以下、本開示のレーザ加工装置について、具体化した実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下の説明に用いる各図面では、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。尚、以下の説明において、前後方向、上下方向、及び左右方向は、各図面に示された通りである。
図1に表されたように、本実施形態のレーザ加工装置1は、ベース10を備えている。ベース10上には、レーザ発振ユニット12、内カバー14、ブラケット16に固定された不図示のメイン基板、ガルバノ基板18、フレーム20、リア基板22、及び電源供給ユニット(以下、「PSU」という。)24等が設けられている。
レーザ発振ユニット12、上記メイン基板、ガルバノ基板18、フレーム20、リア基板22、及びPSU24等は、六角穴付ネジ26又は取付ネジ28等によって、ベース10上で組み付けられている。
上記メイン基板及びリア基板22は、レーザ加工装置1を制御するための基板である。ガルバノ基板18は、後述のガルバノスキャナ(図2の符号70)を制御するための基板である。フレーム20の上部には、リア基板22が固定されている。フレーム20の内側には、不図示の排気ファンが備え付けられている。更に、フレーム20には、通信用接続ポート202、PC用接続ポート204、ACインレット206、電源スイッチであるターンキー208、及び結束バンド210等が設けられているが、それらの配置関係については後述する。PSU24は、レーザ加工装置1に対して電力を供給するものである。
内カバー14は、ベース10上において、後述のエキスパンダ(図2の符号30)の先端部分、脚柱部材(図2の符号50)、ガルバノスキャナ(図2の符号70)、及びfθレンズ(図2の符号80)等を取り囲むものである。内カバー14は、下面が開放された略直方体形状をなし、隔壁82、切欠部84(図8及び図9参照)、右側延出部86、及び左側延出部88等を有している。隔壁82は、内カバー14の後面を構成するものである。切欠部84は、隔壁82の下辺左側の一部が外部へ折り曲げられることによって形成された開口である。隔壁82及び切欠部84の詳細な説明は、後述する。
右側延出部86は、内カバー14の右面下辺からベース10に沿って右方向へ延びている。右側延出部86には、一対の固定穴87が設けられている。左側延出部88は、内カバー14の左面下辺からベース10に沿って左方向へ延びている。左側延出部88には、一対の締結スリット90が設けられている。各固定穴87及び各締結スリット90では、後述の六角穴付ネジ(図9の符号94)が、各固定穴87及び各締結スリット90に通された状態でベース10にねじ込まれている。これにより、内カバー14は、ベース10に載せ置かれた状態で、ベース10に固定されている。各締結スリット90の詳細な説明は、後述する。
尚、ベース10及びフレーム20には、取付ネジ28と同種の取付ネジ(不図示)によって、不図示の筐体カバーが取り付けられる。上記した筐体カバーによって、レーザ発振ユニット12、内カバー14、上記メイン基板、ガルバノ基板18、フレーム20、リア基板22、及びPSU24等は、ベース10上で覆われる。
図2乃至図4には、内カバー14がベース10から外された状態のレーザ加工装置1が表されている。尚、符号11は、ベース10上に設けられたネジ穴であって、上記した六角穴付ネジ(図9の符号94)、つまり、内カバー14をベース10に固定するためのネジがねじ込まれる穴である。また、符号212は、フレーム20に設けられた結束バンドである。
レーザ発振ユニット12は、レーザ光Rを発振するものであって、略直方体状のケースに収められたCO2レーザ、YAGレーザ等で構成されている。レーザ発振ユニット12の前面には、エキスパンダ30が突設されている。エキスパンダ30は、上記したCO2レーザ、YAGレーザ等から入射されたレーザ光Rの光径を調整し、その調整されたレーザ光Rを前方向D1へ出射するものである。
エキスパンダ30は、略円柱形状をなし、その円形後端には、レーザ発振ユニット12の前面に沿って外周側へ延び出した固定用フランジ32が一体的に設けられている。固定用フランジ32では、その周方向に等ピッチで配設された3個の六角穴付ネジ34が、前方向D1から固定用フランジ32に通された状態でレーザ発振ユニット12の前面にねじ込まれている。これにより、エキスパンダ30は、レーザ発振ユニット12に固定されている。エキスパンダ30の側面には、その周方向に亘って外周側へ延び出した中間フランジ36が一体的に設けられている。尚、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34のうち、最も左側にある六角穴付ネジ34と、最も右側にある六角穴付ネジ34は、左右方向に並んで配設されている。
エキスパンダ30よりも前方向D1の側には、脚柱部材50がベース10上に設けられている。脚柱部材50は、脚柱本体52、固定部54、第1ミラー56、及び第2ミラー58等を有している。脚柱本体52は、上下方向に長い略平板形状をなし、ベース10上に上下方向に沿って立設されている。
脚柱本体52の上端部では、第1ミラー56が、回動機構60によって、エキスパンダ30と前方向D1で対向する位置に回動可能に設けられている。回動機構60は、脚柱本体52及び第1ミラー56に左方向D3に平行に軸通される、左右方向に平行な回動ボルト61等で構成されている。つまり、第1ミラー56は、回動機構60の回動ボルト61によって、エキスパンダ30と前方向D1で対向する位置にあり、左方向D3を回動軸心として回動することが可能である。
第1ミラー56は、レーザ光Rを反射する鏡面部57を有している。第1ミラー56は、その鏡面部57がエキスパンダ30からのレーザ光Rを下方向D2へ反射する姿勢となるように、脚柱本体52の上端部に回動機構60の回動ボルト61で固定されている。
脚柱本体52の下端部には、第1ミラー56と下方向D2で対向する位置において、第2ミラー58が、ベース10に載置された状態で付設されている。第2ミラー58は、レーザ光Rを反射する鏡面部59を有している。鏡面部59は、左方向D3へ向かうに連れて下方向D2へ向かうように傾斜している。これにより、第2ミラー58では、その鏡面部59によって、第1ミラー56からのレーザ光Rが前方向D1とはねじれの位置にある左方向D3へ反射する。尚、第2ミラー58の鏡面部59の鏡面積は、第1ミラー56の鏡面部57の鏡面積よりも大きい。
更に、脚柱本体52の下端部には、前後方向へ延びた固定部54が、ベース10に載置された状態で突設されている。固定部54では、後述の一対の六角穴付ネジ(図6の符号63)が、固定部54に通された状態でベース10にねじ込まれている。これにより、脚柱部材50は、ベース10に固定されている。
脚柱部材50よりも左方向D3の側には、ガルバノスキャナ70がベース10上に設けられている。ガルバノスキャナ70は、X軸ガルバノミラー72、Y軸ガルバノミラー74、ガルバノX軸モータ76、ガルバノY軸モータ78等を有している。X軸ガルバノミラー72は、第2ミラー58からのレーザ光RをY軸ガルバノミラー74へ反射するものである。Y軸ガルバノミラー74は、X軸ガルバノミラー72からのレーザ光Rを後述のfθレンズ80へ反射するものである。
ガルバノX軸モータ76及びガルバノY軸モータ78は、ガルバノスキャナ70において、それぞれのモータ軸が互いに直交するように取り付けられ、各モータ軸の先端部に取り付けられたX軸ガルバノミラー72及びY軸ガルバノミラー74が内側で互いに対向している。ガルバノX軸モータ76及びガルバノY軸モータ78は、後述の配線(図8の符号19)によって、ガルバノ基板18に接続されている。これにより、ガルバノX軸モータ76及びガルバノY軸モータ78は、ガルバノ基板18の回転制御によって、X軸ガルバノミラー72及びY軸ガルバノミラー74を回転させ、レーザ光Rを2次元走査する。
Y軸ガルバノミラー74よりも下側には、fθレンズ80が、ベース10の貫通穴に嵌装されている。fθレンズ80は、fθレンズ80よりも下側に配置された被加工物Wに対して、Y軸ガルバノミラー74からのレーザ光Rを集光させるものである。
従って、レーザ加工装置1では、レーザ発振ユニット12で発振したレーザ光Rが、エキスパンダ30、第1ミラー56、第2ミラー58、X軸ガルバノミラー72、Y軸ガルバノミラー74、及びfθレンズ80を経て、被加工物W上で2次元走査される。これにより、被加工物Wには、文字又は図形等の像がマーキング(印字)加工される。
図2に表された第1仮想柱状領域V1は、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34のうち、最も下側にある六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長したものである。最も下側にある六角穴付ネジ34は、エキスパンダ30の固定用フランジ32において、エキスパンダ30からのレーザ光Rを下方向D2へ反射する姿勢にある第1ミラー56に対して上記した第1仮想柱状領域V1が重ならない位置に配設されている。
図5乃至図7には、内カバー14及びガルバノスキャナ70がベース10から外された状態のレーザ加工装置1が表されている。図6に表されたように、レーザ加工装置1では、前方向D1におけるエキスパンダ30と第1ミラー56の鏡面部57との間でのレーザ光Rの光路長さL1が、下方向D2における第1ミラー56の鏡面部57と第2ミラー58の鏡面部59との間でのレーザ光Rの光路長さL2よりも短くなるように、脚柱部材50が配設されている。
図5及び図6に表された第2仮想柱状領域V2は、脚柱部材50をベース10に固定するための各六角穴付ネジ63の頭部面を、各六角穴付ネジ63のねじ込み方向(上下方向)に延長したものである。各六角穴付ネジ63は、脚柱部材50の固定部54において、脚柱部材50の脚柱本体52に対して上記した第2仮想柱状領域V2が重ならない位置に配設されている。
図8に表されたように、内カバー14がガルバノスキャナ70等を取り囲んだ状態でベース10上に固定されると、内カバー14の後面を構成する隔壁82が、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18との間に配置される。これにより、隔壁82は、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18との間を遮っている。
更に、隔壁82の切欠部84には、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18とを接続する配線19が通されている。配線19には、その一部に緩衝材15が巻かれている。緩衝材15は、ベース10上において、切欠部84に装填された状態にある。つまり、緩衝材15は、配線19と切欠部84との間に配置されている。尚、緩衝材15は、配線19の被覆材として設けられてもよい。尚、配線19は、上記した図1乃至図7では省略されている。
図9に表されたように、内カバー14の左側延出部88に設けられた各締結スリット90には、その上側から六角穴付ネジ94が通される。各締結スリット90は、隔壁82が延びる方向である左右方向に沿って設けられている。各締結スリット90の幅92は、六角穴付ネジ94の頭部96の径97よりも小さいが、六角穴付ネジ94の軸部98の径99よりも大きくされている。そのため、六角穴付ネジ94の軸部98は、各締結スリット90に隙間のある状態で通される。これに対して、六角穴付ネジ94の頭部96は、各締結スリット90を通ることができず、左側延出部88に当接する。
また、隔壁82には、その右側において、エキスパンダ30の先端部分が挿入される差込穴100が設けられている。そのため、差込穴100の径102は、図10に表されたように、エキスパンダ30の径38よりも大きくされるが、エキスパンダ30の中間フランジ36の径40よりも小さくされている。よって、図11に表されたように、隔壁82の差込穴100にエキスパンダ30の先端部分が挿入された状態では、エキスパンダ30の中間フランジ36が隔壁82に当接する。
図12に表されたように、フレーム20の背面には、上記した通信用接続ポート202、PC用接続ポート204、ACインレット206、ターンキー208、及び各結束バンド210,212に加えて、排気口200が設けられている。排気口200は、上記した不図示の排気ファンよりも後側に配設されている。排気口200よりも上側には、通信用接続ポート202及びPC用接続ポート204が左右方向に並んで配設されている。排気口200よりも左側には、ACインレット206及びターンキー208が上下方向に並んで配設されている。
結束バンド210は、排気口200よりも右斜め上側において、PC用接続ポート204と排気口200との間に配設されている。これにより、通信用接続ポート202又はPC用接続ポート204から延びる不図示の配線は、結束バンド210で束ねられることによって、排気口200の外方側に垂れ下がらないようにすることが可能である。また、結束バンド212は、排気口200よりも左斜め下側において、ACインレット206と排気口200との間に配設されている。これにより、ACインレット206から延びる不図示の電源コードは、結束バンド212で束ねられることによって、排気口200の外方側に垂れ下がらないようにすることが可能である。このようにして、各結束バンド210,212は、上記した不図示の排気ファンの性能を確保する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態のレーザ加工装置1では、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34のうち、最も下側にある六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域V1が、エキスパンダ30と前方向D1で対向する第1ミラー56とは重ならない。そのため、作業者は、最も下側にある六角穴付ネジ34の頭部面に対して、前方向D1から不図示の六角レンチ等を掛け易い。よって、本実施の形態のレーザ加工装置1は、第1ミラー56に対向した状態にあるエキスパンダ30の交換作業性に優れる。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1では、前方向D1におけるエキスパンダ30と第1ミラー56の鏡面部57との間でのレーザ光Rの光路長さL1が、下方向D2における第1ミラー56の鏡面部57と第2ミラー58の鏡面部59との間でのレーザ光Rの光路長さL2よりも短い。そのため、エキスパンダ30と第1ミラー56の鏡面部57との間におけるレーザ光Rの光路のズレ量は、第1ミラー56の鏡面部57と第2ミラー58の鏡面部59との間におけるレーザ光Rの光路のズレ量よりも小さく抑えられることとなる。これにより、第1ミラー56の鏡面部57の鏡面積を第2ミラー58の鏡面部59の鏡面積より小さくすることができる。その結果、第1ミラー56を第1仮想柱状領域V1に重ならないようにすることがより容易にできる。
すなわち、各鏡面部57,59の鏡面積の大きさ関係を言い換えると、第1ミラー56の鏡面部57の鏡面積は、第2ミラー58の鏡面部59の鏡面積よりも小さい。よって、作業者は、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34に対して、不図示の六角レンチ等を掛け易い。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1では、第1ミラー56、第2ミラー58、及びガルバノスキャナ70のX軸ガルバノミラー72とY軸ガルバノミラー74とを取り囲む内カバー14の隔壁82が、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18との間に配置されることによって、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18との間を遮っている。そのため、ガルバノスキャナ70で2次元走査されたレーザ光Rが、マーキング(印字)加工に不要な迷光になって、ガルバノ基板18に向かっても、隔壁82によって遮光されるので、そのような迷光によるガルバノ基板18の損傷が抑制される。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1では、ガルバノスキャナ70とガルバノ基板18とを接続する配線19の一部に巻かれた緩衝材15が、配線19と隔壁82の切欠部84との間に装填されている。そのため、配線19と隔壁82の切欠部84との間の間隙が密閉されるため、上記したマーキング(印字)加工に不要な迷光がガルバノ基板18に届くことはなく、ガルバノ基板18の損傷が抑制される。また、埃等が内カバー14の内部へ侵入することが抑制される。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1では、内カバー14の隔壁82において、エキスパンダ30の先端部分が挿入される差込穴100が設けられている。差込穴100の径102は、エキスパンダ30の径38よりも大きく、エキスパンダ30の中間フランジ36の径40よりも小さい。そのため、隔壁82の差込穴100にエキスパンダ30の先端部分が挿入されると、エキスパンダ30の中間フランジ36が隔壁82に当接した状態となる。これにより、上記したマーキング(印字)加工に不要な迷光が差込穴100から内カバー14の外部へ出射することが抑制されると共に、埃等が差込穴100から内カバー14の内部へ侵入することが抑制される。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1において、隔壁82が延びる方向(左右方向)に沿って内カバー14の左側延出部88に設けられた各締結スリット90は、その幅92が、六角穴付ネジ94の軸部98の径99よりも大きく、六角穴付ネジ94の頭部96の径97よりも小さくされている。そのため、六角穴付ネジ94の軸部98は、各締結スリット90に隙間のある状態で通される。これにより、作業者は、内カバー14を六角穴付ネジ94でベース10に固定する際において、各締結スリット90に六角穴付ネジ94が通された状態の内カバー14を、隔壁82が延びる方向(左右方向)等に動かすことによって、ベース10上における内カバー14の位置を調整することができる。よって、本実施の形態のレーザ加工装置1では、ベース10に対する内カバー14の固定作業が容易である。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1では、脚柱部材50の固定部54に通された六角穴付ネジ63で、脚柱部材50がベース10に固定される。六角穴付ネジ63の頭部面を六角穴付ネジ63のねじ込み方向(上下方向)に延長した第2仮想柱状領域V2は、脚柱部材50の脚柱本体52とは重ならない。そのため、作業者は、六角穴付ネジ63の頭部面に対して、六角穴付ネジ63のねじ込み方向(上下方向)の上側から不図示の六角レンチ等を掛け易い。よって、本実施の形態のレーザ加工装置1は、脚柱部材50の交換作業性に優れる。
ちなみに、本実施形態において、内カバー14は、「カバー」の一例である。ガルバノ基板18は、「制御基板」の一例である。六角穴付ネジ34は、「第1ネジ」の一例である。中間フランジ36は、「フランジ」の一例である。回動機構60は、「移動機構」の一例である。六角穴付ネジ63は、「第3ネジ」の一例である。六角穴付ネジ63のねじ込み方向(上下方向)は、「第3ネジの螺合方向」の一例である。X軸ガルバノミラー72及びY軸ガルバノミラー74は、「ガルバノミラー」の一例である。ガルバノ基板18、X軸ガルバノミラー72、及びY軸ガルバノミラー74は、「走査ユニット」の一例である。左側延出部88は、「延出部」の一例である。一対の締結スリット90は、「複数の締結部」の一例である。六角穴付ネジ94は、「第2ネジ」の一例である。前方向D1は、「第1方向」の一例である。下方向D2は、「第2方向」の一例である。左方向D3は、「第3方向」の一例である。前方向D1におけるエキスパンダ30と第1ミラー56との間でのレーザ光Rの光路長さL1は、「第1方向におけるエキスパンダと第1ミラーとの間でのレーザ光の光路長さ」の一例である。下方向D2における第1ミラー56と第2ミラー58との間でのレーザ光Rの光路長さL2は、「第2方向における第1ミラーと第2ミラーとの間でのレーザ光の光路長さ」の一例である。
尚、本開示は、本実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、3個の六角穴付ネジ34によりエキスパンダ30がレーザ発振ユニット12に固定されているが、少なくとも1個の六角穴付ネジ34によりエキスパンダ30がレーザ発振ユニット12に固定されてもよい。
更に、脚柱部材50は、回動機構60を備えなくてもよい。このような変更例では、第1ミラー56は回動不能となるが、少なくとも1個の六角穴付ネジ34が、エキスパンダ30の固定用フランジ32において、当該六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域が第1ミラー56とは重ならない位置に配設されていればよい。
また、脚柱部材50は、回動機構60に代えて、第1ミラー56を脚柱本体52に沿って上下方向に移動させる昇降機構を備えてもよい。このような変更例では、例えば、エキスパンダ30からのレーザ光Rを下方向D2へ反射する姿勢で第1位置にある第1ミラー56を、上記した昇降機構で下方向へ動かすことによって、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための全ての六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した各第1仮想柱状領域が第1ミラー56とは重ならなくなる第2位置にまで移動させる。尚、上記した昇降機構は、「移動機構」の一例である。
また、図13に表されたように、エキスパンダ30を前側から視た場合、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34のうち、最も下側にある六角穴付ネジ34と、最も左側にある六角穴付ネジ34とが、エキスパンダ30の固定用フランジ32において、エキスパンダ30からのレーザ光Rを下方向D2へ反射する姿勢にある第1ミラー56に対して重ならない位置に配設されてもよい。このような場合、最も下側にある六角穴付ネジ34の第1仮想柱状領域V1と同様にして、最も左側にある六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域が、エキスパンダ30と前方向D1で対向する第1ミラー56とは重ならない。
更に、作業者は、第1ミラー56を、回動機構60の回動ボルト61によって、左方向D3に平行な回動軸心62周りに回動させることで、図13に表された位置から、図14に表された位置(例えば、鏡面部57を含む第1ミラー56が左右方向に平行な状態にある位置)に移動させる。
第1ミラー56が図14に表された位置にある状態では、第1ミラー56の下方向D2における長さL3が、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34の下方向D2における間隔L4よりも小さくなる。更に、図14に表された位置にある第1ミラー56は、上下方向において、最も左側及び最も右側にある各六角穴付ネジ34と、最も下側にある六角穴付ネジ34との間に介在する。
そのため、前側から視て、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための全ての六角穴付ネジ34は、図14に表された位置にある第1ミラー56に対して重ならない。このような場合、最も下側にある六角穴付ネジ34の第1仮想柱状領域V1と同様にして、最も左側にある六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域と、最も右側にある六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域は、エキスパンダ30と前方向D1で対向する第1ミラー56とは重ならない。
従って、図13及び図14に表された変更例においても、作業者は、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための3個の六角穴付ネジ34の各頭部面に対して、前方向D1から不図示の六角レンチ等を掛け易いので、第1ミラー56に対向した状態にあるエキスパンダ30の交換作業性に優れる。
ちなみに、上記した変更例において、図13に表された第1ミラー56の位置は、「第1位置」の一例である。図14に表された第1ミラー56の位置は、「第2位置」の一例である。長さL3は、「第2位置における第1ミラーの第2方向の長さ」の一例である。間隔L4は、「エキスパンダを固定する複数の第1ネジの第2方向の間隔」の一例である。
また、エキスパンダ30をレーザ発振ユニット12に固定するための六角穴付ネジ34は、1個でもよい。このような変更例では、当該1個の六角穴付ネジ34は、エキスパンダ30の固定用フランジ32において、当該1個の六角穴付ネジ34の頭部面を前方向D1に延長した第1仮想柱状領域が第1ミラー56とは重ならない位置に配設される。
また、内カバー14の左側延出部88には、各締結スリット90に代えて、図15に表された一対の締結穴104が設けられてもよい。このような変更例において、各締結穴104の径106は、六角穴付ネジ94の頭部96の径97よりも小さいが、六角穴付ネジ94の軸部98の径99よりも大きくされる。これにより、六角穴付ネジ94の軸部98は、各締結穴104に隙間のある状態で通される。これに対して、六角穴付ネジ94の頭部96は、各締結穴104を通ることができず、左側延出部88に当接する。