REM抑制を、REM睡眠で過ごした合計時間(分)およびREM潜時(分)により評価した。(R)-アミスルピリドの例示的な最小有効投与量は、REM睡眠を約10分超阻害できる投与量であることが測定された。ヒトボランティアにおけるREM抑制は、患者における抑うつ作用のための投与量を特定するのに有用な確立されている伝統的なバイオマーカーである。
ヒトにおいて急速眼球運動(REM)睡眠を抑制できる(R)-アミスルピリドの投与量を、(R)-アミスルピリドの単回経口投与量の、単純盲検、プラセボコントロール、無作為化、2段階、2群クロスオーバーの病院での睡眠ポリグラフ(PSG)試験において、健常な対象体で特定した。対象体に、(R)-アミスルピリドまたはプラセボのいずれかの単回投与量を、各々2連続夜に投与し、対象体に、2連続夜の1日目の夜またはもう一方に薬物を投与した。(R)-アミスルピリドの2つの投与量レベル(340mgまたは600mgのいずれか)を、臨床試験の2つの異なる段階で投与した。主要評価項目は、REM睡眠潜時、REM睡眠時間(分)、および総睡眠時間に対するREM睡眠時間の割合減少の測定において投与後の時点で決定される、REM睡眠抑制であった。
図5は、REM睡眠の抑制における(R)-アミスルピリドの効果についてのヒト臨床試験(n=33)からの分析データを示す。REM抑制時間の値は、プラセボとの最小二乗平均差であり、エラーバーは、90%信頼区間(CI)を示す。表6A~6Cは、この試験からのデータを示す。
表6A~6Cに示す結果を、処置、期間、固定効果としての処置シークエンス、連続共変量としての個々のベースラインPSG値、および処置-ベースラインPSG相互作用、およびランダム効果としてのシークエンスに入れ子にした対象体(subject nested within sequence)、自由度についてのケンワード-ロジャー補正および対象体内相関をモデル化するための非構造化共分散構造の項目を有する線形混合モデルに基づくデータの分析から決定した。表6A~6Cで用いられる略語は次のとおりである:PSG=睡眠ポリグラフ;CI=信頼区間;LS=最小二乗;REM=急速眼球運動;SE=標準誤差。
(R)-アミスルピリド340mgの単回経口投与量により、REM睡眠で過ごす時間が10~27分減少し、REMで過ごす夜の割合が2~6%減少し、最初のREM潜時が11~45分増加する(範囲は90%信頼区間である)ことが観察された。
(R)-アミスルピリド600mgの単回経口投与量により、REM睡眠で過ごす時間が18~45分減少し、REMで過ごす夜の割合が4~9%減少し、最初のREM潜時が3~37分増加する(範囲は90%信頼区間である)ことが観察された。また、R-アミスルピリドは、この試験に忍容性良好であった。R-アミスルピリド600mgを投与された13名の対象体のうち、3名の対象体は有害事象を報告した。バイタルサインおよびECGは、正常であった。
実施例4および5のヒト臨床試験は、アミスルピリドのR-とS-エナンチオマー間の異なる薬理作用を特定した。S-アミスルピリドの投与量-占有率の関係は、D2占有率が20%~50%のレベルに対して最小有効投与量が25mg~100mgであることを特定した。また、R-アミスルピリド(600mg)の単回投与量は、臨床的に有意義で統計的に有意なREM睡眠の抑制を生じるのに十分であり、これは、ヒトにおけるR-アミスルピリドのセロトニン(5-HT7)拮抗作用を示している。
実施例6:ドーパミンD2受容体占有率試験、85:15のR:S混合物
これらのヒト臨床試験において、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが重量として85:15の固定比の組成の単回経口投与量を、ボランティアに、200mg(170mg R-アミスルピリド:30mg S-アミスルピリド);300mg(255mg R-アミスルピリド:45mg S-アミスルピリド);400mg(340mg R-アミスルピリド:60mg S-アミスルピリド);600mg(510mg R-アミスルピリド:90mg S-アミスルピリド);および700mg(595mg R-アミスルピリド:105mg S-アミスルピリド)の総組成物量にて投与した。投与量は、クエン酸緩衝液中の20mL経口液剤として投与した。
ドーパミンD2占有率を、非常に選択的D2およびPET放射性トレーサー11C-PHNOと共に陽電子放出断層撮影(PET)を用いることにより測定した。PETスキャンを、投与前後に実施した。ドーパミンD2受容体占有率を、置換不能成分に対する結合の可能性(BPND)の領域推定により各投与後のPETスキャンについて計算した。これらの推定値を、小脳が参照領域として機能する単純化された参照組織モデル(SRTM)を用いて導出した。考慮された脳の関心領域は、尾状核と被殻などのD2が豊富な領域を含む。脳領域の特定を、各対象体の候解像度T1強調MRI(構造脳)スキャンとPET画像の同時登録を用いて実施した。
この試験の主要評価項目は、PETを用いて健常な対象体において、固定比組成物の投与量(総mg)と脳ドーパミンD2受容体の占有率の関係を決定することであった。
図6Aは、ドーパミンD2受容体への(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の重量%比(w/w%)組成物の結合についてのヒト臨床試験(n=11)を示す。
実施例4~6のヒト臨床試験は、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドの比を増加させることにより、アミスルピリドの不均等エナンチオマー混合物の薬理が変化することが分かった。(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドの比を増加させることにより、ドーパミンD2受容体を支配する化合物(ラセミ体)から、5-HT7が薬力学に優先である組成物へ、臨床的に有意義な薬理活性のバランスが変化した。
実施例5および6の人臨床試験は、血漿濃度が低下しているにもかかわらず、27時間まで安定したD2の脳占有率が観察されることを予想外にも発見した。比較において、急速に排泄される他のD2アンタゴニストのクエチアピンは、約7時間の消失半減期および血漿濃度トラフに関連するD2占有率トラフを有する(C.L. Delaney and C.B. Nemeroff, Clin. Pharmokinetics, 40 (7), 509-522 (2001); D.C. Mamo et al., J. Clin. Psychiatry, 69:1, 81-86 (2008))。したがって、驚くべきことに、85:15混合物((R)-アミスルピリド:(S)-アミスルピリド)を投与した対象体についての試験における27時間後(2回の半減期のを超える)の脳D2占有率は、投与後8時間と同じくらい高いことを発見した。
実施例4および5のヒト臨床試験はまた、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の固定比組成が、5-HT7効果(REM睡眠時間量の約20~約45分の減少、約15分のREM睡眠潜時、および総睡眠時間に対する総REM睡眠時間の約5%減少を維持することが必要)の、約30%~約50%の範囲のD2占有率との重なりの最高の比を提供することが分かった。
図6Bおよび6Cは、実施例4~6からのデータ要約しており、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の重量%(w/w%)比の混合物の投与で達成され得る30%~50%のD2受容体占有率との5-HT7効果の実質的な重なりを示す。図6Bは、ラセミ体((R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが50:50の重量%比の混合物)に関するデータを示し、図6Cは、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の重量%比の混合物に関するデータを示す。
図6Bは、セロトニン5-HT7拮抗作用に起因する所望の治療効果が、ラセミ混合物では達成できず、EPS副作用に関連するD2占有レベルももたらさないことを示す。例えば、5-HT7拮抗作用を低下させる(例えば、REM睡眠の量を約20減少)ためでも、D2占有率は、EPS関連副作用に強く関連するレベルである約78%である。したがって、ラセミのアミスルピリドは、約60%未満のD2受容体占有率を有する用量にて、本発明者らが発見した(R)-(+)-アミスルピリドの抗うつ作用を提供できない。それに応じて、約60%未満のD2受容体占有率を提供するラセミのアミスルピリドの用量は、(R)-(+)-アミスルピリドの発見した抗うつ作用を提供するのに十分なセロトニン受容体拮抗作用を提供できない。
図6Cは、EPS副作用に一般的に関連しないD2占有レベルにおける所望のD2ドーパミン効果、および(R)-(+)-アミスルピリドの発見した抗うつ作用を提供する所望のセロトニン受容体拮抗効果の両方を提供する、本発明者らが発見したR:Sのエナンチオマー比(85:15)を示す。種々の実施態様において、本発明者らは、R:S比が重量として85:15である合計約200mg~約700mgのアミスルピリドが、高いD2占有率に一般的に関連するネガティブな副作用を低下および/または排除しながら、治療的D2ドーパミン効果および治療的セロトニン受容体拮抗作用を提供し得ることを発見した。
別の観点から、図15A、15Bおよび15Cは、アミスルピリド混合物の効果についての分析データを示す。
図15Aは、実施例5における5-HT7(REM睡眠分間の量の減少)に対する(R)-アミスルピリドの効果(黒色の円)についてのヒト臨床試験からのデータを示し、上のグラフのx軸は、50:50のラセミのアミスルピリドであり、下のグラフのx軸は、85:15の重量%比(w/w %)のR:S-アミスルピリドである。mg表記は、ラセミ混合物(上のグラフ)およびR:Sの比が85:15のアミスルピリド中における示されているエナンチオマーの量を示す。アミスルピリドの総量を、R:Sのアミスルピリド混合物を変化させることにより減少させる。例えば、ラセミ混合物では、340mgの(R)-アミスルピリドを投与するために、680mgのアミスルピリドを必要とする。対照的に、R:Sの比が85:15では、340mgの(R)-アミスルピリドを投与するために、400mgのアミスルピリドを必要とする。
図15Bは、ドーパミンD2受容体への(S)-アミスルピリドおよび(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の重量%(w/w%)比の結合についてのヒト臨床試験からのデータを示す。上のグラフのx軸は、50:50のラセミのアミスルピリドである。mg表記は、ラセミ混合物中における示されているエナンチオマーの量を示す(上のグラフ)。上のグラフは、(S)-アミスルピリド(灰色の円)が、実施例4におけるデータに基づいてD2占有率に影響を及ぼすことを示す。上のグラフにおいて、約30~50%のD2占有率は、約77~184mgのラセミのアミスルピリドに関連しており、これは、約39~92mgの(S)-アミスルピリドおよび約39~92mgの(R)-アミスルピリドに対応する。下のグラフのx軸は、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の比である。mg表記は、R:Sの比が85:15のアミスルピリド中における示されているエナンチオマーの量を示す(下のグラフ)。下のグラフは、(S)-アミスルピリド(灰色の円)および85:15の比(白色ひし形)が、それぞれ実施例4および実施例6におけるデータに基づいて、D2占有率に影響を及ぼすことを示す。下のグラフは、約30~50%のD2占有率が、約257~614mgのR:Sの比が85:15のアミスルピリドに関連しており、これは、約39~92mgの(S)-アミスルピリドおよび約218~522mgの(R)-アミスルピリドに対応する。容易にわかるように、R:Sの比が85:15のアミスルピリドは、S-エナンチオマーより多い量のR-エナンチオマーを提供する。
図15Cは、(R)-アミスルピリド対(S)-アミスルピリドが85:15の比の投与で達成され得る30%~50%のD2受容体占有率との5-HT7効果の実質的な重なりを示す。上のグラフのx軸は、ラセミのアミスルピリドの総量である。mg表記は、ラセミ混合物中における示されているエナンチオマーの量を示す。灰色の円は、実施例4における(S)-アミスルピリドについてのデータであり、これは(S)-アミスルピリドがD2占有率に影響を及ぼすことを示す。黒色の円は、実施例5における(R)-アミスルピリドについてのデータであり、これは(R)-アミスルピリドがD2占有率に影響を及ぼすことを示す。下のグラフのx軸は、R:Sの比が85:15のアミスルピリドの総量である。mg表記は、比が85:15の混合物中における示されているエナンチオマーの量を示す(下のグラフ)。灰色の円は、実施例4における(S)-アミスルピリドについてのデータであり、これは(S)-アミスルピリドがD2占有率に影響を及ぼすことを示す。黒色の円は、実施例5における(R)-アミスルピリドについてのデータであり、これは(R)-アミスルピリドがD2占有率に影響を及ぼすことを示す。白色ひし形は、実施例6におけるR:Sの比が85:15のアミスルピリドについてのデータである(D2占有率)。
図15Cの上のグラフで見られるように、約30~50%のD2占有率は、約77~184mgのラセミのアミスルピリドに関連しており、これは、約39~92mgの(S)-アミスルピリドおよび約39~92mgの(R)-アミスルピリドに対応する(上のグラフ)。しかしながら、約39~92mgの(R)-アミスルピリドは、発見した抑うつ活性に関連する十分な5-HT7効果を達成するには十分でない。点線および黒丸で示されるように、340mgの(R)-アミスルピリドは、REM睡眠の約20分の減少を提供する。ラセミのアミスルピリドの曲線(実線)上に投影した340mgの(R)-アミスルピリドは、D2占有率が78%であることを示し、これは副作用に関連する範囲内である。同様に、点線および黒丸で示されるように、600mgの(R)-アミスルピリドは、REM睡眠の約30分の減少を提供する。ラセミのアミスルピリドの曲線(実線)上に投影した600mgの(R)-アミスルピリドは、D2占有率が86%であることを示し、これは有意なドーパミンD2受容体占有率の副作用に関連する占有レベルを超えている。
図15Cの下のグラフに示されるように、約275~614mgのアミスルピリド(R:Sの比が85:15)は、約30~50%のD2拮抗作用を提供する。約257~614mg(R:Sの比が85:15)の量は、約39~92mgの(S)-アミスルピリドおよび約218~522mgの(R)-アミスルピリドに対応する。R:Sの比が85:15のアミスルピリドは、S-エナンチオマーより多い量のR-エナンチオマーを提供する。これにより、発明者らが発見したように、依然として十分な5-HT7効果を提供しながら、D2占有に関連する副作用を回避するために、(S)-アミスルピリドより多い量の(R)-アミスルピリドを投与することが可能になる。アミスルピリドのラセミ混合物は、この不均等な量の(R)および(S)-アミスルピリドを提供せず、また提供することができない。したがって、発明者らは、R:Sの比が85:15のアミスルピリドが、それぞれのD2および5-HT7効果を達成する2つのエナンチオマーの投与間隔における実質的な重なりを提供することを発見した。
本明細書に記載の化合物は、同位体を含み得る。同位体は、原子番号が同じであるが質量数が異なる原子を含む。例えば、水素の同位体は、トリチウムおよび重水素を含む。いくつかの実施態様において、化合物の1つ以上の原子は、天然または非天然存在量の原子の同位体で置き換えまたは置換され得る。いくつかの実施態様において、本開示の化合物の1つ以上の水素原子は、重水素で置き換えまたは置換され得る。
本明細書で用いられる「用語」は、他に明記されない限り、数値または値の範囲に関連して用いられるとき、記載の値または値の範囲の5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%変化し得る。いくつかの実施態様において、数値または値の範囲は、5%変化する。
エナンチオマーのアミスルピリドの結晶形
種々の実施態様において、本発明は、(R)-(+)-アミスルピリド、(S)-(-)-アミスルピリドまたはその両方を本発明の組成物、製剤、方法および医薬の種々の実施態様において使用する。
多形は、元素または化合物が別の結晶相に結晶化できることである。用語多形は、2つ以上の形態を意味するが、この用語は、当該技術分野および本明細書において、1つの結晶相のみが現在知られているときも多形として化合物の結晶構造を指すためにさらに用いられる。したがって、多形は、別の多形および非晶質(非結晶)相として同じ分子式を共有する別個の固体であるが、あらゆる固体の特性は、その構造に依存するため、多形は、互いにおよび非晶質相と異なる物理特性、例えば異なる溶解プロファイル、異なる融点s、異なる溶出プロファイル、異なる熱安定性、異なる光安定性、異なる吸湿特性、異なる有効期間、異なる懸濁特性および異なる生理学的吸収率しばしば示す。固体結晶中に溶媒を含むことは、溶媒和物をもたらし、溶媒として水の場合、水和物をもたらし、そして非溶媒和物および非水和物(例えば遊離塩基)の結晶形と明確に異なる、1つ以上の物理特性を有する別個の結晶形をしばしばもたらす。種々の実施態様において、フォームAおよびA'は、無水物であり、例えば水および溶媒を実質的に含まない。
本明細書で用いられる用語「多形」は、特定の化学物質により達成される異なる結晶構造を指す。本明細書で用いられる用語「溶媒和物」は、化学量論または非化学量論量の溶媒または溶媒混合物が結晶構造に組み込まれている結晶構造を指す。同様に、用語「水和物」は、化学量論または非化学量論量の水が結晶構造に組み込まれている結晶構造を指す。
本発明の組成物の種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドは、遊離塩基結晶形態で独立して提供され、それ故に水または溶媒は結晶構造に組み込まれない。(R)-アミスルピリドおよび(S)-アミスルピリドは、(R)-アミスルピリド結晶についてはフォームAと、(S)-アミスルピリド結晶についてはフォームA'と本明細書で称される、少なくとも1つのこのような遊離塩基結晶形態または多形で存在し得ることが見出された。
フォームAおよびフォームA'は、本明細書に記載されており、本願と同時に出願された米国仮出願第62/594,851号(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)にさらに記載されている。フォームAおよびフォームA'は、2018年3月30日出願の米国仮出願第62/594,851号(出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)にも記載されている。
本発明のものを含むアミスルピリド、エナンチオマーのアミスルピリドの結晶形ならびにその塩、水和物および溶媒和物の結晶形は、X線粉末回折(XRPD)パターン、核磁気共鳴(NMR)スペクトル、ラマンスペクトル、赤外(IR)吸収スペクトル、動的水蒸気吸脱着(DVS)、示差走査熱量測定(DSC)、および融点を含むがこれらに限定されない、多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ、識別され得る。化合物純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を含むがこれらに限定されない、多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ得る。例えば、当業者は、有機不純物を測定するために逆相グラジェントHPLC法または逆相アイソクラティックHPLC法を用い得て、残留溶媒を測定するためにヘッドスペースGC法を用い得て、水分含有量を測定するために電量滴定(カールフィッシャー)を用い得て、試料中の薬物量を測定するために逆相アイソクラティックHPLC法または極性有機相アイソクラティックHPLC法を用い得る。キラル純度(エナンチオマー純度としても知られる)は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含むがこれらに限定されない、多くの慣用の分析技術を用いて特徴付けられ得る。
種々の実施態様において、ラセミのアミスルピリド、エナンチオマーのアミスルピリドおよびエナンチオマーのアミスルピリド溶媒和物の結晶形は、X線粉末回折(XRPD)により特徴付けられる。XRPDは、物質によるX線の回折を測定することにより、物質の粉体試料を特性評価する技術である。XRPD実験の結果は、回折パターンである。各結晶固体は、散乱角2θ(2-シータ)の関数として鋭いピークを含む特徴的な回折パターンを生じる。回折パターンにおけるピークの位置(格子間隔に対応)および強度の両方が、特定の相および物質を示す。これは、他の物質との比較のための「フィンガープリント」である。一連の鋭いピークを含む結晶パターンに対して、非晶質の物質(液体、ガラスなど)は、回折パターンにおいて広いバックグラウンドシグナルを生じる。
使用される装置、湿度、温度、粉末結晶の配向およびXRPDパターンの取得に関連する他のパラメーターは、回折パターンにおける外観、強度および線の位置にある程度の変動が生じ得ると理解されるべきである。本明細書で示される図(例えば図7B)と「実質的に一致する」XRPDパターンは、その図のXRPDパターンを示した化合物と同じ結晶形を有する化合物を表すと当業者にみなされるXRPDパターンである。すなわち、XRPDパターンは、図のものと同一であることがあり、または多少異なることもある。このようなXRPDパターンは、必ずしも本明細書で示される回折パターンの各線を示すとは限らず、および/またはデータの取得に関連する条件の違いから生じる、該線の外観、強度または位置の移動にわずかな変化を示してもよい。当業者は、結晶性化合物の試料が、XRPDパターンの比較により本明細書に記載の形態と同じ形態または異なる形態を有するかを決定することができる。
例えば、当業者は、アミスルピリド試料のエナンチオマー特性を決定するためにキラルHPLC法(例えば極性有機モードアイソクラティックHPLC)を用い得て、例えば試料を(R)-アミスルピリドと同定するならば、当業者は、当該技術分野における経験および知識を用いて、図7Bおよび/または図8Bとアミスルピリド試料のXRPDパターンを重ね、試料のXRPDパターンが、図7Bに示されるフォームAの(R)-アミスルピリド結晶のXRPDパターンと実質的に一致するかを容易に決定し得る。例えば、HPLCが試料を(R)-アミスルピリドと同定し、試料のXRPDパターンが図7Bと実質的に一致するならば、当該試料は、フォームAの(R)-アミスルピリドであると容易かつ正確に同定できる。
種々の実施態様において、ラセミのアミスルピリド、エナンチオマーのアミスルピリドおよびエナンチオマーのアミスルピリド溶媒和物の結晶形は、融点により特徴付けられる。融点は、キャピラリーチューブなどの慣用の方法により決定し得て、完全な溶融が生じる範囲、または1つの数字の場合はその温度±1℃の融点を示し得る。
種々の実施態様において、ラセミのアミスルピリド、エナンチオマーのアミスルピリドおよびエナンチオマーのアミスルピリド溶媒和物の結晶形は、示差走査熱量測定(DSC)により特徴付けられる。DSCは、試料および標準の温度を増加させるのに必要とされる熱量の違いを温度の関数として測定する熱分析技術である。試料および標準の両方は、試験を通して実質的に同じ温度に維持される。DSC試験の結果は、DSCサーモグラムと呼ばれる熱流対温度の曲線である。
種々の実施態様において、ラセミのアミスルピリド、エナンチオマーのアミスルピリドおよびエナンチオマーのアミスルピリド溶媒和物の結晶形の吸湿性は、動的水蒸気吸脱着(DVS)により特徴付けられる。DVSは、試料周囲の水蒸気濃度(例えば相対湿度)を変化させ、質量変化を測定することによって、試料により吸収される溶媒の量を測定する重量測定技術である。本願において、DVSは、水分吸脱着等温線を作成するために用いられ、これは、一定の温度における定常状態の相対水蒸気圧の関数として吸脱着した水蒸気の平衡量を表す。
本明細書で用いられる用語「実質的に非吸吸湿性」は、25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大質量変化が、1%未満である化合物を指す。
種々の実施態様において、本発明の組成物は、エナンチオマーのアミスルピリドの新規な結晶、フォームAおよびフォームA'を用いる。フォームAおよびA'は、別個の多形であり、ラセミのアミスルピリドの結晶形と異なり、明確に異なる構造およびXRPDパターンならびに物理特性を有することを見出した。表7は、(R)-アミスルピリドのフォームA結晶および(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶についての様々な特性およびデータを比較するものであり、図の参照は、本願の図である。比旋光度データは、旋光分析により得られたものであり、対象化合物を、589nm(ナトリウム線)を用いてc=1の公称濃度にてメタノールに溶解させた。化合物の溶解時には、それはもはや結晶形ではないと理解されるべきであり、したがって、当業者は、表7の比旋光度は非結晶化合物のものを指すと理解する。
種々の実施態様において、フォームAは、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられる(R)-アミスルピリドの結晶形である。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドの結晶形は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°、15.4±0.2°、19.4±0.2°、20.1±0.2°、21.0±0.2°、23.2±0.2°および29.3±0.2°におけるピークより選択されるXRPDパターンにおける3つ以上のピークにより特徴付けられる。種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドの結晶形は、図7Bと実質的に一致するXRPDパターンにより特徴付けられる。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドのフォームA結晶は、下記特性:2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、102±3℃の融点、約99%超のキラル純度、約99%超の化合物純度、約1000ppm未満の残留溶媒含有量、および実質的に非吸吸湿性により特徴付けられる。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドのフォームA結晶は、下記特性:2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンならびに下記の1つ以上:
(a)2θを単位として15.4±0.2°および29.3±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターン;
(b)2θを単位として20.1±0.2°、21.0±0.2°および23.2±0.2°おけるピークをさらに含む粉末X線回折パターン;
(c)融点が102±3℃;
(d)101±3℃におけるピークを含む示差走査熱量測定サーモグラム;
(e)図7Aと実質的に一致する示差走査熱量測定サーモグラム;
(f)キラル純度が、およそ(i)90%、(ii)95%、(iii)97%、(iv)99%、(v)99.5%、(vi)99.7%または(vii)99.9%を超える;
(g)化合物純度が、およそ(i)80%、(ii)90%、(iii)95%、(iv)97%、(v)99%、(vi)99.5%、(vii)99.7%または(viii)99.9%を超える;
(h)残留溶媒が、およそ(i)8000ppm、(ii)6000ppm、(iii)4000ppm、(iv)2000ppm、(v)1000ppm、(vi)800ppmまたは500ppm未満の量で存在;および
(i)25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大質量変化が、およそ(i)2%、(ii)1%、(iii)0.5%または(iv)0.4%未満
により特徴付けられる。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。種々の実施態様において、本発明は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°、15.4±0.2°、19.4±0.2°、20.1±0.2°、21.0±0.2°、23.2±0.2°および29.3±0.2°におけるピークより選択されるXRPDパターンにおける3つ以上のピークにより特徴付けられる(S)-アミスルピリドの結晶形を提供する。種々の実施態様において、本発明は、図8Bと実質的に一致するXRPDパターンにより特徴付けられる(S)-アミスルピリドの結晶形を提供する。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶は、下記特性:2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターン、102±3℃の融点、約99%超のキラル純度、約99%超の化合物純度、約1000ppm未満の残留溶媒含有量、および実質的に非吸吸湿性により特徴付けられる。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶は、下記特性:2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンならびに下記の2つ以上:
(a)2θを単位として15.4±0.2°および29.3±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターン;
(b)2θを単位として20.1±0.2°、21.0±0.2°および23.2±0.2°おけるピークをさらに含む粉末X線回折パターン;
(c)融点が102±3℃;
(d)101±3℃におけるピークを含む示差走査熱量測定サーモグラム;
(e)図8Aと実質的に一致する示差走査熱量測定サーモグラム;
(f)キラル純度が、およそ(i)90%、(ii)95%、(iii)97%、(iv)99%、(v)99.5%、(vi)99.7%または(vii)99.9%を超える;
(g)化合物純度が、およそ(i)80%、(ii)90%、(iii)95%、(iv)97%、(v)99%、(vi)99.5%、(vii)99.7%または(viii)99.9%を超える;
(h)残留溶媒が、およそ(i)8000ppm、(ii)6000ppm、(iii)4000ppm、(iv)2000ppm、(v)1000ppm、(vi)800ppmまたは500ppm未満の量で存在;および
(i)25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大質量変化が、およそ(i)2%、(ii)1%、(iii)0.5%または(iv)0.4%未満
により特徴付けられる。
種々の実施態様において、フォームAのエナンチオマーのアミスルピリド結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンを有し、そして、7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークのうち最高のものの約5%より大きい高さを有する、2θを単位として6.6±0.3°におけるピークを有しないことにより少なくとも部分的に特徴付けられる。
種々の実施態様において、フォームA'のエナンチオマーのアミスルピリド結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンを有し、そして、7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークのうち最高のものの約5%より大きい高さを有する、2θを単位として6.6±0.3°におけるピークを有しないことにより少なくとも部分的に特徴付けられる。
種々の実施態様において、XRPD情報およびパターンは、フォームAおよびA'を特徴付けるために用いられる。図7Bおよび8Bは、それぞれ(R)-アミスルピリドフォームAおよび(S)-アミスルピリドフォームA'のXRPDパターンである。表8~11は、フォームAおよびA'について得られたXRPDパターンについての更なる情報および詳細を示す。
(R)-アミスルピリドフォームA(図7B)および(S)-アミスルピリドフォームA'(図8B)の両方のXRPDパターンは、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°、15.4±0.2°、19.4±0.2°、20.1±0.2°、21.0±0.2°、23.2±0.2°および29.3±0.2°における顕著なピークを示す。
種々の実施態様において、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および15.4±0.2°におけるピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形を提供する。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として9.3±0.2°および19.4±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として14.9±0.2°、16.9±0.2°および20.1±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として19.0±0.2°、21.0±0.2°および23.2±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。
種々の実施態様において、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および15.4±0.2°におけるピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形を提供する。いくつかの実施態様において、(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として9.3±0.2°および19.4±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として14.9±0.2°、16.9±0.2°および20.2±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形はさらに、2θを単位として19.1±0.2°、21.0±0.2°および23.2±0.2°におけるピークをさらに含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる。
図7Aおよび8AのDSCサーモグラムを、TA Instruments Q100示差走査熱量計を用いて得た。各試料を、密閉パンにおいて、50mL/分窒素パージ下、10℃/分の加熱速度にて、25℃の開始温度から150℃または200℃の最終温度まで加熱した。
図7Cおよび8Cの顕微鏡写真画像を、Nikon Microphot偏光顕微鏡を用いて得た。試料を、Isopar G/3%レシチン中で調製し、1/4波長板を用い、交差偏光を用いて画像化した。
図7Bおよび8BのXRPDパターンを、Cu放射線を用い、Rigaku MiniFlex IIデスクトップX線回折計を用いて実施した。管電圧およびアンペアをそれぞれ30kVおよび15mA設定した。散乱スリットを1.25°に固定し、受光スリットを0.3mmに固定した。回折放射線をNaIシンチレーション検出器により検出した。θ-2θ連続スキャンを、1.0°/分にて、0.02~0.05°のステップサイズで、3から45°2θまで行った。データを収集し、Jade 8.5.4を用いて分析した。各試料を、低バックグラウンドで円形の0.1mmへこみがあるサンプルホルダーに入れることにより、分析のために調製した。図7Bおよび8Bにおいて、2θ角を度数で(x軸)、1秒当たりの計数率を単位としてピーク強度(y軸)に対してプロットした。
(R)-アミスルピリドフォームAの結晶
単結晶構造の決定のために、およそ0.25×0.04×0.02mm3の寸法を有する無色の針を、ポリマーループにランダムな向きで取り付けた。予備試験およびデータ収集を、銅陽極マイクロフォーカス密閉X線管(CuKαλ=1.54184Å)およびDectris Pilatus3 R 200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器を備えたRigaku SuperNova回折計で行った。セル定数およびデータ収集の方向行列を、3.5080°<θ<77.2950°の範囲で16528反射の設定角度を用いて最小二乗法の精密化から得た。データを、100Kの温度にて155.296°の最大回折角(2θ)まで収集した。合計35826反射を収集し、そのうち12849が特有のものであった。ローレンツおよび偏光補正をデータに適用した。CuKα放射線についての線吸収計数は、1.728mm-1であった。CRYSALISPROを用いた実験に基づく吸収補正を適用する(CrysAlisPro 1.171.38.41r (Rigaku Oxford Diffraction, 2015))。透過係数は、0.659~1.000の範囲である。等価反射の強度を平均化した。平均化のための一致因子(agreement factor)は、強度に基づいて5.72%であった。
算出XRPDパターンを、Cu放射線について、MERCURYならびに単結晶構造からの原子座標、空間群および単位格子パラメーターを用いて、作成した(Macrae, C. F. et a., J. J. Appl. Cryst., 2006, 39, 453-457)。単結晶データを低温(100K)にて収集するため、ピークシフトが、低温データから算出したパターンと室温実験の粉末回折パターン間で、特に高い回折角度にて見られ得ると理解されるべきである。図16は、フォームAの算出XRPDパターンを示す。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドフォームA結晶の結晶系は三斜晶系であり、空間群はP1である。顕微鏡による図7Cを参照すると、固体は、長い針状の複屈折球晶から構成されていた。結晶データおよび結晶学的データ収集パラメーターの更なる詳細を、表8に要約しており、図7Bの実験に基づくXRPDのピークのリストを表9に示す。フォームAの算出XRPDパターンを図16に示す。
いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形は、P1空間群を有し、セル式単位(Z)(cell formula units (Z))が4である単結晶X線回折により特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(R)-(+)-アミスルピリドの結晶形の単位格子パラメーターは、aが約12.3Åであり、bが約12.8Åであり、cが約14.1Åであり、αが約64.0°であり、βが約73.4°であり、γが約75.9°である。
(S)-アミスルピリドフォームA'の結晶
単結晶構造の決定のために、およそ0.20×0.04×0.02mm3の寸法を有する無色の針を、ポリマーループにランダムな向きで取り付けた。予備試験およびデータ収集を、銅陽極マイクロフォーカス密閉X線管(CuKαλ=1.54184Å)およびDectris Pilatus3 R 200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器を備えたRigaku SuperNova回折計で行った。セル定数およびデータ収集の方向行列を、3.5170°<θ<77.9740°の範囲で14943反射の設定角度を用いて最小二乗法の精密化から得た。データを、100Kの温度にて156.71°の最大回折角(2θ)まで収集した。合計36278反射を収集し、そのうち12840が特有のものであった。ローレンツおよび偏光補正をデータに適用した。CuKα放射線についての線吸収計数は、1.728mm-1であった。CRYSALISPROを用いた実験に基づく吸収補正を適用する(CrysAlisPro 1.171.38.41r (Rigaku Oxford Diffraction, 2015))。透過係数は、0.791~1.000の範囲である。等価反射の強度を平均化した。平均化のための一致因子(agreement factor)は、強度に基づいて5.83%であった。
算出XRPDパターンを、Cu放射線について、MERCURYならびに単結晶構造からの原子座標、空間群および単位格子パラメーターを用いて、作成した(Macrae, C. F. et a., J. J. Appl. Cryst., 2006, 39, 453-457)。単結晶データを低温(100K)にて収集するため、ピークシフトが、低温データから算出したパターンと室温実験の粉末回折パターン間で、特に高い回折角度にて見られ得ると理解されるべきである。図17は、フォームA'の算出XRPDパターンを示す。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドフォームA'結晶の結晶系は三斜晶系であり、空間群はP1である。顕微鏡による図8Cを参照すると、固体は、長い針状の複屈折球晶から構成されていた。結晶データおよび結晶学的データ収集パラメーターの更なる詳細を、表10に要約しており、図8Bの実験に基づくXRPDのピークのリストを表11に示す。フォームA'の算出XRPDパターンを図17に示す。
いくつかの実施態様において、(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形は、P1空間群を有し、セル式単位(Z)(cell formula units (Z))が4である単結晶X線回折により特徴付けられる。いくつかの実施態様において、(S)-(-)-アミスルピリドの結晶形の単位格子パラメーターは、aが約12.4Åであり、bが約12.8Åであり、cが約14.1Åであり、αが約64.2°であり、βが約73.6°であり、γが約73.6°である。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドのフォームA結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°の2つ以上におけるピークを含むXRPDパターンおよび101±3℃にてピークを有するDSCサーモグラムにより特徴付けられる。種々の好ましい実施態様において、DSCサーモグラムは、101±3℃にて1つのピークを有する。
種々の実施態様において、(R)-アミスルピリドのフォームA結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°の2つ以上におけるピークを含むXRPDパターンおよび図7Aと実質的に一致する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴付けられる。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°の2つ以上におけるピークを含むXRPDパターンおよび101±3℃にてピークを有するDSCサーモグラムにより特徴付けられる。種々の好ましい実施態様において、DSCサーモグラムは、101±3℃にて1つのピークを有する。
種々の実施態様において、(S)-アミスルピリドのフォームA'結晶は、2θを単位として7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°の2つ以上におけるピークを含むXRPDパターンおよび図8Aと実質的に一致する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴付けられる。
種々の実施態様において、エナンチオマーのアミスルピリドのフォームAおよびA'結晶は、実質的に非吸吸湿性である。種々の実施態様において、フォームAの(R)-アミスルピリド結晶は、25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大変化が、約2%未満、約1%未満または約0.5%未満である。種々の実施態様において、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶は、25℃にて相対湿度0~95%でスキャンして動的水蒸気吸脱着(DVS)で測定した水分吸脱着等温線の最大変化が、約2%未満、約1%未満または約0.5%未満である。
図8Dは、19.077mgの(S)-アミスルピリド結晶フォームA'についてのDVS水分吸脱着等温線を示し、表12は、図8Dにプロットされているデータをリストで示す。見られるように、(S)-アミスルピリド結晶フォームA'は、実質的に非吸吸湿性であり、わずか0.35%の最大質量変化を示す。
種々の態様において、フォームAおよびフォームA'のエナンチオマーのアミスルピリド結晶多形を作る方法を提供する。下記の方法の種々の実施態様は、新規な結晶形を生成し、これらの方法の種々の実施態様は、それ自体新規である。
本発明の方法に関連して用いられる用語「フォームA」または「フォームA'」は、2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピーク;好ましくは、2θを単位として15.4±0.2°、20.1±0.2°、21.0±0.2°、23.2±0.2°および29.3±0.2°の2つ以上における更なるピークを含む粉末X線結晶パターン;および種々の好ましい実施態様において、(R)-アミスルピリドの場合、図7B、(S)-アミスルピリドの場合、図8Bと実質的に一致する粉末X線結晶パターンを有するエナンチオマーのアミスルピリドの結晶形を製造する方法を指す。
特定の結晶形の高い収率、それ故にその結晶の高い純度は、しばしば、非晶質生成物および例えば動力学的に有利であり得る他の結晶形の形成により制限される。エナンチオマーのアミスルピリド結晶の製造は、従来の方法がラセミのアミスルピリド結晶を製造する方法を含む、非結晶(非晶質)エナンチオマーのアミスルピリドを生じるという事実により複雑になることを実験により発見した。
特定のエナンチオマーのアミスルピリド溶媒和物を中間体として形成し、遊離塩基へ変換することで、エナンチオマーのアミスルピリド出発物質の90重量%超、95重量%超、97重量%超、99重量%超または99.5重量%超である、エナンチオマーのアミスルピリドの結晶形(2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含む粉末X線結晶パターンを有する)を単離できることを発見した。
種々の実施態様において、2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられるエナンチオマーのアミスルピリド結晶を作る方法は、(a)(R)-アミスルピリドまたは(S)-アミスルピリドのいずれかを出発物質として提供し、ここで、(R)-アミスルピリド結晶が所望の生成物であるとき、(R)-アミスルピリドが出発物質として提供され、(S)-アミスルピリド結晶が所望の生成物であるとき、(S)-アミスルピリドが出発物質として提供され;(b)出発物質を第1溶媒で溶媒和し、ここで、第1溶媒は5つ以下の炭素を有する化合物を含むカルボニルであり;(c)水以外の第2溶媒を加え、約20wt/wt%未満の出発物質溶解度を有する混合物を形成することにより、溶媒和した出発物質を第1溶媒から遊離させ;そして(d)2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含む粉末X線結晶パターンを有する出発物質の結晶形を単離することを含む。
種々の実施態様において、方法は、(R)-アミスルピリドまたは(S)-アミスルピリドのいずれかの提供で開始し、それぞれ(R)-アミスルピリド結晶または(S)-アミスルピリド結晶を作る。本発明の方法のためのエナンチオマー出発物質を提供するためにアミスルピリドのエナンチオマーを分離する多くの許容される方法があると理解されるべきである。実施例7および9は、エナンチオマー富化アミスルピリド出発物質を作るためのインサイチュ方法を提供する。
本発明のエナンチオマーのアミスルピリド出発物質は必ずしも結晶である必要はなく、しばしば非晶質または非晶質と結晶形であると理解されるべきである。ラセミ体の出発物質からのエナンチオマーの分離に加えて、本発明の方法に適したエナンチオマー出発物質もまた直接合成し得る。
出発物質の結晶形の最終的なキラル純度は、出発物質のキラル純度によって制限されると理解されるべきである。しかしながら、種々の実施態様において、方法は、出発物質のキラル純度以上のキラル純度を有する出発物質の結晶形を製造することを見出した。したがって、種々の実施態様において、エナンチオマーのアミスルピリド結晶(2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられる)を作る方法は、出発物質が約90%超のキラル純度を有するとき、約90%超のキラル純度;出発物質が約95%超のキラル純度を有するとき、約95%超のキラル純度;出発物質が約97%超のキラル純度を有するとき、約97%超のキラル純度;出発物質が約99%超のキラル純度を有するとき、約99%超のキラル純度の1つ以上を有する該エナンチオマーのアミスルピリド結晶を提供する。
予想外にも、第1溶媒の適切な選択により、その後の遊離塩基への変換の際に形成され得る中間溶媒和物は、アミスルピリド生成物の90重量%超、95重量%超、97重量%超、99重量%超または99.5重量%超が、2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられる出発物質のエナンチオマーのアミスルピリド結晶の形態である、アミスルピリド生成物を提供し得ることが見出された。
第1溶媒は、5つ以下の炭素を有する化合物を含むカルボニルである。好ましくは、第1溶媒の水分含有量は、3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満である。第1溶媒中の過剰な水は、適切な結晶化に影響を及ぼし、そして妨げさえし得ることを見出した。このようなより大きいカルボニル含有溶媒の例としては、シクロヘキサノンが挙げられる。種々の実施態様において、第1溶媒は、アルデヒド、ケトンまたはエステルである。種々の実施態様において、第1溶媒は、酢酸エチル、酢酸プロピルまたはメチルエチルケトンである;種々の好ましい実施態様において、第1溶媒は、酢酸エチルである。
種々の実施態様において、溶媒和する工程は、例えば塩基性水溶液の添加による、塩基性化を含む。種々の実施態様において、pHを、9.5超まで、好ましくは約10まで、種々の実施態様において約9.5~約11に上げるのに十分な塩基性溶液を加える。種々の実施態様において、炭酸カリウム水溶液が用いられる。炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを含むがこれらに限定されない様々な塩基性溶液が、塩基性化するのに用いられ得ると理解されるべきである。
種々の実施態様において、溶媒和する工程は、例えば塩基性化から生じ得るように、溶媒和する工程の溶媒系の任意の水相と有機相との間の複数回の分離を含み;所望の生成物を優先的に有機相に分配する。種々の実施態様において、水性/有機溶媒系を、30~40℃に加熱し、分離を促進する。
種々の実施態様において、塩基性化に続いて、有機相を濃縮し、化学量論的に過剰の第1溶媒を、1回以上加え、溶媒和物への完全な変換を促進する。また、種々の実施態様において、第1溶媒の濃縮および添加を繰り返すことで、カールフィッシャー滴定により決定される、約1wt%未満の水、約0.7wt%未満の水または約0.4wt%未満の水を有する濃縮溶媒和物溶液の製造を容易にする。
種々の実施態様において、第2溶媒を加える前に、反応混合物に所望の結晶形を種晶添加する(例えば、所望の生成物がフォームA'の(S)-アミスルピリド結晶であるとき、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶を種晶添加する)。種々の実施態様において、溶媒和する工程は、例えば、反応混合物に所望の結晶形を種晶添加し、反応混合物を約40℃未満、種々の実施態様において、約30℃未満、好ましくは、約20℃未満に冷却することにより、スラリーを形成することを含む。
エナンチオマー出発物質の溶媒和物(すなわち、第1溶媒で(R)-アミスルピリド溶媒和物、または第1溶媒で(S)-アミスルピリド溶媒和物)の形成後、溶媒和物をエナンチオマー出発物質から遊離させ、2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられるエナンチオマーのアミスルピリド結晶を単離できる条件下で、エナンチオマー出発物質の遊離塩基を形成する。種々の実施態様において、第2溶媒を加える前に、反応混合物に所望の結晶形を種晶添加する(例えば、所望の生成物がフォームA'の(S)-アミスルピリド結晶であるとき、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶を種晶添加する)。種々の実施態様において、遊離させる工程は、反応混合物を約40℃未満に冷却する工程を含む。
本明細書で用いられる用語「溶媒和する(solvating)」は、(R)-アミスルピリドまたは(S)-アミスルピリドの溶媒との組合せを指す。
本明細書で用いられる用語「単離する(isolating)」および「遊離させる(freeing)」は、所望の生成物を形成または検出した環境からそれを分離することを指す。例えば、分離は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99重量%の所望の生成物を含有する組成物を含み得る。
種々の実施態様において、第2溶媒(水以外)を加えて、約20wt/wt%未満;約10wt/wt%未満;または約5wt/wt%未満出発物質溶解度を有する混合物を形成する。当業者は、種々の実施態様において、第2溶媒は、所望の生成物に関して混合物の溶解度を低下させるため、貧溶媒(anti-solvent)とみなし得ると理解する。様々な化合物が、メチルt-ブチルエーテル、トルエン、ヘプタン、イソプロパノールなどを含むがこれらに限定されない第2溶媒として用いられ得ると理解されるべきである。種々の実施態様において、第2溶媒は、メチルt-ブチルエーテル(MtBE)である。
様々な手順が、出発物質の所望のエナンチオマー結晶形を単離するために用いられ得る。種々の実施態様において、単離する工程は、(a)貧溶媒を加えること;(b)約30℃未満、種々の実施態様において、約10℃~約20℃に混合物を冷却すること;および(c)R-エナンチオマーまたはS-エナンチオマーの種晶を加えることの1つ以上を含む。種々の実施態様において、単離する工程は、貧溶媒を加えることおよび/または反応混合物を冷却することを含む。種々の実施態様において、形成した所望の結晶の種晶が用いられ、種晶は、本明細書で提供される教示を用いて当業者により得ることができる。
例えば実施例11は、(R)-アミスルピリド酢酸エチル溶媒和物結晶の製造方法を教示する。これらの実施例の生成物は、約30℃超で乾燥すると、脱溶媒和し、フォームAの(R)-アミスルピリド遊離塩基結晶および非晶質の結晶へ変換する。同様に、例えば実施例13は、(S)-アミスルピリド酢酸エチル溶媒和物結晶の製造方法を教示する。これらの実施例の生成物は、約30℃超で乾燥すると、脱溶媒和し、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶および非晶質の結晶へ変換する。上記実施例でフォームAまたはフォームA'へ変換する溶媒和物の割合は低いが、種晶を得るには十分である。
種々の実施態様において、結晶形を単離する工程は、第2溶媒を加える前に、反応混合物に所望の結晶形を種晶添加する(例えば、所望の生成物がフォームA'の(S)-アミスルピリド結晶であるとき、フォームA'の(S)-アミスルピリド結晶を種晶添加する)ことを含み、種々の実施態様において、その後、反応混合物を約40℃未満、種々の実施態様において、約30℃未満、好ましくは、約20℃未満に冷却することにより、スラリーを形成する。
種々の実施態様において、単離する工程は、エナンチオマーのアミスルピリド遊離塩基の所望の結晶形を含むスラリーをろ過すること、第2溶媒および第1溶媒を含む溶媒系で固体残渣を洗浄すること、および残渣を乾燥することを含む。種々の実施態様において、第2溶媒対第1溶媒のwt/wt比(第2溶媒:第1溶媒)は、約1:9を超え、種々の実施態様において、約1:9から約4:1である。種々の実施態様において、第2溶媒がMtBEであり、第1溶媒が酢酸エチルであるとき、MtBe:酢酸エチルの比は、好ましくは約3:1である。
種々の実施態様において、2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられるエナンチオマーのアミスルピリド結晶を作るための本発明の方法は、再結晶を含む。実施例において、再結晶工程を示さない例示的な方法は、「粗遊離塩基」を形成するものとして示されているが、この用語は、実施例を区別するためにのみ用いられると理解されるべきである。
再結晶は、様々な技術により実施され得る。種々の実施態様において、再結晶の工程は、(a)エナンチオマーのアミスルピリド結晶材料を溶媒/貧溶媒溶液に溶解させること;(b)出発物質を含む溶液および溶媒/貧溶媒溶液を冷却すること;および(c)RまたはS-エナンチオマーのアミスルピリド材料の種晶を加えることを含む。種々の実施態様において、溶解させる工程は、40℃超で約70℃未満の温度、好ましくは約50℃~約65℃、好ましくは約60℃に溶液を加熱することを含む。
様々な溶媒/貧溶媒系が用いられ得る。例えば、種々の実施態様において、溶媒はアセトンであり、貧溶媒はメチルt-ブチルエーテルである。種々の実施態様において、溶媒はイソプロパノール(IPA)であり、貧溶媒はヘプタンである。当業者に理解されるように、溶媒/貧溶媒系の選択には注意を払わなければならない。例えば、本発明者らは、IPA/ヘプタン系において、ヘプタン対IPAの比が1:1を超える場合、種晶添加の前に、第2液相が形成され得ること、大過剰のIPAが加えられるならば、種が溶解し、その後ヘプタン貧溶媒を加え、冷却する際に結晶化すること、好ましいIPA:ヘプタン:生成物の比は、36:32:32であることを見出した。
フォームAおよびA'の、または2θを単位として少なくとも7.0±0.2°、9.7±0.2°および19.4±0.2°におけるピークを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、エナンチオマーのアミスルピリド結晶を作る種々の実施態様の非限定的例は、実施例7、8、9および10においてさらに示され、記載されている。
エナンチオマーのアミスルピリドの結晶形の製造および特性評価の態様、実施態様および特徴は、以下の実施例からさらに理解し得るが、これらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
エナンチオマーのアミスルピリドの結晶形の実施例
本発明のエナンチオマーのアミスルピリド出発物質は必ずしも結晶である必要はなく、しばしば非晶質または非晶質と結晶形であると理解されるべきである。ラセミ体の出発物質からのエナンチオマーの分離に加えて、本発明の方法に適したエナンチオマー出発物質もまた直接合成し得る。
実施例7:R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)の合成:150gの4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸および2000gのアセトンを、フラスコに入れた。溶液を-9℃まで冷却し、74.3mLのクロロギ酸エチルをフラスコに加えた。その後、88.9mLの4-メチルモルホリンを、1時間かけて加えた。81.4gの(R)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンを加え、混合物を16時間撹拌した。その後、反応物を濃縮し、800gの水および300gの酢酸エチルを加えた。混合物を撹拌し、R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの出発物質を含む有機層を除去した。出発物質を含有する溶液を、20wt%炭酸カリウム水溶液を加えることにより塩基性化し、2.5Lの酢酸エチルを加えた。水層を除去した。有機層を、水で2回洗浄し、濃縮乾固した。その後、800gの酢酸エチルを加え、混合物を濃縮した。これを1回繰り返した。得られた油状物を、800gの酢酸エチルに溶解させ、600mLまで濃縮した。溶液を30℃にて撹拌し、スラリーを形成させた。得られたスラリーを20℃まで冷却し、撹拌した。600gのメチルt-ブチルエーテルを加え、混合物を撹拌した。その後、スラリーをろ過し、3:1wt/wtのメチルt-ブチルエーテル:酢酸エチルで洗浄し、乾燥した。165gのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを結晶性固体として得た。
実施例8:R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(遊離塩基結晶フォームA)の再結晶:603.05gのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(実質的に実施例7に従って製造)および500.3gのイソプロパノールを、スターラーバーおよびストッパーを有するフラスコに加えた。フラスコを40℃まで加熱して、溶液を形成させた。その後、溶液を研磨ろ過し、撹拌機、窒素ライン、熱電対および冷却水を有する40℃の反応器へ移し、122.81gのイソプロパノールを用いて、フラスコをすすぎ、研磨ろ過した。603.2gのヘプタンを加え、溶液を撹拌した。反応器を35℃のジャケット温度まで冷却し、6.91gのイソプロパノールを、反応器に滴下して、澄明な溶液を得た。溶液を撹拌し、その後972mgのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(フォームA)を種晶添加し、その後撹拌した。その後反応器を20℃まで冷却し、その後撹拌した。外部ポンプを用いて、1889.24gのヘプタンを加えた。撹拌後、スラリーをろ過し、15:85wt/wtのイソプロパノール:ヘプタンで洗浄し、乾燥した。97%超のキラル純度、および99%超の化合物純度を有する、結晶フォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド531.7gを得て、収率は約88%あった。
実施例8において得られたR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドのNMRスペクトルを図9に示しており、次の特性を有する:1H NMR (400 MHz, クロロホルム) δ ppm 1.12 (t, J=7.24 Hz, 3 H) 1.26 (t, J=7.43 Hz, 3 H) 1.56 - 1.76 (m, 3 H) 1.84 - 1.94 (m, 1 H) 2.15 - 2.29 (m, 2 H) 2.59 - 2.66 (m, 1 H) 2.81 - 2.90 (m, 1 H) 3.08 - 3.29 (m, 4 H) 3.70 (ddd, J=13.69, 7.24, 2.93 Hz, 1 H) 3.94 (s, 3 H) 5.53 (s, 2 H) 6.22 (s, 1 H) 8.06 (br d, J=4.70 Hz, 1 H) 8.53 (s, 1 H)。
図7A~7Cを参照すると、図7A~7Cは、実施例8において得られた結晶フォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド、(R)-アミスルピリドに関するデータを示す。図7Aは、実施例8において得られた(R)-アミスルピリドの結晶フォームAについてのDSCサーモグラムであり;図7Bは、実施例8において得られた(R)-アミスルピリドの結晶フォームAについてのXRPDパターンであり;図7Cは、実施例7において得られた(R)-アミスルピリドの結晶フォームAの結晶を示す顕微鏡写真画像である。
実施例9:S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)の合成:153gの4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸および789gのアセトンを、スターラーバー、熱電対および窒素ラインを備えたフラスコに入れた。溶液を-8℃まで冷却し、その後70.4gのクロロギ酸エチルをフラスコに加えた。フラスコに漏斗を取り付け、0℃未満に維持しながら、79.3gの4-メチルモルホリンを滴下した。混合物を-8℃にて撹拌し、その後、55gの(S)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンを滴下した。混合物を0℃にて1時間撹拌し、周囲温度まで温め、その後周囲温度にてさらに撹拌して、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの出発物質を得た。その後、反応物を最小量まで濃縮し、822gの水、続いて311gの酢酸エチルを加えた。混合物を撹拌し、有機層を除去した。溶液を35℃まで加熱し、755gの酢酸エチルおよび326gの40wt%炭酸カリウム(aq)を加えた。混合物を撹拌し、相を分離させ、水層を除去した。その後、296gの水を加え、混合物を撹拌し、相を分離させ、水層を除去した。302gの水を加え、混合物を撹拌し、相を分離させ、水層を除去した。有機層を、メカニカルスターラー、熱電対および窒素ラインを有するフラスコへ移した。有機層を濃縮乾固し、531gの酢酸エチルを加えた。撹拌後、溶液を400mLまで濃縮した。その後、305gの酢酸エチルを加え、溶液を400mLまで濃縮し、カールフィッシャー滴定により水が0.35wt%であった。その後、溶液を30℃まで冷却し、300mgのS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを種晶添加し、スラリーを形成させた。その後、溶液を20℃まで冷却し、撹拌し、495gのメチルt-ブチルエーテルを加えた。その後、スラリーをろ過し、3:1wt/wtのメチルt-ブチルエーテル:酢酸エチルで洗浄し、乾燥した。160.7gのS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを結晶性固体として得て、収率は約74%であった。
実施例10:S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(遊離塩基結晶フォームA')の再結晶:300.19gのS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(実質的に実施例9に従って製造)および240.2gのイソプロパノールを、スターラーバーおよびストッパーを有するフラスコに加えた。フラスコを40℃まで加熱して、溶液を形成させた。その後、溶液を研磨ろ過し、撹拌機、窒素ライン、熱電対および冷却水を有する40℃の反応器へ移し、59.8gのイソプロパノールを用いて、フラスコをすすぎ、研磨ろ過した。300.4gのヘプタンを加え、溶液を撹拌した。反応器を35℃のジャケット温度まで冷却し、6.91gのイソプロパノールを、反応器に滴下して、澄明な溶液を得た。溶液を撹拌し、その後602mgのS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(フォームA')を種晶添加し、その後撹拌した。その後反応器を20℃まで冷却し、その後撹拌した。外部ポンプを用いて、1399.86gのヘプタンを加えた。撹拌後、スラリーをろ過し、15:85のイソプロパノール:ヘプタンで洗浄し、乾燥した。97%超のキラル純度および98%超の化合物純度を有する、結晶フォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド281.03gを得て、収率は約91%であった。
実施例10において得られたS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドのNMRスペクトルを図10に示しており、次の特性を有する:1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.12 - 1.23 (m, 6 H) 1.57 - 1.66 (m, 1 H) 1.68 - 1.80 (m, 2 H) 1.95 (dq, J=12.18, 8.33 Hz, 1 H) 2.20 - 2.36 (m, 2 H) 2.68 (dtd, J=8.61, 6.26, 6.26, 3.91 Hz, 1 H) 2.91 (dq, J=12.08, 7.32 Hz, 1 H) 3.12 - 3.27 (m, 3 H) 3.32 - 3.48 (m, 1 H) 3.60 (dd, J=13.30, 3.91 Hz, 1 H) 3.97 (s, 3 H) 6.49 (s, 1 H) 8.28 (s, 1 H)。
図8A~8Cを参照すると、図8A~8Cは、実施例10において得られた結晶フォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド、(S)-アミスルピリドに関するデータを示す。図8Aは、実施例10において得られた(S)-アミスルピリドの結晶フォームA'についてのDSCサーモグラムであり;図8Bは、実施例10において得られた(S)-アミスルピリドの結晶フォームA'についてのXRPDパターンであり;図8Cは、実施例10において得られた(S)-アミスルピリドの結晶フォームA'の結晶を示す顕微鏡写真画像である。
実施例11:R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの製造の全体的概要:概して、フォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを2工程で製造できる:工程1、粗製(R)-アミスルピリドの製造;および工程2、粗製(R)-アミスルピリドのフォームAの(R)-アミスルピリド結晶への再結晶。
工程1、実施例11および12
工程1は、概して、4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸をクロロギ酸エチルと混合し、その後(R)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンと反応させて、
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド塩酸塩を形成することを含む。クロロギ酸メチル、イソプロピルおよびイソブチルならびにジメトキシトリアジンクロリドなどの他のカップリング剤もまた、カップリング反応を行うのに適する。得られた生成物を水に抽出し、酢酸エチルで洗浄する。
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド塩酸塩を、遊離塩基に変換し、酢酸エチルに溶解させ、塩基および水で洗浄する。その後、酢酸エチル溶液を乾燥し、濃縮する。
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの酢酸エチル溶媒和物を結晶化させ、メチル-tertブチルエーテルを加えることにより、
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)に変換する。その後、
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)をろ過により単離する。
工程2、実施例11および12
工程2は、概して、工程1の
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)をイソプロパノールに溶解させ、研磨ろ過することを含む。イソプロパノール溶液を濃縮し、n-ヘプタンで希釈し、フォームAを種晶添加して、
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド遊離塩基結晶を得る。その後、混合物を冷却し、ろ過して、実質的にフォームAの
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド結晶を得る。
R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)の結晶化中に、酢酸エチル溶媒中の水の量は、結晶化に影響を及し、好ましくは0.5%未満であると理解されるべきである。したがって、水分含有量を、酢酸エチル溶液中に、例えば電量滴定(カールフィッシャー)により、モニターするのが好ましい。例えば、種々の実施態様において、電量滴定(カールフィッシャー)を非水性の過塩素酸滴定により行い、ここで、正確に秤量した約300mgの試料を、約50mLの氷酢酸に溶解させ、0.1N過塩素酸で滴定し、終点を電位差測定で測定した。試料の重量を、アッセイ計算の前に、水分含有量および残留溶媒含有量に対して補正した。単離した固体の乾燥もまたを、モニターするのが好ましい。種々の実施態様において、工程1の反応は、反応混合物中の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸の量が、10 A%(A%は、HPLCによる面積%を指す)以下であるとき、および/または反応混合物中の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸の量が、10mol%以下であるとき完了とみなされる。
実施例12:フォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの製造の詳細な概要:工程1:-10℃の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸のアセトンおよびクロロギ酸エチル中の混合物に、4-メチルモルホリンを、-5℃未満の内部温度を維持するような温度(発熱)にて加える。反応物を-10℃で1時間撹拌し、その後(R)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンを加える。2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、水および酢酸エチルで希釈する。酢酸エチル層を除去し、水層を、炭酸カリウムで塩基性化する。酢酸エチルを加え、水層を除去する。有機層を水で2回洗浄し、濃縮する。混合物を酢酸エチルで希釈し、酢酸エチル溶液の水分含有量が0.5%未満になるまで濃縮する。溶液を、31℃にて1wt%のフォームAを用いて種晶添加し、核生成温度にて2時間撹拌する。混合物を20℃まで冷却し、1時間撹拌する。スラリーをメチルtertブチルエーテル(MtBE)で希釈し、20℃にて2時間撹拌する。懸濁液をろ過し、生成物ケーキをMtBE/酢酸エチルで洗浄する。湿潤ケーキを、重量が一定になるまで減圧下40℃±5℃にて乾燥して、R-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗製)を得る。
工程2:イソプロパノールおよびR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗製)を一緒に混合する。混合物を50℃まで加熱し、溶解させ、その後、フィルターを通す。ろ液を濃縮し、40℃まで冷却する。n-ヘプタンを加え、得られた溶液を28℃まで冷却し、フォームAを種晶添加する。得られたスラリーを23℃まで冷却し、この温度にて1.5時間撹拌する。さらにn-ヘプタンを加え、スラリーを22℃にて13時間撹拌する。懸濁液をろ過し、生成物ケーキをイソプロパノール/N-ヘプタンで洗浄する。湿潤ケーキを、重量が一定になるまで減圧下40℃±5℃にて乾燥して、フォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを得る。
実施例11および12の方法により得られたフォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドのNMRスペクトルを図11Aに示し、図11Bは、図11AのNMRスペクトルに基づいて表13の割り当てに用いる番号設定を提供し、次の表記を表13において用いる:s:シングレット、d:ダブレット、br s:ブロードシングレット、br d:ブロードダブレット、ddd:ダブレットのダブレットのダブレット、t:トリプレット、q:カルテット;m:マルチプレット、tt:トリプレットのトリプレット;dq:カルテットのダブレット。
実施例11および12の方法により得られたフォームAのR-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの
13C NMRスペクトルを図12Aに示し、図12Bは、図12Aの
13C NMRスペクトルに基づいて表14の割り当てに用いる番号設定を提供する。
実施例13:S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの製造の全体的概要:概して、フォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを2工程で製造できる:工程1、粗製(S)-アミスルピリドの製造;および工程2、粗製(S)-アミスルピリドのフォームA'の(S)-アミスルピリド結晶への再結晶。
工程1、実施例13および14
工程1は、概して、4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸をクロロギ酸エチルと混合し、その後(S)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンを加えて、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド塩酸塩を形成することを含む。得られた生成物を水に抽出し、酢酸エチルで洗浄する。S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド塩酸塩を、炭酸カリウム水溶液を加えることにより遊離塩基に変換し、酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄する。酢酸エチル溶液を乾燥し、濃縮する。S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの酢酸エチル溶媒和物を結晶化させ、メチル-tertブチルエーテルを加えることにより、脱溶媒和する。S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)をろ過により単離する。
工程2、実施例13および14
工程2は、概して、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)をイソプロパノールに溶解させ、研磨ろ過することを含む。イソプロパノール溶液を濃縮し、n-ヘプタンで希釈し、フォームA'を種晶添加して、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドのスラリーを得る。混合物を、冷却し、ろ過して、実質的にフォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド結晶を得る。
S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗遊離塩基)の結晶化中に、酢酸エチル溶媒中の水の量は、結晶化に影響を及し、好ましくは0.5%未満であると理解されるべきである。したがって、水分含有量を、酢酸エチル溶液中に、例えば電量滴定(カールフィッシャー)により、モニターするのが好ましい。例えば、種々の実施態様において、電量滴定(カールフィッシャー)を非水性の過塩素酸滴定により行い、ここで、正確に秤量した約300mgの試料を、約50mLの氷酢酸に溶解させ、0.1N過塩素酸で滴定し、終点を電位差測定で測定した。試料の重量を、アッセイ計算の前に、水分含有量および残留溶媒含有量に対して補正した。単離した固体の乾燥もまたを、モニターするのが好ましい。種々の実施態様において、工程1の反応は、反応混合物中の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸の量が、10 A%(A%は、HPLCによる面積%を指す)以下であるとき、および/または反応混合物中の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸の量が、10mol%以下であるとき完了とみなされる。
実施例14:フォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの製造の詳細な概要:工程1:-10℃の4-アミノ-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシ安息香酸のアセトン中の溶液に、クロロギ酸エチルを加える。4-メチルモルホリンを、-5℃未満の内部温度を維持するような温度(発熱)にて加える。反応物を-10℃で1時間撹拌し、その後(S)-(1-エチルピロリジン-2-イル)メタンアミンを加える。2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、水および酢酸エチルで希釈する。酢酸エチル層を除去し、水層を、炭酸カリウムで塩基性化する。その後、酢酸エチルを加え、水層を除去する。有機層を水で2回洗浄し、濃縮する。混合物を酢酸エチルで希釈し、酢酸エチル溶液の水分含有量が0.5%未満になるまで濃縮する。溶液を、31℃にて1wt%のフォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを用いて種晶添加し、核生成温度にて2時間撹拌する。混合物を20℃まで冷却し、1時間撹拌する。その後、スラリーをメチルtertブチルエーテル(MtBE)で希釈し、20℃にて2時間撹拌する。その後、懸濁液をろ過し、生成物ケーキをMtBE/酢酸エチルで洗浄する。湿潤ケーキを、重量が一定になるまで減圧下40℃±5℃にて乾燥して、S-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗製)を得る。
工程2:イソプロパノールをS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミド(粗製)に加え、混合物を50℃まで加熱し、溶解させる。その後、得られた溶液を、フィルターを通す。ろ液を濃縮し、40℃まで冷却する。n-ヘプタンを加え、得られた溶液を28℃まで冷却し、種晶添加する。得られたスラリーを23℃まで冷却し、この温度にて1.5時間撹拌する。さらにn-ヘプタンを加え、スラリーを22℃にて13時間撹拌する。その後、懸濁液をろ過し、生成物ケーキをイソプロパノール/N-ヘプタンで洗浄する。湿潤ケーキを、重量が一定になるまで減圧下40℃±5℃にて乾燥して、実質的にフォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドを得る。
実施例13および14の方法により得られたフォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドのNMRスペクトルを図13Aに示し、図13Bは、図13AのNMRスペクトルに基づいて表15の割り当てに用いる番号設定を提供し、次の表記を表15において用いる:s:シングレット、d:ダブレット、br s:ブロードシングレット、br d ブロードダブレット、ddd:ダブレットのダブレットのダブレット、t:トリプレット、q:カルテット;m:マルチプレット、tt:トリプレットのトリプレット;dq:カルテットのダブレット。
実施例13および14の方法により得られたフォームA'のS-4-アミノ-N-[(1-エチル-2-ピロリジニル)メチル]-5-(エチルスルホニル)-2-メトキシベンズアミドの
13C NMRスペクトルを図14Aに示し、図14Bは、図14Aの
13C NMRスペクトルに基づいて表16の割り当てに用いる番号設定を提供する。
具体的な実施態様を参照して本発明を説明したが、この説明は、限定的な意味と解釈されることを意味するものではない。したがって、本発明は説明されているが、同じことが多くの方法で変更し得ることが明らかである。このような変形は、本発明の精神および範囲から逸脱するとみなされるべきではなく、当業者に明らかであろうすべてのこのような改良物、代替物および均等物は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。