以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、実施形態に係る表示角度調整装置(投影システム)1は、収納ケース(収納部材)30と、収納ケース30を支持する支持フレーム(支持部材)60と、吸排気用ファン(送風部材)70と、を備える。表示角度調整装置1は、投影装置10(図2参照)を天井材(天井)又は壁材(壁)の裏側に埋め込む形で設置し、投影を行うための構造である。表示角度調整装置1では、内部に投影装置10を収納した収納ケース30を、天井材Cに設けられた開口CO(図8参照)から天井裏の空間(開口の内側の空間)に設置する。なお、図1は、支持フレーム60に支持された収納ケース30が後述する第1の表示角度に傾けられた状態を示している。
図2に示すように、収納ケース30は、全体として縦長の略箱状の中空部材であり、6面を構成する6つの壁部(上壁部30a、下壁部30b、左壁部30c、右壁部30d、前壁部30e、後壁部30f)を有する。なお、以下の収納ケース30の説明では、図2における手前方向を収納ケースの前側とし、その反対側を後側とし、図2における右方向を収納ケース30の左側とし、その反対側を右側として説明する。収納ケース30は、その内部に設けられた空間Sに投影装置10の略全域を覆うように収納する。収納ケース30の上壁部30aは平坦面となっており、下壁部30bは下方に向かって凸となる曲面となっている。また、収納ケース30の左壁部30cは平坦面となっており、右壁部30dは、上下方向を筒軸方向とする円筒の外周面のように収納ケース30の外側に向かって凸となる略円弧状に屈曲する曲面となっている。また、収納ケース30の後壁部30fは、外側に向かって凸となる曲面となっている。
上壁部30aの上方には、投影装置10や収納ケース30を制御駆動するための電源ケーブルPC、及び投影装置10と接続される映像/音声伝送ケーブルHCが引き出されている。また、左壁部30cは、後述する支持フレーム60と干渉しないように、その下側部分が下側に向かうにつれて段階的に肉薄となっている(図1参照)。また、平坦面とされた右壁部30dの外面には、空間S内に配置される後述する取付板44を右壁部30dに取り付けるための第1ネジ軸(第1軸部材)81及び第2ネジ軸(第2軸部材)82が露出している(図2参照)。
第1ネジ軸81は、右壁部30dの下側前方から露出しており、第2ネジ軸82は、右壁部30dの上下方向略中央後方寄りの位置から露出している。第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82は、ネジ溝が設けられた部分とネジ溝が設けられていない部分とを有する軸状部材であり、そのうちネジ溝が設けられていない部分が右壁部30dの外面から露出している。第1ネジ軸81の右壁部30dから露出する先端部には、後述する第1ワッシャW1が嵌められており、第2ネジ軸82の右壁部30dから露出する先端部には、後述する第2ワッシャW2が嵌められている。
また、収納ケース30の前壁部30eの下側略半分の部分には、大きく開口するケース開口部32が設けられている。ケース開口部32は、収納ケース30内の空間Sと連通している。投影装置10は、後述する投影口20gをケース開口部32側に向けた形で、空間S内であって収納ケース30の左右方向略中央位置に縦置きされた状態で配置されている。空間Sは、縦置き配置された投影装置10によって2つの空間に分離されている。この2つの空間のうち、左壁部30c側の空間はケース開口部32から投影装置10の後述する吸気口に向かって空気が流れる吸気空間S1とされ、右壁部30d側の空間は投影装置10の後述する排気口が排出する空気がケース開口部32に向かって流れる排気空間S2とされる。
また、ケース開口部32のうち、左側の部分は吸気空間S1と連通する吸気側開口部32aとなっており、右側の部分は排気空間S2と連通する排気側開口部32bとなっている。そして、吸気側開口部32aと排気側開口部32bの間であってケース開口部32の左右方向略中央位置は、投影装置10の投影口20gを臨む投影開口部(表示開口部)32cとなっている。換言すれば、投影装置10は、ケース開口部32の左右方向略中央位置において投影口20gを臨むような配置で空間S内に収納されている。また、投影開口部32cの開口面は、収納ケース30の右壁部30dと略直交している。なお、下壁部30bの前端部は、ケース開口部32の下側の開口縁を構成するとともに前方外側に開く形で傾斜して伸びる下側リブ部30b1となっている。
図3に示すように、収納ケース30は、収納ケース30の右側の片側略半分を構成する排気側カバー34と収納ケース30の左側の片側略半分を構成する吸気側カバー36との間に、投影装置10を含む様々な部材を収納する。排気側カバー34及び吸気側カバー36は、軽量な合成樹脂製とされ、両者の間はビス止め等により接合される。収納ケース30の内部には、端子台42、取付板44、投影装置10、ベース板金52、制御基板54、リモコン基板55、シールド板金56、ACアダプタ58等が収納される。このうち投影装置10は、排気側カバー34の内側に配置される。
収納ケース30に収納される投影装置10を平らな面に設置した場合、投影装置10は、左右方向を長手方向とする略長矩形箱であり、その前面側に投影口20gを有する。投影装置10の一方の側面には、電源プラグの接続口が設けられている。投影装置10では、吸気が行われる吸気口が3箇所に設けられており、排気が行われる排気口が2箇所に設けられている。投影装置10は、各吸気口が吸気空間S1に露出し、各排気口が排気空間S2に露出するように収納ケース30内に配置されている。
端子台42は、略箱状をなしており、表示角度調整装置1における電気系統の中継機器として収納ケース30内の上部に収納される。端子台42からは電源コードPCが伸びており、グロメットを介して上壁部30aの上方から収納ケース30の外側へと引き出されるようになっている。電源コードPCの先端のプラグは100Vコンセントに接続される。また、端子台42の一方の端子には、電源コードPCのプラグ側とは反対側のケーブルと電気的に接続される。
取付板44は、排気側カバー34の内側に投影装置10を取付固定するための部材であり、投影装置10に取り付けられた状態で投影装置10とともに排気側カバー34の内側に取り付けられる。取付板44は、板金部材であり、複数の脚部を有する略三角形の板状をなしている。ここで、右壁部30dには、上述した第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82が露出する部分と対応する位置に、取付板44を排気側カバー34の内側に取り付けるための取付孔(不図示)がそれぞれ設けられている。取付板44は、右壁部30dの外面側から上記の取付孔を介して第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82によってネジ止めすることにより、排気側カバー34の内側に取り付けられて固定される。
投影装置10は、投影口20gを前方に向けた縦置きの状態でその下面(図3において取付板44の板面と対向する面)を取付板44の板面上に重ね合わせて取付板44側からネジ止めすることにより、予め取付板44に取り付けられ、取付板44を介して排気側カバー34の内側に取り付けられる。このため、投影装置10から出射される投影光の光軸LC(図7参照)は取付板44の板面に沿ったものとなり、第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82の軸方向が投影装置10から出射される投影光の光軸LCと直交する形となる。また、投影装置10がこのように配置されることにより、収納ケース30内の吸気空間S1と排気空間S2は、投影装置10を介して互いに分離される。
ベース板金52は、板状の板金部材であり、制御基板54、リモコン基板55及びシールド板金56を取り付けるための部材である。ベース板金52の板面は、排気側カバー34に取り付けられた投影装置10の上面等にビス止め等により支持される。制御基板54は、収納ケース30に収納される投影装置10、リモコン基板55、及び吸排気用ファン70を制御するための基板である。制御基板54はリモコン基板55とコネクタ(不図示)を介して電気的に接続されている。
シールド板金56は、板状の板金部材であり、制御基板54をシールドするための部材である。またシールド板金56は、リモコン基板55の少なくとも一部をシールドしてもよい。制御基板54及びリモコン基板55は、ベース板金52の板面上に取り付けられて、その上からシールド板金56がベース板金52に取り付けられることにより、シールド板金56によって囲まれ、外部からシールドされる。ACアダプタ58からは、第1接続ケーブル58a(AC入力)と第2接続ケーブル58b(DC出力)とがそれぞれ伸びている。ACアダプタ58は、第1接続ケーブル58aを端子台42の他方の端子と電気的に接続することで交流電圧が入力され、第2接続ケーブル58bはACアダプタ58からのDC出力を制御基板54及び投影装置10に供給する。これにより収納ケース30に収納される投影装置10、制御基板54、リモコン基板55、吸排気用ファン70には、それぞれの装置等を動作させる動作電圧が供給される。
次に、図4を参照して支持フレーム60の構成について説明する。支持フレーム60は、収納ケース30を支持した状態で天井材Cに設けられた円形状の開口CO(図8参照)に取り付けられる略円環状の部材である。支持フレーム60は、収納ケース30を支持するために強固な金属製の部材とされる。図4(a)に示すように、支持フレーム60は、略円環状の部材であり、環状部62と、2つのストッパ部材63と、支持板部64と、リンク部材(係合部材)66と、蝶ネジ(固定部材)67と、前側カバー部68と、後側カバー部69と、を有する。なお、以下の支持フレーム60の説明では、図4(a)(b)における右下方向(図7及び図10における右方向)を支持フレーム60及び支持フレーム60を構成する各部材の前側とし、その反対側を後側とし、図4(a)(b)における左下方向を支持フレーム60及び支持フレーム60を構成する各部材の右側とし、その反対側を左側として説明する。
環状部62は、環状枠部62aと、環状枠部62aの下端から鍔状にせり出す環状の鍔部62bと、環状枠部62aの中心を挟んで対向する環状枠部62a上の2箇所からそれぞれ立ち上がる立ち上がり部62cと、を有する。環状部62の鍔部62bは、取り付け対象となる天井材Cの開口COより一回り大きな大きさとなっている。環状枠部62aは、取り付け対象となる天井材Cの開口CO(図8参照)に対応した大きさの環状枠部材である。環状枠部62aの前方中央部と後方中央部には、後述する吸排気用ファン70を取り付けるためのファン取付ネジ孔62a1とファン取付孔62a2がそれぞれ設けられている。各立ち上がり部62cは、板面を環状枠部62aの中心側に向けた形で環状枠部62aから板状に立ち上がっており、その板面上に上下方向に縦長矩形状に開口する孔部62c1が設けられている。各立ち上がり部62cの立ち上がり先端部には、上下方向に開口し、前後方向に並んだ2つのネジ孔が設けられた下側取付部62c2が設けられている。
各ストッパ部材63は、環状部62の各立ち上がり部62cに設けられた孔部62c1にそれぞれ取り付けられる。各ストッパ部材63は、略V字状に屈曲された板バネ部材であり、屈曲部分が立ち上がり部62cの外側に突出した姿勢で立ち上がり部62cの孔部62c1に係合される。各ストッパ部材63の外面は、上方から下方にかけて外側に傾斜する傾斜面となっており、環状部62の環状枠部62aよりも外側に突出している。各孔部62c1の内側には図示しない微細な凹凸が上下に沿って形成されている。これにより、孔部62c1に係合されたストッパ部材63は、屈曲部分を内側に押した状態で孔部62c1に沿って上下方向に段階的にスライドさせることができ、スライド後に屈曲部分を外側に弾性復帰させることにより孔部62c1上の適当なスライド位置で固定できるようになっている。
支持板部64は、湾曲壁部64aと、湾曲壁部64aの両端側にそれぞれ設けられた上側取付部64bと、湾曲壁部64aの一端側に設けられた調整板部(板状部材)64cと、を有する。湾曲壁部64aは、上下方向に沿って立ち上がるとともに環状枠部62aに沿って円弧状に湾曲する壁状をなしており、その左右両端部が屈曲して後方に伸びている。湾曲壁部64aの前方中央上部には、前側カバー部68を取り付けるためのカバー取付孔64a1が設けられている。湾曲壁部64aは、その下端が環状枠部62aに接続される。各上側取付部64bは、環状枠部62aの両端部から後方に伸びる部分に環状部62の各下側取付部62c2と対応する形でそれぞれ設けられており、上下方向に開口し、前後方向に並んだ2つのネジ孔を有する。
調整板部64cは、湾曲壁部64aの一端側から湾曲壁部64aと連続する形で板状に立ち上がっており、その板面が左右方向に向けられ、略三角形状をなしている。支持フレーム60を構成する各部材が組付けられた状態では、調整板部64cの立ち上がり方向は、環状部62の立ち上がり部62cの立ち上がり方向と略平行となる。調整板部64cの板面には、その下側にスリット状に開口する第1スリット64c1が設けられ、その上側にスリット状に開口する第2スリット64c2が設けられている。第1スリット64c1は、下方に向かって緩やかに凸となる略円弧状に形成されている。一方、第2スリット64c2は、上方に向かって緩やかに凸となる略円弧状に形成されている。第1スリット64c1と第2スリット64c2の形状については、後で詳しく説明する。また、調整板部64cの板面における第1スリット64c1と第2スリット64c2の間には、調整板部64cの板面上から外側に向かって軸状に短く突出する支点軸64c3が設けられている。
リンク部材66は、細長く伸びる平板状の部材であり、その一端がわずかに折れ曲がった略フック状となっている。リンク部材66の板面には、上端側にスリット状に縦長に開口する縦長スリット66aが設けられており、下端側にスリット状に円弧状に開口する円弧状スリット66bが設けられている。また、リンク部材66の板面における縦長スリット66aと円弧状スリット66bの間には、調整板部64cの支点軸64c3が挿通される支点孔66cが設けられている。蝶ネジ67は、円弧状スリット66bの外側から挿通されて締結される。なお、調整板部64c、リンク部材66、及び蝶ネジ67の構成については後で詳しく説明する。
前側カバー部68は、略半円筒状をなし、環状部62及び支持板部64の前方側を覆う部材とされる。前側カバー部68の内面の前方中央上部には凸部(不図示)が設けられており、この凸部が支持板部64の湾曲壁部64aに設けられたカバー取付孔64a1に係合されることにより、前側カバー部68が支持板部64に取り付けられる。後側カバー部69は、略半円筒状をなし、環状部62及び支持板部64の後方側を覆う部材とされる。前側カバー部68と後側カバー部69の間はビス等により接合され、両者が接合されることにより、半円筒状のカバー部材とされる。
後側カバー部69の両端側(左右両側)には、下方に開口する形で細長矩形状に切り欠かれたカバー側第1切欠き69aがそれぞれ設けられている。各カバー側第1切欠き69aは、各立ち上がり部62cに設けられた孔部62c1に対応する形で切り欠かれており、後側カバー部69によって孔部62c1周りが覆われる際に、孔部62c1に係合されるストッパ部材63と干渉しないようになっている。また、後側カバー部69の後方側には、上部に開口する形で略円弧状に切り欠かれたカバー側第2切欠き69bが設けられている。さらに、後側カバー部69の両端側のうち支持板部64の調整板部64cが設けられた側とは反対側を覆う端部側には、その上面に枕状の突起である枕部69cが設けられている。
図4(b)に示すように、支持フレーム60を構成する各部材が組付けられた状態では、環状部62の鍔部62b、両ストッパ部材63、及び調整板部64cの支点軸64c3より上側の部分、が前側カバー部68及び後側カバー部69から露出し、その他の部分は前側カバー部68及び後側カバー部69により覆われる。そして、支持フレーム60の内側には、上下方向に開口するフレーム側開口(支持部材側開口)60aが形成される。
次に、支持フレーム60による収納ケース30の支持態様について説明する。支持フレーム60に収納ケース30を取り付ける際には、収納ケース30を支持フレーム60のフレーム側開口60a内に嵌め込み、右壁部30dの外面から露出する第1ネジ軸81を調整板部64cの第1スリット64c1に係合させ、さらに第2ネジ軸82を調整板部64cの第2スリット64c2に係合させる。これにより、第1ネジ軸81が第1スリット64c1内を移動可能な状態で、かつ第2ネジ軸82が第2スリット64c2内を移動可能な状態で、収納ケース30が支持フレーム60に支持される。即ち、図5に示すように、収納ケース30は、その右側(排気側カバー34側)のみが支持フレーム60に支持される。換言すれば、支持フレーム60は、調整板部64cのみで収納ケース30を支持する。なお、図5では、前側カバー部68のみを透過図で示している。
図5では、収納ケース30が支持フレーム60に対して垂直な姿勢で支持された状態を示している。この状態では、投影装置10の投影口20gが前方に向けられており、投影口20gの略半分の領域が支持フレーム60から前方へ露出する。また、この状態では、支持フレーム60の調整板部64cは、その板面が収納ケース30の右壁部30dと対向する形となる。収納ケース30が支持フレーム60に対して支持された状態では、上述したように第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82の軸方向が投影装置10から出射される投影光の光軸LCと直交することから、支持フレーム60は、第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82を介して収納ケース30を投影光の光軸LCと直交する軸周りに回転可能に軸支している。
次に、吸排気用ファン70の構成について説明する。吸排気用ファン70は、支持フレーム60に支持された収納ケース30を天井材Cに設けられた開口COの内側に設置した後に、支持フレーム60内側に取り付けられる。図6に示すように、吸排気用ファン70は、支持フレーム60の内側に収まる大きさとされた円形状の部材であり、円形皿部72と、隆起部73と、一対の傾斜壁74と、一対のファン側リブ76と、を有し、円形皿部72上に吸気ファン(第1送風部)F1と排気ファン(第2送風部)F2とがそれぞれ設置された構成とされる。なお、以下の給排気用ファン70の説明では、図6における右下方向を給排気用ファン70の前側とし、その反対側を後側として説明する。
円形皿部72は、円形の平坦な浅皿形状の部材である。円形皿部72の中央部には、縦長に大きく開口するファン開口部72cが設けられている。ファン開口部72cの両側には、吸気ファンF1が設置される吸気ファン設置部72aと、排気ファンF2が設置される排気ファン設置部72bと、がそれぞれ設けられている。また、吸気ファン設置部72aは、円形皿部72の下側(吸気ファンF1が設置される面とは反対側の面、換言すると円形皿部72の底面)から吸気ファンF1に向かって空気を流すための図示しない開口部を有し、吸気ファンF1は当該開口部の上側に設置される。同様に、排気ファン設置部72bは、排気ファンF2から円形皿部72の下側に向かって空気を流すための図示しない開口部を有し、排気ファンF2は当該開口部の上側に配置される。また、円形皿部72の縁部の浅く立ち上がる部分には、前方側の一部に支持フレーム60と係合される係合片72dが設けられている。
吸気ファンF1及び排気ファンF2は、いずれも円形状のファンを有する平面視矩形状の箱型部材である。また、吸気ファン設置部72a及び排気ファン設置部72bは、いずれも吸気ファンF1及び排気ファンF2の形状及び大きさに対応した矩形状となっている。吸気ファンF1及び排気ファンF2には、制御基板54から伸びる各配線54aが引き回されて接続され、これにより、吸気ファンF1及び排気ファンF2に駆動電源が供給される。吸気ファン設置部72aに設置された吸気ファンF1は、外部(円形皿部72の下側、円形皿部72の底面)からの空気を収納ケース30の吸気側開口部32aへ送風するためのファンとして機能し、排気ファン設置部72bに設置された排気ファンF2は、収納ケース30の排気側開口部32bから排出される空気を外部(円形皿部72の下側、円形皿部72の底面)へ送風するためのファンとして機能する。なお、吸気ファンF1及び排気ファンF2はいずれも軸流ファンであり、図6ではプロペラの図示を省略している。また、ファンは軸流ファンに限定されず、他のタイプのDCファンでもよい。
隆起部73は、円形皿部72の後側に設けられて上方に隆起した部分であり、その上面の後側に支持フレーム60にネジ止めされるネジが挿通されるファン側ネジ孔73aが設けられている。一対の傾斜壁74は、ファン開口部72cと吸気ファン設置部72aの間、及びファン開口部72cと排気ファン設置部72bの間を仕切る形で、円形皿部72の皿面上からそれぞれ立ち上がる壁である。従って、吸気ファンF1と排気ファンF2の間は、一対の傾斜壁74により分離される。各傾斜壁74は、その立ち上がり先端部が後側から前側に向かって下方に傾斜している。一対のファン側リブ76は、隆起部73と吸気ファン設置部72aの間、及び隆起部73と排気ファン設置部72bの間を仕切る形で、円形皿部72の皿面上からそれぞれ立ち上がる壁である。各ファン側リブ76は、その立ち上がり先端部が前方側に向かって緩やかに湾曲する形状となっている。
次に、調整板部64c、リンク部材66、及び蝶ネジ67の構成について詳しく説明する。図7に示すように、調整板部64cは、支持フレーム60に収納ケース30が支持された状態において、収納ケース30の右側面の下側略半分と平行して対向する。調整板部64cの下側に設けられた第1スリット64c1は、詳しくは、調整板部64cの前端側から後端側に向かって緩やかに下方向に略円弧状に開口する部分(以下、「第1円弧状部SL1a」という。)と、第1円弧状部SL1aの後端位置から略下方向に(重力方向に沿って)凸を形成するように開口する部分(以下、「第1凸部SL1b」という。)と、を有する(図10参照)。なお、第1円弧状部SL1a、及び第1凸部SL1bは、それぞれ図10で示す位置P1から位置P2に亘って開口する部分、及び位置P2から位置P3に亘って開口する部分に相当する。第1円弧状部SL1aと第1凸部SL1bは、略直交する形で繋がっている。第1スリット64c1には、収納ケース30の右壁部30dの外面から露出する第1ネジ軸81が第1スリット64c1内を移動可能に挿通される。そして、第1ネジ軸81の頭部に第1ワッシャW1を嵌め込むことにより、第1ネジ軸81から調整板部64cが外れないようになっている。
調整板部64cの上側に設けられた第2スリット64c2は、詳しくは、調整板部64cの前端側から後端側に向かって緩やかに上方向に略円弧上に開口する部分(以下、「第2円弧状部SL2a」という。)と、第2円弧状部SL2aの後端位置から略上方向に(重力方向に沿って)凸を形成するように開口する部分(以下、「第2凸部SL2b」という。)と、を有する(図10参照)。なお、第2円弧状部SL2a、及び第2凸部SL2bは、それぞれ図10で示す位置P6から位置P5に亘って開口する部分、及び位置P5から位置P4に亘って開口する部分に相当する。第2円弧状部SL2aと第2凸部SL2bは、略直交する形で繋がっている。第2スリット64c2には、収納ケース30の右壁部30dの外面から露出する第2ネジ軸82が第2スリット64c2内を移動可能に挿通される。収納ケース30が第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82を介して支持フレーム60に支持された状態では、第1ネジ軸81は第1スリット64c1に沿って第2ネジ軸82周りに回転可能とされる。換言すれば、支持フレーム60は、第1ネジ軸81を第2ネジ軸82周りに回転可能に支持する。
さらに、収納ケース30が第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82を介して支持フレーム60に支持された状態では、第2ネジ軸82は第2スリット64c2に沿って第1ネジ軸81周りに回転可能とされる。換言すれば、支持フレーム60は、第2ネジ軸82を第1ネジ軸81周りに回転可能に支持する。このように、第1ネジ軸81と第2ネジ軸82は、互いに独立して移動可能となっている。なお、収納ケース30が支持フレーム60に対して垂直な姿勢で支持された状態では、第1ネジ軸81は、第1スリット64c1の第1円弧状部SL1a内の前端に位置し、第2ネジ軸82は、第2スリット64c2の第2凸部SL2b内に位置する。
リンク部材66は、支点孔66cに調整板部64cの支点軸64c3が挿通されることにより、調整板部64cの板面上で支点軸64c3の軸周りに回転可能に軸支される。そして、支点軸64c3の頭部に第3ワッシャW3を嵌め込むことにより、支点軸64c3からリンク部材66が外れないようになっている(図7のE1で示す拡大図参照)。リンク部材66に設けられた円弧状スリット66bは、リンク部材66が調整板部64cの板面上に配置された状態で支点軸64c3と第1スリット64c1の間に位置し、支点軸64c3を回転軸とするリンク部材66の回転方向に沿って湾曲する形で開口している。
蝶ネジ67は、リンク部材66の円弧状スリット66b内にその外側から挿通され、調整板部64cとの間にリンク部材66を挟み込む形で調整板部64cに対してネジ止めされる。蝶ネジ67は、円弧状スリット66b内を移動できるように、ある程度緩められた状態で取り付けられている。そして、蝶ネジ67が締め付けられることにより、調整板部64cと蝶ネジ67との間でリンク部材66が挟み込まれ、調整板部64cの板面上におけるリンク部材66の回転が規制されるようになっている。
リンク部材66に設けられた縦長スリット66aは、第2スリット64c2の第2凸部SL2bに沿った形で上下方向(重力方向に沿った方向)に伸びている。リンク部材66は、第2スリット64c2の後端から上方にずれて開口する部分に重ね合わされた形で調整板部64c上に配置される。縦長スリット66aには、第2スリット64c2に挿通された第2ネジ軸82が縦長スリット66a内を移動可能な形で挿通され、これにより、リンク部材66が第2ネジ軸82に係合される。そして、第2ネジ軸82の頭部に第2ワッシャW2を嵌め込むことにより、第2ネジ軸82から調整板部64c及びリンク部材66が外れないようになっている(図7のE2で示す拡大図参照)。
次に、収納ケース30を天井材Cに設けられた略円形状の開口COの内側に設置するための設置方法について説明する。まず、収納ケース30の設置に先立って、収納ケース30内に収納される投影装置10を含む各部材を、収納ケース30内に設けられた空間S内に投影装置10を覆うように収納する。このとき、投影開口部32cから投影口20gを臨むように投影装置を空間S内に収納する。
次に、各部材が収納された収納ケース30を垂直な姿勢で支持フレーム60により支持する。このとき、第1ネジ軸81を第1スリット64c1の前端の位置P1(図10(a)参照)に挿通させるとともに、第2ネジ軸82を第2スリット64c2の第2凸部SL2b内の位置P4(図10(a)参照)に挿通させることにより、収納ケース30を支持フレーム60により支持する(収納ケース30が支持フレーム60に対して、垂直な姿勢で支持される)。これにより、支持フレーム60により、第1ネジ軸81が第2ネジ軸82周りに回転可能に支持されるとともに第2ネジ軸82が第1ネジ軸81周りに回転可能に支持される。
次に、支持フレーム60においてストッパ部材63の下端と鍔部62bとの間の距離が、設置対象となる天井材Cの開口COの開口縁の厚みと略等しくなるように、各ストッパ部材63を孔部62c1内の適切な位置にスライドさせて調整する。次に、図8(a)に示すように、設置対象となる天井材Cの開口COに対して、その下側から支持フレーム60に支持された垂直な姿勢の収納ケース30を嵌め込む形で取り付ける。なお、収納ケース30は、収納ケース30が垂直な姿勢で、支持フレーム60の環状部62の内側に収まるような大きさとされている。
天井材Cの開口COの下側から収納ケース30を嵌め込むことにより、支持フレームの各ストッパ部材63の外面が開口COの開口端(開口周り)により押圧され、内側に弾性変形する。このため、各ストッパ部材63を含む支持フレーム60を鍔部62bの上面が開口COの開口端と当接するまで嵌め込むことができる。そして、鍔部62bの上面が開口COの開口端に当接すると、各ストッパ部材63の外面が押圧力から解放されて弾性復帰し、各ストッパ部材63と鍔部62bとの間に開口COの開口端が挟み込まれた形となる(図8(b)に示す状態)。これにより、支持フレーム60に支持された収納ケース30が天井材Cの開口COの内側に設置される。
収納ケース30を天井材Cの開口COの内側に設置した後、第1ネジ軸81を第1スリット64c1に沿って第2ネジ軸82周りに回転させるように収納ケース30を動かし、収納ケース30を第1の表示角度に傾かせる(表示角度の調整方法については後述する)。更に、支持フレーム60に支持された収納ケース30を動かして、第2ネジ軸82を第2スリット64c2内で移動させることにより、収納ケース30を第1の表示角度より大きな角度で傾かせることができる。即ち、収納ケース30は、吸気側開口部32a、排気側開口部32b、及び投影開口部32cを天井材Cの開口CO側に向けることが可能な形で支持フレーム60に支持される。なお、天井材Cの開口COの内側に設置された収納ケース30の姿勢は、支持フレーム60の環状部62の内側下方から手動等により傾かせることができる。
次に、図10~図12を参照して、支持フレーム60に吸排気用ファン70を取り付ける前の投影装置10の表示角度の調整方法、及び、天井Cの開口COの内側に設置された(支持フレーム60に吸排気用ファン70を取り付けた後の)投影装置10の表示角度の調整方法、即ち、収納ケース30の投影開口部32cから投影される投影光の表示角度の調整方法について説明する。図10(a)に示す状態(支持フレーム60に吸排気用ファン70を取り付ける前)において、垂直姿勢の収納ケース30は、第1ネジ軸81が第1スリット64c1の前端の位置P1に位置し、第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2凸部SL2b内の位置P4に位置した状態とされる。この状態では、第2ネジ軸82を回転軸として(支点として)、第1ネジ軸81が第1スリット64c1内を回転可能(移動可能)となっている。
図10(a)に示す状態から、収納ケース30を前方側に傾けることにより、第1ネジ軸81が第2ネジ軸82を回転軸として第1スリット64c1内の前端の位置P1から後端の位置P2まで移動する(図10(b)に示す状態)。このとき、第2ネジ軸82が第2スリット64c2内の円弧状に開口する部分と略直交する第2凸部SL2b内の位置P4に位置することにより、第2ネジ軸82が第2凸部SL2b内の位置P4に保持されるため、第1ネジ軸81が第1スリット64c1内を移動する際、第2ネジ軸82は、第1ネジ軸81に連動して移動しない。このため、第1ネジ軸81と第2ネジ軸82のうち、第1ネジ軸81のみを移動させることができる。
第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1円弧状部SL1a内の後端の位置P2まで移動すると、収納ケース30が自重により下がり、第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1凸部SL1b内の位置P3に移動する。これに伴い、第2ネジ軸82が第2スリット64c2内の第2凸部SL2b内の位置P4から下方に移動し、円弧状に開口する部分の後端の位置P5に位置した状態となる(図10(c)に示す状態)。この状態では、第1ネジ軸81を回転軸として(支点として)、第2ネジ軸82が第2スリット64c2内を回転可能(移動可能)となっている。即ち、支持フレーム60は、第2ネジ軸82周りに第1ネジ軸81を回転させることにより、第1ネジ軸81周りに第2ネジ軸82を回転させることが可能になるよう支持している。
このように、第1ネジ軸81を第1スリット64c1の第1円弧状部SL1a内の前端の位置P1から第1凸部SL1b内の位置P3まで移動させることにより、収納ケース30を垂直な姿勢から所定の角度θ1(図11(b)参照)だけ前方側に傾けた状態とすることができる。これにより、図9(a)に示すように、垂直な姿勢から所定の角度θ1まで傾けられた投影開口部32cから投影される投影光L1を、壁材Wに向かって投影させることができる(以下、垂直な姿勢から所定の角度θ1まで傾けられた収納ケース30からの投影光の表示角度を「第1の表示角度(第1設置角度)」という。)。
図10(c)に示す状態から、収納ケース30をさらに前方側に傾けることにより、第2ネジ軸82が第1ネジ軸81を回転軸として第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内の後端の位置P5から前端の位置P6まで移動する(図10(d)に示す状態)。このとき、第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1円弧状部SL1aと略直交する第1凸部SL1b内の位置P3に位置することにより、第1ネジ軸81が第1凸部SL1b内の位置P3に保持される。このため、第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内を移動する際に第2ネジ軸82に連動して第1ネジ軸81が移動することがない。このため、第1ネジ軸81と第2ネジ軸82のうち、第2ネジ軸82のみを移動させることができる。
このように、第2ネジ軸82を第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内の後端の位置P5から前端の位置P6まで移動させることにより、収納ケース30を所定の角度θ1に傾けられた状態からさらに所定の角度θ2(図12(b)参照)だけ前方側に傾けた状態とすることができる。これにより、図9(b)に示すように、垂直な姿勢から所定の角度θ1に傾けられた表示角度に、更に所定の角度を加えて角度θ2まで傾けられた投影開口部32cから投影される投影光L2を、壁材Wに向かって投影させることができる(以下、垂直な姿勢から所定の角度θ1に傾けられた表示角度に、更に所定の角度を加えて角度θ2まで傾けられた収納ケース30からの投影光の表示角度を「第2の表示角度」という。)。つまり、第1の表示角度(θ1)<第2の表示角度(θ2)となる。
なお、第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内の後端の位置P5から前端の位置P6まで移動する際、縦長スリット66aに挿通された第2ネジ軸82の移動に伴い、リンク部材66が支点軸64c3を回転軸として調整板部64cの板面上で回転する。このとき、蝶ネジ67を締め付けてリンク部材66を調整板部64cに対して固定することにより、第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内の後端の位置P5から前端の位置P6の間で第2ネジ軸82を固定することができる。このため、第1の表示角度と第2の表示角度の間の所定の角度に収納ケース30を傾かせた状態で収納ケース30を支持することができる。即ち、第1の表示角度と第2の表示角度の間で投影装置10の表示角度を適宜調整することができる。なお、第1の表示角度は例えば45°であり、第2の表示角度は例えば60°である。
ここで、収納ケース30が垂直な姿勢とされた状態では、支持フレーム60に吸排気用ファン70を取り付けようとしても収納ケース30の下側の一部が吸排気用ファン70の一部と干渉し、吸排気用ファン70を取り付けることができない。詳しくは、図13の模式図に示すように、円形皿部72の上面から給排気用ファン70のファン側リブ76の先端部までの高さH1とし、仮に垂直な姿勢の収納ケース30に支持フレーム60を取り付けた場合の、円形皿部72の上面から収納ケース30の下側リブ部30b1の下端部までの高さH2としたとき、以下のような問題が生じる。即ち、垂直な姿勢の収納ケース30に支持フレーム60を取り付けようとすると、上記高さH1が上記高さH2よりも高いことから、収納ケース30の下側リブ部30b1が給排気用ファンのファン側リブ76と干渉する。このため、上記高さH1が上記高さH2よりも低くなるまで収納ケース30を傾けなければ、給排気用ファン70を取り付けることができない。
そこで、収納ケース30を第1の表示角度以上の角度まで傾けることにより、収納ケース30の一部が吸排気用ファン70の一部と干渉することなく、吸排気用ファン70を支持フレーム60に取り付けることができる。支持フレーム60に吸排気用ファン70が取り付けられることにより、収納ケース30の下壁部30bと支持フレーム60との間の隙間が効果的に遮蔽される。これにより、吸排気用ファン70が支持フレーム60に取り付けられた後(収納ケース30が天井材Cの開口COの内側に設置された後)では、収納ケース30から投影される投影光の投影角度は、第1の投影角度θ1から第2の投影角度θ2の間の角度で設置される。従って、投影光L1または投影光L2は、天井裏(天井材Cの開口COの内側)の空間に投影されることはなく、壁材Wの方向に向かう。これにより、収納ケース30の投影角度の調整忘れや設置ミスを防ぐことが可能になる。換言すると、吸排気用ファン70は、収納ケース30の投影角度の調整忘れや設置ミスを防ぐ設置ミス防止部材としての機能を有している。
以上説明したように実施形態に係る表示角度調整装置1では、投影装置10が収納された収納ケース30から投影光の光軸LCと略直交する方向に沿って第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82が伸びている。そして、支持フレーム60は、第2ネジ軸82周りに第1ネジ軸81を回転させることにより、第1ネジ軸81周りに第2ネジ軸82を回転させることが可能になるよう支持する。このため、収納ケース30を傾けることにより、第2ネジ軸82を回転軸として第1ネジ軸81を回転させることができるとともに、第1ネジ軸81を回転軸として第2ネジ軸を回転させることができ、収納ケース30内の投影装置10から投影される投影光の表示角度を調整することができる。このように、表示角度調整装置1では、例えば投影装置10が収納された収納ケース30を開口COの内側に設置することにより、簡単な構成で、開口COの内側に設置された投影装置10を開口COの外側に移動させることなく、投影装置10の表示角度の調整を行うことができる。
また、表示角度調整装置1では、支持フレーム60は、支持フレーム60に対して収納ケース30の設置角度が大きくなる方向に、収納ケース30を傾ける場合、第2ネジ軸82周りに第1ネジ軸81を回転させる方向と、第1ネジ軸81周りに第2ネジ軸を回転させる方向とが異なるように、収納ケース30を支持する。これにより、第2ネジ軸82周りに第1ネジ軸81を回転させて収納ケース30を傾けたときの状態から、第1ネジ81軸周りに第2ネジ82軸を回転させることにより、収納ケース30をさらに傾けることが可能な具体的な構成を提供することができる。このように、第1ネジ軸81と第2ネジ軸82の2つの軸を回転軸として収納ケース30を段階的に傾けることにより、投影装置10が開口COの内側に設置された状態であっても、より広い角度範囲で収納ケース30に収納された投影装置10の表示角度の調整を行うことができる。
また、表示角度調整装置1では、支持フレーム60は、第2ネジ軸82と係合するリンク部材66と、リンク部材66を支持フレーム60の調整板部64cに対して固定する蝶ネジ67と、を有する。このため、第1ネジ軸81を回転軸として第2ネジ軸82を回転させる際に蝶ネジ67を締め付けてリンク部材66を調整板部64cに対して固定することにより、第2ネジ軸82を固定することができ、所定の角度に収納ケース30を傾かせた状態で収納ケース30を支持することができる。即ち、収納ケース30内の投影装置10の表示角度を第2ネジ軸82の回転範囲で適宜調整することができる。
また、表示角度調整装置1では、第1ネジ軸81及び第2ネジ軸82は、収納ケース30から突出し、支持フレーム60は、第1ネジ軸81を挿通させ、第2ネジ軸82を回転中心として第1ネジ軸81を回転させる方向に沿って開口する第1スリット64c1、及び、第2ネジ軸82を挿通させ、第1ネジ軸81を回転中心として第2ネジ軸82を回転させる方向に沿って開口する第2スリット64c2を有する。これにより、第1ネジ軸81を第2ネジ軸82周りに回転可能に支持し、かつ第2ネジ軸82を第1ネジ軸81周りに回転可能に支持するための支持フレーム60の具体的な構成を提供することができる。
また、表示角度調整装置1では、第1スリット64c1は、第1ネジ軸81の回転方向に沿って円弧状に開口する第1円弧状部SL1aと、第1円弧状部SL1aの一端から第1円弧状部SL1aの開口方向と交差する方向に凸状に開口する第1凸部SL1bと、を有し、第2スリット64c2は、第2ネジ軸82の回転方向に沿って円弧状に開口する第2円弧状部SL2aと、第2円弧状部SL2aの一端から第2円弧状部SL2aの開口方向と交差する方向に凸状に開口する第2凸部SL2bと、を有し、支持フレーム60は、第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2凸部SL2bに挿通された位置P4を支点として第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1円弧状部の開口内を移動させることにより、前記収納ケース30の設置角度を調整可能に支持し、かつ、前記第1軸部材が前記第1スリットの前記第1凸部に挿通された位置を支点として前記第2軸部材が前記第2スリットの前記第2円弧状部の開口内を移動させることにより、前記収納ケース30の設置角度を調整可能に支持する。
上記の表示角度調整装置1によれば、第2ネジ軸82を回転軸として第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1円弧状部SL1a内を回転する際に第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2凸部SL2b内の位置P4に保持されるため、第1ネジ軸82のみを移動させることができる。さらに、第1ネジ軸81を回転軸として第2ネジ軸82が第2スリット64c2の第2円弧状部SL2a内を回転する際に第1ネジ軸81が第1スリット64c1の第1凸部SL1b内の位置P3に保持されるため、第2ネジ軸82のみを移動させることができる。これにより、表示角度を調整する際の作業性をより向上させることができ、表示角度の調整を容易に行うことができる。
また、表示角度調整装置1では、第1凸部SL1b及び第2凸部SL2bは重力方向に沿って開口する。この表示角度調整装置1によれば、第2ネジ軸82が第2凸部SL2b内の位置P4に保持された状態で第1ネジ軸81が第1円弧状部SL1a内の前端位置から後端位置まで移動した後、収納ケース30がその自重により下がることにより、第1ネジ軸81が第1凸部SL1b内に移動して保持される。このため、収納ケース30を傾かせることにより、容易に第1ネジ軸81を第1凸部SL1b内に保持させることができる。
また、表示角度調整装置1では、収納ケース30は、天井材Cの開口COの内側に設置され、支持フレーム60は、開口COの端縁に取り付けられる。これにより、投影装置10が収納された収納ケース10を天井材Cの開口COの内側に設置するための具体的な構成を提供することができる。
また、表示角度調整装置1では、収納ケース30は、投影開口部32cを有し、支持フレーム60は、フレーム側開口60aを有し、収納ケース30の投影開口部32cが設けられた側から収納ケース30をフレーム側開口60aの内側に挿通された状態で支持する。これにより、投影開口部32cを有する収納ケース30を、フレーム側開口60aの内側に挿通された状態で支持するための具体的な構成を提供することができる。
また、表示角度調整装置1では、支持フレーム60は、設置角度を第1の表示角度に調整した場合、投影開口部32cとフレーム側開口60aが略対向するように支持する。これにより、収納ケース30を天井材Cの開口COの内側に設置した状態で、収納ケース30を第1の表示角度に傾けて投影光を開口COの外側の空間(例えば壁材等)に表示させるための具体的な構成を提供することができる。
また、表示角度調整装置1は、給排気用ファン70を有し、給排気用ファン70は、支持フレーム60により設置角度が第1の表示角度より小さい角度で支持されている場合、フレーム側開口60aに取り付け不可能になる。これにより、表示角度調整装置1による投影が行われない場合に、即ち表示角度調整装置1が第1の表示角度より小さい角度で支持されている場合に、給排気用ファン70が誤って支持フレーム60に取り付けられることを防止することができる。
また、投影システム1は、上記の表示角度調整装置1と、投影装置10と、を有し、投影装置10は、収納ケース30の内部に収納される。これにより、本実施形態に係る表示角度調整装置を備える投影システム1を実現することができる。
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]第1軸部材及び第2軸部材、を有する収納部材と、
少なくとも前記第1軸部材及び前記第2軸部材の何れかを介して、前記収納部材の設置角度を調整可能に支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記第2軸部材を回転中心として前記収納部材の前記設置角度を第1設置角度に調整し、前記調整された状態で前記第1軸部材を回転中心として前記収納部材の前記設置角度を調整可能に支持する、
ことを特徴とする表示角度調整装置。
[2]前記支持部材は、該支持部材に対して前記収納部材の前記設置角度が大きくなる方向に、前記収納部材を傾ける場合、前記第2軸部材周りに前記第1軸部材を回転させる方向と、前記第1軸部材周りに前記第2軸部材を回転させる方向とが異なるように、前記収納部材を支持する、
ことを特徴とする前記[1]に記載の表示角度調整装置。
[3]前記支持部材は、前記第2軸部材と係合する係合部材と、前記係合部材を前記支持部材に固定する固定部材と、を有する、
ことを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の表示角度調整装置。
[4]前記第1軸部材及び前記第2軸部材は、前記収納部材から突出し、
前記支持部材は、第1軸部材を挿通させ、前記第2軸部材を回転中心として前記第1軸部材を回転させる方向に沿って開口する第1スリット、及び、前記第2軸部材を挿通させ、前記第1軸部材を回転中心として前記第2軸部材を回転させる方向に沿って開口する第2スリットを有する、
ことを特徴とする前記[1]~前記[3]の何れかに記載の表示角度調整装置。
[5]前記第1スリットは、前記第1軸部材の回転方向に沿って円弧状に開口する第1円弧状部と、該第1円弧状部の一端から該第1円弧状部の開口方向と交差する方向に凸状に開口する第1凸部と、を有し、
前記第2スリットは、前記第2軸部材の回転方向に沿って円弧状に開口する第2円弧状部と、該第2円弧状部の一端から該第2円弧状部の開口方向と交差する方向に凸状に開口する第2凸部と、を有し、
前記支持部材は、前記第2軸部材が前記第2スリットの前記第2凸部に挿通された位置を支点として前記第1軸部材が前記第1スリットの前記第1円弧状部の開口内を移動させることにより、前記収納部材の前記設置角度を調整可能に支持し、かつ、前記第1軸部材が前記第1スリットの前記第1凸部に挿通された位置を支点として前記第2軸部材が前記第2スリットの前記第2円弧状部の開口内を移動させることにより、前記第収納部材の前記設置角度を調整可能に支持する、
ことを特徴とする前記[4]に記載の表示角度調整装置。
[6]前記第1凸部及び前記第2凸部は重力方向に沿って開口する、
ことを特徴とする前記[5]に記載の表示角度調整装置。
[7]前記収納部材は、表示開口部を有し、
前記支持部材は、支持部材側開口を有し、前記収納部材の前記表示開口部が設けられた側から前記収納部材を前記支持部材側開口の内側に挿通された状態で支持する、
ことを特徴とする前記[1]~前記[6]の何れかに記載の表示角度調整装置。
[8]前記支持部材は、前記設置角度を前記第1設置角度に調整した場合、前記表示開口部と前記支持部材側開口が略対向するように支持する、
ことを特徴とする前記[7]に記載の表示角度調整装置。
[9]送風装置を有し、
前記送風装置は、前記支持部材により前記設置角度が前記第1設置角度より小さい角度で支持されている場合、前記支持部材側開口に取り付け不可能になる、
ことを特徴とする前記[7]又は前記[8]に記載の表示角度調整装置。
[10]前記[1]~前記[9]の何れかに記載の表示角度調整装置と、
投影装置と、を有し、
前記投影装置は、前記収納部材の内部に収納される、
ことを特徴とする投影システム。