JP7055898B2 - ソレノイド機構及び高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、固定コアと可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるソレノイドを備えたソレノイド機構と、ソレノイド機構を備えた高圧燃料ポンプに関する。
本発明の背景技術として、特開2012-136994号公報(特許文献1)に記載された高圧ポンプ(以下、高圧燃料ポンプという)がある。特許文献1の要約には、以下の構成及び作用効果が記載されている。
「コイル71の径内側に固定コア72が設けられる。固定コア72の吸入弁側に設けられる可動コア73は、吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動する。固定コア72の第1収容室61及び可動コア73の第2収容室62に収容される第2スプリング22は、可動コア73を吸入弁側に付勢する。固定コア72よりも高硬度に形成されたガイドピン80が、第1収容室61の深部で第2スプリング22を係止する。可動コア73の往復移動に起因して第1収容室61の燃料に発生するキャビティの崩壊により第1収容室61の内壁にエロージョンが生じることをガイドピンにより抑制することができる。」
さらに特許文献1の段落0030では、以下の内容が記載されている。
「ガイドピン80は、例えばマルテンサイト系のステンレスを焼き入れ処理することで、固定コア72、可動コア73及び第2スプリング22よりも高硬度に形成されている。
ガイドピン80は、ビッカース硬さがHv400以上である。好ましくは、Hv650以上である。」
また、段落0057には、以下の内容が記載されている。
「ガイドピン80には、軸方向に通じる孔801が設けられている。これにより、ガイドピン80の圧入時に第1収容室61の深部の空気を抜くことができる。したがって、ガイドピン80を小径穴63の内壁に確実に圧入することができる。」及び 「ガイドピン80の基部81の外壁と小径穴63の内壁との隙間を略0にすることが可能になる。したがって、基部81の径外側に位置する小径穴63の内壁にエロージョンが生じることを確実に抑制することができる。」
なお、上記「」内に示した符号は、特許文献1で用いられている符号であり、本明細書及び図面で用いる符号とは関係がない。
特開2012-136994号公報
特許文献1には、固定コアの第1収容室にばね受けとしてのガイドピンを圧入固定し、ばね受けとしてのガイドピンを固定コア、可動コア及び第2スプリングよりも高硬度部材で構成することが記載されている。また、ガイドピンの中心には、圧入時にガイドピンと固定コアとの間に形成される密閉空間の空気を抜くための貫通孔が形成されている。この場合、ガイドピン基部の径外側(径方向外側)に発生するエロージョンの対策に関しては配慮されているものの、ガイドピンに形成された貫通孔の奥側(反可動コア側)の開口に対向する固定コアの底面に発生するエロージョンに関しては、配慮されていない。
本発明の目的は、固定コアに発生するキャビテーションの崩壊によるエロージョンの発生を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明のソレノイド機構は、
固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、通電することで前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるソレノイドと前記固定コアに設けられ前記可動コアの移動により流体が出入りする凹部と、前記凹部に設けられ前記可動コアを付勢する可動コア付勢ばねと、を備えたソレノイド機構において、
前記凹部は、前記可動コア付勢ばねと接触する接触面と、前記接触面よりも前記可動コア付勢ばねの側とは反対側に窪んで弾性部材を収容する弾性部材収容凹部とを有し、
前記弾性部材収容凹部にポアソン比が0.45以上かつ0.55以下の弾性部材を備える。
また上記目的を達成するために、本発明のソレノイド機構は、
固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、通電することで前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるソレノイドと、前記固定コアに設けられ前記可動コアの移動により流体が出入りする凹部と、前記凹部に設けられ前記可動コアを付勢する可動コア付勢ばねと、を備えたソレノイド機構において、
前記凹部は、前記可動コア付勢ばねと接触する接触面と、前記接触面よりも前記可動コア付勢ばねの側とは反対側に窪んで弾性部材を収容する弾性部材収容凹部とを有し、
前記弾性部材収容凹部に弾性部材を備える。
本発明によれば、固定コアに発生するキャビテーションによるエロージョンの発生を抑制することにより、信頼性を向上したソレノイド機構及び高圧燃料ポンプを提供することが可能となる。
本発明のその他の構成、作用及び効果については以下の実施例において詳細に説明する。
高圧燃料ポンプが適用されたエンジンシステムの構成を示す構成図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプについてプランジャの軸方向に平行な垂直断面を示す断面図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプについてプランジャの軸方向に垂直な水平断面を示す断面図である。 図1に記載の高圧燃料ポンプについて図2の垂直断面とは異なる垂直断面を示す断面図である。 図2に記載の高圧燃料ポンプの電磁弁機構の近傍を拡大して示す断面図であり、電磁弁機構が開弁状態にある状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが離れた状態から当接した状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、固定コアと可動コアとが離れた位置にある状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが離れた状態から当接した状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアに当接した瞬間を示す図である。 固定コアと可動コアとが離れた状態から当接した状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアに当接した状態にあり、キャビテーションが発生している状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが離れた状態から当接した状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアに当接した状態にあり、エロージョンが発生する状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが当接した状態から離れた状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、固定コアと可動コアとが当接した位置にある状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが当接した状態から離れた状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアに当接した状態から固定コアから離れた状態に遷移する途中の状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが当接した状態から離れた状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアに当接した状態から固定コアから離れた状態に遷移する途中の状態にあり、キャビテーションが発生している状態を示す図である。 固定コアと可動コアとが当接した状態から離れた状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図であり、可動コアが固定コアから離れた状態に遷移して停止した状態にあり、エロージョンが発生する状態を示す図である。 振動式キャビテーション試験装置の概念図である。 振動式キャビテーション試験装置における試験の試験条件である。 振動式キャビテーション試験装置による試験結果を示す図である。 本発明に係るゴム部材を設けた電磁弁機構の一実施例を示す部分断面図である。 図9の実施例の変更例(第1変更例)を示す部分断面図である。 図9の実施例の変更例(第2変更例)を示す部分断面図である。
以下、本発明の一実施例に係る電磁弁を用いた高圧燃料供給ポンプ(以下、高圧燃料ポンプと呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
図1に、高圧燃料ポンプが適用されたエンジンシステムの構成図を示す。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと称す)からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して高圧燃料ポンプの低圧燃料吸入口10aに送られる。
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、圧力脈動低減機構9が配置されるダンパ室10c及び吸入通路(低圧燃料吸入通路)10dを介して、容量可変機構を構成する電磁弁機構300の吸入ポート31bに至る。電磁弁機構300は電磁吸入弁機構を構成する。
電磁弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30により開閉される吸入口を通過し、加圧室11に流入する。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30から燃料を吸入し、上昇行程には燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8及び燃料吐出口12cを介して、圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ圧送される。
そしてECU27からの信号に基づき、インジェクタ24がエンジンへ燃料を噴射する。本実施形態はインジェクタ24がエンジンのシリンダ筒内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される高圧燃料ポンプである。高圧燃料ポンプは、ECU27から電磁弁機構300への信号により、所望の流量の燃料を吐出する。
図1において、点線はポンプボディ1であり、電磁弁機構300、圧力脈動低減機構9、加圧室11及びプランジャ2等の機構部品はポンプボディ1に組み付けられている。
図2に、図1に記載の高圧燃料ポンプについて、プランジャ2の軸方向に平行な垂直断面を示す。図3に、図1に記載の高圧燃料ポンプについて、プランジャ2の軸方向に垂直な水平断面を示す。図4に、図1に記載の高圧燃料ポンプについて、図2の垂直断面とは異なる垂直断面を示す。
本実施例の高圧燃料ポンプは内燃機関の高圧燃料ポンプ取付け部90に固定される。図2,4に示すように、ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドし、ポンプボディ1と共に加圧室11を形成するシリンダ6が取り付けられている。つまり、プランジャ2はシリンダ6の内部を往復運動することで加圧室11の容積を変化させる。また燃料を加圧室11に供給するための電磁弁機構300と加圧室11から燃料吐出口12に燃料を吐出するための吐出弁機構8が設けられている。
シリンダ6はその外周側においてポンプボディ1に圧入される。ポンプボディ1にはシリンダ6を下側から挿入するための挿入穴が形成されている。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム91の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム91の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の図中下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これにより、プランジャ2が摺動したとき、副室7aの燃料をシールし、燃料が内燃機関内部へ流入するのを防ぐ。同時に、プランジャシール13は、内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図3,4に示すように、ポンプボディ1の側面部には吸入ジョイント51が取り付けられている。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する吸入配管(低圧配管)28に接続され、燃料は吸入ジョイント51から高圧燃料ポンプ内部に供給される。
低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、図4に示すように、ポンプボディ1に上下方向に延設された吸入通路(低圧燃料吸入通路)10bを通って圧力脈動低減機構9に向かう。圧力脈動低減機構9はダンパカバー14とポンプボディ1の上端面との間のダンパ室10c(10c1、10c2)に配置される。具体的には、圧力脈動低減機構9は2枚の金属ダイアフラムが重ね合わせて構成される金属ダンパである。圧力脈動低減機構9の内部には0.3MPa~0.6MPaのガスが封入される。なお、ダンパカバー14はポンプボディ1の外縁部に対して圧入されて固定されている。
ダンパ室10cは圧力脈動低減機構9の上下面に形成される。ダンパ室10cは、吸入通路(低圧燃料吸入通路)10bを介して低圧燃料吸入口10aに連通し、吸入通路(低圧燃料吸入通路)10dを介して電磁弁機構300の吸入ポート31bに連通する。従って、ダンパ室10cを通った燃料は、吸入通路10dを介して電磁弁機構300の吸入ポート31bに至る。なお、吸入ポート31bは、図2に示すように、吸入弁シート31aを形成する吸入弁シート部材31に、径方向に形成されている。
図3に示すように、加圧室11の出口側に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8aと、吐出弁シート8aと離接する吐出弁8bと、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8cと、を備えて構成される。
加圧室11と吐出弁室12aとに燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され、閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなったときに初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧の燃料は吐出弁室12a、燃料吐出通路12b及び燃料吐出口12cを経てコモンレール23へと吐出される。吐出弁室12a、燃料吐出通路12b及び燃料吐出口12cは、加圧室11に対して下流側に配置され、燃料の吐出通路を形成する。
図3に示すリリーフ弁機構200は、リリーフボディ201、リリーフ弁202及びリリーフばね203を備えて構成される。リリーフ弁202の開弁圧力はリリーフばね203のセット荷重によって決定される。
高圧燃料ポンプの電磁弁機構300の故障等により、燃料吐出口12cの圧力が異常に高圧になり、リリーフ弁機構200のセット荷重より大きくなると、異常高圧燃料はリリーフ通路を介して加圧室11にリリーフされる。
加圧室11は、ポンプボディ1、電磁弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、及び吐出弁機構8にて構成される。
図5に基づいて電磁弁機構(電磁吸入弁機構)300について詳細に説明する。図5は、図2に記載の高圧燃料ポンプの電磁弁機構300の近傍を拡大して示す断面図であり、電磁弁機構300が開弁状態にある状態を示す。以下の説明において、電磁弁機構300の中心軸線300xをロッド35の中心軸線35xに設定して説明する。中心軸線300x,35xに沿う方向(以下、軸方向という)は、吸入弁30の開閉弁方向に一致し、さらに可動コア(アンカー)36の移動方向(変位方向)に一致する。
電磁弁機構300は、ボビン45に銅線が複数回巻かれたコイル(電磁コイル)43を備える。二つの端子46(図2参照)のそれぞれの一端部には、コイル43の両端がそれぞれ通電可能に接続されている。端子46はコネクタ47(図2参照)と一体にモールドされ、コネクタ47内部に露出する他端部がエンジン制御ユニット(ECU)側と接続可能となっている。
コイル43の外周を取り囲む部品には、第1ヨーク42、第2ヨーク44、アウターコア38がある。第1ヨーク42及び第2ヨーク44はコイル43を取り囲む形で配置され、樹脂部材であるコネクタ47(図2参照)と一体にモールドされ、固定される。アウターコア38は第1ヨーク42の中心部の穴部42aにより構成される内周面に圧入され、アウターコア38と第1ヨーク42とが固定される。さらにアウターコア38は、ポンプボディ1に溶接等により固定されている。アウターコア38は溶接部Waでポンプボディ1に溶接される。
第2ヨーク44の内径側(内周面)42aは、固定コア39と接触する構成、もしくは僅かなクリアランスで近接する構成とする。また、第2ヨーク44の外径側(外周面)44bは、第1ヨーク42の内周42bと接触する構成、もしくは僅かなクリアランスで近接する構成とする。固定コア39には固定ピン49が固定されており、固定ピン49は第2ヨーク44を固定コア39に押し当てるように付勢力を発生する。固定ピン49は内周側の角部49aを固定コア39に食い込ませて固定してもよいが、溶接等により固定してもよい。
第1ヨーク42及び第2ヨーク44は、磁気回路を構成するために、また耐食性を考慮して、磁性ステンレス材料とする。ボビン45及びコネクタ47は強度特性及び耐熱特性を考慮し、高強度耐熱樹脂を用いる。
コイル43の内周にはシールリング48が設けられ、シールリング48は軸方向の一端部がアウターコア38に溶接固定され、その反対側の端部が固定コア39に溶接固定される。中心軸線300x,35xを中心とする径方向においてシールリング48及びアウターコア38の内周側には、可動部である可動コア36及びロッド35と、固定部であるロッドガイド37と、ロッド付勢ばね40と、可動コア付勢ばね41とが設けられている。ロッド35はロッドガイド37の内周側で軸方向に摺動自在に保持され、且つ、可動コア36を摺動自在に保持する。
可動コア36は、コイル43に電流が流されると、発生する磁気吸引力によって固定コア39の方向へ引き寄せられる。可動コア36は燃料中で軸方向に自在に滑らかに動くために、軸方向に貫通する貫通穴36aを1つ以上有し、可動コア36の移動方向(すなわち軸方向)における前後の圧力差による動きの制限を極力排除している。
ロッドガイド37は、吸入弁シート部材31と一体に形成され、ポンプボディ1の吸入弁30が挿入される穴1eの内周側に挿入される。ロッドガイド37及び吸入弁シート部材31は、ポンプボディ1の挿入穴1e2に溶接固定されるアウターコア38とポンプボディ1との間に挟み込まれる形で固定される。ロッドガイド37にも可動コア36と同様に軸方向に貫通する貫通穴37aが設けられ、可動コア36が軸方向に移動したときに、内部燃料の移動を妨げない様に構成されている。
アウターコア38は、ポンプボディ1に溶接された側とは反対側の端部には、先述の通り、シールリング48が固定され、シールリング48の先には固定コア39が固定される。固定コア39には、可動コア36側の端面から軸方向に窪んだ凹部39aが形成されている。凹部39aは、軸方向に垂直な断面が円形であり、円周面で構成される側面39a1と底面39a2とを有する。固定コア39の内周側(すなわち凹部39a)には、ロッド付勢ばね40がロッド35の細径部35bをガイドにして配置され、ロッド35を図右方向(吸入弁30方向)に付勢する。ロッド35は、つば部35aを介して、可動コア36に係合する。また、同時にロッド35は先端にて吸入弁30と係合し、吸入弁30を吸入弁シート31aから引き離す方向、すなわち吸入弁30の開弁方向に、吸入弁30を付勢する。
可動コア付勢ばね41は、ロッドガイド37の中心側に設けた円筒形の中央軸受部37bに一端部を挿入し、ロッドガイド37と同軸を保ちながら、可動コア36につば部35a方向(図中左方向)の付勢力を与える。可動コア36の移動量36eは吸入弁30の移動量30eよりも大きく設定されており、閉弁時に吸入弁30がロッド35から干渉を受けることなく吸入弁シート31aに着座できるようにしている。
アウターコア38、第1ヨーク42、第2ヨーク44、固定コア39、及び可動コア36はコイル43の周りで磁気回路を形成し、コイル43に電流を与えると、固定コア39の磁気吸引面S39と可動コア36の磁気吸引面S36との間に磁気吸引力が発生する。可動コア36と固定コア39とは磁気吸引面S36,S39を形成するため、性能的に磁気特性の良い材料を使うことが望ましい。
シールリング48は、可動コア36の磁気吸引面S36と固定コア39の磁気吸引面S39との間に磁束を流すために、非磁性材であることが望ましい。また、衝突時の衝撃を吸収するために、薄肉で伸びの大きいステンレス材を使うことが望ましい。具体的にはオーステナイト系ステンレスを使う。
図5を用いて電磁弁機構300の詳細な動作を説明する。
カム91の回転により、プランジャ2がカム91の方向に移動して吸入行程にあるときは、加圧室11の容積は増加して加圧室11内の燃料圧力が低下する。この行程で加圧室11内の燃料圧力が吸入ポート31bの圧力よりも低くなると、吸入弁30は開弁状態になる。30eは吸入弁30の最大開度を示しており、このとき、吸入弁30はストッパ32に接触する。吸入弁30が開弁することにより、吸入弁シート31aと吸入弁30との間に開口部(燃料通路)31cが開口する。このとき燃料は、開口部31cを通り、ポンプボディ1に横方向(加圧室11の径方向)に形成された穴1cを介して、加圧室11に流入する。なお、穴1cも加圧室11の一部を構成する。
プランジャ2が吸入行程を終了した後、プランジャ2が上昇運動に転じ上昇行程に移る。ここでコイル43は無通電状態を維持したままであり、可動コア36に磁気付勢力は作用しない。ロッド付勢ばね40は、ロッド35の径方向外側に凸となるつば部(拡径部)35aを付勢し、無通電状態において吸入弁30を開弁維持するのに必要十分な付勢力を有するよう設定されている。加圧室11の容積は、プランジャ2の上昇運動に伴い減少するが、この状態では、加圧室11に吸入された燃料が開弁状態の開口部31cを通して吸入通路10dへ戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
この状態で、ECU27からの制御信号が電磁弁機構300に印加されると、コイル43には端子46を介して電流が流れる。固定コア39と可動コア36との間に磁気吸引力が作用し、固定コア39及び可動コア36が磁気吸引面S39,S36で衝突する。磁気吸引力はロッド付勢ばね40の付勢力に打ち勝って可動コア36を固定コア39側に付勢し、可動コア36がつば部35aと係合して、ロッド35を吸入弁30から離れる方向に移動させる。
このとき、吸入弁付勢ばね33による付勢力と燃料が吸入通路10dに流れ込むことによる流体力とにより、吸入弁30が閉弁する。閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12cの圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料の吐出が行われ、コモンレール23に燃料が供給される。この行程を吐出行程と称する。
すなわち、プランジャ2の下死点から上死点までの間の上昇行程は、戻し行程及び吐出行程からなる。そして、電磁弁機構300のコイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。コイル43に通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中における戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が少なくなり、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、通電するタイミングを遅くすれば、圧縮行程中における戻し行程の割合が大きく、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が多くなり、高圧吐出される燃料は少なくなる。コイル43への通電タイミングは、ECU27からの指令によって制御される。以上のようにコイル43への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る。
アウターコア38は、可動コア36の外周面が摺動する内周面を有する。なお、シールリング48は、硬度が低い材料(例えば、オーステナイト系ステンレス)で形成される。
これにより、後述するように衝撃荷重を緩和することができる。
次に、固定コア39及び可動コア36による磁気吸引面S39,S36での衝突について詳細に説明する。
固定コア39に可動コア36が衝突した直後に、接触部位の近傍に衝突応力が発生する。衝突応力の発生期間中にシールリング48が弾性変形することによって、固定コア39、第1ヨーク42、第2ヨーク44、及び固定ピン832が衝撃力を受ける方向(図5中、左方向)に移動し、固定コア39及び可動コア36に発生する衝撃荷重を緩和する。
シールリング48は薄肉で大規模変形が可能であること、すなわち伸び率が大きいことが重要である。ここで、シールリング48は、固定コア39及び可動コア36よりも伸び率が大きい。シールリング48は、例えば、35%以上の伸び率を有する。また、シールリング48は、非磁性(非磁性体)であることが必要であり、その材料として具体的にはオーステナイト系ステンレスが望ましい。一般的にオーステナイト系ステンレスは非磁性で、伸び率35~45%以上を確保できる。
なお、シールリング48は円筒形状である。固定コア39及びアウターコア38は、シールリング48へ挿入される挿入部39ins、38insをそれぞれ有する。固定コア39及びアウターコア38は、シールリング48に挿入された状態で、シールリング48の外周面CSと面一(同一径)の外周面を有する。これにより、例えば、ボビン45等の他の部品の取り付けが容易となる。
次に、図6A~6D及び図7A~7Dを用いて、固定コア39の凹部39aがキャビテーション・エロージョンに対して厳しい環境となるメカニズムを説明する。
図6A~6Dは、固定コア39と可動コア36とが離れた状態から当接した状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図である。図6Aは、固定コア39と可動コア36とが離れた位置にある状態を示す。図6Bは、可動コア36が固定コア39に当接した瞬間を示す。図6Cは、可動コア36が固定コア39に当接した状態にあり、キャビテーションが発生している状態を示す。図6Dは、可動コア36が固定コア39に当接した状態にあり、エロージョンが発生する状態を示す。
図6Aに示すように、コイル43が通電されることにより、固定コア39の磁気吸引面S39と可動コア36の磁気吸引面S36との間には磁気吸引力が発生し、可動コア36は固定コア39方向へと移動する(図の左方向)。その移動に伴い排除された流体(燃料)は、F1で示すように、可動コア36の貫通穴(連通路)36aへと流れる一方で、固定コア39の凹部39aへも流入していく。その結果、固定コア39の凹部奥端面(底面)39a2近傍の領域Vは、流体の逃げ場がないために高圧となっていく。
次に、図6Bに示すように、固定コア39側に吸引された可動コア36は固定コア39と衝突することにより、固定コア39に当接した状態となる。可動コア36が停止することにより、固定コア39の凹部39aへと流入する流体の流れも停止するため、高圧となっていた凹部39aの流体は、F2で示すように、凹部39aから可動コア36の貫通穴36aを通って流出していき、領域Vの圧力は徐々に低下していく。
さらに、図6Cに示すように、流体の慣性力により凹部39aの流体F3が流出を続けることにより、領域Vの圧力は低下を続け、流体の飽和蒸気圧を下回ることにより、キャビテーションCavが発生する。
最後に、図6Dに示すように、凹部39aより流出した流体が他の部品と衝突して反射した圧力波か、或いは、凹部39aが低圧となったことによる凹部39aへの流体F4の再流入により、領域Vの圧力が回復することにより、キャビテーションCavが崩壊し、その衝撃力により固定コア39が壊食され、エロージョンが発生することとなる。
図7A~7Dは、固定コア39と可動コア36とが当接した状態から離れた状態に遷移する際のキャビテーション及びエロージョンの発生過程を説明する図である。図7Aは、固定コア39と可動コア36とが当接した位置にある状態を示す。図7Bは、可動コア36が固定コア39に当接した状態から固定コア39から離れた状態に遷移する途中の状態を示す。図7Cは、可動コア36が固定コア39に当接した状態から固定コア39から離れた状態に遷移する途中の状態にあり、キャビテーションが発生している状態を示す。図7Dは、可動コア36が固定コア39から離れた状態に遷移して停止した状態にあり、エロージョンが発生する状態を示す。
図7Aに示すように、固定コア39と可動コア36とが分離する前については、凹部39aの近傍での容積変化はないため、基本的に領域Vでの圧力変動はなく、静圧状態となっている。次に、図7Bに示すように、可動コア36が図の右方向へと移動することにより、固定コア39と分離し、固定コア39と可動コア36との間に発生した容積に、貫通穴36a及び凹部39aから流体F5が流入することにより、結果として領域Vの圧力が低下していく。さらに、図7Cに示すように凹部39aから流体F6が流出し続けることにより、領域Vの圧力は低下し続ける。その結果、領域Vの圧力は飽和蒸気圧を下回り、キャビテーションCavが発生する。最後に、図7Dに示すように、可動子36が動きを停止したことにより生じた圧力波か、或いは、凹部39aが低圧となったことによる凹部39aへの流体F7の再流入により、キャビテーションCavが発生していた領域Vの圧力が回復することにより、キャビテーションCavが崩壊し、その衝撃力により固定コア39が壊食され、エロージョンが発生することとなる。
以上のメカニズムにより、可動コア36の移動速度が大きいほど、固定コア39の凹部39a内の領域Vは、キャビテーション・エロージョンに対して厳しい環境下となることが分かる。
昨今の自動車の厳しい環境規制対応による高圧燃料ポンプの吐出圧力の高圧化及び大流量化に伴い、カム91によるプランジャ2のリフト量も大きくなる傾向にある。また、可動コア36の移動速度はカム91のリフト量と定性的に相関がある。このため、環境規制に対応するためには、固定コア39の凹部39a内の領域Vにおけるキャビテーション・エロージョンに対する強靭性を向上することは必須であると言える。
また、飽和蒸気圧が低い燃料はキャビテーションが発生しやすく、エタノール燃料は崩壊した際の壊食力が強くなる。このため、昨今の燃料種類の多様化は、キャビテーション・エロージョンに対する強靭性の向上を必要としている。
高圧燃料ポンプにおいては、キャビテーション・エロージョンによって部品がダメージを受けると、最悪の場合、部品に穴が開き、燃料漏れに至る可能性がある。また、燃料漏れには至らないとしても、削られた部品が異物となって高圧燃料ポンプの動作不良、さらには下流側に配置されたインジェクタの動作不良などの原因となる可能性もある。
高圧燃料ポンプの電磁弁機構に限らず高圧流体を扱う電磁弁機構では、キャビテーション・エロージョンに対する強靭性の向上に対するニーズが高まってきているものと考えられる。
次に、図8A~8Cを用いて、ゴム材の耐エロージョン性について説明する。図8Aは振動式キャビテーション試験装置の概念図を示す。図8Bは振動式キャビテーション試験装置における試験の試験条件を示す。図8Cは振動式キャビテーション試験装置による試験結果を示す。
振動式キャビテーション試験装置は、ホーン100を縦に振動させて圧力変動を起こすことでキャビテーションを発生させ、ホーン先端101に対向する試験片102のキャビテーションによるエロージョンの進行具合を確認する仕組みとなっている。試験条件は図8Bに示す通りである。試験結果は図8Cに示す通りであり、横軸は硬さ(ビッカース硬度)、縦軸はエロージョンが発生するまでの潜伏期間である。
図8Cでは、硬さがHv400以上の材質において、潜伏期間が40~60分程度であるのに対し、ゴム材の潜伏期間は120分以上であり、耐エロージョン性に優れていることが確認できた。なお、ゴム材はビッカース硬度で表すことができないため、図8Cにはゴム材の潜伏期間をプロットしていない。
本実施例においては、図9に示すように、ゴム部材71を備えることにより、耐エロージョン性を向上する。図9は、本発明に係るゴム部材71を設けた電磁弁機構300の一実施例の部分断面を示す。
本実施例では、凹部39aの底面39a2に、凹部39aの開口側に対して反対側に窪んだ凹部77を設ける。凹部77の底面39a2に開口する開口面は円形である。この開口面の直径は、凹部39aの側面39a1の直径よりも小さい。側面39a1の底面39a2側の端部には、凹部39aの開口側に対して直径が絞られた縮径部78が形成されているが、凹部77の開口面の直径は、縮径部78の直径、すなわち底面39a2の直径よりも小さい。なお、凹部77の開口面、縮径部78及び側面39a1はそれぞれの中心が中心軸線300x,35x上に位置し、同軸上に配置されている。
凹部77の開口面の直径と凹部39aの底面39a2の直径との差分(径差)により形成される底面39a2部分は、前記可動コア付勢ばね41が接触する接触面(ばね座)を構成する。
凹部77の底面77bは半球状に形成されており、凹部77にゴム部材(弾性部材)71が充填されている。ゴム部材71は凹部77の中で平坦面71aを形成している。本実施例では、ゴム部材71は凹部77に圧入された状態であり、凹部77の表面に対するゴム部材71の密着力により、ゴム部材71の凹部77からの脱落が防止される。
凹部77は、ゴム部材(弾性部材)71を収容する弾性部材収容凹部を構成する。
ゴム部材(弾性部材)71は、弾性部材収容凹部77の径方向全領域に配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の径方向全領域において、キャビテーション・エロージョンを抑制することができる。
さらにゴム部材(弾性部材)71は、弾性部材収容凹部77の軸方向(中心軸線300x,35xに沿う方向)において弾性部材収容凹部77の開口面との間に軸方向の隙間79を有するように配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の内部にキャビテーションを閉じ込め、キャビテーション崩壊による衝撃波をゴム部材(弾性部材)71により確実に緩衝することが可能である。
本実施例では、凹部39aの底面39a2に凹部77が形成されていることにより、キャビテーションは凹部77の内側に発生する。しかも、キャビテーションは凹部77の中でゴム部材71の平坦面71aの近傍に発生する。このため本実施例では、ゴム部材71がエロージョンの発生を抑制し、耐エロージョン性を向上することができる。
ゴム部材71を平坦面71aとした場合、平坦面71aの外周部において、キャビテーション・エロージョンが発生する可能性がある。キャビテーションは凹部77のより奥側に発生する。このため、ゴム部材71の平坦面71aを点線71a’で示すような凹面に形成するとよい。
すなわち、ゴム部材(弾性部材)71は、凹部(弾性部材収容凹部)77の開口面に対向する端面が開口面の側とは反対側に窪んだ凹面71a’で構成されるようにする。これにより、キャビテーションは凹面71a’の中央部で発生するようになり、凹面71a’の外周部におけるキャビテーション・エロージョンの発生を抑制することができる。
本実施例では、凹部39aの底面39a2部にゴム部材71を配置することで、固定コア39の凹部39aの奥側に発生するキャビテーションによるエロージョンを抑制することができる。すなわち、固定コア39で発生するキャビテーション崩壊による衝撃波をゴム部材71で緩衝することが可能である。
本実施例の変更例(第1変更例)について、図10を用いて説明する。図10は、図9の実施例の変更例(第1変更例)の部分断面を示す。上述した実施例と同様な構成には上述した実施例と同じ符号を付し、説明を省略する。
本変更例では、凹部77が円柱形状をなしており、凹部77は円周面をなす側面77aと平坦な底面77bとで構成される。凹部77の底面(奥端面)77b付近にボール形状のゴム部材(弾性部材)72を配置する。ゴム部材72を凹部77の内側に保持するために、凹部77の開口部に蓋部材74を設ける。蓋部材74は可動コア付勢ばね40を支持するばね支持部(ばね座)76を構成する。
蓋部材74は径方向中央部に開口を有する環状部材により構成される。すなわち、凹部(弾性部材収容凹部)77の可動コア付勢ばね40との接触面39a2に径方向中央部に開口74aを有して弾性部材収容凹部77を覆う蓋部材74が配置される。蓋部材74は固定コア39よりも高硬度材、例えばマルテンサイト系ステンレス材などを使用することが望ましい。
本変更例においても、凹部77は、ゴム部材(弾性部材)71を収容する弾性部材収容凹部を構成する。
ゴム部材(弾性部材)72は、弾性部材収容凹部77の径方向全領域に配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の径方向全領域において、キャビテーション・エロージョンを抑制することができる。
さらにゴム部材(弾性部材)72は、弾性部材収容凹部77の軸方向(中心軸線300x,35xに沿う方向)において弾性部材収容凹部77の開口面との間に隙間を有するように配置される。特に本変更例(第2変更例も同様)では、蓋部材74は、ゴム部材(弾性部材)72との間に、軸方向の隙間が形成されるように配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の内部にキャビテーションを閉じ込め、キャビテーション崩壊による衝撃波をゴム部材(弾性部材)72により確実に緩衝することが可能である。
さらに本変更例では、蓋部材74の開口径74aが凹部77の開口径よりも小さい。このため、キャビテーションの発生を凹部77の内側に限定する効果が高まり、凹部77の外側でのキャビテーションによるエロージョンの発生を抑制する効果が高まる。
本変更例では、凹部77の開口面に対向するゴム部材72の半球面72aがキャビテーション崩壊による衝撃波を緩衝する。この場合、ゴム部材72の外周部72bが凹部77の側面77aに接触しているが、外周部72bによる側面77aに対する密着力は小さく、外周部72bによる密着力だけでゴム部材72を凹部77の内側に保持できない場合がある。そこで、凹部77の開口部に蓋部材74を設け、蓋部材74によりゴム部材72の凹部77からの脱落を防止する。
本実施例の変更例(第2変更例)について、図11を用いて説明する。図11は、図9の実施例の変更例(第2変更例)の部分断面を示す。上述した実施例及び第1変更例と同様な構成には上述した実施例及び第1変更例と同じ符号を付し、説明を省略する。
本変更例では、第1変更例と同様な凹部77に円柱ゴム部材(円柱形状の弾性部材)75を配置している。本変更例でも凹部77の開口部に蓋部材74を設け、蓋部材74により円柱ゴム部材75の凹部77からの脱落を防止する。本変更例では、上述した実施例及び第1変更例と同様に、固定コア39で発生するキャビテーション崩壊による衝撃波を円柱ゴム部材75により緩衝することが可能である。
本変更例においても、凹部77は、円柱ゴム部材(弾性部材)75を収容する弾性部材収容凹部を構成する。
円柱ゴム部材(弾性部材)75は、弾性部材収容凹部77の径方向全領域に配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の径方向全領域において、キャビテーション・エロージョンを抑制することができる。
さらに円柱ゴム部材(弾性部材)75は、弾性部材収容凹部77の軸方向(中心軸線300x,35xに沿う方向)において弾性部材収容凹部77の開口面との間に隙間を有するように配置される。これにより、弾性部材収容凹部77の内部にキャビテーションを閉じ込め、キャビテーション崩壊による衝撃波を円柱ゴム部材(弾性部材)75により確実に緩衝することが可能である。
本変更例において、円柱ゴム部材75の蓋部材74側の端面を上述した実施例の凹面71a’と同様な凹面に形成してもよい。また、円柱ゴム部材75は凹部77に圧入してもよい。
また上述した実施例において、凹部77の開口部に第1変更例及び第2変更例で説明した蓋部材74を設けてもよい。
上述した実施例及び変更例において、ゴム部材71,72及び円柱ゴム部材75はゴム部材として説明したが、キャビテーション崩壊による衝撃波を緩衝できる弾性部材であればよく、この弾性部材はポアソン比が0.45以上かつ0.55以下の部材であればよい。すなわち本発明に係るソレノイド機構は、固定コア39と、固定コア39に吸引される可動コア36と、通電することで固定コア39と可動コア36との間に磁気吸引力を発生させるソレノイド43とを備えたソレノイド機構において、固定コア39は、流体が充満され、可動コア36の移動により流体が出入りする凹部39aを備え、凹部39aにポアソン比が0.45以上かつ0.55以下の弾性部材71,72,75を備えるように構成される。さらに、凹部39aに可動コア36を付勢する可動コア付勢ばね40を備え、凹部39aは可動コア付勢ばね40と接触する接触面39a2と、接触面39a2よりも可動コア付勢ばね40の側とは反対側に窪んで弾性部材71,72,75を収容する弾性部材収容凹部77とを有するようにするとよい。
以上、本発明に係る実施例及びその変更例によれば、高圧燃料ポンプの組立時にはゴム部材を凹部77にスムーズに圧入、挿入または充填することができる高い生技性を確保しつつ、実際の使用時には、高信頼性および高品質性を確保した電磁弁機構と、それを搭載した高圧燃料ポンプを提供することが可能となる。このために高圧燃料ポンプは、加圧室11の吸入側に配置される電磁弁機構300と、加圧室11の吐出側に配置される吐出弁機構8と、を備えた高圧燃料ポンプにおいて、電磁弁機構300が図9~図11に記載のソレノイド機構を備えるとよい。
以上、本発明は上記した実施例及び変更例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例及び変更例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部に各変更例の構成の一部を組み合わせて適用することができる。また、実施例及び変更例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
8…吐出弁機構、11…加圧室、36…可動コア、39…固定コア、39a…凹部、39a2…接触面、40…可動コア付勢ばね、43…コイル(ソレノイド)、71,72,75…弾性部材(ゴム部材、円柱ゴム部材)、71a’…凹面、74…蓋部材、77…弾性部材収容凹部、79…軸方向隙間、300…電磁弁機構。

Claims (10)

  1. 固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、通電することで前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるソレノイドと前記固定コアに設けられ前記可動コアの移動により流体が出入りする凹部と、前記凹部に設けられ前記可動コアを付勢する可動コア付勢ばねと、を備えたソレノイド機構において、
    前記凹部は、前記可動コア付勢ばねと接触する接触面と、前記接触面よりも前記可動コア付勢ばねの側とは反対側に窪んで弾性部材を収容する弾性部材収容凹部とを有し、
    前記弾性部材収容凹部にポアソン比が0.45以上かつ0.55以下の弾性部材を備えたことを特徴とするソレノイド機構。
  2. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材は、前記弾性部材収容凹部の径方向全領域に配置されることを特徴とするソレノイド機構。
  3. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材は、前記弾性部材収容凹部の軸方向において前記弾性部材収容凹部の開口面との間に隙間を有するように配置されることを特徴とするソレノイド機構。
  4. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材は、ボール形状に構成されることを特徴とするソレノイド機構。
  5. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材は、円柱形状に構成されることを特徴とするソレノイド機構。
  6. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材収容凹部の前記可動コア付勢ばねとの前記接触面に径方向中央部に開口を有して前記弾性部材収容凹部を覆う蓋部材が配置されることを特徴とするソレノイド機構。
  7. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記蓋部材は、前記弾性部材との間に、軸方向の隙間が形成されるように配置されることを特徴とするソレノイド機構。
  8. 請求項に記載のソレノイド機構において、
    前記弾性部材は、前記弾性部材収容凹部の開口面に対向する端面が前記開口面の側とは反対側に窪んだ凹面で構成されることを特徴とするソレノイド機構。
  9. 加圧室の吸入側に配置される電磁弁機構と、前記加圧室の吐出側に配置される吐出弁機構と、を備えた高圧燃料ポンプにおいて、
    前記電磁弁機構が請求項1に記載のソレノイド機構を備えることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  10. 固定コアと、前記固定コアに吸引される可動コアと、通電することで前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生させるソレノイドと前記固定コアに設けられ前記可動コアの移動により流体が出入りする凹部と、前記凹部に設けられ前記可動コアを付勢する可動コア付勢ばねと、を備えたソレノイド機構において、
    前記凹部は、前記可動コア付勢ばねと接触する接触面と、前記接触面よりも前記可動コア付勢ばねの側とは反対側に窪んで弾性部材を収容する弾性部材収容凹部とを有し、
    前記弾性部材収容凹部に弾性部材を備えたことを特徴とするソレノイド機構。
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