JP6767846B2 - 電気化学セルおよび電気化学セルの製造方法 - Google Patents

電気化学セルおよび電気化学セルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学セルおよび電気化学セルの製造方法に関するものである。
非水電解質二次電池、電気二重層キャパシタなどの電気化学セルとして、ボタン形(以下、コイン形も含む)に形成されたものがある。ボタン形の電気化学セルは、各種デバイスの電源などに利用されている。ボタン形の電気化学セルの1つの形態として、例えば下記特許文献1のような電池が提案されている。
特許文献1には、負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに該絶縁ガスケットを前記正極ケースが径方向及び高さ方向に圧縮する、かしめ加工によりかしめられた封口構造を有し、その内部にリチウム含有酸化物の正極、及び炭素質材料の負極をセパレータを介して、帯状に捲回又は多層積層した電極群を非水電解質とともに内包した扁平形非水電解質二次電池が開示されている。
特開2002−298803号公報
しかしながら、負極ケースおよび正極ケースをカシメ加工すると、負極ケースや正極ケースに傷が入り、電池の内部の密閉性が低下する場合がある。また、カシメ加工時に異物を挟み込み、その異物により負極ケースと正極ケースとの間に隙間が形成され、電池の内部の密閉性が低下する場合がある。さらに、カシメにより封止する構成とすることで、機械的に気密性を高めるため、負極ケースおよび正極ケースに対してカシメに耐えうる強度を持たせる必要が生じる。このため、負極ケースおよび正極ケースの厚さが増大し、発電素子を収容する有効体積が減少して、エネルギー密度が小さくなる。したがって、従来のボタン形の電気化学セルにあっては、密閉性を向上させて信頼性を向上させるとともに、エネルギー密度を向上させるという点で改善の余地がある。
そこで本発明は、信頼性が高く、かつエネルギー密度の高いボタン形の電気化学セルを提供するものである。また、エネルギー密度の高い電気化学セルを、高品質かつ低コストで製造可能な電気化学セルの製造方法を提供するものである。
本発明の電気化学セルは、正極体および負極体を含む電極体と、第1部材および第2部材を重ね合わせて形成され、前記電極体が収容される外装体と、前記正極体および前記負極体にそれぞれ接続され、前記外装体の外部へ導出された一対の電極端子と、樹脂材料を含む一対のフィルムを重ね合わせて形成され、前記電極端子を挟み込むシーラントフィルムと、を備え、前記外装体は、前記第1部材および前記第2部材のうち少なくとも一方の部材に形成され、前記電極体が収容される収容部と、前記収容部の周囲において、前記第1部材と前記第2部材とが重なり合う周縁部と、を備え、前記収容部の内部は、前記周縁部において前記第1部材と前記第2部材とが溶着された状態で封止され、前記電極端子は、前記周縁部において、前記シーラントフィルムを介して前記第1部材および前記第2部材に挟み込まれ、前記シーラントフィルムは、前記周縁部において、前記収容部を囲うように全周に亘って配置されるとともに、前記第1部材および前記第2部材に溶着された状態で固定されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、収容部の内部が第1部材と第2部材との溶着により封止されているので、周縁部における第1部材と第2部材との間に傷や異物等が存在しても、第1部材や第2部材を溶融させて傷や異物等の周囲に回り込ませることができる。これにより、周縁部において第1部材と第2部材との間に隙間が生じることを防止でき、収容部の内部の密閉性を向上させることが可能となる。よって、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
また、収容部が第1部材と第2部材とのカシメにより封止される場合、第1部材および第2部材に対してカシメに耐えうる強度を持たせるために、第1部材および第2部材の厚さを所定値以上確保する必要がある。本発明によれば、収容部の内部が第1部材と第2部材との溶着により封止されているので、収容部が第1部材と第2部材とのカシメにより封止される構成と比較して、第1部材および第2部材を薄くすることができる。これにより、収容部の内部の体積を大きく確保でき、電気化学セルのエネルギー密度を向上させることができる。
以上により、信頼性が高く、かつエネルギー密度の高いボタン形の電気化学セルが得られる。
さらに、電極端子は、周縁部において、シーラントフィルムを介して第1部材および第2部材に挟み込まれているため、電極端子と、第1部材および第2部材と、の間を確実に密着させることができる。
ここで、周縁部において、シーラントフィルムが収容部を囲うように断続的に配置されると、シーラントフィルムの端部には、第1部材と第2部材との間にシーラントフィルムが配置された領域と、第1部材と第2部材とが直接重なり合う領域と、の境界が形成される。この境界では、第1部材と第2部材とシーラントフィルムとの溶着が不完全となり、収容部の内部と外装体の外部とを連通するリークパスが形成されて、収容部の内部の密閉性が低下する場合がある。本発明によれば、シーラントフィルムは、周縁部において、収容部を囲うように全周に亘って配置されるとともに、第1部材および第2部材に溶着しているので、収容部の内部と外装体の外部とを連通するリークパスが形成されることを防止できる。
以上により、収容部の内部の密閉性をより向上させ、電気化学セルの信頼性をより向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記第1部材および前記第2部材は、金属材料および樹脂材料を含むラミネートフィルムにより形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、ラミネートフィルムは、金属箔と比較して柔軟なため、第1部材および第2部材が金属箔により形成される構成と比較して、外装体の製造時の加工性を向上させることができる。したがって、外装体の製造コストを低減でき、低コストな電気化学セルとすることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記第1部材および前記第2部材のうち少なくともいずれか一方の部材は、金属材料により形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、第1部材および第2部材が樹脂材料により形成される構成と比較して、外装体の強度を高めることができる。これにより、外装体に収容された電極体に外力が作用することを抑制して、電極体が破損することを抑制できる。したがって、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記金属材料は、ステンレス鋼である、ことが望ましい。
本発明によれば、金属材料として銅またはニッケルが用いられる場合と比較して、第1部材および第2部材のうち少なくともいずれか一方の部材を安価に形成することができる。したがって、外装体の製造コストを低減でき、低コストな電気化学セルとすることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部は、矩形枠状に形成され、前記電極端子は、前記周縁部の角部から、前記外装体の外部へ導出されている、ことが望ましい。
本発明によれば、電極端子を周縁部の外形形状における対角線に沿うように配置できる。このため、電極端子が矩形枠状の周縁部の角部以外の部分から導出される構成と比較して、電極端子とシーラントフィルムとが接触する部分における、収容部の内部から外装体の外部への距離を大きく設けることができる。これにより、電極端子とシーラントフィルムとが接触する部分を介して外装体の外部から収容部の内部へ侵入する水分の量を低減でき、電気化学セルの劣化を防止できる。したがって、電気化学セルの信頼性をより向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記電極体は、セパレータを介して前記正極体および前記負極体を積層した状態で捲回され、前記電極体は、前記電極端子に接続される一対のタブを備え、前記一対のタブは、前記正極体および前記負極体の外周部から延びている、ことが望ましい。
本発明によれば、一対のタブは、正極体および負極体の外周部から延びているので、各タブ同士を離間して配置することが可能となる。このため、各タブと電極端子とを溶接等により接続する際に、各タブ同士の短絡を容易に防止できる。よって、電気化学セルの製造時における作業効率の低下を抑制できる。したがって、低コストな電気化学セルとすることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記一方の部材には、前記外装体の内部において前記正極体および前記負極体のうちいずれか一方が接続している、ことが望ましい。
本発明によれば、第1部材および第2部材のうち金属材料により形成された一方の部材を正極端子または負極端子として機能させることができる。これにより、外装体の内部から外部へ導出される電極端子を削減できる。したがって、電気化学セルの製造コストを低減できる。
上記の電気化学セルにおいて、前記第1部材および前記第2部材のうちいずれか一方の部材は、平板状に形成され、前記第1部材および前記第2部材のうち他方の部材には、前記収容部が形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、第1部材および第2部材のうち一方の部材が平板状に形成されるので、外装体の製造コストを低減できる。したがって、低コストな電気化学セルとすることができる。
また、第1部材と第2部材との両方に収容部を形成する場合は、特に小型の電気化学セルでは、第1部材と第2部材とを重ね合せる際の位置精度を高くする必要があり、製造コストの増大につながる。これに対して、第1部材と第2部材のうち他方の部材に収容部を設けることで、第1部材と第2部材とを重ね合せる際の位置精度を緩和できる。すなわち、小型でかつ密閉性に優れた電気化学セルを低コストで提供することが可能になる。
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部は、前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向における前記収容部とは反対側に向かって折り返されている、ことが望ましい。
本発明によれば、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た周縁部の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い電気化学セルが得られる。
さらに、周縁部の一部を集電端子として用いる場合は、周縁部が折り返されていることで機械的強度を高めることが可能になる。このため、外部配線と集電端子との間で接触不良が生じる可能性を低減でき、電気化学セルの信頼性をさらに向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部は、前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向における前記収容部側に向かって折り曲げられている、ことが望ましい。
本発明によれば、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た周縁部の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い電気化学セルが得られる。
さらに、周縁部の一部を集電端子として用いる場合は、周縁部が折り曲げられていることで機械的強度を高めることが可能になる。このため、外部配線と集電端子との間で接触不良が生じる可能性を低減でき、電気化学セルの信頼性をさらに向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部は、前記収容部の外周面に沿うように配置されている、ことが望ましい。
本発明によれば、周縁部が収容部から離間する方向に沿って突出する構成と比較して、外装体の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い電気化学セルが得られる。
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部と前記収容部の外周面との間には隙間が設けられている、ことが望ましい。
本発明によれば、周縁部に加熱されたヒーター等の部材を押し当てて第1部材と第2部材とを溶着する場合に、ヒーター等の部材を周縁部と収容部との間の隙間に配置して、周縁部の両面から周縁部を挟み込むことができる。このため、周縁部を確実に加熱して第1部材と第2部材とを溶着することができる。これにより、収容部の内部と外装体の外部とを連通するリークパスが形成されることを防止できる。したがって、収容部の内部の密閉性をより向上させ、電気化学セルの信頼性をより向上させることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記収容部は、前記第1部材および前記第2部材の両方に形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、収容部が第1部材および第2部材のうちいずれか一方の部材に形成される構成と比較して、第1部材および第2部材のそれぞれに形成される収容部の深さを浅くすることができる。これにより、絞り加工により形成された収容部における第1部材および第2部材の強度の低下を抑制できる。したがって、高品質な電気化学セルとすることができる。
上記の電気化学セルにおいて、前記第1部材および前記第2部材は、一体に形成されている、ことが望ましい。
本発明によれば、部品点数を削減することができ、低コストな電気化学セルとすることができる。
本発明の電気化学セルの製造方法は、上記の電気化学セルの製造方法であって、前記第1部材および前記第2部材のうち前記周縁部に対応する部分を前記収容部の外周面に沿うように曲げる曲げ工程と、前記周縁部を溶着させる溶着工程と、を備え、前記溶着工程を前記曲げ工程の後に行う、ことを特徴とする。
周縁部が収容部の外周面に沿うように配置された電気化学セルを製造する場合、周縁部を収容部の外周面に沿うように曲げる必要がある。第1部材と第2部材とが溶着されて一体化した周縁部は、第1部材および第2部材のそれぞれよりも厚くなる。このため、第1部材と第2部材とが溶着されて一体化した周縁部は、第1部材および第2部材のそれぞれの周縁部に対応する部分を各別に曲げる場合よりも曲げにくくなる。さらに、第1部材と第2部材とが溶着されて一体化した周縁部を曲げると、第1部材および第2部材のそれぞれの周縁部に対応する部分を各別に曲げる場合よりも、周縁部に大きな負荷がかかる。
本発明によれば、溶着工程を曲げ工程の後に行うので、周縁部に対応する部分を容易に曲げることができる。このため、外装体を容易に形成することが可能となり、製造コストを低減できる。さらに、溶着工程を曲げ工程の後に行うので、曲げ工程を溶着工程の後に行う場合と比較して周縁部にかかる負荷を小さくできるため、周縁部が破損することを防止でき、品質の低下を防止できる。しかも、周縁部が収容部の外周面に沿うように配置されるので、外装体の外形を小さくすることができ、エネルギー密度の高い電気化学セルが得られる。したがって、エネルギー密度の高い電気化学セルを、高品質かつ低コストで製造できる。
本発明の電気化学セルによれば、信頼性が高く、かつエネルギー密度の高いボタン形の電気化学セルが得られる。
本発明の電気化学セルの製造方法によれば、エネルギー密度の高い電気化学セルを、高品質かつ低コストで製造できる。
第1実施形態に係る電池の斜視図である。 第1実施形態に係る電極体の斜視図である。 第1実施形態に係る電池の分解斜視図である。 第1実施形態に係る電池の分解斜視図である。 第1実施形態に係るシーラントフィルムおよび電極端子の斜視図である。 第1実施形態の第1変形例に係る電池の斜視図である。 第1実施形態の第2変形例に係る電池の斜視図である。 第2実施形態に係る電池の平面図である。 第2実施形態に係る電池の側面図である。 第2実施形態に係る第1シートおよび第2シートの斜視図である。 第2実施形態の第1変形例の斜視図である。 第2実施形態の第1変形例の斜視図である。 第2実施形態の第2変形例の斜視図である。 第3実施形態に係る電池の斜視図である。 第3実施形態に係る電池の縦断面図である。 第4実施形態に係る電池の斜視図である。 第4実施形態に係る電池の縦断面図である。 第4実施形態に係る外装体の製造方法を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る外装体の製造方法を説明する工程図であり、図17に相当する断面図である。 第4実施形態に係る外装体の製造方法を説明する工程図であり、図17に相当する断面図である。 第4実施形態に係る外装体の製造方法を説明する工程図であり、図17に相当する断面図である。 第4実施形態に係る外装体の製造方法の変形例を説明する図であって、収容部の中心軸を通る縦断面の拡大図である。 第4実施形態の変形例に係る電池の斜視図である。 第4実施形態の変形例に係る電池の斜視図である。 第4実施形態の変形例に係る電池の縦断面図である。 第5実施形態に係る電池の斜視図である。 第5実施形態に係る第1シートおよび第2シートの斜視図である。 第6実施形態に係る電池の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、ボタン形の電気化学セルとして、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態の電池1について説明する。
(電池)
図1は、第1実施形態に係る電池の斜視図である。
図1に示すように、電池1は、正極体11および負極体12を含む電極体10と、電極体10が収容された外装体20と、正極体11および負極体12にそれぞれ接続された一対の電極端子30と、電極端子30を挟み込むシーラントフィルム40と、を備えている。
図2は、第1実施形態に係る電極体の斜視図である。
図2に示すように、電極体10は、帯状の正極体11および負極体12を重ねて捲回された円柱状に形成されている。より具体的には、電極体10は、長尺帯状の正極体11および負極体12が、図示しないセパレータを介して積層された状態で、捲回軸P周りに捲回された構造を有している。なお、電極体10は、正極体11および負極体12の捲回時に用いる巻芯を捲回軸P上に備えていてもよい。
ここで、巻芯として、金属材料または樹脂材料により形成されている巻芯を用いてもよい。また、巻芯を電池封止後も外装体20内に残す場合において、その巻芯の材質として樹脂材料を用いる場合、当該巻芯を中空構造にすると、より電池1の軽量化を実現することができる。また、巻芯の材質として金属材料を用いる場合は、当該巻芯を、電極体10の集電体から電極体10の外で電気を取り出すリード線の機能を持たせた捲回軸として利用することも可能である。その際、それぞれ絶縁された2本の捲回軸を用いることで、正負極のリードとして用いることも可能である。
電極体10は、電極端子30に接続される正極タブ13(タブ)および負極タブ14(タブ)を備えている。各タブ13,14は、正極体11および負極体12の外周部からそれぞれ延びている。正極タブ13は、正極体11の正極集電体(集電箔)と電気的に接続されている。負極タブ14は、負極体12の負極集電体(集電箔)と電気的に接続されている。各タブ13,14は、それぞれ集電体と一体に形成されていてもよいし、集電体と別体で形成されてそれぞれ集電体に溶接等により取り付けられていてもよい。なお、集電体に、タブ13,14を取り付ける場合、タブ13,14の端面や溶接時に発生したばりが、その他の部材に対して傷を付ける可能性があるので、タブ13,14に絶縁性のテープを貼ることが望ましい。また、各電極体11,12の対向する面において、活物質を含む電極が塗工されていない部分(集電体が露出している部分)は、テープ等で覆うことにより絶縁することが望ましい。
なお、本実施形態では、正極タブ13および負極タブ14は、正極体11および負極体12の外周部から延びているが、これに限定されない。正極タブおよび負極タブは、正極体および負極体の内周部から延びていてもよいし、正極タブおよび負極タブのうち一方が外周部から延び、他方が内周部から延びていてもよい。ただし、各タブを外周部から延出させることで、正極タブと負極タブとを離間して配置することが可能となる。このため、各タブと電極端子30とを溶接等により接続する際に、各タブの短絡を容易に防止できる。よって、作業効率の低下を抑制できる点で、本実施形態のように各タブ13,14を外周部から延出させる構成とすることが好ましい。
図1に示すように、外装体20は、第1シート21(第1部材)および第2シート22(第2部材)を重ね合わせて形成されている。外装体20は、円筒状の収容部23と、収容部23の周囲において第1シート21と第2シート22とが重なり合った周縁部24と、を備えている。
第1シート21および第2シート22は、金属箔と、重ね合わせ面(内側面)に設けられた樹脂製の融着層と、外側面に設けられた樹脂製の保護層と、を有するラミネートフィルムにより形成されている。金属箔は、例えばステンレスやアルミニウムなどの外気や水蒸気を遮断する金属材料を用いて形成され、前記金属箔と前記融着層の間に予め防錆処理を施すことができる。重ね合わせ面の融着層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて形成される。ポリオレフィンとして以下の材質を適宜選択できる。ポリオレフィンとしては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)や低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、インフレーションポリプロピレン(IPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(L−LDPE、メタロセン触媒仕様)のいずれかの材質を用いることができる。特に、ポロプロピレン樹脂が好ましい。外側面の保護層は、例えば、上述のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等を用いて形成される。重ね合わせ面の融着層および外側面の保護層は、それぞれ金属箔との間に接合層を介して、熱融着または接着剤により接合される。
図3および図4は、第1実施形態に係る電池の分解斜視図である。
図3に示すように、第1シート21には、有底円筒状の収容部23が形成されている。収容部23の中心軸方向における寸法は、例えば5.4mm程度になっている。また、収容部23の外径は、例えば7.9mm程度や11.6mm程度になっている。収容部23は、その内部に電極体10を収容する。収容部23の内部において、電極体10は、捲回軸P(図2参照)が収容部23の中心軸と略一致するように配置されている。
第2シート22は、矩形平板状に形成されている。
図1に示すように、周縁部24は、収容部23の底部とは反対側の端部から、収容部23の径方向外側に向かって張り出している。周縁部24は、矩形枠状に形成されている。周縁部24における第1シート21の角部には、切欠部25が形成されている。本実施形態では、一対の切欠部25は、周縁部24における第1シート21の同一対角線上に位置する一対の角部にそれぞれ形成されている。
収容部23の内部は、周縁部24において第1シート21と第2シート22とが後述するシーラントフィルム40を挟んで溶着された状態で封止されている。第1シート21と第2シート22との溶着方法としては、超音波溶着や、ヒーター等を用いた溶着、レーザー溶着等の熱溶着を、必要に応じて組み合わせて適用することができる。
図4に示すように、シーラントフィルム40は、周縁部24における第1シート21と第2シート22との間に配置されている。シーラントフィルム40は、例えばポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂により形成された一対のフィルムを重ね合わせて形成され、後述する一対の電極端子30を挟み込んでいる。シーラントフィルム40は、周縁部24に対応する矩形枠状に形成されている。図1に示すように、シーラントフィルム40は、周縁部24において、収容部23を囲うように全周に亘って配置されている。シーラントフィルム40は、第1シート21および第2シート22に溶着された状態で固定されている。
なお、シーラントフィルム40を形成する際に重ね合わされるフィルムは、融点の異なる材質を積層して形成することが好ましい。具体的に、フィルム同士の重ね合わせ面側には融点の高い材質を用い、外側には融点の低い材質を用いることが好ましい。これにより、外装体20の各シート21,22における重ね合わせ面の融着層との密着性を向上させることができる。
また、シーラントフィルム40を形成する一対のフィルム同士の間に、融点の高い不織布を介在してもよい。これにより、熱溶着時に樹脂材料が溶け、加圧によって横方向に樹脂が流れることを防ぐことができる。
シーラントフィルム40を形成するポリオレフィンとしては以下の材質を適宜選択できる。ポリオレフィンとしては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)や低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、インフレーションポリプロピレン(IPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(L−LDPE、メタロセン触媒仕様)のいずれかの材質を用いることができる。また、上述のオレフィンを適当な配合で混合したブレンドポリマーを用いることで、外装体20の各シート21,22における重ね合わせ面の融着層よりも低い融点を有する材質とすることが好ましい。
図3に示すように、電極端子30は、帯状に形成されている。電極端子30を形成する材料としては、電極端子30を電池の正極や電気二重層キャパシタ用として用いる場合は、アルミニウムやアルミニウム合金等が好適である。また、電極端子30を電池の負極として用いる場合は、ニッケルやニッケル合金、ニッケルめっきを施した銅等が好適である。一対の電極端子30は、収容部23の内部において電極体10に接続されるとともに、外装体20の周縁部24と交差して、周縁部24の角部に形成された切欠部25から外装体20の外部へ導出されている。電極端子30は、第2シート22の角部により支持されている(図1参照)。一対の電極端子30は、周縁部24と交差する位置において、シーラントフィルム40を形成する一対のフィルムに挟み込まれている。これにより、一対の電極端子30は、シーラントフィルム40を介して第1シート21および第2シート22に挟み込まれている。電極端子30は、シーラントフィルム40の角部において、第1シート21および第2シート22の重ね合わせ方向における第1シート21側の面が露出するように設けられている。
図3および図5に示すように、一対の電極端子30のうち一方の電極端子30は、収容部23の内部において、周縁部24の内周縁から、電極体10と収容部23の内周面との間に延びている。一方の電極端子30は、電極体10と収容部23の内周面との間において、正極タブ13および負極タブ14のうちいずれか一方と接続している。一対の電極端子30のうち他方の電極端子30は、収容部23の内部において、周縁部24の内周縁から、電極体10と収容部23の内周面との間を通って、電極体10と収容部23の底部の内面との間に延びている。他方の電極端子30は、電極体10と収容部23の底部の内面との間において、正極タブ13および負極タブ14のうち他方と接続している。なお、各電極端子30の形状は上述した形状に限定されず、正極タブ13および負極タブ14の形状や位置に応じて適宜変更してもよい。
このように、本実施形態によれば、収容部23の内部が第1シート21と第2シート22との熱溶着により封止されているので、周縁部24における第1シート21と第2シート22との間に傷や異物等が存在しても、第1シート21や第2シート22を溶融させて傷や異物等の周囲に回り込ませることができる。これにより、周縁部24において第1シート21と第2シート22との間に隙間が生じることを防止でき、収容部23の内部の密閉性を向上させることが可能となる。よって、電池1の信頼性を向上させることができる。
また、収容部がカシメにより封止される場合、外装体に対してカシメに耐えうる強度を持たせるために、外装体の厚さを所定値以上確保する必要がある。本発明によれば、収容部23の内部が第1シート21と第2シート22との溶着により封止されているので、収容部が第1シートと第2シートとのカシメにより封止される構成と比較して、第1シート21および第2シート22を薄くすることができる。これにより、収容部23の内部の体積を大きく確保でき、電池1のエネルギー密度を向上させることができる。
以上により、収容部23が円筒状に形成された、信頼性が高く、かつエネルギー密度の高いボタン形の電池1が得られる。
また、第1シート21および第2シート22は、金属材料および樹脂材料を含むラミネートフィルムにより形成されている。ラミネートフィルムは、金属箔と比較して柔軟なため、第1シートおよび第2シートが金属箔により形成される構成と比較して、外装体20の製造時の加工性を向上させることができる。したがって、外装体20の製造コストを低減でき、低コストな電池1とすることができる。
また、外装体20をラミネートフィルムにより形成することで、電池1全体の軽量化が可能になる。小型のウエアラブル機器に搭載する電気化学セルは、電気化学セルの重量が機器全体の重量に占める割合が高くなりやすいので、電気化学セルの軽量化は、機器全体の軽量化につながり、ユーザの利便性を高めることが可能になる。
また、電極端子30は、周縁部24において、シーラントフィルム40を介して第1シート21および第2シート22に挟み込まれているため、電極端子30と、第1シート21および第2シート22と、の間を確実に密着させることができる。
ここで、周縁部24において、シーラントフィルムが収容部23を囲うように断続的に配置されると、シーラントフィルムの端部には、第1シート21と第2シート22との間にシーラントフィルムが配置された領域と、第1シート21と第2シート22とが直接重なり合う領域と、の境界が形成される。この境界では、第1シート21と第2シート22とシーラントフィルムとの溶着が不完全となり、収容部23の内部と外装体20の外部とを連通するリークパスが形成されて、収容部23の内部の密閉性が低下する場合がある。本実施形態によれば、シーラントフィルム40は、周縁部24において、収容部23を囲うように全周に亘って配置されるとともに、第1シート21および第2シート22に溶着しているので、収容部23の内部と外装体20の外部とを連通するリークパスが形成されることを防止できる。
以上により、収容部23の内部の密閉性をより向上させ、電池1の信頼性をより向上させることができる。
なお、第1シート21、第2シート22およびシーラントフィルム40における互いに溶着される面同士を同じ材質により形成することで、第1シート21、第2シート22およびシーラントフィルム40をより均一に溶着することができる。これにより、収容部23の内部と外装体20の外部とを連通するリークパスが形成されることをより確実に防止できる。
また、一対の電極端子30は、矩形枠状に形成された周縁部24の角部から外装体20の外部へ導出されているので、電極端子30を周縁部24の外形形状における対角線に沿うように配置できる。このため、電極端子が矩形枠状の周縁部の角部以外の部分から導出される構成と比較して、電極端子30とシーラントフィルム40とが接触する部分における、収容部23の内部から外装体20の外部への距離を大きく設けることができる。これにより、電極端子30とシーラントフィルム40とが接触する部分を介して外装体20の外部から収容部23の内部へ侵入する水分の量を低減でき、電池1の劣化を防止できる。したがって、電池1の信頼性をより向上させることができる。
また、正極タブ13および負極タブ14は、正極体11および負極体12の外周部から延びているので、正極タブ13と負極タブ14とを離間して配置することが可能となる。このため、各タブ13,14と電極端子30とを溶接等により接続する際に、各タブ13,14の短絡を容易に防止できる。よって、電池1の製造時における作業効率の低下を抑制できる。したがって、低コストな電池1とすることができる。
また、第2シート22が平板状に形成されているので、外装体20の製造コストを低減できる。したがって、低コストな電池1とすることができる。
また、第1シートと第2シートとの両方に収容部を形成する場合は、特に小型の電池では、第1シートと第2シートとを重ね合せる際の位置精度を高くする必要があり、製造コストの増大につながる。これに対して、第1シート21のみに収容部23を設けることで、第1シート21と第2シート22とを重ね合せる際の位置精度を緩和できる。すなわち、小型でかつ密閉性に優れた電池1を低コストで提供することが可能になる。
なお、上記実施形態では、切欠部25は、周縁部24における第1シート21の角部に形成されているが、周縁部24における第2シート22の角部に形成されていてもよい。この場合には、電極端子30を、シーラントフィルム40の角部において、第1シート21および第2シート22の重ね合わせ方向における第2シート22側の面が露出するように設ける。
また、電極端子30は、切欠部25から導出される構成に限られず、周縁部24の角部から延出する構成であってもよい。
[第1実施形態の変形例]
なお、上記第1実施形態では、一対の電極端子30が周縁部24の同一対角線上に位置する一対の角部に設けられた切欠部25から外装体20の外部に導出されているが、これに限定されるものではない。
図6は、第1実施形態の第1変形例に係る電池の斜視図である。
例えば、図6に示すように、切欠部25が周縁部24の隣り合う一対の角部に設けられ、一対の電極端子30をそれぞれ切欠部25が設けられた角部から外装体20の外部へ導出してもよい。
図7は、第1実施形態の第2変形例に係る電池の斜視図である。
また、図7に示すように、一対の電極端子30を周縁部24の端辺における中間部分から外装体20の外部へ導出してもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電池101について説明する。
図8は、第2実施形態に係る電池の平面図である。図9は、第2実施形態に係る電池の側面図である。図10は、第2実施形態に係る第1シートおよび第2シートの斜視図である。
図3および図4に示す第1実施形態では、第1シート21および第2シート22は、別体で設けられている。これに対して、図10に示す第2実施形態では、第1シート121(第1部材)および第2シート122(第2部材)が一体に形成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、図1から図5に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示すように、電池101は、電極体10が収容された外装体120を備えている。外装体120は、ラミネートフィルムにより一体に形成された第1シート121および第2シート122を重ね合わせて形成されている。外装体120は、円筒状の収容部123と、収容部123の周囲において第1シート121と第2シート122とが重なり合った矩形枠状の周縁部124と、を備えている。
図10に示すように、第1シート121および第2シート122は、1枚のラミネートフィルムにより形成されている。詳細には、図9に示すように、第1シート121および第2シート122は、周縁部124の一端辺124aにおいて連続するとともに折り返されている。
図8に示すように、周縁部124における第1シート121には、一対の切欠部125が形成されている。一対の切欠部125は、周縁部124における収容部123を挟んで一端辺124aとは反対側に位置する一対の隣り合う角部にそれぞれ形成されている。
このように、第1シート121と第2シート122とが一体に形成されているので、部品点数を削減することができ、低コストな電池101とすることができる。
また、周縁部124の一端辺124aは、第1シート121と第2シート122とが連続して接続された折り返し部となっている。このため、周縁部124の一端辺124aに、収容部123の内部と外装体120の外部とを連通するリークパスが形成されることを防止できる。このため、少なくとも周縁部124のうち一端辺124aを除く3か所の端辺に沿う領域において、第1シート121および第2シート122を溶着することで、収容部123の内部を封止できる。したがって、電池101の製造工程を簡略化でき、低コストな電池101とすることができる。
[第2実施形態の第1変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例について説明する。
図11および図12は、第2実施形態の第1変形例の斜視図である。
図8に示す第2実施形態では、周縁部24が平坦に形成されている。これに対して、図11に示す第2実施形態の第1変形例では、周縁部124が折り返されている点で、第2実施形態と異なっている。なお、図8から図10に示す第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図11および図12に示すように、周縁部124は、第1シート121および第2シート122の重ね合わせ方向における収容部123とは反対側に向かって約180°折り返されている。本実施形態では、周縁部124のうち、一端辺124aの両端で接続する一対の端辺に沿う部分が折り返されている。
この構成によれば、第1シート121および第2シート122の重ね合わせ方向から見た周縁部124の外形を小さくすることができる。したがって、外装体120の外形を小さくすることができ、エネルギー密度の高い電池101とすることができる。
さらに周縁部124は、折り返されることで強度が向上する。このため、折り返された周縁部124の角部において外部に露出する電極端子30にリード線等を接触させて電気を取り出す際に、電極端子30がリード線等から逃げるように変位することを抑制できる。したがって、電池101の外部端子としての機能の信頼性を向上させることができる。
[第2実施形態の第2変形例]
次に、第2実施形態の第2変形例について説明する。
図13は、第2実施形態の第2変形例の斜視図である。
図8に示す第2実施形態では、周縁部24が平坦に形成されている。これに対して、図13に示す第2実施形態の第2変形例では、周縁部24が折り曲げられている点で、第2実施形態と異なっている。なお、図8から図10に示す第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図13に示すように、周縁部124は、収容部123側に向かって約90°折り曲げられている。本実施形態では、周縁部124のうち、一端辺124aの両端で接続する一対の端辺に沿う部分が折り曲げられている。
この構成によれば、第1シート121および第2シート122の重ね合わせ方向から見た周縁部124の外形を小さくすることができる。したがって、外装体120の外形を小さくすることができ、エネルギー密度の高い電池101とすることができる。
さらに周縁部124は、折り曲げられることで強度が向上する。このため、折り曲げられた周縁部124の角部において外部に露出する電極端子30にリード線等を接触させて電気を取り出す際に、電極端子30がリード線等から逃げるように変位することを抑制できる。したがって、電池101の外部端子としての機能の信頼性を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電池201について説明する。
図14は、第3実施形態に係る電池の斜視図である。図15は、第3実施形態に係る電池の縦断面図である。
図1に示す第1実施形態では、周縁部24は、収容部23の径方向に沿うように延びている。これに対して、図14に示す第3実施形態では、周縁部224は、収容部223の中心軸の軸方向に沿うように延びている点で、第1実施形態と異なっている。なお、図1から図5に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図14および図15に示すように、電池201は、電極体10を収容する外装体220を備えている。
図14に示すように、外装体220は、ラミネートフィルムにより形成された第1シート221(第1部材)および第2シート222(第2部材)を重ね合わせて形成されている。外装体220は、円筒状の収容部223と、収容部223の周囲において第1シート221と第2シート222とが重なり合った周縁部224と、を備えている。
図15に示すように、第1シート221は、有底円筒状に形成されている。第1シート221には、有底円筒状の収容部223が形成されている。収容部223は、第1シート221のうち中心軸方向における中間部分よりも底部側の部分となっている。収容部223の内側の中心軸方向における寸法は、例えば1.87mm程度や2.87mm程度となっている。また、収容部223の内径は、例えば11mm程度となっている。
第2シート222は、有底円筒状に形成され、その底部側から第1シート221の内側に挿入されている。第2シート222は、その中心軸が第1シート221の中心軸と一致するように配置されている。第1シート221および第2シート222の中心軸方向において、第1シート221の開口端縁と第2シート222の開口端縁とは、同じ位置に位置している。
周縁部224は、収容部223の開口部から、収容部223の中心軸方向に沿って収容部223とは離間する側に向かって延びている。収容部223の中心軸方向における周縁部224の寸法は、例えば1.5mm程度や2.5mm程度となっている。周縁部224における第1シート221と第2シート222との間には、シーラントフィルム240が収容部223を囲うように全周に亘って配置されている。シーラントフィルム240は、第1実施形態におけるシーラントフィルム40と同様に、熱可塑性樹脂により形成された一対のフィルムを重ね合わせて形成され、図示しない一対の電極端子を挟み込んでいる。シーラントフィルム240は、周縁部224に対応する円筒状に形成されている。シーラントフィルム240は、第1シート221および第2シート222に溶着された状態で固定されている。
この構成によれば、周縁部224により囲まれた空間を設けることができるので、その空間に電池201の保護回路等を配置することができる。また、周縁部224により囲まれた空間をガス溜めとすることもできる。
また、第3実施形態において、第1シート221と第2シート222とはそれぞれ異なる強度の部材を用いることが好ましい。具体的には、まず、第1シート221と第2シート222とをそれぞれ異なる材質で構成することができる。例えば、第1シート221にステンレス鋼製のラミネートフィルムを用い、第2シート222にアルミニウム製のラミネートフィルムを用いることができる。
また、第1シート221と第2シート222との厚みを変えることによっても部材の強度を変えることができる。例えば、第1シート221の厚みを150μmとし、第2シート222の厚みを100μmとすることができる。第1シート221および第2シート222の厚みは、後述する作用効果を奏する範囲において適宜設定することができる。
これにより、電池内部に発生したガスによる圧力で外装体220が変形する場合でも、外装体220を構成するいずれかのラミネートフィルムに変形を集中させることにより、電池の外径の寸法に影響が及ばなくすることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の電池301について説明する。
図16は、第4実施形態に係る電池の斜視図である。図17は、第4実施形態に係る電池の縦断面図である。
図14に示す第3実施形態では、周縁部224が収容部223の中心軸方向に沿って収容部223から離間する方向に向かって延びている。これに対して、図16に示す第4実施形態では、周縁部324が収容部323の外周面に沿うように配置されている点で、第3実施形態と異なっている。なお、図14および図15に示す第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図16および図17に示すように、電池301は、電極体10を収容する外装体320を備えている。
図16に示すように、外装体320は、ラミネートフィルムにより形成された第1シート321(第1部材)および第2シート322(第2部材)を重ね合わせて形成されている。外装体320は、円筒状の収容部323と、収容部323の周囲において第1シート321と第2シート322とが重なり合った周縁部324と、を備えている。
図17に示すように、第1シート321には、有底円筒状の収容部323が形成されている。収容部323の内側の中心軸方向における寸法は、例えば4.8mm程度や5.2mm程度となっている。
周縁部324は、収容部323の開口部から、収容部323の径方向外側に向かって延び、さらに収容部323の中心軸方向に沿って収容部323の底部側に向かって収容部323の外周面に沿うように延びている。周縁部324と収容部323の外周面との間には、隙間Gが設けられている。周縁部324における第1シート321と第2シート322との間には、シーラントフィルム240が配置されている。シーラントフィルム240は、第1シート321および第2シート322に溶着された状態で固定されている。第1シート321および第2シート322が溶着された領域の中心軸方向における寸法は、例えば2mm以上であることが好ましい。
ここで、第4実施形態では、第1シート321と第2シート322とはそれぞれ異なる強度の部材を用いることが好ましい。具体的には、まず、第1シート321と第2シート322とをそれぞれ異なる材質で構成することができる。例えば、第1シート321にステンレス鋼製のラミネートフィルムを用い、第2シート322にアルミニウム製のラミネートフィルムを用いることができる。
また、第1シート321と第2シート322との厚みを変えることによっても部材の強度を変えることができる。例えば、第1シート321の厚みを100μmとし、第2シート322の厚みを150μmとすることができる。あるいは、第1シート321のうち、底部を第2シート322と同じ厚みとし、底部に垂直な部分については第2シート322より薄くすることもできる。第1シート321および第2シート322の厚みは、後述する作用効果を奏する範囲において適宜設定することができる。
これにより、電池内部に発生したガスによる圧力で外装体320が変形する場合でも、外装体320を構成するいずれかのラミネートフィルムに変形を集中させることにより、電池の外径の寸法に影響が及ばなくすることができる。
以下、本実施形態の電池301の製造方法における外装体320の製造方法について説明する。なお、以下の説明における電池301の各構成部品の符号については、図16および図17を参照されたい。
図18は、第4実施形態に係る外装体の製造方法を示すフローチャートである。図19から図21は、第4実施形態に係る外装体の製造方法を説明する工程図であり、図17に相当する断面図である。
図18に示すように、外装体320の製造方法は、ラミネートフィルムに絞り加工を行って第1シート321および第2シート322を形成する曲げ工程S10と、曲げ工程S10において形成された第1シート321および第2シート322を重ね合わせる重ね合わせ工程S20と、第1シート321および第2シート322を溶着する溶着工程S30と、を備えている。
最初に、曲げ工程S10を行う。曲げ工程S10では、第1シート321および第2シート322を形成する。
具体的に、図19に示すように、円板状のラミネートフィルムに対して絞り加工を行って有底円筒状の収容部323を形成する。さらに、収容部323の周囲に張り出す部分を収容部323の外周面に沿うように曲げて、第1シート321における周縁部324に対応する部分を形成する。このとき、第1シート321における周縁部324に対応する部分と、収容部323の外周面との間には、隙間Gを設ける。これにより第1シート321が形成される。また、円板状のラミネートフィルムに対して絞り加工を行ってその外周部分を約90°曲げ、第2シート322における周縁部324に対応する部分を形成する。これにより有底円筒状の第2シート322が形成される。
次に、重ね合わせ工程S20を行う。重ね合わせ工程S20では、第1シート321および第2シート322を重ね合わせる。
具体的に、図20に示すように、収容部323の内部に電極体10を収容し、かつ電極端子(不図示)およびシーラントフィルム240を配置した状態で、収容部323の開口を覆うように第1シート321に対して第2シート322を被せて重ね合わせる。この際、周縁部324における第1シート321と第2シート322との間に、シーラントフィルム240を挟み込む。
次に、溶着工程S30を行う。溶着工程S30では、第1シート321および第2シート322を溶着する。
具体的に、図21に示すように、溶着工程S30では、所定温度に加熱されたヒーター等の加熱手段50により、周縁部324の両面から周縁部324を挟み込んで周縁部324を加熱する。加熱手段50は、例えば、周縁部324の内側に配置される円筒状のガイド部材51と、周縁部324に対して外側から押し付けられる押さえ部材52と、により構成され、ガイド部材51と押さえ部材52とにより周縁部324を挟み込む。押さえ部材52は、例えばローラーであってもよいし、板状であってもよい。押さえ部材52の材質は、熱伝導率の高い金属材料が好ましく、例えば真鍮やアルミニウムを用いることができる。また、押さえ部材52がローラーである場合には、周縁部324の溶着に用いる十分な熱容量を確保するために、押さえ部材52の直径を電池301の直径よりも大きくすることが望ましい。また、押さえ部材52の表面に、ゴム等の弾性部材を配置してもよい。これにより、押さえ部材52を周縁部324に押し付ける際に、周縁部324の厚みが不均一であっても、周縁部324の表面を均等に押圧することができる。
ここで、周縁部324と収容部323との間には隙間G(図20参照)が設けられている。このため、加熱手段50のガイド部材51を周縁部324と収容部323との間に配置して周縁部324を押さえ部材52により挟み込むことができる。これにより周縁部324が溶着されて、収容部323の内部が封止される。
以上により、外装体320の製造が完了する。
このように、本実施形態によれば、周縁部324が収容部323の外周面に沿うように配置されているので、周縁部が収容部から離間する方向に沿って突出する構成と比較して、外装体320の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い電池301が得られる。
ここで、周縁部324が収容部323の外周面に沿うように配置された電池301を製造する場合、周縁部324を収容部323の外周面に沿うように曲げる必要がある。第1シート321と第2シート322とが溶着されて一体化した周縁部324は、第1シート321および第2シート322のそれぞれよりも厚くなる。このため、第1シート321と第2シート322とが溶着されて一体化した周縁部324は、第1シート321および第2シート322のそれぞれの周縁部324に対応する部分を各別に曲げる場合よりも曲げにくくなる。さらに、第1シート321と第2シート322とが溶着されて一体化した周縁部324を曲げると、第1シート321および第2シート322のそれぞれの周縁部324に対応する部分を各別に曲げる場合よりも、周縁部324に大きな負荷がかかる。
本実施形態によれば、溶着工程S30を曲げ工程S10の後に行うので、周縁部324に対応する部分を容易に曲げることができる。このため、外装体320を容易に形成することが可能となり、製造コストを低減できる。さらに、溶着工程S30を曲げ工程S10の後に行うので、曲げ工程S10を溶着工程S30の後に行う場合と比較して周縁部324にかかる負荷を小さくできるため、周縁部324が破損することを防止でき、品質の低下を防止できる。したがって、電池301を高品質かつ低コストで製造できる。
さらに、周縁部324と収容部323の外周面との間には隙間Gが設けられている。このため、周縁部324にヒーター等の加熱手段50を押し当てて溶着する場合に、加熱手段50を周縁部324と収容部323との間の隙間Gに配置して、周縁部324の両面から周縁部324を挟み込むことができる。これにより、周縁部324を確実に加熱して第1シート321と第2シート322とを溶着することができる。その結果、収容部323の内部と外装体320の外部とを連通するリークパスが形成されることを防止できる。したがって、収容部323の内部の密閉性をより向上させ、電池301の信頼性をより向上させることができる。
なお、本実施形態に係る外装体320の製造方法では、溶着工程S30を曲げ工程S10の後に行っているが、曲げ工程を溶着工程の後に行ってもよい。具体的には、電極端子(不図示)およびシーラントフィルムを挟んだ状態で一対のラミネートフィルム同士を重ね合わせて溶着した後、収容部323の周囲を収容部323の外周面に沿うように曲げる。図22は、収容部の中心軸を通る縦断面の拡大図である。曲げ工程を溶着工程の後に行う場合、図22に示すように、周縁部324のうち、収容部323の径方向に沿って延びる内周部324a、収容部323の中心軸方向に沿って延びる外周部324c、および内周部324aと外周部324cとの間で湾曲または屈曲する中間部324bのうち少なくとも一箇所が周方向の全周に亘って溶着する。これにより、収容部323の内部が密閉される。なお収容部323の周囲を曲げる際には、収容部323の周囲を加熱して軟化させることが望ましい。
[第4実施形態の変形例]
次に、第4実施形態の変形例の電池401について説明する。
図23および図24は、第4実施形態の変形例に係る電池の斜視図である。図25は、第4実施形態の変形例に係る電池の縦断面図である。
図17に示す第4実施形態では、収容部323が第1シート321に形成されている。これに対して、図25に示す第4実施形態の変形例では、収容部423が第1シート421(第1部材)および第2シート422(第2部材)の両方に形成されている点で、第4実施形態と異なっている。なお、図16および図17に示す第4実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図23から図25に示すように、電池401は、電極体10を収容する外装体420を備えている。
図24に示すように、外装体420は、ラミネートフィルムにより形成された第1シート421および第2シート422を重ね合わせて形成されている。外装体420は、円筒状の収容部423と、収容部423の周囲において第1シート421と第2シート422とが重なり合った周縁部424と、を備えている。
図25に示すように、収容部423は、第1シート421および第2シート422の両方に跨って形成されている。より詳細に、第1シート421には、有底円筒状の収容部423の一半部423Aが形成され、第2シート422には、有底円筒状の収容部423の他半部423Bが形成されている。収容部423の一半部423Aおよび他半部423Bの開口端同士を重ね合わせることで、円筒状の収容部423が形成されている。収容部423の内側の中心軸方向における寸法は、例えば5.2mm程度となっている。
周縁部424は、収容部423の中心軸方向における中間部分から、収容部423の中心軸方向に沿って収容部423の他半部423Bの底部側に向かって、収容部423の外周面に沿うように延びている。周縁部424の基端部は、収容部423の外周面から収容部423の径方向外側に突出する段部となっている。周縁部424と収容部423の外周面との間には、隙間Gが設けられている。周縁部424における第1シート421と第2シート422との間には、シーラントフィルム240が配置されている。シーラントフィルム240は、第1シート421および第2シート422に溶着された状態で固定されている。
外装体420の製造方法は、第4実施形態に係る外装体320の製造方法と同様である。すなわち、外装体420の製造方法は、第1シート421および第2シート422それぞれの周縁部424に対応する部分を収容部423の外周面に沿うように曲げる曲げ工程と、第1シート421および第2シート422を重ね合わせる重ね合わせ工程と、周縁部424を溶着させる溶着工程と、を備えている。そして、溶着工程を曲げ工程の後に行う。なお、第4実施形態で説明したように、曲げ工程を溶着工程の後に行ってもよい。
このように、本変形例では、収容部423は、第1シート421および第2シート422の両方に形成されている。このため、収容部が第1シートおよび第2シートのうちいずれか一方のシートに形成される構成と比較して、第1シート421および第2シート422のそれぞれに形成される収容部423の深さを浅くすることができる。これにより、絞り加工により形成された収容部423における第1シート421および第2シート422の強度の低下を抑制できる。したがって、高品質な電池401とすることができる。
また、上述のように構成された外装体420は、第1シート421のうち周縁部424に対応する部分の内側に、第2シート422をその収容部423の他半部423Bの開口部側から収容部423の中心軸方向に沿って挿入することで形成される。このとき、第1シート421および第2シート422それぞれにおける周縁部424の前記段部に対応する位置同士が当接して、第1シート421および第2シート422が互いに接近する方向の移動を規制する。これにより、第1シート421に対する第2シート422の位置決めを行うことができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の電池501について説明する。
図26は、第5実施形態に係る電池の斜視図である。図27は、第5実施形態に係る第1シートおよび第2シートの斜視図である。
図26に示す第5実施形態では、円筒状の収容部523がその径方向に分割された状態で第1シート521(第1部材)および第2シート522(第2部材)に形成されている点で、上記各実施形態と異なっている。なお、上記各実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図26に示すように、電池501は、電極体10を収容する外装体520を備えている。
外装体520は、ラミネートフィルムにより一体に形成された第1シート521および第2シート522を重ね合わせて形成されている。外装体520は、円筒状の収容部523と、収容部523の周囲において第1シート521と第2シート522とが重なり合った周縁部524と、を備えている。
収容部523は、第1シート521および第2シート522の両方に跨って形成されている。より詳細に、第1シート521には、半円筒状の収容部523の一半部523Aが形成され、第2シート522には、半円筒状の収容部523の他半部523Bが形成されている。収容部523の一半部523Aおよび他半部523Bの開口端同士を重ね合わせることで、円筒状の収容部523が形成されている。収容部523の内側の中心軸方向における寸法は、例えば4.8mm程度となっている。収容部523の外側の中心軸方向における寸法は、例えば5.4mm程度となっている。また、収容部523の外径は、例えば11.6mm程度になっている。収容部523の内径は、例えば11mm程度になっている。
周縁部524は、収容部523の中心軸を含む仮想平面に沿って延びている。周縁部524は、矩形枠状に形成されている。
ここで、第1シート521および第2シート522は、1枚のラミネートフィルムにより形成されている(図27参照)。第1シート521および第2シート522は、周縁部524のうち収容部523の中心軸方向の一方側に位置する一端辺524aにおいて連続するとともに約180°折り返されている。
周縁部524における第1シート521と第2シート522との間には、シーラントフィルム40が配置されている。シーラントフィルム40を形成する一対のフィルム間には、一対の電極端子530が挟み込まれている。一対の電極端子530は、収容部523の内部においてそれぞれ電極体10に接続されるとともに、周縁部524のうち収容部523の径方向外側に位置する両部分とそれぞれ交差して、外装体520の外部へ導出されている。シーラントフィルム40は、第1シート521および第2シート522に溶着された状態で固定されている。
この構成によれば、第4実施形態の変形例の電池401と同様に、収容部523が第1シート521および第2シート522の両方に形成されるので、第1シート521および第2シート522の強度の低下を抑制できる。したがって、高品質な電池501とすることができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態の電池601について説明する。
図28は、第6実施形態に係る電池の縦断面図である。
上記各実施形態では、第1シートおよび第2シートがラミネートフィルムにより形成されている。これに対して、図28に示す第6実施形態では、第1シート621(第1部材)および第2シート622(第2部材)が金属箔により形成されている点で、上記各実施形態と異なっている。なお、上記各実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図28に示すように、電池601は、電極体10を収容する外装体620を備えている。
外装体620は、第1シート621および第2シート622を重ね合わせて形成されている。外装体620は、円筒状の収容部623と、収容部623の周囲において第1シート621と第2シート622とが重なり合った円環状の周縁部624と、を備えている。
第1シート621は、例えばステンレス箔により円板状に形成されている。第1シート621は、収容部623の内部において正極体11と接続されている。第1シート621は、正極端子として機能する。
第2シート622は、例えばアルミニウム箔により第1シート621と同一形状の円板状に形成されている。第2シート622は、収容部623の内部において負極体12と接続されている。第2シート622は、負極端子として機能する。
周縁部624における第1シート621と第2シート622との間には、絶縁材料により形成された封止部材628が配置されている。封止部材628は、周縁部624に対応する円環状に形成されている。封止部材628は、第1シート621および第2シート622に溶着された状態で固定されている。
このように、第1シート621および第2シート622が金属箔により形成される構成であっても、収容部623の内部が第1シート621と第2シート622との溶着により封止されているので、収容部623の内部の密閉性を向上させることが可能となる。よって、電池601の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1シート621および第2シート622が金属箔により形成されているが、第1シートおよび第2シートのうち少なくともいずれか一方がラミネートフィルムにより形成されていてもよい。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、ボタン形の電気化学セルの一例として、非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、電気二重層キャパシタや一次電池等に上述した構成を適用することができる。
また、上記第1から第5実施形態では、周縁部において第1シートと第2シートとがシーラントフィルムを挟んで溶着されているが、これに限定されず、第1シートと第2シートとが直接溶着されていてもよい。この場合には、電極端子は、周縁部において第1シートおよび第2シートに直接挟み込まれる。
また、上記実施形態では、収容部は円筒状に形成されていたが、これに限定されず、例えば正六角形等の多角形状に形成された角筒状や、半円筒状等であってもよい。
また、上記第1から第5実施形態では、第1シートおよび第2シートがラミネートフィルムにより形成されているが、これに限定されない。第1実施形態に係る電池1(図1参照)、第3実施形態に係る電池201(図14参照)、第4実施形態に係る電池301(図16参照)、および第4実施形態の変形例に係る電池401(図23参照)のように、第1シートと第2シートとが別部材で形成されている場合、第1シートおよび第2シートのうち少なくともいずれか一方が金属材料により形成されていてもよい。第1シートや第2シートを形成する金属材料としては、例えばステンレス鋼やアルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル等を用いることができる。第1シートまたは第2シートは、前記金属材料単独で形成されてもよいし、前記金属材料を複数組み合わせたクラッド材により形成されてもよい。さらに、第1シートまたは第2シートは、例えばステンレス鋼の表面にめっきを施した部材により形成されてもよい。
このように、第1シートおよび第2シートのうち少なくともいずれか一方のシートが金属材料により形成されることで、第1シートおよび第2シートが樹脂材料により形成される構成と比較して、外装体の強度を高めることができる。これにより、外装体に収容された電極体10に外力が作用することを抑制して、電極体10が破損することを抑制できる。したがって、電池の信頼性を向上させることができる。
さらに、第1シートや第2シートを形成する金属材料としてステンレス鋼を用いることで、金属材料として銅またはニッケルが用いられる場合と比較して、第1シートおよび第2シートのうち少なくともいずれか一方のシートを安価に形成することができる。したがって、外装体の製造コストを低減でき、低コストな電池とすることができる。
ここで、第1シートや第2シートが金属材料により形成されている場合、金属材料により形成された第1シートや第2シートに、外装体の内部において正極体11および負極体12のうちいずれか一方が電気的に接続していることが望ましい。例えば、第1シートが金属材料により形成され、第2シートがラミネートフィルムにより形成されている場合、外装体の内部において正極タブ13または負極タブ14が第1シートに接合されている。これにより、第1シートを正極端子、または負極端子として機能させることができる。また、第1シートおよび第2シートのそれぞれが金属材料により形成され、かつ第1シートと第2シートとが絶縁されている場合、外装体の内部において正極タブ13および負極タブ14の一方が第1シートに接合され、正極タブ13および負極タブ14の他方が第2シートに接合されている。これにより、第1シートおよび第2シートをそれぞれ正極端子または負極端子として機能させることができる。金属材料により形成された第1シートや第2シートと、正極タブ13または負極タブ14と、の接合は、例えば抵抗溶接やレーザー溶接、超音波溶接等により行うことができる。
なお、第1シートまたは第2シートを正極端子として機能させる場合には、電解液に接する内面をステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金により形成することが望ましい。また、第1シートまたは第2シートを負極端子として機能させる場合には、電解液に接する内面をステンレス鋼、銅またはニッケルにより形成することが望ましい。これらにより、金属材料により形成された第1シートや第2シートが電解液に接して腐食することを防止できる。
このように、第1シートおよび第2シートのうち金属材料により形成された一方のシートに、外装体の内部において正極体および負極体のうちいずれか一方を接続することで、一方のシートを正極端子または負極端子として機能させることができる。これにより、外装体の内部から外部へ導出される電極端子を削減できる。したがって、電池の製造コストを低減できる。
また、第3実施形態に係る電池201(図14参照)、第4実施形態に係る電池301(図16参照)、および第4実施形態の変形例に係る電池401(図23参照)のように、周縁部が円筒状に形成されている場合、周縁部において第1シートと第2シートとの間に配置された電極端子は、周縁部の形状に沿って湾曲する。このため、周縁部が平坦に形成されることで電極端子も周縁部の形状に沿って平坦に形成される場合と比較して、周縁部の溶着時における温度管理が難しくなる。これに対して、上述したように第1シートおよび第2シートのうち金属材料により形成された一方のシートに、外装体の内部において正極体および負極体のうちいずれか一方を接続することで、電極端子を削減することができるので、周縁部の溶着時における温度管理を容易とすることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1,101,201,301,401,501,601…電池(電気化学セル) 10…電極体 11…正極体 12…負極体 13…正極タブ(タブ) 14…負極タブ(タブ) 20,120,220,320,420,520,620…外装体 21,121,221,321,421,521,621…第1シート(第1部材) 22,122,222,322,422,522,622…第2シート(第2部材) 23,123,223,323,423,523,623…収容部 24,124,224,324,424,524,624…周縁部 30…電極端子 40,240…シーラントフィルム S10…曲げ工程 S30…溶着工程

Claims (15)

  1. 正極体および負極体を含む電極体と、
    第1部材および第2部材を重ね合わせて形成され、前記電極体が収容される外装体と、
    前記正極体および前記負極体にそれぞれ接続され、前記外装体の外部へ導出された一対の電極端子と、
    樹脂材料を含む一対のフィルムを重ね合わせて形成され、前記電極端子を挟み込むシーラントフィルムと、
    を備え、
    前記外装体は、
    前記第1部材および前記第2部材のうち少なくとも一方の部材に形成され、前記電極体が収容される収容部と、
    前記収容部の周囲において、前記第1部材と前記第2部材とが重なり合った周縁部と、
    を備え、
    前記収容部の内部は、前記周縁部において前記第1部材と前記第2部材とが溶着された状態で封止され
    前記電極端子は、前記周縁部において、前記シーラントフィルムを介して前記第1部材および前記第2部材に挟み込まれ、
    前記シーラントフィルムは、前記周縁部において、前記収容部を囲うように全周に亘って配置されるとともに、前記第1部材および前記第2部材に溶着された状態で固定されている、
    ことを特徴とする電気化学セル。
  2. 前記第1部材および前記第2部材は、金属材料および樹脂材料を含むラミネートフィルムにより形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記第1部材および前記第2部材のうち少なくともいずれか一方の部材は、金属材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  4. 前記金属材料は、ステンレス鋼である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気化学セル。
  5. 前記周縁部は、矩形枠状に形成され、
    前記電極端子は、前記周縁部の角部から、前記外装体の外部へ導出されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  6. 前記電極体は、セパレータを介して前記正極体および前記負極体を積層した状態で捲回され、
    前記電極体は、前記電極端子に接続される一対のタブを備え、
    前記一対のタブは、前記正極体および前記負極体の外周部から延びている、
    ことを特徴とする請求項に記載の電気化学セル。
  7. 前記一方の部材には、前記外装体の内部において前記正極体および前記負極体のうちいずれか一方が接続している、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の電気化学セル。
  8. 前記第1部材および前記第2部材のうちいずれか一方の部材は、平板状に形成され、
    前記第1部材および前記第2部材のうち他方の部材には、前記収容部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学セル。
  9. 前記周縁部は、前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向における前記収容部とは反対側に向かって折り返されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の電気化学セル。
  10. 前記周縁部は、前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向における前記収容部側に向かって折り曲げられている、
    ことを特徴とする請求項に記載の電気化学セル。
  11. 前記周縁部は、前記収容部の外周面に沿うように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学セル。
  12. 前記周縁部と前記収容部の外周面との間には隙間が設けられている、
    ことを特徴とする請求項11に記載の電気化学セル。
  13. 前記収容部は、前記第1部材および前記第2部材の両方に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  14. 前記第1部材および前記第2部材は、一体に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の電気化学セル。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の電気化学セルの製造方法であって、
    前記第1部材および前記第2部材のうち前記周縁部に対応する部分を前記収容部の外周面に沿うように曲げる曲げ工程と、
    前記周縁部を溶着させる溶着工程と、
    を備え、
    前記溶着工程を前記曲げ工程の後に行う、
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
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