JP7257180B2 - 電気化学セル - Google Patents
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Description
このように、金属製の正極ケース及び負極ケースで外装体が画成され、外装体の収容部に電極体が非水電解質とともに内包されている。
特許文献2に記載の電気化学セルは、電極体と、第1部材および第2部材を重ね合わせて形成される外装体とを備えている。この外装体に、前記電極体を収容する収容部と、該収容部の外周において、前記第1部材および第2部材が融着された状態で前記収容部の外周に沿って折り曲げられた封止部を有している。また、第1部材と第2部材について金属と樹脂のラミネート構造を採用するか、一方を金属と樹脂のラミネート構造とし、他方を金属板から構成している。
また、この種のボタン形電気化学セルにおいては、内部に設けた電極体から引き出した導体を正極電極板または負極電極板に接続し、正極側または負極側の電極端子を構成している。
図10は上述の電気化学セルに設けられている外装体と、その内部に収容されている電極体の概形、並びに正極側および負極側の電極板の配置関係を示す。
図10に示すように、外装体100は下部側の第1容器101と上部側の第2容器102からなり、第1容器101の中央部に第1貫通孔103が形成され、第2容器102の中央部に第2貫通孔104が形成されている。第1容器101と第2容器102は周壁部どうしを溶着して一体化され、外装体100が構成されている。
負極電極板106と第1容器101の間に第1絶縁リング109が配置され、正極電極板107と第2容器102の間に第2絶縁リング110が配置されている。
この加圧処理により、電気化学セルの内部に収容した各部材の位置を整え、電極体105の膨らみなどを修正してセル全体の厚み是正を行うことができる。
しかし、外装体100に形成した貫通孔103、104の部分は絶縁リング109、110と電極板106、107で閉じた構造である。このため、絶縁リング109、110を外装体100の内面側に溶着などの手段で密着する必要があり、電極板106、107を絶縁リング109、110に個々に密着する必要がある。
この電解液漏れを生じた電気化学セルについて、検査したところ、主に、絶縁リング109と電極板106との界面部分、絶縁リング110と電極板107との界面部分から液漏れを生じ易いことを知見した。
シーラントリングと電極板を重ねた領域の面積をシーラントリング全体面積の35%以上としておくならば、シーラントリングと電極板の密着可能な面積を充分に確保することができ、シーラントリングと電極板の界面を介する電解液漏れを防止でき、水分の浸透を防止できる。
シーラントリングと電極板を重ねた領域の面積をシーラントリング全体面積の81%以下とすることが好ましい。電極板を大きくしすぎると、電極板の外周縁と外装体内面との距離が近接し、電極板外周縁にバリなどを生じていた場合にこのバリが外装体を損傷させるおそれがある。また、外装体として金属層と樹脂層のラミネート構造を採用している場合、前述のバリにより短絡を生じるおそれがあり、これを防止するためにも前述の如く面積比81%以下が好ましい。
また、電極体の形状を整えることを目的として外装体の外側から加圧力を印加した場合であっても、液漏れの生じ難い電気化学セルを提供できる。
シーラントリングと電極板を重ねた領域の面積をシーラントリング全体面積の81%以下にすることができる。電極板を大きくしすぎると、電極板の外周縁と外装体内面との距離が近接し、電極板外周縁にバリなどを生じていた場合にこのバリが外装体を損傷させるおそれがある。外装体として金属層と樹脂層のラミネート構造を採用している場合、前述のバリにより短絡を生じるおそれがある。このため、前記面積を81%以下とすることにより、外装体の損傷防止に寄与し、短絡のおそれを無くすることができる。
なお、以下の説明では、円盤状に形成されたボタン形、コイン形またはシリンダ形の電気化学セルとして、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
また、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更し表示しているため、各部材の相対的な大きさが図面に示す形態に限らないのは勿論である。
図1は第1実施形態に係る電池の斜視図、図2は第1実施形態に係る電池の部分断面斜視図、図3は同電池の分解斜視図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の電池(電気化学セル)1は、いわゆるボタン形の電池である。電池1は、電極体2と、電極体2に含浸される電解液(電解質溶液:図示せず)と、電極体2を収容した外装体10とを備えている。
また、外装体10は、有底筒状の第1容器17と、有底筒状の第2容器18とを備えている。第1容器17および第2容器18は、それぞれの中心軸が同軸となるように配置されている。以下、第1容器17および第2容器18の中心軸を図2に示すように中心軸Oと呼称し、中心軸Oに沿う方向を軸方向と呼称し、中心軸Oに直交する方向を径方向と呼称する。なお、中心軸Oは収容部12の中心軸となる。
融着層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて形成される。ポリオレフィンとして以下の材質を適宜選択できる。ポリオレフィンとしては、高圧法低密度ポリエチレンや低圧法高密度ポリエチレン、インフレーションポリプロピレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、直鎖状短鎖分岐ポリエチレンなどの材質を使用できる。保護層は、上述のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどを用いて形成される。融着層および保護層は、それぞれ金属シートとの間に接合層を介して、熱融着または接着剤により接合される。
第1底壁部21の内面側には、第1シーラントリング(絶縁フィルム)24を介して円板状のステンレス鋼板などの鋼板からなる負極電極板25が熱融着されている。第1シーラントリング24は、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂層により、不織布などからなる中間層の表裏両面を挟んで構成されている。第1シーラントリング24は、3層構造の絶縁フィルムをリング状に加工したものである。
第2底壁部31には、中央に丸孔型の第2貫通孔35が形成されている。第2貫通孔35は、その中心軸を中心軸Oと同軸にするように配置されている。
第2底壁部31の内面には、第2シーラントリング(絶縁フィルム)37を介してステンレス鋼板などの鋼板からなる円板状の正極電極板38が熱融着されている。第2シーラントリング37は、第1シーラントリング24と同様に、2層の熱可塑性樹脂層と中間層による3層構造とされている。
正極電極板38の内面は、電極体2の正極電極4に接続されている。正極電極板38の外面は、中央にNiあるいはNi合金からなる円板状の正極電極端子39が抵抗溶接部またはレーザー溶接部を介し溶接されている。正極電極端子39は、第2貫通孔35を貫通して外部に露出され、電池1の正極端子として機能する。
正極電極端子39はNi板あるいはNiにCrやMo、Coなどを添加したNi合金板、あるいは、ステンレス鋼板、Fe板、もしくは、CuまたはCu合金板からなることが好ましい。また、接触抵抗の低減のために、上述のようなNi板や各種Ni合金板にAuメッキを施すことが好ましく、ステンレス鋼板、Fe板、あるいはCu板、Cu合金板にNiメッキを施して用いることもできる。
図3に示すように正極電極4の上端部には、AlまたはAl合金からなる帯状の引出電極4aが設けられ、この引出電極4aが正極電極板38の内面(図3では下面)に溶接部を介し電気的かつ機械的に接合されている。
本実施形態において用いるAl合金について特に制限は無く、JIS規定1000~7000に規定される各種のAl合金を適宜用いることができ、その他、電池用集電体に適用できるAl合金のいずれを用いても良い。
正極電極端子39は、外部端子の接触を受けるので、2箇所以上の抵抗溶接部あるいはレーザー溶接部によって確実に接合されていることが好ましい。
電極端子26、39を設けることにより、封止部15から外部に端子部を突出させる必要がない。よって、電池1を小形にできる。
第2周壁部32は、第1周壁部22の内側で、かつ、折曲部33の内側に配置されている。また、折曲部33は、第1周壁部22の内側に配置されている。折曲部33の融着層と第1周壁部22の融着層とが熱融着されている。
折曲部33の融着層と第1周壁部22の融着層とを熱融着する手段として、例えばヒータやレーザーなどの熱源を用いる熱融着が挙げられる。また、折曲部33の融着層と第1周壁部22の融着層とは、熱融着の他に、例えば超音波溶接を用いる接合などが適用可能である。
封止部15は、収容部12の外側に円筒状に形成され、かつ、収容部12の外周12aに沿って折り曲げられている。収容部12の外周12aは、第2周壁部32で形成される。封止部15は、平面視において、円形に形成されている。
また、第1容器17および第2容器18の融着層が薄肉に形成されることにより、第1容器17および第2容器18の金属シート間の隙間が小さく抑えられる。これにより、封止部15から外装体10の内部に水が浸入することを一層良好に抑えることができる。
また、第1シーラントリング24、負極電極板25、負極電極端子26、電極体2、正極電極板38、第2シーラントリング37、正極電極端子39のそれぞれの中心部はいずれも中心軸Oに軸心を一致させるように位置合わせされて積層されている。
負極電極板25はその外周部を第1シーラントリング24の外周部近傍まで延在させる大きさに形成され、正極電極板38はその外周部を第2シーラントリング37の外周近傍まで延在させる大きさに形成されている。
また、電極体2は平面視円形状であり、その外径が第1シーラントリング24あるいは第2シーラントリング37の外径と同等に形成されている。
本実施形態において、負極電極板25の直径は、第1貫通孔23の内径に対し、1.5倍以上であることが好ましく、正極電極板38の直径は、第2貫通孔35の内径に対し、1.5倍以上であることが好ましい。例えば、第2貫通孔35の内径を5mmとした場合、正極電極板38の直径を7.5mm以上とすることができる。この場合の第2底壁部31とシーラントリング37と電極版38の相対関係の一例を図9に示しておく。
シーラントリング24と電極板25を重ねた場合の重なり領域の面積をシーラントリング24の全体面積に対する比率で35%以上81%以下とすることが好ましい。
シーラントリング37と電極板38を重ねた場合の重なり領域の面積をシーラントリング37の全体面積に対する比率で35%以上81%以下とすることが好ましい。
上述の範囲内であっても面積比率は、50~81%の範囲がより好ましい。
上述のように、シーラントリング24と電極板25を重ねた場合の重なり領域の面積をシーラントリング24の全体面積の35%以上とすることにより、充分な溶着面積を確保し、電気化学セル1としての電解液漏れや水分の浸透を防止できる。
上述のように、シーラントリング37と電極板38を重ねた場合の重なり領域の面積をシーラントリング37の全体面積の35%以上とすることにより、充分な溶着面積を確保し、電気化学セル1としての電解液漏れや水分の浸透を防止できる。
また、シーラントリング37と電極板38を重ねた場合の重なり領域の面積をシーラントリング37の全体面積の81%を超える面積にすると、設計上、シーラントリング37の外周から電極板38がはみ出る場合がある。この場合、電極板38が第2容器18の第2底壁部31と接触し、保護層を傷つけてしまうおそれがある。
なお、図6においては、第2底壁部31がその外側面を構成する樹脂製の保護層31aとAlまたはAl合金からなる金属層31bと内側面を構成する融着層31cの3層構造であることを示している。また、シーラントリング37がその内側面と外側面を構成する樹脂製の被覆層37aとそれらに挟まれた内部側の不織布などの中間層37bからなることを示している。
また、正極電極板38の外径が第2貫通孔35の内径より小さいか同等程度の場合、電極体2の膨らみ等を是正する加圧処理を行った場合、シーラントリング37と電極板38の溶着部分に大きな剥離力が作用するので、溶着部分の剥離が生じ易くなる。
勿論、図6の構造でも、溶着の際、電極板38にシーラントリング37と第2底壁部31を押し付けながら溶着するので、図6に示す状態では第2底壁部31と正極電極板38の外周部とのオーバーラップ部分の幅が不足し、溶着部分に剥離などを生じると、シーラントリング37と第2底壁部31との界面を介し電解液の漏洩を生じるおそれもある。
また、図7に示す構造よりも溶着部分の幅を確保して溶着部分の液密性を向上させるために、正極電極板38の直径を第2貫通孔35の内径に対し、1.5倍以上とすることが好ましい。図9は、正極電極板38の直径を第2貫通孔35の内径に対し、1.5倍とした構造の一例を示す。図9において正極電極板38の直径を第2貫通孔35の内径に対し3.1倍とした場合の概形を2点鎖線で示した。
図8と図9に示す電極板38とシーラントリング37と第2底壁部31の貫通孔35との関係は、負極側でも同等な関係とすることが好ましく、電極板25とシーラントリング24と第1底壁部21と貫通孔23も同様の関係とすることが好ましい。
逆に、面積比(電極体2を平面視した場合の面積に対する電極板の面積比)が100%を超えると、負極電極板25の外周および正極電極板38の外周が外装体10の内面に接近し過ぎるため、これらの電極周縁部にバリなどを生じていた場合に外装体10の内面に電極板25、38の周縁部が接触するおそれがある。
電極25、38の周辺部のバリが外装体10を構成するラミネート構造の金属層に仮に接触した場合、短絡構造となるおそれがある。
それらの後、電極体2の正極電極板38の内面側に正極側の引出電極を溶接し、電極体2の負極電極板25の内面側に負極側の引出電極を溶接することができる。
なお、この例では電極板に電極端子を溶接し、その後に電極体の引出電極を溶接する順で説明したが、電極端子と引出電極を溶接する順序は逆であっても良く、どちらが先でも差し支えない。
この加圧時において、電極板25、38の外周部を電極体2の外周部近傍まで延在させる大きさとしていることで電極体2の全体に均一な加圧力を印加できる。これにより、電極体2を構成する正極と負極の電極間隔を電極体2の全体で均一化できる。この結果、電極体2において電池反応を均一化できる結果、急激な劣化を生じない電池1を提供できる。
この面積比が30%未満であると、負極電極板25と正極電極板38で電極体2を上下から挟み付けながら加圧した場合、加圧力の強い領域と加圧力の弱い領域との圧力差が大きくなることから、電解液が漏液し易くなるおそれがある。
また、この圧力差により、電極体2を構成する電極間の隙間のバラツキが大きくなる結果、電気化学セル1として使用中に急激に容量低下を引き起こすなどの問題を生じるおそれもある。
特に、先に説明したように、負極電極板25と正極電極板38を平面視した場合の面積について、電極体2を平面視した場合の面積に対し、面積比で30%~110%の範囲としているので、電極体2の全体に均一に加圧力を印加できる。
面積比がこの範囲であれば、電極体2の全体により均一に加圧力を印加できることに加えて、負極側の引出電極3dや正極側の引出電極4aと負極電極板25と正極電極板38との重なる面積を最大とすることができ、接触抵抗を最小化できるためである。
面積比を60~100%の範囲とすることにより、電極板25、38で電極体2を挟んで加圧する場合に、電極体2に対しより均等に加圧力を作用させることができ、電極体2の膨らみを是正して電気化学セル1の膨らみ等を矯正できる。
また、小型薄型の電池1であっても、容器どうしを接合している融着部について第1容器17と第2容器18の外周底部から外周上部まで容器17、18の高さを充分に活用した最大高さ分の融着面積としているので、充分な融着面積を確保することができ密閉性の良好な電池構造を得ることができる。
図5は第2実施形態の電池(電気化学セル)50を示す断面図であり、この第2実施形態の電池50では負極電極板25Aの外径と、正極電極板38Aの外径がいずれも第1実施形態の電極板より小さく形成されている。負極電極板25Aは第1実施形態の負極電極板25と外径のみが異なり、構成材料と内径および厚さは同等である。正極電極板38は第1実施形態の正極電極板38と外径のみが異なり、構成材料と内径及び厚さは同等である。
また、負極電極板25Aの外側に負極電極板25Aと同一厚さのリング板からなる加圧補助環状体51が配置され、正極電極板38Aの外側に正極電極板38Aと同等厚さのリング板からなる加圧補助環状体52が配置されている。加圧補助環状体51、52の外径は電極体2の外径と同等に形成されている。
加圧補助環状体51、52は金属板あるいは硬質樹脂板からなる。
電池50においてその他の構成は第1実施形態の電池1の構造と同等であるので、その他の部分の構成説明は省略する。
この加圧時において、加圧補助環状体51、52の外周部を電極体2の外周部近傍まで延在させる大きさとしていることで、負極電極板25Aと加圧補助環状体51および正極電極板38Aと加圧補助環状体52により、電極体2の全体に均一な加圧力を加えることができる。これにより、電極体2を構成する正極と負極の電極間隔を電極体2の全体で均一化できる。この結果、電極体2において電池反応を均一化できる結果、急激な劣化を生じない電池1を提供できる。
例えば、平面視三角形状の電気化学セルを構成する場合は電極板も平面視三角形状を採用し、平面視楕円状の電気化学セルを構成する場合は電極板も平面視楕円状とする。これらの場合も電極板の平面視形状は電極体の平面視形状の相似形とすることが好ましい。
また、電極板と加圧補助環状体を組み合わせる場合は、これらを組み合わせた平面視形状が電極体の平面視形状に相似形状であれば良い。いずれにおいても、電極体の平面視形状に合わせて電極体の全体を均一に加圧できるように電極板の形状と加圧補助環状体の形状を調整すれば良い。
この結果、電極体において正極側電極と負極側電極の電極間距離を均一にできるため、電池反応を均一化できる結果、急激な劣化を生じない電池50を提供できる。
アルミニウム箔からなる金属シートをポリプロピレン製の融着層とナイロン製の保護層で挟んだ構成の図3に示す円筒状の第1の容器(外径15.1mm)と、同等構造の図3に示す第2の容器(外径15.1mm)を作成した。
ポリプロピレンからなる樹脂層で不織布の両面を覆った3層構成のシーラントリング(外径12mm:内径3.5mm)とステンレス鋼板からなる電極板を用いて図6または図7に示すように第1の容器の貫通孔の内側にシーラントリングと電極板を積層し、積層部分に上下から圧力を加えながら、175℃に加熱し、溶着した。第2の容器の貫通孔の内側にもシーラントリングと電極板を積層し、溶着した。
第1の容器の貫通孔は内径5mm、シーラントリングの挿通孔の内径は3.5mmとした。第1の容器と第2の容器に収容するつづら折り構造の電極体として外径14.2mmのものを想定した。第2の容器の貫通孔は内径5mm、シーラントリングの挿通孔の内径は3.5mmとした。
第1の容器と第2の容器を用い、これらの間に電解液を注入し、図1 、図2 に示すように第1の容器と第2の容器を嵌め込み溶着し、一体化して複数のボタン型の電気化学セルを組み立てた。
印加しても電解液漏れを生じないことが分かった。
なお、荷重を印加しても電解液漏れを生じないということは、外装体の貫通孔に対する
シーラントリングと電極板による溶着部分のシール性が充分であり、溶着部分を介し水分
の浸透を防止できる構造であることも意味する。
また、より確実に漏液を防止可能な構造とするために、シーラントリングの内径に対し電極板の直径比を2.5倍以上に設定し、外装体(ラミネート)の貫通孔に対する直径比を1.8倍以上とした電極板であれば、製造バラツキ等を考慮しても、確実に漏液を生じない電気化学セルを製造できると想定できる。
4a…正極側引出電極、10…外装体、
12…収容部、12a…収容部の外周、15…封止部、17…第1容器、
18…第2容器、21…第1底壁部、22…第1周壁部、23…第1貫通孔、
24…第1シーラントリング(絶縁フィルム)、25…負極電極板、
26…負極電極端子(貫通電極)、31…第2底壁部、
31a…保護層、31b…金属層、31c…融着層、
32…第2周壁部(収容部の外周)、35…第2貫通孔、
37…第2シーラントリング(絶縁フィルム)、37a…被覆層、37c…中間層、
38…正極電極板、39…正極電極端子(貫通電極)、50…電池(電気化学セル)、
51、52…加圧補助環状体。
Claims (5)
- 第1容器と第2容器から構成される外装体と、前記外装体の内部に収容された正極電極および負極電極からなる電極体とを備え、
前記第1容器と前記第2容器に貫通孔が形成され、前記貫通孔の内部側にシーラントリングを介し電極板が配置され、前記電極体の平面視形状と前記電極板の平面視形状と前記シーラントリングの平面視形状が相似形状であり、前記電極体の中心部と前記電極板の中心部と前記シーラントリングの中心部を位置合わせして前記容器内に前記電極体と前記電極板と前記シーラントリングが積層され、収容された電気化学セルであり、
前記シーラントリングと前記電極板を重ねた領域の面積が、前記シーラントリング全体の面積の35%以上81% 以下、
前記シーラントリングと前記電極板を重ねた領域の面積が、前記電極板の面積の79.2%以上90.5%以下、
前記シーラントリングと前記電極板を重ねた領域の面積が、36.9mm 2 以上83.7mm 2 以下であることを特徴とする電気化学セル。 - 前記外装体が融着可能な樹脂層と金属層のラミネート構造からなり、前記シーラントリングが融着可能な樹脂フィルムからなり、前記外装体の最内層に設けられている前記樹脂層に前記樹脂フィルムが溶着されて前記外装体に前記シーラントリングが一体化されるとともに、前記シーラントリングに前記電極板が密着されたことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
- 前記電極板が鋼板からなり、前記電極板に電極端子が取り付けられ、前記電極端子がNiまたはNi合金からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
- 前記第1容器と前記第2容器が融着可能な樹脂層と金属層のラミネート構造からなり、前記第1容器と前記第2容器がいずれも底壁部と周壁部を有し、前記第1容器の周壁部と前記第2容器の周壁部が重ね合わされて融着され、前記外装体が構成されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の電気化学セル。
- 前記金属層がAlまたはAl合金からなることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の電気化学セル。
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