JP5954286B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工装置に関するものである。
従来より、レーザ加工装置に関し種々提案されている。
例えば、走査部ケースの内部にレーザ光のビーム径を拡げるビームエキスパンダと、光路折り曲げ用のハーフミラーから構成される一対の折り曲げミラーと、レーザ光を走査する一対のガルバノミラーとが配設されたレーザマーキング装置がある。このレーザマーキング装置では、ビームエキスパンダによりビーム径を拡げられたレーザ光は、先ず、一方の折り曲げミラーにより略直角をなして反射されて横方向に折り曲げられる。
そして、レーザ光は、他方の折り曲げミラーにより再度直角に反射されて、ビームエキスパンダの配設位置から幅方向に離隔した位置を逆向きに折り返すように送り出されて、一対のガルバノミラーに入射される。そして、レーザ光は、一対のガルバノミラーによって走査される。また、ビームエキスパンダに対向する一方の折り曲げミラーの裏側には、光検出器が配設され、この折り曲げミラーを透過したレーザビームの光強度を検出可能に構成されている。また、ガルバノミラーに対向する他方の折り曲げミラーの裏側には、レーザ素子が配設され、この他方の折り曲げミラーからガルバノミラーへ向かう半導体レーザを出射するように構成されている。従って、半導体レーザは、ガルバノミラーによって走査される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−118778号公報
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたレーザマーキング装置では、「ビームエキスパンダから出射されたレーザ光をガルバノミラーへ入射させる機能」、「レーザ光の一部を光検出器に入射させる機能」、「レーザ素子から出射された半導体レーザをガルバノミラーへ入射させる機能」という3つの機能を実現するために、ハーフミラーから構成される一対の折り曲げミラーが配設されている。
その結果、折り曲げミラーを複数配設する必要が生じるため、レーザマーキング装置を構成する部品点数の増大を招き、レーザマーキング装置が大型化する要因になるという問題がある。また、ガルバノミラーに入射されるレーザ光の光軸調整を行うためには、一対の折り曲げミラーのそれぞれの向き方向や取付位置を調整する必要があり、光軸調整作業が煩雑になるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、1つのミラーで多くの機能を実現させることができ、小型化を図ることができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るレーザ加工装置は、レーザ光を出射するレーザ発振器と、前記レーザ発振器の出射方向である前記レーザ光の第1光軸に対して交差する第2光軸上に可視レーザ光を出射する可視レーザ光源と、前記第1光軸上であり、且つ、前記第2光軸上に配置されて、一方の面に前記レーザ光が入射され、他方の面に前記可視レーザ光が入射されて、前記一方の面に入射される前記レーザ光を反射すると共に前記レーザ光の一部を透過し、更に、前記他方の面に入射される前記可視レーザ光を透過するミラーと、前記第2光軸上において、前記ミラーを挟んで前記可視レーザ光源に対向するように配置されて、前記ミラーを介して入射された前記レーザ光と前記可視レーザ光とを加工対象物の加工面に走査するレーザ走査部と、前記第1光軸上において、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対向するように配置されて、前記ミラーを透過した前記レーザ光の一部を受光して、前記レーザ光の出力を検出する出力検出部と、前記ミラーを保持すると共に、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸の前記レーザ走査部側への向き又は前記第1光軸方向の位置を変更可能なミラー調整機構と、前記レーザ発振器が配設される本体ベースと、を備え、前記ミラー調整機構は、前記ミラーを前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動して任意の角度で保持する第1保持部と、前記ミラーを前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で保持する第2保持部と、前記ミラーを前記第1光軸方向に移動させて任意の位置で保持する第3保持部と、のうち、少なくとも1つを有し、前記第1保持部は、前記ミラーを保持するミラー保持部を保持すると共に、前記ミラー保持部を前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて任意の角度で固定する第1固定部を有し、前記第2保持部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で固定する第2固定部を有し、前記第3保持部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記第2固定部を前記第1光軸方向に移動させて任意の位置で前記本体ベース上に固定する第3固定部を有し、前記ミラーは、前記ミラー調整機構を介して、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸を、前記ミラーを透過した前記可視レーザ光の光軸に一致させることが可能となるように調整可能に設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に係るレーザ加工装置は、請求項1に記載のレーザ加工装置において、前記第1固定部は、前記ミラー保持部を前記中心軸回りに回動させて位置決めする第1位置決めネジを有し、前記第2固定部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて位置決めする第2位置決めネジを有し、前記第3固定部は、前記第2固定部を前記第1光軸方向に移動させて位置決めする第3位置決めネジを有し、前記第1位置決めネジ、前記第2位置決めネジ、及び前記第3位置決めネジは、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、前記第1光軸に対して前記ミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、ネジ頭部が配置されることを特徴とする。
また、請求項3に係るレーザ加工装置は、請求項2に記載のレーザ加工装置において、前記第3固定部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記本体ベース上を移動して固定されるベース部材と、前記本体ベース上に着脱可能に取り付けられて、前記第3位置決めネジを介して前記ベース部材を位置決めする位置決め用部材と、を有し、前記位置決め用部材は、前記本体ベース上の前記出力検出部の取付位置に着脱可能に取り付けられると共に、前記第3位置決めネジと共に前記本体ベースから取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に係るレーザ加工装置は、請求項3に記載のレーザ加工装置において、前記位置決め用部材は、前記出力検出部を前記本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされて着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
また、請求項5に係るレーザ加工装置は、レーザ光を出射するレーザ発振器と、前記レーザ発振器の出射方向である前記レーザ光の第1光軸に対して交差する第2光軸上に可視レーザ光を出射する可視レーザ光源と、前記第1光軸上であり、且つ、前記第2光軸上に配置されて、一方の面に前記レーザ光が入射され、他方の面に前記可視レーザ光が入射されて、前記一方の面に入射される前記レーザ光を反射すると共に前記レーザ光の一部を透過し、更に、前記他方の面に入射される前記可視レーザ光を透過するミラーと、前記第2光軸上において、前記ミラーを挟んで前記可視レーザ光源に対向するように配置されて、前記ミラーを介して入射された前記レーザ光と前記可視レーザ光とを加工対象物の加工面に走査するレーザ走査部と、前記第1光軸上において、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対向するように配置されて、前記ミラーを透過した前記レーザ光の一部を受光して、前記レーザ光の出力を検出する出力検出部と、前記ミラーを保持すると共に、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸の前記レーザ走査部側への向き又は前記第1光軸方向の位置を変更可能な第2ミラー調整機構と、前記レーザ発振器が配設される本体ベースと、を備え、前記第2ミラー調整機構は、前記ミラーを前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動して任意の角度で保持する第1保持部と、前記ミラーを前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で保持する第2保持部と、前記ミラーを前記第2光軸方向に移動させて任意の位置で保持する第4保持部と、のうち、少なくとも1つを有し、前記第1保持部は、前記ミラーを保持するミラー保持部を保持すると共に、前記ミラー保持部を前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて任意の角度で固定する第1固定部を有し、前記第2保持部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で固定する第2固定部を有し、前記第4保持部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記第2固定部を前記第2光軸方向に移動させて任意の位置で前記本体ベース上に固定する第4固定部を有し、前記ミラーは、前記第2ミラー調整機構を介して、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸を、前記ミラーを透過した前記可視レーザ光の光軸に一致させることが可能となるように調整可能に設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に係るレーザ加工装置は、請求項5に記載のレーザ加工装置において、前記第1固定部は、前記ミラー保持部を前記中心軸回りに回動させて位置決めする第1位置決めネジを有し、前記第2固定部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて位置決めする第2位置決めネジを有し、前記第4固定部は、前記第2固定部を前記第2光軸方向に移動させて位置決めする第4位置決めネジを有し、前記第1位置決めネジ、前記第2位置決めネジ、及び前記第4位置決めネジは、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、前記第1光軸に対して前記ミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、ネジ頭部が配置されることを特徴とする。
また、請求項7に係るレーザ加工装置は、請求項6に記載のレーザ加工装置において、前記第4固定部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記本体ベース上を移動して固定される第2ベース部材と、前記本体ベース上に着脱可能に取り付けられて、前記第4位置決めネジを介して前記第2ベース部材を位置決めする第2位置決め用部材と、を有し、前記第2位置決め用部材は、前記本体ベース上の前記可視レーザ光源の取付位置に着脱可能に取り付けられると共に、前記第4位置決めネジと共に前記本体ベースから取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
また、請求項8に係るレーザ加工装置は、請求項7に記載のレーザ加工装置において、前記第2位置決め用部材は、前記可視レーザ光源を前記本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされて着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
また、請求項に係るレーザ加工装置は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置において、前記出力検出部は、前記レーザ光を受光する受光部と、前記受光部の位置を前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸に対して変更可能な受光調整機構部と、を備えたことを特徴とする。
更に、請求項10に係るレーザ加工装置は、請求項に記載のレーザ加工装置において、前記受光調整機構部は、前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸に対して直交すると共に前記第2光軸に平行なX軸方向と、前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸及び前記第2光軸に対して直交するY軸方向とのうち、少なくとも一方向に前記受光部の位置を変更可能であることを特徴とする。
請求項1に係るレーザ加工装置では、ミラーは、「レーザ発振器から出射されたレーザ光を反射してレーザ走査部へ入射させる機能」と、「レーザ発振器から出射されたレーザ光の一部を出力検出部へ透過させる機能」と、「可視レーザ光源から出射された可視レーザ光を透過してレーザ走査部へ入射させる機能」とを果たす。つまり、1つのミラーで3つの機能を実現することができるため、レーザ加工装置の部品点数の削減化を図って、小型化することができる。
また、ミラーで反射されたレーザ光の光軸と、ミラーを透過した可視レーザ光の光軸とが一致するように調整可能であるため、加工対象物の加工面においてもレーザ光の光軸と可視レーザ光の光軸は一致する。そのため、作業者は可視レーザ光を用いて加工対象物の位置決めを安全かつ容易に行うことが可能となり、加工対象物を高精度で加工することができる。
また、作業者は、ミラー調整機構を介して、ミラーで反射されたレーザ光の光軸のレーザ走査部側への向き又は第1光軸方向の位置を調整することができる。つまり、レーザ光の光軸調整が一箇所のみのため、光軸調整作業の簡易化を図ることができる。また、レーザ加工装置にミラー調整機構を装着することができ、レーザ加工装置の組立時に迅速に光軸調整作業を行うことができる。
例えば、レーザ光がミラーを透過してレーザ走査部に入射するように構成して、レーザ発振器のレーザ走査部への向き又はレーザ光の位置を調整する場合には、レーザ光の光軸調整機構が大型化してしまう。これに対して、レーザ光がミラーで反射されてレーザ走査部に入射するように構成して、ミラー調整機構によってミラーで反射されたレーザ光の光軸のレーザ走査部側への向き又は第1光軸方向の位置を調整する場合には、ミラー調整機構の小型化を図ることができる。その結果、レーザ加工装置の小型化を図ることができる。
また、作業者は、ミラー調整機構の第1保持部を介して、ミラーを第1光軸及び第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて、第1光軸及び第2光軸を含む平面上におけるレーザ光の反射方向を調整することが可能となる。また、作業者は、ミラー調整機構の第2保持部を介して、ミラーを第1光軸回りに回動させて、第1光軸に対して垂直な平面上におけるレーザ光の反射方向を調整することが可能となる。また、作業者は、ミラー調整機構の第3保持部を介して、ミラーを第1光軸方向に移動させて、ミラーで反射されたレーザ光の光軸の第1光軸方向における位置を調整することが可能となる。
また、作業者は、ミラー調整機構の第1固定部と第2固定部と第3固定部をそれぞれ個別に調整することによって、第1光軸及び第2光軸を含む平面上におけるレーザ光の反射方向と、第1光軸に対して垂直な平面上におけるレーザ光の反射方向と、第1光軸方向におけるレーザ光の光軸の位置と、を個別に行うことが可能となる。従って、作業者は、ミラー調整機構の第1固定部と第2固定部と第3固定部をそれぞれ個別に調整することによって、光軸調整作業を迅速に行うことが可能となる。
また、請求項2に係るレーザ加工装置では、第1位置決めネジ、第2位置決めネジ、及び第3位置決めネジのネジ頭部は、ミラーを挟んでレーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、第1光軸に対してミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、配置されている。これにより、作業者は、レーザ発振器からレーザ光を出射させた状態で、第1位置決めネジ、第2位置決めネジ、及び第3位置決めネジのネジ頭部を回転させて光軸を調整することが可能となり、光軸調整作業を安全、且つ、迅速に行うことが可能となる。
また、請求項3に係るレーザ加工装置では、第3固定部のベース部材を本体ベース上に固定した後、第3固定部の第3位置決めネジと位置決め用部材とを取り外して、この位置決め用部材が取り付けられていた本体ベース上の位置に、出力検出部を取り付けることができる。これにより、出力検出部の取付位置を、光軸調整用に兼用することができ、省スペース化を図ることができる。
また、請求項4に係るレーザ加工装置では、位置決め用部材は、出力検出部を本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされるため、位置決め用部材が取り付けられていた本体ベース上の位置に、出力検出部を確実に取り付けることができる。
また、請求項5に係るレーザ加工装置では、ミラーは、「レーザ発振器から出射されたレーザ光を反射してレーザ走査部へ入射させる機能」と、「レーザ発振器から出射されたレーザ光の一部を出力検出部へ透過させる機能」と、「可視レーザ光源から出射された可視レーザ光を透過してレーザ走査部へ入射させる機能」とを果たす。つまり、1つのミラーで3つの機能を実現することができるため、レーザ加工装置の部品点数の削減化を図って、小型化することができる。
また、ミラーで反射されたレーザ光の光軸と、ミラーを透過した可視レーザ光の光軸とが一致するように調整可能であるため、加工対象物の加工面においてもレーザ光の光軸と可視レーザ光の光軸は一致する。そのため、作業者は可視レーザ光を用いて加工対象物の位置決めを安全かつ容易に行うことが可能となり、加工対象物を高精度で加工することができる。
また、作業者は、第2ミラー調整機構を介して、ミラーで反射されたレーザ光の光軸のレーザ走査部側への向き又は第1光軸方向の位置を調整することができる。つまり、レーザ光の光軸調整が一箇所のみのため、光軸調整作業の簡易化を図ることができる。また、レーザ加工装置に第2ミラー調整機構を装着することができ、レーザ加工装置の組立時に迅速に光軸調整作業を行うことができる。
例えば、レーザ光がミラーを透過してレーザ走査部に入射するように構成して、レーザ発振器のレーザ走査部への向き又はレーザ光の位置を調整する場合には、レーザ光の光軸調整機構が大型化してしまう。これに対して、レーザ光がミラーで反射されてレーザ走査部に入射するように構成して、第2ミラー調整機構によってミラーで反射されたレーザ光の光軸のレーザ走査部側への向き又は第1光軸方向の位置を調整する場合には、第2ミラー調整機構の小型化を図ることができる。その結果、レーザ加工装置の小型化を図ることができる。
また、作業者は、第2ミラー調整機構の第1保持部を介して、ミラーを第1光軸及び第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて、第1光軸及び第2光軸を含む平面上におけるレーザ光の反射方向を調整することが可能となる。また、作業者は、第2ミラー調整機構の第2保持部を介して、ミラーを第1光軸回りに回動させて、第1光軸に対して垂直な平面上におけるレーザ光の反射方向を調整することが可能となる。また、作業者は、第2ミラー調整機構の第4保持部を介して、ミラーを第2光軸方向に移動させて、ミラーで反射されたレーザ光の光軸の第1光軸方向における位置を調整することが可能となる。
また、作業者は、第2ミラー調整機構の第1固定部と第2固定部と第4固定部をそれぞれ個別に調整することによって、第1光軸及び第2光軸を含む平面上におけるレーザ光の反射方向と、第1光軸に対して垂直な平面上におけるレーザ光の反射方向と、第1光軸方向におけるレーザ光の光軸の位置と、を個別に行うことが可能となる。従って、作業者は、第2ミラー調整機構の第1固定部と第2固定部と第4固定部をそれぞれ個別に調整することによって、光軸調整作業を迅速に行うことが可能となる。
また、請求項6に係るレーザ加工装置では、第1位置決めネジ、第2位置決めネジ、及び第4位置決めネジのネジ頭部は、ミラーを挟んでレーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、第1光軸に対してミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、配置されている。これにより、作業者は、レーザ発振器からレーザ光を出射させた状態で、第1位置決めネジ、第2位置決めネジ、及び第4位置決めネジのネジ頭部を回転させて光軸を調整することが可能となり、光軸調整作業を安全、且つ、迅速に行うことが可能となる。
また、請求項7に係るレーザ加工装置では、第4固定部の第2ベース部材を本体ベース上に固定した後、第4固定部の第4位置決めネジと第2位置決め用部材とを取り外して、この第2位置決め用部材が取り付けられていた本体ベース上の位置に、可視レーザ光源を取り付けることができる。これにより、可視レーザ光源の取付位置を、光軸調整用に兼用することができ、省スペース化を図ることができる。
また、請求項8に係るレーザ加工装置では、第2位置決め用部材は、可視レーザ光源を本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされるため、第2位置決め用部材が取り付けられていた本体ベース上の位置に、可視レーザ光源を確実に取り付けることができる。
また、請求項に係るレーザ加工装置では、作業者は、レーザ発振器から出射されてミラーを透過したレーザ光の光軸の位置に応じて、出力検出部の受光部の位置を変更することが可能となる。その結果、レーザ加工装置は、出力検出部を介してレーザ光の出力を確実に検出することができる。
更に、請求項10に係るレーザ加工装置では、作業者は、受光調整機構部を介して、X軸方向と、X軸方向に直交するY軸方向とのうち、少なくとも一方向に受光部の位置を調整することができ、受光部の位置調整を迅速に行うことが可能となる。
第1実施形態に係るレーザ加工装置1の平面図である。 レーザ加工装置1の側面図である。 レーザ発振器15、可視半導体レーザ23、ダイクロイックミラー31、光検出センサ32及びガルバノスキャナ10の配置関係を示す説明図である。 出力検出部8を本体ベース2に取り付けた状態を示す要部拡大斜視図である。 ダイクロイックミラー31で反射されるレーザ光Lの光軸調整時の外観斜視図である。 図5のミラー調整機構51をレーザ光Lが反射される側から見た外観斜視図である。 図5のミラー調整機構51をレーザ光Lの一部が透過する側から見た外観斜視図である。 図5のミラー調整機構51の分解斜視図である。 ミラー調整機構51によって調整するダイクロイックミラー31の調整方向を示す説明図である。 ダイクロイックミラー31をレーザ光Lの第1光軸L1方向に移動させた状態を示す図である。 第2実施形態に係るレーザ加工装置121のダイクロイックミラー31で反射されるレーザ光Lの光軸調整時の外観斜視図である。 図11のミラー調整機構125をレーザ光Lが反射される側から見た外観斜視図である。 図11のミラー調整機構125をレーザ光Lの一部が透過する側から見た外観斜視図である。 ダイクロイックミラー31を可視レーザ光Gの第2光軸G1方向に移動させた状態を示す図である。
以下、本発明に係るレーザ加工装置について具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係るレーザ加工装置1の概略構成について図1乃至図4に基づいて説明する。尚、以下の説明において、レーザ加工装置1の説明において、レーザ発振器15からレーザ光Lを出射する方向(図1の左方向である。)が、レーザ加工装置1の前方向である。また、本体ベース2のレーザ発振器15を取り付けた取付面に対して垂直方向(図1の上下方向である。)が、レーザ加工装置1の上下方向である。そして、レーザ加工装置1の上下方向及び前後方向に直交する方向が、レーザ加工装置1の左右方向である。
[第1実施形態]
[レーザ加工装置1の概略構成]
図1乃至図3に示すように、レーザ加工装置1は、金属板を加工して形成された本体ベース2と、レーザ光Lを出射するレーザ発振ユニット3と、冷却ユニット4と、ダイクロイックミラーユニット5と、ガイド光部7と、出力検出部8と、ガルバノスキャナ10と、fθレンズ11等から構成され、不図示の略直方体形状の筐体カバーで覆われている。
レーザ発振ユニット3は、レーザ発振器15と、ビームエキスパンダ16と、取付台17とから構成されている。レーザ発振器15は、CO2レーザ、YAGレーザ等で構成され、加工対象物18の加工面18Aにマーキング(印字)加工を行うためのレーザ光Lを出力する。ビームエキスパンダ16は、レーザ光Lのビーム直径を変更(例えば、拡大)するものであり、レーザ発振器15と同軸に設けられている。取付台17は、アルミ等の金属板で形成され、下面に配置された冷却ユニット4により冷却される。従って、冷却ユニット4は、取付台17を介して、取付台17の上面に取り付けられたレーザ発振器15を冷却する。
冷却ユニット4は、アルミ、スチール等で形成された直方体形状の冷却ボックス19と、冷却ボックス19の上面に取り付けられた不図示のペルチェ素子と、冷却ボックス19内の底面部に配置されたアルミ、スチール等で形成された不図示のヒートシンクと、側面部に設けられた不図示のファン等から構成されている。ファンによって冷却ボックス19の側面部に形成された吸気用スリット20から吸引され、冷却ボックス19内に送られた空気は、ヒートシンクを冷却してファンから排気されるように構成されている。
尚、第1実施形態においては、レーザ発振器15から出射されるレーザ光Lの波長は、1064nmである。但し、レーザ発振器15から出射されるレーザ光Lは、加工対象物18の加工面18Aにマーキングするものであればよく、レーザ光Lの波長は1064nmに限られるものではない。
ガイド光部7は、可視可干渉光である可視レーザ光G(図3参照)をガルバノスキャナ10へ出射する可視半導体レーザ23と、可視半導体レーザ23が配設された回路基板24と、本体ベース2に各ネジ25A、25Bでネジ止めにより取り付けられる取付フレーム25とから構成されている。回路基板24は、レーザ光Lの出射方向に対してほぼ平行になるように取付フレーム25に取り付けられている。そして、可視半導体レーザ23から出射された可視レーザ光Gの第2光軸G1は、レーザ光Lの第1光軸L1と略直交するように設けられている(図3参照)。
尚、第1実施形態においては、可視半導体レーザ23から出射される可視レーザ光Gの波長は、650nmである。但し、可視半導体レーザ23から出射される可視レーザ光Gは、視認できるレーザ光であればよく、可視レーザ光Gの波長は650nmに限られるものではない。
ダイクロイックミラーユニット5は、図3に示すように、ダイクロイックミラー31をレーザ発振器15から出射されたレーザ光Lの第1光軸L1上であり、且つ、可視半導体レーザ23から出射された可視レーザ光Gの第2光軸G1上に位置するように保持している。ダイクロイックミラー31は、レーザ光Lの第1光軸L1に対して斜め右前方向に45度の角度を形成するように配置されている。また、ダイクロイックミラーユニット5は、後述のように、ダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更可能に構成されている(図5等参照)。
ダイクロイックミラー31の後側面31Aは、後側から入射される波長1064nmのレーザ光Lを、98%の反射率で、ガルバノスキャナ10へ向かって45度の反射角で反射し、1%の透過率で、出力検出部8の光検出センサ32へ向かって透過させ、レーザ光Lの1%の損失が生じるように構成されている。また、ダイクロイックミラー31の前側面31Bは、左側から入射される波長650nmの可視レーザ光Gを、93%の透過率で、ガルバノスキャナ10へ向かって透過させ、5%の反射率で、光検出センサ32へ向かって45度の反射角で反射し、可視レーザ光Gの2%の損失が生じるように構成されている。
また、ガイド光部7は、ダイクロイックミラー31のレーザ光Lが反射される略中央位置に対して左方向に配置されている。この結果、可視レーザ光Gは、ダイクロイックミラー31のレーザ光Lの一部が透過する前側面31Bの中央位置に対して45度の入射角で入射される。そして、可視レーザ光Gは、93%がダイクロイックミラー31の後側面31Aで反射したレーザ光Lの光路上に透過される。
出力検出部8は、光検出センサ32と、光検出センサ32が配設された回路基板33と、本体ベース2に各ネジ35A、35Bでネジ止めにより取り付けられる取付フレーム35とから構成されている。光検出センサ32は、例えば、光量を検出するフォトディテクタや光の熱量を検出する熱電素子等で構成され、ダイクロイックミラー31を透過したレーザ光Lを受光することで、レーザ光Lの発光強度を検出する。従って、光検出センサ32を介してレーザ発振器15から出力されるレーザ光Lの発光強度を検出することができる。
図4に示すように、取付フレーム35は、回路基板33が後側にネジ止めによって取り付けられる略四角形の平板状の基板取付板36と、本体ベース2に各ネジ35A、35Bで取り付けられるベース取付板37とから構成されている。ベース取付板37は、後側端縁部が略直角上方向に所定高さ、例えば、約5mmの高さで延出され、更に、左右方向両端部に所定幅で上方向に延出された一対の延出部38が形成されている。
各延出部38には、上下方向に長い縦長孔38Aが互いに平行に形成され、各ネジ39A、39Bが挿通され、基板取付板36の下端縁部に形成されたネジ孔にネジ止めされている。また、ベース取付板37の本体ベース2上に当接して取り付けられる平板部37Aには、左右方向に長い一対の横長孔41が形成され、各ネジ35A、35Bが挿通され、本体ベース2にネジ止めされている。
従って、各ネジ39A、39Bを少し緩めて、回路基板33が取り付けられた基板取付板36を上下方向(Y軸方向)に移動させて、再度、各ネジ39A、39Bをねじ込んで、基板取付板36をベース取付板37に固定する。これにより、回路基板33に配設された光検出センサ32のレーザ光Lの第1光軸L1に対する上下方向(Y軸方向)の位置調整を行うことができる。
また、各ネジ35A、35Bを少し緩めて、基板取付板36が取り付けられたベース取付板37を左右方向(X軸方向)に移動させて、再度、各ネジ35A、35Bをねじ込んで、ベース取付板37を本体ベース2に固定する。これにより、回路基板33に配設された光検出センサ32のレーザ光Lの第1光軸L1に対する左右方向(X軸方向)の位置調整を行うことができる。
図1乃至図3に示すように、ガルバノスキャナ10は、本体ベース2の前側端部に取り付けられたfθレンズ11を介して、レーザ発振器15から出射されて、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lと、可視半導体レーザ23から出射されて、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gとを下方へ2次元走査するものである。
ガルバノスキャナ10は、ガルバノX軸モータ45とガルバノY軸モータ46とが、それぞれのモータ軸が互いに略直交するように外側からそれぞれの取付孔に嵌入されて本体部47に取り付けられ、各モータ軸の先端部に取り付けられた走査ミラーが内側で互いに対向している。そして、各モータ45、46の回転をそれぞれ制御して、各走査ミラーを回転させることによって、レーザ光Lと可視レーザ光Gとを下方へ2次元走査する。この2次元走査方向は、前後方向と左右方向である。
fθレンズ11は、ガルバノスキャナ10によって2次元走査されたレーザ光Lと可視レーザ光Gとを下方に配置された加工対象物18の加工面18Aに集光する。従って、各モータ45、46の回転を制御することによって、レーザ光Lと可視レーザ光Gが、加工対象物18の加工面18A上のマーキング(印字)可能な加工有効領域内において、所望の印字パターンで前後方向と左右方向に2次元走査される。
[ミラー調整機構51の概略構成]
次に、ダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更可能なダイクロイックミラーユニット5及びミラー調整機構51の概略構成について図5乃至図10に基づいて説明する。
図5に示すように、ダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更して光軸を調整する場合には、先ず、ガイド光部7及び出力検出部8が本体ベース2に取り付けられていない状態で、後述のようにダイクロイックミラーユニット5を本体ベース2に仮固定する。そして、側面視L字形の位置決め用部材52が、出力検出部8を本体ベース2に取り付ける各ネジ35A、35Bによって、出力検出部8のベース取付板37が取り付けられる出力検出取付部48にネジ止めされる。
また、位置決め用部材52とダイクロイックミラーユニット5は、図6に示すように、第3圧縮コイルバネ53を挟んで、この第3圧縮コイルバネ53に挿通された第3位置決めネジ55によって結合される。従って、ミラー調整機構51は、ダイクロイックミラーユニット5、位置決め用部材52、各ネジ35A、35B、第3位置決めネジ55及び第3圧縮コイルバネ53によって構成される。
[ダイクロイックミラーユニット5の概略構成]
図6乃至図8に示すように、ダイクロイックミラーユニット5は、ダイクロイックミラー31の前側面31Bを押さえる略四角形の平板状の押さえ板56と、第1保持部材57と、第2保持部材58と、第3保持部材59とから基本的に構成されている。押さえ板56は、中央部にダイクロイックミラー31の外径よりも少し小さい内径の円形の開口部56Aが形成され、各ネジ61で第1保持部材57の前面側にダイクロイックミラー31を挟んだ状態で固定される。
第1保持部材57は、略四角形の平板部57Aの押さえ板56の開口部56Aに対向する位置に、ダイクロイックミラー31の外径よりも少し小さい内径の円形の開口部57Bが形成されている。また、平板部57Aの上端縁部から略直角後側方向に延出された平面視台形状の延出部57Cが形成されている。延出部57Cの右側端縁部には、θ固定ネジ62が上側からねじ込まれるネジ孔63が形成されている。
延出部57Cの左側端縁部には、θ回転軸64の軸部64Aが上側から嵌挿される貫通孔65が形成されている。ネジ孔63の中心と貫通孔65の中心を結んだ直線は、平板部57Aに対して略平行になるように設けられている。また、平板部57Aの左側側縁部の上端部の近傍位置には、前側方向へ45度の傾き角度を形成するように所定幅で延出された第1ネジ取付部66が形成されている。また、第1ネジ取付部66の先端部には、第1位置決めネジ67が前側からねじ込まれるネジ孔68が形成されている。
第2保持部材58は、第1保持部材57の左右方向の全幅にほぼ等しい左右幅を有する略四角形の平板部58Aと、平板部58Aの上端縁部から略直角前側方向に延出されて、第1保持部材57の延出部57Cの上面に載置される延出部58Bとから構成されている。この延出部58Bを第1保持部材57の延出部57Cの上面に載置した際には、延出部57Cの後側端縁部と平板部58Aとは、所定隙間を形成している。
また、延出部58Bの前側端縁部から、第1保持部材57の第1ネジ取付部66に対向するように、この第1ネジ取付部66とほぼ同じ左右幅で下側方向に延出された第1ネジ挿入部69が形成されている。第1ネジ挿入部69には、第1位置決めネジ67が前側から嵌挿される貫通孔71が形成されている。
また、延出部58Bは、第1保持部材57の延出部57Cに形成された貫通孔65に対向する位置に、θ回転軸64の軸部64Aが上側から嵌挿される貫通孔72が形成されている。貫通孔72の右側には、θ固定ネジ62が嵌挿される前後方向に長い長孔73が斜め前側に形成されている。長孔73の中央位置と貫通孔72の中心位置を結んだ直線は、平板部58Aに対して右斜め前方向に約45度の傾きを有するように設けられている。また、延出部58Bの第1ネジ挿入部69の基端部から平板部58Aまでの略中央位置には、第2位置決めネジ75が上側からねじ込まれるネジ孔76が形成されている。
また、平板部58Aの第1保持部材57の開口部57Bに対向する位置には、開口部57Bの内径よりも少し小さい内径の円形の開口部58Cが形成されている。平板部58Aの開口部58Cの右側には、α回転軸77の軸部77Aが後側から嵌挿される貫通孔78が形成されている。平板部58Aの開口部58Cの左側には、α固定ネジ81が嵌挿される上下方向に長い長孔82が形成されている。
第3保持部材59は、本体ベース2上に各固定ネジ83で固定されるベース部59Aと、ベース部59Aの後側端縁部から全幅に渡って略直角上側方向に延出された平板部59Bと、ベース部59Aの前側端縁部から全幅に渡って略直角上側方向に延出された第3ネジ取付部59Cとから構成されている。第3ネジ取付部59Cには、第3位置決めネジ55が前側からねじ込まれるネジ孔84が形成されている。
ベース部59Aは、後側端縁部の幅が第2保持部材58の平板部58Aの左右方向の幅とほぼ同じ幅で、前側端縁部が後側端縁部よりも狭い幅に形成された平面視台形状に形成されている。このベース部59Aには、本体ベース2上に立設された一対のスライドガイドピン85が嵌入される前後方向に長い一対のピン用長孔86Aが形成されている。また、ベース部59Aには、各固定ネジ83が嵌入される前後方向に長い一対のネジ用長孔86Bが形成されている。
従って、各固定ネジ83を少し緩めることによって、第3保持部材59を各ピン用長孔86Aに嵌入されるスライドガイドピン85に沿って前後方向に動かすことができる。尚、各スライドガイドピン85の本体ベース2からの高さは、ベース部59Aの厚さ以下に形成され、各ピン用長孔86Aから上方向に突出しないように設けられている。
平板部59Bは、第2保持部材58の平板部58Aの左右方向の全幅にほぼ等しい左右幅を有する略縦長四角形に形成され、平板部59Bの前側面が平板部58Aの後側面に当接される。平板部59Bの第2保持部材58の開口部58Cに対向する位置には、開口部58Cとほぼ同じ内径の円形の開口部59Dが形成されている。この開口部59Dには、後述のように、レーザ光Lが入射される(図6参照)。
また、平板部59Bの開口部59Dの右側には、α回転軸77の軸部77Aが後側から嵌挿される貫通孔87が形成されている。平板部59Bの開口部59Dの左側には、α固定ネジ81がねじ込まれるネジ孔88が形成されている。また、平板部59Bの左側端縁部から所定幅で上方に所定高さ延出されて、更に、略直角前側方向に所定長さ延出された第2ネジ挿入部89が形成されている。第2ネジ挿入部89には、第2位置決めネジ75が上側から嵌挿される左右方向に長い長孔91が形成されている。
[位置決め用部材52の概略構成]
図6乃至図8に示すように、位置決め用部材52は、本体ベース2の出力検出取付部48に各ネジ35A、35Bで取り付けられる左右方向に長い平面視横長四角形の本体ベース取付部52Aと、本体ベース取付部52Aの後側端縁部の中央部から所定幅で所定長さ後側方向に延出され、更に、略直角上側方向に延出された第3ネジ挿入部52Bとから構成されている。第3ネジ挿入部52Bの略直角上側方向に延出された部分には、第3位置決めネジ55が前側から嵌挿される貫通孔92が形成されている。
[ミラー調整機構51の組み付け]
次に、ダイクロイックミラーユニット5の組み立て、及び、ミラー調整機構51の本体ベース2への組み付けについて、図5乃至図8に基づいて説明する。
図6乃至図8に示すように、先ず、押さえ板56と第1保持部材57との間にダイクロイックミラー31を挟み、各ネジ61で押さえ板56を第1保持部材57に取り付けて、ダイクロイックミラー31を保持する。そして、第2保持部材58の延出部58Bを第1保持部材57の延出部57Cの上側に載置し、θ回転軸64にバネ座金95と平座金96とを挿通した状態で上側から各貫通孔72、65に嵌入する。
そして、θ回転軸64の軸部64Aに第1保持部材57の延出部57Cの下側から平座金97を挿通して、軸部64Aの先端部の外周部に形成された溝にE形止め輪98を嵌め込む。続いて、θ固定ネジ62に平座金101を挿通した状態で第2保持部材58の延出部58Bに形成された長孔73に嵌入して、第1保持部材57の延出部57Cに形成されたネジ孔63にねじ込み、仮固定する。
その後、第2保持部材58の第1ネジ挿入部69に形成された貫通孔71と第1保持部材57の第1ネジ取付部66との間に、第1圧縮コイルバネ102を配置する。そして、第1位置決めネジ67を第1ネジ挿入部69に形成された貫通孔71と第1圧縮コイルバネ102に挿通して、第1ネジ取付部66に形成されたネジ孔68にねじ込み、仮固定する。続いて、第2保持部材58の平板部58Aの後側面を第3保持部材59の平板部59Bの前側面に当接し、α回転軸77にバネ座金103と平座金105とを挿通した状態で後側から各貫通孔87、78に嵌入する。
そして、α回転軸77の軸部77Aに第2保持部材58の平板部58Aの前側から平座金106を挿通して、軸部77Aの先端部の外周部に形成された溝にE形止め輪107を嵌め込む。その後、α固定ネジ81に平座金108を挿通した状態で第2保持部材58の平板部58Aに形成された長孔82に嵌入して、第3保持部材59の平板部59Bに形成されたネジ孔88にねじ込み、仮固定する。
そして、第3保持部材59の第2ネジ挿入部89と第2保持部材58の延出部58Bに形成されたネジ孔76との間に、第2圧縮コイルバネ109を配置する。続いて、第2位置決めネジ75を第2ネジ挿入部89に形成された長孔91と第2圧縮コイルバネ109に挿通して、延出部58Bに形成されたネジ孔76にねじ込み、仮固定する。これにより、ダイクロイックミラーユニット5が組み立てられる。
続いて、図5乃至図8に示すように、第3保持部材59の平板部59Bをレーザ発振器15側に向けた状態で、第3保持部材59のベース部59Aに形成された各ピン用長孔86Aに、本体ベース2の上面に立設された各スライドガイドピン85を嵌入しつつ、ダイクロイックミラーユニット5を本体ベース2上に載置する。そして、各固定ネジ83を第3保持部材59のベース部59Aに形成された各ネジ用長孔86Bに嵌挿して本体ベース2に形成された不図示のネジ孔にねじ込み、ダイクロイックミラーユニット5を本体ベース2上に仮固定する。
その後、位置決め用部材52の本体ベース取付部52Aを本体ベース2の出力検出取付部48の上側に載置し、各ネジ35A、35Bを出力検出部8が取り付けられる各ネジ孔111(図11参照)にねじ込み、位置決め用部材52を本体ベース2上にネジ止めする。そして、位置決め用部材52の第3ネジ挿入部52Bと第3保持部材59の第3ネジ取付部59Cに形成されたネジ孔84との間に、第3圧縮コイルバネ53を配置する。続いて、第3位置決めネジ55を第3ネジ挿入部52Bに形成された貫通孔92と第3圧縮コイルバネ53に挿通して、第3ネジ取付部59Cに形成されたネジ孔84にねじ込み、仮固定する。これにより、ミラー調整機構51が本体ベース2上に取り付けられる。
従って、図6及び図7に示すように、第1位置決めネジ67のネジ頭部67Aと第2位置決めネジ75のネジ頭部75Aは、レーザ光Lが入射されるダイクロイックミラー31の外周部よりも、レーザ光Lの第1光軸L1に対して半径方向外側の位置に配置されている。また、第3位置決めネジ55のネジ頭部55Aは、ダイクロイックミラー31を挟んでレーザ発振器15に対して反対側の位置に配置されている。これにより、レーザ発振器15からレーザ光Lを出射させた状態で、各位置決めネジ55、67、75のネジ頭部55A、67A、75Aを回転させて光軸L2を調整することができ、光軸調整作業を安全、且つ、迅速に行うことが可能となる。
[ミラー調整機構51の調整方法]
次に、上記のように構成されたミラー調整機構51によるダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更する調整方法について図6、図7、図9、及び図10に基づいて説明する。尚、図9に示すように、レーザ発振器15からレーザ光Lを出射している状態で、ミラー調整機構51の調整を行うことができる。
図6及び図7に示すように、ダイクロイックミラーユニット5の第3保持部材59の各固定ネジ83を少し緩めて、第3位置決めネジ55を回転させることによって、ダイクロイックミラーユニット5をレーザ光Lの第1光軸L1に沿って前後方向に微小移動させることができる。つまり、図9に示すように、第3位置決めネジ55を回転させることによって、ダイクロイックミラー31を第1光軸L1に沿って前後方向(Z方向)に微小移動させて、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2を前後方向に微小移動させることができる。そして、再度、各固定ネジ83をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31の前後方向の位置を固定することができる。
例えば、図10の下側に示すように、調整前には、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2が、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gの第2光軸G1よりも後側、つまり、レーザ発振器15側に位置している。そのため、図10の上側に示すように、ダイクロイックミラーユニット5の第3保持部材59の各固定ネジ83を少し緩めて、第3位置決めネジ55を時計方向に回してダイクロイックミラーユニット5を前側方向に微小移動させる。
これにより、ダイクロイックミラー31が前側方向に微小移動して、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2が前側方向に微小移動する。その結果、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2と、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gの第2光軸G1とを一致させることができる。そして、再度、各固定ネジ83をねじ込むことによって、その状態で、ダイクロイックミラー31の前後方向の位置を固定することができる。
また、図6、図7及び図9に示すように、ダイクロイックミラーユニット5の第2保持部材58の延出部58Bと第1保持部材57の延出部57Cとを固定しているθ固定ネジ62を少し緩めて、第1位置決めネジ67を回転させる。これにより、延出部58Bの貫通孔72と延出部57Cの貫通孔65に嵌入されるθ回転軸64を中心として、第1保持部材57を微小回転させることができる。
その結果、ダイクロイックミラー31をレーザ光Lの第1光軸L2及び可視レーザ光Gの第2光軸G1に直交する中心軸(θ軸)回りに微小回転させ、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向きを前後方向に微小角度だけ変更することができる。そして、再度、θ固定ネジ62をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31のθ軸回りの向きを固定することができる。
また、図6、図7及び図9に示すように、ダイクロイックミラーユニット5の第2保持部材58の平板部58Aと第3保持部材59の平板部59Bとを固定しているα固定ネジ81を少し緩めて、第2位置決めネジ75を回転させる。これにより、平板部59Bの貫通孔87と平板部58Aの貫通孔78に嵌入されるα回転軸77を中心として、第2保持部材58及び第1保持部材57を微小回転させることができる。
その結果、ダイクロイックミラー31をレーザ光Lの第1光軸L1回り(図9中、α方向)に微小回転させ、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向きを上下方向に微小角度だけ変更することができる。そして、再度、α固定ネジ81をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31の第1光軸L1回りの向きを固定することができる。
そして、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向き及び第1光軸L1上の位置を調整した後、位置決め用部材52、第3位置決めネジ55及び第3圧縮コイルバネ53を本体ベース2及びダイクロイックミラーユニット5から取り外す。これにより、図1に示すように、出力検出部8及びガイド光部7を本体ベース2に取り付けることができる。
ここで、可視半導体レーザ23は、可視レーザ光源の一例として機能する。ダイクロイックミラー31は、ミラーの一例として機能する。ガルバノスキャナ10は、レーザ走査部の一例として機能する。押さえ板56、第1保持部材57、及び、第1位置決めネジ67は、第1保持部の一例を構成する。第2保持部材58、第3保持部材59、及び、第2位置決めネジ75は、第2保持部の一例を構成する。
第3保持部材59、位置決め用部材52、及び、第3位置決めネジ55は、第3保持部の一例を構成する。θ固定ネジ62及び第1位置決めネジ67は、第1固定部の一例を構成する。α固定ネジ81及び第2位置決めネジ75は、第2固定部の一例を構成する。各固定ネジ83及び第3位置決めネジ55は、第3固定部の一例を構成する。第3保持部材59は、ベース部材の一例として機能する。光検出センサ32は、受光部の一例として機能する。基板取付板36、ベース取付板37、及び、各ネジ35A、35B、39A、39Bは、受光調整機構の一例を構成する。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るレーザ加工装置1では、ダイクロイックミラー31は、「レーザ発振器15から出射されたレーザ光Lを反射してガルバノスキャナ10へ入射させる機能」と、「レーザ発振器15から出射されたレーザ光Lの一部を出力検出部8へ透過させる機能」と、「可視半導体レーザ23から出射された可視レーザ光Gを透過してガルバノスキャナ10へ入射させる機能」とを果たす。つまり、1つのダイクロイックミラー31で3つの機能を実現することができるため、レーザ加工装置1の部品点数の削減化を図って、小型化することができる。
また、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2と、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gの第2光軸G1とが一致するようにミラー調整機構51によって調整可能である。このため、加工対象物18の加工面18Aにおいてもレーザ光Lの光軸L2と可視レーザ光Gの第2光軸G1は一致する。そのため、作業者は可視レーザ光Gを用いて加工対象物18の位置決めを安全かつ容易に行うことが可能となり、加工対象物18に高精度でマーキング(印字)することができる。
また、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lが、ガルバノスキャナ10を介して、fθレンズ11の中心に真っ直ぐ入射するようにミラー調整機構51によって調整可能である。これにより、ガルバノスキャナ10を介して、2次元走査されるレーザ光Lによって加工対象物18の加工面18A上のマーキング(印字)可能な加工有効領域を前後方向と左右方向において偏りなく、最大限広く設定することが可能となる。
また、作業者は、ミラー調整機構51を介して、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2のガルバノスキャナ10への向き又は第1光軸L1方向の位置を調整することができる。つまり、レーザ光Lの光軸調整が一箇所のみのため、光軸調整作業の簡易化を図ることができる。また、レーザ加工装置1にミラー調整機構51を装着することができ、レーザ加工装置1の組立時に迅速に光軸調整作業を行うことができる。また、ミラー調整機構51によってダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2のガルバノスキャナ10への向き又は第1光軸L1方向の位置を調整することができ、ミラー調整機構51の小型化を図ることができる。
また、作業者は、θ回転軸64を中心に第1保持部材57を回転させる第1位置決めネジ67と、α回転軸77を中心に第2保持部材58を回転させる第2位置決めネジ75と、第3保持部材59をレーザ光Lの第1光軸L1方向に移動させる第3位置決めネジ55を個別に操作することができる。従って、作業者は、第1位置決めネジ67、第2位置決めネジ75、及び第3位置決めネジ55をそれぞれ個別に調整することによって、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸調整作業を迅速に行うことが可能となる。
また、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向き及び第1光軸L1上の位置を調整した後、位置決め用部材52及び第3位置決めネジ55を取り外して、出力検出取付部48に出力検出部8を各ネジ35A、35Bで取り付けることができる。出力検出部8の取付位置を、光軸調整用に兼用することができ、省スペース化を図ることができる。また、位置決め用部材52は、出力検出取付部48の出力検出部8をネジ止めする各ネジ孔111に各ネジ35A、35Bによってネジ止めされるため、位置決め用部材52を取り外した位置に、出力検出部8を確実に取り付けることができる。
出力検出部8は、各ネジ39A、39Bを緩めて、基板取付板36を上下方向(Y軸方向)に移動させることによって、光検出センサ32のレーザ光Lの第1光軸L1に対する上下方向(Y軸方向)の位置調整を行うことができる。出力検出部8は、各ネジ35A、35Bを緩めて、ベース取付板37を左右方向(X軸方向)に移動させることによって、光検出センサ32のレーザ光Lの第1光軸L1に対する左右方向(X軸方向)の位置調整を行うことができる。従って、作業者は、光検出センサ32の位置調整を迅速に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るレーザ加工装置121について図11乃至図14に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図10の第1実施形態に係るレーザ加工装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係るレーザ加工装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係るレーザ加工装置121の概略構成は、第1実施形態に係るレーザ加工装置1とほぼ同じ構成である。
但し、ダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更可能なダイクロイックミラーユニット5及びミラー調整機構51に替えて、ダイクロイックミラーユニット122及びミラー調整機構125が設けられている点で異なっている。
図11に示すように、ダイクロイックミラーユニット5に替えて、ダイクロイックミラーユニット122が本体ベース2に取り付けられている。また、位置決め用部材52に替えて、位置決め用部材123が、ガイド光部7が取り付けられるガイド光取付部126に各ネジ25A、25Bによってネジ止めされる。
また、位置決め用部材123とダイクロイックミラーユニット122は、図13に示すように、第3圧縮コイルバネ53を挟んで、この第3圧縮コイルバネ53に挿通された第3位置決めネジ55によって結合される。従って、ミラー調整機構125は、ダイクロイックミラーユニット122、位置決め用部材123、各ネジ25A、25B、第3位置決めネジ55及び第3圧縮コイルバネ53によって構成される。
[ダイクロイックミラーユニット122の概略構成]
図12及び図13に示すように、ダイクロイックミラーユニット122は、ダイクロイックミラーユニット5とほぼ同じ構成であるが、第3保持部材59に替えて、第3保持部材127が設けられている。この第3保持部材127は、第3保持部材59の構成とほぼ同じ構成である。但し、ベース部59Aには、一対のピン用長孔86Aに替えて、本体ベース2上に立設された一対のスライドガイドピン128が嵌入される左右方向に長い一対のピン用長孔129が形成されている。尚、図12中、一方のスライドガイドピン128が示されている。
また、ベース部59Aには、一対のネジ用長孔86Bに替えて、各固定ネジ83が嵌入される左右方向に長い一対のネジ用長孔131が形成されている。従って、各固定ネジ83を少し緩めることによって、第3保持部材127を各ピン用長孔129に嵌入されるスライドガイドピン128に沿って左右方向に動かすことができる。尚、各スライドガイドピン128の本体ベース2からの高さは、ベース部59Aの厚さ以下に形成され、各ピン用長孔129から上方向に突出しないように設けられている。
また、ベース部59Aには、ベース部59Aの前側端縁部から略直角上側方向に延出された第3ネジ取付部59Cに替えて、ベース部59Aの左側縁部の前側端部から所定幅で略直角上側方向に延出された第3ネジ取付部132が設けられている。第3ネジ取付部132には、第3位置決めネジ55が左側からねじ込まれるネジ孔133が形成されている。
[位置決め用部材123の概略構成]
図11乃至図13に示すように、位置決め用部材123は、本体ベース2のガイド光取付部126に各ネジ25A、25Bで取り付けられる前後方向に長い平面視横長四角形の本体ベース取付部123Aと、本体ベース取付部123Aの左側縁部の前側端部から所定幅で略直角上側方向に延出された第3ネジ挿入部123Bとから構成されている。第3ネジ挿入部123Bには、第3位置決めネジ55が左側から嵌挿される貫通孔135が形成されている。
[ミラー調整機構51の組み付け]
図12及び図13に示すように、ダイクロイックミラーユニット122の組み立ては、ダイクロイックミラーユニット5と同じ組み立て手順で組み立てることができる。
そして、図11乃至図13に示すように、第3保持部材127の平板部59Bをレーザ発振器15側に向けた状態で、第3保持部材127のベース部59Aに形成された各ピン用長孔129に、本体ベース2の上面に立設された各スライドガイドピン128を嵌入しつつ、ダイクロイックミラーユニット122を本体ベース2上に載置する。
そして、各固定ネジ83を第3保持部材127のベース部59Aに形成された各ネジ用長孔131に嵌挿して本体ベース2に形成された不図示のネジ孔にねじ込み、ダイクロイックミラーユニット122を本体ベース2上に仮固定する。その後、位置決め用部材123の本体ベース取付部123Aを本体ベース2のガイド光取付部126の上側に載置し、各ネジ25A、25Bをガイド光部7が取り付けられる各ネジ孔136(図5参照)にねじ込み、位置決め用部材123を本体ベース2上にネジ止めする。
続いて、位置決め用部材123の第3ネジ挿入部123Bと第3保持部材127の第3ネジ取付部132に形成されたネジ孔133との間に、第3圧縮コイルバネ53を配置する。続いて、第3位置決めネジ55を第3ネジ挿入部123Bに形成された貫通孔135と第3圧縮コイルバネ53に挿通して、第3ネジ取付部132に形成されたネジ孔133にねじ込み、仮固定する。これにより、ミラー調整機構125が本体ベース2上に取り付けられる。
従って、図12及び図13に示すように、第1位置決めネジ67のネジ頭部67A、第2位置決めネジ75のネジ頭部75A、及び、第3位置決めネジ55のネジ頭部55Aは、レーザ光Lが入射されるダイクロイックミラー31の外周部よりも、レーザ光Lの第1光軸L1に対して半径方向外側の位置に配置されている。これにより、レーザ発振器15からレーザ光Lを出射させた状態で、各位置決めネジ55、67、75のネジ頭部55A、67A、75Aを回転させて光軸L2を調整することができ、光軸調整作業を安全、且つ、迅速に行うことが可能となる。
[ミラー調整機構125の調整方法]
次に、上記のように構成されたミラー調整機構125によるダイクロイックミラー31の向き及び第1光軸L1上の位置を変更する調整方法について図12乃至図14に基づいて説明する。
図12及び図13に示すように、ダイクロイックミラーユニット122の第3保持部材127の各固定ネジ83を少し緩めて、第3位置決めネジ55を回転させることによって、ダイクロイックミラーユニット122をレーザ光Lの第1光軸L1に対して直交する左右方向に微小移動させることができる。そして、再度、各固定ネジ83をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31の左右方向の位置を固定することができる。
例えば、図14の下側に示すように、調整前には、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2が、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gの第2光軸G1よりも後側、つまり、レーザ発振器15側に位置している。そのため、図14の上側に示すように、ダイクロイックミラーユニット122の第3保持部材127の各固定ネジ83を少し緩めて、第3位置決めネジ55を時計方向に回してダイクロイックミラーユニット122を左側方向に微小移動させる。
これにより、ダイクロイックミラー31が左側方向に微小移動して、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2が前側方向に微小移動する。その結果、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2と、ダイクロイックミラー31を透過した可視レーザ光Gの第2光軸G1とを一致させることができる。そして、再度、各固定ネジ83をねじ込むことによって、その状態で、ダイクロイックミラー31の左右方向の位置を固定することができる。
また、ダイクロイックミラーユニット5と同様に、θ固定ネジ62を少し緩めて、第1位置決めネジ67を回転させる。これにより、ダイクロイックミラー31をレーザ光Lの第1光軸L2及び可視レーザ光Gの第2光軸G1に直交する中心軸(θ軸)回りに微小回転させ、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向きを前後方向に微小角度だけ変更することができる。そして、再度、θ固定ネジ62をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31のθ軸回りの向きを固定することができる。
また、ダイクロイックミラーユニット5と同様に、α固定ネジ81を少し緩めて、第2位置決めネジ75を回転させる。これにより、ダイクロイックミラー31をレーザ光Lの第1光軸L1回りに微小回転させ、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向きを上下方向に微小角度だけ変更することができる。そして、再度、α固定ネジ81をねじ込むことによって、ダイクロイックミラー31の第1光軸L1回りの向きを固定することができる。
ここで、第3保持部材127、位置決め用部材123、及び、第3位置決めネジ55は、第3保持部の一例を構成する。第3保持部材127は、ベース部材の一例として機能する。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るレーザ加工装置121では、第1実施形態に係るレーザ加工装置1とほぼ同じ効果を奏することができる。また、ダイクロイックミラー31で反射されたレーザ光Lの光軸L2の向き及び第1光軸L1上の位置を調整した後、位置決め用部材123及び第3位置決めネジ55を取り外して、ガイド光取付部126にガイド光部7を各ネジ25A、25Bで取り付けることができる。ガイド光部7の取付位置を、光軸調整用に兼用することができ、省スペース化を図ることができる。また、位置決め用部材123は、ガイド光取付部126のガイド光部7をネジ止めする各ネジ孔136に各ネジ25A、25Bによってネジ止めされるため、位置決め用部材123を取り外した位置に、ガイド光部7を確実に取り付けることができる。
尚、本発明は前記第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
1,121 レーザ加工装置
3 レーザ発振ユニット
5、122 ダイクロイックミラーユニット
7 ガイド光部
8 出力検出部
10 ガルバノスキャナ
15 レーザ発振器
23 可視半導体レーザ
31 ダイクロイックミラー
32 光検出センサ
51、125 ミラー調整機構
52、123 位置決め用部材
55 第3位置決めネジ
56 押さえ板
57 第1保持部材
58 第2保持部材
59、127 第3保持部材
67 第1位置決めネジ
75 第2位置決めネジ
L レーザ光
L1 第1光軸
L2 光軸
G 可視レーザ光
G1 第2光軸

Claims (10)

  1. レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器の出射方向である前記レーザ光の第1光軸に対して交差する第2光軸上に可視レーザ光を出射する可視レーザ光源と、
    前記第1光軸上であり、且つ、前記第2光軸上に配置されて、一方の面に前記レーザ光が入射され、他方の面に前記可視レーザ光が入射されて、前記一方の面に入射される前記レーザ光を反射すると共に前記レーザ光の一部を透過し、更に、前記他方の面に入射される前記可視レーザ光を透過するミラーと、
    前記第2光軸上において、前記ミラーを挟んで前記可視レーザ光源に対向するように配置されて、前記ミラーを介して入射された前記レーザ光と前記可視レーザ光とを加工対象物の加工面に走査するレーザ走査部と、
    前記第1光軸上において、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対向するように配置されて、前記ミラーを透過した前記レーザ光の一部を受光して、前記レーザ光の出力を検出する出力検出部と、
    前記ミラーを保持すると共に、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸の前記レーザ走査部側への向き又は前記第1光軸方向の位置を変更可能なミラー調整機構と、
    前記レーザ発振器が配設される本体ベースと、
    を備え、
    前記ミラー調整機構は、
    前記ミラーを前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動して任意の角度で保持する第1保持部と、
    前記ミラーを前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で保持する第2保持部と、
    前記ミラーを前記第1光軸方向に移動させて任意の位置で保持する第3保持部と、
    のうち、少なくとも1つを有し、
    前記第1保持部は、前記ミラーを保持するミラー保持部を保持すると共に、前記ミラー保持部を前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて任意の角度で固定する第1固定部を有し、
    前記第2保持部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で固定する第2固定部を有し、
    前記第3保持部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記第2固定部を前記第1光軸方向に移動させて任意の位置で前記本体ベース上に固定する第3固定部を有し、
    前記ミラーは、前記ミラー調整機構を介して、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸を、前記ミラーを透過した前記可視レーザ光の光軸に一致させることが可能となるように調整可能に設けられていることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記第1固定部は、前記ミラー保持部を前記中心軸回りに回動させて位置決めする第1位置決めネジを有し、
    前記第2固定部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて位置決めする第2位置決めネジを有し、
    前記第3固定部は、前記第2固定部を前記第1光軸方向に移動させて位置決めする第3位置決めネジを有し、
    前記第1位置決めネジ、前記第2位置決めネジ、及び前記第3位置決めネジは、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、前記第1光軸に対して前記ミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、ネジ頭部が配置されることを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第3固定部は、
    前記第2固定部を保持すると共に、前記本体ベース上を移動して固定されるベース部材と、
    前記本体ベース上に着脱可能に取り付けられて、前記第3位置決めネジを介して前記ベース部材を位置決めする位置決め用部材と、
    を有し、
    前記位置決め用部材は、前記本体ベース上の前記出力検出部の取付位置に着脱可能に取り付けられると共に、前記第3位置決めネジと共に前記本体ベースから取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記位置決め用部材は、前記出力検出部を前記本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされて着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
  5. レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器の出射方向である前記レーザ光の第1光軸に対して交差する第2光軸上に可視レーザ光を出射する可視レーザ光源と、
    前記第1光軸上であり、且つ、前記第2光軸上に配置されて、一方の面に前記レーザ光が入射され、他方の面に前記可視レーザ光が入射されて、前記一方の面に入射される前記レーザ光を反射すると共に前記レーザ光の一部を透過し、更に、前記他方の面に入射される前記可視レーザ光を透過するミラーと、
    前記第2光軸上において、前記ミラーを挟んで前記可視レーザ光源に対向するように配置されて、前記ミラーを介して入射された前記レーザ光と前記可視レーザ光とを加工対象物の加工面に走査するレーザ走査部と、
    前記第1光軸上において、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対向するように配置されて、前記ミラーを透過した前記レーザ光の一部を受光して、前記レーザ光の出力を検出する出力検出部と、
    前記ミラーを保持すると共に、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸の前記レーザ走査部側への向き又は前記第1光軸方向の位置を変更可能な第2ミラー調整機構と、
    前記レーザ発振器が配設される本体ベースと、
    を備え、
    前記第2ミラー調整機構は、
    前記ミラーを前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動して任意の角度で保持する第1保持部と、
    前記ミラーを前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で保持する第2保持部と、
    前記ミラーを前記第2光軸方向に移動させて任意の位置で保持する第4保持部と、
    のうち、少なくとも1つを有し、
    前記第1保持部は、前記ミラーを保持するミラー保持部を保持すると共に、前記ミラー保持部を前記第1光軸及び前記第2光軸に直交する中心軸回りに回動させて任意の角度で固定する第1固定部を有し、
    前記第2保持部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて任意の角度で固定する第2固定部を有し、
    前記第4保持部は、前記第2固定部を保持すると共に、前記第2固定部を前記第2光軸方向に移動させて任意の位置で前記本体ベース上に固定する第4固定部を有し、
    前記ミラーは、前記第2ミラー調整機構を介して、前記ミラーで反射された前記レーザ光の光軸を、前記ミラーを透過した前記可視レーザ光の光軸に一致させることが可能となるように調整可能に設けられていることを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 前記第1固定部は、前記ミラー保持部を前記中心軸回りに回動させて位置決めする第1位置決めネジを有し、
    前記第2固定部は、前記第1固定部を前記第1光軸回りに回動させて位置決めする第2位置決めネジを有し、
    前記第4固定部は、前記第2固定部を前記第2光軸方向に移動させて位置決めする第4位置決めネジを有し、
    前記第1位置決めネジ、前記第2位置決めネジ、及び前記第4位置決めネジは、前記ミラーを挟んで前記レーザ発振器に対して反対側の位置に、又は、前記第1光軸に対して前記ミラーの外周面よりも半径方向外側の位置に、ネジ頭部が配置されることを特徴とする請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記第4固定部は、
    前記第2固定部を保持すると共に、前記本体ベース上を移動して固定される第2ベース部材と、
    前記本体ベース上に着脱可能に取り付けられて、前記第4位置決めネジを介して前記第2ベース部材を位置決めする第2位置決め用部材と、
    を有し、
    前記第2位置決め用部材は、前記本体ベース上の前記可視レーザ光源の取付位置に着脱可能に取り付けられると共に、前記第4位置決めネジと共に前記本体ベースから取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記第2位置決め用部材は、前記可視レーザ光源を前記本体ベース上に取り付けるネジ孔にネジ止めされて着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記出力検出部は、
    前記レーザ光を受光する受光部と、
    前記受光部の位置を前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸に対して変更可能な受光調整機構部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  10. 前記受光調整機構部は、前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸に対して直交すると共に前記第2光軸に平行なX軸方向と、前記ミラーを透過した前記レーザ光の光軸及び前記第2光軸に対して直交するY軸方向とのうち、少なくとも一方向に前記受光部の位置を変更可能であることを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
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