JP7267066B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
特に装着者が男性の場合、排尿位置が陰茎の位置により変化するため、陰茎が排泄液吸収部からずれることによる排泄液漏れが発生し易いという問題がある。介護現場ではこの問題を解決するために、フラットタイプの補助吸収性物品を用い、その肌面シートに開口部を設けて陰茎を挿入するようにしたり(例えば、特許文献1)、円錐状に丸めて陰茎に巻き付けたりする(例えば、特許文献2)、といった対応が取られている。
そこで、本発明の主たる課題は、陰茎が確実に固定される男性用吸収性物品を提供することであり、従たる課題は、身体側(内側)への排泄液漏れの防止性に優れる吸収性物品を提供することにある。
<第1の態様>
積層吸収体と、前記積層吸収体の外側を覆う不透液性のバックシートとを有する吸収性物品において、
前記積層吸収体は、
最内側吸収体とこの最内側吸収体の外側に位置する吸収体とで構成され、
前記最内側吸収体の幅方向中央部に、切断された第1切断部が前後方向に延在し、
前記第1切断部に交差して幅方向に第2切断部が複数本、前後方向に間隔を空けて延在して第2切断部群が形成され、
前記第2切断部群のうちの隣り合う前記第2切断部相互で挟まれた領域のうち、平面視で幅方向左側が変形可能な左側自由部とされ、幅方向右側が変形可能な右側自由部とされ、
前記積層吸収体の内側を覆う2枚のカバーシートは、
前記最内側吸収体における幅方向の右側端部から左側に、この最内側吸収体の前記第1切断部を超えて延出する右側カバーシートと、
前記最内側吸収体における幅方向の左側端部から右側に、この最内側吸収体の前記第1切断部を超えて延出する左側カバーシートとからなり、
前記吸収性物品の使用時に、
前記右側カバーシートの延出された端縁が、前記最内側吸収体と前記最内側吸収体の外側に位置する吸収体との間で、かつ右側端部方向に挿入されて、前記最内側吸収体の右側自由部が左側に凸状に湾曲され、
前記左側カバーシートの延出された端縁が、前記最内側吸収体と前記最内側吸収体の外側に位置する吸収体との間で、かつ左側端部方向に挿入されて、前記最内側吸収体の左側自由部が右側に凸状に湾曲され、
前記右側自由部と左側自由部とで陰茎を挟む陰茎固定部が形成される、
ことを可能とする、
ことを特徴とする吸収性物品。
吸収体の右側自由部と左側自由部が湾曲されることで、湾曲された部分がそれ以外の吸収体の部分よりも内外方向IOに厚みを有することになる。また、右側カバーシートの端縁が右側に、左側カバーシートの端縁が左側に、それぞれ入れ込まれるので、湾曲状態が維持される。湾曲された右側自由部と湾曲された左側自由部との間は離間され、陰茎を挿入する部分(陰茎固定部)が形成される。陰茎固定部は所定の厚み(深さ)を有するので、陰茎が陰茎固定部に深く挿入され、湾曲された右側自由部と湾曲された左側自由部とで挟まれ固定される。また、最内側吸収体の外側に位置する吸収体に排泄液のほとんどが吸収され、吸収しきれないものであっても最内側吸収体に吸収されるので、本形態は内側への排泄液漏れの防止性に優れる、との効果を有する。この点で特許文献3は吸収体を1層のみ設けるものであり本形態と異なる。なお、積層吸収体は複数層で形成され、例えば、3層や4層とすることができる。
第1の態様に加え、
前記2枚のカバーシートの内側が透液性トップシートで覆われ、
前記透液性トップシートの幅方向中央部に第1裂開様ミシン目が前後方向に延在し、前記第1裂開様ミシン目に交差して幅方向に第2裂開様ミシン目が複数本、前後方向に間隔を空けて延在して第2裂開様ミシン目群を形成し、
前記第1開様ミシン目と前記第1切断部とが内外方向に重なり、前記第2裂開様ミシン目群と前記第2切断部群とが内外方向に重なる、
形態を挙げることができる。
例えば、トップシートの裂開様ミシン目とカバーシートの切断部との位置が内外方向に重なっていないと、裂開様ミシン目を裂開した使用者は、カバーシートにおける吸収体が包まれる部分を掴み難い。しかしながら、重なるように配置されていることで、使用者は同部分を掴み易く、陰茎固定部の成形を行い易くなる。
第1又は第2の態様に加え、
前記右側自由部に、前後方向に、複数本間隔を空けて、又は1本、折り曲げ誘導部が延在し、
前記左側自由部に、前後方向に、複数本間隔を空けて、又は1本、折り曲げ誘導部が延在する、
形態を挙げることができる。
折り曲げ誘導部があると、低目付け部を有する領域で自由部が湾曲され易くなり、また、湾曲された状態が維持され易くなる。
第1又は第2の態様に加え、
前記右側カバーシートにおける前記最内側吸収体の前記第1切断部を超えて幅方向左側に延出された延出部が折り畳まれ、
前記左側カバーシートにおける前記最内側吸収体の前記第1切断部を超えて幅方向右側に延出された延出部が折り畳まれる、
形態を挙げることができる。
第1又は第2の態様に加え、
前記2枚のカバーシートの内側が透液性トップシートで覆われ、
前記透液性トップシートと前記2枚のカバーシートとの間に不透液性中間シートが介在される、
形態を挙げることができる。
本明細書においては、「前後方向LD」とは腹側と背側を結ぶ方向をいい、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向をいい、「上下方向」とは使い捨ておむつの装着状態において胴周り方向と直交する方向をいう。「内外方向IO」とは身体側と反身体側を結ぶ方向をいい、「内面」とはそれぞれの部材の身体側面をいい、「外面」とは反身体側面をいうものとする。「上側」とは、前後方向の背側をいい、「下側」とは、前後方向の腹側をいう。「内側」とは、内外方向IOの身体側をいい、「外側」とは、内外方向IOの反身体側をいう。以下に示す実施形態ではパッドタイプ使い捨ておむつ200の内面を平面視して、図面の右側を「右側」、左側を「左側」として例示する。なお、幅方向に3等分した領域のうち、おおよそ平面視で左側から右側にかけて順に、左側端部、中央部、右側端部ということもできる。
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、不透液性シート21の内面と、透液性トップシート22との間に、最内側吸収体52と、最内側吸収体52の外側に位置する吸収体23(いか、単に吸収体23ともいう。図示例では吸収体23は1層であるが複数層にしてもよい。)とが介在された基本構造を有している。また、最内側吸収体52と透液性トップシート22の内面との間には、カバーシート51a、51bが配されている。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。
吸収体23、最内側吸収体52としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体23、最内側吸収体52における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは70~600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0~400g/m2程度とするのが好ましい。高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等、必要に応じて、吸収体23、最内側吸収体52はクレープ紙等の包装シート(図示せず)により包むことができる。吸収体23、最内側吸収体52は、股間部C2を含む前後方向LDに延在する長方形状に形成されている。また、吸収体23、最内側吸収体52の形状は、相対的に腹側の部分が背側の部分よりも幅広な帯状、あるいは台形状、股間部が幅方向中央部に括れた砂時計形状等、適宜の形状とすることができる。最内側吸収体52は、吸収体23の身体側(内側)に吸収体23に重ねて配されている。平面視で、最内側吸収体52と吸収体23それぞれの面積は相互にほぼ同じでもよいし、最内側吸収体52の面積が吸収体23の面積よりも大きくても、小さくてもよい。
カバーシート51a、51bは、最内側吸収体52内面の一部又は全部を覆う形態とするとよい。また、カバーシート51aとカバーシート51bは相互にこれらシートの一部が重なるように設けるとよい。カバーシート51a、51bで最内側吸収体52を覆う形態は特に限定されない。一例に、最内側最内側吸収体52内面側における幅方向WDの右側端部から左側に、この最内側吸収体の第1切断部を超えて右側カバーシート51bが延出される形態を挙げることができる。また最内側吸収体52内面側における幅方向WDの左側端部から右側に、この最内側吸収体の第1切断部を超えて左側カバーシート51aが延出され、右側カバーシート51b内面に重なる形態を挙げることができる。このような形態にすると、左側カバーシート51a外面が右側カバーシート51b内面に幅方向中央部で重なる。なお、カバーシート51a、51bは吸収体23及び最内側吸収体52の少なくともいずれか一方の周縁より若干食み出すように設けられてもよい。
吸収体23の反身体側(外側)には、不透液性バックシート21が吸収体23及び最内側吸収体52の少なくともいずれか一方の周縁より若干食み出すように設けられている。不透液性バックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、不透液性バックシート21の外面は、不織布からなる外装シート(図示略)により被覆することができ、この場合、不透液性バックシート21の幅を吸収体23の幅と同程度とすることができる。外装シートとしては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aの身体側(内側)は、透液性トップシート22により覆われている。トップシート22の側縁から右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aが一部食み出す形態としてもよいし、右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aの側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げる形態とすることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aと、透液性トップシート22との間に不透液性中間シート25を介在させることができる。この不透液性中間シート25は、吸収体23及び吸収体により吸収した排泄液の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、且つ透液性の高い素材、例えばメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aの側縁から不透液性中間シートが、一部食み出す形態としてもよいし、右側カバーシート51b及び左側カバーシート51aの側縁から不透液性中間シートの全部が食み出さない形態にしてもよい。また、吸収体23及び最内側吸収体52のいずれか一方から不透液性中間シートが、一部食み出す形態としてもよいし、吸収体23及び最内側吸収体52のいずれか一方から不透液性中間シートの全部が食み出さない形態にしてもよい。別の形態として、トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、不透液性中間シート25の前端は0~11%の範囲に位置しているのが好ましく、不透液性中間シート25の後端は92~100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、不透液性中間シート25の幅25wは最内側吸収体52の幅W2の50~90%程度であるのが好ましい。
透液性トップシート22の切断部群50B、右側カバーシート51bの切断部群55B、左側カバーシート51aの切断部群56B、不透液性中間シート25の切断部群、最内側吸収体52の切断部群54Bは相互に内外方向IOに全部または一部が重なるように配置される。同様に、透液性トップシート22の第1切断部50Aと最内側吸収体52の第1切断部54Aは相互に内外方向IOに全部または一部が重なるように配置される。
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、外装シート26および透液性トップシート22が吸収体23及び最内側吸収体52の少なくともいずれか一方の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23及び最内側吸収体52の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、外装シート26が吸収体23及び最内側吸収体52の少なくともいずれか一方の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面には側部立体ギャザーシート31の幅方向外側の部分34が前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23及び最内側吸収体52の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では斜線模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。外装シート26を設けない場合、外装シート26に代えて不透液性シート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
表面における両側部には、前後方向LDに延在する側部立体ギャザー30がそれぞれ設けられている。側部立体ギャザー30は上述の側部立体ギャザーシート31により形成されている。側部立体ギャザーシート31の幅方向中央側の部分32はトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、側部立体ギャザー弾性部材33が前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。
透液性トップシート22の第1切断部50A及び第2切断部50B1、50B2、・・・、50B6、最内側吸収体52の第1切断部54A及び第2切断部54B1、54B2、・・・、54B6、右側カバーシート51bの第2切断部55B1、55B2、・・・、55B6、左側カバーシート51aの第2切断部56B1、56B2、・・・、56B6は、あらかじめ裂開されている形態にしてもよいし、本製品の使用者が切断部に沿って裂開可能な形態にしてもよい。不透液性中間シート25の切断部は、裂開可能な形態にするのが望ましい。必要な個所のみ使用者が裂開する形態にすると、裂開箇所が最小限で済み、最内側吸収体52内面から漏れ出した排泄液が不透液性中間シート25を透過して身体側に漏れるのを防止でき好適である。
Claims (4)
- 積層吸収体と、前記積層吸収体の外側を覆う不透液性のバックシートとを有する吸収性物品において、
前記積層吸収体は、
最内側吸収体とこの最内側吸収体の外側に位置する吸収体とで構成され、
前記最内側吸収体の幅方向中央部に、切断された第1切断部が前後方向に延在し、
前記第1切断部に交差して幅方向に第2切断部が複数本、前後方向に間隔を空けて延在して第2切断部群が形成され、
前記第2切断部群のうちの隣り合う前記第2切断部相互で挟まれた領域のうち、平面視で幅方向左側が変形可能な左側自由部とされ、幅方向右側が変形可能な右側自由部とされ、
前記積層吸収体の内側を覆う2枚のカバーシートは、
前記最内側吸収体における幅方向の右側端部から左側に、この最内側吸収体の前記第1切断部を超えて延出する右側カバーシートと、
前記最内側吸収体における幅方向の左側端部から右側に、この最内側吸収体の前記第1切断部を超えて延出する左側カバーシートとからなるものであり、
前記2枚のカバーシートの内側が透液性トップシートで覆われ、
前記透液性トップシートの幅方向中央部に、第1裂開様ミシン目が前後方向に延在し、前記第1裂開様ミシン目に交差して幅方向に第2裂開様ミシン目が複数本、前後方向に間隔を空けて延在して第2裂開様ミシン目群を形成し、
前記第1裂開様ミシン目と前記第1切断部とが内外方向に重なり、前記第2裂開様ミシン目群と前記第2切断部群とが内外方向に重なっており、
前記吸収性物品の使用時に、
前記右側カバーシートの延出された端縁が、前記最内側吸収体と前記最内側吸収体の外側に位置する吸収体との間で、かつ右側端部方向に挿入されて、前記最内側吸収体の右側自由部が左側に凸状に湾曲され、
前記左側カバーシートの延出された端縁が、前記最内側吸収体と前記最内側吸収体の外側に位置する吸収体との間で、かつ左側端部方向に挿入されて、前記最内側吸収体の左側自由部が右側に凸状に湾曲され、
前記右側自由部と左側自由部とで陰茎を挟む陰茎固定部が形成される、
ことを可能とする、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 前記右側自由部に、前後方向に、複数本間隔を空けて、又は1本、折り曲げ誘導部が延在し、
前記左側自由部に、前後方向に、複数本間隔を空けて、又は1本、折り曲げ誘導部が延在する、
請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記右側カバーシートにおける前記最内側吸収体の前記第1切断部を超えて幅方向左側に延出された延出部が折り畳まれ、
前記左側カバーシートにおける前記最内側吸収体の前記第1切断部を超えて幅方向右側に延出された延出部が折り畳まれる、
請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記透液性トップシートと前記2枚のカバーシートとの間に不透液性中間シートが介在され、
前記不透液性中間シートは、前記第1切断部及び前記第2切断部群と内外方向に重なる、切断部群を有するものである、
請求項1に記載の吸収性物品。
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ID=72640746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013135715A (ja) | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Tottori Univ | 吸収性物品 |
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2019
- 2019-03-28 JP JP2019062771A patent/JP7267066B2/ja active Active
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JP2013135715A (ja) | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Tottori Univ | 吸収性物品 |
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