JP7256460B2 - ロータ及びロータの製造方法 - Google Patents
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Description
以下、図1~図5を参照して、ロータ及びロータの製造方法の第1実施形態について説明する。なお、各図面において、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。
積層方向における巻付部材40同士の間には、薄板状をなす金属製のスペーサ60が設けられている。スペーサ60は、軸線方向に沿って長い長尺状をなすとともに、シャフト20の外周面に沿って湾曲している。スペーサ60は、例えば、アルミニウム合金により形成されている。スペーサ60の厚みは、例えば、0.2~0.3mmである。
スペーサ60は、積層方向における4つの繊維束群51同士の間にそれぞれ設けられている。このため、図3において二点鎖線にて囲まれたA部に示すように、積層方向において互いに隣り合う2つの繊維束群51同士の間には、積層方向の内側における繊維束群51から引き出されるとともに、これら繊維束群51同士を連ねる繊維束50が存在する。また、積層方向において互いに隣り合う2つの繊維束群51同士の間においては、4枚のスペーサ60が軸線Cを中心とする周方向に等間隔にて設けられている。したがって、本実施形態のロータ10は、都合12枚のスペーサ60を備えている。
各スペーサ60A,60B,60Cにおける上記周方向における長さはこれらの順で長い。また、各スペーサ60A,60B,60Cは、上記周方向において同一の位置に設けられている。換言すると、各スペーサ60A,60B,60Cは、積層方向において並んで設けられている。
まず、図示しない駆動装置により、本体部21に永久磁石30が配置されたシャフト20を軸線Cを中心に回転させるとともに軸線方向に沿って往復動させることで、繊維束50を各第1拡径部22の外周側、及び各永久磁石30の外周側に巻き付けて積層する。これを繰り返すことで、繊維束群51を形成する。繊維束群51は、各第1拡径部22の外周側と各永久磁石30の外周側との双方に一括して形成される。なお、繊維束50には、予め熱硬化性樹脂が含浸されている。
これらを繰り返すことで、積層方向における繊維束群51同士の間にスペーサ60を配置する。
このようにして、ロータ10が製造される。
積層方向における巻付部材40同士の間にスペーサ60が設けられていることにより、巻付部材40のうちスペーサ60の外周側に位置する部分による巻締力がスペーサ60に作用する。このため、巻付部材40のうちスペーサ60の内周側に位置する部分に上記巻締力が作用しにくくなる。これにより、巻付部材40のうち内周側に位置する部分ほど巻締力が増大することを抑制できる。
(1)積層方向における巻付部材40同士の間には、スペーサ60が設けられている。
こうした構成によれば、上述した作用を奏することから、巻付部材40における皺の発生を抑制することができる。
こうした構成によれば、スペーサ60が金属製であるため、巻付部材40の巻締力によるスペーサ60の変形が生じにくい。これにより、スペーサ60の外周面に作用する巻締力が、当該スペーサ60の内周側に位置する巻付部材40に伝達されにくくなる。これにより、巻付部材40のうち内周側に位置する部分ほど巻締力が増大することを一層抑制できる。したがって、巻付部材40における皺の発生を一層抑制することができる。
こうした構成によれば、スペーサ60の外周面の面積が大きくなるため、スペーサ60の外周面に作用する巻締力が分散される。これにより、巻付部材40のうちスペーサ60の内周側に位置する部分に上記巻締力が作用することを効果的に抑制できる。
こうした構成によれば、各スペーサ60がシャフト20の周方向において隙間無く設けられる場合に比べて、各スペーサ60と巻付部材40との接触面積が小さくなる。このため、各スペーサ60と巻付部材40との間に生ずる摩擦力を小さくすることができる。したがって、巻付部材40のより広い範囲に張力を伝達することができ、巻付部材40のうち内周側に位置する部分における張力の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、図6及び図7を参照して、ロータ及びロータの製造方法の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、各図面において、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、第1実施形態と同一の構成または対応する構成については、第1実施形態の符号に「100」を加算した符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
ロータコア121は、複数の鋼板121aが積層されることにより構成されている。ロータコア121は、中心孔122及び中心孔122を中心とする周方向に間隔をおいて形成された複数の挿入孔123を有している。
各挿入孔123には、永久磁石130が挿入されている。各永久磁石130は、挿入孔123の断面長手方向に対して長い矩形状の断面形状を有している。各挿入孔123の内周面と各永久磁石130との間には、図示しない充填材が介在している。
まず、図示しない駆動装置により、シャフト120及びロータコア121を軸線Cを中心に回転させるとともに軸線方向に沿って往復動させることで、繊維束50をロータコア121の外周側に巻き付けて積層する。これを繰り返すことで、繊維束群51を形成する。なお、繊維束50には、予め熱硬化性樹脂が含浸されている。
これらを繰り返すことで、積層方向における繊維束群51同士の間にスペーサ60を配置する。
このようにして、ロータ110が製造される。
スペーサ60は、積層方向における巻付部材40同士の間であって、周方向におけるブリッジ部124の外周側に位置する部分に設けられている。このため、巻付部材40のうち、ブリッジ部124の外周側の部分において、当該部分の内周側ほど巻締力が増大することを抑制できる。
本実施形態のロータ110によれば、第1実施形態の効果(1)~(5)に加えて、新たに以下に示す効果が得られるようになる。
ロータコア121の回転に伴って各永久磁石130には遠心力が作用するため、各ブリッジ部124には応力集中が生じやすい。このため、ブリッジ部124の強度、ひいては、ロータ110全体の強度が低下するおそれがある。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1実施形態において、複数の永久磁石30に代えて、円筒状に一体に形成され、シャフト20の本体部21が挿入される永久磁石を採用することもできる。この場合、シャフト20の第1拡径部22が本体部21に対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
・繊維束50に含浸される熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂に限定されない。他に例えば、フェノール樹脂であってもよい。
・各スペーサ60A,60B,60Cは、周方向において互いに異なる位置に設けられていてもよい。
・スペーサ60は、シャフト20の外周面に沿って予め弧状に湾曲した形状をなしていてもよい。
・スペーサ60は、金属製に限定されない。他に例えば、樹脂製やセラミックス製であってもよい。
Claims (4)
- ロータ本体と、前記ロータ本体の外周側に巻き付けられて積層される巻付部材と、を備えるロータであって、
前記巻付部材の積層方向における前記巻付部材同士の間には、複数のスペーサが、前記ロータ本体の周方向に互いに間隔をおいて設けられている、
ロータ。 - 前記スペーサは、金属製である、
請求項1に記載のロータ。 - 前記スペーサは、前記ロータ本体の外周面に沿った薄板状である、
請求項1または請求項2に記載のロータ。 - ロータ本体と、前記ロータ本体の外周側に巻き付けられて積層される巻付部材と、を備えるロータの製造方法であって、
前記ロータ本体の外周側に前記巻付部材を巻き付けて積層する工程を備え、
前記工程においては、巻き付けられた状態の前記巻付部材の外周面に複数のスペーサを前記ロータ本体の周方向に互いに間隔をおいて配置するとともに、当該スペーサの外周面に前記巻付部材を巻き付ける、
ロータの製造方法。
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