JP7256760B2 - ろう付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法に関するものである。
アルミニウム材料は熱伝導率が高く軽量であるため、自動車搭載用をはじめとする冷却器に多く使用されている。
これらの冷却器では各部材の組み合わせにより構成された流路に水等の冷媒を循環させて熱を移動させ、放熱する構造となっている。そして、冷却器を構成する各部材は、ろう付により金属的に接合されている。
ろう付に供されるアルミニウム材料としては、心材となるアルミニウム合金板の片面又は両面にろう材がクラッドされているブレージングシートが用いられる。一般的なブレージングシートの心材合金としては、溶融温度が620℃を超えるアルミニウム合金が使用され、クラッドされるろう材合金としては、溶融開始温度が577℃のAl-Si合金が使用される。
ろう付けでは、このブレージングシートを熱交換器の部材の形状に成形し組み合わせた後、600℃前後の温度に加熱することにより、ブレージングシートのろう材部のみを溶融させて、他部材とろう付し、熱交換器を作製する。
ろう付を可能にするためには、材料表面の酸化皮膜を破壊することが必要であるが、アルミニウムのろう付においては、酸化皮膜を破壊するために、ろう付部にフラックスを供給している。例えば、フラックスとしてK-Al-F系化合物粉末を、水や溶媒で懸濁させて、アルミニウム材料のろう付け部に塗布するのが一般的である。フラックスは、ろう付の昇温途中において、ろう付部に溶融し、アルミニウム材料の表面を覆い、表面に存在する酸化皮膜を破壊する。そして、さらに昇温されると、ブレージングシートのAl-Si系ろう材が溶融し、ろう材の表面と被接合材の表面は、フラックスの作用により酸化皮膜が破壊されているので、ろう材が被接合部材の表面と金属的に接合し、ろう付が完了する。
近年、自動車用の熱交換器においては、小型軽量化が求められている。これに対応するため、熱交換器を構成するアルミニウム材料においては高強度で板厚の薄い材料が使われる傾向にある。アルミニウム材料を高強度化するためには、材料中にMgを含有させるのが効果的であり、熱交換器においてもMgを含有するアルミニウム材料の使用が望まれる。
しかし、Mgを含有するアルミニウム材料を、K-Al-F系化合物フラックス存在下でろう付すると、ろう付の加熱途中において、フラックスが材料表面のMgと反応して化合物を生成するため、フラックスとしての酸化膜除去の効果が失われて、ろう付できない。そのため、フラックスを用いるろう付に使われるアルミニウム材料については、Mgの含有量を制限する必要があった。
これに対して、Mgを含有するアルミニウム材料を、フラックスを用いない不活性ガス中で加熱することにより、ろう付を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、被ろう付物に覆いをして覆い内部の雰囲気気体の流れを抑え、覆いの内部にはMg供給源を配置することによりフラックスを用いずにろう付する方法が記載されている。特許文献2には、構成部材にMgを含有するアルミニウム合金製ブレージングシートを使い、中空構造体をなすよう成形し、内側においてはフラックス塗布せずに、外側においてはフラックスを塗布してろう付する方法が記載されている。また、さらに特許文献3には、炉内で配置された被ろう付物を加熱し、予め加熱された風よけ治具を被ろう付物に覆い被せることで、フラックスを使わずにろう付する方法が記載されている。
特開平9-85433号公報 特開2004-25297号公報 特開2006-35232号公報
アルミニウム材料のろう付を可能にするためには、材料表面の酸化皮膜を破壊することが必要である。
そこで、特許文献1では、覆い内に設置したMgにより酸化皮膜を破壊している。しかし、囲いをすることでろう付け炉内の高温の不活性ガスからの伝熱が阻害されるほか、ろう付け炉からの輻射熱が遮断されてしまい、被ろう付物の昇温が遅くなってしまう。そして、例え、ろう付の雰囲気が不活性ガス中であっても、雰囲気には少量の酸素が存在するため、昇温が遅くなると、被ろう付物が加熱雰囲気中に晒される時間が長くなる。そのため、引用文献1には、被ろう付物が加熱雰囲気中に晒される時間が長くなってしまい、酸化皮膜の成長が進み、Mgによる酸化皮膜の破壊が困難になるため、結果として良好なろう付性が得られないという問題があった。
また、特許文献2では、中空構造体の内部は、気流の発生が抑えられているため、材料表面の酸化が進まずにろう付可能になるものの、中空構造体の外部は雰囲気に晒されて酸化皮膜の成長が進み易くなるため、ろう付性は低下する。そのため、引用文献2には、外部のろう付にはフラックスを併用しなくてはならいという問題があった。
そこで、特許文献3では、ろうが溶融するまでは被ろう付物をそのまま加熱し、ろうが溶融する直前に風よけ治具を被せることで、中空構造体の外部のようなろう付性が悪い部位においても良好なろう付性を得ている。しかし、この方法では、予め加熱した風除け治具を炉内で被せる必要があるため、工業的に適用するためにはろう付炉内に可動式の風除け治具を設置する必要があり、ろう付炉の構成や構造が複雑になる。そのため、炉が高価になり、また、風よけ治具を有する構造とすることで、炉内を大きな容積とする必要があり、加熱コストの高い炉になるという問題があった。
従って、本発明の目的は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、安価な方法で被ろう付け物の昇温に要する時間を短くすることができ、且つ、ろう付け性が良好なろう付け方法を提供することにある。
すなわち、本発明(1)は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の上部全体を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(1)で、該上部覆い部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(1)の該上部覆い部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(1)で、該上部伝熱促進部を該覆い部材(1)の該上部覆い部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の下部全体を覆う下部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(2)で、該下部覆い部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(2)の該下部覆い部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(2)で、該下部伝熱促進部を該覆い部材(2)の該下部覆い部に接触させ、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う覆い部材(3)で、該被ろう付け物を覆い、且つ、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(3)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の上部の一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(4)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませ、且つ、該被ろう付け物の上部のうち該上部伝熱促進部で覆われていない部分を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(4)で、該被ろう付けを覆った状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記伝熱促進部材及び前記覆い部材の設置位置より内側の体積(B)の比(B/A)が1.0~5.0であることを特徴とする(1)~(4)いずれかのろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材により側部が覆われている部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)が0.8以上であることを特徴とする(1)~(5)いずれかのろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(7)は、前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C1)の比(C1/A)が0.8以上であることを特徴とする(6)のろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(8)は、前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C2)の比(C2/A)が0.8以上であることを特徴とする(6)のろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(9)は、前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の上端より下にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C3)の比(C3/A)が0.8以上であることを特徴とする(6)のろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(10)は、前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C4)の比(C4/A)が0.8以上であることを特徴とする(6)のろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(11)は、前記覆い部材がアルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、且つ、前記伝熱促進部材がステンレス製、鉄製、カーボン製又はセラミック製であることを特徴とする(1)~(10)いずれかのろう付け方法を提供するものである。
また、本発明(12)は、前記覆い部材を形成するアルミニウム合金がMgを含有することを特徴とする(11)のろう付け方法を提供するものである。
本発明によれば、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、安価な方法で被ろう付け物の昇温に要する時間を短くすることができ、且つ、ろう付け性が良好なろう付け方法を提供することすることができる。
本発明の第一の形態のろう付け方法における被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体の形態例を示す模式的な平面図である。 図1のX-X線断面図である。 本発明の第二の形態のろう付け方法における被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体の形態例を示す模式的な平面図である。 図3のX-X線断面図である。 本発明の第三の形態のろう付け方法における被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体の形態例を示す模式的な平面図である。 図5のX-X線断面図である。 本発明の第四の形態のろう付け方法における被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体の形態例を示す模式的な平面図である。 図7のX-X線断面図である。 被ろう付け物の内側の体積(A)を説明するための図である。 伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)を説明するための図である。 伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)を説明するための図である。 覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C1)を説明するための図である。 覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C2)を説明するための図である。 覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C3)を説明するための図である。 実施例2及び3の組み付け体の形態例を示す模式的な断面図である。
本発明の第一の形態のろう付け方法は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の上部全体を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(1)で、該上部覆い部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(1)の該上部覆い部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(1)で、該上部伝熱促進部を該覆い部材(1)の該上部覆い部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法である。
また、本発明の第二の形態のろう付け方法は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の下部全体を覆う下部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(2)で、該下部覆い部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(2)の該下部覆い部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(2)で、該下部伝熱促進部を該覆い部材(2)の該下部覆い部に接触させ、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法である。
また、本発明の第三の形態のろう付け方法は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う覆い部材(3)で、該被ろう付け物を覆い、且つ、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(3)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法である。
また、本発明の第四のろう付け方法は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
該被ろう付け物の上部の一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(4)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませ、且つ、該被ろう付け物の上部のうち該上部伝熱促進部で覆われていない部分を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(4)で、該被ろう付けを覆った状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
を特徴とするろう付け方法である。
本発明の第一の形態のろう付け方法と、本発明の第二の形態のろう付け方法と、本発明の第三の形態のろう付け方法と、本発明の第四の形態のろう付け方法とでは、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み立て体が異なるものの、共通する点もある。よって、以下では、共通する点については、本発明の第一の形態のろう付け方法、本発明の第二の形態のろう付け方法、本発明の第三の形態のろう付け方法及び本発明の第四の形態のろう付け方法を、総称として本発明のろう付け方法と記載して説明する。
本発明のろう付け方法は、アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であり、ろう付け対象であるアルミニウム合金製の被ろう付け物をろう付け炉内に配置し、次いで、ろう付け炉内の空気を不活性ガスで置換し、不活性ガス雰囲気中で、被ろう付け物をろう付け加熱して、被ろう付け物のろう付けを行うろう付け方法である。
本発明のろう付け方法では、フラックスを用いずにろう付するため、酸化皮膜を破壊するための元素が被ろう付け物に含まれている必要がある。そのため、本発明のろう付け方法に係る被ろう付け物は、少なくとも心材及びろう材を有し、心材を構成するアルミニウム合金又はクラッドされているアルミニウム合金が、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの成型加工物を、少なくとも含んでいる。つまり、本発明のろう付け方法において、被ろう付け物は、ろう付けにより製造される製品の各構成部品となるろう付け前のアルミニウム又はアルミニウム合金製の成型加工物が、ろう付け後の製品の形状に組み合わせられたアルミニウム又はアルミニウム合金製の成型加工物の組み付け体であり、且つ、被ろう付け物の一部が、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの成型加工物で構成されている。よって、被ろう付け物は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されており、構成物の一部として、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの成型加工物を、少なくとも含んでいる。
酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの形態としては、2層クラッド材(ろう材-心材)、3層クラッド材(ろう材-心材-ろう材、ろう材-中間層-心材、ろう材-心材-犠牲陽極材)、4層クラッド材(ろう材-中間層-心材-ろう材、ろう材-中間層-心材-犠牲陽極材)、5層クラッド材(ろう材-中間層-心材-中間層-ろう材)が挙げられる。そして、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートは、これらの2層クラッド材、3層クラッド材、4層クラッド材又は5層クラッド材の心材、ろう材及び中間層のうちのいずれか1つ又は2つ以上に、酸化皮膜を破壊するための元素を含有する。なお、上記2層クラッド材、3層クラッド材、4層クラッド材又は5層クラッド材の後に記載されているカッコ書きは、クラッド材の積層順を示す。例えば、「ろう材-中間層-心材-中間層-ろう材」は、この順に、ろう材、中間層、心材、中間層及びろう材が積層されていることを示す。
被ろう付け物に含まれる酸化皮膜を破壊するための元素としては、Ca、Be、Mg、Ba、Liが挙げられる。
酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートにおいて、心材には、例えば、1000系、3000系、6000系のアルミニウム合金が用いられ、また、ろう材には、例えば、4000系のアルミニウム合金が用いられる。
工業的には、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートとしては、例えば、心材と、心材の片面又は両面にクラッドされているろう材、あるいは、心材の片面又は両面に中間層を介してクラッドされているろう材と、からなり、ろう材が、Be、Mg又はLiを含有するブレージングシートが好ましい。
また、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートにおいて、ろう材が、Be、Mg、Li又はBiを含有する場合、ろう材としては、4~13質量%のSiを必須成分として含有し、且つ、0.006~0.12質量%のBe、0.05~3.0質量%のMg、0.004~0.1質量%のLi及び0.004~0.2質量%のBiからなる群から選ばれる1種以上を含有するアルミニウム合金からなるろう材が好ましい。
酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートにおいて、心材又は中間層が酸化皮膜を破壊するための元素を含有する場合、心材又は中間層に含有されている酸化皮膜を破壊するための元素は、ろう付加熱途中でろう材に拡散して材料表面に到達し、酸化皮膜を破壊する。酸化皮膜を破壊するための元素は酸素との結びつきが強く、酸化され易い。そのため、心材又は中間層に酸化皮膜を破壊するための元素が含有されていることにより、材料の保管中やろう付加熱の低温域で、酸化皮膜を破壊するための元素が直接雰囲気と接触することが防止されるため、材料の保管中やろう付加熱の低温域での酸化を防ぐことができる。酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートにおいて、心材又は中間層が酸化皮膜を破壊するための元素を含有する場合、心材としては、3000系アルミニウム合金又は1000系アルミニウム合金に、Mgが0.1~5質量%添加されたアルミニウム合金からなる心材が好ましく、また、中間層としては、3000系アルミニウム合金又は1000系アルミニウム合金に、Mgが0.1~5質量%添加されたアルミニウム合金からなる中間層が好ましい。
被ろう付け物は、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの成型加工物以外に、酸化皮膜を破壊するための元素を含有しないアルミニウム製又はアルミニウム合金製の成型加工物を含んでいてもよい。つまり、被ろう付け物は、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートの成型加工物のみで構成されていてもよいし、あるいは、酸化皮膜を破壊するための元素を含有するブレージングシートと、酸化皮膜を破壊するための元素を含有しないアルミニウム製又はアルミニウム合金製の成型加工物とで構成されていてもよい。
本発明の第一の形態のろう付け方法に係る覆い部材(1)は、被ろう付け物の上部全体を覆う上部覆い部と、被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う、すなわち、被ろう付け物の側部の全部又は一部を覆う側部覆い部と、からなる。覆い部材(1)は、ろう付け加熱の際に、伝熱促進部材(1)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材である。被ろう付け物及び覆い部材(1)を上から見たときに、覆い部材(1)は、被ろう付け物の周囲を囲っている。
なお、本発明において、被ろう付け物の側部の全部を覆うとは、被ろう付け物の側部投影図が、覆い部材の側部投影図に全て重なっていることを指し、また、被ろう付け物の側部の一部を覆うとは、被ろう付け物の側部投影図の一部が、覆い部材の側部投影図に重なっており、被ろう付け物の側部投影図の他部が、覆い部材の側部投影図に重なっていないことを指す。
覆い部材(1)の材質としては、ステンレス、アルミニウム合金等が挙げられる。覆い部材(1)の材質としては、5000系アルミニウム合金等のMgを含有するアルミニウム合金が、覆い部材(1)の内側の不活性ガス中の酸素と覆い部材(1)中のMg元素が反応して、覆い部材(1)の内側の不活性ガス中の酸素濃度を低くすることができる点で、好ましい。
覆い部材(1)の上部覆い部及び側部覆い部は、板状の材料で形成されている。覆い部材(1)の全体形状は、被ろう付け物の形状により、適宜選択される。覆い部材(1)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、小さいほど、側部覆い部からの輻射熱により、被ろう付け物が加熱され易くなる。覆い部材(1)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、20mm以下が好ましい。また、被ろう付け物の側部の形状が複雑だと、被ろう付け物の側部の全ての部分において、覆い部材(1)の側部覆い部との間隔を小さくすることが困難な場合もあるが、そのような場合は、被ろう付け物の側部のうちのろう付け部近傍と覆い部材(1)の側部覆い部との間隔のみを小さくしてもよい。
本発明の第一の形態のろう付け方法に係る伝熱促進部材(1)は、覆い部材(1)の上部覆い部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部(1)と、被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部(1)と、からなる。伝熱促進部材(1)は、ろう付け加熱の際に、覆い部材(1)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材(1)の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材であると共に、ろう付け炉内を流れる高温の不活性ガスに触れることで、不活性ガスから熱を吸収して、短時間で昇温し、接触している被ろう付け物又は被ろう付け物に接触する覆い部材に、吸収した熱を伝熱により伝えることによって、被ろう付け物の昇温速度を高め、昇温時間を短くするための部材である。
覆い部材(1)の上側覆い部のうち、伝熱促進部材(1)の上部伝熱促進部(1)に覆われている部分の面積は、覆い部材(1)の上側覆い部の全面積に対して、50~100%であることが好ましく、70~100%であることを特に好ましく、100%であること、すなわち、覆い部材(1)の上部覆い部全体が上部伝熱促進部(1)で覆われていることがより好ましい。
ろう付け温度域での軟化を防ぐため、伝熱促進部材(1)の材質としては、ステンレス、鉄、カーボン、セラミックなどの耐熱材料等が挙げられる。伝熱促進部材(1)は、不活性ガスからの熱の吸収以外にも、ろう付け炉のヒーターや高温に加熱された炉壁からの輻射熱によっても加熱される。そのため、伝熱促進部材(1)は、輻射熱の吸収効率が高くなる点で、黒色であることが好ましい。
上部伝熱促進部(1)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。また、下部伝熱促進部(1)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。上部伝熱促進部(1)及び下部伝熱促進部(1)の全体形状は、被ろう付け物又は覆い部材(1)の形状により、適宜選択される。
上部伝熱促進部(1)は、覆い部材(1)の上部覆い部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、上部伝熱促進部(1)が覆い部材(1)の上部覆い部を覆っていない部分があってもよい。また、上部伝熱促進部(1)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる上部伝熱促進部(1)は、覆い部材(1)の上部覆い部の一部を覆っている。例えば、上部伝熱促進部(1)のうち、覆い部材(1)の上部覆い部が存在している位置に、上部伝熱促進部(1)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
下部伝熱促進部(1)は、被ろう付け物の下部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、下部伝熱促進部(1)が被ろう付け物の下部を覆っていない部分があってもよい。また、下部伝熱促進部材(1)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる下部伝熱促進部(1)は、被ろう付け物の下部の一部を覆っている。例えば、下部伝熱促進部(1)のうち、被ろう付け物の下部が存在している位置に、下部伝熱促進部(1)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
伝熱促進部材(1)は、ろう付け加熱の際に、被ろう付け物を固定するための治具を兼ねてもよい。また、伝熱促進部材(1)は、上部伝熱促進部(1)及び下部伝熱促進部(1)以外に、上部伝熱促進部(1)と下部伝熱促進部(1)を締め付けるための締結ボルト、上部伝熱促進部(1)と下部伝熱促進部(1)を挟み込むための挟み込み治具、はめ込み治具等を有していてもよい。
本発明の第一の形態のろう付け方法では、先ず、覆い部材(1)で、上部覆い部を被ろう付け物の上部に接触させて、被ろう付け物を覆い、且つ、上部伝熱促進部(1)を覆い部材(1)の上部覆い部に接触させ、下部伝熱促進部(1)を被ろう付け物の下部に接触させて、伝熱促進部材(1)で、被ろう付け物及び覆い部材(1)を挟み込ませた状態で、被ろう付け物、覆い部材(1)及び伝熱促進部材(1)を組み付け、得られる組み付け体を、ろう付け炉内に配置する。つまり、被ろう付け物の上部が、覆い部材(1)の上部覆い部で覆われ、被ろう付け物の下部が、下部伝熱促進部(1)で覆われ、被ろう付け部の側部の少なくとも一部が、覆い部材(1)の側部で覆われた状態、且つ、被ろう付け物及び覆い部材(1)が、上部伝熱促進部(1)と下部伝熱促進部(1)とで挟み込まれた状態にして、被ろう付け物、覆い部材(1)及び伝熱促進部材(1)を、ろう付け炉内に配置する。本発明の第一の形態のろう付け方法では、ろう付け加熱の際に、上部伝熱促進部(1)及び下部伝熱促進部(1)は、高温の不活性ガスに晒されており、且つ、上部伝熱促進部(1)は覆い部材(1)の上部覆い部に接触し、覆い部材(1)の上部覆い部は被ろう付け物の上部に接触し、また、下部伝熱促進部(1)は被ろう付け物の下部に接触しているので、ろう付け炉内の高温の不活性ガスから上部伝熱促進部(1)及び下部伝熱促進部(1)に移動した熱が、熱伝導により被ろう付け物に移動するので、被ろう付け物の加熱効率が高くなり、被ろう付け物の昇温速度が高くなり、被ろう付け物の昇温時間を短くすることができる。
図1及び図2を用いて、本発明の第一の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されるときの被ろう付け物と、覆い部材と、伝熱促進部材の組み立て状態を説明する。図1は、本発明の第一の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されているときの、被ろう付け物、覆い部材(1)及び伝熱促進部材(1)の組み立て体の形態例を上から見た図である。図2は、図1のX-X線断面図である。なお、図2では、説明の都合上、被ろう付け物及び覆い部材(1)については、端面のみを記載した。図1及び図2に示すように、組み立て体10aは、被ろう付け物1と、上部覆い部21及び側部覆い部22からなる覆い部材2aと、上部伝熱促進部31a及び下部伝熱促進部32aからなる伝熱促進部材3aと、を、被ろう付け物1の上部が、覆い部材2aの上部覆い部21で覆われ、被ろう付け部1の側部が、覆い部材2aの側部覆い部22で覆われた状態、且つ、被ろう付け物1及び覆い部材2aが、上部伝熱促進部31aと下部伝熱促進部32aとで挟み込まれた状態に組み立てることにより、作成される。組み立て体10aは、締結ボルト5aにより、上部伝熱促進部31aと下部伝熱促進部32aが締め付けられることにより、固定されている。
本発明の第二の形態のろう付け方法に係る覆い部材(2)は、被ろう付け物の下部全体を覆う下部覆い部と、被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う、すなわち、被ろう付け物の側部の全部又は一部を覆う側部覆い部と、からなる。覆い部材(2)は、ろう付け加熱の際に、伝熱促進部材(2)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材である。被ろう付け物及び覆い部材(2)を上から見たときに、覆い部材(2)は、被ろう付け物の周囲を囲っている。
覆い部材(2)の材質としては、ステンレス、アルミニウム合金等が挙げられる。覆い部材(2)の材質としては、5000系アルミニウム合金等のMgを含有するアルミニウム合金が、覆い部材(2)の内側の不活性ガス中の酸素と覆い部材(2)中のMg元素が反応して、覆い部材(2)の内側の不活性ガス中の酸素濃度を低くすることができる点で、好ましい。
覆い部材(2)の下部覆い部及び側部覆い部は、板状の材料で形成されている。覆い部材(2)の全体形状は、被ろう付け物の形状により、適宜選択される。覆い部材(2)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、小さいほど、側部覆い部からの輻射熱により、被ろう付け物が加熱され易くなる。覆い部材(2)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、20mm以下が好ましい。また、被ろう付け物の側部の形状が複雑だと、被ろう付け物の側部の全ての部分において、覆い部材(2)の側部覆い部との間隔を小さくすることが困難な場合もあるが、そのような場合は、被ろう付け物の側部のうちのろう付け部近傍と覆い部材(2)の側部覆い部との間隔のみを小さくしてもよい。
本発明の第二の形態のろう付け方法に係る伝熱促進部材(2)は、覆い部材(2)の下部覆い部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部(2)と、被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部(2)と、からなる。伝熱促進部材(2)は、ろう付け加熱の際に、覆い部材(2)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材(2)の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材であると共に、ろう付け炉内を流れる高温の不活性ガスに触れることで、不活性ガスから熱を吸収して、短時間で昇温し、接触している被ろう付け物又は被ろう付け物に接触する覆い部材に、吸収した熱を伝熱により伝えることによって、被ろう付け物の昇温速度を高め、昇温時間を短くするための部材である。
ろう付け温度域での軟化を防ぐため、伝熱促進部材(2)の材質としては、ステンレス、鉄、カーボン、セラミックなどの耐熱材料等が挙げられる。伝熱促進部材(2)は、不活性ガスからの熱の吸収以外にも、ろう付け炉のヒーターや高温に加熱された炉壁からの輻射熱によっても加熱される。そのため、伝熱促進部材(2)は、輻射熱の吸収効率が高くなる点で、黒色であることが好ましい。
上部伝熱促進部(2)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。また、下部伝熱促進部(2)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。上部伝熱促進部(2)及び下部伝熱促進部(2)の全体形状は、被ろう付け物又は覆い部材(2)の形状により、適宜選択される。
上部伝熱促進部(2)は、被ろう付け物の上部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、上部伝熱促進部(2)が被ろう付け物の上部を覆っていない部分があってもよい。また、上部伝熱促進部(2)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる上部伝熱促進部(2)は、被ろう付け物の上部の一部を覆っている。例えば、上部伝熱促進部(2)のうち、被ろう付け物の上部が存在している位置に、上部伝熱促進部(2)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
下部伝熱促進部(2)は、覆い部材(2)の下部覆い部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、下部伝熱促進部(2)が覆い部材(2)の下部覆い部の下部を覆っていない部分があってもよい。また、下部伝熱促進部(2)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる下部伝熱促進部(2)は、覆い部材(2)の下部覆い部の一部を覆っている。例えば、下部伝熱促進部(2)のうち、覆い部材(2)の下部覆い部が存在している位置に、下部伝熱促進部(2)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
伝熱促進部材(2)は、ろう付け加熱の際に、被ろう付け物を固定するための治具を兼ねてもよい。また、伝熱促進部材(2)は、上部伝熱促進部(2)及び下部伝熱促進部(2)以外に、上部伝熱促進部と下部伝熱促進部を締め付けるための締結ボルト、上部伝熱促進部(2)と下部伝熱促進部(2)を挟み込むための挟み込み治具、はめ込み治具等を有していてもよい。
本発明の第二の形態のろう付け方法では、先ず、覆い部材(2)で、下部覆い部を被ろう付け物の下部に接触させて、被ろう付け物を覆い、且つ、下部伝熱促進部(2)を覆い部材(2)の下部覆い部に接触させ、上部伝熱促進部(2)を被ろう付け物の上部に接触させて、伝熱促進部材(2)で、被ろう付け物及び覆い部材(2)を挟み込ませた状態で、被ろう付け物、覆い部材(2)及び伝熱促進部材(2)を組み付け、得られる組み付け体を、ろう付け炉内に配置する。つまり、被ろう付け物の上部が、上部伝熱促進部(2)で覆われ、被ろう付け物の下部が、覆い部材(2)の下部覆い部で覆われ、被ろう付け部の側部の少なくとも一部が、覆い部材(2)の側部覆い部で覆われた状態、且つ、被ろう付け物及び覆い部材(2)が、上部伝熱促進部(2)と下部伝熱促進部(2)とで挟み込まれた状態にして、被ろう付け物、覆い部材(2)及び伝熱促進部材(2)を、ろう付け炉内に配置する。本発明の第二の形態のろう付け方法では、ろう付け加熱の際に、上部伝熱促進部(2)及び下部伝熱促進部(2)は、高温の不活性ガスに晒されており、且つ、下部伝熱促進部(2)は覆い部材(2)の下部覆い部に接触し、覆い部材(2)の下部覆い部は被ろう付け物の下部に接触し、また、上部伝熱促進部(2)は被ろう付け物の上部に接触しているので、ろう付け炉内の高温の不活性ガスから上部伝熱促進部(2)及び下部伝熱促進部(2)に移動した熱が、熱伝導により被ろう付け物に移動するので、被ろう付け物の加熱効率が高くなり、被ろう付け物の昇温速度が高くなり、被ろう付け物の昇温時間を短くすることができる。
図3及び図4を用いて、本発明の第二の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されるときの被ろう付け物と、覆い部材と、伝熱促進部材の組み立て状態を説明する。図3は、本発明の第二の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されているときの、被ろう付け物、覆い部材(2)及び伝熱促進部材(2)の組み立て体の形態例を上から見た図である。図4は、図3のX-X線断面図である。なお、図4では、説明の都合上、被ろう付け物及び覆い部材(2)については、端面のみを記載した。図3及び図4に示すように、組み立て体10bは、被ろう付け物1と、下部覆い部23及び側部覆い部24からなる覆い部材2bと、上部伝熱促進部31b及び下部伝熱促進部32bからなる伝熱促進部材3bと、を、被ろう付け物1の下部が、覆い部材2bの下部覆い部23で覆われ、被ろう付け部1の側部が、覆い部材2bの側部覆い部24で覆われた状態、且つ、被ろう付け物1及び覆い部材2bが、上部伝熱促進部31bと下部伝熱促進部32bとで挟み込まれた状態に組み立てることにより、作成される。組み立て体10bは、締結ボルト5bにより、上部伝熱促進部31bと下部伝熱促進部32bが締め付けられることにより、固定されている。
本発明の第三の形態のろう付け方法に係る覆い部材(3)は、被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う部材、すなわち、被ろう付け物の側部の全部又は一部を覆う部材である。覆い部材(3)は、ろう付け加熱の際に、伝熱促進部材(3)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材である。被ろう付け物及び覆い部材(3)を上から見たときに、覆い部材(3)は、被ろう付け物の周囲を囲っている。
覆い部材(3)の材質としては、ステンレス、アルミニウム合金等が挙げられる。覆い部材(3)の材質としては、5000系アルミニウム合金等のMgを含有するアルミニウム合金が、覆い部材(3)の内側の不活性ガス中の酸素と覆い部材(3)中のMg元素が反応して、覆い部材(3)の内側の不活性ガス中の酸素濃度を低くすることができる点で、好ましい。
覆い部材(3)は、板状の材料で形成されている。覆い部材(3)の全体形状は、被ろう付け物の形状により、適宜選択される。覆い部材(3)と被ろう付け物の側部との間隔は、小さいほど、覆い部材(3)からの輻射熱により、被ろう付け物が加熱され易くなる。覆い部材(3)と被ろう付け物の側部との間隔は、20mm以下が好ましい。また、被ろう付け物の側部の形状が複雑だと、被ろう付け物の側部の全ての部分において、覆い部材(3)との間隔を小さくすることが困難な場合もあるが、そのような場合は、被ろう付け物の側部のうちのろう付け部近傍と覆い部材(3)との間隔のみを小さくしてもよい。
本発明の第三の形態のろう付け方法に係る伝熱促進部材(3)は、被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部(3)と、被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部(3)と、からなる。伝熱促進部材(3)は、ろう付け加熱の際に、覆い部材(3)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材(3)の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材であると共に、ろう付け炉内を流れる高温の不活性ガスに触れることで、不活性ガスから熱を吸収して、短時間で昇温し、接触している被ろう付け物に、吸収した熱を伝熱により伝えることによって、被ろう付け物の昇温速度を高め、昇温時間を短くするための部材である。
ろう付け温度域での軟化を防ぐため、伝熱促進部材(3)の材質としては、ステンレス、鉄、カーボン、セラミックなどの耐熱材料等が挙げられる。伝熱促進部材(3)は、不活性ガスからの熱の吸収以外にも、ろう付け炉のヒーターや高温に加熱された炉壁からの輻射熱によっても加熱される。そのため、伝熱促進部材(3)は、輻射熱の吸収効率が高くなる点で、黒色であることが好ましい。
上部伝熱促進部(3)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。また、下部伝熱促進部(3)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。上部伝熱促進部(3)及び下部伝熱促進部(3)の全体形状は、被ろう付け物又は覆い部材(3)の形状により、適宜選択される。
上部伝熱促進部(3)は、被ろう付け物の上部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、上部伝熱促進部(3)が被ろう付け物の上部を覆っていない部分があってもよい。また、上部伝熱促進部(3)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる上部伝熱促進部(3)は、被ろう付け物の上部の一部を覆っている。例えば、上部伝熱促進部(3)のうち、被ろう付け物の上部が存在している位置に、上部伝熱促進部(3)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
下部伝熱促進部(3)は、被ろう付け物の下部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、下部伝熱促進部(3)が被ろう付け物の下部を覆っていない部分があってもよい。また、下部伝熱促進部(3)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる下部伝熱促進部(3)は、被ろう付け物の下部の一部を覆っている。例えば、下部伝熱促進部(3)のうち、被ろう付け物の下部が存在している位置に、下部伝熱促進部(3)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
伝熱促進部材(3)は、ろう付け加熱の際に、被ろう付け物を固定するための治具を兼ねてもよい。また、伝熱促進部材(3)は、上部伝熱促進部(3)及び下部伝熱促進部(3)以外に、上部伝熱促進部(3)と下部伝熱促進部(3)を締め付けるための締結ボルト、上部伝熱促進部(3)と下部伝熱促進部(3)を挟み込むための挟み込み治具、はめ込み治具等を有していてもよい。
本発明の第三の形態のろう付け方法では、先ず、覆い部材(3)で被ろう付け物の側部を覆い、且つ、上部伝熱促進部(3)を被ろう付け物の上部に接触させ、下部伝熱促進部(3)を被ろう付け物の下部に接触させて、伝熱促進部材(3)で、被ろう付け物を挟み込ませた状態に、被ろう付け物、覆い部材(3)及び伝熱促進部材(3)を組み付け、得られる被ろう付け物、覆い部材(3)及び伝熱促進部材(3)の組み付け体を、ろう付け炉内に配置する。つまり、被ろう付け物の上部が、伝熱促進部材(3)の上部伝熱促進部(3)で覆われ、被ろう付け物の下部が、伝熱促進部材(3)の下部伝熱促進部(3)で覆われ、被ろう付け部の側部の少なくとも一部が、覆い部材(3)で覆われた状態、且つ、被ろう付け物が、上部伝熱促進部(3)と下部伝熱促進部(3)とで挟み込まれた状態にして、被ろう付け物、覆い部材(3)及び伝熱促進部材(3)を、ろう付け炉内に配置する。本発明の第三の形態のろう付け方法では、ろう付け加熱の際に、上部伝熱促進部(3)及び下部伝熱促進部(3)は、高温の不活性ガスに晒されており、且つ、上部伝熱促進部(3)は被ろう付け物の上部に接触し、また、下部伝熱促進部(3)は被ろう付け物の下部に接触しているので、ろう付け炉内の高温の不活性ガスから上部伝熱促進部(3)及び下部伝熱促進部(3)に移動した熱が、熱伝導により被ろう付け物に移動するので、被ろう付け物の加熱効率が高くなり、被ろう付け物の昇温速度が高くなり、被ろう付け物の昇温時間を短くすることができる。
図5及び図6を用いて、本発明の第三の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されるときの被ろう付け物と、覆い部材と、伝熱促進部材の組み立て状態を説明する。図5は、本発明の第三の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されているときの、被ろう付け物、覆い部材(3)及び伝熱促進部材(3)の組み立て体の形態例を上から見た図である。図6は、図5のX-X線断面図である。なお、図6では、説明の都合上、被ろう付け物及び覆い部材(3)については、端面のみを記載した。図5及び図6に示すように、組み立て体10cは、被ろう付け物1と、覆い部材2cと、上部伝熱促進部31c及び下部伝熱促進部32cからなる伝熱促進部材3cと、を、被ろう付け部1の側部が、覆い部材2cで覆われた状態、且つ、被ろう付け物1及び覆い部材2cが、上部伝熱促進部31cと下部伝熱促進部32cとで挟み込まれた状態に組み立てることにより、作成される。組み立て体10cは、締結ボルト5cにより、上部伝熱促進部31cと下部伝熱促進部32cが締め付けられることにより、固定されている。
本発明の第四一の形態のろう付け方法に係る覆い部材(4)は、被ろう付け物の上部のうち上部伝熱促進部(4)で覆われていない部分を覆う上部覆い部と、被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う、すなわち、被ろう付け物の側部の全部又は一部を覆う側部覆い部と、からなる。覆い部材(4)は、ろう付け加熱の際に、伝熱促進部材(4)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材である。被ろう付け物及び覆い部材(4)を上から見たときに、覆い部材(4)及び伝熱促進部(4)とで、被ろう付け物の周囲を囲っている。
覆い部材(4)の材質としては、ステンレス、アルミニウム合金等が挙げられる。覆い部材(4)の材質としては、5000系アルミニウム合金等のMgを含有するアルミニウム合金が、覆い部材(4)の内側の不活性ガス中の酸素と覆い部材(4)中のMg元素が反応して、覆い部材(4)の内側の不活性ガス中の酸素濃度を低くすることができる点で、好ましい。
覆い部材(4)の上部覆い部及び側部覆い部は、板状の材料で形成されている。覆い部材(4)の全体形状は、被ろう付け物の形状により、適宜選択される。覆い部材(4)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、小さいほど、側部覆い部からの輻射熱により、被ろう付け物が加熱され易くなる。覆い部材(4)の側部覆い部と被ろう付け物の側部との間隔は、20mm以下が好ましい。また、被ろう付け物の側部の形状が複雑だと、被ろう付け物の側部の全ての部分において、覆い部材(4)の側部覆い部との間隔を小さくすることが困難な場合もあるが、そのような場合は、被ろう付け物の側部のうちのろう付け部近傍と覆い部材(4)の側部覆い部との間隔のみを小さくしてもよい。
本発明の第四の形態のろう付け方法に係る伝熱促進部材(4)は、被ろう付け物の上部の一部を覆う上部伝熱促進部(4)と、被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部(4)と、からなる。伝熱促進部材(4)は、ろう付け加熱の際に、覆い部材(4)とで、被ろう付け物を覆うことにより、覆い部材(4)の外側から内側への不活性ガスの流入を少なくするための部材であると共に、ろう付け炉内を流れる高温の不活性ガスに触れることで、不活性ガスから熱を吸収して、短時間で昇温し、接触している被ろう付け物に、吸収した熱を伝熱により伝えることによって、被ろう付け物の昇温速度を高め、昇温時間を短くするための部材である。
ろう付け温度域での軟化を防ぐため、伝熱促進部材(4)の材質としては、ステンレス、鉄、カーボン、セラミックなどの耐熱材料等が挙げられる。伝熱促進部材(4)は、不活性ガスからの熱の吸収以外にも、ろう付け炉のヒーターや高温に加熱された炉壁からの輻射熱によっても加熱される。そのため、伝熱促進部材(4)は、輻射熱の吸収効率が高くなる点で、黒色であることが好ましい。
上部伝熱促進部(4)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。また、下部伝熱促進部(4)は、板状の材料;板状の材料より厚みが厚いブロック状の材料;格子状の構造の材料やハニカム構造の材料や複数の貫通孔が形成されている板状又はブロック状の材料のように、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料等で形成されている。上部伝熱促進部(4)及び下部伝熱促進部(4)の全体形状は、被ろう付け物又は覆い部材(4)の形状により、適宜選択される。
上部伝熱促進部(4)は、被ろう付け物の上部の一部を覆っている。
下部伝熱促進部(4)は、被ろう付け物の下部の全体を覆ってもよいし、あるいは、一部を覆っていてもよい。つまり、本発明の効果が妨げられない程度であれば、下部伝熱促進部(4)が被ろう付け物の下部を覆っていない部分があってもよい。また、下部伝熱促進部(4)が、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる場合、貫通部が形成されている板状又はブロック状の材料からなる下部伝熱促進部(4)は、被ろう付け物の下部の一部を覆っている。例えば、下部伝熱促進部(4)のうち、被ろう付け物の下部が存在している位置に、下部伝熱促進部(4)に貫通部が形成されていても、本発明の効果は妨げられない。
被ろう付け物、覆い部材(4)及び伝熱促進部材(4)を組み付け体において、本発明の効果が妨げられない程度であれば、覆い部材(4)の上部覆い部と上部伝熱促進部(4)との間に隙間があってもよい。例えば、被ろう付け物の上部が存在している位置に、覆い部材(4)の上部覆い部と上部伝熱促進部(4)との隙間があっても、本発明の効果は妨げられない。
伝熱促進部材(4)は、ろう付け加熱の際に、被ろう付け物を固定するための治具を兼ねてもよい。また、伝熱促進部材(4)は、上部伝熱促進部及び下部伝熱促進部以外に、上部伝熱促進部と下部伝熱促進部を締め付けるための締結ボルト、上部伝熱促進部(1)と下部伝熱促進部(1)を挟み込むための挟み込み治具、はめ込み治具等を有していてもよい。
本発明の第四の形態のろう付け方法では、先ず、上部伝熱促進部を被ろう付け物の上部に接触させ、下部伝熱促進部を被ろう付け物の下部に接触させて、伝熱促進部材(4)で、被ろう付け物を挟み込ませ、且つ、覆い部材(4)で、被ろう付け物のうち、伝熱促進部材(4)では覆われていない部分を覆った状態に、被ろう付け物、覆い部材(4)及び伝熱促進部材(4)を組み付け、得られる組み付け体を、ろう付け炉内に配置する。つまり、被ろう付け物の上部が伝熱促進部材(4)の上部伝熱促進部と覆い部材(4)の上部覆い部とで覆われ、被ろう付け部の側部の少なくとも一部が、覆い部材(4)の側部で覆われ、被ろう付け物の下部が伝熱促進部材(4)の下部伝熱促進部で覆われた状態、且つ、被ろう付け物が、上部伝熱促進部と下部伝熱促進部とで挟み込まれた状態にして、被ろう付け物、覆い部材(4)及び伝熱促進部材(4)を、ろう付け炉内に配置する。本発明の第四の形態のろう付け方法では、ろう付け加熱の際に、上部伝熱促進部及び下部伝熱促進部は、高温の不活性ガスに晒されており、且つ、上部伝熱促進部は被ろう付け物の上部に接触し、また、下部伝熱促進部は被ろう付け物の下部に接触しているので、ろう付け炉内の高温の不活性ガスから上部伝熱促進部及び下部伝熱促進部に移動した熱が、熱伝導により被ろう付け物に移動するので、被ろう付け物の加熱効率が高くなり、被ろう付け物の昇温速度が高くなり、被ろう付け物の昇温時間を短くすることができる。
図7及び図8を用いて、本発明の第四の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されるときの被ろう付け物と、覆い部材と、伝熱促進部材の組み立て状態を説明する。図7は、本発明の第四の形態のろう付け方法において、ろう付け炉内に配置されているときの、被ろう付け物、覆い部材(4)及び伝熱促進部材(4)の組み立て体の形態例を上から見た図である。図8は、図7のX-X線断面図である。なお、図8では、説明の都合上、被ろう付け物及び覆い部材(4)については、端面のみを記載した。図7及び図8に示すように、組み立て体10dは、被ろう付け物1と、上部覆い部27及び側部覆い部28からなる覆い部材2dと、上部伝熱促進部31d及び下部伝熱促進部32dからなる伝熱促進部材3dと、を、被ろう付け物1の上部が、上部伝熱促進部31dと覆い部材2dの上部覆い部27とで覆われ、被ろう付け部1の側部が、覆い部材2dの側部覆い部28で覆われた状態、且つ、被ろう付け物1が、上部伝熱促進部31dと下部伝熱促進部32dとで挟み込まれた状態に組み立てることにより、作成される。組み立て体10dは、被ろう付け物1を上下から挟む伝熱促進部材3dの上部伝熱促進部31dを上から上側挟み込み治具41dが、下部伝熱促進部32dを下から下側挟み込み治具42dが挟み、締結ボルト5dで締め付けられることにより、固定されている。
本発明のろう付け方法では、次いで、不活性ガス雰囲気中で、被ろう付け物をろう付け加熱して、被ろう付け物のろう付けを行う。つまり、ろう付け炉内に、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材を静置した状態で、ろう付け炉内の空気を不活性ガスで置換して、ろう付け炉内の雰囲気を不活性ガス雰囲気にし、ろう付け炉内の温度を高めて、不活性ガス雰囲気中で、被ろう付け物をろう付け加熱し、被ろう付け物のろう付けを行い、ろう付け物を得る。
本発明のろう付け方法は、フラックスを用いないろう付け方法である。フラックスを用いないろう付け方法では、ろう付け加熱途中のアルミニウム材料の酸化を避ける必要がある。そのため、本発明のろう付け方法では、不活性ガス雰囲気中で、被ろう付け物のろう付けを行う。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスが挙げられる。不活性ガス中の酸素は、ろう付け性の低下の要因となるため、不活性ガス中の酸素濃度が低いほど、ろう付け性は高くなる。不活性ガス中の酸素濃度は、100ppm以下が好ましい。また、不活性ガス中の水分も、高温状態では、ろう付け性の低下の要因となるため、不活性ガス中の水分量は低いほど、ろう付け性は高くなる。不活性ガスの露点は、-30℃以下が好ましい。
ろう付け加熱の際の昇温速度は、ろう付け性に影響を与え、昇温速度が遅いと、一度破壊されたアルミニウム材料の表面が再酸化され易くなり、ろう付け性が低くなるため、酸化が進み易い300℃から600℃までを、40分以内で昇温するのが好ましい。ろう付け加熱の際の300℃から600℃までの温度域での昇温速度は、好ましくは10~40℃/分、特に好ましくは15~40℃/分である。ろう付け加熱の際の最高温度は、ろう材の融点以上の温度であり、600~610℃が好ましい。
本発明のろう付け方法では、被ろう付け物の内側の体積(A)に対する伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)の比(B/A)は、好ましくは1.0~5.0、特に好ましくは1.0~3.0である。体積(A)に対する体積(B)の比が、上記範囲にあることにより、被ろう付け物と覆い部材の側部覆い部との間の空間の容積が小さくなるので、ろう付け加熱の際の被ろう付け物の加熱効率が高くなり、ろう付け加熱の際の被ろう付け物の昇温速度が高くなる。
なお、「被ろう付け物の内側の体積(A)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分の体積を指す。図9に示す形態例の場合、被ろう付け物1の内壁11及び内壁の延長線12(図9中、点線で示す。)により囲まれる部分6の体積を指す。
また、(i)本発明の第一の形態のろう付け方法において、「伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)」とは、覆い部材(1)の内壁(覆い部材(1)の側部覆い部の下端が下部伝熱促進部(1)の上面に接していない場合は、覆い部材(1)の内壁及び内壁の延長面)と、下部伝熱促進部(1)の上面(下部伝熱促進部(1)に貫通部が形成されている場合は、下部伝熱促進部(1)の上面及び上面の延長面)と、により囲まれる部分の体積を指す。図10に示す形態例の場合、覆い部材2aの内壁221aと下部伝熱促進部32aの上面321aとにより囲まれる部分71の体積を指す。図11に示す形態例の場合、覆い部材2a1の内壁221a1及び内壁の延長面222a1と下部伝熱促進部32a1の上面321a1とにより囲まれる部分72の体積を指す。
また、(ii)本発明の第二の形態のろう付け方法において、「伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)」とは、覆い部材(2)の内壁(覆い部材(2)の側部覆い部の上端が上部伝熱促進部(2)の下面に接していない場合は、覆い部材(2)の内壁及び内壁の延長面)と、上部伝熱促進部(2)の下面(上部伝熱促進部(2)に貫通部が形成されている場合は、上部伝熱促進部(2)の下面及び下面の延長面)と、により囲まれる部分の体積を指す。
また、(iii)本発明の第三の形態のろう付け方法において、また、「伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)」とは、覆い部材(3)の内壁(覆い部材(3)の上端が上部伝熱促進部(3)の下面に接していない場合は、覆い部材(3)の内壁及び内壁の延長面)と、上部伝熱促進部(3)の下面(上部伝熱促進部(3)に貫通部が形成されている場合は、上部伝熱促進部(3)の下面及び下面の延長面)と、下部伝熱促進部(3)の上面(下部伝熱促進部(3)に貫通部が形成されている場合は、下部伝熱促進部(3)の上面及び上面の延長面)と、により囲まれる部分の体積を指す。
また、(iv)本発明の第四の形態のろう付け方法において、また、「伝熱促進部材及び覆い部材の設置位置より内側の体積(B)」とは、覆い部材(4)の内壁(覆い部材(4)の側部覆い部の下端が下部伝熱促進部(4)の下面に接していない又は覆い部材(4)の上部覆い部の内側端が上部伝熱促進部(4)の外側面に接していない場合は、覆い部材(4)の内壁及び内壁の延長面)と、上部伝熱促進部(4)の下面(上部伝熱促進部(4)に貫通部が形成されている場合は、上部伝熱促進部(4)の下面及び下面の延長面)と、下部伝熱促進部(4)の上面(下部伝熱促進部(4)に貫通部が形成されている場合は、下部伝熱促進部(4)の上面及び上面の延長面)と、により囲まれる部分の体積を指す。
被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)は、好ましくは0.6以上、特に好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上である。体積(A)に対する体積(C)の比が、上記範囲にあることにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入が低く抑えられるため、ろう付け加熱の際の、不活性ガス中の酸素によるアルミニウム材料の表面の再酸化を防ぐ効果が高くなるので、ろう付け性が高くなる。なお、「覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)」とは、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み立て体を側面視したときに、側面が覆い部材と重なっている部分の被ろう付け物の内側の体積を指す。言い換えると、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み立て体を側面視したときに、覆い部材により隠されているために、覆い部材と伝熱促進部材との隙間からは見えない部分の被ろう付け物の内側の体積を指す。
本発明の第一の形態のろう付け方法では、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)」は、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C1)の比(C1/A)」に相当する。そして、本発明の第一の形態のろう付け方法では、被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C1)の比(C1/A)は、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上である。体積(A)に対する体積(C1)の比が、上記範囲にあることにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入が低く抑えられるため、ろう付け加熱の際の、不活性ガス中の酸素によるアルミニウム材料の表面の再酸化を防ぐ効果が高くなるので、ろう付け性が高くなる。なお、「覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C1)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、上下方向に見た時に、覆い部材(1)の側部覆い部の下端より上にある部分の体積を指す。図12に示す形態例では、「覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C1)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、覆い部材2dの側部覆い部の下端13dの上下方向の位置(図12中、点線で示す位置)から上側の部分81の体積を指す。
本発明の第二の形態のろう付け方法では、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)」は、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C2)の比(C2/A)」に相当する。そして、本発明の第二の形態のろう付け方法では、被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C2)の比(C2/A)は、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上である。体積(A)に対する体積(C2)の比が、上記範囲にあることにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入が低く抑えられるため、ろう付け加熱の際の、不活性ガス中の酸素によるアルミニウム材料の表面の再酸化を防ぐ効果が高くなるので、ろう付け性が高くなる。なお、「覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C2)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、上下方向に見た時に、覆い部材(2)の側部覆い部の上端より下にある部分の体積を指す。図13に示す形態例では、「覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C2)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、覆い部材2eの側部覆い部の上端13eの上下方向の位置(図13中、点線で示す位置)から下側の部分82の体積を指す。
本発明の第三の形態のろう付け方法では、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)」は、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C3)の比(C3/A)」に相当する。そして、本発明の第三の形態のろう付け方法では、被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C3)の比(C3/A)は、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上である。体積(A)に対する体積(C3)の比が、上記範囲にあることにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入が低く抑えられるため、ろう付け加熱の際の、不活性ガス中の酸素によるアルミニウム材料の表面の再酸化を防ぐ効果が高くなるので、ろう付け性が高くなる。なお、「覆い部材の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C3)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、上下方向に見た時に、覆い部材(3)の上端より下にある部分の体積を指す。図14に示す形態例では、「覆い部材の上端より下にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C3)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、覆い部材2fの上端13fの上下方向の位置(図14中、点線で示す位置)から下側の部分83の体積を指す。
本発明の第四の形態のろう付け方法では、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材により側部が覆われている部分の被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)」は、「被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C4)の比(C4/A)」に相当する。そして、本発明の第四の形態のろう付け方法では、被ろう付け物の内側の体積(A)に対する覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C4)の比(C4/A)は、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上である。体積(A)に対する体積(C4)の比が、上記範囲にあることにより、覆い部材の外側から内側への不活性ガスの流入が低く抑えられるため、ろう付け加熱の際の、不活性ガス中の酸素によるアルミニウム材料の表面の再酸化を防ぐ効果が高くなるので、ろう付け性が高くなる。なお、「覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の被ろう付け物の内側の体積(C4)」とは、被ろう付け物の内壁及び内壁の延長面により囲まれる部分のうち、上下方向に見た時に、覆い部材(4)の側部覆い部の下端より上にある部分の体積を指す。
アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けする場合、アルミニウム材料の表面には、酸化被膜が存在しているため、ろう付加熱中の昇温過程において、ろう材が溶融する前に、被ろう付け物を構成する材料中に含まれている酸化皮膜を破壊するための元素で、酸化皮膜を破壊し、ろう付けを行う。しかし、一度酸化皮膜が破壊されアルミニウムの金属面が生じたとしても、再び酸化皮膜が形成されてしまうと、良好なろう付性は得られない。そのため、ろう付する雰囲気中に酸素が存在すると、ろう付性が低くなってしまう。ろう付け雰囲気が、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であったとしても、窒素、アルゴン等の不活性ガスは微量ながらも酸素を含有しており、そして、不活性ガス雰囲気に微量に存在する酸素により、再酸化は起きるため、不活性ガス中の微量酸素がろう付性に大きく影響を与える。工業的には、通常、ろう付け炉内を、不活性ガスを流動させながら、ろう付を行うので、被ろう付け物は、常に、新たな不活性ガスと接触することになり、不活性ガス中の酸素が、被ろう付け物に供給され続けることになる。そこで、本発明のろう付け方法では、覆い部材及び伝熱促進部材で、被ろう付け物を覆うことにより、被ろう付け物の周囲へ、ろう付け炉内の酸素を含有する不活性ガスが流入する量を少なくし、このことにより、覆い部材及び伝熱促進部材で覆われている被ろう付け物の周囲の不活性ガス中の酸素が、被ろう付け物を構成するアルミニウム材料中に含有されている酸化皮膜を破壊するための元素と結合することで、被ろう付け物の周囲の不活性ガス中の酸素濃度が低下した後に、覆い部材及び伝熱促進部材の外側の新たな不活性ガス(すなわち、覆い部材及び伝熱促進部材の内側に比べ、酸素濃度が高い不活性ガス)が、被ろう付け物の周囲に流入する量を少なくすることができる。そのため、本発明のろう付け方法では、被ろう付け物の周囲が、極めて酸素濃度が低い不活性ガスで覆われることになり、このことにより、本発明のろう付け方法では、ろう付加熱中の昇温過程において、被ろう付け物を構成する材料中に含まれている酸化皮膜を破壊するための元素で、酸化皮膜が破壊され、アルミニウムの金属面が生じた後に、不活性ガス中に含まれる酸素により、再び酸化皮膜が形成されてしまうことが防がれるので、安定したろう付性を確保することができる。
このとき、例え、被ろう付け物の周囲を覆うことにより、被ろう付け物の周囲の不活性ガス中の酸素濃度を低減させたとしても、覆いの内側への不活性ガスの流入を完全に防ぐことはできないので、ろう付加熱において、被ろう付け物の昇温時間が長くなると、アルミニウム材料表面の酸化が起こってしまう。そのため、良好なろう付性を得るためには被ろう付け物の昇温時間を短くすることが必要である。ところが、被ろう付け物の周囲が覆いで覆われていると、熱せられた覆いからの輻射加熱による加熱となり、高温の不活性ガスからの熱を十分に得ることができず、被ろう付け物を短時間で昇温することができなくなる。そこで、本発明ののろう付け方法では、ろう付け炉内を流れる高温の不活性ガスに触れることで、短時間で昇温する伝熱促進部材を、被ろう付け物に接触させるか又は被ろう付け物に接触する覆い部材に外側から接触させることにより、被ろう付け物を伝熱により効率よく加熱できるので、被ろう付け物の昇温速度が高くなり、被ろう付け物の昇温時間を短くすることできる。このことにより、本発明のろう付け方法では、ろう付加熱中の昇温過程において、被ろう付け物を構成する材料中に含まれている酸化皮膜を破壊するための元素で、酸化皮膜を破壊し、アルミニウムの金属面が生じた後に、不活性ガス中に含まれる酸素により、再び酸化皮膜が形成されてしまうことが防がれるので、安定したろう付性を確保することができる。
本発明のろう付け方法では、被ろう付け物と覆い部材と伝熱促進部材を、ろう付炉に入れる前に予め組み立てから、ろう付炉内に入れることで、良好なろう付性を達成することができる。そのため、不活性ガス雰囲気中で加熱することができる炉であれば、特別な設備を有する必要は無い。従って、本発明のろう付け方法に、アルミニウム材料のろう付けに従来より使用されている不活性ガス雰囲気炉を適用することで、良好なろう付が可能であるので、本発明のろう付け方法は、工業的なろう付けが容易且つ安価に行える。
以下に、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルミニウム材料として、熱間圧延により心材の片面にろう材をクラッドし、冷間圧延により板厚0.5mmに圧延し、焼鈍することで、片面にろう材がクラッドされているブレージングシートを作製した。該ブレージングシートの心材合金は、1.2質量%のMn、0.6質量%のSi、0.15質量%のCu及び0.5質量%のMgを含有し、残部Alからなるアルミニウム合金であり、ろう材合金は、10質量%のSiを含有し、残部Alからなるアルミニウム合金であった。
次いで、得られたブレージングシートを、ろう材を凹面にして、図1及び図2に示す被ろう付け物の形状にプレス成形(直径40mm)し、これを2枚組み合わせて被ろう付け物とした。
また、JIS A3003、板厚0.5mmの板材をプレス成形し、図1に示す覆い部材(上部覆い部の直径:50mm、側部覆い部の高さ:16mm)を作製した。厚さ2mmのステンレス製の板を2枚用意し、それぞれ4隅に固定ネジ用の穴をあけて、伝熱促進部材(上部伝熱促進部及び下部伝熱促進部)を作製した。
次いで、図1に示すように、被ろう付け物に覆い部材を上から被せた状態で、それらを、伝熱促進部材で上下から挟み込んで、固定ネジで固定し、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体を得た。このとき、被ろう付け物の上部に覆い部材の上部覆い部が接触し、上部覆い部材に伝熱促進部材の上部伝熱促進部が接触し、被ろう付け物の下部に伝熱促進部材の下部伝熱促進部が接触していた。
被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体を、窒素ガス雰囲気のろう付け炉内に設置し、100℃以下の温度で10分間放置した後、ろう付け炉を600℃まで加熱してろう付けを行った。その結果、被ろう付け物を600℃まで昇温するのに要した時間は、20分であった。
また、ろう付け後のろう付け物を半分に切断し、ろう付け物の内部と外部のフィレット形成状態を観察した。その結果、ろう付け物の内部と外部のいずれにおいても、良好なフィレットが形成されていた。
(比較例1)
実施例1の覆い部材を用いないこと以外は、実施例1と同様に行った。すなわち、比較例1では、被ろう付け物を、伝熱促進部材で上下から挟み込んで、固定ネジで固定し、被ろう付け物及び伝熱促進部材の組み付け体を得た。このとき、被ろう付け物の上部に伝熱促進部材の上部伝熱促進部が接触し、被ろう付け物の下部に伝熱促進部材の下部伝熱促進部が接触していた。
その結果、被ろう付け物を600℃まで昇温するのに要した時間は、20分であった。
また、ろう付け後のろう付け物を半分に切断し、ろう付け物の内部と外部のフィレット形成状態を観察したところ、内部では良好なフィレトが形成されているものの、外部のフィレットは不連続であり、良好なろう付性は得られなかった。
(比較例2)
比較例1と同様にして、被ろう付物及び伝熱促進部材の組み付け体を作成した。次いで、被ろう付物及び伝熱促進部材の組み付け体の全体を、上から被せることにより覆うことができる箱型の覆い(JIS A3003、板厚0.5mmの板材を、150mm×150mm×高さ50mmのサイズに加工したもの。)を作製し、被ろう付物及び伝熱促進部材の組み付け体に、該箱型の覆いを被せて、該組み付け体全体を覆った。次いで、実施例1と同様に加熱してろう付を行った。
その結果、被ろう付物を600℃まで昇温するのに要した時間は、60分であった。
また、ろう付後のろう付物を半分に切断し、ろう付物の内部と外部のフィレット形成状態を観察したところ、内部では良好なフィレットが形成されているものの、外部のフィレットは不連続であり、良好なろう付性は得られなかった。
(実施例2~3)
アルミニウム材料として、熱間圧延により心材の片面にろう材をクラッドし、冷間圧延により板厚0.4mmに圧延し、焼鈍することで、片面にろう材がクラッドされているブレージングシートを作製した。該ブレージングシートの心材合金は、1.2質量%のMn、0.6質量%のSi、0.5質量%のCu及び0.5質量%のMgを含有し、残部Alからなるアルミニウム合金であり、ろう材合金は、10.0質量%のSiを含有し、残部Alからなるアルミニウム合金であった。
次いで、得られたブレージングシートを、ろう材を凹面にして、図15に示す被ろう付け物1aの形状にプレス成形した。被ろう付け物の内側の寸法は、55.5×18.0×10.0mmであった。
また、JIS A3003、板厚0.5mmの板材をプレス成形し、図15に示す覆い部材2gを作製した。覆い部材の内側の寸法は、72.0×32.0×10.0mm(実施例2)、100.0×40.0×10.0mm(実施例3)であった。更に、JIS A3003の板材(板厚0.5mm)を切断し、底板部材1bを作製した。底板部材1bは被ろう付け物1aとろう付けする部材であり、被ろう付け物1aの一部となる部材であり、被ろう付け物1aの下部を覆う部材である。底板部材1bの寸法は、80.0×40.0mm×0.5mm(実施例2)、108.0×48.0mm×0.5mm(実施例3)であった。厚さ2mmのステンレス製の板を2枚用意し、それぞれ4隅に固定ネジ用の穴をあけて、伝熱促進部材(上部伝熱促進部及び下部伝熱促進部)を作製した。
次いで、図15に示すように、被ろう付け物に覆い部材を上から被せた状態で、それらを、伝熱促進部材で上下から挟み込んで、固定ネジで固定し、被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体を得た。このとき、被ろう付け物の上部に覆い部材の上部覆い部が接触し、上部覆い部材に伝熱促進部材の上部伝熱促進部が接触し、底板部材の下部に伝熱促進部材の下部伝熱促進部が接触していた。なお、組み付け後、覆い部材と底板部材との間には、隙間が確認された。
被ろう付け物、覆い部材及び伝熱促進部材の組み付け体を、窒素ガス雰囲気のろう付け炉内に設置し、100℃以下の温度で10分間放置した後、ろう付け炉を600℃まで加熱してろう付けを行った。
また、ろう付け後のろう付け物を半分に切断し、ろう付け物の内部と外部のフィレット形成状態を観察した。その結果、ろう付け物の内部と外部のいずれにおいても、良好なフィレットが形成されていた。
Figure 0007256760000001
実施例2及び3では、組み付け後、覆い部材と底板部材との間に隙間があったにもかかわらず良好なろう付け性を示したことから、本発明においては、覆い部材と底板部材との間に大き過ぎない程度であれば、隙間があっても本発明の効果を奏するものと推測される。また、本発明の効果に影響を与えない程度であれば、被ろう付け物のうち、ろう付け部分より外側の一部が、覆い部材の外に出ていてもよいと推測される。

Claims (12)

  1. アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
    該被ろう付け物の上部全体を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(1)で、該上部覆い部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(1)の該上部覆い部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(1)で、該上部伝熱促進部を該覆い部材(1)の該上部覆い部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
    を特徴とするろう付け方法。
  2. アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
    該被ろう付け物の下部全体を覆う下部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(2)で、該下部覆い部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付けを覆い、且つ、該覆い部材(2)の該下部覆い部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(2)で、該下部伝熱促進部を該覆い部材(2)の該下部覆い部に接触させ、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させて、該被ろう付け物及び該覆い部材を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
    を特徴とするろう付け方法。
  3. アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
    該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う覆い部材(3)で、該被ろう付け物を覆い、且つ、該被ろう付け物の上部の全体又は一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(3)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませた状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
    を特徴とするろう付け方法。
  4. アルミニウム合金製の被ろう付け物を不活性ガス雰囲気中でフラックスを用いないでろう付けするろう付け方法であって、
    該被ろう付け物の上部の一部を覆う上部伝熱促進部と、該被ろう付け物の下部の全体又は一部を覆う下部伝熱促進部と、からなる伝熱促進部材(4)で、該上部伝熱促進部を該被ろう付け物の上部に接触させ、該下部伝熱促進部を該被ろう付け物の下部に接触させて、該被ろう付け物を挟み込ませ、且つ、該被ろう付け物の上部のうち該上部伝熱促進部で覆われていない部分を覆う上部覆い部と、該被ろう付け物の側部の少なくとも一部を覆う側部覆い部と、からなる覆い部材(4)で、該被ろう付けを覆った状態で、ろう付け炉内に配置し、次いで、不活性ガス雰囲気中で、該被ろう付け物をろう付け加熱して、該被ろう付け物のろう付けを行うこと、
    を特徴とするろう付け方法。
  5. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記伝熱促進部材及び前記覆い部材の設置位置より内側の体積(B)の比(B/A)が1.0~5.0であることを特徴とする請求項1~4いずれか1項記載のろう付け方法。
  6. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材により側部が覆われている部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C)の比(C/A)が0.8
    以上であることを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載のろう付け方法。
  7. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C1)の比(C1/A)が0.8以上であることを特徴とする請求項6項記載のろう付け方法。
  8. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の上端より下にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C2)の比(C2/A)が0.8以上であることを特徴とする請求項6記載のろう付け方法。
  9. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の上端より下にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C3)の比(C3/A)が0.8以上であることを特徴とする請求項6記載のろう付け方法。
  10. 前記被ろう付け物の内側の体積(A)に対する前記覆い部材の側部覆い部の下端より上にある部分の前記被ろう付け物の内側の体積(C4)の比(C4/A)が0.8以上であることを特徴とする請求項6記載のろう付け方法。
  11. 前記覆い部材がアルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、且つ、前記伝熱促進部材がステンレス製、鉄製、カーボン製又はセラミック製であることを特徴とする請求項1~10いずれか1項記載のろう付け方法。
  12. 前記覆い部材を形成するアルミニウム合金がMgを含有することを特徴とする請求項11記載のろう付け方法。
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