JP7248794B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は車両用部品に係わり、特にエンジンに燃料を高圧で供給する高圧燃料ポンプ及びその電磁弁に関する。
本発明の電磁弁の従来技術として、特開2012-136994号公報(特許文献1)に記載の高圧ポンプ(以下、高圧燃料ポンプという)が知られている。特許文献1の要約には、下記構成及び効果が記載されている。
「コイル71の径内側に固定コア72が設けられる。固定コア72の吸入弁側に設けられる可動コア73は、吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動する。固定コア72の第1収容室61及び可動コア73の第2収容室62に収容される第2スプリング22は、可動コア73を吸入弁側に付勢する。固定コア72よりも高硬度に形成されたガイドピン80が、第1収容室61の深部で第2スプリング22を係止する。可動コア73の往復移動に起因して第1収容室61の燃料に発生するキャビティの崩壊により第1収容室61の内壁にエロージョンが生じることをガイドピンにより抑制することができる。」
なおこの記載における符号は、特許文献1における符号をそのまま記載しており、本明細書の符号とは関係がない。さらに特許文献1の高圧燃料ポンプでは、可動コアの第2収容室よりも径方向外側に複数の呼吸孔が設けられ、この呼吸孔は可動コアを収容する可動コア室内において可動コアの軸方向における一方と他方とを燃料が流通するように設けられている(段落0027参照)。また可動コアには、吸入弁を押圧するニードル(ロッド)が可動コアと一体に設けられている(段落0033参照)。
また特開2016-094913号公報(特許文献2)には、高圧燃料供給ポンプ(以下、高圧燃料ポンプという)において、アンカー(可動コア)が第二コア(固定コア)に引き寄せされる際に、アンカーと第二コアとの間にある体積が急速に縮小することで、その空間にある燃料は行き場を失い速い流速を持ってアンカー外周側へ押し流され、第一コアの薄肉部に衝突して壊食が発生することが記載されている(段落0081参照)。特許文献2の高圧燃料ポンプでは、アンカーの中心側に、アンカーを中心軸方向に貫通する貫通穴を設け、アンカーが第二コア側に引き寄せられる際、アンカーと第二コアとの間の空間の燃料のほとんどは、アンカーの外周側の狭い通路を通過せず、貫通穴を通過してアンカーとばね座部材との間に形成された燃料室に移動するようにすることで、第一コアの薄肉部の壊食を回避している(段落0083参照)。なお特許文献2の高圧燃料ポンプでは、第二コアに対する可動部がアンカーとロッドとで構成され、アンカーとロッドとは軸方向に相対変位可能に構成されている(段落0053,0056参照)。さらにアンカーは、第二コアと対向する端面に、第二コアに対して反対側に窪んでロッドつば部を収容する凹部を有し、この凹部の底面部にアンカーを中心軸方向に貫通する貫通穴が形成されると共に、この凹部の内周面(内周壁)は凹部の開口側から底面部に向かって拡径する逆テーパ状の面として形成されている(図7参照)。
特開2012-136994号公報 特開2016-094913号公報
特許文献1では、固定コアの第1収容室の内壁に生じる、キャビテーションの崩壊によるエロージョン(キャビテーション・エロージョン)に配慮しているものの、可動コアの第2収容室の内壁に生じるキャビテーション・エロージョンについては配慮がない。そもそも特許文献1の高圧燃料ポンプでは、吸入弁を押圧するニードル(ロッド)が可動コアと一体に設けられており、このニードルが可動コアに対して相対変位しないため可動コアの第2収容室の内壁にキャビテーション・エロージョンが生じ難い。
また、特許文献2の高圧燃料ポンプでは、ロッドつば部を収容する凹部の内周面(内周壁)が逆テーパ状の面として形成されているものの、凹部の内壁(底面及び内周面)に生じるキャビテーション・エロージョンについては配慮がない。そもそも特許文献1の高圧燃料ポンプでは、凹部の底面部にアンカーを中心軸方向に貫通する貫通穴が形成されており、凹部の内壁にキャビテーション・エロージョンが生じ難い。
本発明の目的は、可動コア(アンカー)に対してロッドが相対変位可能に構成された構造において、可動コア(アンカー)におけるキャビテーション・エロージョンの発生を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電磁弁機構は、
燃料を加圧室に供給する電磁弁機構を備え、
前記電磁弁機構は、相互の間に磁気吸引力が作用する固定コア及び可動コアと、前記可動コアを挿通するロッドと、前記可動コアに対して前記ロッドの前記固定コアの側とは反対の端部の側に設けられた吸入ポート及び吸入弁と、を有し
前記可動コアは、前記固定コアと対向する対向面に形成された凹部と、前記ロッドの軸方向に貫通し前記ロッドが挿通する貫通孔と、を有し、
前記ロッドは、前記貫通孔に挿入される小径部と、前記小径部より外径が大きく前記軸方向において前記凹部の底面と接触するフランジ部と、を有して前記可動コアと別体に構成された高圧燃料ポンプにおいて、
前記可動コアは、前記ロッドの軸方向に貫通する貫通孔として単一の前記貫通孔のみが形成され、且つ保護膜としてのめっきが形成されない構成であり、
前記可動コアの前記凹部の内周面と前記フランジ部の外周面との間に形成される隙間が前記凹部の開口側から奥側に向かって拡大するように構成される。
本発明によれば、可動コア(アンカー)におけるキャビテーション・エロージョンの発生を抑制することが可能となる。
本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において詳細に説明する。
本発明の一実施例に係る高圧燃料ポンプが適用されたエンジンシステムの構成図である。 本発明の一実施例に係る高圧燃料ポンプについて、プランジャ2の軸心に沿う断面(図3のII-II断面)を示す断面図である。 図2のIII-III断面を示す断面図である。 図3のIV-IV断面を示す断面図である。 図2の電磁弁機構300の近傍を拡大して示す拡大断面図であり、電磁弁機構300が開弁した状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る電磁弁機構300について、固定コア39及びアンカー36及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300が閉弁した状態にあるときの図である。 本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が閉弁した状態にあるときの図である。 本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が開弁する動作途中の状態にあるときの図である。 本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が開弁する動作途中の状態(図6Bから時間が経過した状態)にあるときの図である。 本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁が開弁する動作途中の状態(図6Cから時間が経過した状態)にあるときの図である。
以下、本発明の一実施例に係る電磁弁300を用いた高圧燃料ポンプ100について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る高圧燃料ポンプ100が適用されたエンジンシステムの構成図である。燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと称す)からの信号に基づき、フィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して高圧燃料ポンプ100の低圧燃料吸入口10aに送られる。
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、圧力脈動低減機構9が配置されるダンパ室(10b,10c)を介して容量可変機構を構成する電磁弁(電磁弁機構)300の吸入ポート31bに至る。具体的には、電磁弁機構300は加圧室11に燃料を吸入する電磁吸入弁(電磁吸入弁機構)を構成する。
電磁弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30により開閉される吸入口を通過し、加圧室11に流入する。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30から燃料を吸入し、上昇行程には燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介し、圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ燃料が圧送される。そしてECU27からの信号に基づきインジェクタ24がエンジンへ燃料を噴射する。
本実施例の高圧燃料ポンプ100は、インジェクタ24がエンジンのシリンダ筒内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される。高圧燃料ポンプ100は、ECU27から電磁弁機構300への信号により燃料流量を調整して、所望の燃料流量を吐出する。
図2は、本発明の一実施例に係る高圧燃料ポンプ100について、プランジャ2の軸心に沿う断面(図3のII-II断面)を示す断面図である。図3は、図2のIII-III断面を示す断面図である。図4は、図3のIV-IV断面を示す断面図である。
本実施例の高圧燃料ポンプ100は内燃機関の高圧燃料ポンプ取付け部90に密着して固定される。以下の説明において上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は図2の上下方向に基づいており、高圧燃料ポンプ100の内燃機関への実装状態における上下方向を指定するものではない。
図2、4に示すように、ポンプボディ1には、プランジャ2の往復運動をガイドし、ポンプボディ1と共に加圧室11を形成するシリンダ6が取り付けられている。シリンダ6はその外周面がポンプボディ1に圧入される。つまり、プランジャ2はシリンダ6の内部を往復運動することで加圧室11の容積を変化させる。またポンプボディ1には、燃料を加圧室11に供給するための電磁弁300と、加圧室11から吐出通路に燃料を吐出するための吐出弁機構8(図3参照)と、が設けられている。
プランジャ2は、カム93の回転運動を受けて上下に往復運動するように構成されている。
図3、4に示すように、ポンプボディ1の側面部には、低圧燃料吸入口10aを構成する吸入ジョイント51が取り付けられている。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する低圧の吸入配管28に接続されており、燃料はここから高圧燃料ポンプ100内部に供給される。吸入フィルタ52は、燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物を燃料の流れによって高圧燃料ポンプ100内に吸収することを防ぐ。
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、図4に示すポンプボディ1に上下方向に連通した低圧燃料吸入通路を通って圧力脈動低減機構9が配置されたダンパ室10b,10cに向かう。ダンパ室10b,10cはダンパカバー14とポンプボディ1の上端面との間に形成され、低圧燃料吸入口10a及び低圧燃料吸入通路と連通する。
ダンパ室10b,10cを通った燃料は、次にポンプボディ1に上下方向に延設された吸入通路10d(低圧燃料吸入通路)を介して電磁弁機構300の吸入ポート31bに至る。なお、吸入ポート31bは吸入弁シート31a(図5参照)を形成する吸入弁シート部材31(図5参照)に上下方向に連通して形成される。
図5に基づいて電磁弁機構300(電磁吸入弁)について詳細に説明する。図5は、図2の電磁弁機構300の近傍を拡大して示す拡大断面図であり、電磁弁機構300が開弁した状態を示す図である。
ボビン45に銅線が複数回巻かれたコイル43(電磁コイル)があり、二つの端子46(図2記載)のそれぞれの方端にコイルの銅線の両端がそれぞれ通電可能に接続される。端子46はコネクタ47(図2記載)と一体にモールドされ、残りの方端がエンジン制御ユニット側と接続可能となっている。
コイル43の外周を取り囲む部品には、第1ヨーク42、第2ヨーク44、アウターコア38がある。第1ヨーク42と第2ヨーク44はコイル43を取り囲む形で配置され、樹脂部材であるコネクタ47と一体にモールドされ固定される。第1ヨーク42の中心部の穴部に、アウターコア(第2コア)38が圧入され固定される。アウターコア38はポンプボディ1に溶接等により固定されている。
第2ヨーク44の内周側は、固定コア(第1コア)39と接触もしくは僅かなクリアランスで近接する構成とする。また、第2ヨーク44の外周側は、第1ヨーク42の内周と接触もしくは僅かなクリアランスで近接する構成とする。固定コア39には固定ピン832が固定されており、固定ピン832は第2ヨーク44を固定コア39に押し当てるように付勢力を発生する。固定ピン832は内周側の角部で固定コア39に食い込ませてもよいが、溶接等により固定してもよい。
第1ヨーク42及び第2ヨーク44は共に、磁気回路を構成するために、また耐食性を考慮し、磁性ステンレス材料とする。ボビン45及びコネクタ47は強度特性、耐熱特性を考慮し、高強度耐熱樹脂を用いる。
コイル43の内周にはシールリング48が配置され、シールリング48は一端がアウターコア38に溶接固定され、その反対側の端で固定コア39に溶接固定される。シールリング48またはアウターコア38の内周側には、可動部であるアンカー36(可動コア)及びロッド35と、固定部であるロッドガイド37と、ロッド付勢ばね40と、アンカー付勢ばね41と、が配置される。ロッド35はロッドガイド37の内周側で軸方向に摺動自在に保持され、且つ、アンカー36を摺動自在に保持する。
アンカー36の保持方法(支持方法)には、アンカー36の内周とロッド35の外周とのクリアランスで保持する方法と、アンカー36の外周とアウターコア38の内周とのクリアランスで保持する方法とがあるが、本実施例では、アンカー36の内周とロッド35の外周とのクリアランスでアンカー36を保持している。
アンカー36は、コイル43に電流が流されると、発生する磁気吸引力によって固定コア39の方向へ引き寄せられる。燃料中でアンカー36がその中心軸方向に自在に移動できるようにするために、通常、アンカー36に中心軸方向に貫通する貫通孔を1つ以上設け、中心軸方向におけるアンカー36の一端側と他端側との圧力差による移動の制限を排除する手段が採用される。しかし本実施例では、敢えて貫通孔を設けないことで、アンカー36の移動に抵抗力を作用させ、移動速度を小さくする。
ロッドガイド37は、吸入弁シート部材31と共に一部材で構成され、ポンプボディ1の吸入弁30が挿入される穴1dの内周側に挿入され、径方向及び中心軸方向においてポンプボディ1に固定される。本実施例では、ロッドガイド37及び吸入弁シート部材31は、中心軸方向において、ポンプボディ1の挿入穴1fに溶接固定されるアウターコア38とポンプボディ1との間に挟み込まれる形で配置され、固定される構成としている。ロッドガイド37には、中心軸方向に貫通する貫通孔37aが設けられ、アンカー36が軸方向に移動したときに、固定コア39とロッドガイド37との間に形成されたアンカー収容室34内部の燃料の移動を妨げない様に構成している。
アウターコア38は、一端部が溶接等によってポンプボディ1に固定され、他端部にはシールリング48が固定される。シールリング48のアウターコア38に固定される側の端部とは反対側の端部には、固定コア39が固定される。固定コア39の内周側にはロッド付勢ばね40が、ロッド35の小径部35cをガイドに配置され、ロッド35を図右方向に付勢する。ロッド35は、フランジ部35bを介して、アンカー36に係合する。また、同時にロッド35は小径部35aの先端にて吸入弁30と係合し、吸入弁30を吸入弁シート31aから引き離す方向、すなわち吸入弁30の開弁方向に付勢力を与える。このために、ロッド35は吸入弁30を開弁方向に押圧する。言い換えれば、ロッド35はロッド付勢ばね40の付勢力を伝達する付勢力伝達部材である。
アンカー付勢ばね41は、ロッドガイド37の中心側に設けた円筒形の中央軸受部37bに方端を挿入し、中央軸受部37bと同軸を保ちながら、アンカー36にフランジ部35b及び固定コア39の方向(図左方向)に付勢力を与える配置としている。アンカー36の移動量36eは吸入弁30の移動量30eよりも大きく設定されており、吸入弁30が閉弁時に干渉することを防ぐ。
アウターコア38、第1ヨーク42、第2ヨーク44、固定コア39、及びアンカー36はコイル43の周りで磁気回路を形成し、コイル43に電流を与えると、固定コア39とアンカー36との間に磁気吸引力を発生させる。アンカー36と固定コア39とは磁気吸引面Sを形成するため、性能的に磁気特性の良い材料を使うことが望ましい。
シールリング48は、アンカー36と固定コア39間に磁束を流すために、非磁性材であることが望ましい。また、衝突時の衝撃を吸収するために、薄肉で伸びの大きいステンレス材を使うことが望ましい。具体的にはオーステナイト系ステンレスを使う。
図3に示すように加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8aと、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8bと、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8cと、吐出弁8bのストローク(移動距離)を決める吐出弁ストッパ8dと、から構成される。吐出弁ストッパ8dとポンプボディ1は当接部8eで溶接により接合されている。
加圧室11と吐出弁室12aとに燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなったときに初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧の燃料は吐出弁室12a、燃料吐出通路12b、燃料吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。すなわち、吐出弁機構8は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
図3に示すリリーフ弁機構200は、リリーフボディ201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204、及びばねストッパ205からなる。リリーフボディ201には、シート部が設けられている。リリーフ弁202はリリーフばね204の荷重がリリーフ弁ホルダ203を介して負荷され、リリーフボディ201のシート部に押圧され、シート部と協働して燃料を遮断している。リリーフ弁202の開弁圧力はリリーフばね204の荷重によって決定される。ばねストッパ205はリリーフボディ201に圧入固定されており、圧入固定の位置によってリリーフばね204の荷重を調整する。
高圧燃料ポンプの電磁弁機構300の故障等により、燃料吐出口12の圧力が異常に高圧になり、リリーフ弁機構200のセット圧力より大きくなると、異常高圧燃料はリリーフ通路を介して加圧室11にリリーフされる。
以上に説明したように、加圧室11は、ポンプボディ1、電磁弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、及び吐出弁機構8にて構成される。
図5を用いて電磁弁機構300の動作を詳細に説明する。カム93の回転により、プランジャ2がカム93の方向に移動して吸入行程状態にあるときは、加圧室11の容積は増加し加圧室11内の燃料圧力が低下する。この行程で加圧室11内の燃料圧力が吸入ポート31bの圧力よりも低くなると、吸入弁30は開弁状態になる。30eは最大開度を示しており、このとき、吸入弁30はストッパ32に接触する。吸入弁30が開弁することにより、吸入弁シート部材31に形成された開口部31cが開口する。燃料は開口部31cを通り、ポンプボディ1に横方向に形成された穴1cを介して加圧室11に流入する。なお、穴1cも加圧室11の一部を構成する。
プランジャ2が吸入行程を終了した後、プランジャ2が上昇運動に転じ上昇行程に移る。ここでコイル43は無通電状態を維持したままであり、磁気付勢力は発生していない。ロッド付勢ばね40はロッド35の外径側に凸となるフランジ部35b(ロッド凸部)を付勢し、無通電状態において吸入弁30を開弁維持するのに必要十分な付勢力を有するよう設定されている。加圧室11の容積は、プランジャ2の上昇運動に伴い減少するが、磁気付勢力の発生していない状態では、吸入弁30は開弁状態を維持しており、一度、加圧室11に吸入された燃料が、再び吸入弁30の開口部31cを通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
この状態で、ECU27からの制御信号が電磁弁機構300に印加されると、コイル43には端子46を介して電流が流れる。固定コア39の端面39aとアンカー36の端面36aとの間に磁気吸引力が作用する。固定コア39の端面39a及びアンカー36の端面36aは磁気吸引面Sを構成する。磁気吸引面Sに磁気吸引力が作用し、この磁気吸引力を含む閉弁方向の付勢力がロッド付勢ばね40の付勢力に打ち勝つと、アンカー36がフランジ部35bと係合して、ロッド35を吸入弁30から離れる方向(閉弁方向)に移動させる。最終的に、固定コア39及びアンカー36は磁気吸引面Sで衝突する。このときの閉弁方向の付勢力には、磁気吸引力のほかに、アンカー付勢ばね41及び吸入弁付勢ばね33の付勢力が含まれる。
ロッド35が閉弁方向に移動すると、吸入弁30は、吸入弁付勢ばね33による付勢力と燃料が吸入通路10dに流れ込むことによる流体力とを受けて閉弁方向に移動し、吸入弁シート31aに当接して閉弁する。閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料の吐出が行われ、コモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
すなわち、プランジャ2の下始点から上始点までの間の上昇行程は、戻し行程と吐出行程とからなる。そして、電磁弁機構300のコイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。コイル43へ通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中における、戻し行程の割合が小さくなり、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が少なくなり、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、通電するタイミングを遅くすれば、圧縮行程中における、戻し行程の割合が大きくなり、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が多くなり、高圧吐出される燃料は少なくなる。コイル43への通電タイミングは、ECU27からの指令によって制御される。以上のようにコイル43への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る。
アウターコア38は、アンカー36の外周面と対向する内周面を有し、アンカー36の外周面とアウターコア38の内周面との間に、アンカー36が開閉弁方向に移動する際に燃料の移動する流路(隙間)が構成される。
シールリング48は、円筒形状である。固定コア39とアウターコア38は、シールリング48へ挿入される挿入部39ins、38insをそれぞれ有する。固定コア39とアウターコア38は、シールリング48に挿入された状態でシールリング48の外周面CSと同径の外周面を有する。これにより、例えば、ボビン45等の他の部品の取り付けが容易となる。
次に、図6を用いて、本発明の構成を示す。図6は、本発明の一実施例に係る電磁弁機構300について、固定コア39及びアンカー36及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300が閉弁した状態にあるときの図である。
本実施例の電磁弁機構300は、相互の間に磁気吸引力が作用する固定コア39及び可動コア(アンカー)36と、可動コア36を挿通するロッド35とを備えている。可動コア36は、固定コア39の端面39aと対向する対向面36aに形成された凹部36bと、ロッド35の軸方向CAに貫通しロッド35が挿通する貫通孔36dと、を有する。ロッド35は、貫通孔36dに挿入される小径部35aと、小径部35aより外径が大きく軸方向CAにおいて凹部36bと接触するフランジ部35bと、を有している。さらにロッド35は、可動コア36と別体に構成されている。
可動コア36には、軸方向CAに貫通する貫通孔として、単一の貫通孔36dのみが形成されている。可動コア36の凹部36bの内周面36b1とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間は、凹部36bの開口側から奥側に向かって拡大するように構成されている。凹部36bの開口は、可動コア36の端面36aに形成され、軸方向CAにおいて固定コア39側に位置している。凹部36bの奥側(奥部)は、凹部36bの開口側から見て、固定コア39側とは反対側である。
本実施例において、ロッド35の軸方向CAは、ロッド35の中心軸線方向を意味しており、固定コア39、可動コア36、ロッドガイド37の中心軸線と一致している。
ロッド35は可動コア36と別体に構成されていることにより、閉弁時に可動コア36が固定コア39に衝突して閉弁方向への移動を止められた際に、ロッド35は可動コア36から分離して閉弁方向の移動を継続する。或いは開弁時に、吸入弁30がストッパ32に衝突してロッド35の開弁方向への移動が止められた際に、可動コア36はロッド35から分離して開弁方向の移動を継続する。
ロッド35はフランジ部35bを有しており、フランジ部35bは凹部36bの底面36b2と対向する端面35b1と、固定コア39側を向く端面35b2と、外周面35b3とを有する。電磁弁機構300が閉弁又は開弁して可動部が静止した状態にある場合、フランジ部35bの端面35b1と凹部36bの底面36b2とは当接した状態にある。上述した、可動コア36とロッド35とが分離した状態とは、フランジ部35bの端面35b1と凹部36bの底面36b2とが離れた状態を意味する。
本実施例では、軸方向CAに可動コア36を貫通する貫通孔を、ロッド35が挿通する単一の貫通孔36dのみにしたため、開閉弁時における可動コア36の移動速度の上昇を抑制し、可動コア36と固定コア39との衝突時の衝撃力及び可動コア36とフランジ部35bとの衝突時の衝撃力を小さくすることができる。一方で、特許文献2のように、凹部36bの底面部36b2に可動コア36を軸方向CAに貫通する貫通穴を形成する場合と比べて、特に凹部36bの底面部36b2にキャビテーションが発生し易くなり、キャビテーションの崩壊によるエロージョン(キャビテーション・エロージョン)によるダメージを受けやすくなる。
しかし本実施例では、可動コア36の凹部36bの内周面36b1とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間が凹部36bの開口側から奥側に向かって拡大するように構成されているため、凹部36bの内周面36b1とフランジ部35bとの間に構成される流路の断面積(この場合、軸方向CAに垂直な断面積)を大きくすることができ、キャビテーションの発生を抑制することができる。
フランジ部35bの外周面35b3はロッド35の軸方向CAと平行に形成されるとよい。また可動コア36の凹部36bの内周面36b1にはテーパ面が形成されるとよい。この場合、テーパ面とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間の径方向における最大長さLcが小径部35aの外周面からフランジ部35bの外周面35b3までの径方向長さLfよりも小さくなるように構成されるとよい。
テーパ面のテーパ角度を大きくすると、可動コア36における磁路の断面積(この場合、軸方向CAに垂直な断面積)を小さくすることになる。Lc<Lfとすることにより、磁路の断面積を確保することで閉弁動作を高速化し、高圧吐出される燃料量のコントロールを正確に行うことができる。
なお、凹部36bの開口側から見た場合、内周面36b1のテーパ面は逆テーパとなる。ここで、テーパ面とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間は、凹部36bの奥側に位置するテーパ面の端部P36b1において最大長さLcとなる。
可動コア36の凹部36bの内周面36b1に形成されたテーパ面の最外径部P36b1は、貫通孔36dの内周面と可動コア36の外周面36cとの径方向における中心位置C36に対し、径方向内側に位置するようにするとよい。これにより、磁路の断面積を確保することで閉弁動作を高速化し、高圧吐出される燃料量のコントロールを正確に行うことができる。
固定コア39は、可動コア36の側に環状を成して形成される環状端面39aを有するようにするとよい。また可動コア36の凹部36bの内周面36b1にはテーパ面が形成され、テーパ面の最外径部P36b1は、固定コア39の環状端面39aの内径と外径との間の中心位置C39aに対して、径方向内側に位置するようにするとよい。これにより、磁路の断面積を確保することで閉弁動作を高速化し、高圧吐出される燃料量のコントロールを正確に行うことができる。
可動コア36の凹部36bの内周面36b1にはテーパ面が形成され、テーパ面は可動コア36の凹部36bの開口側(固定コア39側)から奥側(反固定コア39側)に向かって内径が拡大するように形成されるようにするとよい。図6において、凹部36bの内周面36b1を36b1’のように形成した場合と36b1’’のように形成した場合とを比較する。36b1’及び36b1’’は、凹部36bの内周面を円筒面で構成したものである。
36b1’の場合、固定コア39の端面39aと対向する可動コア36の端面36aの面積を大きくできる代わりに、内周面36b1’とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間の径方向長さArよりも小さくなる。Arは本実施例のテーパ面とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間の径方向長さの最小値である。すなわち36b1’の場合、キャビテーションの発生を抑制する効果が小さくなる。
一方、36b1’’ の場合、内周面36b1’とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間の径方向長さはArとなり、本実施例と同等であるが、固定コア39の端面39aと対向する可動コア36の端面36aの面積は本実施例よりも小さくなる。すなわち36b1’’ の場合、可動コア36に対する磁気吸引力が本実施例よりも低下する。
図5に示す、固定コア39、可動コア36及び第1ヨーク42の配置から分かるように、可動コア36を流れる磁束は、端面36a側では可動コア36の中心側にも流れるものの、端面36aとは反対側の端面側では可動コア36の外周側に偏る傾向がある。このため、凹部36bの内周面36b1にテーパ面を形成することにより、フランジ部35bの外周部に流路を確保した上で、磁路をより好ましい形状にすることができる。
内周面36b1に形成されるテーパ面は、可動コア36の凹部36bの開口から奥側に向かって形成されるようにするとよい。可動コア36の端面36aを径方向内側に拡げ、端面36aの面積を大きくすることができと共に、加工も単純化されて生産性が向上する。この場合、テーパ面は可動コア36の凹部36bの開口から凹部36bの底面36b2までの全域に亘って形成されるようにするとよい。
上述した様に、本実施例では、可動コア36と固定コア39との衝突時の衝撃力及び可動コア36とフランジ部35bとの衝突時の衝撃力を小さくすることができる。その結果、可動コア36は、保護膜としてのめっきが形成されないように構成することができる。可動コア36にめっきを形成する場合、めっきに割れが生じないように、めっきの耐久性を高める必要がある。しかし、めっきを形成しないことで、めっきの耐久性等に配慮する必要がなくなり、生産性が向上し、低コスト化を実現できる。
可動コア36を囲繞して可動コア36の外周面36cと対向する内周面38aを有する囲繞部材38を備え、囲繞部材38の内周面38aと可動コア36の外周面36cとの間に形成される隙間の断面積(この場合、軸方向CAに垂直な断面積)が、貫通孔36dの内周面と小径部35aの外周面との間に形成される隙間の断面積よりも大きく構成されるようにするとよい。
これにより、可動コア36が往復動する際に、燃料は囲繞部材38の内周面38aと可動コア36の外周面36cとの間に形成される隙間を通って軸方向CAにおける可動コア36の一端側と他端側とを行き来できる。このため、可動コア36に貫通孔36d以外の貫通孔を設けなくても、可動コア36は軸方向CAに往復動することができる。なお本実施例では、囲繞部材38はアウターコアにより構成される。
囲繞部材38の内周面38aは、可動コア36の外周面36cの摺動をガイドするガイド部を構成するようにしてもよい。可動コア36のガイド方法(支持方法)には、可動コア36の内周とロッド35の外周とのクリアランスでガイドする方法と、可動コア36の外周と囲繞部材38の内周とのクリアランスでガイドする方法とがある。囲繞部材38の内周面38aをガイド部とする場合、ガイド部における摺動面積を大きくすることができるので、耐摩耗性において有利である。
貫通孔36dの内周面と小径部35aの外周面との間に形成される隙間の径方向における長さは、囲繞部材38の内周面38aと可動コア36の外周面36cとの間に形成される隙間の径方向における長さよりも小さく構成されるようにしてもよい。この場合、可動コア36の内周とロッド35の外周とのクリアランスで可動コア36をガイドする。これにより、囲繞部材38の内周面38aと可動コア36の外周面36cとの間に形成される隙間の径方向における長さを大きくすることができ、この隙間の断面積を調整することが容易になる。その結果、可動コア36における往復動作の速度調整と、可動コア36と固定コア39との衝突時の衝撃力の調整とを適切に行うことができる。
可動コア36は、環状を成して固定コア39の端面39aと対向する環状端面36aを有し、可動コア36における、環状端面36aが形成される部位と貫通孔36dが形成される部位とは、一部品で構成されるようにするとよい。これにより、部品点数を削減し、コストを削減することができる。
電磁弁機構300は、可動コア36を固定コア39の側に付勢するスプリング(アンカー付勢ばね)41を備えるようにするとよい。これにより、ロッド35のフランジ部35bが可動コア36の凹部35bの底面35b2から離れ難くし、凹部36bの底面部36b2近傍におけるキャビテーション・エロージョンの発生を抑制することができる。
次に、図7A~図7Dを用いて、本実施例との比較例である電磁弁機構300’の課題を説明する。図7A~図7Dでは、ロッド35のフランジ部35bとアンカー36の凹部36bの底面36b2との当接部がキャビテーション・エロージョンに対して厳しい環境となるメカニズムを示す。
図7A~図7Dの比較例では、アンカー(可動コア)36の凹部36bの内周面36b1’が軸方向CAに平行な円筒面で構成されている。内周面36b1’以外の構成は、上述した実施例と同様であり、上述した実施例と同様な構成には上述した実施例と同じ符号を付して説明を省略する。
図7Aは、本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が閉弁した状態にあるときの図である。
電磁弁機構300の閉弁状態においては、ロッド35のフランジ部35bの端面35b1がアンカー36の凹部36bの底面36b2に当接した状態である。
図6Bは、本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が開弁する動作途中の状態にあるときの図である。
電磁弁機構300’が図7Aの状態から開弁動作を開始すると固定コア39からアンカー36が分離するが、図7Bの状態ではアンカー36とロッド35のフランジ部35bとは当接状態を維持している。すなわち図7Bの状態では、ロッド35に係合した吸入弁30がストッパ32に当接していない状態である。
この場合の燃料の流れとしては、アンカー36の径方向外側から固定コア39とアンカー36とシールリング48とに囲まれた燃料室(流体室)へ向かう流れが主流となる。一部の燃料は、アンカー36の径方向外側から吸入弁30へ向かう流れを形成する場合もある。
図7Cは、本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が開弁する動作途中の状態(図6Bから時間が経過した状態)にあるときの図である。
図7Cでは、吸入弁30が全開となり、ストッパ32に当接した状態を示している。この場合、吸入弁30に当接しているロッド35は静止し、アンカー36は慣性力によって吸入弁30の方向へ移動を継続する。そして、アンカー36がロッド35のフランジ部35bから離れる際に、アンカー36とフランジ部35bの当接部周囲の領域(破線で囲む領域)が急激な減圧を生じ、その圧力が飽和蒸気圧以下になるとキャビテーションCavが発生する。
図7Dは、本発明との比較例における電磁弁機構300’について、固定コア39及びアンカー36’及びロッド35の周囲を重点的に示す断面図であり、電磁弁機構300’が開弁する動作途中の状態(図6Cから時間が経過した状態)にあるときの図である。
図7Dでは、アンカー36の移動に伴って流れ出した燃料が他の部品と衝突して反射した圧力波か、或いは、低圧となったことによる燃料の再流入により、キャビテーションCavが発生していた領域(破線で囲む領域)の圧力が回復することにより、キャビテーションCavが崩壊し(Cal)、その衝撃力によりアンカー36が壊食されることとなる。しかしながら、図6に示すような構成でアンカー36の凹部36bの内周面36b1に逆テーパを設けることによって、アンカー36とフランジ部35bとの当接部周囲の体積が図7Aの比較例よりも大きくなるため、アンカー36が可動している間に破線で囲む領域への燃料の供給がし易く、キャビテーションCavの発生を抑制することができる。そのため、キャビテーション崩壊時の衝撃力の低減に寄与することができる。
本実施例では流体として燃料を扱う高圧燃料ポンプについて説明したが、本実施例の電磁弁機構300は燃料以外の流体を扱う流体機械にも適用可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・置換をすることが可能である。
300…電磁弁機構、35…ロッド、35a…ロッド35の小径部、35b…ロッド35のフランジ部、35b3…フランジ部35bの外周面、36…可動コア(アンカー)、36a…可動コア36の端面(環状端面)、36b…可動コア36の端面36aに形成された凹部、36b1…可動コア36の凹部36bの内周面、36b2…凹部36bの底面、36c…可動コア36の外周面、36d…可動コア36の貫通孔、38…囲繞部材(アウターコア)、38a…囲繞部材38の内周面、39…固定コア、39a…固定コア39の端面(環状端面)、41…アンカー付勢ばね、C36…貫通孔36dの内周面と可動コア36の外周面36cとの径方向における中心位置、CA…ロッド35の軸方向、Lc…テーパ面とフランジ部35bの外周面35b3との間に形成される隙間の径方向における最大長さ、Lf…小径部35aの外周面からフランジ部35bの外周面35b3までの径方向長さ、P36b1…テーパ面の最外径部。

Claims (12)

  1. 燃料を加圧室に供給する電磁弁機構を備え、
    前記電磁弁機構は、相互の間に磁気吸引力が作用する固定コア及び可動コアと、前記可動コアを挿通するロッドと、前記可動コアに対して前記ロッドの前記固定コアの側とは反対の端部の側に設けられた吸入ポート及び吸入弁と、を有し
    前記可動コアは、前記固定コアと対向する対向面に形成された凹部と、前記ロッドの軸方向に貫通し前記ロッドが挿通する貫通孔と、を有し、
    前記ロッドは、前記貫通孔に挿入される小径部と、前記小径部より外径が大きく前記軸方向において前記凹部の底面と接触するフランジ部と、を有して前記可動コアと別体に構成された高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアは、前記ロッドの軸方向に貫通する貫通孔として単一の前記貫通孔のみが形成され、且つ保護膜としてのめっきが形成されない構成であり、
    前記可動コアの前記凹部の内周面と前記フランジ部の外周面との間に形成される隙間が前記凹部の開口側から奥側に向かって拡大するように構成された高圧燃料ポンプ
  2. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記フランジ部の外周面は前記ロッドの軸方向と平行に形成され、
    前記可動コアの前記凹部の内周面にはテーパ面が形成され、
    前記テーパ面と前記フランジ部の外周面との間に形成される前記隙間の径方向における最大長さが前記小径部の外周面から前記フランジ部の外周面までの径方向長さよりも小さくなるように構成される高圧燃料ポンプ
  3. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアの前記凹部の内周面にはテーパ面が形成され、
    前記テーパ面の最外径部は、前記貫通孔の内周面と前記可動コアの外周面との径方向における中心位置に対し、径方向内側に位置する高圧燃料ポンプ
  4. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記固定コアは、前記可動コアの側に環状を成して形成される環状端面を有し、
    前記可動コアの前記凹部の内周面にはテーパ面が形成され、
    前記テーパ面の最外径部は、前記固定コアの前記環状端面の内径と外径との間の中心位置に対し、径方向内側に位置する高圧燃料ポンプ
  5. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアの前記凹部の内周面にはテーパ面が形成され、
    前記テーパ面は、前記可動コアの前記凹部の開口側から奥側に向かって内径が拡大するように形成される高圧燃料ポンプ
  6. 請求項5に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記テーパ面は、前記可動コアの前記凹部の開口から奥側に向かって形成される高圧燃料ポンプ
  7. 請求項5に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記テーパ面は、前記可動コアの前記凹部の開口から前記凹部の底面までの全域に亘って形成される高圧燃料ポンプ
  8. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアを囲繞して前記可動コアの外周面と対向する内周面を有する囲繞部材を備え、
    前記囲繞部材の前記内周面と前記可動コアの前記外周面との間に形成される隙間の断面積が、前記貫通孔の内周面と前記小径部の外周面との間に形成される隙間の断面積よりも大きく構成される高圧燃料ポンプ
  9. 請求項に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記囲繞部材の前記内周面は、前記可動コアの外周面の摺動をガイドするガイド部を構成する高圧燃料ポンプ
  10. 請求項に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記貫通孔の内周面と前記小径部の外周面との間に形成される隙間の径方向における長さは、前記囲繞部材の前記内周面と前記可動コアの前記外周面との間に形成される隙間の径方向における長さよりも小さく構成される高圧燃料ポンプ
  11. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアは、環状を成して前記固定コアと対向する環状端面を有し、
    前記可動コアにおける、前記環状端面が形成される部位と前記貫通孔が形成される部位とは、一部品で構成される高圧燃料ポンプ
  12. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
    前記可動コアを前記固定コアの側に付勢するスプリングを備える高圧燃料ポンプ
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