JP2020072061A - 電気化学セル及び電気化学セルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電極体2と、有底筒状の第1容器17及び第2容器18が重ね合わせられて電極体2を収容する収容部12が形成された外装体10と、収容部12に配置されて内面の一部を覆うように設けられる第2シーラントリング37と、収容部12に第2シーラントリング37を介して第2容器18と接するように配置され、電極体2と電気的に接続される外部電極端子を構成するアルミニウムプレート38とを備え、第2シーラントリング37が、第2容器18の第2底壁部31とアルミニウムプレート38との間に介在して第2容器18の第2底壁部31の内面全体を覆うとともに、外周端37aが第2容器18の第2周壁部32の一部を覆うように第2周壁部32に沿って折り曲げられてなる。
【選択図】図2
Description
さらに、図7中に示すように、例えば、金属からなる外部接続端子138の外周端138a付近に、打ち抜き加工時に生じたバリBが残存していると、上記の領域Nにおいて、外装体110の内面側に配置される樹脂層を傷つけてしまい、上記同様、電池としての信頼性が低下するという問題がある。
[電気化学セルの構成]
図1〜3は、本発明に係る電気化学セルの第1実施形態であるリチウムイオン二次電池(以下、単に電池と略称する場合がある)1について説明する図であり、図1は電池1の全体を示す斜視図、図2は断面図、図3は要部拡大断面図である。図1〜3に示すように、本実施形態の電池1は、所謂ボタン(コイン)型の電池である。この電池1は、電極体2と、電極体2に含浸される電解質溶液(図示せず)と、電極体2が収容された外装体10とを備えている。
また、正極電極4としても、特に限定されないが、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質と、導電助剤と、バインダとを含むものを用いることができる。
さらに、これら負極電極3及び正極電極4に含浸される図視略の電解質としても、特に限定されないが、例えば、支持塩を有機溶媒等の非水溶媒に溶解させた電解液を用いることができ、その組成としても、電解液に求められる耐熱性や粘度等を勘案しながら適宜採用できる。
金属シートは、例えば、アルミニウムやステンレス材料等を用いて形成される。
融着層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて形成される。ポリオレフィンとしては、例えば、高圧法低密度ポリエチレンや低圧法高密度ポリエチレン、インフレーションポリプロピレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン等の材質が挙げられる。
保護層は、上述のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン等を用いて形成される。
融着層及び保護層は、それぞれ、金属シートとの間に接合層を介して、熱融着又は接着剤によって接合される。
第1底壁部21の内面には、第1シーラントリング24を介して、負極側の外部電極端子を構成する銅プレート25が熱融着されている。第1シーラントリング24は、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて形成された、シーラントフィルムをリング状に加工したものであり、中心軸Oと同軸に形成された貫通孔24bが設けられている。
金属シート18bは、第1容器17における金属シートと同じ金属材料を用いて形成される。
融着層18aは、第1容器17における融着層と同じ熱可塑性樹脂を用いて形成される。
保護層18cは、第1容器17における保護層と同じ熱可塑性樹脂を用いて形成される。
第2周壁部32は、収容部12の外周12aを形成する。
第2底壁部31には、中心軸Oと同軸に形成された第2貫通孔35が設けられている。
第2底壁部31の内面には、第2シーラントリング37を介して、正極側の外部電極端子を構成するアルミニウムプレート38が熱融着されている。第2シーラントリング37は、第1シーラントリング24と同様に、熱可塑性樹脂によってリング状に形成されており、中心軸Oと同軸に形成された貫通孔37bが設けられている。
折曲部33の融着層18aと第1周壁部22の融着層とを熱融着する手段としては、例えば、ヒータやレーザー等の熱源を用いる熱融着が挙げられる。また、折曲部33の融着層18aと第1周壁部22との融着層とは、熱融着の他、例えば、超音波溶接等を用いて融着することが可能である。
即ち、第1シーラントリング24は、図2中に示すように、第1容器17の第1底壁部21の内面の一部を覆うように設けられ、平面視略円形状(リング状)に構成されており、外部電極端子を構成する銅プレート25が、第1シーラントリング24を介して第1底壁部21に接している。
また、仮に、アルミニウムプレート38の外周部に、打ち抜き加工時に発生したバリ等が残留している場合であっても(図7の従来図を参照)、第2容器18の内面側に配置される樹脂製の融着層18aを突き破ったりすることがないので、電池1の信頼性がより高められる。
また、アルミニウムプレート38と第2容器18の第2底壁部31との間に第2シーラントリング37が確実に存在するので、安定したシール部構造が得られ、電池1の信頼性がさらに向上する。
さらに、アルミニウムプレート38、第2シーラントリング37及び第2容器18の第2底壁部31を融着する工程において、アルミニウムプレート38及び第2シーラントリング37による押圧で、第2容器18の外面に段差が生じるのを防止でき、電池1の表面における平坦性が確保される。これにより、電池1の外面への印字性が向上し、優れた印字品質が得られる。
次に、本発明の電気化学セルの一実施形態であるリチウムイオン二次電池1を製造する方法について、上記同様、図1〜図3を参照しながら説明する。
本実施形態の電池1の製造方法は、少なくとも、以下の(1),(2)に示すような組付工程及び封止工程を備える。
(1)組付工程:
有底筒状とされた第1容器17及び第2容器18からなる外装体10の収容部12に、正極電極4及び負極電極3を含む電極体2、この電極体2と電気的に接続される外部電極端子を構成する銅プレート25、ニッケルプレート26、アルミニウムプレート38及びニッケルプレート39、第1シーラントリング24及び第2シーラントリング37を配置する。この際、少なくとも、第2シーラントリング37を、第2容器18の第2底壁部31とアルミニウムプレート38との間に介在するように配置し、且つ、第2底壁部31の内面全体を覆うとともに、外周端37aを、第2容器18の第2周壁部32の一部を覆うように該第2周壁部32に沿って折り曲げて配置する。
(2)封止工程2:
収容部12の外周12a側を封止して封止部15を形成し、外装体10を密封することで電池1を得る。
まず、組付工程においては、略円板状とされた図視略の第1容器素材の内面側に、第1シーラントリング24を介して銅プレート25を熱融着するとともに、第1貫通孔(図2の第1貫通孔23を参照)から露出する位置に対応するように、銅プレート25にニッケルプレート26を溶接する。これにより、銅プレート25及びニッケルプレート26からなる負極側の外部電極端子を形成する。なお、組付工程においては、例えば、銅プレート25をニッケル製とした場合には、ニッケルプレート26を省略することも可能である。
次に、封止工程においては、まず、内部に各部材が収容された第2容器素材に第1容器素材を重ね合わせた後、第2容器素材のフランジ部と第1容器素材の平板部とを熱融着して封止し、環状の熱融着部を形成して一体化する。
そして、絞り成形した封止部15から余剰の外周縁を切断し、本実施形態の電池1を得る。
これにより、アルミニウムプレート38が外装体10を構成する第2容器18の内面側を傷つけるのを防止できるので、信頼性の高い電池1を製造できる。
また、アルミニウムプレート38と第2容器18との間に第2シーラントリング37が確実に存在した状態で各部材を組み付けることができるので、安定したシール部構造が得られ、信頼性がより向上した電池1を製造できる。
さらに、アルミニウムプレート38、第2シーラントリング37及び第2容器18の第2底壁部31を融着する際、アルミニウムプレート38及び第2シーラントリング37による押圧で、第2容器18の外面に段差が生じるのを防止でき、電池1の表面における平坦性を確保できる。これにより、外面への各種情報の印字性に優れた電池1を製造できる。
次に、本発明に係る電気化学セルの第2実施形態であるリチウムイオン二次電池50について、主に図4を参照しながら説明する。なお、以下に記す電池50の説明においては、第1実施形態で説明した電池1と同様の構成については、同じ符号を用いて説明するとともに、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、電池50は、平面視長円形状(角丸長方形状)とされている点を除き、基本的な構成は第1実施形態の電池1と同様である。
次に、本発明に係る電気化学セルの第3実施形態であるリチウムイオン二次電池60について、図5を参照しながら説明する。なお、以下に記す電池60の説明においても、第1実施形態で説明した電池1と同様の構成については、一部、図1〜3中に示した符号と同じ符号を付して説明するとともに、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、電池60は、平面視で矩形状とされている点を除き、基本的な構成は第1実施形態の電池1と同様である。
本発明に係る電気化学セルにおいては、上記各実施形態に示したリチウムイオン二次電池の構成に限定されるものではなく、さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
以上説明したように、本発明に係る電気化学セルの実施形態であるリチウムイオン二次電池1によれば、上記構成を採用することにより、例えば、外部接続端子を構成するアルミニウムプレート38や第2シーラントリング37の寸法のばらつき、アルミニウムプレート38と第2シーラントリング37とを融着する際の位置のばらつき等が存在する場合でも、アルミニウムプレート38が外装体10を構成する第2容器18の内面と接触することがない。これにより、アルミニウムプレート38が第2容器18の内面側を傷つけるのを防止できるので、電池(電気化学セル)としての信頼性が向上する。また、アルミニウムプレート38と第2容器18との間に第2シーラントリング37が確実に存在するので、安定したシール部構造が得られ、電池としての信頼性がより高められる。さらに、アルミニウムプレート38、第2シーラントリング37及び第2容器18を融着する工程において、アルミニウムプレート38及び第2シーラントリング37による押圧で、第2容器18の外面側に段差が生じるのを防止でき、平坦性が確保されるので、電池1の外面への印字性が向上し、優れた印字品質が得られる。
従って、高い信頼性を有するとともに、表面の印字性に優れ、且つ、小型サイズで充分な放電容量が得られる電池1が実現できる。
従って、高い信頼性を有するとともに、表面の印字性に優れ、且つ、小型サイズで充分な放電容量が得られる電池1を製造することが可能になる。
2………電極体
3………負極電極
4………正極電極
10……外装体
17……第1容器(第1部材)
21…第1底壁部(底壁部)
22…第2周壁部(周壁部)
23…第1貫通孔(貫通孔)
18……第2容器(第2部材)
31…第2底壁部(底壁部)
32…第2周壁部(周壁部)
35…第2貫通孔(貫通孔)
12……収容部
12a…外周
15…封止部
25…銅プレート(外部電極端子:負極電極側)
26…ニッケルプレート(外部電極端子:負極電極側)
38…アルミニウムプレート(外部電極端子:正極電極側)
39…ニッケルプレート(外部電極端子:正極電極側)
24…第1シーラントリング(シーラントフィルム:第1容器側)
24b…貫通孔
37…第2シーラントリング(シーラントフィルム:第2容器側)
37a…外周端
37b…貫通孔
O…中心軸
Claims (7)
- 正極電極及び負極電極を含む電極体と、
有底筒状とされた第1部材及び第2部材が重ね合わせられてなり、前記第1部材と前記第2部材とで内部を密封することで、前記電極体を収容する収容部が形成された外装体と、
前記収容部に配置され、前記外装体の内面の少なくとも一部を覆うように設けられるシーラントフィルムと、
前記収容部に、前記シーラントフィルムを介して前記外装体と接するように配置され、前記電極体と電気的に接続されるとともに、外部と電気的に接続可能に設けられる外部電極端子と、を備え、
前記シーラントフィルムは、少なくとも、前記第2部材の底壁部と前記外部電極端子との間に介在するように設けられ、前記第2部材の底壁部の内面全体を覆うとともに、外周端が、前記第2部材の周壁部の少なくとも一部を覆うように前記周壁部に沿って折り曲げられている、ことを特徴とする電気化学セル。 - 前記シーラントフィルムは、前記第2部材の前記底壁部及び前記周壁部の内面全体を覆うように設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
- 前記外装体は、少なくとも前記第2部材がラミネート部材からなる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気化学セル。
- 前記第2部材及び該第2部材の内面を覆う前記シーラントフィルムに、前記外部電極端子を外部に露出させる貫通孔が、それぞれ同軸に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電気化学セル。
- 前記収容部の外周側に、前記第1部材及び前記第2部材が融着された状態で、前記収容部の外周に沿って折り曲げられた封止部を備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電気化学セル。
- さらに、前記第1部材の底壁部と前記電極体との間に外部電極端子が設けられ、該外部電極端子が、前記シーラントフィルムを介して前記第1部材の底壁部と接している、ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電気化学セル。
- 少なくとも、
有底筒状とされた第1部材及び第2部材からなる外装体の収容部に、正極電極及び負極電極を含む電極体、該電極体と電気的に接続される外部電極端子、及びシーラントフィルムを配置する組付工程と、
前記収容部の外周側を封止して密封する封止工程と、を含み、
前記組付工程は、前記第2部材の内面側において、前記シーラントフィルムを、少なくとも前記第2部材の底壁部と前記外部電極端子との間に介在するように配置し、且つ、前記第2部材の底壁部の内面全体を覆うとともに、外周端を、前記第2部材の周壁部の少なくとも一部を覆うように前記周壁部に沿って折り曲げて配置する、ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
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