JP7250797B2 - ラップフィルム及びラップフィルム収容体 - Google Patents

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Description

本発明は、ラップフィルム及びラップフィルム収容体に関する。
従来、ラップフィルムは、ホテル、レストラン等において業務用として、あるいは家庭において食品保存時、調理時等に幅広く使用されている。ラップフィルムに対しては、使用時の利便性向上のために種々の改良が行われている。例えば特許文献1には、青色着色剤を含有する食品用包装用フィルムが開示されている。このフィルムによれば、フィルムの破片の食品への混入を見分けることが容易になる。また、ラップフィルムに抗菌性を付与するためには、Ag、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属を含む無機系抗菌剤(例えば特許文献2を参照)の添加が有効であることが知られている。
国際公開第2017/094730号 特開2004-292334号公報
本発明者らの検討によれば、ラップフィルムに着色剤及び抗菌剤を添加して抗菌性を有する着色フィルムを作製しようとすると、抗菌剤の種類によっては、ラップフィルム中で着色剤が良好に(均一に)分散しない場合があることが判明した。加えて、このような着色フィルムは、熱可塑性樹脂、着色剤及び抗菌剤を含有する樹脂組成物をフィルム状に成形することにより得られるが、抗菌剤の種類によっては、当該樹脂組成物の熱安定性が損なわれ、所望の着色フィルムが得られないおそれがあることも判明した。
そこで、本発明は、着色剤及び抗菌剤を含有するラップフィルムを成形する際の熱安定性を向上させると共に、ラップフィルムにおける着色剤の分散性も向上させることを目的とする。
本発明の一側面は、熱可塑性樹脂と、着色剤と、銀系抗菌剤とを含有する、ラップフィルムである。
本発明の一側面では、抗菌剤として銀系抗菌剤を用いることにより、着色剤を良好に分散させつつ抗菌性を付与したラップフィルムが好適に得ることができる。すなわち、銀系抗菌剤は、理由は定かではないが、他の無機系抗菌剤(例えば亜鉛系抗菌剤)に比べて、着色剤と共にラップフィルムに用いられた場合に、着色剤の分散性を損なわない。したがって、このラップフィルムでは、着色剤が良好に分散されつつ、抗菌性も付与される。また、銀系抗菌剤は、理由は定かではないが、他の無機系抗菌剤(例えば亜鉛系抗菌剤)に比べて、熱可塑性樹脂及び着色剤と共に用いられた場合に、樹脂組成物の熱安定性を損なわない。したがって、銀系抗菌剤を用いることにより、熱安定性に優れる樹脂組成物からラップフィルムを作製できるので、着色剤を良好に分散させつつ抗菌性を付与したラップフィルムが得られる。
銀系抗菌剤の含有量は、好ましくは、ラップフィルム全量基準で0.04質量%以上であってよい。この場合、抗菌性に特に優れるラップフィルムを更に好適に得ることができる。
銀系抗菌剤の含有量は、好ましくは、ラップフィルム全量基準で0.18質量%以下であってよい。この場合、ラップフィルムの製膜性にも優れるという更なる効果が得られる。
着色剤は、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、及び紫色着色剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
ラップフィルムは、可塑剤を更に含有してよい。ラップフィルムは、大腸菌に対して5.0以上の抗菌活性値を有してよい。
本発明の他の一側面は、巻芯と、巻芯に巻回された上記ラップフィルムと、巻芯及びラップフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体である。
本発明によれば、着色剤及び抗菌剤を含有するラップフィルムを成形する際の熱安定性を向上させると共に、ラップフィルムにおける着色剤の分散性も向上させることができる。
一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
一実施形態に係るラップフィルムは、熱可塑性樹脂と、着色剤と、銀系抗菌剤とを含有する。このラップフィルムは、物品を包装するためのフィルムであり、特に食品包装用のフィルムとして好適に用いられる。
熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;6-ナイロン、6,6-ナイロン、12-ナイロン等のポリアミド系樹脂;ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、ポリ-DL-乳酸等のポリ乳酸系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニリデン系樹脂などであってよい。熱可塑性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。
熱可塑性樹脂は、取扱い性に優れる観点から、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂又はポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂又はポリエチレン系樹脂である。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、ラップフィルムの成形性、耐熱性及び流動性に優れる観点から、好ましくは、平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂である。本明細書における平均重合度は、JIS K6720-2に準じて測定された平均重合度を意味する。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、機械特性に優れる観点から、塩化ビニルホモポリマー(ポリ塩化ビニル樹脂)であってもよく、他の特性を付与する目的から、塩化ビニルとこれに共重合可能なその他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体は、グラフト共重合体、ブロック共重合体又はランダム共重合体であってよい。その他のモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン;酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の飽和酸のビニルエステル;アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル等の不飽和酸のアルキルエステル;ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン、フッ化ビニリデン;などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂が共重合体である場合、共重合体における塩化ビニル単位の含有量は、モノマー単位全量基準で、10質量%以上であってよく、機械特性に優れる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。共重合体における塩化ビニル単位の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、モノマー単位全量基準で99質量%以下であってよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンの三次元ポリマー等とのポリマーブレンド、アルコール等による後処理物、含塩素化合物による後処理物であってもよい。これらの場合、ポリ塩化ビニル系樹脂における塩化ビニル単位の含有量は、モノマー単位全量基準で10質量%以上であってよい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンホモポリマー(ポリ塩化ビニリデン樹脂)であってもよく、例えば、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能なその他のモノマーとをモノマー単位として含む共重合体であってよい。その他のモノマーは、塩化ビニル、アクリル酸と炭素数1~8のアルコールとのアクリル酸エステル、メタクリル酸と炭素数1~8のアルコールとのメタクリル酸エステル、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、不飽和脂肪族カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル等であってよい。なお、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂に属するものとする。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂における塩化ビニリデン単位の含有量は、ラップフィルムの成形性及び耐熱性の観点から、モノマー単位全量基準で、例えば、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上であってよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂における塩化ビニリデン単位の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、モノマー単位全量基準で99質量%以下であってよい。塩化ビニリデン単位の含有量は、核磁気共鳴(NMR)装置により測定することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、例えば、40000以上、60000以上、又は80000以上であってよく、180000以下、160000以下、又は140000以下であってよく、40000~180000、60000~160000、又は80000~140000であってよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、GPC法により、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量測定に用いるGPC法の条件は、以下のとおりである。測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAllianceGPC2000型を使用する。ポリ塩化ビニリデン系樹脂を0.5質量%となるようにテトラヒドロフランに溶解させたものを、試料として用いる。
カラム:東ソー株式会社製TSKgel GMHHR-H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6-HTL 30cm×2
移動相:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
流速:1.0mL/分
カラム温度:20℃
注入量:500μL
ポリオレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン系樹脂であってよい。ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン等をモノマー単位とする共重合体であってよい。具体的には、ポリエチレン系樹脂は、エチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等の炭素数3~10のα-オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;共役ジエン、非共役ジエン等の不飽和化合物;などから選ばれる一種又は二種以上との共重合体であってよい。ポリエチレン系樹脂におけるエチレン単位の含有量は、モノマー単位全量基準で50質量%以上であってよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、生産性に優れる観点から、ラップフィルム全量基準で、60質量%以上、70質量%以上又は75質量%以上であってよく、また、90質量%以下、85質量%以下又は80質量%以下であってよい。
着色剤は、例えば、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、紫色着色剤等であってよい。着色剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。
青色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が600~750nmに存在する着色剤である。青色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長470nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、青色着色剤は、銅フタロシアニン(銅フタロシアニンブルー)、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、酸化第一コバルトと酸化アルミニウムとの混合物、インディゴ又はウルトラマリンであってよい。青色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは青色顔料である。
赤色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が500~599nmに存在する着色剤である。視認性に優れる観点から、赤色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長650nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、赤色着色剤は、キナクリドンレッド、キナクリドンスカーレット、ジメチルキナクリドン、4-ニトロアニリンと2-ナフトールとの混合物、2-ニトロ-4-トルイジンと2-ナフトールとの混合物、2-ニトロ-p-トルイジンと3-オキシ-3’-ニトロナフタニリドとの混合物、o-アニシジンと2-ナフトールとの混合物、2,4,5-トリクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-o-トルイダイドとの混合物、4-クロロ-o-トルイジンと4’-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ナフト-o-トルイダイドとの混合物、2,5-ジクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-p-トルイダイドとの混合物、2,5-ジクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-o-アニシダイドとの混合物、N,N’-ジエチル-4-メトキシメタニルアミドと5’-クロロ-3-ヒドロキシ-2’,4’-ジメトキシ-2-ナフトアニリドとの混合物、4-ニトロ-o-アニシジンと3-オキシ-N-1-ナフチル-2-ナフトアミドとの混合物、1-ナフチルアミンと1-ナフトール-5-スルホン酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノ-ナフタレン-1-スルホン酸と2-ナフトール(カルシウム塩)との混合物、6-アミノ-m-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノ-5-クロロ-p-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、6-アミノ-4-クロロ-m-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノナフタレン-1-スルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、3,3’-ジクロロベンジジンと3-カルボキシ-1-フェニル-5-ピラゾロンとの混合物、o-ジアニシジンと3-メチル-1-p-トリル-5-ピラゾロンとの混合物、1,2’-ジオキシアントラキノン(カルシウムレーキ、鉄レーキ、アルミニウムレーキ)、4,4’-ジメチル-6,6’-ジクロロ-2,2’-ビスチオナフテンインディゴ、4,4’-ジメチル-6,5’,7’-トリクロロ-2,2’-ビスチオナフテンインディゴ、ナフチオン酸とR酸(アルミニウム塩)との混合物、エリスロシン(アルミニウム塩)等であってよい。赤色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは赤色顔料である。
黄色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が380~499nmに存在する着色剤である。視認性に優れる観点から、黄色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長600nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、黄色着色剤は、o-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、p-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、4-クロロ-2-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、o-ニトロ-p-トルイジンとアセトアセトアニリドとの混合物、p-クロロ-o-ニトロアニリンとo-クロロ-アセトアセトアニリドとの混合物、4-クロロ-2-ニトロアニリンとアセトアセト-m-キシリジドとの混合物、スルファニル酸と3-カルボキシ-1-(p-スルフォフェニル)-5-ピラゾロンとの混合物、スルファニル酸と3-カルボキシ-1-(p-スルフォフェニル)-5-ピラゾロン(アルミニウムレーキ)との混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-o-トルイジドとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-p-トルイジドとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-m-キシリジドとの混合物、1-アミノ-5-ベンザミド-アントラキノンとオキシラルクロリドとの混合物、N,N-ビス-(1-アントラキノリル)-イソフタリックアミド、3,3’-ジクロロベンジジンと4-クロロ-2,5-ジメトキシ-アセトアセトアニリドとの混合物、スルファニル酸と2-ナフトール-6-スルホン酸ナトリウムとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンと3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンとの混合物、o-ジアニシジンとアセトアセトアニリドとの混合物、4,11-ビス(ベンゾイルアミノ)-16H-ジナフト[2,3-a:2’,3’-i]カルバゾール-5,10,15,17-テトラオン、ナフタレンテトラ-カルボン酸と1,2-ジアミノベンゼンとの混合物等であってよい。黄色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは黄色顔料である。
緑色着色剤は、α-ニトロソ-β-ナフトール鉄錯体、4-ニトロベンゼンアゾ-2-ナフトール銅錯体、オクタクロロ銅フタロシアニン、ポリクロロ銅フタロシアニン等であってよい。
紫色着色剤は、6,15-ジブロモ-イソビオランスロン、5,5’-ジクロロ-4,4,7,7’-テトラメチル-2,2’-ビス(チオナフテンインディゴ)、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレット等であってよい。
着色剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、0.5質量%以上又は0.6質量%以上であってよく、2.0質量%以下又は1.9質量%以下であってよい。
銀系抗菌剤は、公知の銀系抗菌剤であってよく、金属銀、銀イオン又は銀化合物を含む抗菌剤である。銀系抗菌剤は、例えば、多孔質構造を有する無機化合物に、銀化合物、銀錯塩又は銀イオンを担持させた抗菌剤であってよい。このような銀系抗菌剤は、多孔質構造を有する無機化合物の種類によって、ゼオライト-銀系抗菌剤、リン酸カルシウム-銀系抗菌剤、リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤、ケイ酸塩-銀系抗菌剤等であってよい。
ゼオライト-銀系抗菌剤は、例えば、A型合成ゼオライトの水懸濁液に硝酸銀水溶液を加え、イオン交換反応により結晶構造中のNaの位置に銀イオンを一定量置換し、乾燥した後に焼成することにより得られる。ゼオライト-銀系抗菌剤は、株式会社シナネンゼオミック製の「ゼオミック」(例えば「ゼオミックAJ10D」)、富士ケミカル株式会社製の「バクテキラー BM-102GA」等として入手可能である。
ガラス-銀系抗菌剤は、例えば、ケイ酸塩ガラスに、銀を担持させることにより得られる。ガラス-銀系抗菌剤は、石塚硝子株式会社製の「イオンピュア」、興亜硝子株式会社製の「ミリオンガード」等として入手可能である。
リン酸カルシウム-銀系抗菌剤は、例えば、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム等の水系懸濁液と硝酸銀溶液とを混合し、金属銀又は銀イオンをリン酸カルシウムに担持させることにより得られる。リン酸カルシウム-銀系抗菌剤は、株式会社サンギ製の「アパサイダー」、太平化学産業株式会社製の「シルバーエース」等として入手可能である。
リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤は、例えば、水熱合成により得られた結晶リン酸リチウムジルコニウム中のリチウムを酸処理によりプロトンに置換し、プロトンを銀イオンに更に置換した後、乾燥して焼成することにより得られる。リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤は、東亞合成株式会社製の「ノバロンAG300」、「ノバロンAG1100」、「ノバロンAGZ330」、「ノバロンAGT330」等として入手可能である。
ケイ酸塩-銀系抗菌剤は、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに銀イオンを担持させた後、乾燥及び焼成することにより得られる。ケイ酸塩-銀系抗菌剤は、日揮触媒化成工業株式会社製の「AIS-NAZ320」等として入手可能である。
銀系抗菌剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば0.01質量%以上又は0.02質量%以上であってよく、抗菌性に特に優れるラップフィルムを得ることができる観点から、好ましくは、0.03質量%以上、0.04質量%以上、0.05質量%以上、又は0.10質量%以上である。
銀系抗菌剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、0.50質量%以下、0.40質量%以下、又は0.30質量%以下であってよく、着色剤の分散性に更に優れる観点から、好ましくは、0.28質量%以下、0.26質量%以下、0.24質量%以下、0.22質量%以下、又は0.21質量%以下であり、ラップフィルムの製膜性に優れる観点から、より好ましくは、0.19質量%以下又は0.18質量%以下であり、ラップフィルムの製膜性及び着色剤の分散性に特に優れる観点から、更に好ましくは、0.16質量%以下、0.14質量%以下、0.13質量%以下、又は0.12質量%以下である。
銀系抗菌剤は、理由は定かではないが、他の無機系抗菌剤(例えば亜鉛系抗菌剤)に比べて、着色剤と共にラップフィルムに用いられた場合に、着色剤の分散性を損なわない。したがって、このラップフィルムでは、着色剤が良好に分散されつつ、抗菌性も付与される。また、銀系抗菌剤は、理由は定かではないが、他の無機系抗菌剤(例えば亜鉛系抗菌剤)に比べて、熱可塑性樹脂及び着色剤と共に用いられた場合に、樹脂組成物の熱安定性を損なわない。したがって、銀系抗菌剤を用いることにより、着色剤を良好に分散させつつ抗菌性を付与したラップフィルムが得られる。
ラップフィルムは、例えば、大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)に対して、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上の抗菌活性値を有していてよい。ラップフィルムは、例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)に対して、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.0以上の抗菌活性値を有していてよい。抗菌活性値は、実施例に記載の方法により測定される。
ラップフィルムは、熱可塑性樹脂、着色剤及び銀系抗菌剤に加えて、その他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、可塑剤、防曇剤、安定剤(熱安定剤又は光安定剤)、滑剤、充填剤、プレートアウト防止剤、抗酸化剤、離型剤、粘度低下剤、界面活性剤、蛍光剤、表面処理剤、架橋剤、加工助剤、粘着剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。ラップフィルムがその他の成分を含有する場合、その他の成分の含有量(合計の含有量)は、ラップフィルム全量基準で、例えば、1質量%以上であってよく、30質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、好ましくは可塑剤を更に含有する。可塑剤は、例えば、アジピン酸エステル、エポキシ化植物油等であってよい。
アジピン酸エステルは、例えば、アジピン酸と、炭素数6~10の直鎖又は分岐の脂肪族アルコールとのジエステル(アジピン酸ジエステル)であってよい。アジピン酸エステルは、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等であってよい。
エポキシ化植物油は、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化コーン油、エポキシ化菜種油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ひまわり油、エポキシ化パーム油、エポキシ化綿実油、エポキシ化オリーブ油等であってよい。
可塑剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、15質量%以上又は20質量%以上であってよく、35質量%以下又は30質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、好ましくは防曇剤を更に含有する。防曇剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステルであってよい。グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステルであってよく、ポリグリセリン脂肪酸エステルであってもよい。グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、例えば、炭素数12~18の飽和又は不飽和脂肪酸であってよい。
モノグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、モノグリセリンラウレート、モノグリセリンミリステート、モノグリセリンパルミテート、モノグリセリンステアレート、モノグリセリンオレエート、モノグリセリンリノレート等であってよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、ポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンミリステート、ポリグリセリンパルミテート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンオレエート、ポリグリセリンリノレート等であってよい。
防曇剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、0.1質量%以上又は0.5質量%以上であってよく、5質量%以下又は3質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、好ましくは安定剤を更に含有する。安定剤は、例えば、Ca/Zn系安定剤であってよい。Ca/Zn安定剤は、カルシウムの脂肪酸塩と亜鉛の脂肪酸塩との混合物である。当該脂肪酸としては、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、及びリシノール酸が挙げられる。
安定剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、0.1質量%以上又は0.5質量%以上であってよく、5質量%以下又は3質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、熱可塑性樹脂、着色剤及び銀系抗菌剤を含有する層の一層のみからなっていてもよく、複数の層からなっていてもよい。ラップフィルムが複数の層からなる場合、熱可塑性樹脂、着色剤及び銀系抗菌剤のそれぞれは、いずれの層に含まれていてもよく、互いに同一の層に含まれていてもよく、互いに異なる層に含まれていてもよい。
ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、例えば、第1の表面層と中間層と第2の表面層とをこの順に備えていてよい。この場合、例えば、第1及び第2の表面層は熱可塑性樹脂、銀系抗菌剤及び必要に応じて添加されるその他の成分を含有し、中間層は熱可塑性樹脂、着色剤及び必要に応じて添加されるその他の成分を含有していてよい。ラップフィルムは、例えば、各層間の接着性を向上させるために、酸変性ポリオレフィン樹脂等を含有する接着層を更に備えていてもよく、ラップフィルムの耐熱性を向上させるために、ポリアミド系樹脂を含有する耐熱層を更に備えていてもよい。
ラップフィルムの厚さは、食品を外気から効率良く遮断する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは6μm以上であってよく、また、取扱い性に優れる観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは12μm以下であってよい。
ラップフィルムの全光線透過率は、視認性に優れる観点から、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、例えば90%以下であってよい。全光線透過率は、JIS K7361-1に準じて入射光量及び全透過光量を測定し、全光線透過率=(全透過光量)/(入射光量)×100として算出できる。
ラップフィルムは、例えば、熱可塑性樹脂、着色剤、銀系抗菌剤、及び必要に応じて上述のその他の成分を、V型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により混合し、更に必要に応じてミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダ等の混練機により混練することで組成物を得た後、例えば押出成形することにより製造される。具体的には、該組成物を押出機のホッパーに供給しインフレーション法、Tダイ法等で目的とするラップフィルムが得られる。
ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、各層の構成原料を、それぞれ別々の押出機に投入して溶融押出し、インフレーション法、Tダイ法等により各層を共押出して積層することにより得られる。この際、Tダイより押出した溶融物をそのまま、キャスティングロール等で急冷しながら引き取るようにしてラップフィルムを形成することが好ましい。
このようにして得られたラップフィルムに対して、熱収縮率、自然収縮率等の軽減;幅収縮の発生の抑制;などの目的に応じて、加熱ロール間での縦延伸、各種の熱固定、エージング等の熱処理を行ってもよく、防曇性、帯電防止性、粘着性等を向上させる目的で、コロナ処理;熟成処理;印刷、コーティング等の表面処理;表面加工;などを行ってもよい。
ラップフィルムは、例えば、長尺上に成形されて巻き取られた後に、20m、50m等の所望の長さごとに更に巻き替えられ(巻回され)、箱体に詰められることで製品とされる。すなわち、本実施形態におけるラップフィルムは、巻芯に巻回されたラップフィルムの形態であってもよく、箱体に収容されたラップフィルムの形態であってもよい。
図1は、一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。図1に示すように、一実施形態に係るラップフィルム収容体1は、ラップフィルム2と、ラップフィルムが巻回された巻芯3と、ラップフィルム2及び巻芯3を収容する箱体4とを備えている。箱体4には、ラップフィルム2を切断するための刃部5が設けられていてよい。巻芯3及び箱体4の材質は、特に限定されない。ラップフィルムの色を外部から認識しやすい観点から、箱体4の少なくとも一部は、好ましくは透明であるか、箱としての機能を損なわない程度に穴が開いており、外部から内部を視認可能になっている。
なお、一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、ロールの形で供給されうるものをいい(必要であれば、日本工業規格JIS K6900を参照できる)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本実施形態において文言上両者を区別する必要がないので、本明細書においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。また、「フィルム」は、上記の定義のうちでも特にラップフィルムを含む概念である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)樹脂組成物の調製
ポリ塩化ビニル系樹脂(熱可塑性樹脂、大洋塩ビ株式会社製、「TH-1000」、平均重合度:1000)、銅フタロシアニン(青色着色剤、大日精化工業株式会社製、「NX-053ブルー」、最大吸収波長:620nm)1.0質量%、銀系抗菌剤A(リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤、東亞合成株式会社製、「ノバロンAG300」)0.05質量%、アジピン酸ジオクチル(新日本理化株式会社製、「サンソサイザーDOA」)7.0質量%、アジピン酸ジイソノニル(田岡化学工業株式会社製、「DINA」)7.0質量%、エポキシ化大豆油(三和合成化学株式会社製、「ケミサイザーSE-100」)8.0質量%、グリセリンモノオレエート(理研ビタミン株式会社製、「XO-100」)1.0質量%、及びCa/Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、「SC-308E」)1.0質量%をスーパーミキサーに投入した後、攪拌しながら材料温度を常温から130℃まで昇温し、混合して樹脂組成物を得た。なお、ポリ塩化ビニル系樹脂(熱可塑性樹脂)以外の各成分の含有量の合計を100質量%から差し引いた残部が、ポリ塩化ビニル系樹脂(熱可塑性樹脂)の含有量である。また、各成分の含有量は、固形分換算での質量%を意味する。
(2)熱安定性の評価
上述した樹脂組成物60gをラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、「4C150-01」)に取り付けたローラミキサR60型に投入し、210℃、60rpmで混練することで、樹脂組成物の動的熱安定性を評価した。動的熱安定性時間は、定常トルクの数値から150%のトルク値に達するまでの時間とした。動的熱安定性時間が長いほど、熱安定性に優れているといえる。
(3)ラップフィルムの作製
70℃まで冷却させた樹脂組成物を、Tダイ(幅350mm、ギャップ0.4mm)を装着した直径40mm単軸押出機(L/D=20)にて、樹脂組成物の温度が200℃となる状態で押出し、厚み8μmのラップフィルムを作製した。
(4)分散性の評価
得られたラップフィルムを20cm×20cmに切断し、試験片とした。当該試験片を目視で観察し、色むらの有無を観察することで、青色着色剤の分散性を評価した。評価基準は、以下のとおりである。なお、評価がA、B又はCであれば分散性に優れているといえ、評価がA又はBであることがより好ましく、評価がAであることが更に好ましい。
A:試験片に色むらが見られない。
B:試験片の1箇所に色むらが見られる。
C:試験片の2~3箇所に色むらが見られる。
D:試験片の4箇所以上に色むらが見られる。
(5)抗菌性の評価
抗菌性は、「抗菌加工製品-抗菌性試験方法・抗菌効果」(JIS Z 2801:2000)」に準じた方法で評価した。具体的には、検体試料(培地)上に菌懸濁液0.4mLを接種し、その上に各ラップフィルムを被せて蓋をした状態で、35±1℃、RH90%以上で24時間放置した。その後、菌懸濁液を回収して生菌数を測定し、下記式に従って、抗菌活性値を算出した。抗菌活性値が大きいほど、抗菌性に優れているといえる。
抗菌活性値=log(C/A)-log(D/A)=log(C/D)
A:接種直後対照区の細菌数
C:ラップフィルムを被せていない試験区での細菌数
D:ラップフィルムを被せた試験区での細菌数
なお、各条件の詳細は以下のとおりである。
検体試料:50mm×50mm
培地:1/500倍栄養
肉エキス10mg/L+ペプトン20mg/L+塩化ナトリウム10mg/L
試験菌:大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)
(6)製膜性の評価
Tダイ押出機にて、上述した樹脂組成物を樹脂温度200℃で押出してラップフィルムの成形を行い、得られたラップフィルムの外観を観察することで製膜性を評価した。評価基準は、以下のとおりである。なお、評価がA又はBであれば製膜性に優れているといえ、評価がAであることがより好ましい。
A:ほぼ均一の厚みのラップフィルムが得られ、24時間の押出でヤケが発生しなかった。
B:ラップフィルムの厚みにわずかにむらが見られ、24時間の押出でヤケが発生した。
C:ラップフィルムの厚みむらが激しく、8時間の押出でヤケが発生した。
[比較例1]
銀系抗菌剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして上記(1)~(6)を実施した。
[比較例2]
銀系抗菌剤Aに代えて亜鉛系抗菌剤(東亞合成株式会社製、「ノバロンVZF-200」)用いた以外は、実施例1と同様にして上記(1)~(6)を実施した。
[実施例2~17]
銀系抗菌剤Aの含有量を表1~3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして上記(1)~(6)を実施した。
[実施例18]
銅フタロシアニン(青色着色剤)に代えてキナクリドンレッド(赤色着色剤、大日精化工業株式会社製、「NX-032レッド」)を用いた以外は、実施例1と同様にして上記(1)~(6)を実施した。
[実施例19]
銀系抗菌剤Aに代えて銀系抗菌剤B(ゼオライト-銀系抗菌剤、株式会社シナネンゼオミック製、「ゼオミックAJ10D」)を用いた以外は、実施例1と同様にして上記(1)~(6)を実施した。
各実施例及び比較例における熱安定性、分散性、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する抗菌性、並びに製膜性の評価結果を表1~3に示す。
Figure 0007250797000001
Figure 0007250797000002
Figure 0007250797000003
1…ラップフィルム収容体、2…ラップフィルム、3…巻芯、4…箱体、5…刃部。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂と、着色剤と、銀系抗菌剤とを含有する層の一層のみからなるラップフィルムであって
    前記銀系抗菌剤が、多孔質構造を有する無機化合物に、銀化合物、銀錯塩又は銀イオンを担持させた抗菌剤であり、
    前記銀系抗菌剤の含有量が、ラップフィルム全量基準で0.03質量%以上0.18質量%以下である、ラップフィルム。
  2. 前記着色剤が、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、及び紫色着色剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項に記載のラップフィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載のラップフィルム。
  4. 可塑剤を更に含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のラップフィルム。
  5. 大腸菌に対して5.0以上の抗菌活性値を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のラップフィルム。
  6. 巻芯と、
    前記巻芯に巻回された、請求項1~のいずれか一項に記載のラップフィルムと、
    前記巻芯及び前記ラップフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体。
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