JP7265375B2 - 回転杭の施工治具および回転杭の施工方法 - Google Patents

回転杭の施工治具および回転杭の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転杭の施工治具および回転杭の施工方法に関する。
従来、上下の回転杭を機械的に連結して、回転杭を回転させて掘削することにより、回転杭を土中に施工する回転杭の継手構造が知られている。
たとえば、特許文献1および特許文献2には、上下一方の回転杭の端部に外継手管を設け、上下他方の回転杭の端部に内継手管を設け、外継手管および内継手管の外周面に内外を貫通する複数の孔を形成しておき、内継手管および外継手管を貫通する連結ピンを装入して固定する技術が開示されている。このような回転杭の継手構造によれば、回転杭の施工時に、上側の回転杭に回転せん断力を作用させると、回転せん断力が連結ピンを介して下側の回転杭に伝達されるので、回転杭を回転させて掘削して、連結された複数の回転杭を土中に施工することができる。
ところで、このような回転杭の継手構造は、通常、回転杭の下部を土中に埋設した状態で、回転杭の上部を回転させる回転モータを備えた重機を用いて施工される。
この際、回転杭の上部と重機のモータの回転軸を連結するために、重機のモータの回転軸には、回転杭の上部に設けられた外継手管または内継手管に装入される筒状体を有し、筒状体の内外を貫通する複数の貫通孔が形成された回転杭の施工治具が取り付けられる。
回転杭の施工治具は、前述した筒状体からなる継手係合部と、継手係合部の上部に固定され、重機のモータの回転軸と係合する回転軸係合部とを備える。継手係合部の複数の貫通孔には、回転杭の外継手管または内継手管が挿入された状態で、貫通孔に取り付けられる連結ピンが挿入され、施工治具に作用する回転せん断力を回転杭に伝達する。回転軸係合部は、回転杭と同径の円筒状体から構成され、円筒状体の外周面には、円筒状体の径方向外側に突出する複数の係合突起が設けられている。
複数の係合突起には、重機のモータの回転軸先端に設けられた係合片が係合し、これにより、モータの回転とともに施工治具が回転する。
特開2001-11850号公報 特開2011-208373号公報
しかしながら、施工治具側の係合突起とモータの回転軸側の係合片の間には、ある程度のクリアランスがなければ、施工中にうまく係合することができない。係合突起と係合片との間のクリアランスは、モータの回転せん断力が作用したときに、施工治具を径方向に潰す方向の力を生じさせ、施工治具の係合部が変形してしまう。
このため、従来、回転軸係合部の円筒状体の長さを十分に確保して、施工治具を潰す方向の力に耐えられるものとしなければならず、回転杭の施工治具の軽量化が図れないという課題がある。
本発明の目的は、上下の回転杭を機械的に連結する継手構造の施工に際して、施工治具の軽量化を図ることのできる回転杭の施工治具、および回転杭の施工方法を提供することにある。
本発明の回転杭の施工治具は、上下の回転杭を機械式継手構造により連結する回転杭の継手構造に用いられ、前記回転杭の端部に設けられた継手部材に取り付けられる回転杭の施工治具であって、前記継手部材と係合する継手係合部と、前記回転杭と同心のリング状体から構成され、リング状体の外周に複数の係合突起が設けられ、前記回転杭を回転させる重機の回転軸の係合片と係合する回転軸係合部と、前記回転軸係合部のリング状体の内部に設けられた補強部材と、を備える。
本発明では、回転軸係合部のリング状体の内部に補強部材が設けられることにより、重機の回転軸を回転させたときに、回転軸係合部の径方向に作用する力に抗することができる。したがって、回転軸係合部の高さ方向の寸法を小さくしても、重機の回転軸の回転に伴って回転軸係合部の径方向に変形が生じることを防止でき、回転杭の施工治具の高さ方向の寸法を小さくして、軽量化を図ることができる。
本発明の回転杭の施工治具では、前記機械式継手構造は、上下の前記回転杭の一方の端部に設けられる内継手管と、他方の端部に設けられ、前記内継手管が挿入される外継手管と、前記内継手管および前記外継手管の内外を貫通して設けられる複数の連結ピンとを備えるのが好ましい。
本発明では、機械式継手構造が内継手管、外継手管、および複数の連結ピンとを備える場合に、好適に用いることができる。すなわち、回転杭の施工治具の高さ寸法を小さくすることができるため、連結ピンの取り付け、取り外しを容易に行うことができ、回転杭の施工治具の取り付け、取り外しの手間を軽減することができる。
本発明の回転杭の施工治具では、前記回転軸係合部は、前記複数の係合突起がリング状体の中心を中心として互いに対抗する位置に配置され、前記補強部材は、互いに対向する一対の係合突起の端部同士を結ぶように架設される軸状部材であるのが好ましい。
本発明では、補強部材を軸状部材とし、対向配置される一対の係合突起の端部同士を結ぶように補強部材を架設している。したがって、必要最小限の部材構成で回転軸係合部の補強を行うことができる。また、補強部材を軸状部材から構成することにより、施工治具の取り外し時、把手としても利用することができるため、施工者の手間を軽減できる。
本発明の回転杭の施工方法は、上下の回転杭を機械式継手構造により連結する回転杭の継手構造を施工する回転杭の施工方法であって、前記回転杭の端部に設けられた継手部材に、前述したいずれかの回転杭の施工治具を取り付ける工程と、前記回転杭の施工治具の回転軸係合部に、前記回転杭を回転させる重機の回転軸の係合片を係合させる工程と、前記重機の回転軸を回転させて前記回転杭を回転させ、前記回転杭を掘削させて土中に施工する工程と、前記回転杭の施工治具を人力にて取り外す工程と、を実施する。
本発明によっても、前述した作用および効果と同様の作用および効果を享受できる。
本発明の実施の形態に係る回転杭の継手構造を示す斜視図。 前記実施の形態における回転杭の継手構造を示す分解斜視図。 前記実施の形態における回転杭の継手構造を示す垂直方向断面図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を示す斜視図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を示す平面図および側面図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を回転させるための回転キャップの構造を示す斜視図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を回転させるための回転キャップの構造を示す平面図および側面図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を用いた回転杭の施工方法を示す斜視図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を用いた回転杭の施工方法を示す斜視図。 前記実施の形態における回転杭の施工治具を用いた回転杭の施工方法を示す斜視図。 本発明の第2の実施の形態に係る回転杭の施工治具を示す平面図。 本発明の第3の実施の形態に係る回転杭の施工治具を示す平面図。 本発明の第4の実施の形態に係る回転杭の施工治具を示す平面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[1]回転杭の継手構造
図1から図3には本発明の実施の形態に係る回転杭の継手構造1が示されている。図1は回転杭の継手構造1の斜視図であり、図2は回転杭の継手構造1の分解斜視図であり、図3は回転杭の継手構造1の垂直方向断面図である。
図1および図2に示すように、回転杭の継手構造1は、上下の回転杭2、3を連結する継手構造であり、内継手管4、外継手管5、および複数の連結ピン6を備える。
内継手管4は、上側の回転杭2の下端面に溶接等により接合される円筒鋼管である。内継手管4の下部(接合部側)側面には、円筒の内外を貫通する複数の貫通孔4Aが形成され、本実施の形態では、円筒の外周周りに同じピッチ(たとえば、回転杭2、3の中心周りに45度のピッチ)で8箇所形成されている。また、図1および図2では図示を略したが、内継手管4の各貫通孔4Aの内周側は、固定プレート7によって塞がれている(図3参照)。
固定プレート7は、内継手管4の内周面に応じて湾曲した矩形の鋼製板状体であり、板状体の4周が溶接等により内継手管4に接合されている。また、固定プレート7の矩形の中心には、雌ねじ孔7Aが形成されている。
内継手管4の基端には、鋼製リング4Bが接合されている。鋼製リング4Bは、外径寸法が回転杭2、3の外径寸法と同じとされ、内径寸法が内継手管4の内径寸法よりも小さくなっている。内継手管4は、鋼製リング4Bの部分で上側の回転杭2の下端面に溶接等により接合される。
外継手管5は、下側の回転杭3の上端面に溶接等により接合される円筒鋼管である。外継手管5の上部(接合部側)側面には、円筒の内外を貫通する複数の貫通孔5Aが形成されている。貫通孔5Aは、内継手管4の貫通孔4Aと同じ径とされ、内継手管4と同様に円筒の外周周りに同じピッチで8箇所形成されている。
外継手管5の外形寸法は回転杭2、3の外径寸法と同じであり、その内径寸法は回転杭2、3よりも小さくなっていて、内継手管4の外径寸法と略同じ径寸法となっている。つまり、外継手管5の肉厚は、回転杭2、3の肉厚よりも大きくなっていて、外継手管5に内継手管4を挿入することにより、回転杭2および回転杭3は連結される。
連結ピン6は、円柱状の鋼製中実体から構成され、連結ピン6の円柱の外径寸法は、内継手管4の貫通孔4A、外継手管5の貫通孔5Aの孔径寸法と略同じ寸法とされ、貫通孔4A、5Aに挿入できるようなクリアランスを有している。
連結ピン6の円筒の軸方向に沿った長さ寸法(挿入方向寸法)は、内継手管4の肉厚と外継手管5の肉厚を加えた寸法と略同じである。
また、連結ピン6には、円筒軸に沿って孔6Aが形成され、この孔6Aには固定ねじ8(図3参照)が挿入される。
回転杭の継手構造1による回転杭2、回転杭3の接合は、図3を参照して説明すると、まず、外継手管5に内継手管4を挿入し、内継手管4を回転させて内継手管4の貫通孔4Aと、外継手管5の貫通孔5Aとを重ね合わせる。
次に、重なり合わせた貫通孔4A、5Aに、連結ピン6を挿入し、この状態で、連結ピン6の孔6Aに固定ねじ8を挿入し、固定プレート7の雌ねじ孔7Aに固定ねじ8を螺合して、連結ピン6を固定する。
[2]回転杭の施工治具10
図4および図5には、本実施の形態に係る回転杭の継手構造1に用いられる回転杭の施工治具10が示されている。図4は回転杭の施工治具10の斜視図であり、図5(A)、(B)は回転杭の施工治具10の平面図および側面図である。
施工治具10は、継手係合部11、回転軸係合部12、および補強部材14を備える。
継手係合部11は、前述した回転杭2の施工時、重機20(図10参照)によって揚重される回転杭2の継手部材となる外継手管5と、施工治具10とを係合する部分である。
継手係合部11は、円筒鋼管から構成され、その外径寸法は前述した内継手管4の外径寸法と同じである。継手係合部11の下部外周には、円筒鋼管の内外を貫通する貫通孔11Aが複数形成され、本実施の形態では、内継手管4と同様に、円筒鋼管の軸周りに同じピッチで8箇所形成されている。各貫通孔11Aの径は、内継手管4の貫通孔4Aと同じである。
継手係合部11の上端面には、回転軸係合部12が溶接等により接合固定される。
回転軸係合部12は、回転杭2、3を回転させる重機20の回転軸21(図10参照)の係合片と係合する部分である。回転軸係合部12は、継手係合部11の円筒中心と同心の鋼製のリング状体から構成される。リング状体の内径寸法は、溶接面積を確保するために、継手係合部11の内径寸法よりも小さくなっている。リング状体の外径寸法は、重機20の回転軸21の係合片が外継手管5と干渉しないように、外継手管5の外径寸法よりも大きくなっている。また、回転軸係合部12の高さ寸法は、重機20のオーガーモータの回転せん断力に耐えられるだけの高さ寸法とされ、たとえば、20mm~30mmの高さ寸法とされる。
回転軸係合部12の外周には、複数の係合突起13が設けられている。本実施の形態では、係合突起13は、リング状体の径方向中心を中心として互いに対向する位置に、2箇所設けられている。なお、本実施の形態では、係合突起13は2箇所に設けられているが、駆動側のオーガーモータの回転軸の先端に設けられた係合片の数や、回転杭2、3の径に応じて、適宜の数に設定してもよい。
係合突起13は、回転軸係合部12のリング外周面に沿って湾曲した厚肉の鋼製板状体から構成され、回転軸係合部12の外周面に溶接等により接合される。係合突起13の厚さ寸法は、たとえば20mm~30mmとされ、高さ寸法は70mm~90mmとされる。
係合突起13には、回転杭2、3の施工用の重機20のオーガーモータの回転軸21の先端に設けられた係合片が係合し、オーガーモータを駆動させることにより、施工治具10を介して回転せん断力が回転杭2、3に作用する。
回転軸係合部12のリング状体の内部には、2本の補強部材14が平行に設けられている。それぞれの補強部材14は、鋼製の棒状体から構成され、本実施の形態では、互いに対向配置された一対の係合突起13の端部同士を結ぶように架設されている。なお、補強部材は、その架設位置が回転軸係合部12の径方向の変形力に抗する位置に設けることができればよく、本実施の形態の場合に限られない。たとえば、補強部材は、回転軸係合部12のリング状体の内部にトラスを構成する位置に鋼製棒状体を配置してもよく、さらには、鋼製の棒状体ではなく、鋼製板状体を補強部材として回転軸係合部12のリング状体内部に接合固定しもよい。
[3]回転キャップ22の構造
図6および図7には、重機20の回転軸21の先端に設けられる回転キャップ22が示されている。回転キャップ22は、回転軸21の軸と同軸の円筒状体から構成され、先端が開口され、側面には対向する位置に内外を貫通する開口が形成されている。
回転キャップ22の開口の底部には、突出部22Aが形成され、突出部22Aの内側には第1凹部22Bが形成されている。
突出部22Aの両側には、隣接して2つの第2凹部22Cが形成されている。第2凹部22Cは、回転キャップ22の側面に形成された開口縁に沿って形成される側壁221、上壁222および下壁223を備える。つまり、第2凹部22Cは、施工治具10の係合突起13と係合する本発明の係合片として機能する。
具体的には、第2凹部22Cの側壁221は、係合突起13に当接し、回転キャップ22の時計回りの回転力を係合突起13に伝達して、施工治具10を時計回りに回転させる。
また、第2凹部22Cの上壁222は、係合突起13の上面と当接して回転キャップ22の押し下げ方向の押し下げ力を係合突起13に伝達して、施工治具10を下方に押し下げる。
さらに、第2凹部22Cの下壁223は、係合突起13の下面と当接し、回転キャップ22の引き抜き方向の引き抜き力を係合突起13に伝達して、施工治具10を上方に引き抜く。
このような突出部22Aおよび第2凹部22Cは、回転キャップ22に形成された互いに対向する開口のそれぞれに形成されている。
[4]回転杭2、3の施工方法
次に、前述した施工治具10を用いて回転杭2、3を施工する工程を、図8から図10を参照して説明する。
まず、図8に示すように、施工現場で横に寝かせた回転杭3の外継手管5に施工治具10を装着する。装着は、外継手管5に施工治具10の継手係合部11を挿入した後、施工治具10を回転させて、図示を略した貫通孔5Aおよび貫通孔11Aを重ね合わせ、連結ピン6を貫通孔5A、11Aに挿入して、固定ねじ8により螺合固定する。
次に、施工治具10に図6、図7に示す回転キャップ22を装着する。具体的には、施工治具10の係合突起13を突出部22Aの第1凹部22Bに挿入する。係合突起13を回転キャップ22の上壁222に当接させた状態で、図7(A)に示すように、施工治具10を反時計回りに回転させ、係合突起13を第2凹部22C内に配置する。
図9に示すように、施工治具10の係合突起13と回転キャップ22の第2凹部22Cが係合した状態で、重機20により回転杭3を吊り上げ、杭打ち箇所に配置した後、回転軸21を時計回りに回転させながら押込力を作用させる。
回転軸21の回転トルクは、回転キャップ22の側壁221によって係合突起13に伝達され、回転軸21の押込力は、回転キャップ22の上壁222によって係合突起13に伝達され、回転杭3の掘削が行われる。
回転杭3が所望の深さまで掘削施工されたら、図10に示すように、回転キャップ22を取り外し、施工治具10を露出させる。
固定ねじ8の螺合を解除し、連結ピン6を取り外した後、補強部材14を把手として利用して人力により施工治具10を回転杭3の外継手管5から取り外す。
施工治具10が取り外されたら、その上部に施工される回転杭2(図1参照)に前述と同様の手順で施工治具10を装着する。続けて施工治具10に回転キャップ22を装着し、回転杭2を吊り上げ、既に土中に施工された回転杭3の上端に設けられた外継手管5に、回転杭2の内継手管4を挿入して、回転杭2および回転杭3を連結する。
回転杭の継手構造1による連結が終了したら、重機20のオーガーモータを回転駆動させ、押込力を作用させながら、回転杭2、3を土中に掘削施工する。
以後、同様の工程を繰り返して、新たな回転杭2を土中に埋設された回転杭2に連結しながら、所定の深さまで回転杭2を掘削施工していく。
[5]実施の形態の作用および効果
前述した実施の形態によれば、以下のような効果がある。
回転軸係合部12のリング状体の内部に補強部材14が設けられることにより、重機20の回転軸21を回転させたときに、回転軸係合部12の径方向に作用する力に抗することができる。したがって、回転軸係合部12の高さ方向の寸法を小さくしても、回転軸21の回転に伴って回転軸係合部12の径方向に変形が生じることを防止でき、施工治具10の高さ方向の寸法を小さくして、軽量化を図ることができる。
回転杭2、3の継手構造1が内継手管4、外継手管5、および複数の連結ピン6とを備える場合に、施工治具10を用いている。したがって、施工治具10の高さ寸法を小さくすることができるため、連結ピン6の取り付け、取り外しを容易に行うことができ、施工治具10の取り付け、取り外しの手間を軽減することができる。
補強部材14を軸状部材とし、対向配置される一対の係合突起13の端部同士を結ぶように2本の補強部材を架設している。したがって、必要最小限の部材構成で回転軸係合部12の補強を行うことができる。また、補強部材14を軸状部材から構成することにより、施工時、把手としても利用することができるため、施工治具10の取り外しの手間を軽減できる。
従来の円筒状体の長い施工治具では、重量が150kgあり、施工治具の取り外しに際しても、重機20による揚重でしか施工治具を持ち上げることができなかった。これに対して、本実施の形態の施工治具10によれば、その重量を40kgと十分に軽量化することができ、人力による施工治具10の取り付け、取り外しが可能となった。
[6]第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前述の第1の実施の形態に係る施工治具10では、補強部材14は、対向配置される一対の係合突起13の端部同士を結ぶように架設されていた。
これに対して、本実施の形態に係る施工治具30は、図11に示すように、補強部材31が係合突起13の端部以外の位置で互いに平行に設けられている点が相違する。本実施の形態では、一対の補強部材31は、係合突起13間を結ぶ線に対して90度回転した位置に設けられている。一対の補強部材31は90度回転した位置に設けるだけでなく、係合突起13を結ぶ線に対してなす角度は任意に設けてよい。
施工治具30に作用する回転せん断力は、リング状の回転軸係合部12の全体に作用するので、補強部材31によっても回転せん断力に対する変形に抗することができる。
したがって、このような本実施の形態によっても前述と同様の作用および効果を享受できる。
[7]第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
前述の第1の実施の形態では、施工治具10の補強部材14は、回転軸係合部12のリングの内側に2本架設されていた。
これに対して本実施の形態に係る回転杭の施工治具40は、図12に示すように、回転軸係合部12のリングの内側に4本の補強部材41が矩形状に組み合わされて内接している点が相違する。
補強部材41は、互いに対向配置される一対の係合突起13の中央部を一対の頂点とし、これらの頂点に直交するリング状体の内側側面を一対の頂点とする矩形状に組み合わされて回転軸係合部12のリング状体の内部に溶接等によって接合される。
それぞれの補強部材41は、各頂点で隣り合う補強部材41と接合される。なお、接合は、ピン接合であってもよく剛接合であってもよいが、補強効果の向上という観点からは剛接合の方が好ましい。
このような本実施の形態によっても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を享受できる。また、補強部材41を矩形状に組み合わせることにより、回転軸係合部12のリングの変形に対する抗力が向上するため、補強部材41を鋼管等の中空部材で構成して、さらなる軽量化を図ることも可能である。
[8]第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
前述の第1の実施の形態では、補強部材14は、回転軸係合部12のリング状体の内部に架設される鋼製の棒状体であった。
これに対して、本実施の形態の回転杭の施工治具50は、図13に示すように、補強部材51は、回転軸係合部12のリング状体の上面全体を覆う鋼製の円板状体から構成されている点が相違する。
補強部材51は、外周端部が回転軸係合部12の上面と溶接等により接合されている。
補強部材51の上面には、側面視C字状の把手52が溶接により接合され、作業者は、把手52を用いることにより、施工治具50を持ち上げたり、移動させることができる。なお、把手52の位置は、補強部材51が板状体から構成されているため、任意の位置に設けることが可能である。
このような本実施の形態によっても、前述した第1の実施の形態と同様の作用および効果を享受できる。
[9]実施の形態の変形
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形を含む。
前述した実施の形態では、回転杭の継手構造1が内継手管4、外継手管5、および連結ピン6を備えた構造に本発明に係る回転杭の施工治具10を用いていたが、本発明はこれに限られず、他の機械式継手構造であっても本発明の施工治具10を用いることができる。この場合、継手係合部としては、回転杭2、3の下側の継手部材と同様の構造を有するものを採用するのが好ましい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
1…継手構造、2…回転杭、3…回転杭、4…内継手管、4A…貫通孔、4B…鋼製リング、5…外継手管、5A…貫通孔、6…連結ピン、6A…孔、7…固定プレート、7A…雌ねじ孔、8…固定ねじ、10…施工治具、11…継手係合部、11A…貫通孔、12…回転軸係合部、13…係合突起、14…補強部材、20…重機、21…回転軸、22…回転キャップ、22A…突出部、22B…第1凹部、22C…第2凹部(係合片)、30…施工治具、31…補強部材、40…施工治具、41…補強部材、50…施工治具、51…補強部材、52…把手、221…側壁、222…上壁、223…下壁。

Claims (2)

  1. 上下の回転杭を機械式継手構造により連結する回転杭の継手構造に用いられ、前記回転杭の端部に設けられた継手部材に取り付けられる回転杭の施工治具であって、
    前記継手部材と係合する継手係合部と、
    前記回転杭と同心のリング状体から構成され、リング状体の外周に複数の係合突起が設けられ、前記回転杭を回転させる重機の回転軸の係合片と係合する回転軸係合部と、
    前記回転軸係合部のリング状体の内部に設けられた補強部材と、を備え
    前記回転軸係合部は、前記複数の係合突起がリング状体の中心を中心として互いに対向する位置に配置され、
    前記補強部材は、互いに対向する一対の係合突起の端部同士を結ぶように架設される2本の把手として機能する軸状部材である回転杭の施工治具。
  2. 上下の回転杭を機械式継手構造により連結する回転杭の継手構造を施工する回転杭の施工方法であって、
    前記回転杭の端部に設けられた継手部材に、請求項1に記載の回転杭の施工治具を取り付ける工程と、
    前記回転杭の施工治具の回転軸係合部に、前記回転杭を回転させる重機の回転軸の係合片を係合させる工程と、
    前記重機の回転軸を回転させて前記回転杭を回転させ、前記回転杭を掘削させる工程と、
    前記回転杭の施工治具を人力にて取り外す工程と、を実施する回転杭の施工方法。
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