JP7263151B2 - 経口組成物 - Google Patents
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Description
項1.(A)トラネキサム酸、(B)アセトアミノフェン、(C)アスパルテーム、及び(D)スクラロースを含有する、経口組成物。
項2.(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、(C)成分を0.1~3.5質量部、及び(D)成分を0.25~5質量部の割合で含有する、項1に記載する経口組成物。
項3.(A)トラネキサム酸及び(B)アセトアミノフェンの併用物に、(C)アスパルテーム及び(D)スクラロースを配合する、前記併用物の不快味改善方法。
本発明の経口組成物は、(A)トラネキサム酸、及び(B)アセトアミノフェンに加えて、(C)アスパルテーム、及び(D)スクラロースを含有することを特徴とする。以下、各成分とその含有量などについて説明する。
トラネキサム酸は、タンパク質を構成する成分である必須アミノ酸リシンを元に人工合成されたアミノ酸の一種であり、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を有する化合物である。このため、抗炎作用(消炎作用)を有し、扁桃炎、咽喉頭炎及び口内炎などの炎症を抑える抗炎症剤の有効成分として使用される。また、その抗アレルギー作用に基づいて抗アレルギー剤の有効成分として、また止血作用に基づいて止血剤の有効成分としても使用されている。
アセトアミノフェンは、主として中枢に作用して鎮痛・解熱作用を発揮するアニリン誘導体である。比較的安全性の高い薬物であり、従来より、(1)頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、癌による疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形壊死関節症の鎮痛;(2)急性上気道炎の解熱・鎮痛;(3)小児科領域の解熱・鎮痛等に広く適用されている。
アスパルテーム(N-(L-α-Aspartyl)-L-phenylalanine, 1-methyl ester)は、フェニルアラニンのメチルエステルと、アスパラギン酸とがペプチド結合した構造を持つジペプチドのメチルエステル(L-フェニルアラニン化合物)である。アミノ酸由来の高甘味度甘味料であり、ショ糖の約200倍の甘味を有することが知られている。当該高甘味度甘味料は、例えば味の素株式会社などから商業的に入手可能である。
スクラロース(1,6-Dichloro-1,6-dideoxy-β-D-fructofuranosyl-4-chloro-4-deoxy-α-D-galactopyranoside)は、ショ糖と構造類似の高甘味度甘味料であり、ショ糖の約600倍の甘味を有することが知られている。当該高甘味度甘味料は、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社などから商業的に入手可能である。
本発明の経口組成物は、前記の成分を含む組成物を、経口的に服用する形態に製剤化して調製することができるが、その際に、当業界の技術常識に従って、上記成分に加えて、定法に従って、任意の薬効成分、及び製剤化に必要な担体や添加剤を配合することができる。
本発明の経口組成物は、経口的に投与・服用する形態(内服製剤)に成形することができる。内服製剤としては、錠剤、粉末剤(散剤)、及び顆粒剤を挙げることができる。好ましくは、フィルムコーティングや糖衣などによってマスキングすることが容易でない内服固形剤であり、例えば、口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠、チュアブル錠、トローチ錠、ドロップ剤、散剤、顆粒剤を挙げることできる。錠剤、散剤及び顆粒剤は、水とともに服用するものであってもよいし、水なしでそのまま服用するものでもよく、さらに水や温湯に溶解または分散させて服用するタイプのもの(例えば、ドライシロップ剤)であってもよい。さらに、薬物の味のマスキングが困難とされる内服液として調製することもできる。
本発明は、(A)トラネキサム酸及び(B)アセトアミノフェンを併用することによって生じる不快味の改善方法に関する。当該方法は、前記(A)及び(B)成分の併用物に、(C)アスパルテーム及び(D)スクラロースを配合することで実施することができる。本発明の方法で使用する(A)トラネキサム酸、(B)アセトアミノフェン、(C)アスパルテーム及び(D)スクラロースは、その配合量や配合割合とともに、いずれも(I)で説明した通りであり、その記載はこの欄においても援用することができる。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
トラネキサム酸:旭化成ファインケム株式会社製
アセトアミノフェン:八代製薬株式会社製
アスパルテーム(甘味度200):味の素株式会社製
スクラロース(甘味度600):三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
アセスルファムカリウム(甘味度200):昭和化工株式会社製
キシリトール(甘味度0.65):東和化成工業株式会社製
ステビア抽出物(甘味度150):商品名「SG95」物産フードサイエンス株式会社製
サッカリンナトリウム(甘味度500):大和化成株式会社製
表1に記載する成分を用いて、トラネキサム酸とアセトアミノフェンを含有する顆粒剤形態を有する経口組成物を調製し、その味を評価した。味の評価は、呈味について訓練した専門のパネル2名で行った。なお、これらのパネルは、予めトラネキサム酸とアセトアミノフェンを含有する顆粒剤の味を確認したうえで、パネル間で評価の基準を確認し、各自が有する内的基準を共通化(統一)した後に、評価を実施した。
表1に記載する成分を用いて、含水エタノールを用いて造粒して顆粒剤を調製した。具体的には、高速撹拌造粒機(VG-05:パウレック社製)に造粒成分を投入し、3分間混合後、さらに含水エタノールを添加し、5分間撹拌造粒を行った。これを、流動層造粒乾燥機(MP-01:パウレック社製)にて乾燥し、目開き710μmのふるいで篩過後、篩上物のみ整粒機(コーミル:パウレック社製)で整粒し、篩過物と合わせ良く混合することで顆粒剤を得た。
調製した顆粒剤1.5gを、パネル2名に、水なしで口に含んでもらい、下記の基準に従って、口腔内で感じる苦味、及び味のバランス(呈味バランス)の服用感を評価してもらった。
スコア5:苦味をほとんど感じない
スコア4:苦味をあまり感じない
スコア3:苦味をやや感じる
スコア2:苦味を感じる
スコア1:苦味を強く感じる
スコア5:非常に良好
スコア4:良好
スコア3:やや良好
スコア2:不良
スコア1:非常に不良
◎:スコア平均が4以上
○:スコア平均が3以上
△:スコア平均が4以上
×:スコア平均が2未満
表2及び表3に記載する処方からなる顆粒剤1~6を、前記実験例1と同様に、湿式造粒法により製造した。なお、表に記載する量(mg)は、顆粒剤の1日服用量である。これらの顆粒剤はいずれもトラネキサム酸とアセトアミノフェンの苦味が低減されているだけでなく、両成分を併用することによって生じる不快味も有意に抑制されて呈味バランスがよく、服用感が良好であることが確認された。
Claims (3)
- (A)トラネキサム酸、(B)アセトアミノフェン、(C)アスパルテーム、及び(D)スクラロースを含有する、経口組成物。
- (A)及び(B)成分の総量100質量部に対して、(C)成分を0.1~3.5質量部、及び(D)成分を0.25~5質量部の割合で含有する、請求項1に記載する経口組成物。
- (A)トラネキサム酸及び(B)アセトアミノフェンの併用物に、(C)アスパルテーム及び(D)スクラロースを配合する、前記併用物の不快味改善方法。
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