JP5459364B2 - 異方性を有する金属板からの最適部品取り方法 - Google Patents

異方性を有する金属板からの最適部品取り方法 Download PDF

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Description

本発明は異方性を有する材料(素板)を使用する成形品のCAE(Computer Aided Engineering)解析方法に関し、特に異方性を有する板材からの最適な部品取りを行う最適部品取り方法に関する。
近年、特に自動車産業においては環境問題に起因した車体の軽量化が進められており、車体の設計にCAE解析は欠かせない技術となっている(例えば特許文献1)。また、そのCAE解析結果には、入力する材料(金属板、例えば鋼板)の機械的特性値が大きく影響することが知られており、成形解析では主にYS(降伏強度)、TS(引張強度)、r値(ランクフォード値)が寄与し、剛性解析ではヤング率等の弾性値が解析で得られる変位に比例して寄与し、衝突解析ではYS、TS等の材料強度が大きく寄与する。
一方、素板にはその機械的特性が大きな面内異方性を有するもの(これを異方性材料という)があり、特に圧延で製造されるものは、圧延方向(L方向)、その直角方向(C方向)、45°方向(D方向)に、(最大−最小)/最大×100で算出される特性変化幅でみて、2〜50%の特性変化があることが知られている。
CAE解析の際、解析対象がその機械的特性が面内方向によらず一定である材料(等方性材料)である場合には方向性の問題は生じないが、異方性材料である場合には、その材料の主変形方向とは異なる方向の機械的特性値が入力されると、異方性のない場合の計算結果とは相違する計算結果となる。
そこで、異方性材料では、解析対象を複数の要素に分割してなる解析モデルの各要素に異方性情報を設定する必要がある。
異方性情報は、任意の方向に対応する機械的特性値を与えるためのものであり、ある方向(例えば前記L方向或いは前記C方向或いはこれらの間の方向)を基準方向として、該基準方向に対する方位角度と機械的特性との対応関係情報として与えられる。異方性情報は、予めテーブルあるいは関数の形で与えることができ、これを記憶して解析プログラムで利用することが可能となっている。
基準方向と方位角度との関係について、上述した圧延材料(素板)を例に挙げて具体的に説明する。仮に、前記C方向を基準方向(方位角度0°)とすれば、方位角度90°の機械的特性は前記L方向の機械的特性であるし、方位角度45°の機械的特性は前記D方向の機械的特性である。また、前記L方向を基準方向とすれば、この基準方向に対して方位角度90°の機械的特性としては、テーブルを参照して前記L方向と直交する関係にある前記C方向の機械的特性となる。
基準方向は、解析画面上では、各要素内の1本の矢印で表示され(例えば図10参照)、該基準方向は解析モデルの各要素に固定され、各要素が移動回転すれば同様に移動回転する。
特開2004−171144号公報
上述した圧延材料(素板)のような異方性材料からブランク材の部品取りを行い、該ブランク材をプレス成形した成形品は、部品取りの方向によって異方性の基準方向が異なるため、成形品の剛性、振動、耐衝突などの特性も異なる。
したがって、高い特性を有する成形品を得るための最適な部品取りを行うには、成形品の解析モデルを作成して、複数の部品取り方向毎に解析モデルに異方性情報を設定して、これらの解析モデルについて特性解析を行い、最も高い特性が得られた部品取り方向を選択するようにすればよい。
そのためには、部品取り方向毎に解析モデルに正確に異方性情報を設定する必要がある。
従来、解析モデルに異方性情報を設定する方法は、解析モデルの要素ごとに人の勘によって異方性情報を入力するというものであった。
しかし、現在の車体の解析モデルに使用される要素数は30万から50万程度あり、すべてを人手で入力することは極めて困難である。
また、実際の成形品は曲面からなる複雑な形状を成しており、人間の勘では成形による各要素の移動回転を正確に把握することはできず、適切な異方性情報の入力は難しい。
そのため、人間の勘に頼って異方性情報を入力したとしても、その後の特性解析結果が、対応する実成形品の剛性試験や衝突試験などの特性試験の結果と合わない場合が少なくなかった。
また、上述した形状をモデル化しただけの解析モデルにはプレス成形に伴う板厚の変化情報、すなわち板厚情報も設定されていない。
しかし、より正確なCAE解析を行う上で板厚情報は非常に重要である。例えば、自動車の車体に代表される薄板を用いた構造体はプレス成形されるため、部品の位置により板厚が元の板厚と異なっている。例えば、Rの部分や張出しになる部分は減肉し、しわが寄り易い部分は増肉する。
このように板厚に減肉や増肉がある場合、その部分の剛性や衝突特性が減少または増加する。そのため、正確なCAE解析を行うためには、板厚情報を考慮した解析を行うことが求められる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、解析モデルに、ブランク材の部品取りの方向を考慮して異方性情報を設定し、さらには板厚も考慮した最適な部品取りを行う最適部品取り方法を提供することを目的としている。
発明者は、上記課題を解決するため、人手入力によらず、正確にしかも計算時間が大幅に短縮できる異方性情報及び板厚情報の設定方法を鋭意検討した。
プレス成形品は通常、圧延材料等の素板からブランク材の部品取りをし、得られたブランク材をプレス成形することから、ブランク材において部品取り方向を考慮した異方性材料の基準方向を取得することを考えた。
ブランク材の形状は、プレス成形品の解析モデルを逆成形解析することで展開して得られる展開ブランク形状と同形である。
したがって、展開ブランク形状において異方性材料の基準方向を、部品取りの方向に基づいて取得するようにすればよい。
次に、展開ブランク形状における基準方向を取得したときに、それを成形品の解析モデルに設定する方法について検討した。
成形品の解析モデルにおける各要素は微小であるため、成形品の解析モデルを逆成形解析によってブランク形状に展開しても、その変形は極めて小さい。また、変形するとしても、正方形が長方形あるいは平行四辺形になるというものである。
そのため、各要素が変形しないか、あるいは長方形に変形する場合であれば、逆成形解析の前後で各要素の辺と要素内のある方向、例えば前記基準方向との相対位置関係は変化しない。
また、要素が平行四辺形に変形する場合であっても、要素の直交する辺の変化量を加味することで、要素の辺と要素内のある方向との相対関係を逆成形解析の前後で求めることができる。
解析モデルは、要素ごとに変形前と変形後、つまり成形又は逆成形解析の前後の節点(node)の座標情報を有しているので、要素の節点(node)を結ぶ直線によって要素の辺を求めることができる。
したがって、展開ブランク形状における各要素の節点(node)を結ぶ直線と、異方性情報における基準方向との成す角度を取得することで、展開ブランク形状における要素の辺と基準方向との相対位置関係を求めることができ、この角度に基づいて成形品の解析モデルに基準方向を容易に設定できる。
また、成形品をブランク形状に展開するという逆成形解析を行うことで、各要素の板厚情報を取得できる。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る異方性を有する金属板からの最適部品取り方法は、コンピュータが行う異方性を有する金属板からの最適部品取り方法であって、
成形品の解析モデルを逆成形解析によりブランク形状に展開する手段によって展開ブランク形状を取得する展開ブランク形状取得工程と、
前記展開ブランク形状取得工程で取得された展開ブランク形状を用いて前記異方性を有する金属板に対する複数の部品取り方向を設定する手段によって部品取り方向を設定する部品取り方向設定工程と、
前記部品取り方向設定工程で設定したうちの一つの部品取り方向に基づいて、前記展開ブランク形状における前記異方性を有する金属板の機械的特性の面内異方性に関する基準方向を取得する手段によって基準方向を取得する基準方向取得工程と、
前記基準方向取得工程で取得された前記展開ブランク形状の前記基準方向と前記展開ブランク形状内の各要素とのなす角度を算出し、該算出された角度に基づいて前記成形品の解析モデルの各要素に前記基準方向を設定する手段によって基準方向を設定する基準方向設定工程と、
前記基準方向と板厚情報が設定された前記成形品の解析モデルについて特性解析を行う手段によって特性解析を行う特性解析工程とを有しており、
前記一つの部品取り方向の他の部品取り方向についてそれぞれ前記部品取り方向設定工程、前記基準方向取得工程、前記基準方向設定工程、前記特性解析工程までを行い、得られた特性解析結果に基づいて、最適な部品取り方向を決定する手段によって最適な部品取り方向を決定することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記機械的特性が、ヤング率、降伏強さ、引張強さ、r値、及び、応力‐歪曲線のうちの1種又は2種以上であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、前記逆成形解析によって得られる板厚情報を取得する手段によって板厚情報を取得する板厚情報取得工程と、
前記板厚情報取得工程で取得された前記板厚情報を前記成形品の解析モデルの各要素に設定する手段によって板厚情報を設定する板厚情報設定工程とを有することを特徴とするものである。
本発明においては、複数の部品取り方向を検討するに当たり、成形品の解析モデルに、部品取り方向毎に、部品取りの方向に応じて素板の面内異方性に関する基準方向を正確に設定することができ、これらの解析モデルについて特性解析して特性値を比較することで、最も特性を向上できる成形品を得るためなどの最適な部品取り方向を決定することができる。
本発明の一実施形態の工程の一部を説明する説明図である。 本発明の一実施形態の一工程を説明する図であり、部品取りの例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態の一工程を説明する図であり、図2の一部を抜き出して拡大した要素について説明する説明図である。 本発明の一実施形態の一工程を説明する図であり、成形品に基準方向を設定する工程ついて説明する説明図である。 本発明による図4で説明する工程の結果の1例を示す説明図である(その1)。 本発明による図4で説明する工程の結果の1例を示す説明図である(その2)。 従来の手法による基準方向の設定結果の1例を示す説明図である。 本発明例1と比較例1の剛性解析結果を実験値と比較して示すグラフである。 本発明例2と比較例2の剛性解析結果を実験値と比較して示すグラフである。 異方性情報について説明する図である。
以下の解析は全てコンピュータにより行われる。図1は本発明の実施形態の1例を示す説明図である。1は成形品の解析モデルであり、解析モデル1には異方性情報および板厚情報が設定されていない。
以下の説明では、素板3から成形品1の部品取りを行う場合について、3種類の部品取り方向(図2参照)の中から、最適な部品取り方向を決定する場合を例に挙げて説明する。
解析モデル1の材料は異方性材料(本例では冷延鋼帯)である。この材料の異方性情報は、前記基準方向に対する方位角度と機械的特性との対応関係情報であり、ここでは、テーブルの形で記憶されている。
前記基準方向としては、C方向から反時計回りに角度θ(この角度θを基準方向の対C方向角度ともいう)だけ回転した方向を用いている(図10参照)。前記テーブルはθ=0°、45°、90°の3つの角度の各々に対応した機械的特性値を保有しており、該テーブル上でθを指定することで前記基準方向の設定或いは変更ができる。θ=0°を指定すればC方向が基準方向になり、θ=45°を指定すればC方向から反時計回りに45°回転した方向が基準方向になり、θ=90°を指定すればC方向から反時計回りに90°回転した方向(=L方向)が基準方向になる。前記テーブル内の機械的特性値は、ヤング率、降伏強さ、引張強さ、r値、及び、応力‐歪曲線の各データである。これらは、行う解析の種類(前述の剛性解析、衝突解析)に応じて、当該解析に必要なものが選択され、使用される。
以下の説明では基準方向の対C方向角度θ=0°、すなわちC方向を基準方向とした場合を例に挙げて説明する。
CAE解析では解析モデル1は図1(a)に示すようにメッシュで複数の領域に区分される。該区分された複数の領域の1つ1つが要素である。
第1のステップ[1]では、解析モデル1を逆成形解析し、平面形状であるブランク(展開ブランク形状2)に展開する(図1(b)参照、展開ブランク形状取得工程)とともに、解析モデル1における板厚分布情報を取得する(板厚情報取得工程)。
逆成形解析は対象となる製品形状を逆解析して平板に戻す解析である。具体的には、対象となる製品形状について有限要素モデルを作成し、これをひずみエネルギーが最小になるように(要素同士が重なることなく、また各要素の変形が最小ですむように)することで平面に展開する。
さらに、展開した平面の有限要素モデルの各要素の変形や板厚等の状態を、展開前の製品形状の有限要素モデルの対応する要素に反映させることにより、展開前である製品形状についての板厚分布状態などを得ることができる。
第2のステップ[2]では、まず、上記展開ブランク形状取得工程で取得された展開ブランク形状2を用いて、素板3に対する複数の部品取り方向を設定する(部品取り方向設定工程)。
本実施の形態では、1例として、図2に示すように3種類を設定する。なお、上述したとおり、本例では、基準方向の対C方向角度θは0°に設定しており、C方向が基準方向となる。素板3には基準方向としてC方向が設定済みである(図1(c)参照)。
部品取り方向について図2に基づいて説明する。仮に、図2に示すように、展開ブランク形状2の4角の点をそれぞれ点A〜点Dとし、点Aと点Bの中間にある変曲点を点E、点Cと点Dの中間にある変曲点を点Fとすると、図2(a)は、辺EBの方向を基準方向(C方向)と一致させるようした部品取り方向(部品取り角度M=0°)である。図2(b)は、図2(a)の展開ブランク形状2を平面視で時計回りに45°回転させたもの(部品取り角度M=45°)であり、図2(c)は、図2(a)の展開ブランク形状2を同様に90°回転させたもの(部品取り角度M=90°)である。なお、図1(d)は、部品取り角度M=0°の場合を例として示している。
次に、展開ブランク形状2に、部品取り方向設定工程で設定したうちの一つの部品取り方向に基づいて、展開ブランク形状2における基準方向を取得する(基準方向取得工程)。本実施の形態では、例として、図2(a)に示す場合について基準方向を取得する。
展開ブランク形状2における基準方向を取得すると、各要素においてどの方向が基準方向であるかが分かる。このことについて、展開ブランク形状2の点E近傍の要素eと点F近傍の要素eを例に挙げて説明する。要素eを抜き出して拡大したものを図3(a)に、要素eを抜き出して拡大したものを図3(b)に示す。図3(a)に示すように要素eは長方形状であり、図3(b)に示すように要素eは平行四辺形状である。要素eと要素eにおいて、基準方向は図3(a)、(b)中の矢印で示す方向になる。要素eにおいて、基準方向はnode番号1とnode番号2を結ぶ直線の方向と一致している。要素eにおいては、node番号1とnode番号2を結ぶ直線は基準方向に対して傾いている。
第3のステップ[3]では、まず、展開ブランク形状2の各要素において、各要素のnode番号1、node番号2のX座標、Y座標から、node番号1とnode番号2を結ぶ直線と、上記基準方向取得工程で取得した基準方向とのなす角度αを外積により計算する。例えば、要素eの場合、基準方向と、node番号1とnode番号2を結ぶ直線の方向とが一致していることから、角度αe1=0°であり(図4(a)参照)、要素eの場合、角度αe2は図4(b)に示す通りの角度である。
ある要素において、要素の形状が変化しないか、正方形から長方形に変化する場合、角度αは、上述したように、展開ブランク形状2の状態とのときと、解析モデル1の状態のときとで変化しない。それ故、角度αに基づけば、解析モデル1において、前記node番号1とnode番号2を結ぶ直線から逆算して基準方向を設定することができる。
また、ある要素において、要素の形状が正方形から平行四辺形に変形する場合、隣接する辺の角度変化量を求めて、角度αに加味すれば、解析モデル1における基準方向を設定することができる。
そこで、展開ブランク形状2の全要素について角度αを求め、展開ブランク形状2の各要素に対応する解析モデル1内の全要素について、角度αに基づいて基準方向を一括設定する(基準方向設定工程)。その結果を図5(a)および図6(a)に示す。図5(a)および図6(a)から分かる通り、基準方向を示す矢印は、解析モデル5の全要素に実態に適合した形で設定されていることがわかる。
また、比較のために、従来のとおり、立体形状の各要素に基準方向を示す矢印を人の勘に頼って入力した場合の1例について図7に基づいて説明する。この場合、図7に示す通り、直線状部(図7(a))では隣り合った要素間で逆向きとなっている個所があり、曲線状部(図7(b))では大きいブロックごとに入力しているため、全く実態と合わない設定となっている。
また、本発明と比較手法とで、基準方向の設定(矢印入力)に要する時間を比較した例を表1に示す。表1より、本発明によれば、基準方向設定所要時間は、要素数が1000と少ない場合でも従来の1/3、要素数が10000と多い場合は従来の1/27であり、従来に比し格段に短縮することがわかる。
以上のように、本発明では解析モデル1内の各要素に基準方向が自動的に且つごく短時間で設定される。
次いで、板厚情報取得工程で取得された板厚情報を、解析モデル1の各要素の板厚情報として入力する(板厚情報設定工程)。
以上のようにすることで、解析モデル1に正確に異方性情報と板厚情報を設定することができる。
次いで、第4のステップ[4](特性解析工程)では、異方性情報と板厚情報が設定された解析モデル1に基づいて特性解析を行う。
次いで、第5のステップ[5]では、上記部品取り方向設定工程で設定した部品取り方向(部品取り角度M=0°、図2(a)参照)の、他の部品取り方向(部品取り角度M=45°(図2(b)参照)および部品取り角度M=90°(図2(c)参照))について、それぞれ部品取り方向設定工程、基準方向取得工程、基準方向設定工程、特性解析工程を行う。なお、部品取り角度M=45°の場合の基準方向設定工程の結果を図5(b)および図6(b)に示す。また、部品取り角度M=90°の場合の基準方向設定工程の結果を図5(c)および図6(c)に示す。
以上のようにすることで、すべての部品取り方向について特性解析の結果を得ることができる。
得られた特性の1例として剛性解析を行い、結果を表2に示す(本発明例1)。なお、材料として、冷延590材(590MPa級冷延鋼板)を用いた。
なお、表2には、本発明例1の他に、上記比較手法で基準方向の設定を行った解析モデル1について同様に剛性解析を行った結果を比較例1として、また、実際に実プレスした結果を実験値1として示している。
表2は、各行が部品取り角度M(°)を示し、各列は左から実験値1、本発明例1および比較例1の剛性値(kN・mm/mm)を示している。
また、図8に表2をグラフ化したものを示す。図8は縦軸が剛性値(kN・mm/mm)を示し、横軸が部品取り角度M(°)を示している。
また、表3に、表2に基づいて本発明例1と比較例1が実験値1とどれだけ乖離しているかを表したものを示す。
表3の各行は部品取り角度M(°)を示し、各列は左から本発明例1および比較例1の実験値1との乖離(%)を示している。
図8、図9および表3に示す通り、本発明例1は、いずれの部品取り角度Mも実験値1に極めて近い値であり、正確な剛性解析ができ、それ故に剛性値の高い部品取り方向を正確に決定できることを意味している。
一方、比較例1ではM=0°の場合、実験値1に比較的近い値であるが、M=45°、90°の場合、実験値とは大きく異なっている。そのため、比較例1では、M=45°とM=90°の場合の剛性値が異なる値となっており、このことは、正確な部品取り方向を決定できないことを意味している。
以上のように、本発明例1は、剛性解析の変形シミュレーションによる剛性値予測精度が、従来に比し格段に向上している。
尚、上記において剛性解析に代えて耐衝突解析を行う場合についても同様に実施し、同様の結果が得られている。
次いで、得られた剛性解析の結果に基づいて、最適な部品取り方向を決定する。
表2および図8から分かる通り、剛性値は、部品取り角度M=90°とした場合が最も剛性値が高くなっている。従って、本実施の形態においては、部品取り角度M=90°とした部品取り方向が最適な部品取り方向であるとして決定される。なお、表2に示す通り、実験値1においても部品取り角度M=90°にした場合が最も剛性が高くなっており、本発明例1の結果と一致している。
以上のように、本実施の形態にかかる異方性板材からの最適部品取り方法によれば、高精度の特性(剛性)解析結果に基づいて部品取りの最適化を行うことが可能である。
本発明の材料異方性の計算方法による作用効果について、具体的な実施例に基づいて説明する。
本実施例では、材料の異方性の違いによる効果の違いを確認するために、上記実施の形態で用いた590材よりも異方性が大きい冷延270(270MPa級冷延鋼板)材を用いて、上記実施の形態と同様の実験を行った。結果を表4、表5および表4をグラフ化したものを図9に示す。各図表の見方は表2、表3および図8の見方と同様であるのでその説明を省略する。
表5を見ると、比較例2においては実験値2との乖離は、実施例1の場合(表2参照)と比較して、部品取り角度Mが0°の場合はほぼ同一であるが、45°や90°の場合は、大きな乖離となっている。これは、異方性がより大きな材料を用いたことにより、乖離がより顕著に表れたためであると考えられる。その点、本発明例2においては、いずれの部品取り角度Mでも実験値2に非常によく一致しており、CAE解析精度が大きく向上したことがわかる。
表4および図9から分かる通り、本発明例2において、部品取り角度M=90°とした場合が最も剛性値が高くなっている。従って、最適な部品取り方向は部品取り角度M=90°とした場合である。これは、実験値2においても同様である。
以上のように、本発明にかかる異方性板材からの最適部品取り方法によれば、高精度の特性解析結果に基づいた部品取りの最適化が可能であることが実証された。
、e 要素
1 解析モデル(異方性情報および板厚情報設定前)
2 ブランク
3 素板(ブランクを採取した素板)
5 解析モデル(異方性情報および板厚情報設定後)

Claims (3)

  1. コンピュータが行う異方性を有する金属板からの最適部品取り方法であって、
    成形品の解析モデルを逆成形解析によりブランク形状に展開する手段によって展開ブランク形状を取得する展開ブランク形状取得工程と、
    前記展開ブランク形状取得工程で取得された展開ブランク形状を用いて前記異方性を有する金属板に対する複数の部品取り方向を設定する手段によって部品取り方向を設定する部品取り方向設定工程と、
    前記部品取り方向設定工程で設定したうちの一つの部品取り方向に基づいて、前記展開ブランク形状における前記異方性を有する金属板の機械的特性の面内異方性に関する基準方向を取得する手段によって基準方向を取得する基準方向取得工程と、
    前記基準方向取得工程で取得された前記展開ブランク形状の前記基準方向と前記展開ブランク形状内の各要素とのなす角度を算出し、該算出された角度に基づいて前記成形品の解析モデルの各要素に前記基準方向を設定する手段によって基準方向を設定する基準方向設定工程と、
    前記基準方向と板厚情報が設定された前記成形品の解析モデルについて特性解析を行う手段によって特性解析を行う特性解析工程とを有しており、
    前記一つの部品取り方向の他の部品取り方向についてそれぞれ前記部品取り方向設定工程、前記基準方向取得工程、前記基準方向設定工程、前記特性解析工程までを行い、得られた特性解析結果に基づいて、最適な部品取り方向を決定する手段によって最適な部品取り方向を決定することを特徴とする異方性を有する金属板からの最適部品取り方法。
  2. 前記機械的特性が、ヤング率、降伏強さ、引張強さ、r値、及び、応力‐歪曲線のうちの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の異方性を有する金属板からの最適部品取り方法。
  3. 前記逆成形解析によって得られる板厚情報を取得する手段によって板厚情報を取得する板厚情報取得工程と、
    前記板厚情報取得工程で取得された前記板厚情報を前記成形品の解析モデルの各要素に設定する手段によって板厚情報を設定する板厚情報設定工程とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の異方性を有する金属板からの最適部品取り方法。
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