JP7266431B2 - 飲料の香味改良剤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)飲料の香味改良剤を製造する方法であって、
(a)モモ果実から核を除去処理する工程、ならびに
(b)工程(a)で得られたモモの果実部分を、5~30質量%のエタノール水溶液で抽出する工程
を含んでなる、方法。
(2)抽出が10~40℃の温度条件下で行われる、前記(1)の方法。
(3)抽出が、前記果実部分の破砕物の前記エタノール水溶液における懸濁液を10~120分間攪拌することにより行われる、前記(1)または(2)の方法。
(4)抽出の前に、前記果実部分を破砕し、得られた破砕物を、固形物を分解するための酵素処理に供する工程をさらに含んでなる、前記(1)~(3)のいずれかの方法。
(5)前記酵素処理に用いられる酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素を含む、前記(4)の方法。
(6)前記(1)~(5)のいずれかの方法によって得られる、飲料の香味改良剤。
(7)前記(6)の香味改良剤を含んでなる、飲料。
(8)前記香味改良剤の含有量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、前記(7)の飲料。
(9)アルコール飲料である、前記(7)または(8)の飲料。
(10)非アルコール飲料である、前記(7)または(8)の飲料。
(11)前記(6)の香味改良剤を原料に添加することを含んでなる、飲料の製造方法。
(12)前記香味改良剤の添加量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、前記(11)の製造方法。
(13)前記(6)の香味改良剤を飲料に添加することを含んでなる、飲料の香味を改良する方法。
(14)前記香味改良剤の添加量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、前記(13)の方法。
(15)飲料の香味の改良が、果実らしい甘味の増強、後苦味の低減、果汁の味厚みの増強、またはこれらの任意の組合せである、前記(13)または(14)の方法。
本発明において「アルコール飲料」とは、酒税法上アルコール飲料とみなされる、アルコール度数1度以上の飲料を意味する。
(1)香味改良剤
モモ(黄桃)の果実から核と皮を除去し、得られた果肉を小さくカットした後に、ミキサー(WARING社製 MODEL700BUJ、100V、50/60Hz、300W)で2分間破砕した。
香味改良剤サンプルに含まれるリンゴ酸濃度を、BCOJビール分析法-2003 8.24.2キャピラリー電気泳動法により測定した。結果を以下の表1に示す。
(1)飲料サンプルの調製
以下のように、飲料サンプルのベースとなる(つまり香味改良剤サンプルを含まない)ベース液Aおよびベース液Bを調製した。
上記(1)で調製された各飲料サンプルを、官能評価試験に供した。官能評価試験では、良く訓練されたパネル5名により、以下の基準で各項目の官能評価を行った。
「味厚み」は、十分な量の果汁を配合した飲料が呈する味の濃さ(酸味、甘味等の様々な味の総合的な強さ)を意味する。「甘味」は、一般的な甘味と同様の意味を有する。「後苦味」は、飲用時後半に感じられる舌上の苦味を意味する。これらの項目の評価は、香味改良剤サンプルを含有していない対照サンプルのスコアを「5」として、以下の基準による9点法によって行い、全パネルのスコアの平均値を評価スコアとした。
9:対照サンプルと比較して、極めて強く感じる。
8:対照サンプルと比較して、かなり強く感じる。
7:対照サンプルと比較して、強く感じる。
6:対照サンプルと比較して、やや強く感じる。
5:対照サンプルと比較して、違いが無い。
4:対照サンプルと比較して、やや弱く感じる。
3:対照サンプルと比較して、弱く感じる。
2:対照サンプルと比較して、かなり弱く感じる。
1:対照サンプルと比較して、極めて弱く感じる。
「ウリ様の青臭さ」は、スイカ、メロン、キュウリなどのウリ科の生野菜の果皮付近から香るような青臭い香気を意味する。この項目の評価は、香味改良剤サンプルを含有していない対照サンプルのスコアを「1」として、以下の基準による5点法によって行い、全パネルのスコアの平均値を評価スコアとした。
5:飲料として明らかに不適なほどの青臭さを感じる。
4:かなり強い青臭さを感じる。
3:強い青臭さを感じる。
2:わずかに青臭さを感じる。
1:青臭さを全く感じない。
香味改良剤の製造条件を検討するため、モモ果肉の抽出処理に用いられるエタノール水溶液のエタノール濃度を変更して得られた幾つかの香味改良剤サンプルを含有する飲料サンプル(ベース液Aをベースとする)を用意し、官能評価結果を比較した。香味改良剤サンプルの添加濃度は、飲料サンプル全体に対して0.10%(v/v)とした。対照サンプルは、香味改良剤サンプルを含有しないベース液Aとした。結果を以下の表2に示す。
香味改良剤の好ましい添加量を検討するため、抽出時エタノール濃度10質量%の香味改良剤サンプルを様々な濃度で含有する飲料サンプル(ベース液Aをベースとする)を用意し、官能評価結果を比較した。対照サンプルは、香味改良剤サンプルを含有しないベース液Aとした。結果を以下の表3に示す。
香味改良剤の効果に対する飲料のアルコール度数の影響を検討するため、様々なアルコール濃度を有するベース液Bに対して香味改良剤サンプルを添加し、各サンプルについての官能評価結果を比較した。香味改良剤サンプルは抽出時エタノール濃度10質量%の香味改良剤サンプルとし、その添加濃度は、飲料サンプル全体に対して0.03%(v/v)または0.3%(v/v)とした。対照サンプルは、香味改良剤サンプルを含有しないベース液B(飲料サンプルのアルコール度数と同じアルコール度数のベース液Bを使用。アルコール度数0%のものは、ベース液Aと同じ)とした。結果を以下の表4に示す。
Claims (15)
- 飲料の香味改良剤を製造する方法であって、
(a)モモ果実から核を除去処理する工程、ならびに
(b)工程(a)で得られたモモの果実部分を、5~30質量%のエタノール水溶液で抽出する工程
を含んでなり、
抽出が、前記果実部分の破砕物の前記エタノール水溶液における懸濁液を10~120分間攪拌することにより行われる、方法。 - 抽出が10~40℃の温度条件下で行われる、請求項1に記載の方法。
- 抽出が、前記果実部分の破砕物の前記エタノール水溶液における懸濁液を30~90分間攪拌することにより行われる、請求項1または2に記載の方法。
- 抽出の前に、前記果実部分を破砕し、得られた破砕物を、固形物を分解するための酵素処理に供する工程をさらに含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記酵素処理に用いられる酵素が、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素を含む、請求項4に記載の方法。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の方法によって得られる、飲料の香味改良剤。
- 請求項6に記載の香味改良剤を含んでなる、飲料。
- 前記香味改良剤の含有量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、請求項7に記載の飲料。
- アルコール飲料である、請求項7または8に記載の飲料。
- 非アルコール飲料である、請求項7または8に記載の飲料。
- 請求項6の香味改良剤を原料に添加することを含んでなる、飲料の製造方法。
- 前記香味改良剤の添加量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、請求項11に記載の製造方法。
- 請求項6に記載の香味改良剤を飲料に添加することを含んでなる、飲料の香味を改良する方法。
- 前記香味改良剤の添加量が、該香味改良剤に含まれるリンゴ酸の量に換算して、22.9ppb以上である、請求項13に記載の方法。
- 飲料の香味の改良が、果実らしい甘味の増強、後苦味の低減、果汁の味厚みの増強、またはこれらの任意の組合せである、請求項13または14に記載の方法。
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JP2013143938A (ja) | 2011-12-16 | 2013-07-25 | Suntory Holdings Ltd | 桃核抽出液を含有する飲料 |
CN108219936A (zh) | 2017-12-12 | 2018-06-29 | 河南中烟工业有限责任公司 | 一种桃子香精、其制备方法以及在卷烟中的应用 |
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JPH09191861A (ja) * | 1996-01-18 | 1997-07-29 | Oozeki Kk | 果汁、果肉含有飲食品の香味改良剤およびそれを用いた果汁、果肉含有飲食品 |
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