JP6991112B2 - 電磁弁機構及びこれを備えた燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は車両用部品について、電磁弁機構及びこれを備えた燃料ポンプに関する。
本発明の電磁弁機構の従来技術として、特許文献1に記載のものがある。特許文献1の段落0030では、「ガイドピンは、例えばマルテンサイト系のステンレスを焼き入れ処理することで、固定コア、可動コア及び第2スプリングよりも高硬度に形成されている。ガイドピンは、ビッカース硬さがHv400以上である。好ましくは、Hv650以上である。」と記載されている。また、段落0057には「ガイドピンには、軸方向に通じる孔が設けられている。これにより、ガイドピンの圧入時に第1収容室の深部の空気を抜くことができる。したがって、ガイドピンを小径孔の内壁に確実に圧入することができる。 」と記載されている。さらには、同段落には「ガイドピンの基部の外壁と小径孔の内壁との隙間を略0にすることが可能になる。したがって、基部の径外側に位置する小径孔の内壁にエロージョンが生じることを確実に抑制することができる。」とも記載されている。
特開2012-136994号公報
特許文献1では、固定コアの内部円筒空間にばね受けとしてのガイドピンを圧入固定し、当該ばね受けを固定コア、可動コア及び第2スプリングよりも高硬度部材で構成することが記載されており、また、当該ガイドピンの中心には、圧入時にガイドピンと固定コアの間に形成される密閉空間の空気を抜くための貫通孔が形成され、ガイドピン基部の径外側に発生するエロージョンの対策に関しては触れている。しかしながら、その貫通孔の奥端面の固定コアに発生するエロージョンに関しては言及されていない。
近年、燃料の高圧化、大流量化、燃料の多様化、さらには使用環境の複雑化に伴い、貫通孔の奥端面の固定コアにおいて、キャビテーションによるエロージョンが生じ得る虞があることを本発明者らは見出した。そこで本発明では、このような厳しい環境下においても貫通孔の奥端面の固定コアにおいて、キャビテーションによるエロージョンが発生することを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、を備えた電磁弁機構において、前記固定コアの凹み部に配置され、前記固定コアと別部材で構成される固定部材を備え、前記固定コアの前記凹み部の内径部と前記固定部材の外径部とが前記凹み部の底面から離れた位置において接触することで、前記固定部材の軸方向外側端面と前記凹み部の前記底面との間に空間が形成され、前記固定部材には、前記空間と、前記固定部材を間にして前記空間と反対側に形成される空間と、を連通する連通穴が形成された。
本発明によれば、貫通孔の奥端面の固定コアにおいて、キャビテーションによるエロージョンが発生することを抑制する電磁弁機構及びこれを備えた燃料ポンプを提供することが可能となる。
本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において詳細に説明する。
高圧燃料ポンプが適用されたエンジンシステムの構成図を示す。 図1に記載の高圧燃料ポンプの縦断面図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプの上方から見た水平方向断面図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプの図2と別方向から見た縦断面図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプの電磁弁機構の拡大縦断面図であり、電磁弁機構が開弁状態にある状態を示す。 電磁吸入弁機構300の可動コア36が固定コア39の方向(閉弁方向)へ移動する状態を示す。 電磁吸入弁機構300の可動コア36が固定コア39とが当接した状態を示す。 電磁吸入弁機構300の流体の慣性力により凹み部39aの流体が流出を続ける状態を示す。 電磁吸入弁機構300においてエロージョンが発生するメカニズムを説明する図面である。 電磁吸入弁機構300の固定コア39と可動コア36が分離する前の状態を示す。 電磁吸入弁機構300の可動コア36が開弁方向へと移動して固定コア39と分離する状態を示す。 電磁吸入弁機構300においてキャビテーションが発生するメカニズムを説明する図面である。 電磁吸入弁機構300においてエロージョンが発生するメカニズムを説明する図面である。 本開示の実施形態に係る構成を示す電磁弁機構の拡大縦断面図。 図8に示す電磁弁の効果を説明する高硬度部材(ばね支持部)周りの拡大縦断面図。 図8に示す電磁弁の効果を説明する高硬度部材(ばね支持部)周りの拡大縦断面図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。以下、本実施例の電磁弁機構を備えた高圧燃料供給ポンプ(以下、燃料ポンプと呼ぶ)について説明する。
図1に、エンジンシステムの全体構成図を示す。破線で囲まれた部分が燃料ポンプの本体を示し、この破線の中に示されている機構・部品はポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。なお、図1はエンジンシステムの動作を模式的に示す図面であり、詳細な構成は図2以降の燃料ポンプの構成と異なるところがある。図2は本実施例の燃料ポンプの縦断面図を示し、図3は燃料ポンプを上方から見た水平方向断面図である。また図4は燃料ポンプを図2と別方向から見た縦断面図である。図5は電磁弁機構300(電磁吸入弁機構)の拡大図である。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと称す)からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して燃料ポンプの低圧燃料吸入口10aに送られる。
低圧燃料吸入口10aから吸入ジョイント51(図3)を通過した燃料は、圧力脈動低減機構9が配置されるダンパ室(10b、10c)を介して容量可変機構を構成する電磁弁機構300の吸入ポート31bに至る。
電磁弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30により開閉される吸入口を通過し加圧室11に流入する。エンジンのカム93(カム機構)によりプランジャ2に往復運動する動力が与えられる。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30から燃料を吸入し、上昇行程には、燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介し、圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ燃料が圧送される。
そしてECU27からの信号に基づきインジェクタ24がエンジンへ燃料を噴射する。本実施例はインジェクタ24がエンジンのシリンダ筒内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される燃料ポンプである。燃料ポンプは、ECU27から電磁弁機構300への信号により、所望の供給燃料の燃料流量を吐出する。
図2、3に示すように本実施例の燃料ポンプは内燃機関の燃料ポンプ取付け部90に密着して固定される。具体的には図3に示すようにポンプボディ1に設けられた取付けフランジ1aにねじ孔1bが形成されており、これに図示しない複数のボルトが挿入される。これにより取付けフランジ1aが内燃機関の燃料ポンプ取付け部90に密着し、固定される。燃料ポンプ取付け部90とポンプボディ1との間のシールのためにOリング61がポンプボディ1に嵌め込まれ、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
図2、4に示すようにポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドし、ポンプボディ1と共に加圧室11を形成するシリンダ6が取り付けられている。つまり、プランジャ2はシリンダの内部を往復運動することで加圧室の容積を変化させる。また燃料を加圧室11に供給するための電磁弁機構300と加圧室11から吐出通路に燃料を吐出するための吐出弁機構8が設けられている。プランジャ2は大径部2aと小径部2bとから構成され、大径部2aの上端面が加圧室11に面している。
シリンダ6はその外周側においてポンプボディ1に圧入される。ポンプボディ1にはシリンダ6を下側から挿入するための挿入孔が形成され、挿入孔の下端でシリンダ6の固定部6aの下面と接触するように内周側に変形させた内周凸部が形成される。ポンプボディ1の内周凸部の上面がシリンダ6の固定部6aを図中上方向へ押圧し、シリンダ6の上端面で加圧室11にて加圧された燃料が低圧側に漏れないようシールしている。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の図中下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これにより、プランジャ2が摺動したとき、副室7aの燃料をシールし内燃機関内部へ流入するのを防ぐ。同時に内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図3、4に示すように燃料ポンプのポンプボディ1の側面部には吸入ジョイント51が取り付けられている。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する低圧配管に接続されており、燃料はここから燃料ポンプ内部に供給される。吸入フィルタ52は、燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物を燃料の流れによって燃料ポンプ内に吸収することを防ぐ役目がある。
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、図4に示すポンプボディ1に上下方向に連通した低圧燃料吸入通路を通って圧力脈動低減機構9に向かう。圧力脈動低減機構9はダンパカバー14とポンプボディ1の上端面との間のダンパ室(10b、10c)に配置され、ポンプボディ1の上端面に配置された保持部材9aにより下側から支持される。具体的には、圧力脈動低減機構9は2枚の金属ダイアフラムが重ね合わせて構成される金属ダンパである。圧力脈動低減機構9の内部には0.3MPa~0.6MPaのガスが封入され、外周縁部が溶接で固定される。そのために外周縁部は薄く、内周側に向かって厚くなるように構成される。
そして図2に示すように、保持部材9aの上面には圧力脈動低減機構9の外周縁部を下側から固定するための凸部が形成される。一方でダンパカバー14の下面には圧力脈動低減機構9の外周縁部を上側から固定するための凸部が形成される。これらの凸部は円形状に形成されており、これらの凸部により挟まれることで圧力脈動低減機構9が固定される。なお、ダンパカバー14はポンプボディ1の外縁部に対して圧入されて固定されるが、この際に保持部材9aが弾性変形して、圧力脈動低減機構9を支持する。
このようにして圧力脈動低減機構9の上下面には低圧燃料吸入口10a、低圧燃料吸入通路と連通するダンパ室(10b、10c)が形成される。なお、図には表れていないが、保持部材9aには圧力脈動低減機構9の上側と下側とを連通する通路が形成されており、これによりダンパ室(10b、10c)は圧力脈動低減機構9の上下面に形成される。
ダンパ室(10b、10c)を通った燃料は次にポンプボディに上下方向に連通して形成された吸入通路10d(低圧燃料吸入通路)を介して電磁弁機構300の吸入ポート31bに至る。なお、吸入ポート31bは吸入弁シート31aを形成する吸入弁シート部材31に上下方向に連通して形成される。なお、プランジャ2の大径部2aの下端面は副室7a(シール室)に面しており、この大径部2aの下端面が上下に往復運動することにより副室7aの容積が加圧室11の容積とは逆に増減する。ここでダンパ室(10b、10c)と副室7a(シール室)とはポンプボディ1にプランジャ軸方向に形成された連通路1dにより連通されている。
図5に基づいて電磁弁機構300(電磁吸入弁機構)について詳細に説明する。ボビン45には銅線が複数回巻かれたコイル43(電磁コイル)が巻かれている。図2に記載した端子46は二つの接続端子を有し、コイル43の銅線の両端はそれぞれの接続端子と電気的に接続され、通電可能に接続される。端子46はコネクタ47(図2記載)と一体にモールドされ残りの方端がエンジン制御ユニット側と接続可能となっている。
第1ヨーク42はカップ状の金属部材でありコイル43の軸方向内側(図5の右側)とコイルの径方向外側(図5の上側又は下側)に配置される。第2ヨーク44はコイル43の軸方向外側(図5の左側)に配置され、磁気コア39の大径部及びボビン45を軸方向外側から覆うカバー部材として機能する金属部材である。第1ヨーク42及び第2ヨーク44は樹脂部材であるコネクタ47と一体にモールドされ固定される。第1ヨーク42の中心部の孔部には、アウターコア38が圧入され固定される。アウターコア38の圧入部と反対側はポンプボディ1に溶接等により固定されている。
第2ヨーク44の内周部は、固定コア39の小径部の外周部と接触もしくは僅かなクリアランスが形成されるように構成される。また、第2ヨーク44の外周部は、第1ヨーク42の円筒側面部の内周部と接触もしくは僅かなクリアランスが形成されるように構成される。固定コア39の小径部の外周部には固定ピン832が取り付けられ、第2ヨーク44の軸方向外側ヨーク部44aを固定コア39の大径部を軸方向外側から押し当てるように付勢力を発生する。固定ピン832は内周側の角部を固定コア39に食い込ませることで固定してもよく、あるいは溶接等により固定してもよい。
第1ヨーク42、第2ヨーク44は共に、磁気回路を構成するために、また耐食性を考慮し磁性ステンレス材料とする。ボビン45、コネクタ47は強度特性、耐熱特性を考慮し、高強度耐熱樹脂を用いる。
ボビン45及びコイル43の径方向内側において、シールリング48の一端がアウターコア38に溶接固定され、その他端が固定コア39に溶接固定される。シールリング48またはアウターコア38の径方向内側において、可動部であるアンカー36(可動子)及びロッド35が配置される。ロッド35は開弁方向に向かってロッド付勢ばね40により付勢され、アンカー36は逆に閉弁方向に向かってアンカー付勢ばね41により付勢される。ロッド35はロッドガイド37の内周側、及びアンカー36の内周側で軸方向に摺動自在に保持される。
コイル43に電流が流れると磁気吸引力が発生することによりアンカー36が固定コア39の方向へ引き寄せられる。アンカー36は軸方向に貫通する貫通孔36aを1つ以上有することで、燃料中で軸方向に自在に滑らかに動くことができ、これによりアンカー前後の圧力差による動きの制限を排除している。
ロッドガイド37の軸方向内側部は、ポンプボディ1に形成される挿入孔の内周部に挿入され、ロッドガイド37の軸方向端部によりシート部31aが形成される。ロッドガイド37はアウターコア38とポンプボディ1との間に挟み込まれる配置となる。ロッドガイド37にも軸方向に貫通する貫通孔37aが設けられ、アンカーが軸方向に移動したときに、内部燃料の移動を妨げない様に構成している。
固定コア39の径方向内側には軸方向外側に凹む凹み部が形成され、この凹み部にロッド付勢ばね40が配置され、ロッド35のつば部35aを開弁方向に付勢する。ロッド35のつば部35aのロッド付勢ばね40と反対側の端面がアンカー36に係合する。ロッド35の先端部は吸入弁30を吸入弁シート31aから引き離す方向(開弁方向)に付勢する。
アンカー付勢ばね41の一端が、ロッドガイド37の中心側に設けた円筒形の中央軸受部37bに挿入され、他端によりアンカー36を閉弁方向を付勢する。アンカー36の移動量36eは吸入弁30の移動量30eよりも大きく設定されており、吸入弁30が閉弁時に干渉することを防ぐ。
アウターコア38、第1ヨーク42、第2ヨーク44、固定コア39、アンカー36はコイル43の周りで磁気回路を形成し、コイル43に電流を与えると、固定コア39とアンカー36との間に磁気吸引力を発生する。アンカー36と固定コア39は磁気吸引面を形成するため、性能的に磁気特性の良い材料を使うことが望ましい。
シールリング48は、アンカー36と固定コア39との間に磁束を流すために、非磁性材であることが望ましい。また、衝突時の衝撃を吸収するために、薄肉で伸びの大きいステンレス材を使うことが望ましい。具体的にはオーステナイト系ステンレスを使う。
図3に示すように加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと着座、又は離座する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c、吐出弁8bのリフト量を決める吐出弁ストッパ8dから構成される。吐出弁ストッパ8dとポンプボディ1は当接部8eで溶接により接合され燃料と外部を遮断している。
加圧室11と吐出弁室12aに燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなった時に初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧の燃料は吐出弁室12a、燃料吐出通路12b、燃料吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。
吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8dと接触し、リフト量が制限される。これによりリフト量が大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、吐出弁室12aへ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、燃料ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bは吐出弁ストッパ8dの外周面にてガイドされる。
図3に示すリリーフ弁機構200はリリーフボディ201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204、ばねストッパ205からなる。リリーフボディ201には、シート部が設けられている。リリーフ弁202はリリーフばね204の荷重がリリーフ弁ホルダ203を介して負荷され、リリーフボディ201のシート部に押圧され、シート部と協働して燃料を遮断している。リリーフ弁202の開弁圧力はリリーフばね204の荷重によって決定される。ばねストッパ205はリリーフボディ201に圧入固定されており、圧入固定の位置によってリリーフばね204の荷重を調整する。
電磁弁機構300の故障等により、燃料吐出口12の圧力が異常に高圧になり、リリーフ弁機構200のセット圧力より大きくなると異常高圧燃料はリリーフ通路を介して加圧室11にリリーフされる。以上に説明したポンプボディ1、電磁弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、及び吐出弁機構8により加圧室11が構成される。
図5を用いて電磁弁機構300の詳細な動作を説明する。カム93の回転により、プランジャ2がカム93の方向に移動する下降運動をする場合、加圧室11の容積が増加し加圧室11の燃料圧力が低下する。この状態で加圧室11の燃料圧力が吸入ポート31bの圧力よりも低くなると、吸入弁30は開弁状態になる。30eは吸入弁30の最大リフト量(開度)を示し、このとき、吸入弁30はストッパ32に接触する。吸入弁30が開弁することにより、吸入弁シート部材31に形成された開口部31cが開口する。燃料は開口部31cを通り、ポンプボディ1に横方向に形成された孔1cを介して加圧室11に流入する。なお、孔1cも加圧室11の一部を構成する。
プランジャ2が下死点に達して吸入行程を終了すると、上昇運動に転じ上昇行程に移る。ここでコイル43は無通電状態を維持したままであり磁気付勢力は作用しない。ロッド付勢ばね40はロッド35の外径側に凸となるつば部35a(ロッド凸部)を付勢し、無通電状態において吸入弁30を開弁維持するのに必要十分な付勢力を有するよう設定されている。加圧室11の容積は、プランジャ2の上昇運動に伴い減少するが、この状態では、一度、加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁30の開口部31cを通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
この戻し行程においては、プランジャ2の上昇運動に伴い吸入通路10dへと戻された燃料の一部がダンパ室(10b、10c)から連通路1dを流れ、副室7aに流れる。一方で、プランジャ2の下降行程においては、大径部2aの下端面が副室7aに面していることから、副室7aの容積が小さくなるため、逆に副室7aの燃料が連通路1dを介してダンパ室(10b、10c)に押し流される。このようにプランジャ2の大径部2aの上下運動によりダンパ室(10b、10c)と副室7aとの間を燃料が行き来することで、圧力脈動の低減効果が得られる。
戻し行程においてECU27からの制御信号が電磁弁機構300に印加されると、コイル43には端子46を介して電流が流れる。すると固定コア39とアンカー36との間に磁気吸引力が作用し、固定コア39及びアンカー36が磁気吸引面Sで衝突する。磁気吸引力はロッド付勢ばね40の付勢力に打ち勝ってアンカー36を付勢し、アンカー36がつば部35aと係合して、ロッド35を吸入弁30から離れる方向に移動させる。
このとき、吸入弁付勢ばね33による付勢力と燃料が吸入通路10dに流れ込むことによる流体力により吸入弁30が閉弁する。閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料の吐出が行われ、コモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
すなわち、プランジャ2の下始点から上始点までの間の上昇行程は、戻し行程と吐出行程からなる。そして、電磁弁機構300のコイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。
アウターコア38は、アンカー36の外周面が摺動する内周面を有する。なお、シールリング48は、硬度が低い材料(例えば、オーステナイト系ステンレス)で形成されることが望ましい。固定コア39及びアンカー36が磁気吸引面Sで衝突した際にシールリング48が弾性変形することで衝撃荷重を緩和できる。
固定コア39とアウターコア38は、円筒形状のシールリング48へ挿入される挿入部39ins、38insをそれぞれ有する。固定コア39とアウターコア38は、シールリング48に挿入された状態でシールリング48の外周面CSと面一の外周面を有する。これにより、例えば、ボビン45等の他の部品の取り付けが容易となる。
次に、図6、図7を用いて、固定コア凹部がキャビテーション・エロージョンに対して厳しい環境となるメカニズムを示す。
図6(a)~(d)は、固定コア39と可動コア36が当接する際の固定コア36の凹み部近傍の環境変化を示す。まず図6(a)はコイル43が通電されることにより、磁気吸引面Sに磁気吸引力が発生し、可動コア36が固定コア39の方向(閉弁方向)へ移動する状態を示す。可動コア36の移動に伴い排除された流体が可動コア36の連通路36aへと流れる一方で、固定コア39の凹み部39aへも流入していく。その結果、固定コア39の凹み部39aの底面39b(奥端面)の領域Vは、流体の逃げ場がないために高圧となっていく。
次に、図6(b)は吸引された可動コア36が固定コア39と衝突することにより、これらが当接した状態を示す。可動コア36が停止することにより、固定コア39の凹み部39aへと流入する流体の流れも停止するため、高圧となっていた固定コア39の凹み部39aの流体は凹み部39aから可動コア36の連通路36aを通って流出していき、領域Vの圧力は徐々に低下していく。すると図6(c)に示すように、流体の慣性力により凹み部39aの流体が流出を続けることにより、領域Vの圧力は低下を続け、流体の飽和蒸気圧を下回ることにより、キャビテーションが発生する。
これにより図6(d)に示すように、凹み部39aより流出した流体が他の部品と衝突して反射した圧力波か、或いは、凹み部39aが低圧となったことによる凹み部への流体の再流入により、キャビテーションが発生していた領域Vの圧力が回復する。これにより、キャビテーションが崩壊し、その衝撃力により固定コア39の凹み部39aの特に底面39b(奥端面)が壊食する虞があることを本発明者らは鋭意検討の末、見出したものである。
一方で、図7(a)~(d)は、固定コア39と可動コア36が分離する際の固定コア39の凹み部39aの近傍の環境変化を示す。まずは、図7(a)に示すように、分離する前については、凹み部39aの近傍での容積変化はないため、基本的に領域Vでの圧力変動はなく、静圧状態となっている。次に、図7(b)に示すように、可動コア36が開弁方向(図7(b)の右方向)へと移動することにより、固定コア39と分離する。すると、固定コア39と可動コア36間に発生した容積に、連通路36a、又は凹み部39aから流体が流入することにより、結果として凹み部39aの底面39b(奥端面)の領域Vの圧力が低下していく。
さらに、図7(c)に示すように、圧力が低下し続けることにより、領域Vの圧力が飽和蒸気圧を下回ることにより、キャビテーションを発生する。そして、図7(d)に示すように、可動子36が動きを停止したことにより生じた圧力波か、或いは、凹み部39aが低圧となったことによる凹み部39aへの流体の再流入により、キャビテーションが発生していた領域Vの圧力が回復する。これにより、キャビテーションが崩壊し、その衝撃力により固定コア39の凹み部39aの特に底面39b(奥端面)が壊食する虞がある。
以上のメカニズムにより、可動コア36の移動速度が大きいほど、固定コア39の凹み部39aの特に底面39b(奥端面)の領域Vは、キャビテーション・エロージョンに対して厳しい環境下となることが分かる。
昨今の自動車の厳しい環境規制対応による燃料ポンプの高吐出圧化、大流量化に伴い、カム93のリフト量も大きなものが必要となっている。また、前記の通りに可動コア36の移動速度はカム93のリフト量と定性的に相関があるため、燃料ポンプにおいてキャビテーション・エロージョンが発生し易い厳しい環境になっている。したがって燃料ポンプの固定コア39の凹み部39aの底面39b(奥端面)の領域Vにおいてキャビテーション・エロージョンの発生を抑制することが自動車の環境規制に対応するために必須であると言える。
また、飽和蒸気圧が低い燃料はキャビテーションが発生しやすく、エタノール燃料は崩壊した際の壊食力が強い。したがって昨今の燃料の多様化も、燃料ポンプにおいてキャビテーション・エロージョンが発生し易い厳しい環境になっていると言える。
キャビテーション・エロージョンが発生することにより、部品がダメージを受けると、これにより削られた部品が異物となって燃料ポンプの性能不良などの原因となる虞がある。以上の昨今の環境の変化を踏まえ、本実施例では、電磁弁機構の特に固定コア39の凹み部39aの底面39bにおけるキャビテーション・エロージョンが発生する虞を低減可能な電磁弁機構を提供する。
このため図8に示すように、本実施例の電磁弁機構300は、固定コア39と、固定コア39に吸引される可動コア36と、固定コア39の凹み部39aに配置され、固定コア39と別部材で構成される固定部材71と、を備えている。また固定コア39の凹み部39aの内径部39cと固定部材71の外径部71bとが凹み部39aの底面39bから離れた位置において接触することで、固定部材71の軸方向外側端面71cと凹み部39aの底面39bとの間に空間72(液体チャンバー)が形成される。さらに本実施例では、固定部材71には、空間72と、固定部材71を間にして空間72と反対側に形成される空間(75、39a)と、を連通する連通孔74(貫通孔)が形成される。
また電磁弁機構300は固定コア39の内径側に形成された凹み部39aに配置され、可動コア36又はロッド35を付勢するばね(ロッド付勢ばね40)を備える。そして上記した固定部材71は固定コア39の凹み部39aに配置され、ばね(ロッド付勢ばね40)を支持するばね支持部71であることが望ましい。また凹み部39aの内径部39cとばね支持部71の外径部71bとが凹み部39aの底面39bから離れた位置において接触することで、ばね支持部71の軸方向外側端面71cと凹み部39aの底面39bとの間に空間72が形成される。そしてばね支持部71には、空間72と、ばね(ロッド付勢ばね40)が配置されるばね空間(75、39a)と、を連通する連通孔74が形成される。
本実施例ではカップ形状に構成されるばね支持部71が、固定コア39に対して圧入部77によって締結される。つまりばね支持部71は大径部71dと小径部71eとを有し、大径部71dの外径部71bが、固定コア39の凹み部39aの内径部39cに対し圧入されることで、ばね支持部71が固定される。なお、大径部71d及び小径部71eは、軸方向外側に向かって大径部71d、小径部71eの順番に形成される。なお、図8に示すように大径部71dの軸方向の長さが小径部71eの軸方向の長さ以上となるように構成されることが望ましい。これによりばね支持部71を固定するのに必要な圧入長さを維持することが可能である。
そして上記した連通孔74が設けられることにより、ばね支持部71を固定コア39へと圧入締結する際に両者の間の空間72が閉空間とならないようにすることができる。よって、スムーズに圧入をすることが可能であり、生産効率を高くすることが可能となり、生産コストの低下が図れる。
また、本実施例ではばね支持部71には内径側においてばね支持面76より軸方向外側に凹み、連通孔74とばね空間39aとを連通する連通空間75が形成され、図8の軸方向断面において、空間72の面積が連通空間75の面積よりも大きくなるように構成されることが望ましい。また空間72の凹み部(39a、72)の底面39bの軸方向において最も内側に位置する部位と、ばね支持部71の軸方向外側端面71cの軸方向において最も外側に位置する部位と、の間の長さ72aが、連通孔74の直径74aよりも大きくなるよう空間72が形成されることが望ましい。また上記した長さ72aが連通孔74の軸方向長さ74bよりも長いことが望ましい。また連通孔74の軸方向長さ74bが、連通孔74の直径74aよりも大きくなるように形成されることが望ましい。
この連通空間75の効果の詳細に関しては、図10を用いて後述する。ばね支持部71は固定コア39に比べて高硬度な材料で構成されることが望ましく、例えば高硬度なマルテンサイト系ステンレス鋼などを使用すると良い。また固定コア39が、高い磁性を有するフェライト系ステンレス鋼で構成されることが望ましい。なお、この可動コア36と衝突する固定コア39の衝突面Sには衝突による摩耗を抑制するために硬質な表面処理が施されている。固定コア39の衝突面Sにたとえばめっき処理を施すものである。一方でばね支持部71に対しては上記したように高硬度な材料を採用しているため、表面処理が施されないように構成された。
ここで、固定コア39は主成分の鉄(Fe)に、0.010質量%の炭素(C)、0.77質量%のシリコン(Si)、0.29質量%のマンガン(Mn)、0.031質量%のリン(P)、0.02質量%の硫黄(S)、0.10質量%のクロム(Cr)、0.01質量%の銅(Cu)、0.19質量%のニッケル(Ni)、0.27質量%のアルミニウム(Al)、13.99質量%のクロムおよび0.008質量%の窒素(N)を成分として含む材料を使うことが望ましい。これにより上記しためっき処理を容易に行うことができるとともに、ばね支持部71を圧入により固定することが可能であるため、生産効率を向上させることが可能である。
以上の通り、本実施例の燃料ポンプは、加圧室11の体積を増減させるプランジャ2と、加圧室11の吐出側に配置される吐出弁機構8と、を備え、加圧室11の吸入側に配置される吸入弁機構300に以上で説明した電磁弁機構が採用されたものである。
次に、このような構成とした場合の効果について図9、図10を用いて説明する。
図9は、可動コアであるアンカー36が、固定コア39に衝突した際(吸引時)の、ばね支持部71の近傍での燃料の流れを示す。燃料は連通空間75の側から液体チャンバー72の側へと、連通孔74を通って流れていく。このとき、連通孔74の直径を連通空間75の直径よりも小さくすることにより、連通孔74内に圧損を発生させる。これにより、図9に示した通りに連通孔74の出口付近で高速流体が剥離することによりキャビテーションが発生することとなる。
ここで、ばね支持部71が固定コア39の底面39b(奥端面)へと当接する構成であると、この発生したキャビテーションが、ばね支持部71に比べて硬度が低く磁性材で構成される固定コア39の底面39b(奥端面)の付近で発生する。そしてこれにより底面39b(奥端面)のエロージョン発生の原因となっていることを本発明者らは鋭意検討の末、突き詰めた。
そこで本実施例では、上記したように、ばね支持部71と固定コア39の底面39b(奥端面)との間に液体チャンバー72を設ける。これにより、発生したキャビテーションを液中崩壊させる。よって、固定コア39をキャビテーションによるエロージョンから守ることが可能となる。もちろんばね支持部71の近傍でキャビテーションの崩壊は発生するが、ばね支持部71はマルテンサイト系などの高硬度材料で構成するため、エロージョンに至ることはない。
ここで、本構成においてキャビテーションを液中崩壊させるためには、連通孔74と液体チャンバー72の関係が重要である。連通孔74内で高速流となった燃料の剥離によって発生したキャビテーションを、液体チャンバー72内で十分に液中崩壊させるためには、助走区間である連通孔74の軸方向長さより、崩壊区間である液体チャンバー72と奥端面73の軸方向長さのほうが長いことが望ましい。上記したように液体チャンバ―72の体積、軸方向長さを確保することで、発生したキャビテーションが底面39b(奥端面)に到達する前に液中で崩壊させることが可能である。
同様に、連通孔74を細径とすることも有効である。連通孔74を細径とし、大きな圧損を発生させることにより、連通孔74を通過した流体の運動エネルギーを低減することが可能である。これにより、キャビテーションの連通孔74を通過後の到達距離を減らすことが可能である。したがって、連通孔74の軸方向長さ74bは、その直径74aよりも長いことが望ましい。前記の構造とすることにより、組立時にはスムーズに圧入することができる。したがって生産効率を向上しつつ、ポンプ使用時において、キャビテーション・エロージョンの発生を抑制可能な高信頼性、高品質な燃料ポンプを提供できる。
一方で、図10は、可動コアであるアンカー36が、固定コア39から分離する際の、ばね支持部71の近傍での燃料の流れを示している。この場合には、ばね支持部71の連通孔74を流れる燃料の向きは、図9の吸引時とは逆方向となる。よって、ロッド付勢ばね40が配置される空間39aの内部の部品のキャビテーション・エロージョンが懸念される。そこで本実施例では、図8で示したように、ばね支持部71のばね支持面76の内径側に、貫通空間74を設ける。連通孔74の出口より発生したキャビテーションを、貫通空間74内で崩壊させることが可能であり、ロッド付勢ばね40や、固定コア39のロッド付勢ばね40との隙間部78を、厳しいエロージョン環境から守ることが可能である。
すなわち本実施例の構成が、電磁弁の吸引時だけでなく、電磁弁の分離時にも有効であるということを示しており、電磁弁が使用される全環境領域を網羅した、汎用的なエロージョン対策であるということを意味している。
以上、本実施例によれば、燃料ポンプの組立時にはスムーズに圧入可能であり、生産効率を向上しつつ、ポンプ使用時に、高信頼性、高品質な電磁弁と、それを搭載した燃料ポンプを提供可能となる。
以上、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、実施例の他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
なお、本実施例において、磁気コアは比較的硬度の小さいフェライト系磁気ステンレスだけでなく、高硬度を有する、析出硬化系電磁ステンレスや、SUS630(17Cr-4Ni-4CU-Nb)で形成されてもよい。
なお、図8では、連通空間75の軸方向長さが、大径部71eの軸方向長さよりも小さいが、これを逆に連通空間75の軸方向長さを大径部71eの軸方向長さよりも大きくなるように形成しても良い。また図8とは異なり、連通空間75は軸方向において、大径部71eから、小径部71eに亘る範囲で形成されることが望ましい。これにより連通空間75の体積を確保できるため、ばね支持面76においてキャビテーション・エロージョンが発生することを抑制することができる。すなわち、連通空間75においてキャビテーション・エロージョンを発生させることで、電磁吸入弁機構の信頼性を向上させることができる。
1…ポンプボディ
1a…フランジ
1b…孔
1c…孔
2…プランジャ
4…ばね
6…シリンダ
6a…固定部
7…シールホルダ
7a…副室
8…吐出弁機構
8a…吐出弁シート
8b…吐出弁
8c…吐出弁ばね
8d…吐出弁ストッパ
8e…当接部
9…圧力脈動低減機構
9a…保持部材
10a…低圧燃料吸入口
10b、10c…ダンパ室
10d…吸入通路
11…加圧室
12…燃料吐出口
12a…吐出弁室
12b…燃料吐出通路
13…プランジャシール
14…ダンパカバー
15…リテーナ
20…燃料タンク
21…フィードポンプ
23…コモンレール
24…インジェクタ
26…圧力センサ
27…エンジンコントロールユニット
28…吸入配管
30…吸入弁
30e…移動量
31…吸入弁シート部材
31a…吸入弁シート
31b…吸入ポート
31c…開口部
32…ストッパ
33…吸入弁付勢ばね
35…ロッド
35a…つば部
36…アンカー
36a…貫通孔
36e…移動量
37…ロッドガイド
37a…貫通孔
37b…中央軸受部
38…アウターコア
39…固定コア
40…ロッド付勢ばね
41…アンカー付勢ばね
42…第1ヨーク
43…コイル
44…第2ヨーク
45…ボビン
46…端子
47…コネクタ
48…シールリング
51…吸入ジョイント
52…吸入フィルタ
61…Oリング
71…ばね支持部
72…液体チャンバー
73…固定コア奥端面
74…連通孔
75…貫通空間
76…ばね支持面
77…ばね支持部圧入部
78…ばねと隙間を形成する固定コアの内径部
90…燃料ポンプ取付け部
92…タペット
93…カム
200…リリーフ弁機構
201…リリーフボディ
202…リリーフ弁
203…リリーフ弁ホルダ
204…リリーフスプリング
205…ストッパ
300…電磁弁機構
832…固定ピン

Claims (9)

  1. 固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、前記固定コアの内径側に形成された凹み部に配置され、前記可動コア又はロッドを付勢するばねと、を備えた電磁弁機構において、
    前記固定コアの前記凹み部に配置され、前記ばねを支持するばね支持部を備え、
    前記凹み部の内径部と前記ばね支持部の外径部とが前記凹み部の底面から離れた位置において接触することで、前記ばね支持部の軸方向外側端面と前記凹み部の前記底面との間に空間が形成され、
    前記ばね支持部には、前記空間と、前記ばねが配置されるばね空間と、を連通する連通穴が形成され、
    前記ばね支持部には内径側において軸方向外側に凹み、前記連通穴と前記ばね空間とを連通する連通空間が形成され、
    軸方向断面において、前記空間の面積が前記連通空間の面積よりも大きくなるように構成された電磁弁機構。
  2. 請求項1に記載の電磁弁機構において、
    前記空間の前記凹み部の前記底面の軸方向において最も内側に位置する部位と、前記ばね支持部の前記軸方向外側端面の軸方向において最も外側に位置する部位と、の間の長さが、前記連通穴の直径よりも大きくなるよう前記空間が形成された電磁弁機構。
  3. 固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、前記固定コアの内径側に形成された凹み部に配置され、前記可動コア又はロッドを付勢するばねと、を備えた電磁弁機構において、
    前記固定コアの前記凹み部に配置され、前記ばねを支持するばね支持部を備え、
    前記凹み部の内径部と前記ばね支持部の外径部とが前記凹み部の底面から離れた位置において接触することで、前記ばね支持部の軸方向外側端面と前記凹み部の前記底面との間に空間が形成され、
    前記ばね支持部には、前記空間と、前記ばねが配置されるばね空間と、を連通する連通穴が形成され、
    前記ばね支持部は大径部と小径部とを有し、
    前記大径部の前記外径部が、前記固定コアの前記凹み部の前記内径部に対し圧入されることで、前記ばね支持部が固定され、
    前記大径部及び前記小径部は、軸方向外側に向かって前記大径部、前記小径部の順番に形成される電磁弁機構。
  4. 請求項1に記載の電磁弁機構において、
    前記ばね支持部は大径部と小径部とを有し、
    前記連通空間の軸方向長さは、前記大径部の軸方向長さよりも大きくなるように形成される電磁弁機構。
  5. 請求項に記載の電磁弁機構において、
    前記ばね支持部は大径部と小径部とを有し、
    前記連通空間は軸方向において、前記大径部から、前記小径部に亘る範囲で形成される電磁弁機構。
  6. 請求項1に記載の電磁弁機構において、
    前記連通穴の軸方向長さが、前記連通穴の直径よりも大きくなるように形成された電磁弁機構。
  7. 請求項1に記載の電磁弁機構において、
    前記ばね支持部が、前記固定コアに比べて高硬度な材料で構成された電磁弁機構。
  8. 請求項1に記載の電磁弁機構において、
    前記ばね支持部は大径部と小径部とを有し、
    前記大径部の軸方向の長さが前記小径部の軸方向の長さ以上となるように構成された電磁弁機構。
  9. 加圧室の体積を増減させるプランジャと、
    前記加圧室の吐出側に配置される吐出弁機構と、を備えた燃料ポンプにおいて、
    前記加圧室の吸入側に配置される吸入弁機構に請求項1またはに記載の電磁弁機構が採用された燃料ポンプ。
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