JP7242206B2 - 頭髪編み具 - Google Patents

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Description

本発明は、髪型をアレンジする際に使用する頭髪編み具に関する。
主に女性においては、自身の手で頭髪を様々な髪型にアレンジしている。例えば三つ編みに代表される編み込みという髪型は、複数に分けた毛束を交互にクロスさせながら編み込んで作られる。ところが、このように手だけで編み込みを作る場合、途中で手を離すことができず、また、左右の手で毛束を持ち替えながら、かつ、編み込みの状態を手で保持しながら行うため、煩雑であるとともに、美しく完成させることが難しいという不満があった。そこで、編み込みの髪型を作る際の補助具が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、2枚のプラスチック板を重ね、中央部で縦方向を軸として前後に開閉自在に連結して2重のバタフライ状に形成し、重ねた2枚のプラスチック板の両端を着脱自在の凸部と凹部による嵌合構造とし、2枚のプラスチック板の片側に毛束を挟持してから上記嵌合構造で固定するようにした頭髪編み器が開示されている。
また、特許文献2には、毛束をその外側から束ね止めするための束ね部を有し、該束ね部は柔軟性を有する材料で形成され、かつ、束ね部を閉じて束ね止め状態を維持するための手段が設けられており、束ね部が束ね止め状態にあるときに、束ね部を毛束に沿って移動させることができるようにした編み具が開示されている。
特開2005-279089号公報 特開2013-169435号公報
上記特許文献1に開示されている頭髪編み器では、2枚のプラスチック板で毛束を挟持することにより毛束が扁平な状態になるので、当該頭髪編み器を外すと毛束が自然の状態に戻ろうとする変化が生じ、このため、美しい編み込みを作りにくいものであった。また、毛束から当該頭髪編み器が落下することを防ぐために、プラスチック板により比較的大きな圧力をかけて毛束を挟持する必要があるので、プラスチック板を毛束に沿って移動させると頭髪を痛めるおそれがある。また、特許文献2に開示されている編み具では、編み込みの毛束の数に応じた複数個の編み具を用意しなければならないため、編み込みの作業が煩雑になったりコストがかかったりすることが懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、煩雑な手作業を必要とせず、かつ頭髪を痛めるおそれがなく、さらに低コストで美しい編み込みの髪型を円滑に作ることができる頭髪編み具を提供することを目的としている。
本発明に係る頭髪編み具は、(1)ベース部と、前記ベース部に設けられ、該ベース部を、頭髪に沿って移動可能、かつ任意の位置に係止可能とする係止部と、前記ベース部に形成された突起部と、前記ベース部の前記突起部を挟んだ位置にそれぞれ設けられ、頭髪の一部をまとめた毛束が挟み込まれて保持される2つの髪留め部と、を備えることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、係止部によりベース部を頭髪に係止させた状態から、例えば、2つの髪留め部に、頭髪の一部を取ってまとめた2つの毛束をクロスさせてそれぞれ挟み込む編み込み作業を、当該頭髪編み具を頭髪先端側に移動させながら繰り返し行うことにより、複数の左右の毛束がクロスして編み込まれたフィッシュボーンという髪型を作ることができる。
本発明に係る頭髪編み具は、上述した構成により、当該頭髪編み具を係止部により頭髪に移動可能に係止させることができ、また、頭髪に係止させた当該頭髪編み具の各髪留め部に、毛束をそれぞれ挟み込んで保持させることができる。このため、毛束から手を離して編み込みを行うことができるとともに、毛束をクロスさせる際に頭髪が混ざり合うことなく一定ボリュームの毛束をきれいにまとまった状態に保持することができる。また、突起部に触ることにより、その両側に、髪留め部がそれぞれ存在することが手探りでも容易にわかるため、編み込みを容易に行うことができる。したがって本発明に係る頭髪編み具は、煩雑な手作業を必要とせず、美しい編み込みの髪型を容易に作ることができる。また、係止部により頭髪に移動可能に係止されるため、頭髪を痛めるおそれがない。
また、本発明に係る頭髪編み具は、上述した構成により、1つの当該頭髪編み具で編み込みを行うことができるため、当該頭髪編み具を複数必要とせず、よって低コストで編み込みを行うことができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(2)ベース部と、前記ベース部に設けられ、該ベース部を、頭髪に沿って移動可能、かつ任意の位置に係止可能とする係止部と、前記ベース部に設けられ、頭髪の一部をまとめた毛束が挟み込まれて保持される髪留め部と、を備えることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、係止部によりベース部を頭髪に係止させ、毛束を髪留め部に挟み込んで保持しながら髪型のアレンジを行うという動作を、当該頭髪編み具を頭髪先端側に移動させながら繰り返し行うことにより、所望の髪型にアレンジする際の補助具として用いることができる。
本発明に係る頭髪編み具は、上述した構成により、当該頭髪編み具を係止部により頭髪に移動可能に係止させることができ、また、頭髪に係止させた当該頭髪編み具の髪留め部に毛束を保持させることができる。このため、毛束から手を離して編み込み等の髪型にアレンジすることができるとともに、毛束をクロスさせる際などにおいて頭髪が混ざり合うことなく一定ボリュームの毛束をきれいにまとまった状態に保持することができる。したがって本発明に係る頭髪編み具は、煩雑な手作業を必要とせず、美しい編み込み等の髪型を容易に作ることができる。また、係止部により頭髪に移動可能に係止されるため、頭髪を痛めるおそれがない。
本発明に係る頭髪編み具は、(3)前記髪留め部は、柔軟性を有する材料で形成された柔軟部材を有し、該柔軟部材に、毛束を保持する毛束保持部と、該保持部から外部に連通し、該保持部に外部から毛束を差し入れるための切れ込みと、が形成されていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、毛束を、切れ込みを通して保持部に対し容易に出し入れすることができるとともに、毛束は柔軟部材に接触するため頭髪を痛めるおそれがない。
本発明に係る頭髪編み具は、(4)前記髪留め部は、毛束の滑りを抑える滑り抑制部を有することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、髪留め部に保持された毛束の滑りが抑えられるので、毛束から手を離しても毛束にずれが生じにくく、美しい編み込み等の髪型を容易に作ることができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(5)前記髪留め部は、前記ベース部に形成された凹部と、前記ベース部にヒンジ部を介して該ベース部に対し離接する方向に開閉可能に支持され、閉じた状態で前記凹部に対向する内面を有し、該内面と前記凹部との間に毛束の保持空間を形成するクリップ部と、前記クリップ部を閉じる方向に付勢する付勢部と、を備えることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、クリップ部を開いて保持空間に毛束を入れ、付勢部によりクリップ部を閉じさせることにより、毛束を容易に髪留め部に挟み込んで保持させることができる。このため、毛束から手を離して編み込みを行うことができるとともに、毛束をクロスさせる際に頭髪が混ざり合うことなく一定ボリュームの毛束をきれいにまとまった状態に保持することができる。その結果、煩雑な手作業を必要とせず、美しい編み込みの髪型を容易に作ることができる。また、本発明に係る頭髪編み具は、髪留め部に形成される保持空間に毛束が保持されるため、毛束を自然な状態で保持することができるとともに、頭髪を痛めるおそれがない。
本発明に係る頭髪編み具は、(6)前記髪留め部は、前記保持空間に配設された柔軟性を有する柔軟部材と前記クリップ部との協働によって毛束が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、髪留め部に挟み込まれた毛束の動きを柔軟部材により抑えることができるため、毛束を自然な状態で確実かつ柔軟に保持することができるとともに、頭髪が痛むことを防ぐことができる。また、毛束の量が多くても柔軟部材が変形することにより毛束を確実に保持することができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(7)前記柔軟部材は弾性変形可能なバンドで構成されており、該バンドと前記クリップ部とにより毛束が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、髪留め部に挟み込まれた毛束が動くことをバンドで抑えることができ、毛束を自然な状態で確実かつ柔軟に保持することができるとともに、頭髪が痛むことを防ぐことができる。また、毛束の量が多くてもバンドが弾性変形することにより毛束を確実に保持することができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(8)2つの前記髪留め部を備え、該2つの髪留め部の前記各クリップ部の間に前記突起部が設けられ、前記クリップ部は、回動端側の先端縁を含む先端部を有するとともに、該クリップ部が閉じた状態で該先端縁が前記突起部に当接するように前記ベース部に回動可能に支持されており、前記先端部は、前記突起部に近づくにつれて前記ベース部に向かって湾曲するように形成された外面を有することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、毛束をクリップ部の先端部の湾曲する外面に沿わせながら髪留め部の保持空間に入れることにより、毛束を円滑に各保持空間に入れることができ、作業性をより向上させることができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(9)前記クリップ部は、手指で押さえることにより該クリップ部の開閉動作を行うことができるようにした開閉操作面を有し、該開閉操作面には滑り止め部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、開閉操作面を押さえてクリップ部を開閉させる際に、滑り止め部によって滑り止めがなされ、クリップ部の開閉動作を確実に行うことができ、クリップ部の操作性の向上を図ることができる。
本発明に係る頭髪編み具は、(10)前記係止部は、頭部に沿うように湾曲した形状に形成されるとともに頭部の所定面積を覆って接触する裏面を有することを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、係止部の裏面を頭髪に当てて使用することにより動きにくく安定した状態となり、このため、頭髪のアレンジを行いやすい。
本発明に係る頭髪編み具は、(11)前記係止部はブラシで構成されていることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る頭髪編み具は、当該頭髪編み具を頭髪先端側に移動させる際、頭髪を痛めることなく円滑に移動させることができる。
本発明によれば、煩雑な手作業を必要とせず、かつ頭髪を痛めるおそれがなく、さらに低コストで美しい編み込みの髪型を円滑に作ることができる頭髪編み具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の斜視図であって、第1および第2のクリップ部が閉じた状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の斜視図であって、第1および第2のクリップ部が開いた状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、第1および第2のクリップ部が閉じた状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、第1および第2のクリップ部が開いた状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の裏面図である。 本発明の第1の実施形態に係る頭髪編み具の使用方法の手順を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、第1および第2のクリップ部が開いた状態を示している。 本発明の第3の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、第1および第2のクリップ部が閉じた状態を示している。 本発明の第4の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、第1および第2のクリップ部が閉じた状態を示している。 本発明の第5の実施形態に係る頭髪編み具の正面図である。 本発明の第6の実施形態に係る頭髪編み具の正面図であって、クリップ部が閉じた状態を示している。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、構成について説明する。
図1~図6は第1の実施形態に係る頭髪編み具1を示している。本実施形態の頭髪編み具1は、ベース部9と、ベース部9に設けられ、ベース部9を、頭髪に沿って移動可能、かつ任意の位置に係止可能とするブラシ部8と、ベース部9に形成された突起部95と、ベース部9の突起部95を挟んだ位置にそれぞれ設けられ、頭髪の一部をまとめた毛束が挟み込まれて保持される略円筒状の第1の保持空間1Aおよび第2の保持空間2Aをそれぞれ形成する第1の髪留め部100および第2の髪留め部200と、を有する。ここで、ブラシ部8は、本発明における係止部を構成する。
図1に示すように、ベース部9は、ブラシ部8の表面8aに一体に成形されている。図6に示すように、ブラシ部8は楕円板状であって、当該頭髪編み具1を使用する頭部に沿うように長手方向に湾曲した形状に形成されている。ブラシ部8においては、凹側の面が頭髪に接触する裏面8bを構成し、凸側の面が表面8aを構成する。本実施形態に係る頭髪編み具1は、編み込みの髪型を作る頭髪の部分に対し、その部分の左側にブラシ部8の長手方向一端側を配し、その部分の右側にブラシ部8の他端側を配した状態で、裏面8bを頭髪に接触させて使用される。
ブラシ部8は、頭髪の所定面積を覆って接触する大きさを有し、例えばその長手方向の寸法は、編み込みのためにまとめた2つの毛束を合わせた幅よりも十分に大きな寸法とされる。以下の説明において、図1の矢印W方向で示すブラシ部8の長手方向を「幅方向」といい、幅方向に直交する図1の矢印D方向を「奥行き方向」という。
図3および図6に示すように、ブラシ部8は、その裏面8bに複数の櫛80aを有する。これら櫛80aの先端には、幅方向に沿って延び、その両端が裏面8b側に湾曲した歯部80bが形成されている。図6に示すように、複数の櫛80aは、ブラシ部8の裏面8bの、幅方向に延びる両方の縁部8cに沿って等間隔をおいて形成されている。本実施形態に係る頭髪編み具1は、ブラシ部8を概ね水平な状態として裏面8bを頭部に当てることで使用される。頭髪編み具1は、頭部に当てられたブラシ部8の櫛80aが頭髪内に入り込むことで頭髪に係止されるとともに、頭髪が歯部80bと裏面8bとの間に入り込むことで、頭髪に沿って移動可能に構成されている。
ベース部9は、ブラシ部8の表面8aに、当該ブラシ部8の幅方向一端部から他端部にわたって形成されている。ベース部9は、幅方向一端部に第1の端部901を有し、幅方向他端部に第2の端部902を有する。
突起部95は、ベース部9の表面9aの幅方向中央部から、表面9aに略垂直に突出するように形成されている。突起部95はベース部9と一体に成形されている。図3に示すように、突起部95は、奥行き方向から見た場合において、先端に向かうにしたがって幅が狭くなる三角錐状の形状を有している。また、突起部95の突端は、手指を傷つけることがないように湾曲面に形成されている。
図3および図4に示すように、本実施形態に係る頭髪編み具1は、突起部95を対称中心として、図3および図4において左右、すなわち幅方向で対称に構成されており、第1の髪留め部100と第2の髪留め部200とは同様の構成を有している。
以下、突起部95を挟んで設けられた第1の髪留め部100および第2の髪留め部200を説明する。ここで、図3および図4において、突起部95の左側が第1の髪留め部100とし、突起部95の右側が第2の髪留め部200として説明する。前述したベース部9における第1の端部901は第1の髪留め部100側に設けられ、第2の端部902は第2の髪留め部200側に設けられている。
第1の髪留め部100は、ベース部9に形成された第1の凹部91と、ベース部9にヒンジ軸96を介して頭髪に対し離接する方向に開閉可能に支持され、閉じた状態で第1の凹部91に対向する内面32bを有し、該内面32bと第1の凹部91との間に略円筒状の第1の保持空間1Aを形成する第1のクリップ部10と、第1のクリップ部10を閉じる方向に付勢するコイルばね40と、を有する。第1の凹部91は、ベース部9の表面9aに形成された湾曲面によって形成されている。ヒンジ軸96は、本発明のヒンジ部を構成する。
また、第2の髪留め部200は、ベース部9に形成された第2の凹部92と、ベース部9にヒンジ軸96を介して頭髪に対し離接する方向に開閉可能に支持され、閉じた状態で第2の凹部92に対向する内面32bを有し、該内面32bと第2の凹部92との間に略円筒状の第2の保持空間2Aを形成する第2のクリップ部20と、第2のクリップ部20を閉じる方向に付勢するコイルばね40と、を有する。第2の凹部92は、ベース部9の表面9aに形成された湾曲面によって形成されている。ここで、コイルばね40は、本発明における付勢部に構成する。なお、本発明の付勢部としてはコイルばね40に限定されず、板ばね等の他の種類のばねで構成可能することができる。
図1および図3は、それぞれ第1のクリップ部10および第2のクリップ部20が閉じた状態の頭髪編み具1を示し、図2および図4は、それぞれ第1のクリップ部10および第2のクリップ部20が開いた状態の頭髪編み具1を示している。
以下、第1の髪留め部100、すなわち図3および図4において突起部95の左側の構成を説明する。
ベース部9の表面9aには、第1の凸部910が形成されている。第1の凸部910は、突起部95と第1の端部901との間であって、やや第1の端部901寄りの位置に形成されている。第1の凹部91は、突起部95と第1の凸部910との間にわたり表面が凹状となるように形成されている。第1の凸部910は、奥行き方向を軸方向とするヒンジ軸96を有する。
図4に示すように、第1のクリップ部10は、ベース部9にヒンジ軸96を介して矢印A-Bで示す方向に回動可能に支持されている。第1のクリップ部10は、ヒンジ軸96を軸として回動する先端縁32cを含む内側の板部32を有する。図4の矢印A方向は内側の板部32が頭髪から離れる方向であり、矢印B方向は内側の板部32が頭髪に接近する方向である。第1のクリップ部10は、閉じた状態で先端縁32cが突起部95に当接するようにヒンジ軸96に回動可能に支持されている。ここで、内側の板部32は、本発明におけるクリップ部の先端部を構成する。また、第1のクリップ部10は、後述するように手指で押さえることにより第1のクリップ部10の開閉動作を行うことができるようにした開閉操作面33bを有する。この開閉操作面33bには、滑り止め部33cが設けられている。
第1のクリップ部10は、ヒンジ軸96に回動可能に支持された基部31と、基部31から突起部95側に延びる上述した内側の板部32と、基部31から第1の端部901側に延びる外側の板部33と、を有する。内側の板部32は上述したように先端縁32cを有し、また、外側の板部33は先端縁33eを有する。
図5に示すように、第1のクリップ部10の基部31は、二股状に分かれた2つの基部片31aを有する。各基部片31aには軸孔31bが形成され、この軸孔31bにヒンジ軸96が嵌合されている。
図3に示すように、内側の板部32は、基部31側から先端縁32cに向かって図中上側が凸となるように湾曲した形状を有している。内側の板部32は、突起部95に近づくにつれベース部9に向かって湾曲するように形成された表面側の外面32aを有し、これにより内側の板部32は、先端縁32cに向かうにしたがって厚さが小さくなるように奥行き方向から見た場合においてテーパ状に形成されている。また、内側の板部32は、上述したように第1の凹部91に対向する内面32bを有する。図3に示すように、本実施形態に係る第1の髪留め部100は、第1のクリップ部10が閉じた状態で、内側の板部32の内面32bと第1の凹部91との間に、略円筒状の第1の保持空間1Aが形成されるように構成されている。
図3に示すように、第1のクリップ部10の外側の板部33は、基部31側から先端縁33eに向かって図中上側が凹となるように湾曲した形状を有している。外側の板部33の凹状に湾曲する表面側の外面33aの先端縁33e側には開閉操作面33bが形成されており、この開閉操作面33bに、滑り止め部33cが設けられている。図4に示すように、滑り止め部33cは、先端縁33eに沿って弧状に形成された複数の凸条33dにより構成されている。
前述したように、第1の実施形態に係る第1の髪留め部100は、第1のクリップ部10を閉じる方向に付勢するコイルばね40を有する。図3および図4に示すように、当該コイルばね40は、コイル部40aと2つの腕部40b、40cとを備えたねじりコイルばねにより構成されている。
図5に示すように、ベース部9の第1の凸部910内には、コイルばね収納部911が形成されており、このコイルばね収納部911に、コイルばね40のコイル部40aが収納されている。そして、コイルばね40の一方の腕部40bがベース部9の第1の端部901近傍に係合され、他方の腕部40cが第1のクリップ部10の外側の板部33の先端縁33e近傍に係合されている。第1のクリップ部10は、コイルばね40によって図4の矢印B方向に回動するように付勢されることにより、内側の板部32の先端縁32cが突起部95の側面に当接して閉じた状態に保持されるようになっている。
第1の実施形態に係る頭髪編み具1においては、第1のクリップ部10が閉じた状態で突起部95が第1のクリップ部10から所定高さ突出するように構成されている。第1のクリップ部10から突起部95が突出する量は、手探りの状態でも手指で突起部95を触ることにより該突起部95の存在がわかり、かつ、突起部95の両側に第1のクリップ部10および第2のクリップ部20を容易に探り当てることができるようになっている。
図2および図4に示すように、本実施形態に係る第1の髪留め部100は、突起部95と第1の凸部910との間に概ね幅方向に延びるようにして架け渡された帯状の第1のバンド51を有する。第1のバンド51は、本発明の滑り抑制部および柔軟部材を構成する。図2に示すように、第1のバンド51は、その一端部が突起部95の側面に形成された係合部93に係合され、その他端部が第1の凸部910の先端部に形成された係合部94に係合されている。なお、図2では第1の髪留め部100側の係合部94は図示されていないが、図2の第2の髪留め部200側に図示する係合部94が第1の髪留め部100側に設けられている。また、図2では第2の髪留め部200側の係合部93は図示されていないが、図2の第1の髪留め部100側に図示する係合部93が第2の髪留め部200側に設けられている。
第1のバンド51は、第1の凹部91と第1のクリップ部10の内側の板部32との間であって内側の板部32に近接した位置に配置されている。第1のバンド51は、弾性変形可能で、頭髪に対しある程度の摩擦が生じる材料で形成されている。その材料としては、シリコーンゴム等が好適とされる。
第1のクリップ部10は、外側の板部33の開閉操作面33bをコイルばね40の付勢力に抗してベース部9側に押すことにより開かせることができるようになっており、また、押す力を解除することでコイルばね40の付勢力により閉じるようになっている。本実施形態に係る第1の髪留め部100においては、第1のクリップ部10を開いて第1のクリップ部10の内側に毛束を入れ、第1のクリップ部10を閉じることにより、第1の保持空間1A内において第1のバンド51と第1のクリップ部10の内側の板部32との間に毛束が挟み込まれるようになっている。
次に、第1の実施形態に係る第2の髪留め部200、すなわち図3および図4で突起部95の右側の構成について説明するが、前述したように本実施形態に係る頭髪編み具1は、図3および図4において突起部95を対称中心として左右対称に構成されており、第1の髪留め部100と第2の髪留め部200とは同様の構成を有している。したがって、第2の髪留め部200については、同様の構成要素には同様の符号を付し、それらを簡略に説明するか、あるいは説明を省略する。
図1に示すように、第2の髪留め部200側におけるベース部9の表面9aには、ヒンジ軸96を備えた第2の凸部920が形成されており、ベース部9における突起部95と第2の凸部920との間に、第2の凹部92が形成されている。第2の髪留め部200を構成する第2のクリップ部20は、ベース部9の第2の凸部920にヒンジ軸96を介して図4に示す矢印A-Bで示す方向に回動可能に支持されている。
第2のクリップ部20は、第1のクリップ部10と同様に、基部31と、内側の板部32と、外側の板部33と、を有する。基部31は、第2の凸部920のヒンジ軸96に回動可能に支持されている。内側の板部32は、第2の凹部92に対向する内面32bと、突起部95に当接する先端縁32cと、突起部95に近づくにつれベース部9に向かって湾曲するように形成された外面32aと、を有する。外側の板部33は、外面33aと、先端縁33eと、を有する。また、外側の板部33は開閉操作面33bを有し、開閉操作面33bには、複数の凸条33dにより構成された滑り止め部33cが設けられている。
図3に示すように、第1の実施形態に係る第2の髪留め部200においては、第2のクリップ部20が閉じた状態で、内側の板部32の内面32bと第2の凹部92との間に、略円筒状の第2の保持空間2Aが形成されるようになっている。また、第2のクリップ部20の内側の板部32の先端縁32cが、突起部95の側面に当接するようになっている。
また、第1の実施形態に係る第2の髪留め部200は、第1の髪留め部100と同様に、第2のクリップ部20を閉じる方向に付勢するコイルばね40を有する。また、第2の髪留め部200は、第1の髪留め部100の第1のバンド51と同様の第2のバンド52を有する。
第2のクリップ部20は、外側の板部33の開閉操作面33bをコイルばね40の付勢力に抗してベース部9側に押すことにより開かせることができるようになっており、また、押す力を解除することでコイルばね40の付勢力により閉じるようになっている。本実施形態に係る第2の髪留め部200においては、第2のクリップ部20を開いて第2のクリップ部20の内側に毛束を入れ、第2のクリップ部20を閉じることにより、第2の保持空間2A内において第2のバンド52と第2のクリップ部20の内側の板部32との間に毛束が挟み込まれるようになっている。
(作用)
次に、作用について説明する。
図7の(1)~(6)は、第1の実施形態に係る頭髪編み具1の使用手順の一例を示している。本実施形態に係る頭髪編み具1を使用するにあたっては、まず、図7(1)に示すように、後頭部のトップの頭髪を適当量取り、その頭髪の下方に、幅方向を概ね水平とした頭髪編み具1を係止する。頭髪編み具1は、ブラシ部8の裏面8bを頭髪の根元に押し付け、左右に若干揺らすことにより頭髪に係止することができる。ここで、頭髪編み具1においては、頭髪に対し第1の髪留め部100を左側に配し、第2の髪留め部200を右側に配するものとする。
次いで図7(2)に示すように、(1)で取ったトップの頭髪を2等分して右側の毛束Aと左側の毛束Bに分ける。そして、左側の第1のクリップ部10を開き、右側の毛束Aを第1のクリップ部の内側に入れて第1のクリップ部10を閉じ、第1のクリップ部10により毛束Aで挟み込んで保持する。続いて、第2のクリップ部20を開き、左側の毛束Bを毛束Aの上にクロスさせて第2のクリップ部20の内側に入れ第2のクリップ部20を閉じ、第2のクリップ部20により毛束Bを挟み込んで保持する。
次いで図7(3)~(5)に示すように、毛束Aの下側の毛束Cを取り出し、その毛束Cを毛束Bの上にクロスさせて第1のクリップ部10で挟み込んで保持し、次いで、毛束Bの下側の毛束Dを取り出し、その毛束Dを毛束Cの上にクロスさせて第2のクリップ部20で挟み込んで保持する。
以上の編み込みの作業を、当該頭髪編み具1を頭髪の先端側に少しずつ下げながら繰り返し行うことにより、図7(6)に示すように、左右の2つの毛束が幾重にもクロスして編み込まれたフィッシュボーンという髪型を作ることができる。この後は、所望の編み込み長さを得た後、頭髪編み具1を頭髪から取り外し、ヘアゴム等で編み込みの下端を結び、髪型を保持してアレンジを完成させる。
以上のようにして使用される本実施形態に係る頭髪編み具1は、ブラシ部8により頭髪に移動可能に係止させることができ、また、頭髪に係止させた当該頭髪編み具1の第1の髪留め部100および第2の髪留め部200に、毛束をそれぞれ挟み込んで保持させることができる。このため、毛束から手を離して編み込みを行うことができるとともに、毛束をクロスさせる際に頭髪が混ざり合うことなく一定ボリュームの毛束をきれいにまとまった状態に保持することができる。また、突起部95に触ることにより、その両側に、第1の髪留め部100の第1のクリップ部10および第2の髪留め部200の第2のクリップ部20がそれぞれ存在することが手探りでも容易にわかるため、編み込みを容易に行うことができる。この結果、本実施形態に係る頭髪編み具1においては、煩雑な手作業を必要とせず、美しい編み込みの髪型を容易に作ることができる。
また、本実施形態に係る頭髪編み具1は、1つの当該頭髪編み具1で編み込みを行うことができるため、当該頭髪編み具1を複数必要とせず、よって低コストで編み込みを行うことができる。
また、本実施形態に係る頭髪編み具1は、第1のクリップ部10と第1のバンド51との間、および第2のクリップ部20と第2のバンド52との間に、毛束が挟み込まれるように構成されている。この構成により、本実施形態に係る頭髪編み具1は、第1の髪留め部100および第2の髪留め部200に挟み込まれた毛束の滑りを各バンド51、52で抑えることができ、毛束を断面略円形状の自然な状態で確実かつ柔軟に保持することができるとともに、頭髪が痛むことを防ぐことができる。また、毛束の量が多くても各バンド51、52が弾性変形することにより毛束を確実に保持することができる。
また、本実施形態においては、第1のクリップ部10および第2のクリップ部20の各内側の板部32が突起部95に近づくにつれてベース部9に向かって湾曲するように形成された外面32aを有するため、毛束をその外面32aに沿わせながら各クリップ部10、20の内側に入れることができる。すなわち当該外面32aは、毛束を円滑に各保持空間1A、2Aに送り込むことができる送り込み部を構成している。このため、毛束を円滑に各保持空間1A、2Aに入れることができ、作業性をより向上させることができる。
また、本実施形態においては、第1のクリップ部10および第2のクリップ部20の各外側の板部33の各開閉操作面33bに滑り止め部33cがそれぞれ設けられているので、各クリップ部10、20を開閉させる際に滑り止め部33cによって滑り止めがなされ、このため、各クリップ部10、20の開閉動作を確実に行うことができ、開閉の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る頭髪編み具1のブラシ部8は、頭部に沿うように湾曲した形状に形成されるとともに頭髪の所定面積を覆って接触する裏面8bを有するので、当該頭髪編み具1は、使用する際に動きにくく安定した状態となり、このため頭髪の編み込みを行いやすい。
また、本実施形態に係る本発明に係る頭髪編み具1においては、ブラシ部8で頭髪に係止されるため、当該頭髪編み具1を頭髪先端側に移動させる際、頭髪を痛めることなく円滑に移動させることができる。
次に、図8~図12により、第2~第6の実施形態について説明する。以下に説明するこれら実施形態は、上述の第1の実施形態に対する一部構成の変更等であり、したがって、以下の説明では上述の第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、上述の第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図8および図9に示す第2および第3の実施形態は、第1の髪留め部100および第2の髪留め部200の各保持空間1A、2Aに配設された柔軟性を有するスポンジと各クリップ部10、20との協働によって毛束が挟み込まれるように構成されている。
(第2の実施形態)
図8に示す第2の実施形態においては、各髪留め部100、200をそれぞれ構成する第1のクリップ部10および第2のクリップ部20の各内面32bに、略半月状のスポンジ53がそれぞれ設けられ、一方、第1の凹部91および第2の凹部92の底面に、略半月状のスポンジ54がそれぞれ設けられている。スポンジ53、54は、本発明の滑り抑制部および柔軟部材を構成する。これらスポンジ53、54は、各クリップ部10、20、およびベース部9の各凹部91、92に、それぞれ接着剤による接着等の手段で設けることができる。
図8に示す第2の実施形態は、各クリップ部10、20を閉じると、スポンジ53、54の互いに対向する直線状部分が当接するようになっており、各クリップ部10、20を開いてスポンジ53、54の間に毛束を入れ、各クリップ部10、20をそれぞれ閉じることにより、毛束は圧縮したスポンジ53、54に弾性的に挟まれて各髪留め部100、200に保持されるようになっている。
この構成により、図8に示す第2の実施形態は、毛束が各髪留め部100、200に柔軟に挟み込まれて保持されるため、毛束を自然な状態で保持することができるとともに、頭髪を痛めるおそれがない。また、スポンジ53、54により毛束の滑りが抑えられるので、毛束から手を離しても毛束にずれが生じにくく、美しい編み込み等の髪型を容易に作ることができる。
(第3の実施形態)
図9に示す第3の実施形態においては、各髪留め部100、200の各保持空間1A、2Aに、円形状のスポンジ55がそれぞれ配設され、各クリップ部10、20が閉じると、各保持空間1A、2Aがそれぞれスポンジ55で埋まるように構成されている。スポンジ55は、本発明の滑り抑制部および柔軟部材を構成する。スポンジ55は、ベース部9の各凹部91、92の底面に、接着剤による接着等の手段で設けることができる。
図9に示す第3の実施形態は、各クリップ部10、20を閉じると、各クリップ部10、20の内面32bが各スポンジ55に当接するようになっており、各クリップ部10、20を開いて各クリップ部10、20と各スポンジ55の間に毛束を入れ、各クリップ部10、20を閉じることにより、毛束は圧縮した各スポンジ55と各クリップ部10、20とに挟まれて各髪留め部100、200に保持されるようになっている。
この構成により、図9に示す第3の実施形態は、毛束が髪留め部100、200に柔軟に挟み込まれて保持されるため、毛束を自然な状態で保持することができるとともに、頭髪を痛めるおそれがない。また、スポンジにより毛束の滑りが抑えられるので、毛束から手を離しても毛束にずれが生じにくく、美しい編み込み等の髪型を容易に作ることができる。
上述した第2および第3の実施形態の各スポンジ53、54、55は、ポリウレタンフォーム等からなるものであるが、本発明の柔軟部材としてはこのようなスポンジに限定されず、柔軟性を有する他の発泡樹脂材料やゴム等の適宜な材料を用いることができる。
(第4の実施形態)
上述の第1の実施形態における第1のクリップ部10および第2のクリップ部20は、それぞれ凸部910、920にヒンジ軸96を介して回動可能に設けられた構成であるが、図10に示す第4の実施形態の第1のクリップ部10および第2のクリップ部20は、ベース部9に一体に成形されており、なおかつヒンジ軸96の代わりとしてばねヒンジ部97を介してベース部9に回動可能に設けられている。ばねヒンジ部97は、本発明のヒンジ部および付勢部を構成するものであり、それぞれ各凸部910、920の根元の幅方向外側の部分に一体に形成されている。
ばねヒンジ部97は、例えばプラスチック等の材料自体の弾性によって各クリップ部10、20を図10において矢印Bで示す閉じる方向に付勢するように構成されている。第4の実施形態では、各クリップ部10、20をそれぞれ図10で矢印A方向に回動させると、各クリップ部10、20は、ばねヒンジ部97がそれぞれ弾性変形して撓むことによりばねヒンジ部97を中心に回動して開くようになっている。そしてその開く力を解除すると、ばねヒンジ部97に弾性復帰が生じ、これにより各クリップ部10、20はB方向に回動して閉じるようになっている。
第4の実施形態では、各クリップ部10、20を開いてその内側に毛束を入れ、各クリップ部10、20をそれぞれ閉じることにより、第1のクリップ部10と第1のバンド51の間、および第2のクリップ部20と第2のバンド52の間に、それぞれ毛束を挟み込んで保持することができる。
第4の実施形態に係る頭髪編み具1によれば、ベース部9に対して各クリップ部10、20を回動可能に支持するヒンジ部の構成が単純となり、また、ベース部9と各クリップ部10、20が一体成形されているため、部品点数の低減およびこれに伴うコストの低減を図ることができる。
(第5の実施形態)
図11に示す第5の実施形態における第1の髪留め部100および第2の髪留め部200は、それぞれ上述の第1のクリップ部10および第2のクリップ部20を備えてはおらず、ポリウレタンフォーム等の柔軟性を有する材料で形成された第1のスポンジ71および第2のスポンジ72をそれぞれ有する。第1のスポンジ71には、毛束を保持するための孔711と、この孔711から外部に連通し、孔711に外部から毛束を差し入れるための切れ込み712とが形成されている。第2のスポンジ72には、毛束を保持するための孔721と、孔721から外部に連通し、孔721に外部から毛束を差し入れるための切れ込み722とが形成されている。各スポンジ71、72は、それぞれ本発明における柔軟部材および滑り抑制部を構成する。また、孔711、721は、それぞれ本発明における毛束保持部を構成する。
第1のスポンジ71は、第1の凹部91に嵌合され、突起部95と第1の凸部910間の空間を埋めるように設けられている。第2のスポンジ72は、第2の凹部92に嵌合され、突起部95と第2の凸部920間の空間を埋めるように設けられている。各スポンジ71、72は、ベース部9の各凹部91、92の底面に、接着剤による接着等の手段で設けることができる。
第1のスポンジ71には、奥行き方向に貫通する円筒状の孔711が形成されているとともに、この孔711に毛束を差し入れるための切れ込み712が形成されている。孔711は第1のスポンジ71の底部中央に形成されている。切れ込み712は、図11において孔711から突起部95近傍のスポンジ71の上面にわたって形成されている。第2のスポンジ72も同様構成であって、その底部中央に孔721が形成されているとともに、この孔721から突起部95近傍のスポンジ72の上面にわたって切れ込み722が形成されている。各スポンジ71、72の各孔711、721の大きさは任意であるが、スポンジ71、72の弾性によって毛束が確実に保持され得る程度の大きさとされる。
各切れ込み712、722は、突起部95の側面に沿うように各孔711、721から突起部95に向かって斜めに延びている。したがって、第1の髪留め部100においては、毛束を突起部95の側面に当ててスポンジ71側に滑らせると、その延長上に形成されている切れ込み712に円滑に入れることができ、第2の髪留め部200においては、毛束を突起部95の側面に当ててスポンジ72側に滑らせると、その延長上に形成されている切れ込み722に円滑に入れることができるようになっている。
第5の実施形態に係る頭髪編み具1においては、第1の髪留め部100および第2の髪留め部200は、それぞれ柔軟性を有するスポンジ71、72をそれぞれ有し、毛束を切れ込み712、722にそれぞれ通して孔711、721に保持することができる。さらに、上述のように突起部95を利用してスポンジ71、72内に毛束を円滑に入れることができる。このため、毛束を容易に保持することができるとともに、頭髪を痛めるおそれがない。
(第6の実施形態)図12
図12に示す第6の実施形態の頭髪編み具1は、前述の第1の実施形態の第2の髪留め部200を削除した構成であって、ベース部9およびブラシ部8と、1つの第1の髪留め部100とを有する。第6の実施形態の頭髪編み具1は、ベース部9と、ベース部9に設けられ、該ベース部9を、頭髪に沿って移動可能、かつ任意の位置に係止可能とするブラシ部8と、ベース部9に設けられ、頭髪の一部をまとめた毛束が挟み込まれて保持される1つの第1の髪留め部100とを備える。
図12に示すように、第6の実施形態においては、第1の髪留め部100を構成する第1のクリップ部10は第1の実施形態の第1の髪留め部と同様の構成である。第6の実施形態のベース部9は、1つの第1の髪留め部100の幅に対応して第1の実施形態のものより短く形成されている。また、ブラシ部8の構成および寸法は第1の実施形態のブラシ部8と同じである。
第6の実施形態の頭髪編み具1は、ブラシ部8により当該頭髪編み具1を頭髪に係止させ、毛束を第1のクリップ部10に挟み込んで保持しながら髪型のアレンジを行うという動作を、頭髪編み具1を頭髪先端側に移動させながら繰り返し行うことにより、所望の髪型にアレンジする際の補助具として用いることができる。
第6の実施形態の頭髪編み具1の使用方法としては、例えば次のようにして図7に示したようなフィッシュボーンの髪型を作ることができる。すなわち、トップの頭髪の下方に第1の髪留め部100を左側に配し、トップの頭髪を左右に2等分し、左手で右側の毛束(図7で毛束A)を左側にクロスさせて第1のクリップ部10で保持し、左側の毛束(図7で毛束B)を右手で突起部95の右側にクロスさせ、突起部95の側面に押し当て保持する。次いで、右側の毛束の下側の毛束(図7で毛束C)を取り出し、その毛束Cを左手で左側にクロスさせて第1のクリップ部10で保持し、次いで、左側の毛束の下側の毛束(図7で毛束D)を取り出し、その毛束を右手で右側にクロスさせ、突起部95の側面に押し当て保持する。以上の編み込みの作業を、当該頭髪編み具1を頭髪の先端側に少しずつ下げながら繰り返し行うことにより、左右の2つの毛束が幾重にもクロスして編み込まれたフィッシュボーンという髪型を作ることができる。
第6の実施形態の頭髪編み具1は、突起部95により手探りでも毛束を左右に容易に分けることができるとともに、第1のクリップ部10で保持しない側の毛束を突起部95に押し当てて毛束をそこに保持することができる。なお、第6の実施形態の頭髪編み具1は、上述のように1つでフィッシュボーン等の髪型にアレンジするための補助具として用いることができ、また、2つあるいはそれ以上の数を用いて複数の毛束をまとめながら編み込み等の髪型を作る際の補助具として用いることができる。
本発明は、煩雑な手作業を必要とせず、かつ頭髪を痛めるおそれがなく、さらに低コストで美しい編み込みの髪型を円滑に作ることができる頭髪編み具として有用である。
1 頭髪編み具
1A 第1の保持空間
2A 第2の保持空間
8 ブラシ部(係止部、櫛形の係止部)
8a 表面
8b 裏面(凹側の面、凹状面)
8c 縁部(両側縁部)
9 ベース部
10 第1のクリップ部
20 第2のクリップ部
31 基部
32 内側の板部(先端部、両側の挟み込み部)
32a 外面
32b 内面
32c 先端縁
33 外側の板部
33b 開閉操作面
33c 滑り止め部
40 コイルばね(付勢部)
51 第1のバンド(柔軟部材、滑り抑制部、挟み込み部)
52 第2のバンド(柔軟部材、滑り抑制部、挟み込み部)
53 スポンジ(柔軟部材、滑り抑制部)
54 スポンジ(柔軟部材、滑り抑制部)
55 スポンジ(柔軟部材、滑り抑制部)
71、72 スポンジ(柔軟部材、滑り抑制部、挟み込み部
80a 櫛
80b 歯部(櫛の先端の歯部、複数の櫛歯部)
91 第1の凹部
92 第2の凹部
95 突起部
96 ヒンジ軸(ヒンジ部)
97 ばねヒンジ部(ヒンジ部)
100 第1の髪留め部
200 第2の髪留め部
711、712 孔(毛束保持部)
712、722 切れ込み
A、B、C、D 毛束

Claims (11)

  1. ベース部と、
    前記ベース部の裏面側に設けられ、該ベース部を、頭髪に沿って移動可能、かつ任意の位置に係止可能な櫛形の係止部と、
    前記ベース部の表面側に凸状に形成された突起部と、
    前記ベース部の前記突起部を挟んだ両側の位置にそれぞれ設けられ、それぞれ頭髪の一部をまとめた毛束が挟み込まれて保持される複数の髪留め部と、を備え、
    前記ベース部が、頭髪の編み込みのための毛束の幅方向に延びるとともに、
    前記係止部は、前記ベース部の裏面側で前記幅方向に湾曲する凹状面と該凹状面側で前記幅方向に所定間隔を隔てる複数の櫛歯部とを有するブラシ状に形成されており、該複数の櫛歯部のそれぞれの先端部分が、前記幅方向の両側に延びつつ前記凹状面側に湾曲していることを特徴とする頭髪編み具。
  2. 前記複数の櫛歯部が、前記凹状面の前記幅方向と直交する方向の両側に、前記幅方向に延びる両側縁部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の頭髪編み具。
  3. 前記複数の髪留め部が、
    前記ベース部の表面側にあって前記突起部を挟んだ両側の位置でそれぞれ該表面側に凹状をなす一方側の凹部および他方側の凹部と、
    前記一方側および他方側の凹部内にそれぞれ付勢力によって前記毛束を挟み込んで保持することができる一方側の挟み込み部および他方側の挟み込み部と、を有し、
    前記突起部が、前記一方側および他方側の挟み込み部の間の前記ベース部の表面側で、前記一方側および他方側の挟み込み部よりも前記ベース部の表面側外方に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の頭髪編み具。
  4. 前記複数の髪留め部は、前記一方側および他方側の挟み込み部のそれぞれに、柔軟性を有する材料で形成された柔軟部材を有し、
    該柔軟部材に、毛束を保持する毛束保持部と、該毛束保持部から外部に連通し、該毛束保持部に外部から毛束を差し入れるための切れ込みと、が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の頭髪編み具。
  5. 前記複数の髪留め部は、前記一方側および他方側の挟み込み部のそれぞれに、前記ベース部にヒンジ部を介して開閉可能に支持され、閉じた状態で前記一方側および他方側の凹部に対応する毛束の保持空間を形成するクリップ部と、前記クリップ部を閉じる方向に付勢する付勢部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の頭髪編み具。
  6. 前記髪留め部は、前記保持空間に配設された柔軟性を有する柔軟部材と前記クリップ部との協働によって毛束が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の頭髪編み具。
  7. 前記柔軟部材は弾性変形可能なバンドで構成されており、該バンドと前記クリップ部とにより毛束が挟み込まれるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の頭髪編み具。
  8. 前記一方側および他方側の挟み込み部の各前記クリップ部は、回動端側の先端縁を含む先端部を有するとともに、該クリップ部が閉じた状態で該先端縁が前記突起部に当接するように前記ベース部に回動可能に支持されており、
    前記先端部は、前記突起部に近づくにつれて前記ベース部に向かって湾曲するように形成された外面を有することを特徴とする請求項5に記載の頭髪編み具。
  9. 前記クリップ部は、手指で押さえることにより該クリップ部の開閉動作を行うことができるようにした開閉操作面を有し、該開閉操作面には滑り止め部が設けられていることを特徴とする請求項5~8のいずれかに記載の頭髪編み具。
  10. 前記係止部の前記凹状面は、頭部に沿うように湾曲した形状に形成されるとともに頭部の所定面積を覆って該頭部に接触することを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の頭髪編み具。
  11. 前記複数の髪留め部の前記一方側および他方側の挟み込み部が、前記一方側および他方側の凹部内にそれぞれ、毛束の滑りを抑える滑り抑制部を有することを特徴とする請求項3~9のいずれか一項に記載の頭髪編み具。
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