JP7241508B2 - 食肉加工食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食感が改善された食肉加工食品の製造方法に関する。
牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類、及び魚、貝等の魚介類を含む食肉類は、筋繊維の食感を有しながらもソフトでジューシーであることが好まれる。しかしながら、実際には食肉類を加熱すると、筋繊維が収縮し、また水分や油脂分が損なわれるため、パサついた硬い食感となることが少なくない。更にこの傾向は、加熱調理した食肉類を室温や冷蔵、冷凍で保存後に再加熱した場合、より顕著になる。高品質な食肉類原料を用いれば、食感のパサつきや硬さの改善がある程度は望めるが、価格が高いためその使用は制限される。
従来、食肉の外観や食感の改善のため、リン酸塩や硝酸塩、糊料、油脂等を含む液を食肉表面に付着させたり、又は食肉中に含させたりすることが行われている。特許文献1には、肉らしい歯ごたえとジューシー感との両立を課題として、熱凝固性蛋白質と特定の油脂を含むエマルジョンを食肉中に含ませた後、エマルジョンを解乳化させる方法が記載されている。また特許文献2には、食肉ベース製品に油を技術的に実現可能な最大量で安定的に練り込むことを課題として、ブラインと呼ばれる、少なくとも水及び塩を含有し好ましくは油を含有しない液体組成物を用い、このブラインを肉片に注入し、さらに油及びブラインと共にタンブリングする方法が記載されている。
また特許文献3には、鶏肉のブロイラー臭を低減するために、食肉部に、食酢及び卵黄を略均一に含有することが記載されている。特許文献3に記載の実施例では、食酢及び卵黄を含む各種原料を水に均一に分散させて分散液を得、該分散液を撹拌させながらサラダ油を注加し乳化させる工程を経て、水中油型(O/W型)エマルジョンからなるマリネーション液を調製し、該マリネーション液を用いて鶏肉をタンブリング処理する方法が記載されている。特許文献3記載技術は、比較的多量の油脂を食肉に含ませるものであり、近年の健康志向の観点からは、敬遠される場合がある。斯かる特許文献3記載技術の欠点は、特許文献1及び2記載技術にも当てはまる。
特許文献4には、肉や魚の独特な臭みを低減可能な調理食品の製造方法として、マヨネーズを含有する調理液に肉又は魚を浸漬し、浸漬後に調理液を除去する方法が記載されている。この方法では、マヨネーズを肉や魚の臭み成分の吸着材として利用しており、臭み成分を吸着したマヨネーズは除去される。特許文献4には、食肉中にマヨネーズを含ませて何らかの効果を奏させるようにすることは記載されていない。
特開平9-266769号公報 特表2016-526916号公報 特開2002-253173号公報 特開2018-166号公報
本発明の課題は、ソフトでジューシーな食感を有し、加熱調理後に時間が経過してもパサつかず優れた食感を有する食肉加工食品を提供することである。
本発明は、原料食肉に対し、マヨネーズ又はマヨネーズを含有するマリネーション液を含させる含処理を行い、マヨネーズ含有量0.5~3質量%の加工食肉を得る工程を有する、食肉加工食品の製造方法である。
本発明によれば、ソフトでジューシーな食感を有し、加熱調理後に時間が経過してもパサつかず優れた食感を有する食肉加工食品が提供される。
本発明の食肉加工食品の製造方法では、原料食肉に対し、マヨネーズ又はマヨネーズを含有するマリネーション液を含させる含処理を行う。
処理対象の原料食肉としては、食肉として利用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば、畜肉類及び獣肉類並びに魚介類が挙げられる。畜肉類及び獣肉類としては、例えば牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、鹿肉、馬肉、ガチョウ肉などが挙げられ、魚介類としては、例えばマグロ、カジキ、タラ、イカ、エビ、貝類などが挙げられる。基本的には、これら畜肉類等の全ての部位が含処理対象の原料食肉として利用可能であるが、食肉加工食品にジューシーな食感を付与する観点からは、比較的脂肪分が少ない部位の原料食肉(例えば、鶏肉であれば鶏むね肉)が好ましい。
処理対象の原料食肉は、生すなわち非加熱の食肉でもよく、加熱されていてもよく、製造目的物である食肉加工食品の種類等に応じて適宜選択し得る。原料食肉を加熱する場合の加熱程度は特に制限されない。例えば、製造目的の食肉加工食品がステーキのような加熱調理品である場合、原料食肉を、該加熱調理品の加熱程度より弱く加熱し、その加熱された原料食肉に対し本発明に係る含処理を施した後、更に加熱して該加熱調理品を製造することも可能であり、これにより調理時間の短縮が図られる。ただし、含処理の効率性や均一性の観点からは、含処理対象の原料食肉は生が好ましい。また、含処理対象の原料食肉には、必要に応じて下味をつけてもよい。
含浸処理に用いるマヨネーズは、食用油、酢及び卵を含有し、食用油が油滴として水相中に均一分散した水中油型(O/W型)乳化物であって、室温(25℃)で半固体状のものである。含浸処理に用いるマヨネーズは、「食用油、酢及び卵を主材料とした半固体状ドレッシング」でもよく、あるいは、日本農林規格(JAS)における「ドレッシングの日本農林規格」及び「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準」に定義されたマヨネーズでもよい。このJASで定めるマヨネーズは、「半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酸味料及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のもの」である。含浸処理に用いるマヨネーズは、予め調製したものでもよく、含浸処理の直前に調製したものでもよく、市販のマヨネーズでもよい。一般に、市販のマヨネーズは、保存性と高粘性を得るために比較的油脂を多く含有しており、具体的には、市販のマヨネーズの油脂含有量は60~80質量%程度であるところ、含浸処理に用いるマヨネーズの油脂含有量はこれより少なくてもよく、例えば、60質量%以下、好ましくは30~50質量%とすることができる。油脂含有量が比較的少ないマヨネーズを用いることは、近年の健康志向にマッチしている。
なお、含処理に用いる発明で用いるマヨネーズは、前述したとおり、水中油型(O/W型)乳化物であり、油中水型(W/O型)乳化物ではない。O/W型乳化物であるマヨネーズと同じ原材料を用いて製造された、W/O型乳化物は、流動性が低い固形状(マヨネーズ様固形物)となりやすく、後述する比較例1及び2のようにこれを用いて原料食肉に含処理を施しても、本発明の効果は奏されない。マヨネーズを製造する場合、まず酢及び卵を混合し、ここに攪拌しながら少量ずつ油を加え、水分と油分が分離しないように乳化させながら製造する。先に油と卵を混合した場合、後から酢を加えても、酢が連続相として分散したマヨネーズとならない。
処理には、マヨネーズに代えて、あるいはマヨネーズとともに、マヨネーズを含有するマリネーション液を用いることができる。マリネーション液は、マヨネーズよりも低粘度であるため、含処理にマリネーション液を用いた場合には、より高粘度のマヨネーズを用いた場合よりも、原料食肉全体にマヨネーズを均一に含させやすいという利点がある。
処理に用いるマリネーション液は、典型的には、マヨネーズを液体で希釈して調製される。この希釈に用いる液体としては、特に制限はないが、油脂類では含効率が悪く、また健康志向にもそぐわないため、水が好ましい。すなわち、含処理に用いるマリネーション液は、マヨネーズの水希釈液が好ましい。希釈用の水としては、食用に供することができるものであれば制限はなく、清水、井戸水、蒸留水、イオン交換水等を例示できる。
マリネーション液におけるマヨネーズの含有量は、マリネーション液の全質量に対して、好ましくは3~15質量%、より好ましくは4~10質量%である。
マリネーション液における水の含有量は、マリネーション液の全質量に対して、好ましくは70質量%以上97質量%以下、より好ましくは80質量%以上96質量%以下、さらに好ましくは90質量%以上95質量%以下である。
なお、マヨネーズを含有するマリネーション液(O/W型乳化物)は、マヨネーズを液体で希釈して調製する方法以外に、例えば特許文献3に記載の実施例のように、各種原料の水分散液に食用油を添加してこれを乳化させる方法によって調製することができる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、このような方法で調製されたマリネーション液を含処理に用いた場合には、前述した「マヨネーズの水希釈液」としてのマリネーション液を用いた場合に比して、食肉加工食品の食感の改善効果に劣る。この点は、後述する比較例5で実証されている。
処理に用いるマリネーション液は、マヨネーズ及び水以外に、必要に応じて、その他の成分を更に含有していてもよい。マヨネーズ及び水以外の他の成分としては、例えば、小麦粉、米粉等の穀粉;澱粉類;糖類;油脂類;増粘剤;食塩、醤油、発酵調味料、味噌、アミノ酸等の調味料;香辛料;香料;ビタミン等の栄養成分;着色料などが挙げられ、製造目的物である食肉加工食品に所望する特性に応じて、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。マリネーション液におけるマヨネーズ及び水以外の他の成分の含有量は、マリネーション液の全質量に対して、好ましくは27質量%以下、より好ましくは22質量%以下である。
処理に用いるマリネーション液に含まれる各成分の代表的な量的数値は以下のようである。マリネーション液100質量%中に、マヨネーズ3~15質量%及び水70~97質量%。さらにマヨネーズをその原料である食用油、酢、卵の換算量で表すと、酢0.003~1質量%(酢酸として0.00015~0.05質量%)、卵黄0.003~1.0質量%、残りが油脂である。また、必要に応じてその他の成分を27質量%以下程度含ませることができる。
本発明の食肉加工食品の製造方法では、原料食肉に対し、マヨネーズ又はマリネーション液(以下、総称して「マヨネーズ等」ともいう)を含させる(含処理)。本発明において「含させる」とは、マヨネーズを原料食肉の内部に含ませることをいう。含処理としては、マヨネーズを原料食肉の内部に含ませることが可能な処理であればよく、例えば、タンブリング処理、マッサージ処理等の漬け込み処理、あるいはインジェクション処理等の強制注入処理が挙げられ、これらの処理の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの方法は、それぞれ、常法に従って実施することができる。
なお、マヨネーズ等の入った容器に原料食肉を長時間浸漬させる処理(浸漬処理)は、原料食肉中にマヨネーズが実質的に含されない場合が多く、本発明でいうところの含処理とは言えない処理である。後述する比較例6及び7は、この浸漬処理を使用した例である。
好ましい含処理として、タンブリング処理及びインジェクション処理を例示できる。両処理を併用することも有効である。インジェクション処理では、注射器を用いてマヨネーズ等を原料食肉に強制的に注入する。タンブリング処理では、タンブラーを用いて原料食肉をマヨネーズ等とともに振盪(タンブリング)する。インジェクション処理後にタンブリング処理を行うことは、原料食肉全体にマヨネーズを平均的に行き渡らせ得るため好ましい。
処理としてタンブリング処理を行う場合の好ましい一実施態様として、原料食肉の品温を3~20℃に維持しつつ、タンブリング処理を10分~24時間行う態様を例示できる。なお、タンブリング処理の処理時間に関し、使用したマヨネーズ等の全量が原料食肉の内部に安定的に含されるまでには長時間を要する場合があるため、使用量の全量が原料食肉内に完全に含されるまでタンブリング処理を行う必要はない。マヨネーズ等が原料食肉の内部に含されずに表面に残留することを考慮して、含処理に用いるマヨネーズ等の使用量又はマリネーション液におけるマヨネーズの濃度を、適宜調整することが望ましい。
本発明の食肉加工食品の製造方法では、原料食肉に対し前述した含処理を行うことで、マヨネーズ含有量0.5~3質量%、好ましくは0.8~2.4質量%の加工食肉を得る。ここでいう加工食肉は、原料食肉の内部にマヨネーズが含有されたものである。加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5質量%未満では、マヨネーズを含有させる意義に乏しく、加工食肉を用いて製造された食肉加工食品の食感がパサつくおそれがある。また、加工食肉におけるマヨネーズ含有量が3質量%を超えると、加工食肉を用いて製造された食肉加工食品に不要な酸味が加わる、該食肉加工食品の筋組織構造が壊れる等の不都合が生じるおそれがある。
処理におけるマヨネーズ等の使用量は、加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5~3質量%となるように調整すればよい。例えば、含処理にマリネーション液を用いる場合、その使用量としては、原料食肉100質量部に対し、好ましくは10~35質量部、より好ましくは18~26質量部である。
処理によって得られた加工食肉は、そのまま製造目的物である食肉加工食品として喫食することも可能であるが、加工食肉を更に加熱調理してもよい。本発明の食肉加工食品の製造方法には、含処理を経て得られたマヨネーズ含有量0.5~3質量%の加工食肉を加熱調理する工程を有する製造方法が包含される。この加工食肉の加熱調理の手段としては、公知の手段を特に制限無く用いることができ、例えば、焼く、煮る、蒸す、揚げるなどの加熱調理手段が挙げられる。前述した含処理が施された加工食肉、延いては該加工食肉を用いた食肉加工食品は、食感が改善されており、加熱調理直後はもとより、加熱調理後時間が経過しても、筋繊維の食感を維持しつつも、パサつかずジューシーな食感を有している。
このような含処理に起因する食感改善効果を享受する点を考慮すると、原料食肉ないし加工食肉の形状は、ミンチ等の細片化したものよりも、肉の食感を感じることができる大きさであることが好ましい。以上の観点から、本発明の適用が特に有効な食肉加工食品として、例えば、ソテーやステーキ等の焼き物、から揚げや天ぷら等の揚げ物、カレーやシチュー、煮しめ等の煮物、蒸し鶏等の蒸し物、ローストビーフ、焼き豚等の塊肉を用いた料理を例示でき、これら塊肉を用いた食肉加工食品の調理過程において本発明を好適に実施することができる。本発明は、ハンバーグなどのミンチ肉を用いた食肉加工食品に適用することも可能であるが、塊肉を用いた食肉加工食品に適用した場合の方がより効果が高い。本発明の好ましい適用例として、揚げ物の製造過程で衣づけ前の具材としての食肉類に適用する例が挙げられ、これにより、揚げ調理された食肉類の食感を大幅に改善し得る。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例1、2、5~9は参考例である。
〔実施例1~15及び比較例1~9〕
鶏むね肉を1個20gとなるよう切り分けて原料食肉とした。原料食肉2000gに対し、下記表1~3に示す配合の処理剤を用いて前処理を行い、加工食肉を得た。前処理として、タンブリング処理又は浸漬処理を行った。
前記タンブリング処理は、原料食肉及び処理剤をタンブリングマシンに投入し、原料食肉の品温5℃で4時間振盪(タンブリング)することにより実施した。
前記浸漬処理は、特許文献4に記載の方法に準じて実施した。具体的には、深さのあるトレイに処理剤を入れ、該処理剤中に原料食肉の全体を浸漬させ、トレイの上部開口全体をラップで閉塞し、その状態で4時間静置した。4時間経過後、トレイ中の処理剤を流し捨て、更にトレイ内の食肉を流水ですすぎ、水を切ったものを加工食肉とした。
各実施例及び比較例で使用した原材料(下記表1~3参照)の詳細は下記のとおり。
・マヨネーズA:市販のマヨネーズ(キユーピー社製)
・マヨネーズB:下記方法で調製したO/W型マヨネーズ
卵黄1個(約20g)に食酢(酢酸濃度5%)を大匙1(約12g)の量加え、よく攪拌した。ここにサラダ油168gを、ゆっくり少量ずつ、高速ミキサーで攪拌して乳化しながら加え、全体がペースト状になるまで攪拌してO/W型マヨネーズを調製し、マヨネーズBとした。
・マヨネーズ様固形物:下記方法で調製したW/O型乳化固形物
卵黄1個(約20g)に食酢(酢酸濃度5%)を大匙1(約12g)の量加え、よく攪拌した。サラダ油180gにこの混合物を、少量ずつ、へらで攪拌し乳化しながら加え、全体が固形状になるまで攪拌してW/O型乳化固形物を調製し、マヨネーズ様固形物とした。
比較例3及び4では、処理剤として、卵黄、食酢及びサラダ油の非乳化混合物を用いた。この非乳化混合物は、乳化物ではないため、本発明に係るマヨネーズでもマリネーション液でもない。
比較例5では、処理剤として、特許文献3の実施例1に準じて調製したO/W型乳化液を用いた。具体的には、清水18質量部、卵黄1質量部を高速ミキサーで攪拌しながら、サラダ油7.5質量部を少量ずつ加えて乳化し、更に、食酢1質量部を加えてO/W型乳化液を調製した。そして、原料食肉2000gに対し、このO/W型乳化液を825g用いてタンブリング処理を行った。このO/W型乳化液は、マリネーション液の一種ではあるが、マヨネーズの水希釈液ではない。
〔試験例〕
各実施例及び比較例の加工食肉(前処理済み原料食肉)の表面に薄力粉をまんべんなく振掛け、5分間静置して馴染ませた後、170℃に熱したサラダ油で4分間油ちょうして、鶏から揚げ(食肉加工食品)を製造した。また、対照例として、タンブリング処理を行わずに前記と同様に、すなわち常法に従って鶏から揚げを製造した。揚げたての鶏から揚げを、粗熱をとってから10名の専門パネラーに食してもらい、その際の食感を、下記評価基準に基づき対照例の鶏から揚げの食感を2点として、評価してもらった。結果を10名の評価点の平均値として下記表1~3に示す。下記表2及び3は、いずれもタンブリング処理(含処理)における処理剤の使用量を適宜変更した例を掲載したもので、下記表2は、処理剤としてマヨネーズを用いた例、下記表3は、処理剤としてマヨネーズを含有するマリネーション液を用いた例である。
<食感の評価基準>
5点:非常にソフトでジューシーであり、極めて良好。
4点:ソフトでジューシーであり、良好。
3点:ソフトであるがややジューシーさに欠ける。
2点:やや硬いかややパサつきがあり、やや不良。
1点:硬いかパサつきがあり、不良。
Figure 0007241508000001
表1に示すとおり、各実施例は、原料食肉の前処理として、マヨネーズ(実施例1及び2)又はマヨネーズを含有するマリネーション液(実施例3及び4)を処理剤として用いたタンブリング処理(含処理)を実施し、そうして得られた加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5~3質量%の範囲にあり、結果として、前処理無しの対照例の鶏から揚げの食感の評価点2点を上回る高評価となった。
比較例1及び2は、処理剤としてマヨネーズ様固形物(W/O型乳化固形物)を用いたため、加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5質量%未満となり、各実施例に比して食感に劣る結果となった。
比較例3及び4は、処理剤として、マヨネーズの如き乳化物ではない非乳化混合物を用いたため、また比較例5は、処理剤として「マヨネーズの水希釈液」ではないマリネーション液を用いたため、いずれも加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5質量%未満となり、各実施例に比して食感に劣る結果となった。比較例5は、食感の向上効果はみられるものの、油っぽい味があり、食味の点で不評であった。
比較例6及び7は、浸漬処理を採用したため、加工食肉におけるマヨネーズ含有量が0.5質量%未満となり、各実施例に比して食感に劣る結果となった。
Figure 0007241508000002
Figure 0007241508000003

Claims (2)

  1. 原料食肉に対し、ヨネーズを含有するマリネーション液を含浸させる含浸処理を行い、マヨネーズ含有量0.5~3質量%の加工食肉を得る工程と、該加工食肉を加熱調理する工程とを有し、
    前記含浸処理が、タンブリング処理を含み、
    前記マリネーション液が、マヨネーズを3~15質量%及び水を70~97質量%含有する、食肉加工食品の製造方法。
  2. 原料食肉に対し、マヨネーズを含有するマリネーション液を含浸させる含浸処理を行い、マヨネーズ含有量0.5~3質量%の加工食肉を得る工程と、該加工食肉を加熱調理する工程とを有し、
    前記含浸処理が、タンブリング処理を含み、
    前記マリネーション液が、マヨネーズの水希釈液である食肉加工食品の製造方法。
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