JP5440415B2 - 構造体設計支援装置 - Google Patents

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本発明は、複数の部品が溶接・かしめ・ボルト締結等によって成り立つ構造物の剛性の評価と向上、軽量化、もしくは、その両方を達成させるための構造設計を支援する技術に関する。
近年、様々な構造体において、省エネルギーや効率向上の観点から、軽量化の要求が高まっている。特に、自動車分野においては、重量増となる衝突安全性を確保しながらCO2排出量を低減するという厳しい技術課題がある。一般に、自動車車体は主に鋼板をプレス等で成形したものを溶接・かしめ・ボルト結合等により組み立てられており、前述の技術課題をクリアするために高強度鋼板(ハイテン)の適用で衝突安全性を確保しつつ、板厚を下げることで軽量化を図ることが進んでいる。
しかし、板厚を下げることで部品の剛性は低下してしまい、車体全体の剛性を下げることになる。車体剛性の低下は、乗り心地やハンドリング特性の悪化を招くことになるため、薄手のハイテンを適用する場合には、車体構造の改善や部分的な補剛など、車体剛性に対する課題を解決する必要がある。
この課題を効率的かつ低コストで解決するために、従来、数値解析を用いた手法が多く使われている。たとえば、特許文献1には、自動車車体の各部位の全体剛性に対する感度を計算し、感度が相対的に大きい部位に対して自動的に剛性を向上させるように設計変数を最適化する設計方法の発明が開示されている。
特開2002−215680号公報
しかし、特許文献1に開示される方法では、車体剛性の向上が得られても、効率的に軽量化を達成することができない可能性がある。たとえば、上記方法に従い感度の高い部品に対して板厚増加やパッチ当て等による補剛を施すと、場合によっては、剛性は向上しても重量も大幅に増加することがあり、板厚を低下させたことによる車体重量低下の効果が低減してしまう可能性がある。これは、後述するように車体剛性が各部品に入力される荷重に対して、その部品がどのように変形することで保持するかに依存しているが、上記手法では、その変形形態を考慮しておらず、効率的な剛性向上が期待出来ないためである。
平面上の部品に面外方向に荷重がかかる場合、その部品は曲げ変形を発生させ、部品内の曲げ応力で入力荷重を保持することになる。対して、面内方向に荷重が入力されると、座屈が生じない限り面内のせん断や軸力で荷重を保持することになる。
曲げ変形が生じる場合、板厚に対する感度は非常に大きい。例えば単純な平面曲げでは、曲げ剛性は板厚の3乗に比例し、この部品を補剛することは車体剛性への貢献が大きい。対して、せん断や軸力が生じる場合、板厚に対する感度は比較的小さい。例えば面内のせん断や軸力では、せん断剛性は板厚の1乗に比例し、この部品を補剛することは車体剛性への貢献が小さい。
従って、曲げ変形が生じる部品を補剛することは、重量の増加に比べて車体剛性の向上が大きいと考えられる。対して、せん断や軸力が生じる部品を補剛することは、重量の増加に比べて車体剛性の向上が小さいと考えられる。つまり、重量増加を最小限に抑えつつ、ある荷重条件における車体剛性の向上を効率的に実行するためには、各部品の変形形態を解明し、その度合いに応じた対策を実施することが必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、構造物の載荷時における各部品、または、部位の変形形態を定量的に評価し、構造体に要求される剛性を確保しつつ、重量を低減する設計指針を与えるための構造体設計支援装置を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、発明の一態様は、単一もしくは複数の部品から構成される構造体の少なくとも一部を構成する各部位の数値解析データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された数値解析データに基づいて、特定の境界条件下における前記構造体の剛性を計算し、当該計算した剛性に基づいて、対象部位の板厚を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値Ctと、前記対象部位の板厚及び弾性率を変化させる前の数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値C0との差ΔCt、及び前記対象部位の弾性率を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値CEと前記剛性値C0との差ΔCE、または、前記剛性値の差ΔCtと前記剛性値C0との比ΔCt/C0、及び前記剛性値の差ΔCEと前記剛性値C0との比ΔCE/C0と定義される、前記対象部位の板厚及び弾性率が前記構造体の剛性への寄与を表す前記対象部位の感度を計算する計算部と、前記計算部により計算された前記感度に基づいて、前記剛性値の差ΔCtと、前記剛性値の差ΔCEとの比ΔCt/ΔCEである、前記境界条件下における前記対象部位の変形モードに関する情報を出力する出力部を有することを特徴とする構造体設計支援装置である。ただし、αは任意に定める実数とする。
また、この発明の一態様は、上記に記載の構造体設計支援装置において、前記計算部は、前記数値解析データに基づいて、前記特定の境界条件下における前記対象部位の前記剛性値C0を算出し、前記対象部位のみの板厚をα倍した数値解析データに基づいて、前記剛性値Ctを算出し、前記対象部位のみの弾性率をα倍した数値解析データに基づいて、前記剛性値CEを算出し、算出した前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとに基づいて、前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0を算出し、前記出力部は、前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0に基づいて、前記比ΔCt/ΔCEを算出し、算出した前記比ΔCt/ΔCEを前記境界条件下における前記対象部位の変形モードに関する情報として出力することを特徴とする。
また、この発明の一態様は、上記に記載の構造体設計支援装置において、前記計算部は、複数の前記対象部位のそれぞれに対して、前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとを算出し、算出した前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとに基づいて、前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0を、複数の前記対象部位のそれぞれに対して算出し、前記出力部は、複数の前記対象部位のそれぞれに対して、前記比ΔCt/ΔCEを算出することを特徴とする。
この発明によれば、構造物の載荷時における各部品、または、部位の変形形態を定量的に評価し、構造体に要求される剛性を確保しつつ、重量を低減する設計指針を与えることができる。
本発明における解析の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例における、部品の変形形態の定量的評価グラフである。
本発明では、車体剛性への感度の高い部品、もしくは、部位を選定した上で、各部品の変形形態を明確化することで重量増加が少なく効率的に車体剛性を向上する部品、もしくは、部位を簡便に判定し、自動車車体設計を支援する手段と機構を提供する。
さらに、上記技術は、自動車の車体に限らず、軽量化を要する構造物のすべてにおいて適用可能となる技術である。
本発明において必要な装置および情報は以下の通りである。
1.剛性解析用計算機
2.剛性解析ソフトウェア
3.構造物の有限要素解析データ(初期設計データ)
4.構造物にかかる荷重データ(上記有限要素解析データの境界条件)
本発明における解析の手順を図1に示す。初期設計データを元に作成される有限要素解析データ(以下、初期FEMデータと記載)において、構造物を構成する各部品に番号を付与する(ステップ1)。初期FEMデータを用い、構造物にかかる荷重における静解析を実施し、各部位の変位δと荷重F、もしくは、変位角φとトルクTから、対象となる変形形態の初期剛性C0(C0=F/δ、もしくは、T/φ)を算出する(ステップ2)。
次に、上記構造物において番号を付与された1部品のみの板厚を一定の割合で変更(たとえば、部品の板厚を初期データの90%に変更)したFEMデータを作成し、ステップ2と同じ境界条件下における静解析を実施し、ステップ2と同様に板厚変更剛性Cti(以下、各変数の添字iは部品、もしくは、部位に付与された番号を示す)を算出する(ステップ3)。次に、板厚は変更せず(板厚は初期データのままとし)、ステップ3において変更した板厚の変化率と同じ変化率で材料のヤング率を変更(たとえば、材料のヤング率を初期データの90%に変更)し、ステップ3と同様に各部品についてヤング率を変更した解析を実施し、ヤング率変更剛性CEiを算出する(ステップ4)。
ステップ3とステップ4で算出された板厚変更剛性Ctiとヤング率変更剛性CEiについて、初期FEMデータから算出される初期剛性C0との差をとり、板厚変更剛性変動ΔCti=Cti−C0、および、ヤング率変更剛性変動ΔCEi=CEi−C0と定義する。また、板厚変更剛性変動ΔCtiおよびヤング率変更剛性変動ΔCEiとヤング率変更剛性C0との比をとり、板厚変更感度RCti=ΔCti / C0、および、ヤング率変更感度RCEi=ΔCEi / C0と定義する。
感度の小さい部品を考慮の範囲外とする必要があれば、板厚変更剛性変動ΔCti、ヤング率変更剛性変動ΔCEi、板厚変更感度RCti、もしくは、ヤング率変更感度RCEiの値を用いたフィルター処理をし、必要なデータ(部品)だけを抽出する(ステップ5)。ステップ5で抽出されたデータ(部品)のそれぞれに対して、2つの剛性変動の比(板厚変更剛性変動ΔCtiとヤング率変更剛性変動ΔCEiとの比)をとり、剛性変動比SFRi=ΔCti / ΔCEiを算出する(ステップ6)。
i番目の部品について、曲げ変形が主たる変形形態である場合、この部品の剛性はヤング率の1乗と板厚の3乗の積に依存し、ヤング率変更剛性変動ΔCEiに比べ、板厚変更剛性変動ΔCtiは(絶対値で)大きいと考えられ、剛性変動比SFRiは1に比べて大きい値をとる。対して、i番目の部品について、軸力による変形、もしくは、せん断変形が主たる変形形態である場合、この部品の剛性はヤング率の1乗と板厚の1乗の積に依存し、ヤング率変更剛性変動ΔCEiと板厚変更剛性変動ΔCtiは同程度であると考えられ、剛性変動比SFRiは1に近い値をとる。
つまり、剛性変動比SFRは、ある荷重条件下における構造体の中の1部品の変形形態を表現するパラメータとして使用出来る。この剛性変動比SFRの値に基づき、補剛する部品と板厚を減らす部品を容易に選定することができ、軽量化と剛性向上を同時に達成することが可能になる。特に、自動車の車体の場合、車体剛性と重量のパフォーマンスを評価する軽量化指数(車体重量をねじれ剛性と有効面積で除した値)を大幅に低減することが可能になる。たとえば、剛性変動比SFR値に比例する倍率で板厚を増減させることで、簡便に軽量化指数を低減させる設計を行うことができる。
また、上記ステップ1において対象を部品毎に区分するのではなく、設計者が対象部位を自由に分割しても良い。たとえば、自動車の車体で見ると、ルーフやサイドパネルなど、大きい部品を複数の領域に分割することで、より適した補剛箇所を抽出することが可能になる。さらに、数値解析能力と時間が許すならば、FEMデータの要素1つ1つを対象にすることで、構造体における変形形態分布が明確になり、より細やかな設計が可能になる。
この手法を用いれば、各部品、または、部位の変形状態を定量的に容易に知ることができる。しかも、ステップ2〜6は、ルーチン処理であるため、計算機で容易に自動化でき、設計者の作業負担を軽減できる。
なお、上記に図1を用いて説明した解析の手順を実行する構造体設計支援装置は、記憶部と、計算部と、出力部とを有している。記憶部は、単一もしくは複数の部品から構成される構造体の少なくとも一部を構成する各部位の数値解析データを記憶する。計算部は、記憶部に記憶された数値解析データに基づいて、特定の境界条件下における構造体の剛性を計算し、当該計算した剛性に基づいて、構造体の剛性への部品の感度を計算する。なお、この感度は、対象部位の板厚、弾性率、もしくは、その両方を仮想的に定数倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値Cと、対象部位の板厚、弾性率、もしくは、その両方を変化させる前の数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値C0との差ΔC(たとえば、上述した板厚変更剛性変動ΔCti=Cti−C0、および、ヤング率変更剛性変動ΔCEi=CEi−C0)、または、剛性値の差ΔCと剛性値C0との比ΔC/C0(たとえば、上述した板厚変更感度RCti=ΔCti / C0、および、ヤング率変更感度RCEi=ΔCEi / C0)である。
出力部は、計算部により計算された感度に基づいて、境界条件下における部品の変形モードに関する情報を出力する。なお、変形モードに関する情報は、対象部位の板厚を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値Ctと対象部位の板厚を変化させる前の数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値C0との差ΔCtと、対象部位の弾性を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値CEと剛性値C0との差ΔCEとの比ΔCt/ΔCE(たとえば、上述した剛性変動比SFRi=ΔCti / ΔCEi)である。ただし、αは任意に定める実数とする。この出力部は、境界条件下における部品の変形モードに関する情報を出力する場合に、この情報を、たとえば、モニターなどの表示部に出力してもよいし、記憶部などに記憶させてもよい。
<実施例>
以下に自動車の車体の剛性としてねじれ剛性を対象に、本発明の具体的な実施例を示す。本ケースで使用する自動車の車体のFEMモデルは、398点の部品データ、各部品を結合するスポット溶接データとボルト−ナット締結データから構成されている。各部品データについて、各部品に1〜398番の番号を付与し、番号に紐付いた部品のセット名をFEMデータにて定義する(ステップ1)。なお、解析ソルバーは、NASTRANを使用した。
全体の座標系として、車両前後方向にx軸(前方向を正)、車両左右方向にy軸(左方向を正)、車両上下方向にz軸(上方向を正)を取る。前車軸左ダンパーの車体への取付け点を点A、前車軸右ダンパーの車体への取付け点を点B、後車軸左ダンパーの車体への取付け点を点C、後車軸右ダンパーの車体への取付け点を点Dと定義する。この車体に表1に示されるような境界条件を与え、車体にねじれトルクを付与し、ねじれ角とトルクの比からねじれ剛性を算出する。
Figure 0005440415
ここで、ねじれ角φTは、点A、 B間距離LsとA、 Bに与えた強制変位(それぞれ、δA=δ0、および、δB=−δ0)から、式(1)のように定義する。
φT=arctan{(δA−δB)/ Ls}=arctan(2δ0 / Ls) (1)
ねじれトルクTTは、点A,B間距離Lsと、点A,Bにかかる反力(それぞれ、FA、および、FBとする)から、式(2)のように定義する。
TT=0.5Ls(FA−FB) (2)
このとき、車体の初期ねじれ剛性CT0は、式(3)のように定義する。
CT0=TT / φT (3)
計算の結果、初期FEMデータによる初期ねじれ剛性CT0は、CT0=21.652 kNm/degと求まる(ステップ2)。
次に、1番の部品の板厚を初期FEMデータの板厚の90%に変更し、表1で示される境界条件のもとで、板厚変更ねじれ剛性CTt1を求める。計算の結果、板厚変更ねじれ剛性CTt1=21.646 kNm/degと求まる。続けて、2番以降の部品についても同様の操作を行い、板厚変更ねじれ剛性CTt2〜CTt398を算出する(ステップ3)。
次に、1番の部品の板厚を初期FEMデータのヤング率の90%に変更し、表1で示される境界条件のもとで、ヤング率変更ねじれ剛性CTE1を求める。結果、ヤング率変更ねじれ剛性CTE1=21.649 kNm/degと求まる。続けて、2番以降の部品についても同様の操作を行い、ヤング率変更ねじれ剛性CTE2〜CTE398を算出する(ステップ4)。
ステップ3で得られた板厚変更ねじれ剛性CTti(i=1〜398)、および、ステップ4で得られたヤング率変更ねじれ剛性CTEi(i=1〜398)について、それぞれ初期ねじれ剛性CT0に対する変化率で定義される各部品の板厚変更ねじれ剛性感度RCTti、および、ヤング率変更ねじれ剛性感度RCTEi(i=1〜398)を算出する。今回のケースでは、この後のステップにおいて、板厚変更ねじれ剛性感度RCTtiの値で0.005以上の部品を対象にするため、フィルター処理を実施し、47部品を抽出した(ステップ5)。
ステップ5で得られた47部品を対象に、ねじれ剛性変動比SFRT=ΔCTt / ΔCTE=(CT0−CTt) / (CT0−CEt)の値を算出し比較する(ステップ6)。
その結果として、横軸に部品番号、縦軸にねじれ剛性変動比SFRTの値を取り、ねじれ剛性変動比SFRTの値が低い部品から順に示したグラフを図2に示す。図2グラフにおいて、左側に位置する(ねじれ剛性変動比SFRTの値が小さい)部品は、部品を構成する面の面内における軸力、もしくは、せん断力が曲げモーメントを卓越しており、面内変形モードの部材であると言える。対して、右側に位置する(ねじれ剛性変動比SFRTの値が大きい)部品は、部品を構成する面の面内における軸力、もしくは、せん断力に比較して曲げモーメントが卓越しており、面外変形モードの部材であると言える。たとえば、ねじれ剛性変動比SFRTの値が最も大きい2部品(15、および、24番)は、左右の全車軸ダンパーの支持部品であり、本ケースで荷重を直接与えている部品であり、曲げ変形が予想される部品であることがわかる。
上記で得られたねじれ剛性変動比SFRTの値から、式(4)、
γi=min{4, 1+0.333×(SFRTi−2)} (4)
で示されるi番目対象部材の板厚倍率γiを用いて、各対象部品の板厚を変更した修正FEMデータを作成し、上記と同じ境界条件によるねじれ剛性を算出した。結果および初期FEMデータ結果との比較を表2に示す。ただし、有効面積は、四角形ABCDの面積で、4m2である。重量で10.5kg(3.75%)減少、ねじれ剛性で1.2kNm/deg(5.54%)増加を達成し、軽量化指数は、0.285kg・deg/kNm3(8.80%)減少することができ、車体のパフォーマンスが向上した(表2参照)。
Figure 0005440415
上記で示した実施例は、剛性として、車体のねじれ剛性を対象に、その向上と軽量化を図った例であるが、剛性としてはねじれ剛性に限らず、自動車の走行安定性や乗り心地に寄与する車体全体の曲げ剛性や車体前部の横曲げ剛性等を対象にした場合でも、本発明は有効である。また、自動車以外の構造物のあらゆる変形に対する剛性についても、本発明は有効である。
なお、記憶部は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記憶媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
また、計算部および出力部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この計算部および出力部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、計算部および出力部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、計算部および出力部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより計算部および出力部の処理を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

Claims (3)

  1. 単一もしくは複数の部品から構成される構造体の少なくとも一部を構成する各部位の数値解析データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された数値解析データに基づいて、特定の境界条件下における前記構造体の剛性を計算し、当該計算した剛性に基づいて、対象部位の板厚を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値Ctと、前記対象部位の板厚及び弾性率を変化させる前の数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値C0との差ΔCt、及び前記対象部位の弾性率を仮想的にα倍した数値解析データに基づいて計算される構造体の剛性値CEと前記剛性値C0との差ΔCE、または、前記剛性値の差ΔCtと前記剛性値C0との比ΔCt/C0、及び前記剛性値の差ΔCEと前記剛性値C0との比ΔCE/C0と定義される、前記対象部位の板厚及び弾性率が前記構造体の剛性への寄与を表す前記対象部位の感度を計算する計算部と、
    前記計算部により計算された前記感度に基づいて、前記剛性値の差ΔCtと、前記剛性値の差ΔCEとの比ΔCt/ΔCEである、前記境界条件下における前記対象部位の変形モードに関する情報を出力する出力部を有することを特徴とする構造体設計支援装置。
    ただし、αは任意に定める実数とする。
  2. 前記計算部は、
    前記数値解析データに基づいて、前記特定の境界条件下における前記対象部位の前記剛性値C0を算出し、前記対象部位のみの板厚をα倍した数値解析データに基づいて、前記剛性値Ctを算出し、前記対象部位のみの弾性率をα倍した数値解析データに基づいて、前記剛性値CEを算出し、算出した前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとに基づいて、前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0を算出し、
    前記出力部は、
    前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0に基づいて、前記比ΔCt/ΔCEを算出し、算出した前記比ΔCt/ΔCEを前記境界条件下における前記対象部位の変形モードに関する情報として出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造体設計支援装置。
  3. 前記計算部は、
    複数の前記対象部位のそれぞれに対して、前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとを算出し、算出した前記剛性値C0と、前記剛性値Ctと、前記剛性値CEとに基づいて、前記剛性値の差ΔCt及び前記剛性値の差ΔCE、または、前記比ΔCt/C0及び前記比ΔCE/C0を、複数の前記対象部位のそれぞれに対して算出し、
    前記出力部は、
    複数の前記対象部位のそれぞれに対して、前記比ΔCt/ΔCEを算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の構造体設計支援装置。
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