JP7252445B2 - 剛性評価方法及び剛性評価装置、並びに剛性評価プログラム及び記録媒体 - Google Patents

剛性評価方法及び剛性評価装置、並びに剛性評価プログラム及び記録媒体 Download PDF

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本発明は、板状部材からなる構造体の剛性評価方法及び剛性評価装置、並びに剛性評価プログラム及び記録媒体に関するものである。
近年、自動車の燃費向上の要請に応えるべく、自動車の車体には更なる軽量化が求められている。その一方で、車体は衝突性能や各部品の取り付け点等の多くの役割を担っており、その中の一つとして、操縦安定性、静粛性に鑑みて、剛性が重要視されている。車体の剛性を担保しながら軽量化を図るためには、車体構造の効率化が必要である。
特許第5440415号公報
自動車の車体における軽量化の指標としては、一般的に以下に示す軽量化指数(L.W.I.)が用いられている。
L.W.I.=M/(A×Ct
M;車体重量
A:ホイールベース×トレッド
t:ねじり剛性
しかしながら、L.W.I.を用いて車体を評価する場合、剛性に関連の薄い構成部品の重量も考慮に入ってしまう。そのため、構成部品の単体や、車体全体における構成部品の剛性の部分的寄与度について評価することはできない。
特許文献1には、構造体における対象部位の変形形態について、元の剛性値をCt、弾性率を所定倍したときの剛性値をCEとして、ΔCt/ΔCEを指標として評価する技術が開示されている。しかしながらこの場合、構造体全体の剛性にさほど寄与しない対象部位の評価値が高くなる可能性があり、各対象部位の構造体全体に対する剛性の寄与度を評価することはできない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、板状部材からなる構造体の形状や構造に依存した構造体の改善余地の程度、及び構造体の各部位の全体に対する剛性の寄与度を正確に把握し、構造体の剛性の効率の良い向上に貢献することができる及び剛性評価装置、並びに剛性評価プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸様態に想到した。本発明の要旨は、次の通りである。
1.板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価方法であって、
前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標とすることを特徴とする剛性評価方法。
K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
.前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する第1ステップと、
前記第1ステップで得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する第2ステップと、
前記第2ステップで得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する第3ステップと
を実行することを特徴とする.に記載の剛性評価方法。
.前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする.に記載の剛性評価方法。
.前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする.に記載の剛性評価方法。
.前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する第4ステップを更に実行することを特徴とする1.~.のいずれか1項に記載の剛性評価方法。
.板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価装置であって、
前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標とすることを特徴とする剛性評価装置。
K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
.前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する剛性値取得部と、
前記剛性値取得部で得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する関係取得部と、
前記関係取得部で得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する同定部と
を備えたことを特徴とする.に記載の剛性評価装置。
.前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする.に記載の剛性評価装置。
.前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする.に記載の剛性評価装置。
10.前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する比較部を更に備えたことを特徴とする.~.のいずれか1項に記載の剛性評価装置。
11.板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価プログラムであって、
前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標として、前記評価指標の算出工程をコンピュータに実行させることを特徴とする剛性評価プログラム。
K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
12.前記算出工程は、
前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する第1ステップと、
前記第1ステップで得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する第2ステップと、
前記第2ステップで得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する第3ステップと
を含むことを特徴とする11.に記載の剛性評価プログラム。
13.前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする12.に記載の剛性評価プログラム。
14.前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする13.に記載の剛性評価プログラム。
15.前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する第4ステップを更に実行することを特徴とする11.~14.のいずれか1項に記載の剛性評価プログラム。
1611.~15.のいずれか1項に記載の剛性評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
本発明によれば、板状部材からなる構造体の形状や構造に依存した構造体の改善余地の程度、及び構造体の各部位の全体に対する剛性の寄与度を正確に把握し、構造体の剛性の効率の良い向上に貢献することが可能となる。
板状部材の代表的な変形モードとそれらの剛性の板厚との関係を示す模式図である。 第1の実施形態による剛性評価装置を示すブロック図である。 第1の実施形態による剛性評価方法を示すフロー図である。 板状構造体の板厚と剛性との関係を示す特性図である。 第1の実施形態における実施例1及び比較例で用いる板状構造体を示す概略斜視図である。 第1の実施形態における実施例1及び比較例で用いる板状構造体を示す概略横断面図である。 第1の実施形態における実施例1において、b値と剛性との関係を示す特性図である。 第1の実施形態における実施例2において、板厚比(質量比)とb値との関係を示す特性図である。 第1の実施形態における実施例3及び比較例で用いる板状構造体を示す概略横断面図である。 第1の実施形態における実施例3及び比較例において、b値又は剛性/質量を示す特性図である。 第1の実施形態における実施例4及び比較例において、b値又はL.W.I. を示す特性図である。 第2の実施形態による剛性評価装置を示すブロック図である。 第2の実施形態による剛性評価方法を示すフロー図である。 第2の実施形態における実施例において、10種の車体部品について、各車体部品の車体全体に対する影響度合いについて調べた結果を示す特性図である。 パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。
以下、諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(諸実施形態の基本骨子)
先ず、諸実施形態に共通する発明の基本骨子について説明する。図1は、鋼板の代表的な変形モードとそれらの剛性の板厚との関係を示す模式図である。
図1に示すように、板状部材である例えば鋼板10の変形モードには、大きく分けて引張変形、せん断変形、板曲げ変形の3種類が考えられる。引張変形及びせん断変形は鋼板10の主面内の変形(面内変形)であり、板曲げ変形のみが鋼板10の主面外の変形(面外変形)である。図1に、これら3種類の変形モードに対応した剛性Kの式を合わせて示す。剛性は、引張変形及びせん断変形については、いずれも板厚に比例するのに対して、板曲げ変形については、板厚の3乗に比例する。板曲げ変形では、引張変形及びせん断変形よりも板厚の影響が大きいことが判る。鋼板は、他の他素材に比べて板曲げ剛性が劣位であることが知られている。そのため、自動車の車体等のように鋼板を用いた構造体としては、板曲げ変形が生じ難いものが望まれる。
図1の剛性Kの式に着目すると、一般の板状構造体では、l≫tであるため、板曲げ変形では他の変形モードに比べて剛性が劣位になり易い。即ち、高剛性化(車体性能の向上)の観点から、板曲げ変形を抑制することは目指すべき板状構造体の方向性の一つであると考えられる。本発明者は、鋼板の剛性を決定する3種類の変形モードのうち、面外の板曲げ変形の度合いを剛性の評価指標とすることに想到した。
図1の剛性Kの式より、一般的な鋼板の変形モードは、上記の3種類の変形モードの重ね合わせであると考えられる。そのため、鋼板の剛性は板厚の1乗~3乗に比例するものと見なすことができる。本発明者は、この板厚のべき数により、板状構造体における板曲げ変形の度合いを評価することができると考えた。板厚が変化する間に、べき数は変化しない(無視し得る程度の変化量である)と仮定することで、板状構造体の剛性Kは下記に示す式で近似することができる。ここで定義できる板厚のべき数を、板曲げ変形度合い(bending factor、以下、b値とする)と定義する。
K=K0×(t/t0b ・・・(1)
0:比例定数、t0:元の板厚、t:変更後の板厚
ここで、b値は1~3の範囲内の値をとり、b値が1に近づくほど、板曲げ変形の割合が減少している評価することができる。板状構造体の全体の板厚を一律に変化させてb値を求めたり、板状構造体のうち評価対象とする一部の板状部材のみの板厚を変化させてb値を求めたりすることにより、板状構造体の各部位の全体に対する剛性の寄与度を正確に把握し、板状構造体全体の剛性の効率の良い向上に貢献することができる。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について説明する。図2は、本実施形態による剛性評価装置を示すブロック図である。図3は、本実施形態による剛性評価方法を示すフロー図である。
本実施形態による剛性評価装置は、図2に示すように、剛性値取得部1、関係取得部2、及び同定部3を備えている。剛性値取得部1は、評価対象である板状構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得するものである。関係取得部2は、剛性値取得部1で得られた剛性値を用いて、上記した(1)式により、剛性値Kとb値との関係を取得するものである。同定部3は、関係取得部2で得られた剛性値Kとb値との関係を用いて、近似的手法によりb値を同定するものである。
図3に示すように、板状構造体の剛性評価を行うに際して、先ず、有限要素法(FEM)によるCAE解析を行うための解析モデルが作成される。剛性値取得部1は、異なる複数の板厚値で剛性値を取得する(ステップS1)。複数の板厚値としては、元の板厚値と、元の板厚値を挟んだ2値とを用いる。当該2値は、例えば元の板厚値を中央値とする対称値であり、元の板厚値の例えば±0.1%~50%(+0.1%~+50%,-50%~-0.1%)の範囲内の値である。上記(1)式において、b値には若干の板厚依存性がある。そのため、b値を導出するために変更する板厚値は小さい方が良く、この観点から元の板厚値の絶対値50%以下であることが好ましい。一方、変更する板厚値が小さ過ぎると計算の誤差の影響が大きため、この観点から元の板厚値の絶対値0.1%以上であることが好ましい。本実施形態では、図4に示すように、当該2値として、例えば±2%を用いる。
続いて、関係取得部2は、剛性値取得部1で得られた剛性値を用いて、上記した(1)式により、比例定数K0とb値との関係を取得する(ステップS2)。これにより、(1)式における比例定数K0及びb値の3組の関係が得られる。上述したようにb値には若干の板厚依存性があり、比例定数K0にも若干の板厚等の依存性があるものと考えられる。そのため、板厚値の異なる3組の関係では、比例定数K0及びb値は若干異なる値となる。
続いて、同定部3は、関係取得部2で得られた比例定数K0及びb値の3組の関係を用いて、近似的手法、例えば最小二乗法によりb値を同定する(ステップS3)。このように、比例定数K0及びb値の3組の関係を用いることで、より正確なb値(厳密には、所定の元板厚t0におけるb値)が同定されることになる。
[実施例]
ここで、第1の実施形態の諸実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、板厚及び重量を揃えた2種の板状構造体を評価対象として、第1の実施形態による剛性評価方法によりb値と剛性との関係について調べた。解析モデルとしては、図5(a)及び図6(a)に示す四角形状の閉断面を持つ構造体20A、及び図5(b)及び図6(b)に示すハット断面を持つ構造体20Bについて作成した。
構造体20A,20Bと同一構成の部材を用いた実際の実験により、構造体20Aに相当する閉断面部材の方が、構造体20Bに相当するハット断面部材よりも剛性が高いことが知られている。構造体20A,20Bを評価対象として、図5の矢印方向に付加をかけて、第1の実施形態によるステップS1~S3を実行してそれぞれb値を算出した。その結果を図7に示す。このように、構造体20Bのb値は1.1よりも大きい値となったのに対して、構造体20Aのb値は1に近い値となり、構造体20Aの方が構造体20Bよりも剛性が高い旨の結果が得られた。この結果は、既知の状況と一致しており、第1の実施形態による剛性評価方法の正当性が確認された。
(実施例2)
本実施例では、所定の板状構造体について、その板厚を一律に変更して(板厚変更に伴って重量も変化する)、第1の実施形態による剛性評価方法によりb値の板厚依存性について調べた。板状構造体は、自動車の車体に用いられるセンターピラーとした。センターピラーについて解析モデルを作成し、当該センターピラーと、当該センターピラーの板厚を一律0.2倍及び2倍としたものを評価対象とした。
これらの解析モデルについて、x方向及びy方向にそれぞれ付加をかけて、第1の実施形態によるステップS1~S3を実行してそれぞれb値を算出した。その結果を図8に示す。このように、b値は板厚の増加により低くなる傾向を示した。板状構造体について、単純な板厚増加でもb値を低下させて剛性を高めることができるが、同時に重量増加を招くことになる。板状構造体について軽量化且つ高剛性を達成するには、板厚の部分的な増加や構造変更の必要が示唆される。
(実施例3)
本実施例では、同一の板状構造体について荷重負荷をかける態様を変更して、第1の実施形態による剛性評価方法によりb値の影響について調べた。板状構造体は、自動車の車体に用いられるセンターピラーとした。センターピラーについて解析モデルを作成し、評価対象とした。解析モデルのセンターピラーを構造体30とする。構造体30の上部を図9(a)に示しており、その上方の両端で固定し、下方の部位でx方向及びy方向に荷重負荷をかける。構造体30の下部を図9(b)に示しており、その下方の両端で固定し、上方の部位でx方向及びy方向に荷重負荷をかける。本実施例の比較例として、本実施例と同じ解析モデルで同じ荷重負荷態様として、剛性/重量について調べた。
本実施例については、構造体30の上部でx方向の荷重負荷、構造体30の上部でy方向の荷重負荷、構造体30の下部でx方向の荷重負荷、構造体30の下部でy方向の荷重負荷の4種の荷重負荷態様として、第1の実施形態によるステップS1~S3を実行してそれぞれb値を算出した。比較例については、本実施例と同様に4種の荷重負荷態様として、それぞれ剛性/重量を算出した。
比較例の結果を図10(a)に、本実施例の結果を図10(b)にそれぞれ示す。比較例では、上部でx方向荷重の場合と下部でx方向荷重の場合、及び上部でy方向荷重の場合と下部でy方向荷重の場合で剛性/重量がほぼ同値となった。比較例では、センターピラーのどの箇所に剛性についての改善の余地があるか評価することはできない。これに対して本実施例では、下部でy方向荷重の場合の方が上部でy方向荷重の場合よりもb値が高い。本実施例により、当該センターピラーには、その下部の特にy方向荷重がかかる所定部位に構造上の改善の余地があることが判る。
(実施例4)
本実施例では、類似する2種の板状構造体について、第1の実施形態による剛性評価方法により、ねじり剛性のb値の影響について調べた。板状構造体は、車種の異なる2種の自動車の車体部分(以下、A車及びB車とする)とした。A車及びB車について解析モデルを作成し、評価対象とした。本実施例の比較例として、本実施例と同じ解析モデルで同じねじり剛性の負荷態様として、L.W.Iについて調べた。
比較例の結果を図11(a)に、本実施例の結果を図11(b)にそれぞれ示す。比較例では、B車に比べてA車の方がL.W.I.値が小さく、A車の方が高剛性であると判定された。これに対して本実施例では、車に比べて車の方がb値が小さく、比較例とは逆に車の方が剛性の効率が良いと判定された。本実施例により、A車に比べてB車の方がねじり剛性の低い部品を多く使用しているものと推定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、板状部材からなる構造体の形状や構造に依存した構造体の改善余地の程度等を正確に把握し、板状構造体の剛性の効率の良い向上に貢献することが可能となる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について説明する。図12は、本実施形態による剛性評価装置を示すブロック図である。図13は、本実施形態による剛性評価方法を示すフロー図である。
本実施形態による剛性評価装置は、図12に示すように、第1の実施形態と同様である剛性値取得部1、関係取得部2、及び同定部3に加え、比較部4を備えている。比較部4は、評価対象である板状構造体の全体について算出したb値と、評価対象である板状構造体の所定の一部について算出したb値とを比較し、当該一部の全体に対する影響度合いを判定するものである。当該判定としては、例えば前者のb値と後者のb値との差分や比を算出して行われる。
図13に示すように、板状構造体の剛性評価を行うに際して、先ず、板状構造体の解析モデルの全体について第1の実施形態のステップS1~S3を実行する(ステップS11)。ステップS1では、元の板厚値と、板状構造体の全体について一律に板厚値を変化させた2値の板厚値とを用いて剛性値を取得する。
続いて、板状構造体における所定の一部(部品)について第1の実施形態のステップS1~S3を実行する(ステップS12)。ステップS1では、当該部品のみについて板厚を所定値に変更、例えば2倍に一律に増肉した板状構造体の解析モデルを用いる。この解析モデルについて、元の板厚値と、板状構造体の全体について一律に板厚値を変化させた2値の板厚値とを用いて剛性値を取得する。
続いて、比較部4は、ステップS11により算出したb値と、ステップS12により算出したb値とを比較し、当該部品の板状構造体の全体に対する影響度合いを判定する(ステップS13)。部品の板状構造体の全体に対する影響度合いを把握することにより、当該板状構造体における構造上の弱部を定量的に特定することができる。
[実施例]
ここで、第2の実施形態の実施例について説明する。本実施例では、板状構造体について、第2の実施形態による剛性評価方法により、各部品の板状構造体の全体に対するb値の影響について調べた。板状構造体は自動車の車体とし、その解析モデルを作成して評価対象とした。
本実施例では、10種の車体部品について、各車体部品の車体全体に対する影響度合いについて調べた。具体的には、車体全体の解析モデルと、各車体部品について、順次板厚を2倍に一律に増肉した板状構造体の解析モデルとを用いて、前者のb値と後者のb値との差分(b値の変化量)を算出した。本実施例の結果を図14に示す。図14では、b値の変化量の大きい順に部品1~部品10として比較して示している。このように、車体部品ごとに車体全体に対するb値の変化量を取得することにより、車体部品ごとの剛性の脆弱性について定量的に把握することができ、車体の構造上の弱部に対する改善対策をとることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、板状構造体の各部位の全体に対する剛性の寄与度を正確に把握し、板状構造体の剛性の効率の良い向上に貢献することが可能となる。
[第3の実施形態]
上述した第1の実施形態による剛性評価装置の各構成要素(図2の剛性値取得部1、取得部2、関係取得部2、及び同定部3等)、及び第2の実施形態による剛性評価装置の各構成要素(図12の剛性値取得部1、取得部2、関係取得部2、同定部3、及び比較部4等)の各機能は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、第1の実施形態による破断予測方法の各ステップ(図3のステップS1~S3等)、及び第2の実施形態による破断予測方法の各ステップ(図13のステップS11~S13等)は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本実施形態に含まれる。
具体的に、当該プログラムは、例えばCD-ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。当該プログラムを記録する記録媒体としては、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、上記のプログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
また、本実施形態に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより第1及び第2の実施形態の各機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して第1の実施形態の各機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本実施形態に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて第1及び第2の実施形態の各機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本実施形態に含まれる。
例えば、図15は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図15において、1200はCPU1201を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC1200は、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC1200は、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、第1の実施形態の図3におけるステップS1~S3、及び第2の実施形態の図13におけるステップS11~S13の手順等が実現される。
1203はRAMであり、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
1206はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)である。DKC1207は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始する起動プログラムである。
1208はネットワーク・インターフェースカード(NIC)であり、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
なお、通常のコンピュータ端末装置を用いる代わりに、剛性評価装置に特化された所定の計算機等を用いても良い。
1 剛性値取得部
2 関係取得部
3 同定部
4 比較部

Claims (16)

  1. 板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価方法であって、
    前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標とすることを特徴とする剛性評価方法。
    K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
    0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
  2. 前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する第1ステップと、
    前記第1ステップで得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する第2ステップと、
    前記第2ステップで得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する第3ステップと
    を実行することを特徴とする請求項に記載の剛性評価方法。
  3. 前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする請求項に記載の剛性評価方法。
  4. 前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする請求項に記載の剛性評価方法。
  5. 前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する第4ステップを更に実行することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の剛性評価方法。
  6. 板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価装置であって、
    前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標とすることを特徴とする剛性評価装置。
    K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
    0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
  7. 前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する剛性値取得部と、
    前記剛性値取得部で得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する関係取得部と、
    前記関係取得部で得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する同定部と
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の剛性評価装置。
  8. 前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする請求項に記載の剛性評価装置。
  9. 前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする請求項に記載の剛性評価装置。
  10. 前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する比較部を更に備えたことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の剛性評価装置。
  11. 板状部材からなる構造体を評価対象とする剛性評価プログラムであって、
    前記構造体の全体及び一部について、剛性を決定する複数の変形モードのうち、剛性値Kを以下のように表し、面外の曲げ変形度合いを剛性の評価指標として、前記評価指標の算出工程をコンピュータに実行させることを特徴とする剛性評価プログラム。
    K=K 0 ×(t/t 0 b ・・・(1)
    0 :比例定数、t 0 :元の板厚、t:変更後の板厚
  12. 前記算出工程は、
    前記構造体の解析モデルを用いて、異なる板厚で剛性値を取得する第1ステップと、
    前記第1ステップで得られた剛性値を用いて、前記(1)式により、比例定数K0と曲げ変形度合いbとの関係を取得する第2ステップと、
    前記第2ステップで得られた前記関係を用いて、近似的手法により曲げ変形度合いbを同定する第3ステップと
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の剛性評価プログラム。
  13. 前記異なる板厚は、元の板厚値及び前記元の板厚値を挟んだ2値であることを特徴とする請求項12に記載の剛性評価プログラム。
  14. 前記2値は、前記元の板厚値を中央値とする対称値であり、前記元の板厚値の±0.1%~50%の範囲内の値であることを特徴とする請求項13に記載の剛性評価プログラム。
  15. 前記構造体の全体について同定された前記曲げ変形度合いbと、一部について一律に板厚を変えた前記構造体について同定された前記曲げ変形度合いbとを比較する第4ステップを更に実行することを特徴とする請求項1114のいずれか1項に記載の剛性評価プログラム。
  16. 請求項1115のいずれか1項に記載の剛性評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2011108184A (ja) 2009-11-20 2011-06-02 Daihatsu Motor Co Ltd パネル部材の剛性評価方法
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