JP7241953B1 - 代替肉製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】日持ち向上剤や保存料に依存せず、かつ特定の品質の悪化を代償とすることなく、特に食肉製品のような風味をアルカリ臭によって損なうことなく、特定乳酸菌の増殖を抑制することができる代替肉製品を提供する。【解決手段】pHが7.5以上かつ乳化した油脂が3質量%以上である代替肉製品。pHは、好ましくは7.5~8.7である。乳化した油脂は、好ましくは3~40質量%、より好ましくは12~28質量%である。油脂の種類は、好ましくは植物性油脂である。代替肉製品は、好ましくはハム様製品である。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用 公開日 :令和3年11月30日 公開場所 :日本ハム株式会社 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower 公開者名:千田 要
本発明は、植物由来成分を主原料とする代替肉製品に関し、より詳しくは、代替肉製品の品質(特定の乳酸菌の増殖の抑制、アルカリ臭の抑制など)に関する。
畜肉を使ったソーセージやハム等の食肉製品は、食肉自体のpHが5~6程度であるため、調味料等の添加後の半製品でもpHが5~7程度に制御された状態となり、塩漬工程や加熱工程が行われることで、pHが6~7程度(弱酸性~中性)になった状態で製品化される。
しかしながら、上記のようなpHでは、食肉製品に対して変質、腐敗等をもたらす乳酸菌(本明細書において「特定乳酸菌」と呼ぶ。)が増殖しやすい。この乳酸菌が増殖することで食肉製品(半製品を含む。)のpHが下がり、酸性に偏ると、酸味が強くなると共に、製品表面に粘りが生じ、製品の品質が著しく悪化する傾向にある。そのため、特定の乳酸菌の増殖を抑制する方法として、日持ち向上剤や保存料の添加等、種々の検討がされている。
このような従来の食肉製品に見られる特定乳酸菌の増殖に起因する問題は、近年需要が高まっている、植物由来成分を主原料とする代替肉製品においても同様に認められ、その問題の解決策、特に日持ち向上剤や保存料に依存しない解決策が求められている。
代替肉製品に関する発明として、例えば特許文献1には、蒟蒻粉、おから、および大豆タンパクを主原料とするベジタリアン及びヴィーガン用代用肉の製造方法であって、それらの成分ならびに凝固剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、貝殻焼成カルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、塩化マグネシウム(ニガリ))を混合して調製したペースト状原料を成型した後に、加熱温水中(60~230℃の食塩水)で加熱処理することにより、肉を使用したソーセージと同等の食感の代用肉が得られると謳われている製造方法が記載されている。
特開2018-130102号公報(特許第6705969号)
本発明は、日持ち向上剤や保存料に依存せず(添加しない又はそれらの添加量を最小化することができ)、かつ特定の品質の悪化を代償とすることなく、特に食肉製品のような風味をアルカリ臭によって損なうことなく、特定乳酸菌の増殖を抑制することができる代替肉製品を提供することを課題とする。
本発明者はまず、代替肉製品ではpHが6.5以上7.5未満の範囲で特定乳酸菌が最も増殖しやすく、代替肉製品のpHを7.5以上のアルカリ性にする(高pH化する)ことで、日持ち向上剤や保存料を添加することなく、特定乳酸菌の増殖を抑制できることを見出した。しかしながらそのように高pH化した場合、代替肉製品自体からアルカリ臭(アンモニア、トリメリルアミン、トリエチルアミン等のアルカリ物質に由来する、生魚のような臭い)が生じやすくなるという問題が生じることも見出した。なお、代替肉製品の
pHを6.5未満とした場合は、pHを小さくするほど特定乳酸菌の増殖性を低下させることができるが、代替肉製品の食感がパサつく傾向にある。
一方、特許文献1に記載されている代替肉製品(代用肉)のように蒟蒻粉を配合する場合、蒟蒻を凝固させるために併用する凝固剤によって、代替肉製品のpHは自ずとアルカリ性となるので、特許文献1には明示されていないが、特定の乳酸菌の増殖は一定程度抑制できている可能性がある。しかしながら、蒟蒻粉を配合した代替肉製品には、凍結したときに品質が悪化すること(離水など)、また製造工程において、蒟蒻粉の粉末の投入時にダマになる可能性があり、カッティングしすぎると蒟蒻のゲル化に必要な分子が切断されてしまい正常にゲル化しなくなるおそれがあるといった、工場での作業性や製造条件の規格化に難点があることから、特定乳酸菌の増殖を抑制するための解決策として十分とは言いにくく、改良の余地があった。なお、特許文献1には、代替肉製品(代用肉)に油脂を配合することについては何も記載されていない。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、代替肉製品に食肉製品のような風味や食感を出すために配合されることのある油脂(例えば植物性油脂)について、乳化した油脂が代替肉製品に比較的多く含まれる場合、pH調整剤によって代替肉製品が高pH化されていてもアルカリ臭を抑制できることを見出した。さらに、そのようなpH調整剤により高pH化され、かつ乳化油脂量が比較的多い代替肉製品は、蒟蒻が配合されていないので、凍結耐性に優れることに加え、製品の保水性が向上して食肉製品に近いプリッとした食感が出る、製品表面にツヤがあり食べたときの口の中でのほぐれ感がハムに近い、といった利点を有することも見出した。
すなわち、本発明は下記の事項を包含する。
[1]
pHが7.5以上かつ乳化した油脂が3質量%以上である代替肉製品。
[2]
pHが7.5~8.7である、項1に記載の代替肉製品。
[3]
乳化した油脂が3~40質量%である、項1又は2に記載の代替肉製品。
[4]
乳化した油脂が12~28質量%である、項1又は2に記載の代替肉製品。
[5]
油脂の種類が植物性油脂である、項1又は2に記載の代替肉製品。
[6]
代替肉製品がハム様製品である、項1又は2に記載の代替肉製品。
本発明により、代替肉製品を高pH化し、かつ乳化油脂量を比較的多くすることによって、アルカリ臭を十分に抑えつつ特定乳酸菌の増殖を抑制すること、つまり風味への悪影響を引き起こすことなく保存性を向上させることができる。また、乳化油脂量を一定程度に留めることで、代替肉製品として良好な食感(例えばハム様食品にとって好ましいプリッと感、ほぐれ感など)を保持することもできる。このような本発明による代替肉製品は、日持ち向上剤や保存料を添加する必要がない、またはそれらの添加量を最小化できるものであり、また品質面および製造面で問題を招く蒟蒻を配合する必要もない。
-代替肉製品-
本発明の代替肉製品は、pHおよび乳化した油脂の含有量が特定の条件を満たすものである。そのような代替肉製品は、公知の手法に基づき、適切な原材料組成物(半製品、本
明細書において、代替肉製品の原材料組成物を単に「原材料組成物」と記載することがある。)から製造することができるものであり、どのような原材料組成物を用いて得られたものであるかは特に限定されない。
本発明において、代替肉製品のpHは7.5以上であり、好ましくは7.5~8.5である。代替肉製品のpHの下限値は、好ましくは7.8であり、より好ましくは8.0である。代替肉製品のpHは原材料組成物の組成や製造工程における諸条件により変動しうるが、主に原材料組成物中のpH調整剤の添加量を調節することによって、また製造工程におけるpHに影響する条件を調節することによって、所望の範囲の値とすることができる。代替肉製品のpHは、本発明にとって低すぎる場合、例えばpHが6.5以上7.5未満の場合は、代替肉製品において特定乳酸菌の増殖を十分に抑制できず保存性が不十分となる傾向があり、pHが6.5未満の場合は、代替肉食品において特定乳酸菌の増殖は一定程度抑制できるが食感がパサつく傾向がある。逆に、代替肉製品のpHが高すぎるとアルカリ臭が強くなり、それを抑制するために必要な乳化油脂量が多くなりすぎる(食感に悪影響が及ぶ)傾向がある。そのような傾向を考慮しながら、代替肉製品(原材料組成物)の配合組成や乳化油脂量などに応じて、pHを適切に調節すればよい。
代替肉製品のpHは、適切に調製された試料および一般的な食品用pH測定器(pHメーター等)を用いて測定することができる。例えば、代替肉製品を細切りにし、蒸留水で3倍に希釈してから、ストマッキング(ストマッカーを用いた粉砕、均質化)を行い、得られた懸濁液にpHメーターを差し込み、適切な温度(例えば20~25℃)でpHを測定すればよい。
本発明において、代替肉製品に含まれる乳化した油脂の量(本明細書において「乳化油脂量」と記載することがある。)は、3質量%以上であり、好ましくは3~40質量%、より好ましくは12~28質量%である。乳化した油脂は、後述するように原材料組成物中の様々な原材料に由来することができるが、主に食用油脂の添加量を調節することによって、また製造工程における乳化処理の条件を調節することによって、所望の範囲の乳化油脂量とすることができる。乳化油脂量は、本発明にとって少なすぎる(3質量%未満である)とアルカリ臭を十分に抑制することができない傾向があり、逆に多すぎると食感が悪くなる傾向があるので、そのような傾向を考慮しながら代替肉製品(原材料組成物)の配合組成やpHなどに応じて適切に調節すればよい。
乳化油脂量(%)は、代替肉製品の質量に対する、乳化した油脂の質量の比率である。乳化した油脂の質量は、バブコック変法による測定値を用いることができる。バブコック変法では、試料に濃硫酸60%過塩素酸-氷酢酸(1:1,V/V)の混合試薬を加え、浮かび上がった脂肪(油分)の体積に脂肪の比重0.92を乗じ、さらに補正係数0.95を乗じた値を、試料中の油脂の質量とみなす。なお、本発明では、代替肉製品に含まれる油脂のうち「乳化していない油脂」を除いた「乳化した油脂」のみの質量を測定する必要があるため、例えば、事前に代替肉製品を乾燥したろ紙で挟み、重しを載せて温調することにより「乳化していない油脂」を流出させた後のものを試料とすることが適切である。
本発明の代替肉製品は、乳化した油脂に加えて、乳化していない油脂を含有していてもよい。代替肉製品に含まれる乳化していない油脂の量(本明細書において「未乳化油脂量」と記載することがある。)は、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、最も好ましくは0質量%である。未乳化油脂量が多いと、代替肉製品を加熱した際に油脂が流れ出やすくなり、油の浮いたグズグズした食感になる。
未乳化油脂量(%)は、代替肉製品の質量に対する、乳化していない油脂の質量の比率である。乳化していない油脂の質量は、前述したような乳化した油脂の質量(乳化油脂量)の測定の際に得られる、流出した乳化していない油脂が染みこんだろ紙を用いて、それを乾燥させたものの質量を測定し、当初のろ紙の質量との差として算出することができる。
代替肉製品およびその原材料組成物は、一般的に植物性タンパク質を含み、必要に応じて、代替肉製品として許容される範囲で、また本発明の効果を阻害しない範囲で、動物性タンパク質を含むこともできる。植物性タンパク質としては、例えば、大豆タンパク質(大豆から抽出され、必要に応じて精製された、タンパク質を含む成分)、エンドウ豆タンパク質、ひよこ豆タンパク質、小麦タンパク質、ジャガイモタンパク質、米タンパク質、その他の豆類、種子類、穀類等に由来するタンパク質が挙げられる。植物性タンパク質は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。植物性タンパク質としては、例えば大豆タンパク質が好ましい。動物性タンパク質としては、例えば、卵(乾燥卵白等)、乳タンパク質、畜肉(牛肉、豚肉、鶏肉等)、魚肉が挙げられる。動物性タンパク質は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。動物性タンパク質としては、例えば、卵、乳タンパク質が好ましい。
植物性タンパク質および動物性タンパク質としては、従来の代替肉製品またはその他の食品と同様の、一般的なものを使用することができる。例えば、大豆タンパク質としては、粒状大豆たん白、繊維状大豆たん白、粉末状大豆たん白(濃縮大豆たん白、分離大豆たん白)などを使用することができる。
原材料組成物中のタンパク質(植物性タンパク質のみ、または植物性タンパク質と動物性タンパク質の混合物)の含有量は、得られる代替肉製品のpHおよび乳化した油脂の含有量を特定の範囲とし、所望の本発明の効果が奏されるよう、適宜調節することができるが、例えば、原材料組成物に対して5~25質量%、好ましくは10~20質量%とすることができる。一定程度の量の動物性タンパク質を植物性タンパク質と併用した場合、代替肉製品に弾力のある食感(プリッと感)を付与しやすくなる。
代替肉製品およびその原材料組成物は、一般的に水も含む。原材料組成物中の水の含有量は、代替肉製品の製造に適するよう、また所望の本発明の効果が奏されるよう、適宜調節することができるが、例えば、原材料組成物に対して20~70質量%、好ましくは40~60質量%とすることができる。なお、後述するような製造方法のように、タンパク質(例えば大豆たん白)を戻す際に用いられる水(戻し水)と、そのような水で戻したタンパク質を含む各種の原材料を混合する(カッティングする)際にさらに添加される水がある場合には、原材料組成物中の水の含有量はそれらの水の合計量を指す。
本発明において、代替肉製品およびその原材料組成物はさらに、油脂を含む。油脂は、植物性タンパク質またはその他のタンパク質を含む原料にそれらと一緒に含まれているものや、調味料(例えば、ラー油、ネギ油などの調味油)に含まれているものであってもよいし、原材料組成物の調製時に食用油脂として別途添加されるものであってもよい。油脂は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
食用油脂のうち、植物由来のものとしては、例えば、アマニ油、オリーブ油、ゴマ油、米ぬか油、紅花油(サフラワー油)、大豆油、とうもろこし油(コーンオイル)、なたね油、パーム核油、ひまわり油、綿実油、やし油(ココナッツオイル)、落花生油(ピーナッツオイル)、サラダ油(特定の原材料を用いて製造される、成分その他の特定の条件を満たす規格品であり、調合サラダを含む。)などの常温で液状の植物性油脂や、カカオバ
ター、パーム油、ピーナッツバター、硬化油脂(マーガリン等)などの常温で固形状の植物性油脂が挙げられる。食用油脂のうち、動物由来のものとしては、例えば、肝油、魚油、鯨油、鶏油などの常温で液状の動物性油脂や、牛脂(ヘット)、豚脂(ラード)、馬脂、乳脂(バター等)の常温で固形状の動物性油脂が挙げられる。
原材料組成物中の油脂の含有量、特に他の原材料に由来しない油脂単独としての添加量は、得られる代替肉製品に含まれる乳化油脂量を特定の範囲とし、所望の本発明の効果が奏されるよう、製造条件(特に乳化条件)なども考慮しながら適宜調節することができるが、例えば、原材料組成物に対して3~40質量%、好ましくは8~25質量%とすることができる。
本発明の一側面において、代替肉製品に含まれる(原料組成物に添加する)油脂の種類は植物性油脂である、すなわち代替肉製品に含まれる(原料組成物に添加する)油脂は植物性油脂のみで構成されていることが好ましい。また、本発明の一側面において、代替肉製品に含まれる(原料組成物に添加する)油脂は、常温または乳化処理が行われる温度で液状であることがより好ましい。
本発明において、代替肉製品およびその原材料組成物はさらに、pH調整剤(水素イオン濃度調整剤)またはその他の資材であって代替肉製品およびその原材料組成物のpHを調製する作用を有するもの(本明細書において「pH調整剤等」と呼ぶ。)を含む。pH調整剤等は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
pH調整剤等としては、例えば、(a)クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調整剤、(b)調味料(アミノ酸)としても用いられる、アルギニン、リジン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸、および(c)貝Ca、焼成Ca、水酸化Ca等の食品添加物が挙げられる。代替肉製品のpHを所望の範囲の値にできるよう、1種または2種以上の適切なpH調整剤等を選択すればよい。
原材料組成物中のpH調整剤等の含有量は、得られる代替肉製品のpHを特定の範囲とし、所望の本発明の効果が奏されるよう、用いるpH調整剤等の種類や製造条件なども考慮しながら適宜調節することができるが、例えば、原材料組成物に対して0.05~3.0質量%、好ましくは0.1~1.0質量%、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%未満とすることができる。なお、pH調製剤として例示した乳酸カリウム、乳酸ナトリウムなどは、日持ち向上剤として用いられることもある成分である。しかしながら、日持ち向上剤として乳酸カリウム等を用いる場合の一般的な添加量は0.5~1.5質量%であり、pH調整剤等の添加量は、「より好ましい範囲」として例示したように、それよりも少量とすることができる。したがって、代替肉製品およびその原材料組成物のpHを調整するために乳酸カリウム等を用いた場合に、当該成分によって同時に特定乳酸菌の増殖がある程度抑制されることがあるとしても、その効果は乳酸カリウム等の日持ち向上剤としての作用に全面的に依拠しているわけではなく、代替肉製品およびその原材料組成物のpHを特定の範囲に調整することによる本発明の効果が奏されていると解することができる。言い換えれば、代替肉製品およびその原材料組成物のpHを調整するために乳酸カリウム等を用いることにより、日持ち向上剤としても機能する乳酸カリウム等の添加量を最小化することができる。
本発明において、代替肉製品およびその原材料組成物は,必要に応じてさらにその他の成分を含むことができる。そのような任意成分としては、例えば、加工デンプン、乳化剤(安定剤)、糖質系甘味料(糖質類)、非糖質系甘味料、調味料、着色料、香辛料およびその抽出物、香料、くん液(スモークフレーバー)、結着補強剤(例:重合リン酸塩)、その他の成分(例:呈味改良、消臭等の作用を有するさとうきび抽出物)などが挙げられる。また、本発明の効果にとって必須ではないが、アルカリ性での使用に適した日持ち向上剤(例:グリシン、pH調整剤としても用いられる乳酸カリウム、乳酸ナトリウム等)または保存料(例:プロタミン)を任意成分としてさらに用いることも可能である。任意成分は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。任意成分の量は、任意成分の種類や、原材料組成物中の他の成分の種類および量などを勘案しながら、適宜調節することができる。なお、本発明では通常、タンパク質(例えば大豆たん白)を戻す際に「戻し水」と呼ばれる水を用いるが、その戻し水として、任意成分として挙げた上記の成分、例えば、香辛料、着色料、サトウキビ抽出物など、臭いや色を食肉製品に近づけるための成分を含む水溶液を用いることも可能である。
加工デンプンは、一般的に離水防止剤または結着剤としても用いられている成分である。加工デンプンとしては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンが挙げられる。加工デンプンは、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。加工デンプンを用いる場合、原材料組成物中の含有量は、加工デンプンの種類に応じて、また原材料組成物中の水分量などに応じて適宜調節することができるが、例えば1~10質量%とすることが好ましい。
乳化剤(安定剤)としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、カゼインナトリウム等が挙げられる。乳化剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。乳化剤を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、乳化剤の種類に応じて、また原材料組成物中の油脂および水の含有量などに応じて適宜調節することができる。なお、乳化剤は精製物(食品添加物)に限定されるものではなく、植物性タンパク質と同じ原料に由来する成分(例えば粒状大豆たん白に含まれるレシチン)、動物性タンパク質と同じ原料に由来する成分(例えば乳タンパク質に含まれるカゼインナトリウム)を乳化剤として利用することができ、それらの成分の含有量を考慮しながら、必要な量の乳化剤をさらに添加するようにしてもよい。
糖質系甘味料(糖質類)としては、例えば、砂糖(ショ糖、スクロース)、ぶどう糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合高果糖液糖、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、L-アラビノース、L-ラムノース、D-リボース、トレハロース等の単糖類または二糖類;デキストリン(例:マルトデキストリン)等のオリゴ糖類(三糖類以上);エリスリトール、キシリトール(キシリット)、D-キシロース、D-ソルビトール、マルチトール(還元麦芽糖)、マンニトール、ラクチトール等の糖アルコール類;これらの糖質類の混合物を含む水あめ、還元水あめ、はちみつ等;その他、非加熱食肉製品に添加することが許容される糖質類が挙げられる。糖質系甘味料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。糖質系甘味料を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、糖質系甘味料の種類に応じて、得られる代替肉製品が所望の呈味、その他の所望の性状を有するものとなるよう適宜調節
することができる。
非糖質系甘味料としては、例えば、アマチャ抽出物(アマチャエキス)、カンゾウ抽出物、酵素分解カンゾウ、ブラジルカンゾウ抽出物(ペリアンドリン)、ステビア抽出物、ステビア末、α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア、タウマチン(ソーマチン)、ラカンカ抽出物(ラカンカエキス)等の天然甘味料;アスパルテーム(L-α-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル)、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、アドバンテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース(トリクロロガラクトスクロース)、ネオテーム等の人工甘味料が挙げられる。非糖質系甘味料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。非糖質系甘味料を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、非糖質系甘味料の種類に応じて、得られる代替肉製品が所望の呈味、その他の所望の性状を有するものとなるよう適宜調節することができる。
調味料は、代替肉製品の呈味を調整するために用いることができる成分である。調味料としては、例えば、アラニン、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウムなどのアミノ酸および有機酸や、酵母エキスなど調味エキス(抽出物)、シーズニング等が挙げられる。調味料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。調味料は、液体(液状)であってもよいし、固体(粉末状等)であってもよい。調味料を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、調味料の種類に応じて、得られる代替肉製品が所望の呈味を達成できるよう適宜調節することができる。
着色料は、代替肉製品の呈色を調整し、好ましくは食肉製品のような色を再現するために用いることができる成分である。着色料としては、例えば、モナスカス色素(橙赤~赤色)、クチナシ色素(黄色、赤色)、コチニール色素(赤色)、アナトー色素(黄色~橙色)、パプリカ色素(黄色、オレンジ色)、カラメル色素(茶色~黒色)、ココア色素(茶色)、ベニコウジ色素(赤色)、トマト色素(赤色)、カロテン色素(橙色)などが挙げられる。着色料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。着色料を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、着色料の種類に応じて、タンパク質、アルギン酸ゲル繊維およびメチルセルロース類の含有量などを考慮のうえ、得られる代替肉製品が所望の呈色を達成できるよう適宜調節することができる。
香辛料およびその抽出物としては、例えば、ホワイトペッパー、ブラックペッパー、ナツメグ、メース、オニオン、ガーリック、ジンジャー、コリアンダー、オールスパイス、およびこれらの抽出物が挙げられる。香辛料およびその抽出物は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。香辛料およびその抽出物を用いる場合、原材料組成物中の含有量は、香辛料およびその抽出物の種類に応じて、得られる代替肉製品が所望の香味を達成できるよう適宜調節することができる。
本発明の好ましい一実施形態において、代替肉製品(原材料組成物)は蒟蒻粉を含まない。蒟蒻粉を含まないことにより、本発明の代替肉製品は、凍結耐性に優れ、食感や見た目にも好ましいものとすることができる。
本発明の代替肉製品の実施形態は特に限定されるものではなく、原材料組成物を様々に加工した製品とすることができ、それをさらに加工した食品とすることもできる。代替肉製品(原材料組成物を用いた加工品)としては、ハム、ソーセージ、ベーコン等のように製品自体が喫食に適した形態のもの(加熱食肉製品等)、ハンバーグ、肉団子、麻婆豆腐、餃子、カレーのような食品における挽き肉に相当する形態の製品、カツ(メンチカツ、ハムカツ等)、から揚げ、フライ、ナゲットのような油ちょう食品における具材に相当する形態の製品など、従来は食肉が用いられていた各種の加工品(食肉加工品等)に類似し
たものが挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、代替肉製品は、ハム、ソーセージ、ベーコン等の加熱食肉製品に類似したもの、すなわちハム様食品、ソーセージ様食品、ベーコン様食品であり、本発明の特に好ましい一実施形態において、代替肉製品はハム様食品である。ハム様食品等の代替肉製品は、アルカリ臭を十分に抑えつつ特定乳酸菌の増殖を抑制できるという効果に加えて、製品の保水性が向上して食肉製品に近いプリッとした食感が出る、製品表面にツヤがあり食べたときの口の中でのほぐれ感がハムに近い、といった効果を享受しやすい。
-代替肉製品の製造方法-
本発明の代替肉製品の製造方法は、pHおよび乳化油脂量が特定の条件を満たす代替肉製品が得られるよう、pHおよび乳化油脂量に関する工程や条件を調整すること以外は、従来の代替肉製品と同様の製造方法とすることができる。
代替肉製品の製造方法は一般的に、各種の原材料を混合し、原材料組成物を調製する工程(以下「調製工程」と呼ぶ。)を含む。本発明における調製工程は、従来は食肉が用いられていた加工品(食肉加工品等)の調製工程に準じて、必要に応じて条件等を調整することにより行うことができる。本発明では、上述したように植物性タンパク質(および必要に応じて動物性タンパク質)、水、油脂、pH調整剤等、その他の任意成分(例えば加工デンプン、調味料)などの原材料を用いて組成物を調製する。原材料は、任意の順序で添加することができ、全部を一回で添加して混合してもよいし、一部ずつを複数回に分けて添加しながら混合してもよい。調製工程は、一般的な混合手段(装置、方法等)により、例えば、サイレントカッター、ミキサー、チョッパー等を使用することにより、行うことができる。
代替肉製品およびその原材料組成物のpHは、調製工程において適切な種類および量のpH調整剤等を添加して混合することにより、所望の範囲の値となるよう調節することができる。
代替肉製品およびその原材料組成物の乳化油脂量は、調製工程において適切な種類および量の油脂を添加し、適切な条件(攪拌速度、時間等)で混合して乳化することにより、所望の範囲の値となるよう調節することができる。調製工程において油脂および水を混合することにより、その油脂を乳化することができる。調製工程において添加する油脂量が少なすぎると、十分に乳化しても乳化油脂量が本発明で規定する特定の範囲に達せず、アルカリ臭を抑制することができない。一方、添加する油脂量が(アルカリ臭を抑制するために必要な量よりも)多すぎると、全量を乳化するのに時間がかかるため製造効率が悪くなり、コストが高くなる。
なお、原材料として添加した油脂は、その全てを乳化してもよいし、一部を乳化した油脂とし残部を乳化していない油脂としてもよい。例えば、油脂の一部および水をサイレントカッター等により混合して乳化した後、油脂の残部を添加して乳化しない程度の穏やかな条件で混合することにより、乳化した油脂と乳化していない油脂の両方を含む代替肉製品を製造することも可能である。あるいは、サイレントカッター等による混合および乳化処理において、添加した油脂の全てを乳化した油脂とすることが好ましいが、添加した油脂の一部が乳化していない油脂として残されることも許容される。
本発明の代替肉製品の製造方法はさらに、加工工程を含むことができる。加工工程は、調製工程と同じ工場内で、調製工程の後に連続的に行われる工程であってもよいし、調製工程とは別の工場内で、または連続工程の後ではあるが不連続的に(例えば、調製工程に
より得られた後、冷凍、保管等されていた代替肉製品を用いて)行われる工程であってもよい。
本発明における加工工程は、従来は食肉が用いられていた加工品(食肉加工品等)の加工工程に準じて、必要に応じて条件等を調整することにより行うことができる。例えば、代替肉製品を用いたソーセージタイプの加工品は、食肉を用いる通常のソーセージと同様に、代替肉製品(原材料組成物)をケーシングに充填した後、予備蒸煮、乾燥、スモーク、蒸煮等の加熱工程を行い、冷却、切断(スライス)、包装などの工程を経て、製品とすることができる。
表2に示す各実施例および比較例のサンプルを、次のようにして作製した。フードプロセッサーに、戻し水で水戻しした大豆たん白、乾燥卵白、乳たん白および加工でんぷんを入れて、ダマがなくなるまでカッティングした(2500rpm、96秒間)。さらに、液体資材、乳化させる油脂、粉末資材、pH調整剤および水を入れて、色が白くなり乳化するまでカッティングした(2500rpm、60秒間)。実施例6および7については、さらに乳化させない油脂を添加し、それが分散するまで(乳化しないよう)カッティングした(300rpm、20秒間)。得られた原材料組成物を非可食性ケーシングに充填し、加熱チャンバー内で予備蒸煮工程(60℃、60分)、乾燥工程(60℃、50分)、スモーク工程(65℃、8分)、蒸煮工程(78℃~95℃、100分)を行った。得られた代替肉製品(ハム様食品)を冷却庫(4℃)で一晩冷却し、非可食性ケーシングを剥がした後、スライサーで1.4mm厚にスライスして、サンプルとした。
なお、原材料組成物の配合について、実施例1のものを表1に示す。その他の実施例および比較例では、乳化させる油脂、pH調整剤および水の量を適宜調整し、実施例14では乳化させる油脂としてサラダ油に代えて豚脂を用い、実施例6および7ではさらに乳化させない油脂として所定量のサラダ油を用いたが、それ以外は実施例1と同じである。
Figure 0007241953000001
上記のようにして得られた各実施例および比較例のサンプルを用いて、pH、乳化油脂
量および未乳化油脂量の測定、ならびに官能評価試験によるアルカリ臭および食感の評価、植菌検査による保存性の評価を行った。
<pHの測定>
各実施例および比較例のサンプルを細切りにし、蒸留水で3倍に希釈してからストマッキングを行い、得られた懸濁液に市販のpHメーターを差し込み、室温でpHを測定した。
<未乳化油脂量および乳化油脂量の測定>
ろ紙(5C、125mm)を精密恒温器で乾燥(135℃、2時間)した後、乾燥剤の入ったデシケーター内で冷却し、乾燥させたろ紙の質量(a)を測定した。各実施例および比較例のサンプルの質量(b)を測定した後、乾燥させたろ紙2枚でサンプルを挟み、重しを載せて精密恒温器で温調(50分間、50℃)した。流出した油脂を含むろ紙を精密恒温器で乾燥(135℃、2時間)し、その質量(c)を測定した。また、ろ紙で挟んだ後のサンプル中の油脂の質量(d)を、バブコック変法(前記参照)により測定した。ろ紙に流出した油脂を乳化していない油脂とみなし、上記(c)-(a)を乳化していない油脂の質量とした。そして、各サンプルの当初の質量(b)に対する、乳化していない油脂の質量(c)-(a)のパーセンテージ、{(c)-(a)}/(b)×100を、未乳化油脂量(%)として算出した。一方、ろ紙で挟んだ後のサンプルに残った油脂を乳化した油脂とみなし、上記(d)を乳化した油脂の質量とした。そして、各サンプルの当初の質量(b)に対する、乳化した油脂の質量(d)のパーセンテージ、(d)/(b)×100を、乳化油脂量(%)として算出した。
<アルカリ臭の評価>
官能評価者4人が各サンプルをそのまま喫食し、下記の基準に従ってアルカリ臭を評価した。
1:アルカリ臭がかなり強い。
2:アルカリ臭が強い。
3:アルカリ臭が抑えられており、風味がやや良い。
4:アルカリ臭が抑えられており、風味が良い。
5:アルカリ臭が著しく抑えられており、風味が非常に良い。
<食感の評価>
官能評価者4人が各サンプルをそのまま喫食し、下記の基準に従ってハム様食品としての食感を(ポロポロ感、パサパサ感、プリッと感、口残りなどを総合的に)評価した。
1:食感が悪い。
2:食感がやや悪い。
3:食感がやや良い。
4:食感が良い。
5:食感が非常に良い。
<保存性の評価>
真空包装したサンプルを90℃以上のお湯で3分間殺菌した。そのサンプルに培養した乳酸菌を一定量塗布した後、真空包装して、10℃以下で静置した。静置開始から2日後、4日後および6日後の各サンプルを生理食塩水で希釈し、希釈液を乳酸菌生育用培地と混釈した。混釈後の培地を嫌気条件、25℃で72時間培養し、目視で菌数を数え、細菌数を算出した。2日後、4日後および6日後のサンプルの細菌数の増え方から、下記の基準に従って保存性を評価した。なお、実施例1、2および3(それぞれpH7.5、7.8および8)の保存性の評価から、pHが7.5以上であれば保存性に問題はないと判断したため、比較例5、6および7(それぞれpH6.1、6.9および8.8)を除くそ
の他の実施例および比較例については保存性の評価は省略した。
1:菌の増殖が著しく速い。
2:菌の増殖が速い。
3:菌の増殖が抑えられている。
4:菌の増殖がかなり抑えられている。
5:菌の増殖が著しく抑えられている。
各実施例および比較例のサンプルの測定結果および評価結果を表2に示す。概して、pHが特定値(7.5)以上であり、かつ乳化油脂量が特定量(3%)以上である実施例は、一定程度の水準で保存性およびアルカリ臭の抑制を両立できることが示されている。例えば、pHが7.8で同じである実施例2、6~8と比較例1~3とを対比することにより、乳化油脂量が少なすぎるとアルカリ臭を抑制することができないことが示されている。一方、pHが特定値より低い場合について、pHが6.1である比較例4は、一定程度の保存性は有するが、代替肉製品としての食感が悪い(パサパサ感がある)、pHが6.5である実施例5は保存性が悪い、という結果が示されている。
なお、例えば実施例3、11~13より、乳化油脂量は一定以上であればアルカリ臭を抑制する効果は十分なものとなり、適切な量に留めることで良好な食感を達成できる(プリッと感、ほぐれ感がよくハム様食品として好ましい)が、多くすると食感に影響が出る(硬くポロポロとした食感になり、口残りすることがある)おそれがある点に留意すべきことが示されている。また、実施例6~8より、代替肉製品は乳化した油脂だけでなく乳化していない油脂を含むこともできるが、後者の含有量(未乳化油脂量)は少ない方がよく、多くなると食感に影響が出る(油の浮いたグズグズした食感になる)おそれがある点に留意すべきことが示されている。
Figure 0007241953000002

Claims (4)

  1. pHが7.8~8.5かつ乳化した油脂が3~32.70質量%である代替肉製品、ここで、
    前記pHは前記代替肉製品を細切りにし、蒸留水で3倍に希釈してからストマッカーを用いた粉砕、均質化を行い懸濁液とし、前記懸濁液にpHメーターを差し込み、20~25℃で測定したものであり、
    前記乳化した油脂の質量は、前記代替肉製品を乾燥したろ紙で挟み、重しを載せて温調することにより「乳化していない油脂」を流出させた後のものを試料とし、バブコック変法により、前記試料に濃硫酸60%過塩素酸-氷酢酸(1:1,V/V)の混合試薬を加え、浮かび上がった脂肪(油分)の体積に脂肪の比重0.92を乗じ、さらに補正係数0.95を乗じた値である。
  2. 乳化した油脂が12~28質量%である、請求項に記載の代替肉製品。
  3. 油脂の種類が植物性油脂である、請求項に記載の代替肉製品。
  4. 代替肉製品がハム様製品である、請求項に記載の代替肉製品。
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