JP2022086564A - ラップフィルム及びラップフィルム収容体 - Google Patents

ラップフィルム及びラップフィルム収容体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性を有すると共に、抗ウィルス性に優れるラップフィルムを提供すること。【解決手段】本発明の一側面は、熱可塑性樹脂と、銀含有添加剤と、グリセリン系防曇剤と、を含有し、銀含有添加剤が、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、グリセリン系防曇剤が、炭素数8~22の脂肪酸に由来するエステル構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、ラップフィルムに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ラップフィルム及びラップフィルム収容体に関する。
従来、ラップフィルムは、ホテル、レストラン等において業務用として、又は家庭において食品保存時、調理時等に幅広く使用されている。ラップフィルムに対しては、使用時の利便性向上のために種々の改良が行われている。ラップフィルムの破片の被包装物に混入した場合に見分けるために、青色着色剤を含有する食品用包装用フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ラップフィルムに抗菌性を付与するためには、Ag、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属を含む無機系抗菌剤の添加が有効であることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
国際公開第2017/094730号 特開2004-292334号公報
ラップフィルムには、抗菌性だけでなく、抗ウィルス性を向上することが求められている。ラップフィルムに抗菌剤を添加するだけでは、十分な抗ウィルス性を有するラップフィルムを得ることが難しい。抗菌剤の添加量を増やすことでラップフィルムの抗ウィルス性を向上することが期待されるが、抗菌剤の添加量の増加に伴い、ラップフィルムの透明性が低下する。
本開示は、透明性を有すると共に、抗ウィルス性に優れるラップフィルムを提供することを目的とする。
本開示の一側面は、熱可塑性樹脂と、銀含有添加剤と、グリセリン系防曇剤とを含有、銀含有添加剤が、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、グリセリン系防曇剤が、炭素数8~22の脂肪酸に由来するエステル構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、ラップフィルムに関する。
本開示に係るグリセリン系防曇剤は、下記式(1)で表される構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでもよい。式中、Rは、炭素数7~21の脂肪族炭化水素基を示し、nは1~4の数を示す。
Figure 2022086564000001
本開示の他の一側面は、巻芯と、巻芯に巻回された上記ラップフィルムと、巻芯及びラップフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体に関する。
本発明によれば、透明性を有すると共に、抗ウィルス性に優れるラップフィルムを提供することができる。
一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
[ラップフィルム]
一実施形態に係るラップフィルムは、熱可塑性樹脂と、銀含有添加剤と、グリセリン系防曇剤とを含有する。銀含有添加剤は、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、グリセリン系防曇剤は、炭素数8~22の脂肪酸に由来するエステル構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。このようなラップフィルムは、物品を包装するためのフィルムであり、特に食品包装用のフィルムとして好適に用いられる。本実施形態に係るラップフィルムは、熱可塑性樹脂に特定の銀含有添加剤及びグリセリン系防曇剤を添加することで、透明性と抗ウィルス性とを両立することができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;6-ナイロン、6,6-ナイロン、12-ナイロン等のポリアミド系樹脂;ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、ポリ-DL-乳酸等のポリ乳酸系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニリデン系樹脂などであってよい。熱可塑性樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
熱可塑性樹脂は、取扱い性に優れる観点から、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂又はポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂又はポリエチレン系樹脂である。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、ラップフィルムの成形性、耐熱性及び流動性に優れる観点から、好ましくは、平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂である。本明細書における平均重合度は、JIS K6720-2に準じて測定された平均重合度を意味する。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、機械特性に優れる観点から、塩化ビニルホモポリマー(ポリ塩化ビニル樹脂)であってもよく、他の特性を付与する目的から、塩化ビニルとこれに共重合可能なその他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体は、グラフト共重合体、ブロック共重合体又はランダム共重合体であってよい。その他のモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン;酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の飽和酸のビニルエステル;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の不飽和酸のアルキルエステル;ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;アクリロニトリル;及びフッ化ビニリデンが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂が共重合体である場合、共重合体における塩化ビニル単位の含有量は、モノマー単位全量基準で、10質量%以上であってよく、機械特性に優れる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。共重合体における塩化ビニル単位の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、モノマー単位全量基準で99質量%以下であってよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンの三次元ポリマー等とのポリマーブレンド、アルコール等による後処理物、含塩素化合物による後処理物であってもよい。これらの場合、ポリ塩化ビニル系樹脂における塩化ビニル単位の含有量は、モノマー単位全量基準で10質量%以上であってよい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンホモポリマー(ポリ塩化ビニリデン樹脂)であってもよく、例えば、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能なその他のモノマーとをモノマー単位として含む共重合体であってよい。その他のモノマーは、塩化ビニル、アクリル酸と炭素数1~8のアルコールとのアクリル酸エステル、メタクリル酸と炭素数1~8のアルコールとのメタクリル酸エステル、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、不飽和脂肪族カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル等であってよい。なお、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂に属するものとする。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂における塩化ビニリデン単位の含有量は、ラップフィルムの成形性及び耐熱性の観点から、モノマー単位全量基準で、例えば、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上であってよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂における塩化ビニリデン単位の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、モノマー単位全量基準で99質量%以下であってよい。塩化ビニリデン単位の含有量は、核磁気共鳴(NMR)装置により測定することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、40000以上、60000以上、又は80000以上であってよく、180000以下、160000以下、又は140000以下であってよく、40000~180000、60000~160000、又は80000~140000であってよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂のMwは、GPC法により、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂のMwの測定に用いるGPC法の条件は、以下のとおりである。測定装置としてウォーターズ社製ゲルクロマトグラフAllianceGPC2000型を使用する。ポリ塩化ビニリデン系樹脂を0.5質量%となるようにテトラヒドロフランに溶解させたものを、試料として用いる。
カラム:東ソー株式会社製TSKgel GMHHR-H(S)HT 30cm×2、TSKgel GMH6-HTL 30cm×2
移動相:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計
流速:1.0mL/分
カラム温度:20℃
注入量:500μL
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂であってよい。ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又はエチレン等をモノマー単位とする共重合体であってよい。具体的には、ポリエチレン系樹脂は、エチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等の炭素数3~10のα-オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル、共役ジエン、非共役ジエン等の不飽和化合物などから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとの共重合体であってよい。ポリエチレン系樹脂におけるエチレン単位の含有量は、モノマー単位全量基準で50質量%以上であってよい。
熱可塑性樹脂の含有量は、生産性に優れる観点から、ラップフィルムの全量基準で、60質量%以上、70質量%以上、又は75質量%以上であってよく、また、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であってよい。
(銀含有添加剤)
銀含有添加剤は、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
銀系抗菌剤は、金属銀、銀イオン又は銀化合物を含む抗菌剤である。銀系抗菌剤は、例えば、多孔質構造を有する無機化合物に、銀化合物、銀錯塩又は銀イオンを担持させた抗菌剤であってよい。このような銀系抗菌剤としては、例えば、ゼオライト-銀系抗菌剤、ガラス-銀系抗菌剤、リン酸カルシウム-銀系抗菌剤、リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤、及びケイ酸塩-銀系抗菌剤が挙げられる。
ゼオライト-銀系抗菌剤は、例えば、A型合成ゼオライトの水懸濁液に硝酸銀水溶液を加え、イオン交換反応により結晶構造中のNaの位置に銀イオンを一定量置換し、乾燥した後に焼成することにより得られる。ゼオライト-銀系抗菌剤は、株式会社シナネンゼオミック製の「ゼオミック」(例えば「ゼオミックAJ10D」)等として入手可能である。
ガラス-銀系抗菌剤は、例えば、ケイ酸塩ガラスに、銀を担持させることにより得られる。ガラス-銀系抗菌剤は、石塚硝子株式会社製の「イオンピュア」等として入手可能である。
リン酸カルシウム-銀系抗菌剤は、例えば、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム等の水系懸濁液と硝酸銀溶液とを混合し、金属銀又は銀イオンをリン酸カルシウムに担持させることにより得られる。リン酸カルシウム-銀系抗菌剤は、太平化学産業株式会社製の「シルバーエース」等として入手可能である。
リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤は、例えば、水熱合成により得られた結晶リン酸リチウムジルコニウム中のリチウムを酸処理によりプロトンに置換し、プロトンを銀イオンに更に置換した後、乾燥して焼成することにより得られる。リン酸ジルコニウム-銀系抗菌剤は、東亞合成株式会社製の「ノバロンAG300」、「ノバロンAG1100」、「ノバロンAGZ330」、「ノバロンAGT330」等として入手可能である。
ケイ酸塩-銀系抗菌剤は、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに銀イオンを担持させた後、乾燥及び焼成することにより得られる。ケイ酸塩-銀系抗菌剤は、日揮触媒化成工業株式会社製の「AIS-NAZ320」等として入手可能である。
銀系抗ウィルス剤は、金属銀、銀イオン又は銀化合物を含む抗ウィルス剤である。銀系抗ウィルス剤は、例えば、多孔質構造を有する無機化合物に、銀化合物、銀錯塩又は銀イオンを担持させた抗ウィルス剤であってよい。このような銀系抗ウィルス剤としては、例えば、ゼオライト-銀系抗ウィルス剤、ガラス-銀系ウィルス剤、リン酸カルシウム-銀系抗ウィルス剤、リン酸ジルコニウム-銀系抗ウィルス剤、及びケイ酸塩-銀系抗ウィルス剤が挙げられる。銀系抗ウィルス剤は、東亞合成株式会社製の「ノバロン IV1000」等として入手可能である。
銀含有添加剤は、例えば、平均粒径が0.1~2μm、0.2~1.5μm、又は0.5~1.2μmの粒子であってもよい。
銀含有添加剤の含有量は、ラップフィルムの抗ウィルス性をより向上する観点から、ラップフィルムの全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、0.02質量%以上、又は0.03質量%以上であり、ラップフィルムの透明性をより向上する観点から、好ましくは1.0質量%以下、0.8質量%以下、又は0.5質量%以下である。
(グリセリン系防曇剤)
グリセリン系防曇剤は、ラップフィルムの抗ウィルス性と透明性を両立する観点から、炭素数8~22の脂肪酸に由来するエステル構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が8未満又は22を超えると、ラップフィルムの抗ウィルス性が低下する傾向にある。脂肪酸の炭素数は、10以上又は12以上であってもよく、20以下又は18以下であってもよい。
脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸であってよい。飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸が挙げられる。不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エイコセン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ピノレン酸等のトリ不飽和脂肪酸;及びアラキドン酸等のテトラ不飽和脂肪酸が挙げられる。
グリセリン系防曇剤は、ラップフィルムの抗ウィルス性と透明性を両立する観点から、下記式(1)で表される構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでよい。式中、Rは、炭素数7~21の脂肪族炭化水素基を示し、nは1~4の数を示す。脂肪族炭化水素基は、上述の脂肪酸に由来する基である。脂肪族炭化水素基の炭素数は、9以上又は11以上であってもよく、19以下又は17以下であってもよい。Rは、炭素数7~13の飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、炭素数8~21の不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。
Figure 2022086564000002
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリスチレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノリノレート、ジグリセリンモノエルケート等のジグリセリン脂肪酸エステル;トリグリセリンモノカプリレート、トリグリセリンモノカプレート、トリグリセリンモノラウレート、トリグリセリンモノミリスチレート、トリグリセリンモノオレート、トリグリセリンモノリノレート、トリグリセリンモノエルケート等のトリグリセリン脂肪酸エステル;テトラグリセリンモノカプリレート、テトラグリセリンモノカプレート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノミリスチレート、テトラグリセリンモノオレート、テトラグリセリンモノリノレート、テトラグリセリンモノエルケート等のテトラグリセリン脂肪酸エステル;ペンタグリセリンモノカプリレート、ペンタグリセリンモノカプレート、ペンタグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンモノミリスチレート、ペンタグリセリンモノオレート、ペンタグリセリンモノリノレート、ペンタグリセリンモノエルケート等のペンタグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ラップフィルムの抗ウィルス性をより向上する観点から、ジグリセリンモノラウレート、トリグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノラウレート、及びペンタグリセリンモノラウレートから選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、ラップフィルムの抗ウィルス性をより向上する観点から、ラップフィルムの全量基準で、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.3質量%以上であってよく、ラップフィルムの透明性をより向上する観点から、2.0質量%以下、1.5質量%以下、又は1.0質量%以下であってよい。ラップフィルム中のポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、0.1~2.0質量%、0.2~1.5質量%、又は0.3~1.0質量%であってもよい。
グリセリン系防曇剤は、モノグリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを更に含んでもよい。モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノグリセリンラウレート、モノグリセリンミリステート、モノグリセリンパルミテート、モノグリセリンステアレート、モノグリセリンオレート、及びモノグリセリンリノレートが挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンラウレート及びソルビタンステアレートが挙げられる。
グリセリン系防曇剤の総量は、ラップフィルムの粘着性の観点から、ラップフィルムの全量基準で、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上であってよく、ラップフィルムの寸法安定性及び引出性の観点から、2.5質量%以下、2.0質量%以下、又は1.5質量%以下であってよい。
(着色剤)
ラップフィルムは、着色剤を更に含有していてもよい。着色剤としては、例えば、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、及び紫色着色剤が挙げられる。着色剤は、これらの着色剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでよい。
青色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が600~750nmに存在する着色剤である。青色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長470nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、青色着色剤は、銅フタロシアニン(銅フタロシアニンブルー)、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、酸化第一コバルトと酸化アルミニウムとの混合物、インディゴ、又はウルトラマリンであってよい。青色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは青色顔料である。
赤色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が500~599nmに存在する着色剤である。視認性に優れる観点から、赤色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長650nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、赤色着色剤は、キナクリドンレッド、キナクリドンスカーレット、ジメチルキナクリドン、4-ニトロアニリンと2-ナフトールとの混合物、2-ニトロ-4-トルイジンと2-ナフトールとの混合物、2-ニトロ-p-トルイジンと3-オキシ-3’-ニトロナフタニリドとの混合物、o-アニシジンと2-ナフトールとの混合物、2,4,5-トリクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-o-トルイダイドとの混合物、4-クロロ-o-トルイジンと4’-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ナフト-o-トルイダイドとの混合物、2,5-ジクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-p-トルイダイドとの混合物、2,5-ジクロロアニリンと3-オキシ-2-ナフト-o-アニシダイドとの混合物、N,N’-ジエチル-4-メトキシメタニルアミドと5’-クロロ-3-ヒドロキシ-2’,4’-ジメトキシ-2-ナフトアニリドとの混合物、4-ニトロ-o-アニシジンと3-オキシ-N-1-ナフチル-2-ナフトアミドとの混合物、1-ナフチルアミンと1-ナフトール-5-スルホン酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノ-ナフタレン-1-スルホン酸と2-ナフトール(カルシウム塩)との混合物、6-アミノ-m-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノ-5-クロロ-p-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、6-アミノ-4-クロロ-m-トルエンスルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、2-アミノナフタレン-1-スルホン酸と3-オキシ-2-ナフトエ酸(カルシウム塩)との混合物、3,3’-ジクロロベンジジンと3-カルボキシ-1-フェニル-5-ピラゾロンとの混合物、o-ジアニシジンと3-メチル-1-p-トリル-5-ピラゾロンとの混合物、1,2’-ジオキシアントラキノン(カルシウムレーキ、鉄レーキ、アルミニウムレーキ)、4,4’-ジメチル-6,6’-ジクロロ-2,2’-ビスチオナフテンインディゴ、4,4’-ジメチル-6,5’,7’-トリクロロ-2,2’-ビスチオナフテンインディゴ、ナフチオン酸とR酸(アルミニウム塩)との混合物、エリスロシン(アルミニウム塩)等であってよい。赤色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは赤色顔料である。
黄色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が380~499nmに存在する着色剤である。視認性に優れる観点から、黄色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長600nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、黄色着色剤は、o-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、p-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、4-クロロ-2-ニトロアニリンとアセトアセトアニリドとの混合物、o-ニトロ-p-トルイジンとアセトアセトアニリドとの混合物、p-クロロ-o-ニトロアニリンとo-クロロ-アセトアセトアニリドとの混合物、4-クロロ-2-ニトロアニリンとアセトアセト-m-キシリジドとの混合物、スルファニル酸と3-カルボキシ-1-(p-スルフォフェニル)-5-ピラゾロンとの混合物、スルファニル酸と3-カルボキシ-1-(p-スルフォフェニル)-5-ピラゾロン(アルミニウムレーキ)との混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-o-トルイジドとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-p-トルイジドとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンとアセトアセト-m-キシリジドとの混合物、1-アミノ-5-ベンザミド-アントラキノンとオキシラルクロリドとの混合物、N,N-ビス-(1-アントラキノリル)-イソフタリックアミド、3,3’-ジクロロベンジジンと4-クロロ-2,5-ジメトキシ-アセトアセトアニリドとの混合物、スルファニル酸と2-ナフトール-6-スルホン酸ナトリウムとの混合物、3,3’-ジクロロベンジジンと3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンとの混合物、o-ジアニシジンとアセトアセトアニリドとの混合物、4,11-ビス(ベンゾイルアミノ)-16H-ジナフト[2,3-a:2’,3’-i]カルバゾール-5,10,15,17-テトラオン、ナフタレンテトラ-カルボン酸と1,2-ジアミノベンゼンとの混合物等であってよい。黄色着色剤は、強度、分散性、及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは黄色顔料である。
緑色着色剤は、α-ニトロソ-β-ナフトール鉄錯体、4-ニトロベンゼンアゾ-2-ナフトール銅錯体、オクタクロロ銅フタロシアニン、ポリクロロ銅フタロシアニン等であってよい。
紫色着色剤は、6,15-ジブロモ-イソビオランスロン、5,5’-ジクロロ-4,4,7,7’-テトラメチル-2,2’-ビス(チオナフテンインディゴ)、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンバイオレット等であってよい。
着色剤の含有量は、ラップフィルムの全量基準で、0.5質量%以上又は0.6質量%以上であってよく、2.0質量%以下又は1.9質量%以下であってよい。
(その他の成分)
ラップフィルムは、その他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、可塑剤、安定剤(熱安定剤又は光安定剤)、滑剤、充填剤、プレートアウト防止剤、抗酸化剤、離型剤、粘度低下剤、界面活性剤、蛍光剤、表面処理剤、架橋剤、加工助剤、粘着剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤が挙げられる。ラップフィルムがその他の成分を含有する場合、その他の成分の含有量(合計の含有量)は、ラップフィルム全量基準で、例えば、1質量%以上であってよく、30質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、好ましくは可塑剤を更に含有する。可塑剤は、例えば、アジピン酸エステル、エポキシ化植物油等であってよい。
アジピン酸エステルは、例えば、アジピン酸と、炭素数6~10の直鎖又は分岐の脂肪族アルコールとのジエステル(アジピン酸ジエステル)であってよい。アジピン酸エステルは、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等であってよい。
エポキシ化植物油は、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化コーン油、エポキシ化菜種油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ひまわり油、エポキシ化パーム油、エポキシ化綿実油、エポキシ化オリーブ油等であってよい。
可塑剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、15質量%以上又は20質量%以上であってよく、35質量%以下又は30質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、好ましくは安定剤を更に含有する。安定剤は、例えば、Ca/Zn系安定剤であってよい。Ca/Zn安定剤は、カルシウムの脂肪酸塩と亜鉛の脂肪酸塩との混合物である。当該脂肪酸としては、例えば、ベヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、及びリシノール酸が挙げられる。
安定剤の含有量は、ラップフィルム全量基準で、例えば、0.1質量%以上又は0.5質量%以上であってよく、5質量%以下又は3質量%以下であってよい。
ラップフィルムは、熱可塑性樹脂、銀含有添加剤及びグリセリン系防曇剤を含有する層の一層のみからなっていてもよく、複数の層からなっていてもよい。ラップフィルムが複数の層からなる場合、熱可塑性樹脂、銀含有添加剤及びグリセリン系防曇剤のそれぞれは、いずれの層に含まれていてもよく、互いに同一の層に含まれていてもよく、互いに異なる層に含まれていてもよい。
ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、例えば、第1の表面層と中間層と第2の表面層とをこの順に備えていてよい。この場合、例えば、第1及び第2の表面層は熱可塑性樹脂、銀系抗ウィルス剤、グリセリン系防曇剤、及び必要に応じて添加されるその他の成分を含有し、中間層は熱可塑性樹脂及び必要に応じて添加されるその他の成分を含有していてよい。ラップフィルムは、例えば、各層間の接着性を向上させるために、酸変性ポリオレフィン樹脂等を含有する接着層を更に備えていてもよく、ラップフィルムの耐熱性を向上させるために、ポリアミド系樹脂を含有する耐熱層を更に備えていてもよい。
ラップフィルムの厚さは、作業性と強度の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下であってよく、また、食品を外気から効率良く遮断する観点から、好ましくは4μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは6μm以上であってよい。
ラップフィルムの全光線透過率は、視認性に優れる観点から、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、例えば90%以下であってよい。全光線透過率は、JIS K7361-1に準じて入射光量及び全透過光量を測定し、全光線透過率=(全透過光量)/(入射光量)×100として算出できる。
ラップフィルムは、例えば、熱可塑性樹脂、銀系抗ウィルス剤、グリセリン系防曇剤、及び必要に応じて上述の着色剤、その他の成分を、V型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により混合し、更に必要に応じてミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダ等の混練機により混練することで組成物を得た後、例えば押出成形することにより製造される。具体的には、該組成物を押出機のホッパーに供給しインフレーション法、Tダイ法等で目的とするラップフィルムが得られる。
ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、各層の構成原料を、それぞれ別々の押出機に投入して溶融押出し、インフレーション法、Tダイ法等により各層を共押出して積層することにより得られる。この際、Tダイより押出した溶融物をそのまま、キャスティングロール等で急冷しながら引き取るようにしてラップフィルムを形成することが好ましい。
このようにして得られたラップフィルムに対して、熱収縮率、自然収縮率等の軽減;幅収縮の発生の抑制;などの目的に応じて、加熱ロール間での縦延伸、各種の熱固定、エージング等の熱処理を行ってもよく、防曇性、帯電防止性、粘着性等を向上させる目的で、コロナ処理;熟成処理;印刷、コーティング等の表面処理;表面加工;などを行ってもよい。
[ラップフィルム収容体]
ラップフィルムは、例えば、長尺上に成形されて巻き取られた後に、20m、50m等の所望の長さごとに更に巻き替えられ(巻回され)、箱体に詰められることで製品とされる。すなわち、本実施形態におけるラップフィルムは、巻芯に巻回されたラップフィルムの形態であってもよく、箱体に収容されたラップフィルムの形態であってもよい。
図1は、一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。図1に示すように、一実施形態に係るラップフィルム収容体1は、ラップフィルム2と、ラップフィルムが巻回された巻芯3と、ラップフィルム2及び巻芯3を収容する箱体4とを備えている。箱体4には、ラップフィルム2を切断するための刃部5が設けられていてよい。巻芯3及び箱体4の材質は、特に限定されない。ラップフィルムの色を外部から認識し易い観点から、箱体4の少なくとも一部は、好ましくは透明であるか、箱としての機能を損なわない程度に穴が開いており、外部から内部を視認可能になっている。
なお、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、ロールの形で供給されうるものをいい(必要であれば、日本工業規格JIS K6900を参照できる)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本実施形態において文言上両者を区別する必要がないので、本明細書においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。また、「フィルム」は、上記の定義のうちでも特にラップフィルムを含む概念である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(1)樹脂組成物の調製
以下の材料を表1に示す配合量(質量%)でスーパーミキサーに投入した後、攪拌しながら材料温度を常温から130℃まで昇温し、混合して実施例及び比較例の樹脂組成物を調製した。
熱可塑性樹脂a:ポリ塩化ビニル系樹脂
グリセリン系防曇剤b1:グリセリンモノオレエート(理研ビタミン株式会社製、「XO-100」)
グリセリン系防曇剤b2:ジグリセリンモノラウレート(理研ビタミン株式会社製、「ポエム DL-100)
銀含有添加剤c1:リン酸ジルコニウム‐銀系抗菌剤(東亞合成株式会社製、「ノバロン AG300」)
銀含有添加剤c2:銀系抗ウィルス剤(東亞合成株式会社製、「ノバロン IV1000」)
可塑剤d1:アジピン酸ジイソノニル
可塑剤d2:エポキシ化大豆油
安定剤e:Ca/Zn系安定剤
(2)ラップフィルムの作製
70℃まで冷却させた樹脂組成物を、Tダイ(幅350mm、ギャップ0.4mm)を装着した直径40mm単軸押出機(L/D=20)にて、樹脂組成物の温度が200℃となる状態で押出し、厚み8.0μmのラップフィルムを作製した。
(3)評価
各実施例及び比較例における樹脂組成物及びラップフィルムの評価結果を表1に示す。
(熱安定性)
各樹脂組成物60gをラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、「4C150-01」)に取り付けたローラミキサR60型に投入し、210℃、60rpmで混練することで、樹脂組成物の動的熱安定性を評価した。動的熱安定性時間は、定常トルクの数値から150%のトルク値に達するまでの時間とした。動的熱安定性時間が長いほど、熱安定性に優れているといえる。
A:150%のトルク値に達するまでの時間が20分以上であった。
B:150%のトルク値に達するまでの時間が20分未満であった。
(製膜性)
Tダイ押出機にて、上述した樹脂組成物を樹脂温度200℃で押出してラップフィルムの成形を行い、得られたラップフィルムの外観を観察することで製膜性を評価した。評価基準は、以下のとおりである。
A:ほぼ均一の厚みのラップフィルムが得られ、24時間の押出でヤケが発生しなかった。
B:ラップフィルムの厚みにわずかにむらが見られ、24時間の押出でヤケが発生した。
(透明性)
透明性は、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH 5000)を用いて、ラップフィルムのヘーズ(曇度)を測定することで評価した。NDH-5000用標準板(曇度11.35、H51-28491)を使用して標準校正を行った後、曇り度冶具にラップフィルムをシワ無く取り付けて、ヘーズの測定を行った。ラップフィルムの測定場所を変えて、同じ測定を3回行い、ヘーズの平均値を算出した。
A:ラップフィルムのヘーズの平均値が2.0以下であった。
B:ラップフィルムのヘーズの平均値が2.0超であった。
(抗ウィルス性)
抗ウィルス性は、A型インフルエンザウィルスを用い、ISO 21702に準拠して評価した。ラップフィルムのウィルス感染価を測定することで、抗ウィルス活性値を算出した。
A:ラップフィルムの抗ウィルス活性値が2.0以上であった。
B:ラップフィルムの抗ウィルス活性値が2.0未満であった。
Figure 2022086564000003
1…ラップフィルム収容体、2…ラップフィルム、3…巻芯、4…箱体、5…刃部。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂と、銀含有添加剤と、グリセリン系防曇剤と、を含有し、
    前記銀含有添加剤が、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記グリセリン系防曇剤が、炭素数8~22の脂肪酸に由来するエステル構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、ラップフィルム。
  2. 熱可塑性樹脂と、銀含有添加剤と、グリセリン系防曇剤と、を含有し、
    前記銀含有添加剤が、銀系抗菌剤及び銀系抗ウィルス剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記グリセリン系防曇剤が、下記式(1)で表される構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、ラップフィルム。
    Figure 2022086564000004

    (式中、Rは、炭素数7~21の脂肪族炭化水素基を示し、nは1~4の数を示す。)
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、ラップフィルムの全量基準で0.1~2.0質量%である、請求項1又は2に記載のラップフィルム。
  4. 着色剤を更に含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のラップフィルム。
  5. 前記着色剤が、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、及び紫色着色剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載のラップフィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のラップフィルム。
  7. 食品の包装に用いられる、請求項1~6のいずれか一項に記載のラップフィルム。
  8. 巻芯と、
    前記巻芯に巻回された、請求項1~6のいずれか一項に記載のラップフィルムと、
    前記巻芯及び前記ラップフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体。
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