JP2019108827A - 電磁吸入弁及びその電磁吸入弁を備えた燃料供給ポンプ - Google Patents

電磁吸入弁及びその電磁吸入弁を備えた燃料供給ポンプ Download PDF

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将通 谷貝
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健一郎 徳尾
幸広 吉成
Yukihiro Yoshinari
幸広 吉成
祐樹 高橋
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祐樹 高橋
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唯一 児玉
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Abstract

【課題】電磁吸入弁内のばね収容室の奥側に発生するキャビテーションエロージョンを抑制した電磁吸入弁を提供することである。【解決手段】電磁吸入弁及びその電磁吸入弁を備えた燃料供給ポンプにおいて、磁気コアと、前記磁気コアの内周側のばね保持部に配置されるばね部と、前記ばね保持部の底面から前記ばね部と反対側に凹んだ前記磁気コアのコア凹み部と、前記ばね保持部の底面に当接して前記コア凹み部の空間をシールするシール部と、を備えた、ことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に燃料を圧送する燃料供給ポンプにおける電磁吸入弁に関する。
自動車の内燃機関の内、燃焼室内部へ直接的に噴射する直接噴射タイプの内燃機関において、燃料を高圧化し所望の燃料流量を吐出する電磁吸入弁を備えた燃料供給ポンプが広く用いられている。
電磁吸入弁は、通電により磁界を発生する磁気コイル、ヨーク、磁気コアである固定コア、可動コア、可動コアを固定コアから引き離す方向に付勢するばね等を有する。コイルに通電されると可動コアが固定コアに吸引され、コイルへの通電が停止されるとばねの付勢力により可動コアが固定コアから離間する。この可動コアの移動により、可動コアと固定コアとの間に設けられた、ばね収容室では圧力変動が発生する。この圧力変動により、ばね収容室においてキャビティの発生と崩壊が繰り返され、内壁にキャビテーションエロージョンが発生する恐れがある。
この対策として、たとえば、ばね収容室の奥部に固定コア及び可動コアよりも高硬度な高硬度部品を設置し、ばね収容室の奥でのキャビティエロージョンを抑制しようとした燃料供給ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−136994号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような燃料供給ポンプにおいては、高硬度部品を固定コアに圧入した場合には、圧入奥側の空気や油等が抜けず、それらの熱膨張により高硬度部品の圧入が抜けてしまう虞がある。また、高硬度部品を固定コアにゆるみばめした場合や、空気抜きを目的とした穴や切欠部を設けて圧入した場合には、隙間や穴、切欠の奥でキャビテーションエロージョンが発生する虞がある。
上記した課題を解決するために本発明は、電磁吸入弁及びその電磁吸入弁を備えた燃料供給ポンプにおいて、磁気コアと、前記磁気コアの内周側のばね保持部に配置されるばね部と、前記ばね保持部の底面から前記ばね部と反対側に凹んだ前記磁気コアのコア凹み部と、前記ばね保持部の底面に当接して前記コア凹み部の空間をシールするシール部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、電磁吸入弁内のばね収容室の奥側に発生するキャビテーションエロージョンを抑制した電磁吸入弁を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の燃料供給ポンプについて、プランジャの中心軸方向に平行な断面を示す断面図である。 実施例1の燃料供給ポンプの上方から見た水平方向の断面図である。 実施例1の電磁吸入弁機構について吸入弁である弁体の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図である。 実施例2の電磁吸入弁機構について吸入弁である弁体の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図である。 燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの一例を示す構成図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明で図面における上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は燃料供給ポンプの実装状態における上下方向を意味するものではない。
(実施例1)
図5は、燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの一例を示す構成図である。破線で囲まれた部分が燃料供給ポンプのポンプボディ1を示し、この破線の中に示されている機構、部品は燃料供給ポンプのポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット(ECU)27からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して燃料供給ポンプの低圧燃料吸入口10Aに送られる。低圧燃料吸入口10Aから吸入ジョイント51を通過した燃料は、圧力脈動低減機構9、吸入通路10Dを介して、容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構300の吸入ポート31Bに至る。なお、吸入ジョイント51と圧力脈動低減機構9との間に、弁を有する圧力脈動伝播防止機構(不図示)を設けてもよい。
電磁吸入弁機構300に流入した燃料は、燃料導入通路30P及び弁体30を通過し、加圧室11に流入する。エンジンのカム93(図1参照)によりプランジャ2に往復運動する動力が与えられる。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には弁体30から燃料を吸入し、上昇行程には、燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介して圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ圧送される。
コモンレール23には、図示しないエンジンのシリンダに直接、燃料を噴射するインジェクタ24(所謂、直噴インジェクタ)、圧力センサ26が装着されている。インジェクタ24は、エンジンのシリンダ(気筒)の数に合わせて装着されており、ECU27の制御信号に従って開閉して、燃料をシリンダ内に噴射する。本実施例の燃料供給ポンプ(燃料供給ポンプ)は、インジェクタ24がエンジンのシリンダ内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される。
インジェクタ24の故障等によりコモンレール23に異常高圧が発生した場合、燃料供給ポンプの燃料吐出口12の圧力と加圧室11の圧力との差圧がリリーフ弁機構200の開弁圧力以上になると、リリーフ弁202が開弁する。この場合、コモンレール23の異常高圧となった燃料がリリーフ弁機構200の内部を通り、リリーフ通路200Aから加圧室11へと戻される。これによりコモンレール23(高圧配管)を保護することが可能となる。なお、リリーフ通路200Aを低圧燃料室10(図1参照)に接続し、異常高圧となった燃料を低圧通路へ戻す方式においても、同様に本発明を適用することが可能である。
図1及び図2を用いて本実施例の燃料供給ポンプについて説明する。図1は、本実施例の燃料供給ポンプについて、プランジャの中心軸方向に平行な断面を示す断面図である。図2は、本実施例の燃料供給ポンプの上方から見た水平方向の断面図である。
なお、図2においては吸入ジョイント51がボディ側面に設けられているが、本発明はこれに限定される訳でなく、吸入ジョイント51がダンパカバー14の上面に設けられた燃料供給ポンプにも適用可能である。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する低圧配管に接続されており、吸入ジョイント51の低圧燃料吸入口10Aから流入した燃料はポンプボディ1の内部に形成された低圧流路を流れる。ポンプボディ1に構成される燃料通路の入口部には、ポンプボディ1に圧入された図示しない吸入フィルタが設けられ、吸入フィルタは燃料タンク20から低圧燃料吸入口10Aまでの間に存在する異物が燃料供給ポンプ内に流入することを防ぐ。
燃料は吸入ジョイント51からプランジャ軸方向上側に流れ、図1に示すダンパ上部10B、ダンパ下部10Cにより形成される低圧燃料室10に流れる。低圧燃料室10はポンプボディ1に取り付けられたダンパカバー14により覆われることで形成される。低圧燃料室10の圧力脈動低減機構9により圧力脈動が低減された燃料は吸入通路10Dを介して電磁吸入弁機構300の吸入ポート31Bに至る。電磁吸入弁機構300はポンプボディ1に形成された横穴に取り付けられ、所望の流量の燃料をポンプボディ1に形成された加圧室入口流路1Aを介して加圧室11に供給する。シリンダヘッド90とポンプボディ1との間のシールのためにOリング61がポンプボディ1に嵌め込まれ、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
図1に示すように、ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドするためのシリンダ6が取り付けられている。シリンダ6はその外周側において、ポンプボディ1に圧入とかしめとにより固定される。シリンダ6の円筒状をなす圧入部の表面により、ポンプボディ1との隙間から加圧した燃料が低圧側に漏れないようシールしている。シリンダ6は、その上端面を軸方向にポンプボディ1の平面に接触させることで、ポンプボディ1とシリンダ6との円筒状の圧入部のシールに加え、二重のシール構造を構成する。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の図中下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これにより、プランジャ2が摺動したとき、副室7Aの燃料をシールし、内燃機関内部へ流入するのを防ぐ。同時にプランジャシール13は、内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図2に示すようにポンプボディ1には電磁吸入弁機構300を取り付ける横孔と、プランジャ軸方向の同じ位置において、吐出弁機構8を取り付ける横穴と、さらにリリーフ弁機構200を取り付ける横穴、及び、吐出ジョイント12Cを取り付ける横穴とが形成される。電磁吸入弁機構300を介して加圧室11で加圧された燃料は吐出弁機構8を介して吐出通路12Bを流れ、吐出ジョイント12Cの燃料吐出口12から吐出される。
加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8A、吐出弁シート8Aと接離する吐出弁8B、吐出弁8Bを吐出弁シート8Aに向かって付勢する吐出弁ばね8C、吐出弁8Bのストローク(移動距離)を決めるストッパである吐出弁ストッパ8Dから構成される。吐出弁ストッパ8Dとポンプボディ1は当接部8Eで溶接により接合され、燃料と外部を遮断している。
加圧室11の燃料圧力と吐出弁室12Aの燃料圧力とに差圧が無い状態においては、吐出弁8Bは吐出弁ばね8Cによる付勢力で吐出弁シート8Aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12Aの燃料圧力よりも大きくなった時に初めて、吐出弁8Bは吐出弁ばね8Cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧の燃料は、吐出弁室12A、吐出通路12B、燃料吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。吐出弁8Bは開弁した際、吐出弁ストッパ8Dと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8Bのストロークは吐出弁ストッパ8Dによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8Bの閉じ遅れにより、吐出弁室12Aへ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、燃料供給ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8Bが開弁及び閉弁動作を繰り返すときに、吐出弁8Bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁ストッパ8Dの外周面にて吐出弁8Bをガイドしている。
以上のように、加圧室11は、ポンプボディ1、電磁吸入弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、吐出弁機構8にて構成される。また図1及び図2に示すように、本実施例の燃料供給ポンプはポンプボディ1に設けられた取付けフランジ1Bを用い内燃機関のシリンダヘッド90の平面に密着し、図示しない複数のボルトで固定される。
リリーフ弁機構200は、シート部材201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204、及びホルダ部材205で構成される。リリーフ弁機構200は、コモンレール23やその先の部材に何らかの問題が生じ、異常に高圧になった場合に作動するよう構成された弁であり、コモンレール23やその先の部材内の圧力が高くなった場合に開弁し、燃料を加圧室11または低圧通路(低圧燃料室10又は吸入通路10D等)に戻すという役割を有する。そのため、所定の圧力以下では閉弁状態を維持する必要があり、高圧に対抗するために非常に強力なリリーフばね204を有している。
低圧燃料室10には燃料供給ポンプ内で発生した圧力脈動が吸入配管28へ波及することを低減させるための圧力脈動低減機構9が設置されている。また、圧力脈動低減機構9の上下にはそれぞれ、間隔を持ってダンパ上部10B、ダンパ下部10Cが設けられている。一度加圧室11に流入した燃料が、容量制御のため再び開弁状態の吸入弁の弁体30を通して吸入通路10Dへと戻される場合、吸入通路10Dへ戻された燃料により低圧燃料室10には圧力脈動が発生する。しかし、低圧燃料室10に設けた圧力脈動低減機構9は、波板状の2枚の円盤型金属板をその外周で張り合わせ、内部にアルゴンのような不活性ガスを注入した金属ダイアフラムダンパで形成されており、圧力脈動はこの金属ダンパが膨張・収縮することで吸収低減される。金属ダンパはダンパカバー14の内周部に取り付け金具9Bで固定される。取り付け金具9Bはダンパカバー14に圧入固定されるが、燃料通路上に設置されるため、ダンパカバー14と取り付け金具9Bとの圧入は全周では無く、金属ダンパの上下に流体が自由に行き来できるようにしている。
プランジャ2は、大径部2Aと小径部2Bを有し、プランジャ2の往復運動によって副室7Aの体積は増減する。副室7Aは燃料通路(不図示)により低圧燃料室10と連通している。プランジャ2の下降時は、副室7Aから低圧燃料室10へ、上昇時は、低圧燃料室10から副室7Aへと燃料の流れが発生する。
このことにより、ポンプの吸入行程もしくは、戻し行程におけるポンプ内外への燃料流量を低減することができ、燃料供給ポンプ内部で発生する圧力脈動を低減する機能を有している。
近年、燃焼効率向上のため、燃料供給ポンプの吐出燃料圧力のさらなる高圧化が求められている。そのため加圧室11ではこれまで以上に燃料を加圧する必要がある。本実施例の図3に示すようなロッド35と弁体30が別体で構成される燃料供給ポンプにおいては、圧縮工程で加圧室11が高圧となることで、自動的に弁体30が弁座部材31に衝突する。今後、さらに高圧化が進むと、弁体30が弁座部材31に衝突する際、あるいは弁体30がストッパ32に衝突する際の衝撃が非常に大きくなることが予想され、衝撃に耐えられるような強度を持つ弁座部材31が求められる。そこで本実施例では、弁座部材31とロッドガイド部37も一体に成形されている。弁体30は平板形状で構成され、平板部30Aと加圧室側に突出するガイド部30Bとを備えて構成されている。
図3を用いて実施例1の電磁吸入弁機構300について説明する。図3は、本実施例の電磁吸入弁機構300について、吸入弁である弁体30の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図であり、弁体30が開弁した状態を示す断面図である。
通電により電磁コイル43が発生した磁束は、固定配置された固定コア39(磁気コア)、第二ヨーク42B、第一ヨーク42A、第三ヨーク42C、及び、可動な可動コア36を磁路として通過する。通電により電磁コイル43が発生した磁束は、磁気吸引面Sで、固定コア39と可動コア36との間に磁気吸引力を生じさせ、可動コア36、ロッド35とこれらに続き配置される弁体30を可動させることにより、燃料を吸入し、加圧室11に送る。
ここで、通電により電磁コイル43が発生した磁束の磁路を構成する部品同士の間においては、固定コア39と可動コア36との間と、摺動面となる可動コア36と第三ヨーク42Cとの間を除いて、エアギャップがないことが望ましい。本実施例では第一ヨーク42Aと第三ヨーク42Cとの間は圧入接触とし、固定コア39と第二ヨーク42Bとの間は突き当て接触で、第二ヨーク42Bとトメワ45との間に保持された皿ばね44のばね力によって、第二ヨーク42Bは固定コア39に押し付けられ密着を保証される。一方、第二ヨーク42Bを固定コア39と密着できるように第二ヨーク42Bと第一ヨーク42Aとの間は挿入となっており、必要最小限のエアギャップを設けている。以上の構造により、電磁吸入弁機構300の磁路中のエアギャップを最小限とし、電磁吸入弁機構300の磁気効率を改善できる。なお、皿ばね44の代わりに、ウェーブワッシャ、板ばね、コイルばね、ゴムなどを圧縮して使用してもよい。
ロッド35を介して可動コア36を開弁方向に付勢するロッド付勢ばね40(ばね部)は、可動コア36と固定コア38の間に設けられた、ばね収容室49(ばね保持部)に収容されている。ばね収容室49の固定コア39の奥側(ロッド35の軸方向において弁体30が設けられた側の逆側)には、ロッド付勢ばね40と固定コア39との間にシール部品48(シール部)が設置されている。シール部品48は大径部48Aと大径部48Aよりも小径である小径部48Bとを有しており、シール部品48の小径部48Bには、大径側に開口し、ロッド付勢ばね40と反対側に凹む小穴48C(シール凹み部)が備えられている。大径部48Aのばね収容室49側の面は、ロッド付勢ばね40の座面となっている。大径部48Aの固定コア39の奥側の面(ばね収容室49側と反対側の面)は、ロッド付勢ばね40によって固定コア39に押し付けられ、キャビテーションが固定コア39のそれより奥に進入することを防ぐ。シール部品48が大径部48Aと小径部48Bとを有することにより、シール部品48が小径穴39Aに収容されたときの小径穴39A内の空きスペースを縮小し、この空きスペース内の油や空気の熱膨張による影響を低減することができる。
固定コア39の奥側には、小径穴39A(コア凹み部)が設けられており、ここにシール部品48の小径部48Bが挿入される。シール部品48が大径部48Aと小径部48Bとを有することにより、シール部品48が小径穴39Aに収容されたときの小径穴39A内の空きスペースを縮小し、この空きスペース内の油や空気の熱膨張による影響を低減することができる。
小径穴39Aの内径はばね収容室49の内径よりも小径であり、これにより、ばね収容室49との間に段差(ばね収容室49の底面)を生じさせることができ、この段差にシール部品48の大径部48Aが当接してシールする。シール部品48の小径部48Bの外径は、ばね収容室49の内径よりも小さく、小径穴39Aの内径よりも小さい。シール部品48の大径部48Aの外径は、ばね収容室49の内径よりも小さく、小径穴39Aの内径よりも大きい。小径部48Bの外周面と固定コア39の小径穴39Aの内周面との間には全領域に亘る隙間(隙間は一様であってもよい)を有し、また、大径部48Aの外周面とばね収容室49の内周面との間には全領域に亘る隙間(隙間は一様であってもよい)を有する。シール部品48は固定コア39に対して押し付けられているだけのため、シート面の奥側となる固定コア39の小径穴39Aに残った空気や油等の熱膨張によって高硬度部材であるシール部品48が押し上げられた場合でも、膨張した空気や油等がばね収容室49側に抜けて小径穴39A内の圧力が低下した後は、ロッド付勢ばね40によって再びシール部品48は固定コア39に押し付けられる。
シール部品48の小径部48Bの内側には、ばね収容室側に開口した小穴48Cが設けられている。この小穴48Cは、大径部48Aと固定コア39の突き当て面よりも深くなっている。これにより、ばね収容室49の最奥部が小穴48Cとなる。ばね収容室49で発生するキャビテーションは、固定コア39側の奥で最も発生するため、高硬度材に囲まれた小穴48C内部をキャビテーション発生部とすることで、耐キャビテーションエロージョン性を向上させることができる。小穴48Cの深さは、深いほど、キャビテーションを小穴48C内に誘導しやすい。小穴48Cの底の形状は、ドリルなどによる加工のし易さから、円錐形状であってもよいし、他の形状であってもよい。
耐キャビテーションエロージョン性が高い材料として、シール部品48には、固定コア39よりも高硬度であるマルテンサイト系の金属等が用いられる。
また、シール部品48を固定コア39と別部品としたことで、固定コア39には磁気特性の良い材料、たとえばフェライト系の析出硬化型金属等を使用することができ、電磁吸入弁機構300の応答性を向上させることができる。
図3に示すいわゆるノーマルオープン式の電磁吸入弁機構300は、無通電状態において、強力なロッド付勢ばね40によって、弁体30が開弁する方向へロッド35を可動させる。ECU27からの制御信号が電磁吸入弁機構300に印加されると、電磁コイル43には端子46を介して電流が流れる。電磁コイル43に電流が流れることにより、固定コア39は磁気吸引力を生じる。
可動コア36の中心には、可動コア36を係止するフランジ部35Aを備えたロッド35が配置される。なお、ロッド35は、フランジ部35Aを有することにより可動コア36を係止することができるため、可動コア36とともに移動することが可能となる。可動コア36の下部(軸方向で弁体30の側)には、閉弁付勢ばね41及び、燃料通路37Aを有するロッドガイド部37が配置される。ロッド35は、このロッドガイド部37の中心に配置される。
電磁コイル43に電流が流れることにより、磁気吸引面Sにおいて固定コア39に磁気吸引力が発生する。可動コア36は、この磁気吸引力により固定コア39側に引き寄せられる。これに伴い、可動コア36を係止しているロッド35も、閉弁方向(図中左側)に引き寄せられる。
なお、ロッド35は、フランジ部35Aの内周部で、可動コア36と接触する位置において、内周側に凹む凹み部35Bを有している。これにより可動コア36がロッド35に接触した際の逃げ部を形成できるため、ロッド35、あるいは可動コア36の互いの衝突による破損を防止できる。さらにロッド35は、弁体30の側の先端部において、先端に向かう程、径が小さくなる傾斜部35Cを有している。
これにより、ロッド35に可動コア36を挿入する際に多少芯がずれていたとしても容易に組み込み可能であり、生産効率を上げることが可能である。なお、ロッド35は旋盤加工により形成されるため、弁体30の側の先端部において、弁体30と反対側に凹む凹み部(不図示)を有している。
ロッド35の下部には、弁体30、吸入弁付勢ばね33、ストッパ32を備える。弁体30は、加圧室11側に突き出し、吸入弁付勢ばね33によりガイドされるガイド部30Bを有する。弁体30は、ロッド35の移動に伴って弁体ストローク30Eの距離だけ移動可能であり、開弁閉弁を制御する。また弁体30の開弁状態で吸入通路10Dから供給された燃料は加圧室11に供給される。ストッパ32は、電磁吸入弁機構300のハウジング内部に圧入され、固定されている。弁体30のガイド部30Bは、このストッパ32に衝突することにより動きを停止する。なお、ロッド35と弁体30は別体で独立した構造をとっている。弁体30は、吸入側に配置された弁座部材31の弁座に接触することで加圧室11への流路を閉じ、また弁座部材31の弁座から離れることで加圧室11への流路を開く。
電磁コイル43に電流が流れることによる固定コア39の磁気吸引力が、ロッド付勢ばね40の付勢力に打ち勝つことで、ロッド35は、弁体30から離れる方向に移動する。これにより、吸入弁付勢ばね33による付勢力と、燃料が吸入通路10Dに流れ込むことによる流体力と、により、弁体30が閉弁する。閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料の吐出が行われ、コモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
プランジャ2の圧縮行程(下始点から上始点までの間の上昇行程)は、戻し行程と吐出行程からなる。そして、電磁吸入弁機構300の電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル43に通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きい。すなわち、吸入通路10Dに戻される燃料が少なく、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、電磁コイル43に通電するタイミングを遅くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が大きく吐出行程の割合が小さい。すなわち、吸入通路10Dに戻される燃料が多く、高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル43への通電タイミングは、ECU27からの信号によって制御される。このように電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、内燃機関が必要とする量を適切に吐出できるよう制御することが出来る。
(実施例2)
図4を用いて実施例2の電磁吸入弁機構300について説明する。図4は、実施例2の電磁吸入弁機構300について、吸入弁である弁体30の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図であり、弁体30が開弁した状態を示す断面図である。上述した実施例1と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、シール部品48(シール部)として平板形状の部品を用いている。シール部品48の厚さは、例えば、1mm以下である。これにより、シール部品48の動きをスムーズにすることができる。シール部品48が平板形状の部品であることで、加工を容易にすることができる。また、シール部品48が平板形状の部品であることで、キャビテーションが発生する箇所を少なくすることができる。シール部品48は固定コア39よりも高硬度である。
小径穴39Aの内径はばね収容室49の内径よりも小径であり、ばね収容室49との間に段差(ばね収容室49の底面)を生じており、この段差にシール部品48の固定コア39奥側の面が当接する。シール部品48の外径は、ばね収容室49の内径よりも小さく、小径穴39Aの内径よりも大きい。シール部品48のばね収容室49側の面は、ロッド付勢ばね40の座面となっている。シール部品48の固定コア39奥側の面は、ロッド付勢ばね40によって固定コア39に押し付けられ、キャビテーションが固定コア39のそれより奥に進入することを防ぐ。シール部品48は固定コア39に対して押し付けられているだけのため、シート面の奥側となる固定コア39の小径穴39Aに残った空気や油等の熱膨張によって高硬度部材が押し上げられた場合でも、膨張した空気や油等がばね収容室49側に抜けて小径穴39A内の圧力が低下した後は、ロッド付勢ばね40によって再びシール部品48は固定コア39に押し付けられる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ポンプボディ、2…プランジャ、6…シリンダ、7…シールホルダ、7A…副室、8…吐出弁機構、9…圧力脈動低減機構、10A…低圧燃料吸入口、10C…ダンパ下部、10D…吸入通路、11…加圧室、12…燃料吐出口、13…プランジャシール、23…コモンレール、27…ECU、30…弁体、31…弁座部材、32…ストッパ、35…ロッド、36…可動コア、37…ロッドガイド部、39…固定コア、40…ロッド付勢ばね、41…閉弁付勢ばね、42A…第一ヨーク、42B…第二ヨーク、42C…第三ヨーク、43…電磁コイル、44…皿ばね、45…トメワ、46…端子、48…シール部品、49…ばね収容室、51…吸入ジョイント、103…ばね、104…ばねストッパ、200…リリーフ弁機構、202…リリーフ弁、203…リリーフ弁ホルダ、204…リリーフばね、205…ホルダ部材、300…電磁吸入弁機構、400…溶接部空間。

Claims (11)

  1. 磁気コアと、
    前記磁気コアの内周側のばね保持部に配置されるばね部と、
    前記ばね保持部の底面から前記ばね部と反対側に凹んだ前記磁気コアのコア凹み部と、
    前記ばね保持部の底面に当接して前記コア凹み部の空間をシールするシール部と、
    を備えることを特徴とする電磁吸入弁。
  2. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部は、前記磁気コアよりも硬度の高い素材である、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  3. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記ばね保持部の内径よりも前記コア凹み部の内径が小さい、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  4. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部は、前記底面と接触する大径部と、前記大径部よりも小径であって前記コア凹み部の内周側に位置する小径部と、を有する、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  5. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記磁気コアは、フェライト系の析出硬化型の金属である、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  6. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部は、マルテンサイト系の金属である、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  7. 請求項4に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部の前記小径部は、内周側に前記ばね部と反対側に凹むシール凹み部を有する、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  8. 請求項4に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部の前記小径部の外周面と前記コア凹み部の内周面との間に全領域に亘る隙間を有する、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  9. 請求項4に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部の前記大径部の外周面と前記ばね保持部の内周面との間に全領域に亘る隙間を有する、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  10. 請求項1に記載の電磁吸入弁において、
    前記シール部は、前記底面と接触する平板形状である、
    ことを特徴とする電磁吸入弁。
  11. 燃料を加圧する加圧室と、
    前記加圧室の吸入側に配置された、請求項1に記載の電磁吸入弁と、
    を備えた、
    ことを特徴とする燃料供給ポンプ。
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