JP2012214212A - 構造部材の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突荷重が印加される構造部材の設計を容易に行うことが可能な構造部材の設計方法を提供する。
【解決手段】構造部材の材質を仮定するとともに、構造部材の断面形状が全て有効幅となるような単純形状を仮定し、これらの仮定から理論的な耐座屈荷重を求め、この理論的な耐座屈荷重よりも小さくなるように構造部材の耐座屈荷重の設計値を仮決めし、仮決めした設計値から必要な有効幅を求め、この必要な有効幅を実現できるような構造部材の断面形状を再設計し、再設計した構造部材の形状からオイラー座屈荷重を求めるとともに断面二次モーメントを求め、求めたオイラー座屈荷重から再度必要な有効幅を求める、といった工程を、断面二次モーメントが所定の値以下になるまで繰り返し行って、断面二次モーメントの収束値を決定する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、構造部材の設計方法に関するものである。
自動車の構造部材の設計においては、衝突による衝突荷重が構造部材に加わったときにその構造部材の最大反力が適切な値になるように設計する必要がある。構造部材の最大反力は、部材の材質や、形状によって変化するので、構造部材の設計の際には数多くのパラメータを考慮する必要がある。
また、自動車車体自体は多数の構造部材から構成されているので、特定の構造部材が有する最大反力が適切に設計されているかどうかは、最終的には実車での衝突実験、FEMモデルでの衝突解析等で確認されている。しかし、構造部材の材質や形状を逐一変更して衝突実験やFEM解析等を行って適正な解を得るには、膨大な工数が必要になる。そこで、FEM解析を実施する前に、簡便な推定方法を用いて構造部材の最大反力をある程度予測できるようにしておくことが望まれている。
下記特許文献1には、多角形閉断面形状を有する構造部材において、多角形閉断面形状の各辺を構成する少なくとも一つの壁部にビードを設けることにより、安定した軸圧縮変形を保ったまま、初期座屈荷重を高めることを可能とする骨格部材構造が開示されている。しかし、この特許文献1には、初期座屈荷重を推定する方法は開示されてない。
また、下記特許文献2には、実験的に求めたアルミ押出部材の最大抵抗荷重Pcrと、アルミ押出部材の耐力σ0.2と、アルミ押出部材の断面積Aとから求められるk値が、アルミ押出部材の細長比(有効細長比λ及び基準細長比λ)を変数とする2つの式を満たすかどうかにより、アルミ押出材の評価を行う方法が開示されている。しかし、この特許文献2では、k値を求める際にアルミ押出部材の最大抵抗荷重Pcrを実験的に求める必要があり、簡便な推定方法とは言えない。また、特許文献2に記載の方法では、単純な形状のアルミ押材を前提としているため、有効幅について何ら考慮されていない。従って、実際の自動車の構造部材のような複雑な形状を有する部材に適用したとしても、精度よく耐座屈性能を評価できない問題がある。
また、特許文献3には、薄板を加工して得られた閉断面構造の構造部材について、座屈限界荷重と有効幅との関係に基づき、有効幅cと、薄板の板厚h、ヤング率E及び降伏応力σYPとの関係式を実験的に求め、この関係式を用いて構造部材の設計を行う方法が開示されている。この特許文献3の方法によれば、構造部材において必要な有効幅を簡易な方法で推測できるので、構造部材の設計の工数を大幅に削減可能になったが、設計方法の更なる精度の向上が望まれていた。
特開2001−158377号公報 特開2002−67693号公報 特開2009−286351号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、衝突荷重が印加される構造部材の設計を容易に行うことが可能な構造部材の設計方法を提供することを目的とする。
鋼板等の金属板が加工されてなる構造部材を設計する際には、断面二次モーメント、有効幅、金属板の板厚、金属板の降伏応力がそれぞれ、構造部材の座屈時の最大反力に及ぼす影響を検討する必要がある。特許文献1〜3では、これらを全て考慮した最大反力の推定は行っていなかった。
そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、図1に示すように、構造部材の材質を仮定するとともに、構造部材の断面形状が全て有効幅となるような単純形状を仮定し、これらの仮定から理論的な耐座屈荷重を求め、この理論的な耐座屈荷重よりも小さくなるように構造部材の耐座屈荷重の目標値を仮決めし(図1のステップ1)、仮決めした目標値から必要な有効幅を求め(図1のステップ2)、この必要な有効幅を実現できるような構造部材の断面形状を再設計し(図1のステップ3)、再設計した構造部材の形状からオイラー座屈荷重を求めるとともに断面二次モーメントを求め(図1のステップ4および5)、求めたオイラー座屈荷重から再度必要な有効幅を求める、といった工程を、断面二次モーメントが所定の値以下になるまで繰り返し行って(図1のステップ6)、断面二次モーメントの収束値を決定する下記の方法を見出した。
[1] 閉断面構造を有する構造部材の閉断面が全て有効断面となるような単純形状、構造部材の材質及び構造部材の端末条件を仮定し、これらの仮定から構造部材の耐座屈荷重の仮定値Fciを求める耐座屈荷重仮定値の決定段階と、
前記耐座屈荷重の仮定値Fciより小さな値を構造部材の耐座屈荷重の目標値Fctとする耐座屈荷重目標値の決定段階と、
前記金属板の材質及び前記端末条件を固定したままで、前記耐座屈荷重の目標値Fctを得るために必要な構造部材の有効幅Σcを求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材の閉断面形状を変更し、変更された閉断面形状から断面二次モーメントIを求め、断面二次モーメントIからオイラー座屈荷重Pcを求める計算段階と、
前記オイラー座屈荷重Pcを得るために必要な構造部材の有効幅Σcr+1を求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように、前記構造部材の閉断面形状を再変更し、再変更された閉断面形状から断面二次モーメントIr+1を求め、断面二次モーメントIr+1からオイラー座屈荷重Pcr+1を求める再計算段階と、を有し、
更に、(I−Ir+1)の絶対値ΔIが所定の値以下の場合は、前記Ir+1を断面二次モーメントの収束値Iとして、収束値Iに対応する閉断面形状を取得し、絶対値ΔIが所定の値を超える場合には、得られたPcr+1をPcにして前記再計算段階に戻す判定段階を有することを特徴とする構造部材の設計方法。
[2] 前記耐座屈荷重仮定値の決定段階は、前記構造部材の形状を軸長l、高さh、幅w、肉厚tの中空四角柱形状と仮定し、前記構造部材の材質として弾性係数E及び流動応力σsを仮定し、端末条件定数λを1、4、2、1/4の何れかとして、下記式(1)より耐座屈荷重の仮定値Fciを求める段階であることを特徴とする[1]に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、Σcは有効幅の総和であって式(2)から求まり、σRは座屈応力であって式(3)から求まり、式(3)中のkおよびIzzは式(4)及び式(5)によりそれぞれ求まり、流動応力σsは式(6)から求まり、式(6)におけるK、ε及びnは構造部材の材質により求まる定数であり、εpは構造部材が形成される際に加えられる歪みである。
[3] 前記計算段階は、前記有効幅Σcを下記式(7)により求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIを下記式(8)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcを下記式(9)により求める段階であることを特徴とする[1]または[2]に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、式(7)中のPcは式(10)から求まり、式(8)中のw’は計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h’は計算段階において変更後の閉断面形状の高さである。
[4] 前記再計算段階は、前記有効幅Σcr+1を下記式(11)により求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIr+1を下記式(12)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcr+1を下記式(13)により求める段階であることを特徴とする[1]乃至[3]の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、式(12)中のw”は再計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h”は再計算段階において変更後の閉断面形状の高さである。
[5] 前記計算段階は、前記有効幅Σcを下記式(14)により求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIを下記式(15)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcを下記式(16)により求める機能を有するとともに、
前記閉断面形状を変更することに伴い変化した板厚tを下記式(17)により求め、塑性ひずみ量εprを下記式(18)により求め、流動応力σsrを下記式(19)により求める機能を有する段階であることを特徴とする[1]または[2]に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、式(14)中のPcは式(20)から求まり、式(15)中のw’は計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h’は計算段階において変更後の閉断面形状の高さであり、式(17)、式(18)中のε’は計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
[6] 前記再計算段階は、前記有効幅Σcr+1を下記式(21)により求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIr+1を下記式(22)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcr+1を下記式(23)により求める機能を有するとともに、
前記閉断面形状を変更することに伴い変化した板厚tr+1を下記式(24)により求め、塑性ひずみ量εpr+1を下記式(25)により求め、流動応力σsr+1を下記式(26)により求める機能を有することを特徴とする[1]、[2]、[5]の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、式(22)中のw”は再計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h”は再計算段階において変更後の閉断面形状の高さであり、式(24)、式(25)中のεt”は再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
[7] 前記計算段階または前記再計算段階において、閉断面形状を変更する手段に前記構造部材の稜線に対する圧潰ビード付与を採用し、計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみεt’または再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみεt”を下記式(27)により算定することを特徴とする[5]、[6]の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
Figure 2012214212
但し、式(27)中のBHは圧潰ビードの深さであり、BLは構造部材の稜線方向の圧潰ビード長さである。
本発明の構造部材の設計方法によれば衝突荷重が印加される構造部材の設計を容易に行うことができる。
図1Aは、本発明の実施形態である構造部材の設計方法を説明するフローチャートである。 図1Bは、本発明の実施形態である構造部材の設計装置を説明するブロック図である。 図2は、耐座屈荷重仮定値の決定段階において仮定する構造部材の断面を示す断面模式図である。 図3は、実施例で用いた構造部材を示す平面模式図である。 図4は、図3に示す構造部材の断面平面模式図である。 図5は、実施例におけるFEM解析の条件を説明する模式図である。 図6は、構造部材の稜線に付与する圧潰ビードの形状を説明する模式図である。 図7は、構造部材の稜線に対する圧潰ビードの付与位置を説明する模式図である。 図8は、(27)式の計算結果と、FEM数値解析結果との比較結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態である構造部材の設計方法について説明する。
本実施形態の構造部材の設計方法に適用される構造部材は、例えば、自動車用のフロントサイドメンバのような、軸方向から衝突荷重を受ける構造部材に適用される。フロントサイドメンバは、車両前部の車幅方向両側下部近傍に車両前後方向に沿って左右一対に配置される構造部材である。フロントサイドメンバは、車幅方向外側に配置されるアウタパネルと、車幅方向内側に配置されるインナパネルとから構成される。アウタパネル及びインナパネルは、例えば、薄板をプレス成形することによって形成される。フロントサイドメンバは、車両前後方向から見たときに閉断面形状を有しており、アウタパネルとインナパネルが相互に接合されることによって形成される。
フロントサイドメンバは、自動車に衝突荷重が加わった際にその軸方向に荷重が加わるが、軸方向中間部で折れ曲がることなく確実に軸圧縮変形して衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収する必要がある。このとき、衝撃荷重に対する反力が小さいと小さな衝突荷重で容易に座屈してしまうので、衝撃荷重に対する反力が所定の大きさ以上になるように、フロントサイドメンバの材質、形状等を決定する必要がある。一般的には、FEM解析等を駆使して車体全体の設計並びにフロントサイドメンバの設計を行うが、FEM解析等を行う前に、以下に説明する構造部材の設計方法を行う。
本実施形態の構造部材の設計方法は、図1Bに示すような各種の処理手段を備えて構成された構造部材の設計装置によって実施される。この設計装置は、図1Aの各ステップ1〜6に対応する処理手段を有して構成されている。
すなわち、図1Bに示す設計装置は、構造部材の材質を仮定するとともに、構造部材の断面形状が全て有効幅となるような単純形状を仮定し、これらの仮定から理論的な耐座屈荷重を求める耐座屈荷重仮定値の決定手段1(図1Aのステップ1に対応)と、この理論的な耐座屈荷重よりも小さくなるように構造部材の耐座屈荷重の目標値を仮決めする耐座屈荷重の目標値の決定手段2(図1Aのステップ1に対応)と、仮決めした目標値から必要な有効幅を求める有効幅の総和の算出手段3(図1Aのステップ2に対応)と、この必要な有効幅を実現できるような構造部材の断面形状を再設計する断面形状変更手段4(図1Aのステップ3に対応)と、再設計した構造部材の形状から断面二次モーメントを求める断面二次モーメント算出手段5(図1Aのステップ4に対応)と、オイラー座屈荷重を求めるオイラー座屈荷重の算出手段6(図1Aのステップ5に対応)と、断面二次モーメントが所定の値以下になるまでステップ1〜5を繰り返して行うための判定手段7(図1Aのステップ6に対応)とを有して構成される。
各ステップ1〜6に対応する各処理手段は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
また、本実施形態の構造部材の設計方法は、構造部材の耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciを求める耐座屈荷重仮定値の決定段階と、構造部材の耐座屈荷重(最大反力)の目標値Fctとする耐座屈荷重目標値の決定段階と、断面二次モーメントIを求める計算段階と、断面二次モーメントIr+1を求める再計算段階と、判定段階とを具備して構成されている。以下、各段階につて順次説明する。
「耐座屈荷重仮定値の決定段階」
耐座屈荷重仮定値の決定段階では、閉断面構造を有する構造部材の閉断面が全て有効断面となるような単純形状、構造部材の材質及び構造部材の端末条件を仮定し、これらの仮定から構造部材の耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciを求める。図1Bに示す設計装置においては、入力手段11から単純形状、構造部材の材質及び構造部材の端末条件を入力し、入力された単純形状、構造部材の材質、端末条件に基づき、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciを求める。以下、その手順について説明する。
まず、構造部材の材質を決定する。構造材がフロントサイドメンバであるときは、フロントサイドメンバを構成する薄板を選定し、入力手段11から入力する。これにより、構造部材の弾性係数Eが決まる。また、構造部材の流動応力σsが決まる。流動応力σsは、降伏応力に類似するものであり、構造部材を形成する際に加えられる変形歪みを考慮した降伏応力に相当する。薄板の降伏応力は、加工による歪みを受けて変化するため、本実施形態では構造部材の材質のパラメータとして薄板の降伏応力に代えて流動応力σsを用いる。流動応力σsは、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において下記式(28)によって求められる。式(28)中、K、ε0及びnは構造部材の材質により求まる定数であって所謂Swift則パラメータであり、εpは構造部材が形成される際に加えられる歪みである。
Figure 2012214212
次に、想定される構造部材の固定条件から端末条件定数λを決定する。λは、1、4、2、1/4の何れかの値を取るが、構造部材がフロントサイドメンバの場合は、一端が固定点とされ、多端が重点とされるので、λ=1/4を選択すればよく、入力手段11から入力する。
次に、構造部材の形状を、図2に示す断面形状のような、軸長l、高さh、幅w、肉厚tの中空四角柱形状と仮定し、入力手段11から入力する。ここで、肉厚tは構造部材を構成する薄板の厚みである。なお、軸長l、高さh、幅wは、構造部材を配置するスペースの制約により求まる。例えば、構造部材をフロントサイドメンバとする場合は、自動車の車体においてフロントサイドメンバが占有することが可能なスペースを、他の部材との関係から予測し、その予測されたスペースに構造部材が収まるように軸長l、高さh、幅wを仮定する。
次に、先に仮定した軸長l、高さh、幅w、肉厚tの中空四角柱形状の構造部材の断面二次モーメントIzzを、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において下記式(29)により求める。
Figure 2012214212
次に、図2に示す閉断面が全て有効断面と仮定して、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において、有効幅の総和Σcを下記式(30)により求める。
Figure 2012214212
更に、先に求めた流動応力σsから、座屈応力σRを、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において下記式(31)により求める。なお、式(31)中のkは式(32)によりそれぞれ求まる。式(31)中の(l/k)は構造部材の細長比である。フロントサイドメンバのような細長比が大きな構造部材の場合は、この式(31)を用いることで、より高精度な設計が可能になる。
Figure 2012214212
Figure 2012214212
そして、得られたΣc、σR及び肉厚tを下記式(33)に導入して、耐座屈荷重仮定値の決定手段1において耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciを求める。求められた仮定値Fciは、耐座屈荷重仮定値の表示手段13によって表示される。
Figure 2012214212
「耐座屈荷重目標値の決定段階」
次に、耐座屈荷重目標値の決定段階では、耐座屈荷重の目標値の決定手段2において、耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciより小さな値を構造部材の耐座屈荷重(最大反力)の目標値Fctに設定する。先に求めた耐座屈荷重の仮定値Fciは、単純形状である中空四角柱形状を仮定し、さらに式30で示したようにその中空四角柱形状の全断面を有効と仮定して算出した値であり、実際の構造部材の形状は更に複雑な形状となり、全断面が有効とならなくなるから、構造部材の耐座屈荷重の目標値Fctは仮定値Fci未満になる。よって、耐座屈荷重(最大反力)の仮定値Fciより小さな値を構造部材の耐座屈荷重(最大反力)の目標値Fctに設定する。
「計算段階」
次に、計算段階では、金属板の材質及び前記端末条件を固定したままで、耐座屈荷重の目標値Fctを得るために必要な構造部材の有効幅Σcを有効幅の総和の算出手段3において求め、有効幅Σcを満たすように構造部材の閉断面形状を断面形状変更手段4において変更し、変更された閉断面形状から断面二次モーメントIを断面二次モーメント算出手段5において求め、断面二次モーメントIからオイラー座屈荷重Pcをオイラー座屈荷重の算出手段6において求める。以下、その手順を説明する。
まず、有効幅の総和の算出手段3において、耐座屈荷重の目標値Fctを得るために必要な構造部材の有効幅Σcを下記式(34)により求める。式(34)中のPcは下記式(35)から求める。
Figure 2012214212
Figure 2012214212
次に、断面形状変更手段4において、有効幅Σcを満たすように構造部材の閉断面形状を変更する。変更は、構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更することにより行う。
次に、断面二次モーメント算出手段5において、変更された閉断面形状から断面二次モーメントIを下記式(36a)により求める。式(36a)中のw’は計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h’は計算段階において変更後の閉断面形状の高さである。但し、変更された閉断面形状が複雑な形状である場合は、断面をいくつかの簡単な図形部分に分割し、下記式(36b)によって算出してもよい。ここでAは分割された図形部分の断面積、yは断面全体の図心から分割された図形部分の図心までの鉛直距離、Iは分割された図形部分の中立軸に関する断面二次モーメントである。
Figure 2012214212
そして、オイラー座屈荷重の算出手段6において、オイラー座屈荷重Pcを下記式(37)により求める。
Figure 2012214212
上述にて計算段階の各機能について説明を行ったが、上述の計算段階においてオイラー座屈荷重Pcを算出した後に、更に、以下に説明する計算段階をオイラー座屈荷重の算出手段6において行ってもよい。また、行わない場合は、再計算段階に進めばよい。
上述の計算段階の各機能に加えて、閉断面形状を変更することに伴って変化した板厚tを、下記式(38)により求める。式(38)中のεt’は計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
Figure 2012214212
次に、塑性ひずみ量εpを下記式(39)により求め、流動応力σsを下記式(40)により求める。式(39)中のε’は計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
Figure 2012214212
Figure 2012214212
式(39)は、相当塑性ひずみの算出式に対し、せん断ひずみが無視出来ると仮定し、体積一定則を代入した後、MajorStrainに対しMinorStrainが無視出来る程度に小さい、もしくはMinorStrainに対しMajorStrainが無視出来る程度に小さいと仮定することで容易に導出される関係式である。
式(38)、式(39)を採用することにより、塑性ひずみ量εp、変化後板厚tともに板厚方向ひずみε’の関数として導出することが可能である。
さらに、式(38)、式(39)で用いる板厚方向ひずみε’は、式(39)の導出で用いた仮定により、断面周長の変化を用いて容易に算出することが可能である。
但し、閉断面形状の変更に伴って導入される板厚方向ひずみε’が経験則等により既に明らかである場合は、その値を用いても良い。
「再計算段階」
次に、再計算段階では、オイラー座屈荷重Pcを得るために必要な構造部材の有効幅Σcr+1を求め、有効幅Σcr+1を満たすように、構造部材の閉断面形状を再変更し、再変更された閉断面形状から断面二次モーメントIr+1を求め、断面二次モーメントIr+1からオイラー座屈荷重Pcr+1を求める。再計算段階の手順は先の計算段階とほぼ同じであり、先の説明と同様にして図1Bに示す各手段3〜6において行われる。その手順を以下に説明する。
まず、オイラー座屈荷重Pcを得るために必要な構造部材の有効幅Σcr+1を下記式(41)により求める。式(41)中のPcは先の下記式(37)から求める。
Figure 2012214212
また、閉断面形状を再変更するために凹ビードを設ける場合の有効幅cr+1は、下記の式(41)’から得られたc’を用いても良い。式(41)’におけるbは凹ビードを設ける前の構造部材の幅又は高さである。
Figure 2012214212
なお、式(41)’は、軟鋼から焼き入れ鋼板(ホットプレス材)まで強度や板厚の異なる種々の鋼板(薄板)と、5000系のアルミニウム板(薄板)を用い、これらの材料の弾性率Eと座屈限界荷重(Pult)を用いて式(41)”に従って比例定数Kを算出し、材料特性や薄板の板厚等の影響を定量化するために比例定数Kについて多変量解析を行って得られたものである。式(41)”のνは構造部材のポアソン比である。
Figure 2012214212
次に、有効幅Σcr+1を満たすように構造部材の閉断面形状を再変更する。再変更は、計算段階の場合と同様に、構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更することにより行う。
次に、再変更された閉断面形状から断面二次モーメントIr+1を下記式(42a)により求める。式(42a)中のw”は再計算段階において再変更後の閉断面形状の幅であり、h”は再計算段階において再変更後の閉断面形状の高さである。但し、変更された閉断面形状が複雑な形状である場合は、断面をいくつかの簡単な図形部分に分割し、下記式(42b)によって算出してもよい。ここでAは分割された図形部分の断面積、yは断面全体の図心から分割された図形部分の図心までの鉛直距離、Iは分割された図形部分の中立軸に関する断面二次モーメントである。
Figure 2012214212
そして、オイラー座屈荷重Pcr+1を下記式(43)により求める。
Figure 2012214212
上述にて再計算段階の各機能について説明を行ったが、この再計算段階に代えて、以下の再計算段階を各手段3〜6において行ってもよい。いずれの再計算段階を行った場合でも、再計算後は、判定段階に進む。
上述の再計算段階に代えて行う再計算段階では、上述の計算段階の各機能のうち、オイラー座屈荷重Pcを得るために必要な構造部材の有効幅Σcr+1を得る式として、下記式(41)に代わって下記式(44)を用いる。
Figure 2012214212
式44では、先の計算段階において、式(38)を用いて算出された変化後板厚tと、式(40)を用いて算出された塑性ひずみ量εprを使用することが可能である。
次に、前記閉断面形状を変更することに伴い変化した板厚tr+1を下記式(45)により求める。式(45)中のεt”は再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
Figure 2012214212
次に、塑性ひずみ量εpr+1を下記式(46)により求め、流動応力σsr+1を下記式(47)により求める。式(46)中のε”は再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
Figure 2012214212
Figure 2012214212
式(46)の導出に用いた仮定は、式(39)のそれと同じである。
式(45)、式(46)を採用することにより、塑性ひずみ量εpr+1、変化後板厚tr+1ともに板厚方向ひずみε”の関数として導出することが可能である。
さらに、式(45)、式(46)で用いる板厚方向ひずみεt”は、式(46)、式(39)の導出で用いた仮定により、断面周長の変化を用いて容易に算出することが可能である。
但し、閉断面形状の変更に伴って導入される板厚方向ひずみεt”が経験則等により既に明らかである場合は、その値を用いても良い。
閉断面形状の変更に伴って導入される板厚方向ひずみε’が明らかとなっている事例として、図6に構造部材の稜線に圧潰ビードを付与した場合を示す。圧潰ビードBは図6に示すような三角形状の窪みであり、その形状は深さBH、稜線方向長さBLで定義可能である。このとき、計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみεt’または再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみεt”を下記式(48)により算定する。
Figure 2012214212
ここで、板厚方向ひずみε’、ε”の評価位置は図6中に示した箇所である。式(48)は被加工材として引張強さ590MPa級の鋼板を使用し、図6に示すような構造部材の成形方法として一般的なフォーム成形にて成形した際の知見より得た式である。この場合、圧潰ビード成形の前後で断面周長が減少するため、圧潰ビード部は板厚が増加、すなわち式(48)により算出される板厚方向ひずみε’、ε”は正の値となる。また、式(48)により算出される板厚方向ひずみε’、ε”の値は圧潰ビードの形状因子の影響が支配的であり、被加工材の特性値が及ぼす影響は比較的小さいことが明らかとなっている。
「判定段階」
次に、判定段階では、判定手段7において、計算段階及び再計算段階で得られた断面二次モーメントの差が一定の値以下であるかどうかを判定し、一定の値以下である場合は断面二次モーメントが収束したとして、その収束値を最終的な構造部材の断面二次モーメントとして、計算結果表示手段13に出力させる。すなわち、(I−Ir+1)の絶対値ΔIが所定の値以下になる場合は、Ir+1を断面二次モーメントの収束値Iとして、収束値Iに対応する閉断面形状を取得する。また、絶対値ΔIが所定の値を超える場合には、有効幅Σcr+1を得る式として式(41)を用いる場合にはPcr+1をPcにして再計算段階に戻す。また同様に、有効幅Σcr+1を得る式として式(44)を用いる場合にはPcr+1をPcに、tr+1をtに、σsr+1をσsにして再計算段階に戻す。
このように、断面二次モーメントが収束するまで、再計算工程を繰り返し行う。ここで、上記所定の値としては、式(29)で算出した軸長l、高さh、幅w、肉厚tの中空四角柱形状の構造部材の断面二次モーメントIzzの1%に相当する値を用いることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態の構造部材の設計方法によれば、構造部材の材質を仮定するとともに、構造部材の断面形状が全て有効幅となるような単純形状を仮定し、これらの仮定から理論的な耐座屈荷重を求め、この理論的な耐座屈荷重よりも小さくなるように構造部材の耐座屈荷重の設計値を仮決めし、仮決めした設計値から必要な有効幅を求め、この必要な有効幅を実現できるような構造部材の断面形状を再設計し、再設計した構造部材の形状からオイラー座屈荷重を求めるとともに断面二次モーメントを求め、求めたオイラー座屈荷重から再度必要な有効幅を求める、といった工程を、断面二次モーメントが所定の値以下になるまで繰り返すことにより、簡便かつ容易に構造部材の設計を行うことができる。
また、本実施形態の構造部材の設計方法によれば、耐座屈荷重の仮定値Fciを算出し、この仮定値Fciよりも小さな値を耐座屈荷重の目標値Fctとするので、単純形状である中空四角柱形状を仮定した仮定値Fciを基準にして、複雑な形状の構造部材の設計を迅速に行うことができる。
また、本実施形態の構造部材の設計方法によれば、座屈応力σRを算出する際に、構造部材の細長比(l/k)を用いるので、長軸の構造部材の耐座屈性能を精度良く評価することができる。
また、本実施形態の構造部材の設計方法によれば、計算段階及び再計算段階において、有効幅Σc、Σcr+1を求めてから、これら有効幅を満たすように構造部材の閉断面形状を変更することにより、構造部材の形状設計を迅速かつ容易に行うことができる。
また、本実施形態の構造部材の設計方法によれば、計算段階及び再計算段階において、有効幅Σcr+1を求める際に、閉断面形状の変更に伴い変化した板厚tr+1、または流動応力σsr+1の影響を考慮することが可能であり、これにより構造部材の耐座屈性能を精度良く評価することができる。
次に、本発明を実施例でさらに説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。また、下記の実施例は図1Bに示される設計装置によって行った。
実施例1として、図3及び図4に示す構造体のFEM衝突解析を実施して、本発明による構造部材の設計方法の評価を行った。本構造体は図3及び図4に示す辺A〜辺Bの4辺で構成される長方形閉断面を有する。また、ハット部材とクロージングプレートはスポット要素で締結されており、そのスポット要素の長手方向間隔は上下両端のみ15mm、それ以外は30mmである。軸方向の長さl(mm)は適宜変化させて解析を行った。また、図3及び図4に示す構造体の材料特性値は、表1に示す特性値を使用した。
Figure 2012214212
最大反力を評価するために行ったFEM衝突解析の手法について説明する。上述の構造体を軸方向が鉛直方向となるように設置し、構造体の下端断面は6自由度を完全に拘束した。その右斜め上に、図5に示すような300kgの質量を有する剛体面を配置した。剛体面は鉛直方向(構造体軸方向)に対してθ1度傾いている。また、剛体面は面に垂直な方向に並行移動し、初速7.67m/sで構造体と衝突させた。このとき剛体壁によって構造体に投入されるエネルギーは8.82kJとなる。本実施例1では剛体面の傾きθ1=20度とした。これにより、構造体は長手方向のある断面においてz軸周りに回転するように屈曲する。衝突開始から100ms経過するまでの間に、構造体から剛体壁に作用する反力を測定し、その間の最大値を最大反力として衝突性能の評価値とした。
上述のFEM解析によって求められる最大反力を簡便に推定する方法として、本発明例1を含む3通りの方法を用いた最大反力推定を行った。表2に、最大反力推定に用いた、本構造体に関する変数の値を示す。ここで流動応力は、表2中の値を式(28)に代入して求めた。
Figure 2012214212
表3には、図4に示した本構造体の断面について有効幅を算出した結果を示す。有効幅の算出には式(41)’を用いた。
Figure 2012214212
表4には、本発明例1を含む3通りの方法を用いて最大反力推定を行った結果と、FEM解析結果によって求められた最大反力を示す。
本発明例1において、細長比l/kは、式(32)から算出されたkを用いて求めた。また座屈応力σRは式(31)で算出した。最大反力推定値Fcは式(33)で算出した。
また、比較例1は細長比l/kを考慮しない方法であり、この場合の最大反力推定値Fcは式(31)においてl/k=0として座屈応力σRを求め、この座屈応力σRに基づき式(33)で算出した。
更に、比較例2は有効幅cを考慮しない方法であり、この場合の細長比l/kはl/k=l/√(I/S)により算出した。ここで、Sは構造部材の断面積である。また座屈応力σRは式(31)で算出した。最大反力推定値Fcは式(33)で算出した。
Figure 2012214212
表4より、比較例2の手法によって推定した最大反力推定値FcはFEM解析結果と大きく乖離していることがわかる。
また、比較例1の手法によって推定した最大反力推定値Fcは、細長比L/kが短い場合ではFEM解析結果を比較的精度よく推定で来ているものの、細長比L/kが長い場合ではFEM解析結果と大きく乖離していることがわかる。
一方で、本発明例1によって推定した最大反力推定値Fcは、細長比L/kの長短に関わらずFEM解析結果を精度よく推定で来ていることがわかる。
実施例2として、図3及び図4に示す構造体の稜線部に対し、図6に示す圧潰ビードを付与した場合のFEM衝突解析を実施して、本発明による構造部材の設計方法の評価を行った。
本構造体は図3及び図4に示す辺A〜辺Bの4辺で構成される長方形閉断面を有する。また、ハット部材とクロージングプレートはスポット要素で締結されており、そのスポット要素の長手方向間隔は上下両端のみ15mm、それ以外は30mmである。軸方向の長さl(mm)は適宜変化させて解析を行った。また、図3及び図4に示す構造体の材料特性値は、表1に示す特性値を使用した。
圧潰ビードの付与は、図7に示すように構造体の先端(落錘が接触する端部)より75mm下方位置の、構造体の稜線2か所に設置した。これは、本構造体では圧潰変形時の腹が先端より75mm下方に位置する為である。
最大反力を評価するために行ったFEM衝突解析の手法について説明する。上述の構造体を軸方向が鉛直方向となるように設置し、構造体の下端断面は6自由度を完全に拘束した。その右斜め上に、図5に示すような300kgの質量を有する剛体面を配置した。剛体面は鉛直方向(構造体軸方向)に対してθ1度傾いている。また、剛体面は面に垂直な方向に並行移動し、初速7.67m/sで構造体と衝突させた。このとき剛体壁によって構造体に投入されるエネルギーは8.82kJとなる。
実施例2では剛体面の傾きθ1=5度とした。これにより細長比が小さい構造体は長手方向に蛇腹状に圧潰し、細長比が大きい構造体も、衝突後ある程度時間が経過した後は長手方向のある断面においてz軸周りに回転するように屈曲するが、初期は先端部(圧潰ビード設置付近)を起点とした圧潰変形が支配的となる。衝突開始から100ms経過するまでの間に、構造体から剛体壁に作用する反力を測定し、その間の最大値を最大反力として衝突性能の評価値とした。
上述のFEM解析によって求められる最大反力を簡便に推定する方法として、本発明手法を用いた最大反力推定を行った。最大反力推定に用いた、本構造体に関する変数の値は表2の通りである。ここで流動応力は、表2中の値を式(28)に代入して求めた。
この表2中の値を初期の設定値とし、構造部材の断面形状が全て有効幅となる理想的な耐座屈荷重を求め、この耐座屈荷重よりも小さくなるように構造部材の耐座屈荷重の設計値を仮決めし、仮決めした設計値から必要な有効幅を求め、この必要な有効幅を実現できるような構造部材の断面形状を再設計し、再設計した構造部材の形状からオイラー座屈荷重を求めるとともに断面二次モーメントを求め、求めたオイラー座屈荷重から再度必要な有効幅を求める、といった工程を、断面二次モーメントが所定の値以下になるまで繰り返し行って、断面二次モーメントの収束値、すなわち断面形状を決定した。
耐座屈荷重仮定値の決定段階と耐座屈荷重目標値の決定段階の実行結果を表5に示す
Figure 2012214212
計算手段の実施結果を表6に示す。表3に示した基本形状の有効幅と比較すると、軸長1200mmの条件では今回設定した目標の耐座屈荷重値を実現するには、必要となる有効幅は少なくて良いので、断面周長を削減した。また軸長300mm、600mm、900mmの条件では逆に必要となる有効幅が足らないので、稜線に圧潰ビードを追加し、稜線数を増やすことで有効幅を増加させた。また表3は塑性ひずみ量εpr、変化後板厚tの変化を考慮しない場合の計算結果であるが、同様に塑性ひずみ量εpr、変化後板厚tの変化を考慮した場合も計算を行っている。
Figure 2012214212
再計算手段の1回目の実施結果を表7に示す。表7に示した有効幅を表6と比較すると、表7では軸長1200mmの条件で有効幅が大きくなっている。これは表6で行った断面周長の削減が過多であったことを意味しているので、表7では表6よりも断面周長を増加させた。
また軸長300mm、600mm、900mmの条件では逆に有効幅が微増している。これは表6で付与した圧潰ビードの深さが不足であったことを意味しているので、その深さを微増させた。その結果得られた断面二次モーメントの表6のそれとの偏差量は5000mm4と、判定段階における基準である中空四角柱形状の構造部材の断面二次モーメントの1%である8000 mm4を下回っており、収束と判定して再計算を終了した。
Figure 2012214212
再計算段階の2回目の実施結果を表8に示す。ここではまだ収束判定に至らない軸長1200mmの条件のみ結果を示す。表8に示した有効幅を表7と比較すると、表8では有効幅が小さくなっている。これは表7で行った断面周長の増加削減が過多であったことを意味しているので、表8では表7よりも断面周長を減少させた。表8では、断面二次モーメントの表7のそれとの偏差量はまだ50000mm4と収束に至っていないが、表6、表7、表8で示した変化を繰返しながら漸減し、43回目で収束判定に至った。
Figure 2012214212
表9に本発明例2の実施結果を示す。本発明例2は、塑性ひずみ量εpr、変化後板厚tの変化を考慮しない場合、本発明例3は塑性ひずみ量εpr、変化後板厚tの変化を考慮した場合の結果である。
Figure 2012214212
表10に本発明例1、2との比較例を示す。比較例1、比較例2はそれぞれ実施例1で用いた方法と同じである。
Figure 2012214212
表9、表10より、比較例2の手法によって推定した最大反力推定値FcはFEM解析結果と大きく乖離していることがわかる。
また、比較例1の手法によって推定した最大反力推定値Fcは、細長比L/kが短い場合ではFEM解析結果を比較的精度よく推定で来ているものの、細長比L/kが長い場合ではFEM解析結果と大きく乖離していることがわかる。
一方で、本発明例2、本発明例3によって推定した最大反力推定値Fcは、細長比L/kの長短に関わらずFEM解析結果を精度よく推定で来ていることがわかる。
特に本発明例3は、塑性ひずみ量εpr、変化後板厚tの変化を考慮することが可能であることから、本発明例2よりも高精度に最大反力を推定可能であることがわかる。
また、本実施例2を実行するに際し、表11に示す形状の圧潰ビードを対象に、式48による板厚方向ひずみの計算結果と、FEM数値解析結果との整合を調査した。結果を図8に示すが、式48は概ね良好な精度で板厚方向ひずみを予測できていることがわかる。
Figure 2012214212

Claims (7)

  1. 閉断面構造を有する構造部材の閉断面が全て有効断面となるような単純形状、構造部材の材質及び構造部材の端末条件を仮定し、これらの仮定から構造部材の耐座屈荷重の仮定値Fciを求める耐座屈荷重仮定値の決定段階と、
    前記耐座屈荷重の仮定値Fcより小さな値を構造部材の耐座屈荷重の目標値Fctとする耐座屈荷重目標値の決定段階と、
    前記金属板の材質及び前記端末条件を固定したままで、前記耐座屈荷重の目標値Fctを得るために必要な構造部材の有効幅Σcを求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材の閉断面形状を変更し、変更された閉断面形状から断面二次モーメントIを求め、断面二次モーメントIからオイラー座屈荷重Pcを求める計算段階と、
    前記オイラー座屈荷重Pcを得るために必要な構造部材の有効幅Σcr+1を求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように、前記構造部材の閉断面形状を再変更し、再変更された閉断面形状から断面二次モーメントIr+1を求め、断面二次モーメントIr+1からオイラー座屈荷重Pcr+1を求める再計算段階と、を有し、
    更に、(I−Ir+1)の絶対値ΔIが所定の値以下の場合は、前記Ir+1を断面二次モーメントの収束値Iとして、収束値Iに対応する閉断面形状を取得し、絶対値ΔIが所定の値を超える場合には、得られたPcr+1をPcにして前記再計算段階に戻す判定段階を有することを特徴とする構造部材の設計方法。
  2. 前記耐座屈荷重仮定値の決定段階は、前記構造部材の形状を軸長l、高さh、幅w、肉厚tの中空四角柱形状と仮定し、前記構造部材の材質として弾性係数E及び流動応力σsを仮定し、端末条件定数λを1、4、2、1/4の何れかとして、下記式(1)より耐座屈荷重の仮定値Fcを求める段階であることを特徴とする請求項1に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、Σcは有効幅の総和であって式(2)から求まり、σは座屈応力であって式(3)から求まり、式(3)中のkおよびIzzは式(4)及び式(5)によりそれぞれ求まり、流動応力σsは式(6)から求まり、式(6)におけるK、ε及びnは構造部材の材質により求まる定数であり、εpは構造部材が形成される際に加えられる歪みである。
  3. 前記計算段階は、前記有効幅Σcを下記式(7)により求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIを下記式(8)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcを下記式(9)により求める段階であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、式(7)中のPcは式(10)から求まり、式(8)中のw’は計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h’は計算段階において変更後の閉断面形状の高さである。
  4. 前記再計算段階は、前記有効幅Σcr+1を下記式(11)により求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIr+1を下記式(12)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcr+1を下記式(13)により求める段階であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、式(12)中のw”は再計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h”は再計算段階において変更後の閉断面形状の高さである。
  5. 前記計算段階は、前記有効幅Σcを下記式(14)により求め、前記有効幅Σcを満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIを下記式(15)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcを下記式(16)により求める機能を有するとともに、
    前記閉断面形状を変更することに伴い変化した板厚tを下記式(17)により求め、塑性ひずみ量εprを下記式(18)により求め、流動応力σsrを下記式(19)により求める機能を有する段階であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、式(14)中のPcは式(20)から求まり、式(15)中のw’は計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h’は計算段階において変更後の閉断面形状の高さであり、式(17)、式(18)中のε’は計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
  6. 前記再計算段階は、前記有効幅Σcr+1を下記式(21)により求め、前記有効幅Σcr+1を満たすように前記構造部材にエンボス付与、断面周長の増減、閉断面形状の多角形化またはビード付与の少なくとも1以上の手段により閉断面形状を変更し、前記断面二次モーメントIr+1を下記式(22)により求め、前記オイラー座屈荷重Pcr+1を下記式(23)により求める機能を有するとともに、
    前記閉断面形状を変更することに伴い変化した板厚tr+1を下記式(24)により求め、塑性ひずみ量εpr+1を下記式(25)により求め、流動応力σsr+1を下記式(26)により求める機能を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項5の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、式(22)中のw”は再計算段階において変更後の閉断面形状の幅であり、h”は再計算段階において変更後の閉断面形状の高さであり、式(24)、式(25)中のεt”は再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみである。
  7. 前記計算段階または前記再計算段階において、閉断面形状を変更する手段に前記構造部材の稜線に対する圧潰ビード付与を採用し、計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみε’または再計算段階において前記閉断面形状を変更することに伴う板厚方向ひずみε”を下記式(27)により算定することを特徴とする請求項5、請求項6の何れか一項に記載の構造部材の設計方法。
    Figure 2012214212
    但し、式(27)中のBHは圧潰ビードの深さであり、BLは構造部材の稜線方向の圧潰ビード長さである。
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