JP6387661B2 - 構造体の剛性評価方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

構造体の剛性評価方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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本発明は、例えば剛性に優れた車体設計の際に自動車部品の剛性を評価するのに利用して好適な構造体の剛性評価方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
近年、衝突安全性と車体軽量化を同時に満足するため自動車車体への高強度鋼板の適用が進展している。車体軽量化のために高強度鋼板を適用するのは、強度上昇に応じた板厚減少が期待できるからであるが、それにともない剛性の低下を招くことになる。特に、サイドメンバーやシル、センターピラーのような車体骨格部品では、剛性の低下がネックとなり、さらなる軽量化は困難である。これまで、剛性を高めるために、鋼板と鋼板の間、又は構造体の間に樹脂を接着する方法が提案されている(例えば特許文献1〜3を参照)。しかしながら、これら従来技術では、新たな設備導入が必要であること等、生産技術、製造コストの面で課題が多く、適用する構造体は限られている。
剛性は鋼板のヤング率と板厚に依存するため、剛性を維持したまま板厚を低減するにはヤング率の高い鋼板を用いる必要がある。通常、鋼のヤング率は205GPa程度で板面内等方性として取り扱われるが、鉄の単結晶は立方晶系の直交異方性を有し、<111>方向に最大のヤング率284GPa、<100>方向に最小のヤング率132GPaを示す。したがって、鋼板を製造する際に、結晶方位を制御することにより板面内の特定方向のヤング率を高めることができる。例えば特許文献4には、鋼板の圧延方向と垂直な方向に230GPa以上の高いヤング率を有する鋼板を製造する方法が開示されている。また、電磁鋼板や特許文献5に記載のヤング率は、圧延方向から45〜70゜の間で230GPaを大きく超えている。
特開昭58-177745号公報 特開平2-182448号公報 特開平6-171001号公報 特開昭59-83721号公報 特開昭58-9932号公報 特開2014-26490号公報
車体軽量化を実現するため車体骨格部品の板厚を減ずると剛性が低下するため、それを補うため高いヤング率を有する鋼板の適用が検討されている。しかしながら、このような鋼板は、板面内で強い弾性異方性を示し、特定方向のヤング率を高めると他の方向のヤング率は著しく低下するという欠点があるため、構造体への適用方法によっては剛性の向上効果が得られない。
設計段階での自動車車体の剛性は、剛性解析により評価される。剛性解析では、構造体に作用する曲げ・ねじれ・振動等の弾性変形のシミュレーションを行い、要求仕様を満足する剛性が得られるかどうかを評価する。要求仕様を満足しない場合には、板厚や溶接方法、補強部材等を変更し、再度、剛性の評価を実施する。具体的には、自動車の車体の長手方向の位置におけるねじれ角やたわみ等の変形量を計算し、各部材の入力荷重に対する変形量や振動モードが許容範囲内であるかどうかを検討する。このときの剛性解析には材料の板厚と板面内等方性を前提としたヤング率が用いられ、板面内で強い弾性異方性を示す鋼板を適用したときの剛性解析は行われていない。
一方、特許文献6では、部材剛性に及ぼすヤング率の面内異方性の重要性については指摘しているものの、加工部品をブランク展開したときの圧延方向の入力方法に関するものであり、ヤング率の面内異方性を考慮した剛性解析方法や解析に必要な材料パラメータの同定方法については示されていない。
このように、特定方向のヤング率を高めた材料を用いた高剛性車体を合理的かつ効率的に設計する方法に関しては従来知見がなく、それゆえ特定方向のヤング率が高い鋼板は実用化されていない。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を的確に評価できるようにし、さらには剛性に優れた構造体を得るための最適な板取り方向を決定できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、以下に示す本発明に想到した。本発明の要旨は、次の通りである。
(1) ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価する構造体の剛性評価方法であって、
コンピュータが、
対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する第1のステップと、
前記第1のステップで入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める第2のステップと、
前記第2のステップで求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う第4のステップとを実行することを特徴とする構造体の剛性評価方法。
(2) 前記基準方向と板取り方向のなす角度θを複数段変化させて、前記第3のステップ及び前記第4のステップを繰り返し、剛性が最大となる板取り方向を決定することを特徴とする(1)に記載の構造体の剛性評価方法。
(3) 前記第1のステップでは、前記データベースから金属板の板厚t密度ρと、ポアソン比νと、圧延方向からの角度θ方向のヤング率E(θ)のなかから少なくとも3つ以上のヤング率E(θ)とを入力し、
前記第2のステップでは、基準方向の材料パラメータとして、圧延方向の2次元直交異方性パラメータS1111、S1122、S2222、S1212を、圧延方向からの角度θ方向のヤング率Ecal(θ)を算出して、ヤング率E(θ)との誤差が最小となるフィッティングにより算出することを特徴とする(1)又は(2)に記載の構造体の剛性評価方法。
(4) 前記第1のステップでは、前記データベースから金属板の板厚t密度ρと、ポアソン比νと、せん断弾性率Gと、圧延方向のヤング率E(0)、圧延方向から90°方向のヤング率E(90)とを入力し、
前記第2のステップでは、基準方向の材料パラメータとして、圧延方向の2次元直交異方性パラメータS1111、S1122、S2222、S1212を、S1111=1/E(0)、S1122=−ν/E(0)、S2222=1/E(90)、S1212=1/4Gとして算出することを特徴とする(1)又は(2)に記載の構造体の剛性評価方法。
(5) 前記第3のステップでは、板取り方向の材料パラメータとして、弾性マトリクスijkl=rminjokplmnop(ここで、r11=r22=cosθ、r12=−r21=sinθ)を求めることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の構造体の剛性評価方法。
(6) ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価する構造体の剛性評価装置であって、
対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する材料特性値入力手段と、
前記材料特性値入力手段で入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める第1の演算手段と、
前記第1の演算手段で求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める第2の演算手段と、
前記第2の演算手段で求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う剛性解析手段とを備えたことを特徴とする構造体の剛性評価装置。
(7) ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価するためのプログラムであって、
対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する処理と、
前記入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める処理と、
前記求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める処理と、
前記求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
(8) (7)に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
本発明によれば、ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を的確に評価することができる。さらには剛性に優れた構造体を得るための最適な板取り方向を決定することができる。これにより、特定方向のヤング率を高めた材料を用いた高剛性車体を合理的かつ効率的に設計することが可能となる。
実施形態に係る構造体の剛性評価装置の機能構成を示す図である。 車体設計のために剛性を評価する処理の流れを示すフローチャートである。 実施例における板取り方向とねじり剛性の関係を示す特性図である。 構造体の剛性評価装置として機能しうるコンピュータ装置の構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、実施形態に係る構造体の剛性評価装置100の機能構成を示す。構造体の剛性評価装置100は、ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価する。
101はデータベースであり、材料特性値が登録されている。
102は材料特性値入力部であり、対象構造体の材料である金属板について、データベース101から材料特性値を入力する。
103は第1の演算部であり、材料特性値入力部102で入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める。
104は第2の演算部であり、第1の演算部103で求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ(以下、板取り方向θという)方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータという)を求める。
105は剛性解析部であり、第2の演算部104で求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う。
106は板取り方向決定部であり、板取り方向θを複数段変化させて、第2の演算部104の処理及び剛性解析部105の処理を繰り返し、剛性が最大となる板取り方向θを決定する。
図2を参照して、車体設計のために自動車部品の剛性を評価する処理の流れを示す。
車体を設計するにあたり、まず当該自動車の構造を設定した後(ステップS1)、CADを用いて対象構造体となる自動車部品の形状を設定し(ステップS2)、3次元の自動車部品を記録する。なお、ステップS1、S2の処理は、構造体の剛性評価装置100で行われるようにしてもよいし、他のコンピュータ装置で行われた結果が構造体の剛性評価装置100に入力されるようにしてもよい。
材料特性値入力部102は、データベース101から、対象構造体の材料である鋼板について、材料特性値を取り込む(ステップ3)。材料特性値として、
(1)板厚t、密度ρ、ポアソン比ν、圧延方向から少なくとも3つ以上の角度θ方向のヤング率E(θ)
又は、
(2)板厚t、密度ρ、ポアソン比ν、せん断弾性率G、圧延方向のヤング率E(0)、圧延方向から90゜方向のヤング率E(90)
を取り込むことにより、板面内の弾性異方性を剛性解析に反映させることができる。
次に、第1の演算部103は、ステップS3で入力した材料特性値から、基準方向である圧延方向の材料パラメータを求める(ステップ4)。圧延方向と幅方向をそれぞれx1、x2とする材料座標系において、面内のひずみεijと応力σklの関係はεij=sijklσkl(i,j,k,l=1,2)であり、材料パラメータはsijklである。
ここで、γ1=ε11、γ2=ε22、γ3=2ε12、及びτ1=σ11、τ2=σ22、τ3=σ12に従い応力とひずみを行列表記で表示すると、γm=Smnτn(m,n=1,2,3)と書き換えられ、圧延方向の2次元直交異方性弾性マトリクスS11=s1111、S12=s1122、S13=2s1112、S22=s2222、S23=2s2212、S33=4s1212となる。さらに、圧延方向から角度θの方向に単軸応力を付与する場合を想定し、軸方向をX1、直交方向をX2とする実験座標系を設定すると、座標変換則はXi=rijj(r11=r22=cosθ、r12=−r21=sinθ)となる。実験座標系でのひずみと応力の成分をそれぞれΕij、Σijとすると、Εij=rikεklrjl、σkl=rikΣijrjlであり、実験座標系でのひずみΓmと応力Τmの関係Γm=pmuuvqvnΤnが得られる。
圧延された鋼板では、材料座標系(x1,x2)が直交異方性の主軸となるが、これらを対称線とする座標変換に対して応力−ひずみ関係式が不変であることを使うと、S13=S23=0を導くことができ、同定すべき材料パラメータの数はS11、S12、S22、S33の4つになる。
ヤング率の面内異方性を表現するためには、3つ以上の実測値への最小二乗近似によるフィッティングで材料パラメータを決定することが好ましい。具体的には、ある方向θに対してpmuuvqvnが決まるので、(Τ1,Τ2,Τ3)=(1,0,0)に対して得られるΓ1の逆数1/Γ1がその方向でのヤング率の最初の近似値Ecal(θ)が算出され、下式(1)で得られる誤差が最小になるよう最小二乗法により材料パラメータs1111=S11、s1122=S12=−νS11、s2222=S22、s1212=S33/4を決定できる。
Figure 0006387661
また、板厚t、密度ρ、ポアソン比ν、せん断弾性率G、圧延方向のヤング率E(0)、圧延方向から90゜方向のヤング率E(90)が与えられた場合は、S1111=1/E(0)、S1122=−ν/E(0)、S2222=1/E(90)、S1212=1/4Gとして決定できる。
次に、第2の演算部104は、ステップS4で求めた材料パラメータから、板取り方向の材料パラメータを求める(ステップS5)。圧延方向と幅方向をそれぞれx1、x2とする材料座標系において、圧延方向から角度θ方向に板取りしたときの直交座標系をX1、X2とすると、板取り方向の材料パラメータは、弾性マトリクスSijkl=rminjokplmnop(ここで、r11=r22=cosθ、r12=−r21=sinθ)として求めることができる。
次に、剛性解析部105は、第2の演算部104で求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、構造体に作用する曲げやねじれ、振動等の弾性変形のシミュレーションを行い、剛性解析を行う。圧延方向からθ方向に板取りしたときのねじり剛性の解析には、圧延方向の2次元直交異方性パラメータS1111、S1122、S2222、S1212と座標変換則から板取り方向の材料パラメータを用いる(ステップ6)。
次に、剛性解析を終了するか否かを判定する(ステップS7)。板面内で強い弾性異方性を示す材料では、板取り方向θにより大きく部材剛性が変化するため、角度θを複数段変化させて(ステップS8)、ステップS5及びステップS6を繰り返する。例えば板取り方向θを15゜おきに圧延方向0゜から90゜方向まで変化させて、ステップS5及びステップS6を繰り返す。
剛性解析が終了したならば、板取り方向決定部106は、板取り方向θを複数段変化させた中で、剛性が最大となる板取り方向θを決定する(ステップS9)。
次に、要求仕様を満足する剛性が得られるかどうかを評価し(ステップ10)、満足する場合、処理を終了する。満足しない場合、材料変更(板厚の変更等)、締結方法変更(溶接方法の変更等)、構造変更(補強材の追加等)を行い(ステップS11)、ステップS2又はステップS3に戻って、再度、剛性の評価を行う。材料変更であれば、ステップS3に戻って材料特性値を新たに取り込み、締結方向変更や構造変更であれば、ステップS2に戻ってCADを用いて自動車部品の形状を新たに設定する。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。供試材は板面内に強い弾性異方性を有する板厚1.2mmの自動車用鋼板であり、圧延方向0゜、45゜、90゜方向のヤング率はそれぞれ205、195、230GPaである。これを、80×80mmの閉断面を有する長さ300mmの角筒部材に適用したときのねじり剛性に及ぼすヤング率の面内異方性の影響を評価し、ねじり剛性が最大となる板取り方向を検討した。
部材端部の節点変位と回転を固定した上で、他端に1.5kNmのねじりモーメントを作用させたときの変形を解析した。解析モデルは2mm×2mmの4節点四辺形双一次厚肉シェル要素で離散化し、材料モデルは2次元直交異方性材料を用いた。圧延方向と幅方向をx1、x2とする材料座標系において、先に述べた方法で材料パラメータを求めるとS1111=4.88[TPa-1]、S2222=4.36[TPa-1]、S1212=3.47[TPa-1]、S1122=−1.43[TPa-1]となった。ここでは、材料の圧延方向を基準として圧延方向から角度θ=0゜、22.5゜、45゜、67.5゜、90゜方向に板取りしたときを設定し、ねじり剛性の解析を行った。
図3に、板取り方向とねじり剛性の関係を示す。図3に示すように、部材のねじり剛性を最大にするには圧延方向から45゜方向に板取りすれば良いことがわかる。
以上述べたように、ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を的確に評価することができる。さらには剛性に優れた部品を得るための最適な板取り方向を決定することができる。これにより、特定方向のヤング率を高めた材料を用いた高剛性車体を合理的かつ効率的に設計することが可能となる。
これにより、新たな樹脂を接着する設備等を導入することなく従来の冷間プレスとスポット溶接での組立てを前提とし、板面内の弾性異方性が強い鋼板を最適な方向に板取りすることでサイドメンバーやシル、センターピラー等の自動車骨格部品の剛性を高めることができ、剛性を損なうことなく板厚を減ずることができる。
以上、本発明を自動車部品の例で詳細を示したが、ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体であれば、本発明は適用可能である。
本発明による構造体の剛性評価方法の各ステップは、例えばCPUがRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的には、このプログラムは、例えばCD-ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体によりコンピュータに提供される。このプログラムを記録する記憶媒体としては、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気テープ、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、このプログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネット等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線である。
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼動しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本発明の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本発明の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
本発明による構造体の剛性評価装置は、例えば図4に示すようなコンピュータ装置により実現可能である。パーソナルコンピュータ(PC)400はCPU401を備え、ROM402又はハードディスク(HD)411に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)412より供給されるデバイス制御ソフトウエアを実行する。RAM403は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
PC400は、システムバス404に接続される各デバイスを総括的に制御する。405はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)409や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。406はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)410の表示を制御する。407はディスクコントローラ(DKC)である。DKC407は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するHD411及びFD412とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行を開始するプログラムである。408はネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
100:構造体の剛性評価装置、101:データベース、102:材料特性値入力部、103:第1の演算部、104:第2の演算部、105:剛性解析部、106:板取り方向決定部

Claims (8)

  1. ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価する構造体の剛性評価方法であって、
    コンピュータが、
    対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する第1のステップと、
    前記第1のステップで入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める第2のステップと、
    前記第2のステップで求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める第3のステップと、
    前記第3のステップで求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う第4のステップとを実行することを特徴とする構造体の剛性評価方法。
  2. 前記基準方向と板取り方向のなす角度θを複数段変化させて、前記第3のステップ及び前記第4のステップを繰り返し、剛性が最大となる板取り方向を決定することを特徴とする請求項1に記載の構造体の剛性評価方法。
  3. 前記第1のステップでは、前記データベースから金属板の板厚t密度ρと、ポアソン比νと、圧延方向からの角度θ方向のヤング率E(θ)のなかから少なくとも3つ以上のヤング率E(θ)とを入力し、
    前記第2のステップでは、基準方向の材料パラメータとして、圧延方向の2次元直交異方性パラメータS1111、S1122、S2222、S1212を、圧延方向からの角度θ方向のヤング率Ecal(θ)を算出して、ヤング率E(θ)との誤差が最小となるフィッティングにより算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の剛性評価方法。
  4. 前記第1のステップでは、前記データベースから金属板の板厚t密度ρと、ポアソン比νと、せん断弾性率Gと、圧延方向のヤング率E(0)、圧延方向から90°方向のヤング率E(90)とを入力し、
    前記第2のステップでは、基準方向の材料パラメータとして、圧延方向の2次元直交異方性パラメータS1111、S1122、S2222、S1212を、S1111=1/E(0)、S1122=−ν/E(0)、S2222=1/E(90)、S1212=1/4Gとして算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の剛性評価方法。
  5. 前記第3のステップでは、板取り方向の材料パラメータとして、弾性マトリクスijkl=rminjokplmnop(ここで、r11=r22=cosθ、r12=−r21=sinθ)を求めることを特徴とする請求項3又は4に記載の構造体の剛性評価方法。
  6. ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価する構造体の剛性評価装置であって、
    対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する材料特性値入力手段と、
    前記材料特性値入力手段で入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段で求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める第2の演算手段と、
    前記第2の演算手段で求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う剛性解析手段とを備えたことを特徴とする構造体の剛性評価装置。
  7. ヤング率の面内異方性を有する金属板からなる構造体の剛性を評価するためのプログラムであって、
    対象構造体の材料である金属板について、データベースから材料特性値を入力する処理と、
    前記入力した材料特性値から、剛性解析に必要な基準方向の材料パラメータを求める処理と、
    前記求めた基準方向の材料パラメータから、基準方向と板取り方向のなす角度θ方向の材料パラメータ(以下、板取り方向の材料パラメータと記す)を求める処理と、
    前記求めた板取り方向の材料パラメータを用いて、対象構造体の剛性解析を行う処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 請求項7に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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