JP6118608B2 - 放熱装置のろう付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性部品とヒートシンクとを一体化した放熱装置のろう付方法に関する。
アルミニウムのろう付は、非腐食性フラックスを用いて不活性雰囲気中で加熱するノコロック法、Mg含有ろう材を用いて真空炉内で加熱する真空ろう付、フラックスを用いずに不活性雰囲気中で加熱するろう付など様々な方法で行われる(特許文献1〜3参照)。
特許文献1にはインナーフィンを有するヒートシンクの外面に絶縁基板(DBA基板)をMg含有ろう付を用いて真空ろう付する方法が記載されている。特許文献2にはヒートシンクと絶縁基板(DBA基板)とをフラックスろう付するに際し、溶融したフラックスが絶縁基板の絶縁板と金属層との間の接合部を侵食するのを防止するために、金属層の周面にボロンナイトライドやカーボンのフラックス侵入防止剤を付着させておく方法が記載されている。また、特許文献3には、非酸化雰囲気中でフラックスレスろう付する方法が記載されている。
特開2008−166356号公報 特開2011−228563号公報 特開2012−55895公報
上述した種々のろう付法を絶縁基板とヒートシンクとの一体化に適用すると、それらの特徴により以下のような不都合が生じる。
真空ろう付はフラックスに関する問題は起こらないが、設備が高価であるからろう付コストが高くなる。また、ろう材から蒸発したMgが炉内に堆積するので定期的に清掃しなければならない。また、耐食性向上のために被接合部材またはろう材に添加したZnが蒸発により失われ、Znによる防食効果を得にくいという問題点もある。
フラックスろう付はフラックス作用によって良好なろう付を達成できるが、ろう付品にフラックス残渣が残留するので、ろう付品の外観品質を低下させ、絶縁基板からヒートシンクへの伝熱性が低下するおそれがある。
フラックスレスろう付はフラックスに関する問題は起こらないが、ヒートシンクの作動液通路のように狭く半ば閉鎖された空間を速やかに非酸化性雰囲気に置換することが困難であるため、ヒートシンクの外面は良好にろう付できても内部でろう付不良が発生することがある。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、電子素子搭載用の機能性部品とヒートシンクとを一体化した放熱装置のろう付において、放熱装置の伝熱性能や外観品質を低下させることなく、機能性部品とヒートシンクのろう付およびヒートシンクの内部のろう付を良好に行い、かつ低コストでろう付することを目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[5]に記載の構成を有する。
[1]内部が作動液通路となるヒートシンクを、内部にフラックスを付与して仮組みするとともに、前記ヒートシンクの外面に発熱体搭載用の機能性部品をフラックスを付与すること無く重ねて放熱装置を仮組みし、この仮組物を非酸化性雰囲気中で加熱して仮組されたヒートシンクをろう付するとともに、ヒートシンクと発熱体搭載用の機能性部品とをろう付することを特徴とする放熱装置のろう付方法。
[2]前記機能性部品は、ヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、絶縁層、回路層が積層された電子素子搭載用基板である前項1に記載の放熱装置のろう付方法。
[3]前記機能性部品は、ヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された3層のクラッド材、またはヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、チタン−ニッケル合金層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された4層のクラッド材である前項1に記載の放熱装置のろう付方法。
[4]前記ヒートシンクの外面と機能性部品とを接合するろう材は、Al−Si−Mg系合金ろう材またはAl−Si−Mg−Bi系合金ろう材である前項1〜3のいずれか1項に記載の放熱装置のろう付方法。
[5]内部が作動液通路となるヒートシンクの外面に発熱体搭載用の機能性部品がろう付された放熱装置が、前項1〜4のいずれか1項に記載された方法でろう付されてなることを特徴とする放熱装置。
[1]に記載の発明によれば、ヒートシンク内部において非酸化性雰囲気への置換が不十分であったとしてもフラックス作用によって良好なろう付が達成される。また、ろう付加熱によって発生する不純物ガスが排出されにくい場合でも、溶融したフラックスが不純物ガスの排出を促し、あるいはフラックスと不純物ガスと反応することで不純物ガスによる悪影響を無くすことができる。また、ヒートシンク内部は作動液を入れた後に閉鎖される空間であるから、フラックス残渣が残ったとしても放熱装置の外観品質を損なうことはない。一方、ヒートシンクの外面と機能性部品との接合部は非酸化性雰囲気中に露出しているので、これらはフラックスが無くても良好にろう付される。また、フラックスを付与しないのでフラックス残渣による伝熱性能の低下や外観品質の低下は起こらない。
また、本ろう付方法は真空ろう付ではなく大気圧下のろう付であるから、Mgの飛散により炉内が汚れることもなく、Znによる防食も可能である。さらに、真空ろう付のような減圧を伴う高価な設備を必要とせず、真空ろう付よりも低コストでろう付することができる。
[2]に記載の発明によれば、電子素子搭載用基板とヒートシンクとを一体化した放熱装置において上記効果を奏することができる。
[3]に記載の発明によれば、機能性部品である積層材のヒートシンク側がアルミニウムまたはアルミニウム合金層であるからヒートシンクとのろう付性が良く、反対側の最外層がニッケルまたはニッケル合金層であるから電子素子搭載用基板とのはんだ付性が良好である。そして、かかる積層材とヒートシンクとを一体化した放熱装置において上記効果を奏することができる。
[4]に記載の発明によれば、ヒートシンクの外面と機能性部品とを接合するためのろう材がAl−Si−Mg系合金ろう材またはAl−Si−Mg−Bi系合金ろう材であるから、非酸化性雰囲気中のフラックスレスろう付に好適である。
[5]に記載の発明によれば、機能性部品とヒートシンクとを一体化した放熱装置において、上記効果を得ることができる。
本発明のろう付方法によって作製される放熱装置の一実施形態の仮組物を示す断面図である。 本発明のろう付方法によって作製される放熱装置の他の実施形態の仮組物を示す断面図である。
図1は本発明のろう付方法によって作製される放熱装置の一実施形態の仮組物を、構成部材が積層する方向に切断した断面で示している。なお、以下の説明において上下左右の方向は図面記載上の方向を示すものであって、放熱装置(1)の設置方向を限定するものではない。
前記放熱装置(1)はヒートシンク(10)とその外面にろう付された機能性部品(20)とを備えている。本発明のろう付方法では、ヒートシンク(10)内部にはフラックスを付与し、ヒートシンク(10)と機能性部品(20)との接合にはフラックスを付与することなく放熱装置(1)を組み立て、仮組物を非酸化雰囲気中で加熱してろう付する。
前記ヒートシンク(10)は、平板からなる底板(11)と扁平空間を形成するために曲成された上板(12)とコルゲート形のインナーフィン(13)とにより構成されている。前記上板(12)は、幅方向の中間部が外方に突出して天井(14)と側壁(15)とによる扁平空間が形成され、側壁(15)の下端から左右外方に突出する接合用側縁(16)が形成されている。前記ヒートシンク(10)は上板(12)の扁平空間にインナーフィン(13)をはめ込んで接合用側縁(16)を底板(11)の左右側縁部に重ねることにより組み立てられる。組み立てにより、インナーフィン(16)の山部が天板(14)の内面に接触するとともに谷部が底板(11)の内面に接触し、前記扁平空間は多数の作動液通路(17)に区切られる。
前記ヒートシンク(10)の外殻、即ち図示例のヒートシンク(10)の底板(11)および上板(12)を構成する金属は、軽量性、強度維持、成形性、耐食性に優れた材料を用いることが好ましく、これらの特性を有するものとしてAl−Mn系合金やAl−Fe系合金等のアルミニウム合金を推奨できる。また、インナーフィン(13)の材料としてA1100等の1000系アルミニウムやAl−Mn系合金を推奨できる。
前記ヒートシンク(10)は3つの部材の接触部、即ち底板(11)の側縁部と上板(12)の接合用側縁(16)、インナーフィン(13)の山部と天井(14)の内面、インナーフィン(13)の谷部と底板(11)の内面がそれぞれろう付される。ろう材の付与方法は限定されず、構成部材をブレージングシートで形成しても良いし、ろう材箔を用いても良い。例えば、底板(13)および上板(12)をブレージングシートで作製し、ろう材がヒートシンク(10)の内側になるように成形する。あるいは、インナーフィン(13)を両面ブレージングシートで作製し、底板(11)と上板(12)との接合にはろう材箔を用いてろう付することもできる。また、底板(11)と上板(12)を片面ブレージングシートとし、インナーフィン(13)を両面ブレージングシートとすることもできる。
前記ヒートシンク(10)の内部にはフラックスが付与される。フラックスは全ての接合箇所に付与することが好ましく、図示例の形態のヒートシンク(10)の場合は少なくとも底板(11)と上板(12)にフラックスを付与することが好ましい。フラックスの種類は限定されないが、非腐食性であることから、KF−AlFの混合物、KAlF,KAlF,KAlF,AlF,CsF,BiF,LiF、KZnF、ZnF等のフッ化物系フラックスを推奨できる。また、フラックスの付与方法も限定されることはなく、フラックス粉末を高速噴射して付着させるコールドスプレー、フラックス懸濁液の塗布を例示できる。なかでも、コールドスプレーは、フラックス懸濁液塗布後の乾燥といった後工程を必要とせず、かつ、高い密着性を有するので作業性効率が良い点で推奨できる。
前記機能性部品(20)はセラミックスからなる絶縁層(21)の一方の面にアルミニウムまたは銅からなる回路層(22)を有し、他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる応力緩和層(23)を有する3層の積層材である。この3層積層材は発熱体である電子素子(30)を搭載するための絶縁基板である。絶縁基板においては、絶縁層(21)として窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム等のセラミックスが好適に用いられる。また、回路層(22)を構成する金属としては、導電性が高くかつ前記絶縁層(21)とろう付またははんだ付が可能な金属を用いるものとし、特に高純度アルミニウムまたは銅を推奨できる。また、応力緩和層(23)は、剛性の高いセラミックスからなる絶縁層(21)とヒートシンク(10)との接合界面に発生する熱応力を緩和するための層であるから、軟質の金属を用いることが好ましく、特に高純度アルミニウムが好ましい。なお、前記電子素子(30)は絶縁基板である機能性部品(20)とヒートシンク(10)とをろう付した後に、回路層(22)にはんだ付けされる。
前記機能性部品(20)はヒートシンク(10)の外面にろう付される。ろう材の付与方法は、図示例のように放熱装置(1)の仮組時にこれらの間にろう材(40)を挟む方法を例示できる。前記ろう材(40)としては両面ブレージングシートやろう材箔を例示できる。ろう材の付与方法はこれらに限定されるものではなく、機能性部品(20)のヒートシンク(10)側の層をブレージングシートで構成しても良いし、ヒートシンク(10)を外面にろう材を有するレージングシートで構成しても良い。ヒートシンク(10)と機能性部品(20)とのろう付にはフラックスを付与しないので、これらのろう付予定部位は仮組前に洗浄しておくことが好ましい。
本発明において使用するろう材の組成は限定されず、ヒートシンク(10)および機能性部品(20)の材料に応じて適宜選定することができる。ろう材の一例としてSi:6〜15質量%を含有するAl−Si系合金および前記Al−Si系合金に種々の元素を添加したろう材を挙げることができる。また、ヒートシンク(10)の外面と機能性部品(20)とのろう付、即ちフラックスレスのろう付には、前記Al−Si系合金に0.05〜1.5質量%のMgを添加したAl−Si−Mg系合金ろう材、および前記Al−Si系合金に0.05〜1.5質量%のMgおよび0.005〜0.2質量%のBiを添加したAl−Si−Mg−Bi系合金ろう材を推奨できる。これらのろう材において、Mgは加熱中に表面のアルミニウムの酸化皮膜(Al)を還元し、ろうの濡れ性を向上させるために添加される元素であり、特に好ましいMg濃度は0.1〜1.0質量%である。また、Biは非酸化性雰囲気中でろうの濡れ性を向上させるために添加される元素であり、特に好ましいBi濃度は0.01〜0.1質量%である。また、ヒートシンク(10)内部のろう付には内面防食のためにZnを添加したAl−Si系合金を用いることも好ましい。特に作動液として水を用いるヒートシンクでは内面において高耐食性が要求されるので内面防食を行うことが好ましい。
本発明における機能性部品は、発熱体を搭載するための部品であり、かつヒートシンクに非酸化性雰囲気中でフラックスを用いることなくろう付可能であることが条件である。これらの条件を満たす限り機能性部品の材質や構造は限定されない。上述した電子素子搭載用基板以外の機能性部品として、ヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された3層のクラッド材、およびヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、チタン−ニッケル合金層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された4層のクラッド材を推奨できる。図2に示す放熱装置(2)は、ヒートシンク(10)の外面にアルミニウムまたはアルミニウム合金層(51)、チタン層(52)、ニッケルまたはニッケル合金層(53)からなる3層のクラッド材で構成された機能性部品(50)をろう付したものである。これらの3層または4層のクラッド材は、絶縁層を備える電子素子搭載用基板、例えば前記絶縁基板をヒートシンクに接合するための中間層であり、ヒートシンク(10)側がアルミニウムまたはアルミニウム合金層(51)であるからアルミニウム製のヒートシンク(10)とのろう付性が良好であり、反対側の最外層がニッケルまたはニッケル合金層(53)であるから電子素子搭載用基板とのはんだ付性が良好である。
ろう付雰囲気は窒素ガスまたは希ガスの非酸化性雰囲気とする。加熱条件は限定されないが、590〜610℃で0.5〜20分の加熱を例示できる。
なお、機能性部品がろう付品である場合は、機能性部品のろう付を、ヒートシンクのろう付および機能性部品とヒートシンクとのろう付と一括して行うこともできる。例えば、図1の放熱装置(1)であれば、絶縁層(21)と回路層(22)との間、絶縁層(21)と応力緩和層(23)との間にろう材箔を挟んで機能性部品(20)を仮組みし、仮組した機能性部品(20)をヒートシンク(10)と仮組みして放熱装置(1)を仮組みすれば、これらを一括してろう付することができる。
本発明のろう付方法によれば、ヒートシンク内部はフラックスが付与されているので、非酸化性雰囲気への置換が不十分であったとしてもフラックスの作用によって良好なろう付が達成される。従って、インナーフィンによってヒートシンク内部がさらに狭い多数の作動液通路に区分されるような形状であっても良好にろう付することができる。図示例の形態のヒートシンク(10)であれば、底板(11)と上板(12の)接触部、インナーフィン(13)と底板(11)の接触部、インナーフィン(13)と上板(12)の接触部が良好にろう付される。また、ろう付加熱によって発生する不純物ガスが排出されにくい場合でも、溶融したフラックスが不純物ガスの排出を促し、あるいはフラックスと不純物ガスと反応することで不純物ガスによる悪影響を無くすことができる。さらに、ヒートシンク内部は作動液を入れた後に閉鎖される空間であるから、フラックス残渣が残ったとしても放熱装置の外観品質を損なうことはない。一方、ヒートシンクの外面と機能性部品との接合部は非酸化性雰囲気中に露出し、非酸化性雰囲気に確実に接触しているので、これらはフラックスが無くても良好にろう付される。また、フラックスを付与しないのでフラックス残渣による伝熱性能の低下や外観品質の低下は起こらない。また、真空ろう付ではなく大気圧下のろう付であるから、Mgの飛散により炉内が汚れることもなく、Znによる防食も可能である。さらに、本発明は非酸化性雰囲気加熱中で加熱するろう付方法であるから、真空ろう付のような減圧を伴う高価な設備を必要とせず、真空ろう付よりも低コストでろう付することができる。
本発明におけるヒートシンク形状はろう付によって作動液通路を形成するものである限り図1に示したものに限定されない。他のヒートシンク形状として、凹部を有する2枚のプレートを向かい合わせにして作動液通路を形成するもの、板状体を幅方向の中央でヘアピン状に折り曲げて両端部を合わせて作動液通路を形成するもの等を例示できる。作動液通路の形状も限定されないが、フラックス作用により非酸化雰囲気への速やかな置換が困難な作動液通路でも良好にろう付できるので、内部空間がインナーフィンや仕切り壁等によってさらに狭い多数の作動液通路に仕切られるような形状のヒートシンクを有する放熱装置のろう付に好適である。
また、一つのヒートシンクにろう付する機能性部品の数は限定されず、複数個の機能性部品をろう付する放熱装置も本発明に含まれる。また、機能性部品はヒートシンクの外面である限りろう付位置も限定されない。ヒートシンクの複数の面に機能性部品をろう付することもできる。
図1に示す放熱装置(1)を作製した。
[放熱装置の構成]
前記放熱装置(1)を構成する部材の材料および形状は以下のとおりである。
ヒートシンク(10)の底板(11)および上板(12)の材料は、A3003からなる心材にAl−10質量%Si−1質量%Zn合金からなるろう材をクラッドした片面ブレージングシートである。前記ブレージングシートの厚さは1.0mmであり、ろう材のクラッド率は5%である。前記底板(11)は前記ブレージングシートを60mm×60mmの角形に切断して作製した。前記上板(12)は、前記ブレージングシートをろう材が内側となるように曲げ加工して幅(W):50mm×奥行き:60mmの天井(14)および高さ(H):6mmの側壁(15)による扁平空間を形成するとともに、側壁(15)の端部から外方に突出する接合用側縁(16)を形成することによって作製した。また、インナーフィン(13)は厚さ0.3mmのA1100からなるベア材をフィンピッチ(P):1.2mmのコルゲート形に曲成して作製した。
機能性部品(20)は、窒化アルミニウムからなる絶縁層(21)の一方の面にAl純度99.99質量%の高純度アルミニウムからなる回路層(22)が接合され、他方の面にAl純度99.99質量%の高純度アルミニウムからなる応力緩和層(23)が接合された絶縁基板である。前記絶縁層(21)の寸法は幅:30mm×奥行き:30mm×厚さ:0.64mmであり、回路層(22)および応力緩和層(23)の寸法は幅:28mm×奥行き:28mm×厚さ:0.6mmである。
[放熱装置の仮組]
前記底板(11)および上板(12)のろう材側の面全体にKAlF粉末をコールドスプレーし、10g/mのフラックスを付着させた。次いで、前記上板(12)の扁平空間にインナーフィン(13)をはめ込んだ状態で接合用側縁(16)を底板(11)の側縁部に重ねてヒートシンク(10)を仮組みした。この仮組み状態において、インナーフィン(13)の山部は上板(12)の天井(14)の内面に接触し、谷部は底板(11)の内面に接触している。
前記ヒートシンク(10)の天井(14)の外面に両面ブレージングシート(40)を置き、さらにその上に機能性部品(20)を応力緩和層(23)がヒートシンク(10)側に向く方向で重ねた。これにより放熱装置(1)は仮組みされ、仮組物を治具で固定した。前記両面ブレージングシート(40)はA1050からなる心材の両面にAl−10質量%Si−0.5質量%Mg−0.01質量%Bi合金からなるろう材をクラッドしたものであり、厚さが1mm、クラッド率が各面3.5%である。
[ろう付]
前記放熱装置(1)の仮組物を、酸素濃度が100ppm以下の窒素ガス雰囲気中で600℃×5分の加熱を行ってろう付した。
[ろう付品]
ろう付後、ヒートシンク(10)の外面と機能性部品(20)との接合部を調べたところ、ろう付されていない欠陥部の面積率は5%未満であり、両者は良好にろう付されていた。また、ヒートシンク(10)は、底板(11)と上板(12)、インナーフィン(13)と底板(11)、インナーフィン(13)と上板(12)がいずれも良好にろう付されていた。
本発明は電子素子搭載用基板とヒートシンクとを一体化した放熱装置の製造に利用できる。
1、2…放熱装置
10…ヒートシンク
11…底板
12…上板
13…インナーフィン
17…作動液通路
20、50…機能性部品
21…絶縁層
22…回路層
23…応力緩和層(アルミニウムまたはアルミニウム合金層)
40…ろう材(両面ブレージングシート)
51…アルミニウムまたはアルミニウム合金層
52…チタン層
53…ニッケルまたはニッケル合金層

Claims (2)

  1. 内部が作動液通路となるヒートシンクを、内部にフラックスを付与して仮組みするとともに、前記ヒートシンクの外面に発熱体搭載用の機能性部品をフラックスを付与すること無く重ねて放熱装置を仮組みし、この仮組物を非酸化性雰囲気中で加熱して仮組されたヒートシンクをろう付するとともに、ヒートシンクと発熱体搭載用の機能性部品とをろう付する放熱装置のろう付方法であり、
    前記機能性部品は、絶縁基板を備える電子素子搭載用基板をヒートシンクに接合するための中間層であり、ヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された3層のクラッド材、またはヒートシンク側から順にアルミニウムまたはアルミニウム合金層、チタン層、チタン−ニッケル合金層、ニッケルまたはニッケル合金層が積層された4層のクラッド材であることを特徴とする放熱装置のろう付方法。
  2. 前記ヒートシンクの外面と機能性部品とを接合するろう材は、Al−Si−Mg系合金ろう材またはAl−Si−Mg−Bi系合金ろう材である請求項1に記載の放熱装置のろう付方法。
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