JP2017212179A - アルカリ電池およびアルカリ電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ電池およびアルカリ電池の製造方法 Download PDF

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Shunji Watanabe
俊二 渡邊
和美 田中
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和美 田中
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Kenichi Kaneda
健一 金田
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【課題】従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池を提供する。【解決手段】電池1は、少なくとも融点の異なる二層の樹脂層を有するラミネートフィルムにより形成され、正極合剤11および負極合剤13をセパレータ15で分離して収容した外装体20を備える。セパレータ15は、外装体20に固定されている。外装体20は、正極合剤11および負極合剤13を間に挟んだ状態でラミネートフィルムを重ね合わせて形成されている。外装体20は、正極合剤11および負極合剤13が配置されたキャビティ27と、キャビティ27の周囲において、積層されたラミネートフィルム同士が溶着された溶着部28と、を備える。セパレータ15は、溶着部28において外装体20に対して溶着された状態で固定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、アルカリ電池およびアルカリ電池の製造方法に関するものである。
アルカリ電池として、金属製の正極缶内に正極合剤が配置され、金属製の負極缶内に負極合剤が配置されたものがある(例えば特許文献1参照)。正極缶および負極缶は、カシメにより連結固定され、これにより正極缶と負極缶との間には密閉空間が形成されている。
特開2010−33962号公報
ところで、近年では、アルカリ電池が搭載される機器の小型化に伴い、アルカリ電池の薄型化が要求されている。しかしながら、上述した従来のアルカリ電池にあっては、正極缶および負極缶にカシメ荷重に耐えうる強度を持たせる必要があるため、薄型化には限界がある。
そこで本発明は、従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池およびアルカリ電池の製造方法を提供するものである。
本発明のアルカリ電池は、少なくとも融点の異なる二層の樹脂層を有するラミネートフィルムにより形成され、正極合剤および負極合剤をセパレータで分離して収容した外装体を備え、前記セパレータは、前記外装体に固定されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、外装体をラミネートフィルムにより形成しているので、溶着により内部を気密封止することができる。これにより、外装体がカシメ荷重に耐えうる強度を有する従来技術と比較して、外装体を薄型化することができる。
そして、セパレータが外装体に対して固定されているので、アルカリ電池の使用時にセパレータが外装体の内部で変位することを抑制できる。よって、正極合剤および負極合剤を分離した状態を確実に維持することができるので、電池性能を安定させることができる。
したがって、従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池を提供できる。
上記のアルカリ電池において、前記外装体は、前記正極合剤および前記負極合剤を間に挟んだ状態で前記ラミネートフィルムを重ね合わせて形成され、前記外装体は、前記正極合剤および前記負極合剤が配置されたキャビティと、前記キャビティの周囲において、積層された前記ラミネートフィルム同士が溶着された溶着部と、を備え、前記セパレータは、前記溶着部において前記外装体に対して溶着された状態で固定されている、ことが望ましい。
本発明によれば、セパレータが外装体の溶着部において外装体に対して溶着された状態で固定されているので、セパレータの外装体に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、アルカリ電池の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、薄型化が可能なアルカリ電池を低コストで提供できる。
上記のアルカリ電池において、前記セパレータは、外縁全周に亘って前記外装体に対して固定され、前記キャビティを分割している、ことが望ましい。
本発明によれば、セパレータは、外縁全周に亘って外装体に対して固定されているので、キャビティを互いに連通不能な状態で分割することができる。これにより、正極合剤および負極合剤が互いに接触することを防止できるので、キャビティに正極合剤および負極合剤を広面積かつ大量に配置することが可能となる。したがって、大電流を取り出すことが可能な大容量のアルカリ電池を提供できる。
上記のアルカリ電池において、前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれは、集電箔の表面に塗工された状態で配置されている、ことが望ましい。
本発明によれば、ペレット状の正極合剤や負極合剤を有する構成と比較して、正極合剤および負極合剤が薄く配置されるので、アルカリ電池を薄型化することができる。
また、正極合剤および負極合剤のそれぞれと集電箔とを広面積で接触させることができる。よって、アルカリ電池の内部抵抗を小さくすることができる。
上記のアルカリ電池において、前記集電箔と一体形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出する引出部を備える、ことが望ましい。
本発明によれば、別部材のタブを用いることなく、外装体の内部から外部に電極を取り出すことができる。これにより、部品点数を削減することができ、部材コストの増加を抑制することが可能となる。したがって、薄型化が可能なアルカリ電池を低コストで提供できる。
本発明のアルカリ電池の製造方法は、少なくとも融点の異なる二層の樹脂層を有するラミネートフィルムにより形成され、正極合剤および負極合剤をセパレータで分離して収容した外装体を備えるアルカリ電池の製造方法であって、前記ラミネートフィルムにより形成された第1フィルム上に、金属材料により形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出される第1タブを配置する第1タブ配置工程と、前記正極合剤および前記負極合剤のいずれか一方合剤を前記第1タブに導通させた状態で前記第1フィルム上に配置する第1合剤配置工程と、前記一方合剤を挟んで前記第1フィルムとは反対側に前記セパレータを配置するセパレータ配置工程と、前記セパレータを挟んで前記一方合剤とは反対側に、前記正極合剤および前記負極合剤の他方合剤を配置する第2合剤配置工程と、前記他方合剤を挟んで前記セパレータとは反対側に、金属材料により形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出されるとともに、前記他方合剤に導通された第2タブを配置する第2タブ配置工程と、前記第1タブ、前記正極合剤、前記セパレータ、前記負極合剤および前記第2タブを挟んで、前記ラミネートフィルムにより形成された第2フィルムを前記第1フィルムに重ね合わせるフィルム重ね合わせ工程と、前記第1フィルムおよび前記第2フィルムを、前記セパレータとともに溶着するフィルム溶着工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1フィルムおよび第2フィルムをセパレータとともに溶着するフィルム溶着工程を備えるので、セパレータの外装体に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、アルカリ電池の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池を低コストで製造できる。
上記のアルカリ電池の製造方法において、前記アルカリ電池は、前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれに導通する集電箔を備え、前記正極合剤および前記負極合剤のうち少なくともいずれか一方は、前記集電箔に塗工される、ことが望ましい。
本発明によれば、正極合剤や負極合剤がペレット状に形成される場合と比較して、正極合剤や負極合剤を薄く配置できる。したがって、薄型化が可能なアルカリ電池を製造できる。
上記のアルカリ電池の製造方法において、前記アルカリ電池は、前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれに導通する集電箔を備え、前記正極合剤および前記負極合剤のうち少なくともいずれか一方は、ジェル状に形成され、前記集電箔上に載置された後に加圧されて薄く延ばされる、ことが望ましい。
本発明によれば、正極合剤や負極合剤がペレット状に形成される場合と比較して、正極合剤や負極合剤を薄く配置できる。したがって、薄型化が可能なアルカリ電池を製造できる。
本発明によれば、従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池を提供できる。また、従来技術と比較して薄型化が可能なアルカリ電池を低コストで製造できる。
第1実施形態に係るアルカリ電池の平面図である。 図1のII−II線における断面図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の平面図である。 図15のXVI−XVI線における断面図である。 図15のXVII−XVII線における断面図である。 第2実施形態に係る正極シートの製造方法の説明図である。 第2実施形態に係る負極シートの製造方法の説明図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態に係るアルカリ電池の製造方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、アルカリ電池として、酸化銀電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の電池1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電池の平面図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。
図1および図2に示すように、電池1は、正極合剤11と、負極合剤13と、正極合剤11および負極合剤13を分離するセパレータ15と、正極合剤11および負極合剤13を収容した外装体20と、外装体20の内部で正極合剤11と導通するとともに外装体20の内部から外部へ延出する正極タブ31(第1タブ)と、外装体20の内部で負極合剤13と導通するとともに外装体20の内部から外部へ延出する負極タブ33(第2タブ)と、を備えている。
外装体20は、ラミネートフィルムにより形成された第1シート21および第2シート22を重ね合わせて形成されている。ラミネートフィルムは、少なくとも内側面に設けられた内側樹脂層と、外側面に設けられた外側樹脂層と、を有する。外側樹脂層を形成する材料の融点は、内側樹脂層を形成する材料の融点よりも高い。内側樹脂層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン、EVAなどの熱可塑性樹脂を用いて形成される。外側樹脂層は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、またはナイロン樹脂を用いて形成される。
ここで、上述した内側樹脂層と外側樹脂層との間に、金属箔層やシリコン酸化物等からなるガスバリア層、各層を接着する接着層を設けてもよい。金属箔層は、外気や水蒸気に対する遮断性を有する、例えばステンレスやニッケル、銅、アルミニウム等の金属材料を用いて形成されている。この場合、内側樹脂層および外側樹脂層は、それぞれ金属箔層との間に接合層を介して、熱融着または接着剤により接合されている。なお、それぞれの層の接着性を向上するために、各層間に接着剤により形成された接着層を設けることが望ましい。ただし、内側の層に傷がつきアルカリの電解液が外側に達するリスクを考慮し、それぞれの層を形成する材料としてアルミニウムやポリエステル系の樹脂は、避けた方がよい。
図2に示すように、第1シート21は、有底円筒状に形成された第1ケース23と、第1ケース23の開口縁からその径方向外側に向かって張り出す第1フランジ部24と、を有する。第1シート21は、第1ケース23の内面に上述したラミネートフィルムの内側樹脂層が位置するように形成されている。
第2シート22は、有底円筒状に形成され、第1ケース23に向けて開口する第2ケース25と、第2ケース25の開口縁からその径方向外側に向かって張り出す第2フランジ部26と、を有する。第2シート22は、第2ケース25の内面に上述したラミネートフィルムの内側樹脂層が位置するように形成されている。第2ケース25は、第1シート21の第1ケース23と同軸に配置されている。第2ケース25の深さは、第1ケース23の深さと同等になっている。第2ケース25の内径は、第1ケース23の内径と同等になっている。第2フランジ部26の外形は、第1フランジ部24の外形と略一致している。第2シート22は、第1シート21との間に正極合剤11および負極合剤13を挟んだ状態で、第2フランジ部26を第1フランジ部24に重ね合わされている。
外装体20は、第1ケース23と第2ケース25との間に形成されたキャビティ27と、キャビティ27の周囲において積層された第1フランジ部24と第2フランジ部26とが溶着された環状の溶着部28と、を有する。溶着部28は、第1ケース23および第2ケース25の開口縁をキャビティ27の径方向の外側から全周に亘って取り囲んでいる。溶着部28は、キャビティ27の径方向に沿って突出するとともに、キャビティ27の周方向に沿って延びている。
キャビティ27には、正極合剤11、負極合剤13、セパレータ15および図示しない電解液が収容されている。正極合剤11および負極合剤13は、セパレータ15を挟んで対向して配置されている。
正極合剤11は、第1ケース23の底面上に配置されている。正極合剤11は、正極活物質としての酸化銀と、導電剤としてのグラファイトと、結着剤としてのポリアクリル酸ソーダやカルボキシメチルセルロースと、を混合後、打錠機等でプレス成型した円柱状のペレット構造を有する。
負極合剤13は、第2ケース25の底面上に配置されている。負極合剤13は、負極活物質としての亜鉛粉末または亜鉛合金粉末と、伝導度安定剤としての酸化亜鉛と、活物質安定剤としての高架橋型ポリアクリル酸ソーダと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースと、電解液と、を混合してジェル状に形成されている。
セパレータ15は、第1シート21と第2シート22との間に配置されている。セパレータ15は、例えばセロファン、およびポリエチレンをグラフト重合した膜の2層構造のシートからなる。セパレータ15は、キャビティ27の内径よりも大径の円形状に形成されている(図1参照)。セパレータ15は、その外縁全周に亘って溶着部28において第1フランジ部24および第2フランジ部26に挟まれ、外装体20に対して溶着されて固定されている。セパレータ115は、正極合剤11側にポリエチレンをグラフト重合した膜、負極合剤13側にセロファンがそれぞれ配置されるように装填される。
電解液は、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液、またはそれらの混合液を用いることができる。
正極タブ31は、例えばニッケル等により帯状に形成されている。正極タブ31は、キャビティ27において第1ケース23の底面上から、第1ケース23の底面および側面に沿って溶着部28まで延び、さらに溶着部28において第1フランジ部24と第2フランジ部26との間を通って外装体20の外部へ引き出されている。正極タブ31は、正極合剤11の集電体として機能する。
負極タブ33は、例えば、銅、または表面にスズがめっきされた銅により帯状に形成されている。負極タブ33は、キャビティ27において第2ケース25の底面上から、第2ケース25の底面および側面に沿って溶着部28まで延び、さらに溶着部28において第1フランジ部24と第2フランジ部26との間を通って外装体20の外部へ引き出されている。負極タブ33は、溶着部28において、キャビティ27を挟んで正極タブ31とは反対側に配置されている。負極タブ33は、負極合剤13の集電体として機能する。
溶着部28における第1フランジ部24および第2フランジ部26と各タブ31,33との間には、各タブ31,33を被覆するシーラントフィルム40がそれぞれ介在している。シーラントフィルム40は、各タブ31,33をその厚さ方向両側から挟み込む、略同形同大に形成された一対のフィルム材41により形成されている。フィルム材41は、例えばポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等の熱可塑性樹脂により形成されている。シーラントフィルム40は、溶着部28から外側にはみ出し、各タブ31,33のうち外装体20から引き出された部分の基端部を覆っている。シーラントフィルム40は、第1シート21および第2シート22に溶着されて固定されている。
なお、図1に示すように本実施形態では、外装体20の溶着部28は、第1シート21と第2シート22との間に各タブ31,33を各別に保持する一対のタブ保持部28aと、キャビティ27の周方向における一対のタブ保持部28a間に設けられ、タブ保持部28aよりも幅の狭い幅狭部28bと、を備えている。
以下、本実施形態の電池1の製造方法について説明する。なお、以下の説明における電池1の各構成部品の符号については、図1および図2を参照されたい。
図3は、第1実施形態に係る電池の製造方法を示すフローチャートである。図4から図14は、第1実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。
図3に示すように、電池1の製造方法は、正極タブ配置工程S10(第1タブ配置工程)と、正極合剤配置工程S20(第1合剤配置工程)と、セパレータ配置工程S30と、負極合剤配置工程S40(第2合剤配置工程)と、負極タブ配置工程S50(第2タブ配置工程)と、フィルム重ね合わせ工程S60と、フィルム溶着工程S70と、を備える。
最初に、正極タブ配置工程S10を行う。図4および図5に示すように、正極タブ配置工程S10では、第1シート21を形成する第1フィルム51上に、正極タブ31を配置する。
具体的に、正極タブ配置工程S10は、以下の手順で行う。最初に、図4に示すように、第1ケース23が形成された、ラミネートフィルムからなる長方形状の第1フィルム51を準備する。第1ケース23は、例えばラミネートフィルムに絞り加工を行うことで形成される。本実施形態では、第1ケース23は、第1フィルム51の長手方向における一方側に寄った位置に形成されている。
次に、図5に示すように、シーラントフィルム40が設けられた正極タブ31を第1フィルム51上に配置する。このとき、正極タブ31は、第1フィルム51の形状、すなわち第1シート21の第1ケース23および第1フランジ部24の形状に合わせて屈曲または湾曲した状態で配置される。また、正極タブ31は、第1フィルム51の長辺に対して直交するように配置される。
次に、第1ケース23内部において、正極タブ31上に電解液Eを例えば1滴程度配置する。これにより、正極タブ31と、後の正極合剤配置工程S20において配置される正極合剤11と、の導通を良好にすることができる。
続いて、正極合剤配置工程S20を行う。図6に示すように、正極合剤配置工程S20では、ペレット状の正極合剤11を正極タブ31に導通させた状態で、第1フィルム51の第1ケース23上に配置する。さらに、正極合剤11上に電解液Eを適量配置する。
続いて、セパレータ配置工程S30を行う。図7に示すように、セパレータ配置工程S30では、正極合剤11を挟んで第1フィルム51とは反対側、すなわち正極合剤11上にセパレータ15を配置する。
具体的に、セパレータ15を、第1ケース23と同心となるように、第1ケース23の開口縁上に配置する。セパレータ15は、キャビティ27の内径よりも大径に形成されているので、セパレータ15の外縁部は、第1ケース23の周囲において第1フィルム51上に載置される。
ここで、セパレータ15は、上述したようにセロファン、およびポリエチレンをグラフト重合した膜の2層構造のシートからなるものが主流のため、非常に反りやすく、第1フィルム51上に配置することが難しい。このため、セパレータ15を配置した後、第1ケース23の開口縁周辺の一部を、ラミネートフィルムの内側樹脂層の融点以上、セパレータ15のセロファンの分解温度以下で加熱し、セパレータ15を第1フィルム51に仮固定することは有効である。
続いて、負極合剤配置工程S40を行う。図8に示すように、負極合剤配置工程S40では、セパレータ15を挟んで正極合剤11とは反対側、すなわちセパレータ15上にジェル状の負極合剤13を配置する。
続いて、負極タブ配置工程S50を行う。図9に示すように、負極タブ配置工程S50では、負極合剤13を挟んでセパレータ15とは反対側、すなわち負極合剤13上に、シーラントフィルム40が設けられた負極タブ33を配置する。このとき、負極タブ33は、第2シート22の第2ケース25および第2フランジ部26の形状に合わせて屈曲または湾曲した状態で配置される。また、負極タブ33は、第1フィルム51の長辺のうち、正極タブ31が直交する長辺とは異なる長辺に対して直交するように配置される。
続いて、フィルム重ね合わせ工程S60を行う。図10に示すようにフィルム重ね合わせ工程S60では、正極タブ31、正極合剤11、セパレータ15、負極合剤13および負極タブ33を挟んで、第2フィルム52を第1フィルム51に重ね合わせる。第2フィルム52は、ラミネートフィルムからなり、第1フィルム51と同じ外形の長方形状に形成されている。第2フィルム52には、例えば絞り加工により第2ケース25が形成されている。本実施形態では、第1フィルム51における第1ケース23と同様に、第2ケース25は、第2フィルム52の長手方向における一方側に寄った位置に形成されている。第2フィルム52は、第1フィルム51と平面視で一致するように重ね合わされる。これにより、第1ケース23と第2ケース25との間にキャビティ27が形成されるとともに、セパレータ15の外縁部がキャビティ27の周囲において第1フィルム51および第2フィルム52に挟まれる。
続いて、フィルム溶着工程S70を行う。図11から図14に示すように、フィルム溶着工程S70では、第1フィルム51および第2フィルム52をセパレータ15とともに溶着する。
具体的に、フィルム溶着工程S70は、以下の手順で行う。最初に、図11に示すように、第1フィルム51および第2フィルム52の外周部を溶着し、一部が開口した袋状に形成する。本実施形態では、重ね合わされた各フィルム51,52の外周部のうち3辺を溶着して平面視U字状の第1溶着部54を形成する。なお、溶着方法としては、超音波溶接や、ヒーター等を用いた溶着等の熱溶着を適用できる(以下の溶着を行う工程でも同様)。特に本実施形態では、第1フィルム51と第2フィルム52との間に電解液が配置されていることから、各フィルム51,52の溶着方法として超音波溶接を適用することが望ましい。
次に、図12に示すように、第1フィルム51および第2フィルム52の外周部うち溶着されていない開口部分を真空環境下で溶着して第2溶着部55を形成する。これにより、第1フィルム51と第2フィルム52との間が脱気された状態で気密封止される。
次に、図13に示すように、各フィルム51,52を第1ケース23および第2ケース25の周囲において全周に亘って溶着して、キャビティ27の周囲を取り囲む第3溶着部56を形成する。このとき、セパレータ15の外縁部がキャビティ27の周囲において第1フィルム51および第2フィルム52に挟まれているので、セパレータ15は、第1フィルム51および第2フィルム52に対して溶着される。
次に、図14に示すように、第1溶着部54および第3溶着部56を切断線L1に沿って切断して、上述した溶着部28を形成する。
以上により、図1に示す電池1の製造が完了する。
このように、本実施形態によれば、外装体20をラミネートフィルムにより形成しているので、溶着によりキャビティ27を気密封止することができる。これにより、外装体がカシメ荷重に耐えうる強度を有する従来構成と比較して、外装体20を薄型化することができる。
そして、セパレータ15が外装体20に対して固定されているので、電池1の使用時にセパレータ15が外装体20の内部で変位することを抑制できる。よって、正極合剤11および負極合剤13を分離した状態を確実に維持することができるので、電池性能を安定させることができる。
したがって、従来技術と比較して薄型化が可能な電池1を提供できる。
さらに、溶着によりキャビティ27を気密封止することができるので、キャビティ27に配置される電解液の漏液を防止することができる。したがって、高い信頼性を有する電池1を提供できる。
また、ラミネートフィルムが上述した金属箔層を有する場合には、金属箔層を形成する材料として電解液に対する耐食性を有するステンレスやニッケル、銅等の材料を用いることにより、ラミネートフィルムの内側樹脂層のピンホールや亀裂等を通じて電解液が金属箔層に接触しても、金属箔層が変質することを防止できる。したがって、高い信頼性を有する電池1を提供できる。
また、セパレータ15が外装体20の溶着部28において外装体20に対して溶着された状態で固定されているので、セパレータ15の外装体20に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、電池1の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、薄型化が可能な電池1を低コストで提供できる。
また、セパレータ15は、外縁全周に亘って外装体20に対して固定されているので、キャビティ27を互いに連通不能な状態で分割することができる。これにより、正極合剤11および負極合剤13が互いに接触することを防止できるので、キャビティ27に正極合剤11および負極合剤13を広面積かつ大量に配置することが可能となる。したがって、大電流を取り出すことが可能な大容量の電池1を提供できる。
また、本実施形態の電池1の製造方法によれば、第1フィルム51および第2フィルム52をセパレータ15とともに溶着するフィルム溶着工程S70を備えるので、セパレータ15の外装体20に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、電池1の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、従来技術と比較して薄型化が可能な電池1を低コストで製造できる。
なお、本実施形態の電池1では、溶着部28がタブ保持部28aと、タブ保持部28aよりも幅の狭い幅狭部28bと、を備えているが、これに限定されず、溶着部は略一定の幅でキャビティ27の周方向に沿って延在していてもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態の電池101について説明する。
図15は、第2実施形態に係る電池の平面図である。図16は、図15のXVI−XVI線における断面図である。図17は、図15のXVII−XVII線における断面図である。
図15から図17に示すように、電池101は、正極合剤111および正極集電体112(集電箔)を備える正極シート116と、負極合剤113および負極集電体114(集電箔)を備える負極シート117と、正極合剤111および負極合剤113を分離するセパレータ115と、正極合剤111および負極合剤113を収容した外装体120と、外装体120の内部から外部に向かって延出する正極引出部135(引出部、第1タブ)と、外装体120の内部から外部に向かって延出する負極引出部137(引出部、第2タブ)と、を備えている。
外装体120は、ラミネートフィルムを折り曲げて重ね合わせることにより平面視矩形状に形成されている。ラミネートフィルムは、第1実施形態の外装体20を形成するラミネートフィルムと同様に形成されている。以下の説明では、外装体120のうち、ラミネートフィルムの折り目を挟んだ一方側を第1シート121といい、他方側を第2シート122という。
図16に示すように、第1シート121は、矩形状に絞り加工されたケース123と、ケース123の周囲に張り出す矩形枠状の鍔部124と、を有する。第1シート121は、ケース123の内面に上述したラミネートフィルムの内側樹脂層が位置するように形成されている。
第2シート122は、平滑に形成されている。第2シート122は、第1シート121との間に正極合剤111および負極合剤113を挟んだ状態で、第1シート121に重ね合わされている。
外装体120は、第1シート121のケース123と第2シート122との間に形成されたキャビティ127と、キャビティ127の周囲において積層された第1シート121の鍔部124と第2シート122とが溶着された矩形枠状の溶着部128と、を有する。
キャビティ127には、正極シート116、負極シート117、セパレータ115および図示しない電解液が収容されている。正極シート116および負極シート117は、セパレータ115を挟んで対向して配置されている。
正極シート116は、第1シート121のケース123の底面上に配置されている。正極シート116は、正極集電体112の一方表面に正極合剤111が塗工された状態で配置されることにより形成されている。正極合剤111は、正極活物質としての酸化銀と、導電剤としてのグラファイトと、結着剤としてのスチレン・ブタジエンゴムやカルボキシメチルセルロースと、溶媒としての純水と、を混合してペースト状に形成されたものである。正極集電体112は、例えばニッケル等の金属箔により形成されている。正極シート116は、キャビティ127の平面視形状に対応する矩形状に形成されている。正極シート116は、正極合剤111を第2シート122側に向けた状態で配置されている。
負極シート117は、正極シート116と第2シート122との間に配置されている。負極シート117は、負極集電体114の一方表面に負極合剤113が塗工された状態で配置されることにより形成されている。負極合剤113は、負極活物質としての亜鉛粉末または亜鉛合金粉末と、伝導度安定剤としての酸化亜鉛と、活物質安定剤としての高架橋型ポリアクリル酸ソーダと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースと、電解液と、を混合してジェル状に形成されたものである。負極集電体114は、例えば銅箔や銅合金箔、またはそれらにスズをめっきしたもの等により形成されている。負極シート117は、正極シート116と略同形同大の矩形状に形成されている。負極シート117は、負極合剤113を第1シート121側、すなわち正極シート116側に向けた状態で配置されている。
セパレータ115は、第1シート121と第2シート122との間に配置されている。セパレータ115は、例えばセロファン、およびポリエチレンをグラフト重合した膜の2層構造のシートにより形成されている。セパレータ115は、キャビティ127よりも大きい矩形状に形成され、外装体120の長手方向一方側の端縁から他方側の端縁に亘って配置されている(図15参照)。セパレータ115は、その外縁全周に亘って溶着部128において第1シート121の鍔部124および第2シート122に挟まれ、外装体120に対して溶着されて固定されている。セパレータ115は、正極合剤111側にポリエチレンをグラフト重合した膜、負極合剤113側にセロファンがそれぞれ配置されるように装填される。
電解液は、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液、またはそれらの混合液を用いることができる。
図15および図16に示すように、正極引出部135は、正極シート116の正極集電体112と一体形成されている。正極引出部135は、帯状に形成されている。正極引出部135は、正極シート116から、外装体120の短手方向に沿って延出している。
図15および図17に示すように、負極引出部137は、負極シート117の負極集電体114と一体形成されている。負極引出部137は、帯状に形成されている。負極引出部137は、負極シート117から、正極引出部135とは離れた位置において、正極引出部135と同じ方向に向かって延出している。
図16および図17に示すように、溶着部128における第1シート121の鍔部124および第2シート122と、各引出部135,137と、の間には、各引出部135,137を被覆するシーラントフィルム140がそれぞれ介在している。シーラントフィルム140は、各引出部135,137をその厚さ方向両側から挟み込む、略同形同大に形成された一対のフィルム材141により形成されている。フィルム材141は、例えばポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂により形成されている。シーラントフィルム140は、溶着部128から外側にはみ出し、各引出部135,137のうち外装体120から引き出された部分の基端部を覆っている。シーラントフィルム140は、第1シート121および第2シート122に溶着されて固定されている。
各引出部135,137の外装体120よりも外側に位置する部分のそれぞれには、補強部材105が接合されている。補強部材105は、例えば厚さ30μm程度の金属箔により帯状に形成されている。補強部材105を形成する金属箔としては、例えばニッケル箔や、ニッケル箔の表面にスズめっきを施したもの、銅箔の表面にスズめっきを施したもの等を用いることができる。補強部材105は、その長さ方向の中間部分において折り返され、折り目の内側を各引出部135,137の先端縁に対向させた状態で、各引出部135,137およびシーラントフィルム140を挟み込んでいる。補強部材105は、各引出部135,137の両面に直接重なって接合され、各引出部135,137に導通している。各補強部材105は、電池101の電極端子となる。なお、補強部材105は、シーラントフィルム140に対して溶着されていてもよい。
以下、本実施形態の電池101の製造方法について説明する。なお、以下の説明における電池101の各構成部品の符号については、図15から図17を参照されたい。
最初に、正極シート116および負極シート117の製造方法について説明する。
図18は、第2実施形態に係る正極シートの製造方法の説明図である。図19は、第2実施形態に係る負極シートの製造方法の説明図である。
図18に示すように、正極シート116は、正極用シート部材161を切断することにより形成される。正極用シート部材161は、上述した正極合剤111が塗工された正極合剤塗工領域R1、および正極合剤111が塗工されていない正極合剤未塗工領域R2を有する金属箔により形成されている。正極合剤111は、例えばスクリーン印刷により、正極シート116における正極合剤111の形状に合わせて矩形状に塗工されている。正極用シート部材161を形成する金属箔は、正極集電体112の基材であって、例えばニッケル等により形成されている。なお、正極合剤111の塗工方法は、スクリーン印刷に限定されず、正極合剤塗工領域と正極合剤未塗工領域とが交互に並ぶようにコーターを用いて間欠塗工してもよい。
正極用シート部材161は、例えば図中の2点鎖線で示す切断線に沿って、プレスによる打ち抜きやレーザー切断等により、正極合剤塗工領域R1および正極合剤未塗工領域R2を一体的に切り出す。これにより、切断後の正極合剤塗工領域R1が正極シート116となるとともに、正極合剤未塗工領域R2が正極引出部135となる。
図19に示すように、負極シート117は、負極用シート部材162を切断することにより形成される。負極用シート部材162は、上述した負極合剤113が塗工された負極合剤塗工領域R3、および負極合剤113が塗工されていない負極合剤未塗工領域R4を有する金属箔により形成されている。負極合剤113は、例えばスクリーン印刷により、負極シート117における負極合剤113の形状に合わせて矩形状に塗工されている。負極用シート部材162を形成する金属箔は、負極集電体114の基材であって、例えば銅箔や銅合金箔、またはそれらにスズをめっきしたもの等により形成されている。なお、負極合剤113の塗工方法は、スクリーン印刷に限定されず、負極合剤塗工領域と負極合剤未塗工領域とが交互に並ぶようにコーターを用いて間欠塗工してもよい。また、負極合剤113は、上述したようにジェル状に形成され、負極集電体114の基材である金属箔上に載置された後に加圧されて薄く延ばされてもよい。
負極用シート部材162は、例えば図中の2点鎖線で示す切断線に沿って、プレスによる打ち抜きやレーザー切断等により、負極合剤塗工領域R3および負極合剤未塗工領域R4を一体的に切り出す。これにより、切断後の負極合剤塗工領域R3が負極シート117となるとともに、負極合剤未塗工領域R4が負極引出部137となる。
次に、電池101本体の製造方法について説明する。
図20は、第2実施形態に係る電池の製造方法を示すフローチャートである。図21から図26は、第2実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。
図20に示すように、電池101の製造方法は、正極引出部配置工程S110(第1タブ配置工程)と、正極合剤配置工程S120(第1合剤配置工程)と、セパレータ配置工程S130と、負極合剤配置工程S140(第2合剤配置工程)と、負極引出部配置工程S150(第2タブ配置工程)と、フィルム重ね合わせ工程S160と、フィルム溶着工程S170と、を備える。
最初に、正極引出部配置工程S110および正極合剤配置工程S120を行う。図21から図23に示すように、正極引出部配置工程S110では、第1シート121および第2シート122を形成するフィルム151(第1フィルム、第2フィルム)上に、正極引出部135を配置する。正極合剤配置工程S120では、正極合剤111を正極引出部135に導通させた状態で、フィルム151のケース123上に配置する。正極引出部135は、正極合剤111が表面に配置されて正極合剤111と導通する正極集電体112と一体形成されているので、本実施形態では、正極引出部配置工程S110および正極合剤配置工程S120は同時に行われる。
具体的に、正極引出部配置工程S110および正極合剤配置工程S120は、以下の手順で行う。最初に、図21に示すように、ケース123が形成されたラミネートフィルムからなる長方形状のフィルム151を準備する。ケース123は、例えばラミネートフィルムに絞り加工を行うことで形成される。
次に、図22に示すように、シーラントフィルム140を形成する一対のフィルム材141の一方を、それぞれ各シーラントフィルム140が配置される位置に対応させて、フィルム151の外縁上に載置する。
次に、図23に示すように、フィルム151のケース123上に、正極シート116を配置する。このとき、正極シート116には、正極引出部135が一体形成されているので、正極引出部135もフィルム151上に、フィルム材141を挟んで配置される。正極シート116は、正極合剤111がケース123の底面とは反対側を向くように配置される。
続いて、セパレータ配置工程S130を行う。図24に示すように、セパレータ配置工程S130では、正極合剤111を挟んでフィルム151とは反対側、すなわち正極合剤111上にセパレータ115を配置する。
具体的に、セパレータ115を、ケース123の開口縁上に配置する。セパレータ115は、例えば帯状の状態でリールから連続的に供給されてもよい。セパレータ115の外縁部は、ケース123の周囲においてフィルム151上に載置される。
続いて、負極合剤配置工程S140および負極引出部配置工程S150を行う。図25に示すように、負極合剤配置工程S140では、セパレータ115を挟んで正極合剤111とは反対側、すなわちセパレータ115上に負極合剤113を配置する。負極シート117は、負極合剤113がセパレータ115と対向するように配置される。負極引出部配置工程S150では、負極合剤113を挟んでセパレータ115とは反対側、すなわち負極合剤113上に負極引出部137を配置する。負極引出部137は、負極合剤113が表面に配置されて負極合剤113と導通する負極集電体114と一体形成されているので、本実施形態では、負極合剤配置工程S140および負極引出部配置工程S150は同時に行われる。
次に、シーラントフィルム140を形成する一対のフィルム材141の他方を、正極引出部135および負極引出部137上に載置する。このとき、他方の各フィルム材141は、正極引出部配置工程S110および正極合剤配置工程S120において配置された一方の各フィルム材141と重なるように配置される。
続いて、フィルム重ね合わせ工程S160を行う。図26に示すように、フィルム重ね合わせ工程S160では、フィルム151を折り目(図25に示す2点鎖線)に沿って折り曲げる。これにより、正極引出部135、正極合剤111、セパレータ115、負極合剤113および負極引出部137を挟んで、フィルム151同士を重ね合わせる。その結果、キャビティ127が形成されるとともに、セパレータ115の外縁部がキャビティ127の周囲においてフィルム151に挟まれる。
続いて、フィルム溶着工程S170を行う。フィルム溶着工程S170では、重ね合わされたフィルム151同士を、キャビティ127の周囲においてセパレータ115とともに溶着する。なお、溶着方法としては、超音波溶接や、ヒーター等を用いた溶着等の熱溶着を適用できる。
次に、フィルム151を切断線L2に沿って切断して、上述した溶着部128を形成する。
最後に、図15に示すように、各引出部135,137の外装体120よりも外側に位置する部分を、シーラントフィルム140とともに補強部材105に挟ませ、補強部材105と各引出部135,137とを接合させる。補強部材105と各引出部135,137との接合は、例えばレーザー溶接や抵抗溶接、超音波溶接、針カシメ等を単独または組み合わせることにより行うことができる。
以上により、電池101の製造が完了する。
このように、本実施形態によれば、外装体120をラミネートフィルムにより形成しているので、溶着によりキャビティ127を気密封止することができる。これにより、外装体がカシメ荷重に耐えうる強度を有する従来構成と比較して、必要がないので、外装体120を薄型化することができる。
そして、セパレータ115が外装体120に対して固定されているので、電池101の使用時にセパレータ115が外装体120の内部で変位することを抑制できる。よって、正極合剤111および負極合剤113を分離した状態を確実に維持することができるので、電池性能を安定させることができる。
したがって、従来技術と比較して薄型化が可能な電池101を提供できる。
さらに、溶着によりキャビティ127を気密封止することができるので、キャビティ127に配置される電解液の漏液を防止することができる。したがって、高い信頼性を有する電池101を提供できる。
また、ラミネートフィルムが上述した金属箔層を有する場合には、金属箔層を形成する材料として電解液に対する耐食性を有するステンレスやニッケル、銅等の材料を用いることにより、ラミネートフィルムの内側樹脂層のピンホールや亀裂等を通じて電解液が金属箔層に接触しても、金属箔層が変質することを防止できる。したがって、高い信頼性を有する電池101を提供できる。
また、セパレータ115が外装体120の溶着部128において外装体120に対して溶着された状態で固定されているので、セパレータ115の外装体120に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、電池101の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、薄型化が可能な電池101を低コストで提供できる。
また、セパレータ115は、外縁全周に亘って外装体120に対して固定されているので、キャビティ127を互いに連通不能な状態で分割することができる。これにより、正極合剤111および負極合剤113が互いに接触することを防止できるので、キャビティ127に正極合剤111および負極合剤113を広面積かつ大量に配置することが可能となる。したがって、大電流を取り出すことが可能な大容量の電池101を提供できる。
また、正極合剤111は、正極集電体112の表面に塗工された状態で配置され、負極合剤113は、負極集電体114の表面に塗工された状態で配置されている。このため、ペレット状の正極合剤や負極合剤を有する構成と比較して、正極合剤111および負極合剤113が薄く配置されるので、電池101を薄型化することができる。
また、正極合剤111と正極集電体112とを広面積で接触させることができる。負極合剤113と負極集電体114とについても同様である。よって、電池101の内部抵抗を小さくすることができる。
また、正極集電体112と一体形成され、外装体120の内部から外部に向かって延出する正極引出部135と、負極集電体114と一体形成され、外装体120の内部から外部に向かって延出する負極引出部137と、を備えるので、別部材のタブを用いることなく、外装体120の内部から外部に電極を取り出すことができる。これにより、部品点数を削減することができ、部材コストの増加を抑制することが可能となる。したがって、薄型化が可能な電池101を低コストで提供できる。
さらに、外装体120の外部には、各引出部135,137のそれぞれに導通する補強部材105が設けられているので、補強部材105を電池101の電極端子とすることができる。これにより、電極端子を正極集電体112および負極集電体114により形成する構成と比較して電極端子の強度を向上させることができる。
また、本実施形態の電池101の製造方法によれば、フィルム151をセパレータ115とともに溶着するフィルム溶着工程S170を備えるので、セパレータ115の外装体120に対する固定と、ラミネートフィルム同士の溶着と、を同時に行うことができる。よって、電池101の製造を容易に行うことができ、製造コストを削減することが可能となる。したがって、従来技術と比較して薄型化可能な電池101を低コストで製造できる。
なお、本実施形態では、外装体120が平面視矩形状に形成され、これに伴って正極シート116および負極シート117も平面視矩形状に形成されているが、これに限定されない。外装体、正極シートおよび負極シートは、平面視半円形状等、任意の形状に形成してもよい。
また、本実施形態の製造方法では、負極合剤113が塗工された負極用シート部材162を切断することにより負極シート117を形成しているが、これに限定されない。負極シート117は、負極シート117の形状に切断された金属箔上に、負極合剤113を塗工してもよい。正極シート116についても同様である。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態においては、アルカリ電池として酸化銀電池を例に挙げて説明しているが、これに限定されず、例えばアルカリマンガン電池や、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用いた電池等であってもよい。
また、上記各実施形態では、セパレータ15,115は、外縁全周に亘って外装体20,120に対して溶着されて固定されているが、これに限定されない。セパレータは、外装体に対して少なくとも一部で固定されていれば、上述した作用効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、外装体20,120を形成するラミネートフィルムが有する金属箔層は、電解液に対する耐食性を有する、例えばステンレスやニッケル、銅等の金属材料を用いて形成されているが、これに限定されない。ラミネートフィルムが有する金属箔層は、例えばアルミニウムにより形成されていてもよい。
また、上記各実施形態の製造方法では、正極合剤11,111を負極合剤13,113よりも先に配置しているが、これに限定されず、負極合剤を正極合剤よりも先に配置してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1,11…電池(アルカリ電池) 11,111…正極合剤(一方合剤) 13,113…負極合剤(他方合剤) 15,115…セパレータ 20,120…外装体 27,127…キャビティ 28,128…溶着部 31…正極タブ(第1タブ) 33…負極タブ(第2タブ) 51…第1フィルム 52…第2フィルム 112…正極集電体(集電箔) 114…負極集電体(集電箔) 135…正極引出部(引出部、第1タブ) 137…負極引出部(引出部、第2タブ) 151…フィルム(第1フィルム、第2フィルム)

Claims (8)

  1. 少なくとも融点の異なる二層の樹脂層を有するラミネートフィルムにより形成され、正極合剤および負極合剤をセパレータで分離して収容した外装体を備え、
    前記セパレータは、前記外装体に固定されている、
    ことを特徴とするアルカリ電池。
  2. 前記外装体は、前記正極合剤および前記負極合剤を間に挟んだ状態で前記ラミネートフィルムを重ね合わせて形成され、
    前記外装体は、
    前記正極合剤および前記負極合剤が配置されたキャビティと、
    前記キャビティの周囲において、積層された前記ラミネートフィルム同士が溶着された溶着部と、
    を備え、
    前記セパレータは、前記溶着部において前記外装体に対して溶着された状態で固定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池。
  3. 前記セパレータは、外縁全周に亘って前記外装体に対して固定され、前記キャビティを分割している、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアルカリ電池。
  4. 前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれは、集電箔の表面に塗工された状態で配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルカリ電池。
  5. 前記集電箔と一体形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出する引出部を備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ電池。
  6. 少なくとも融点の異なる二層の樹脂層を有するラミネートフィルムにより形成され、正極合剤および負極合剤をセパレータで分離して収容した外装体を備えるアルカリ電池の製造方法であって、
    前記ラミネートフィルムにより形成された第1フィルム上に、金属材料により形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出される第1タブを配置する第1タブ配置工程と、
    前記正極合剤および前記負極合剤のいずれか一方合剤を前記第1タブに導通させた状態で前記第1フィルム上に配置する第1合剤配置工程と、
    前記一方合剤を挟んで前記第1フィルムとは反対側に前記セパレータを配置するセパレータ配置工程と、
    前記セパレータを挟んで前記一方合剤とは反対側に、前記正極合剤および前記負極合剤の他方合剤を配置する第2合剤配置工程と、
    前記他方合剤を挟んで前記セパレータとは反対側に、金属材料により形成され、前記外装体の内部から外部に向かって延出されるとともに、前記他方合剤に導通された第2タブを配置する第2タブ配置工程と、
    前記第1タブ、前記正極合剤、前記セパレータ、前記負極合剤および前記第2タブを挟んで、前記ラミネートフィルムにより形成された第2フィルムを前記第1フィルムに重ね合わせるフィルム重ね合わせ工程と、
    前記第1フィルムおよび前記第2フィルムを、前記セパレータとともに溶着するフィルム溶着工程と、
    を備えることを特徴とするアルカリ電池の製造方法。
  7. 前記アルカリ電池は、前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれに導通する集電箔を備え、
    前記正極合剤および前記負極合剤のうち少なくともいずれか一方は、前記集電箔に塗工される、
    ことを特徴とする請求項6に記載のアルカリ電池の製造方法。
  8. 前記アルカリ電池は、前記正極合剤および前記負極合剤のそれぞれに導通する集電箔を備え、
    前記正極合剤および前記負極合剤のうち少なくともいずれか一方は、ジェル状に形成され、前記集電箔上に載置された後に加圧されて薄く延ばされる、
    ことを特徴とする請求項6に記載のアルカリ電池の製造方法。
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