JP7240859B2 - 精製ポリエーテルの製造方法、及び硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

精製ポリエーテルの製造方法、及び硬化性組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、水溶性不純物を含むポリエーテルを精製する、精製ポリエーテルの製造方法に関する。
工業的に生産されている反応性ケイ素基末端ポリエーテルは、シーリング材、接着剤、塗料等の種々の用途に広く使用されている。
反応性ケイ素基末端ポリエーテルの製造方法の好ましい一例としては、以下の方法が挙げられる(特許文献1を参照)。特許文献1に記載の方法では、まず、KOH等の塩基性アルカリ金属化合物や、複合金属シアン化物錯体等を触媒として、アルキレンオキシドの開環重合を行うことによって末端に水酸基を有するポリエーテルを製造する。次いで、ポリエーテルが有する末端水酸基に、不飽和脂肪族基を導入する。
しかし、上記方法において、不飽和基末端ポリエーテル中に、アルカリ性成分が存在したり、又は重合触媒由来の金属不純物(複合金属シアン化物錯体及び/又はその残渣化合物)が存在すると、不飽和基末端ポリエーテルに対するヒドロシリル化反応が阻害される場合がある。また、不飽和基末端ポリエーテル中に塩が多く存在すると、不飽和基末端ポリエーテルそのものや、不飽和基末端ポリエーテルを含む組成物の濁りの原因となる。
上記のヒドロシリル化反応の阻害や、濁りの問題の抑制のため、不飽和基末端ポリエーテルの精製方法として以下の方法が提案されている。具体的には、不飽和基末端ポリエーテルと酸性成分を添加した洗浄水とを激しく撹拌した後、水相を取り除くか、又は不飽和基末端ポリエーテルと有機溶媒と洗浄水とを激しく撹拌した後、水相を取り除くことで、不飽和基末端ポリエーテル中のアルカリ性成分、重合触媒由来の金属不純物、及び塩の含有量を低減させる方法が提案されている(特許文献2、及び特許文献3を参照)。
しかし、特許文献2、及び特許文献3に記載されるような精製方法にも、以下の1)~3)の問題があった。
1)多量の水を使用しているため排水設備が必要となり、精製プロセスが煩雑になる問題。
2)ポリエーテルと洗浄水とを混合するために激しい撹拌を行うことによって、系が乳化状態になりやすく、撹拌後のポリエーテルと水との分離に長時間を要する問題。
3)不純物除去が不十分であり、精製を経てもヒドロシリル化反応が阻害されやすい問題。
特開平4-36312号公報 国際公開第2006/049088号 特開2002-249580号公報
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであって、多量の水を使用しなくても、粗製ポリエーテルから効率良く不純物を除去できる、精製ポリエーテルの製造方法と、当該製造方法により得られる精製ポリエーテルを用いて硬化性組成物を製造する、硬化性組成物の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]粗製ポリエーテルを精製する精製ポリエーテルの製造方法であって、
粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒とを混合して混合液を得る、混合液調製工程と、
混合液から、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とを除去する溶媒除去工程と、
溶媒除去工程後に、精製ポリエーテル中に析出している、粗製ポリエーテルに由来する不純物を除去する、不純物除去工程と、
を含む方法。
[2]極性溶媒が、プロトン性極性溶媒である、[1]に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[3]極性溶媒が、アルコール系溶媒である、[1]又は[2]に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[4]アルコール系溶媒が、炭素原子数1以上3以下のアルコールである、[3]に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[5]アルコール系溶媒が、メタノールである、[3]又は[4]に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[6]非極性溶媒が、鎖式又は環式の飽和炭化水素である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[7]非極性溶媒がヘキサンである、[6]に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[8]混合液の調製に用いられる、極性溶媒の質量と、非極性溶媒の質量との比率が、極性溶媒/非極性溶媒として1/0.1~1/10である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[9]粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒との混合を、0℃以上140℃以下の温度にて行う、[1]~[8]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[10]不純物の除去が、静置分離、遠心分離、及びろ過より選択される分離操作により行われる[1]~[9]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[11]不純物除去工程において、不純物を除去する分離操作を1回又は複数回行う、[1]~[10]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[12]粗製ポリエーテルが、水酸基末端ポリエーテル、不飽和基末端ポリエーテル、又は反応性ケイ素基末端ポリエーテルである、[1]~[11]のいずれか1つに記載の精製ポリエーテルの製造方法。
[13]精製ポリエーテルを含む硬化性組成物の製造方法であって、
精製ポリエーテルが、不飽和基末端ポリエーテル、又は反応性ケイ素基末端ポリエーテルであり、
[1]~[12]のいずれか1つに記載の方法に従って精製ポリエーテルを製造する精製ポリエーテル製造工程と、
精製ポリエーテルを、精製ポリエーテル以外の硬化性組成物の成分と混合する混合工程と、
を含む方法。
本発明によれば、多量の水を使用しなくても、粗製ポリエーテルから効率良く不純物を除去できる、精製ポリエーテルの製造方法と、当該製造方法により得られる精製ポリエーテルを用いて硬化性組成物を製造する、硬化性組成物の製造方法とを提供することができる。
≪精製ポリエーテルの製造方法≫
精製ポリエーテルの製造方法は、粗製ポリエーテルを精製して精製ポリエーテルを製造する方法である。
具体的には、精製ポリエーテルの製造方法は、
粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒とを混合して混合液を得る、混合液調製工程と、
混合液から、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とを除去する溶媒除去工程と、
溶媒除去工程後に、精製ポリエーテル中に析出している、粗製ポリエーテルに由来する不純物を除去する、不純物除去工程と、
を含む方法である。
<粗製ポリエーテルの製造方法>
粗製ポリエーテルの製造方法は特に限定されない。粗製ポリエーテルは、公知の方法により製造されてよい。公知の方法としては、特許文献1に記載の製造方法が特に好ましい。
特許文献1に記載の製造方法では、まず、ポリエーテルの末端の水酸基と、アルカリ金属アルコキシドとを反応させて、末端の水酸基がアルカリ金属アルコキシドに変換される。次いで、末端のアルカリ金属アルコキシドに、炭素-炭素不飽和基を有するハロゲン化物を反応させて、ポリエーテルの末端に炭素-炭素不飽和基が導入される。
水酸基末端ポリエーテルの製造方法は、特に限定されることはなく、公知の方法を用いることができる。
一般的な製造方法としては、例えば、複合金属シアン化物錯体を触媒として用いる重合反応が挙げられる。
水酸基末端ポリエーテルの主鎖は、-R-O-で表される繰り返し単位を含むのが好ましい。主鎖中の複数のRは、同一の基であっても、2種以上の異なった基であってもよい。水酸基末端ポリエーテルの主鎖は、分岐していてもよく、架橋していてもよい。
Rは、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、及びハロゲン原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい、炭素原子数1以上20以下の2価の有機基である。かかる2価の有機基としては、アルキレン基が好ましい。Rがアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子数は、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上4以下がさらに好ましい。
-R-O-で表される繰り返し単位の好ましい具体例としては、-CHCHO-、-CH(CH)CHO-、-CH(C)CHO-、-C(CHCHO-、及び-CHCHCHCHO-等が挙げられる。これらの中では、-CHCHO-、及び-CH(CH)CHO-が好ましく、-CH(CH)CHO-が特に好ましい。
水酸基末端ポリエーテルは、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキサイドを開環重合させて製造されるのが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、及びα-メチルスチレンオキシド等が挙げられる。
上記アルキレンオキサイドの代わりに、又は上記アルキレンオキサイドとともに、種々のグリシジルエーテル類を用いることができる。グリシジルエーテル類の具体例としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、及びフェニルグリシジルエーテル等の炭素原子数2以上12以下の置換又は非置換のグリシジルエーテル類が挙げられる。
開始剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2,2-ジメチル-1-プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール等の2価以上の多価アルコール;水酸基を有する各種重合体等が挙げられる。
このようにして製造される水酸基末端ポリエーテルは、精製ポリエーテルを製造する際に、粗製ポリエーテルとして使用され得る。
粗製ポリエーテルとして、不飽和基末端ポリエーテルを製造する場合、まず、上記のようにして得られる水酸基末端ポリエーテルの末端の水酸基を、アルカリ金属アルコキシドと反応させて、-OMで表される基に変換する。ここで、Mはアルカリ金属である。
アルカリ金属アルコキシドとしては、水酸基末端ポリエーテルが有する末端水酸基中の水素原子をアルカリ金属に置換可能な化合物であれば特に限定されない。
アルカリ金属アルコキシドとしては、例えば、炭素原子数1以上4以下のアルカリ金属アルコキシドが好ましく使用される。
アルカリ金属アルコキシドの好ましい具体例としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及びカリウムエトキシドが挙げられる。これらの中では、入手が容易であることから、ナトリウムメトキシド、及びカリウムエトキシドがより好ましく、ナトリウムメトキシドが特に好ましい。
アルカリ金属アルコキシドは、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、1種を単独で用いるのが好ましい。
次いで、-OMで表される末端基を有するポリエーテルを、炭素-炭素不飽和基を有するハロゲン化物と反応させることにより、末端に炭素-炭素不飽和基を導入して、末端に不飽和基を有する不飽和基末端ポリエーテルが得られる。
かかる方法によって得られる不飽和基末端ポリエーテルは、精製ポリエーテルを製造する際に、粗製ポリエーテルとして使用され得る。
不飽和基含有ハロゲン化物としては、下記式で表される化合物が好ましい。
H(R)C=C(R)-R-Y
(上記式中、Rは、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、及びハロゲン原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1以上20以下の2価の有機基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上10以下の炭化水素基であり、Yはハロゲン原子である。)
不飽和基含有ハロゲン化物としては、不飽和基含有塩素化物、及び不飽和基含有臭素化物が好ましく、不飽和基含有塩素化物がより好ましい。
不飽和基含有ハロゲン化物としては、入手性の点でアリルクロライド、及びメタリルクロライド(3-クロロ-2-メチル-1-プロペン)が好ましい。
不飽和基含有ハロゲン化物は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、1種を単独で用いるのが好ましい。
水酸基末端ポリエーテルに、アルカリ金属アルコキシドを作用させた後、炭素-炭素不飽和結合を有するエポキシ化合物と反応させた後、水酸基末端ポリエーテルとエポキシ化合物との反応物に、さらに上記不飽和基含有ハロゲン化物と反応させることで、不飽和基を1つの末端に1個より多く有する不飽和基末端ポリエーテルを得ることもできる。
炭素-炭素不飽和結合を有するエポキシ化合物としては、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲における末端とは、ポリエーテルの分子鎖における鎖末端及びその近傍構造を含む。より具体的には、末端、又は末端基を、ポリエーテルの分子鎖を構成する結合原子のうち末端から20%より好ましくは10%にあたる個数の原子上に置換する基と定義してもよい。また、結合原子数で表現すると、末端部位とは、ポリエーテルの分子鎖の末端から30原子、より好ましくは20原子までを末端部位と定義してもよい。
ポリエーテルと不飽和基含有ハロゲン化物との反応完了後も撹拌を継続することで、アルカリ金属アルコキシド、又はアルカリ金属アルコキシド中のアルカリ性不純物が、不飽和基含有ハロゲン化物と反応することにより消費される。
不飽和基含有ハロゲン化物の添加後に、炭素原子数1以上3以下のアルコール、及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加することにより、アルカリ性成分の溶解度が高まり、不飽和基含有ハロゲン化物と、アルカリ金属アルコキシド、又はアルカリ金属アルコキシド中のアルカリ性不純物との反応が促進され、消費速度を高めることが可能となる。
炭素原子数1以上3以下のアルコール、及び水からなる群より選ばれる1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよく、1種を単独で用いるのが好ましい。
炭素原子数1以上3以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、及び2-プロパノール等が挙げられる。アルカリ性成分に対してより良い良溶媒であり、少ない添加部数でアルカリ性成分を溶解可能であるため、これらの中では、メタノール、及びエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。
ただし、アルコールはこれらに限定されない。アルコールの分子内の水酸基の数は2つ以上であってもよい。アルコールは、分子内に炭素、水素、酸素以外の原子を含有していてもよい。炭素原子数4以上のアルコールを用いることもできるが、炭素原子数4以上のアルコールを用いる場合、アルカリ性成分の溶解性が不十分であり効果が限定的である。
炭素原子数1以上3以下のアルコール、又は水の添加量は、特に限定されない。添加量は、ポリエーテル100質量部に対し、0.05質量部以上20質量部以下が好ましく、0.1質量部以上10質量部以下がより好ましい。添加量が過少であると、アルカリ成分が十分に溶解せず、効果が限定的である。また、添加量が過多であると、アルコール又は水の添加時の圧力の上昇が大きくなり、添加が困難である場合がある。
アルコール又は水の添加後の撹拌時間は特に限定されない。撹拌時間は8時間以内が好ましく、4時間以内がより好ましい。撹拌時間が長いと生産上効率が悪くなる。
上述の方法により得られる不飽和基末端ポリエーテル中には、不純物として、金属不純物や塩が含まれている。後述する精製工程での除去対象である不純物としては、亜鉛塩、コバルト塩、及び/又はアルカリ金属塩等の、アルカリ金属化合物又は複合金属シアン化物錯体触媒由来の化合物等が例示できる。
以上の方法によって得られる、水酸基末端ポリエーテルや、不飽和基末端ポリエーテルの末端に、周知の方法に従って反応性ケイ素基を導入した反応性ケイ素基末端ポリエーテルも、精製ポリエーテルを製造する際に、粗製ポリエーテルとして使用され得る。
不飽和基末端ポリエーテルの末端に反応性ケイ素基を導入する方法としては、後述するヒドロシリル化が挙げられる。
<粗製ポリエーテルの精製>
前述の通り、精製ポリエーテルの製造方法は、
粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒とを混合して混合液を得る、混合液調製工程と、
混合液から、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とを除去する溶媒除去工程と、
溶媒除去工程後に、精製ポリエーテル中に析出している、粗製ポリエーテルに由来する不純物を除去する、不純物除去工程と、
を含む方法である。
以下、粗製ポリエーテルの精製に関して、上記の各工程について説明する。
(混合液調製工程)
混合液調製工程では、粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒とを混合して混合液を得る。
本出願の明細書、及び特許請求の範囲において、極性溶媒とは、比誘電率が10以上の溶媒である。また、非極性溶媒とは、比誘電率が10未満の溶媒である。また、プロトン性極性溶媒とは、比誘電率が10以上であって、解離性のHをもつ溶媒である。非プロトン性極性溶媒とは、比誘電率が10以上であって、解離性のHをもたない溶媒である。
極性溶媒は、上記の定義を満たす溶媒であれば特に限定されない。極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、及び1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒;アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、及びベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;水;ギ酸、及び酢酸等のカルボン酸類;フェノール等が好ましい。
これらの極性溶媒の中では、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、及び1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒;水;ギ酸、及び酢酸等のカルボン酸類;フェノール等のプロトン性極性溶媒がより好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、及び1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒、及び水が特に好ましい。
アルコール系溶媒としては、炭素原子数1以上3以下のアルコールが好ましい。炭素原子数1以上3以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、及び2-プロパノール等が挙げられる。これらの中では、メタノール、及びエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。
アルコールの分子内の水酸基の数は2つ以上であってもよい。アルコールは、分子内に炭素、水素、酸素以外の原子を含有していてもよい。
極性溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性溶媒の使用量は、所望する程度に、粗製ポリエーテルを精製可能である限り特に限定されない。
精製効果が良好である点と、精製に使用する装置の容積基準での使用効率が高いことから、極性溶媒の使用量は、粗製ポリエーテル100重量部に対して0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がより好ましく、1質量部以上10質量部以下が特に好ましい。
非極性溶媒は、上記の定義を満たす溶媒であれば特に限定されない。非極性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル等のエーテル類;ヘキサン、オクタン、及びシクロヘキサン等の鎖式又は環式の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び3-メトキシブチルアセテート等のエステル類;アセトアルデヒド、及びプロピオンアルデヒド等のアルデヒド類が好ましい。
これらの中では、鎖式又は環式の飽和炭化水素、並びに芳香族炭化水素がより好ましく、鎖式又は環式の飽和炭化水素が特に好ましい。さらに鎖式又は環式の飽和炭化水素としては、ヘキサン、及びシクロヘキサンが好ましい。
非極性溶媒の使用量は、所望する程度に、粗製ポリエーテルを精製可能である限り特に限定されない。
精製効果が良好である点と、精製に使用する装置の容積基準での使用効率が高いことから、非極性溶媒の使用量は、粗製ポリエーテル100重量部に対して0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がより好ましく、1質量部以上10質量部以下が特に好ましい。
混合液の調製に用いられる、極性溶媒の質量と、非極性溶媒の質量との比率は、所望する程度に、粗製ポリエーテルを精製可能である限り特に限定されない。
精製効果が良好である点と、精製に使用する装置の容積基準での使用効率が高いことと、後述する溶媒除去工程での極性溶媒及び非極性溶媒の除去が容易であることとから、混合液の調製に用いられる、極性溶媒の質量と、非極性溶媒の質量との比率は、極性溶媒/非極性溶媒として1/0.1~1/10であるのが好ましく、1/0.5~1/5であるのがより好ましい。
粗製ポリエーテルを、極性溶媒、及び非極性溶媒と混合する時の温度は、特に限定されない。ポリエーテルの主鎖や末端基の構造によらず、ポリエーテルの劣化を抑制しつつ、混合液を調整しやすいことから、混合温度は、0℃以上が好ましく、0以上140℃以下がより好ましい。
粗製ポリエーテルを、極性溶媒、及び非極性溶媒と混合する方法は、特に限定されない。好ましい方法としては、振とう器や撹拌機を使用する方法が挙げられる。
混合液調製工程で調製される混合液は、本発明の目的を阻害しない範囲で水を含んでいてもよい。
混合液における水の含有量は、粗製ポリエーテル100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好ましい。
また、混合液における水の含有量は、混合液の調製に使用される極性溶媒、及び非極性溶媒の質量の合計100質量部に対して、0.1質量部以上25質量部以下が好ましい。
なお、不純物を含む粗製ポリエーテルとトリポリリン酸とを撹拌して、不純物である金属化合物とトリポリリン酸とを反応させて不純物の粒子サイズを大きくした後に、固液分離する方法が知られている(特開2003-105078号公報)。
混合液調製工程では、粗製ポリエーテルに対して、極性溶媒、及び非極性溶媒とともに、トリポリリン酸を加えることもできる。
しかし、特開2003-105078号公報に記載の精製方法では、トリポリリン酸を使用しているため、粗製ポリエーテルに含まれている不純物に加えて、トリポリリン酸が廃棄物として増えてしまう。このため、廃棄物量を過度に増加させない点から、混合液の調製に、トリポリリン酸を用いないのが好ましい。
以上のようにして調製された混合液は、次いで、溶媒除去工程に供される。
(溶媒除去工程)
溶媒除去工程では、混合液から、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とが除去される。このような除去を行うことによって、粗製ポリエーテルに由来する精製ポリエーテルに対して不溶な不純物の、精製ポリエーテル中での粒子径を大きくすることができる。
混合液を調製した段階で、粗製ポリエーテル中に析出している不純物は、粒子径が小さすぎて、沈降させること自体が困難であったり、ろ過用のフィルターにかからないためにろ過できなかったりする。
しかし、溶媒除去工程を経ることで粗大化した不純物の粒子は、精製ポリエーテル中で沈降させることが可能であり、また、ろ過用のフィルターでろ取することが可能である。
溶媒除去工程を経て粗大化した不純物の平均粒子径(散乱強度)は、不純物除去工程における不純物除去効率が高い点から、600nm以上が好ましく、800nm以上がより好ましく、1000nm以上が特に好ましい。
これらの方法には限定されないが、例えば、極性溶媒、非極性溶媒、及び水の使用量の調整や、極性溶媒、及び非極性溶媒の除去に要する時間等の調整によって、溶媒除去後の不純物の平均粒子径(散乱強度)を調整し得る。
粗大化した不純物の平均粒子径(散乱強度)の上限に特に制限はない。実施可能な範囲として、粗大化した不純物の平均粒子径(散乱強度)の上限は、10000nm以下であってよく、5000nm以下であってよく、3000nm以下であってもよい。
なお、不純物の平均粒子液(散乱強度)の測定方法については、実施例において後述する。
混合液から、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とを除去する時の温度は、所望する程度に粗製ポリエーテルを精製できる限り特に限定されない。
除去時の温度は、通常、極性溶媒の沸点と、非極性溶媒の沸点とを勘案して決定される。極性溶媒の沸点、又は非極性溶媒の沸点が高すぎる場合や、極性溶媒、及び非極性溶媒の除去を促進させる場合には、減圧雰囲気下で、極性溶媒、及び非極性溶媒の除去を行ってもよい。
ポリエーテルの主鎖や末端基の構造によらず、ポリエーテルの劣化を抑制しつつ、極性溶媒の少なくとも一部と、非極性溶媒の少なくとも一部とを除去しやすことから、除去時の温度は20℃以上が好ましく、20℃以上140℃以下がより好ましい。
極性溶媒の除去量と、非極性溶媒の除去量とは、所望する程度に粗製ポリエーテルを精製できる限り特に限定されない。
通常、極性溶媒と、非極性溶媒とは、それぞれ、混合液の調製に用いられた量に対して、80質量%以上除去されるのが好ましく、90質量%以上除去されるのが好ましく、95質量%以上除去されるのがより好ましい。
(不純物除去工程)
不純物除去工程では、溶媒除去工程後に精製ポリエーテル中に析出している、粗製ポリエーテルに由来する不純物を除去する。
不純物を精製ポリエーテルから分離して除去する方法は特に限定されない。典型的には、不純物の除去は、静置分離、遠心分離、及びろ過より選択される分離操作により行われる。不純物除去工程において、複数種の操作を組み合わせて分離操作が行われてもよい。
なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲において、遠心ろ過装置を用いる分離操作については、遠心分離であるとする。
不純物除去工程では、上記の分離操作が複数回実施されてもよい。ただし、回数が多いと生産性が悪化する。そのため、不純物除去工程における分離操作の回数は10回以下でが好ましく、5回以下がより好ましい。
静置分離では、不純物を含有する精製ポリエーテルを静置して、精製ポリエーテル中に不純物を沈降させた後に、上澄みに相当する精製ポリエーテルを、デカンテーション、又は吸引等の方法により回収して、精製ポリエーテルと不純物とを分離することができる。
ろ過による不純物の除去に際して、不純物を含む精製ポリエーテルをそのままろ過装置に供給してもよい。ろ過性や、不純物の除去性を高めるためには、不純物を含む精製前ポリエーテルに、ろ過助剤を加えたスラリーを、ろ過装置にボディフィードすることが好ましい。
ろ過助剤は、精製ポリエーテルに分散させてボディフィードして用いることもできるが、精製ポリエーテルのフィードに先立って、ろ過装置にプレコートして利用することもできる。
ろ布等への微小な固形物の目詰まりが懸念される場合には、プレコートを行った上で、不純物を含有する精製ポリエーテルをそのまま供給することもでき、ろ過助剤を分散させた精製ポリエーテルをボディフィードで供給することもできる。
ろ過助剤としては、セライトやパーライト等の周知のろ過助剤を利用できる。例えば、昭和化学製のラヂオライトや、東興パーライト工業製のトプコ等として、粒子径の異なる種々グレードのろ過助剤の製品を入手可能である。
ろ過助剤としては、除去する不純物の種類に応じて、単独で、又は複数の種類を混合して使用することが可能である。
なお、極端に小さい粒子径のろ過助剤を用いると、ろ過性(ろ過処理速度)が悪くなる場合があり、逆に、極端に大きい粒子径のろ過助剤を用いると、ろ過性が良い一方で、不純物の除去効率が悪化しやすい。
以上の観点から、不純物除去工程で使用されるろ過助剤の平均粒子径(レーザー法)は、例えば、20μm以上40μm以下のように30μm程度が好ましい。
精製ポリエーテルが粘調な場合には、ろ過装置にフィードされる液の温度や、ろ過装置の雰囲気の温度を上げたり、不純物の粒子を含む精製ポリエーテルを有機溶媒で希釈することで、ろ過装置に供給される不純物の粒子を含む精製ポリエーテルの粘度を低下させることができる。
希釈に用いる有機溶媒としては、前述の非極性溶媒が好ましい。ろ過後に、精製ポリエーテルから有機溶媒を蒸発させて除去する必要がある場合には、蒸発回収の容易な有機溶媒を選択するのが好ましい。
不純物除去工程において、精製ポリエーテルを有機溶媒により希釈する場合、有機溶媒の使用量は特に限定されず、精製ポリエーテルを溶解させ、良好なろ過性を確保するのに十分な粘性低下を達成できる量であればよい。
有機溶媒の使用量が過多であると、粘性低下で得られる効果以上に、タンク容量が大きくなったり、有機溶媒を蒸発回収するための設備が大きくなるために、工業的には好ましくない。
粘性低下によるろ過性の改良効果と、ろ過後の有機溶媒の回収の容易さとのバランスが良好であることから、通常、有機溶媒の使用量は、混合液の調製に使用された粗製ポリエーテルの質量100質量部に対して、10質量部以上1000質量部以下が好ましく、20質量部以上300質量部以下がより好ましい。
不純物除去工程において、上記の分離操作を行う際の温度条件は、精製ポリエーテルに許容できない過度の熱変性が生じない温度であれば特に限定されない。
不純物の粒子を含む精製ポリエーテルを有機溶媒で希釈しない場合、上記の分離操作を行う際の温度条件は通常140℃以下が好ましく、安全性の観点では120℃以下がより好ましい。不純物の粒子を含む精製ポリエーテルを有機溶媒で希釈する場合、分離操作の容易さの観点で上記の分離操作を行う際の温度条件は10℃以上140℃以下が好ましく、30℃以上70℃以下がより好ましい。温度が高すぎると有機溶媒の蒸気圧により設備内が加圧状態になりやすいため、設備上の対応が必要以上に要求されてしまう。
以上のようにして、多量の水を使用しなくても、粗製ポリエーテルから効率良く不純物を除去して、精製ポリエーテルが製造される。
<不飽和基末端ポリエーテルのヒドロシリル化>
上記のようにして製造された精製ポリエーテルが、不飽和基末端ポリエーテルである場合、当該不飽和基末端ポリエーテルの末端の不飽和基に対するヒドロシリル化反応を良好に実施することができる。
精製ポリエーテルでは、ヒドロシリル化反応の進行を阻害する不純物が低減されているためである。
典型的には、精製後の不飽和基末端ポリエーテルの末端の不飽和基に、公知のヒドロシリル化反応により反応性ケイ素基を導入して、反応性ケイ素基末端ポリエーテルが製造される。
不飽和基末端ポリエーテルを製造する際にヒドロシリル化を実施する方法は特に限定されず、公知のヒドロシリル化方法を用いることができる。
不飽和基末端ポリエーテルの末端の不飽和基をヒドロシリル化する際に使用されるシラン化合物は、1個以上のSi-H基を分子内に有しているヒドロシラン化合物であればよい。代表的なヒドロシラン化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
H-(SiR 2-bO)-Si(R 3-a)X (1)
(式(1)中、R及びRは、互いに、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は(R’)SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示す。R又はRが、それぞれ2つ以上存在するとき、複数のR又はRは同一でも異なっていてもよい。R’は、炭素原子数1以上20以下の1価の炭化水素基である。3つのR’は、同一でも、異なっていてもよい。Xは、水酸基、又は加水分解性基を示す。Xが2つ以上存在する時、複数のXは同一でも、異なっていてもよい。aは、0、1、2、又は3である。bは、0、1、又は2である。m個の(SiR 2-bO)基におけるbについて、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0以上19以下の整数である。但し、a及びbは、a+Σb≧1を満足する。)
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1個以上3個以下の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1個以上5個以下の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
とくに、一般式(2)で表される化合物が入手が容易であるので好ましい。
H-SiR 3-c (2)
(式中、R、Xは前記と同じ。cは1、2、又は3である。)
ヒドロシラン化合物の具体例としては、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロルシラン、及びトリメチルシロキシメチルクロルシラン等のハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメチルシロキシメチルメトキシシラン、及びトリメチルシロキシジエトキシシラン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシラン、トリメチルシロキシジアセトキシシラン等のアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシラン、及びトリス(アセトキシメート)シラン等ケトキシメートシラン類;メチルイソプロペニルオキシシラン等のアルケニルオキシシラン類等が挙げられる。これらヒドロシラン化合物のうち、特にアルコキシシラン類が好ましい。アルコキシシラン類が有するアルコキシ基の中ではメトキシ基が特に好ましい。
ヒドロシリル化反応は、通常、10℃以上140℃以下、好ましくは20℃以上120℃以下、より好ましくは40℃以上100℃以下の範囲内の温度で実施される。
反応温度の調節、反応系の粘度の調整等の目的で、ヒドロシリル化反応を行う際に、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、及びヘプタン等の有機溶媒を用いることができる。
不飽和基末端ポリエーテルと、ヒドロシラン化合物との間のヒドロシリル化反応において用いる触媒としては、白金、ロジウム、等のVIII族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効に使用される。例えば、HPtCl・6HO、白金-ビニルシロキサン錯体、白金-オレフィン錯体、及びRhCl(PPh等のような化合物が、触媒として好ましく使用できる。
ヒドロシリル化の反応性の点から、HPtCl・6HO、及び白金-ビニルシロキサン錯体が特に好ましい。ここでいう白金-ビニルシロキサン錯体とは、白金原子に対し、配位子として分子内にビニル基を有する、シロキサン、ポリシロキサン、又は環状シロキサンが配位している化合物の総称である。上記配位子の具体例としては、1,1,3,3-テトラメチル1,3-ジビニルジシロキサン等が挙げられる。触媒使用量としては特に制限は無いが、通常、不飽和基1モルに対して、触媒を10-1から10-8モル使用することが好ましい。
≪硬化性組成物の製造方法≫
不飽和基末端ポリエーテルや、反応性ケイ素末端ポリエーテルは、硬化性組成物の硬化成分として好適に使用されている。
また、上記の方法で製造される精製ポリエーテルは、不純物が良好に除去されているため清澄である。
このため、精製ポリエーテルが、不飽和基末端ポリエーテル、又は反応性ケイ素基末端ポリエーテルである場合、精製ポリエーテルを用いて硬化性組成物を製造することにより、透明性に優れる硬化性組成物を得ることができる。
具体的には、
上記の方法に従って、不飽和基末端ポリエーテル、又は反応性ケイ素基末端ポリエーテルを、精製ポリエーテルとして製造する精製ポリエーテル製造工程と、
精製ポリエーテルを、精製ポリエーテル以外の硬化性組成物の成分と混合する混合工程と、
を含む方法によって硬化性組成物が製造される。
硬化性組成物の組成は特に限定されない。不飽和末端ポリエーテルを含む硬化性組成部物としては、例えば、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤と、不飽和末端ポリエーテルと、ヒドロシリル化触媒とを含む組成物が挙げられる。かかる硬化性組成物は、ヒドロシリル化反応により良好に硬化する硬化する。
反応性ケイ素基末端ポリエーテルを含む硬化性組成物としては、反応性ケイ素基末端ポリエーテルと、硬化触媒とを含む組成物が挙げられる。反応性ケイ素基末端ポリエーテルは、硬化触媒の存在下に、大気中の水分により常温で硬化し、金属、ガラス等に密着性の良い塗膜を与える。反応性ケイ素基末端ポリエーテルを含む硬化性組成物は、建造物、航空機、自動車等の製造工程被膜組成物、密封組成物、塗料組成物、接着剤組成物として有用である。硬化触媒としては、従来公知のシラノール縮合触媒を使用することができる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以下、実施例において本発明に関して詳細に述べるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(濁度測定)
ポリエーテルを分光光度計用セル(アズワン(株)製2-478-05)に移した後、ペルジャー((株)サンプラテック製PC-250K)を用いて脱泡処理を行った。脱泡処理はダイヤフラムポンプを用いて減圧し、目視で泡がなくなるまで実施した。脱泡処理されたセルを分光光度計((株)日立ハイテクサイエンス製U-1800型)を用いて、A660(660nmの吸光度)を測定した。分光光度計のゼロ点調整には、イオン交換水を使用した。
(粒度測定)
不飽和基末端ポリエーテル1gとヘキサン9gをガラス容器に入れて混合し、所定量を測定用ガラスセルに移し、粒子径分析装置(マルバーン製ゼータサイザーナノZSP)で平均粒子径(散乱強度)を測定した。
(合成例1)
数平均分子量300のポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの開環重合を行い、触媒及び/又はその残渣である金属化合物を不純物として含む、数平均分子量約15000の水酸基末端ポリエーテルを得た。
(合成例2)
合成例1で得られた水酸基末端ポリエーテルの水酸基に対して1.0倍当量のナトリウムメトキシドの30%メタノール溶液を添加した。次いで、メタノールを留去した後、水酸基に対して1.8倍当量のアリルクロライドを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。アリルクロライド添加後1時間後にメタノール0.5部を添加し、さらに3時間撹拌した後、アリルクロライドとメタノールを留去し、不飽和基末端ポリエーテル(a1)を得た。得られた不飽和基末端ポリエーテル(a1)中に含まれる不純物の平均粒子径(散乱強度)は516nmであった。濁度(A660)は0.379であった。
(実施例1)
合成例2で得られた不飽和基末端ポリエーテル(a1)50gと、極性溶媒であるメタノール2.5gと、非極性溶媒であるヘキサン2.5gとをガラス容器に入れ70℃まで加熱し、撹拌機で10分間混合を行い、混合液を得た。得られた混合液をナス型フラスコに移した後、ロータリーエバポレーターを用いて、55℃にて、目視にてメタノールとヘキサンとの留出が観測されなくなるまで、メタノール及びヘキサンの除去を行った。この時、不純物の平均粒子径(散乱強度)は1093nmであった。その後、ナス型フラスコ内の残渣をヘキサン50gで希釈した。ナス型フラスコ内の希釈液に、ろ過助剤であるラヂオライト700を10g加えた後、ろ過助剤を含む希釈液を撹拌機で10分間混合した。次いで、撹拌後の希釈液をろ過機に供給して固液分離を行った。固液分離後、回収された精製ポリエーテルの溶液を大気圧下に110℃に加熱してヘキサンを除去して、精製ポリエーテルを得た。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.076であった。
(実施例2)
合成例2で得られた不飽和基末端ポリエーテル(a1)50gと、メタノール2.5g、ヘキサン2.5gと、水0.2gとを用いて混合液を調整することの他は、実施例1と同様にして精製ポリエーテルを得た。上記、混合液からメタノール、ヘキサン及び水を除去したときの不純物の平均粒子径(散乱強度)は1836nmであった。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.011であった。
(実施例3)
ヘキサン2.5gをシクロヘキサン2.5gに変えることの他は、実施例1と同様にして精製ポリエーテルを得た。混合液からメタノール及びシクロヘキサンを除去したときの不純物の平均粒子径(散乱強度)は1207nmであった。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.077であった。
(実施例4)
メタノール2.5gをエタノール2.5gに変えることと、水の量を0.2gから0.25gに変えることとの他は、実施例2と同様にして精製ポリエーテルを得た。混合液からエタノール、ヘキサン及び水を除去したときの不純物の平均粒子径(散乱強度)は870nmであった。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.159であった。
(実施例5)
メタノール2.5gをアセトン2.5gに変えることと、水の量を0.2gから0.75gに変えることとの他は、実施例2と同様にして精製ポリエーテルを得た。混合液からアセトン、ヘキサン及び水を除去したときの不純物の平均粒子径(散乱強度)は840nmであった。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.169であった。
(比較例1)
混合液の調製にヘキサンを用いないことの他は、実施例1と同様にして、精製ポリエーテルを得た。なお、固液分離を行ったところ、ろ過機に供給した液中の微細な不純物がろ過機を通過してしまい、白濁したろ液が回収された。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.226であった。
(比較例2)
混合液の調製にメタノールを用いないことの他は、実施例1と同様にして、精製ポリエーテルを得た。なお、固液分離を行ったところ、ろ過機に供給した液中の微細な不純物がろ過機を通過してしまい、白濁したろ液が回収された。得られた精製ポリエーテルについて、上記の方法に従って濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.297であった。
(比較例3)
合成例2で得られた不飽和基末端ポリエーテル(a1)50gとヘキサン50g、ラヂオライト700を10gをガラス容器に入れ、撹拌機で10分間混合を行い、ろ過機で固液分離を行い、110℃で減圧脱揮を行って、濁度(A660)を測定した。濁度(A660)は0.338であった。
Figure 0007240859000001
表1によれば、粗製ポリエーテルと、極性溶媒、及び非極性溶媒とを混合して混合液を得た後、混合液から極性溶媒、及び非極性溶媒を除去し、次いで、固液分離により不純物を除去した、実施例1~5では、不純物が良好に除去され濁度の低い精製ポリエーテルが得られたことが分かる。
比較例1、及び比較例2によれば、混合液を調整する際に、極性溶媒と、非極性溶媒とのうちの一方しか用いない場合、混合液からの極性溶媒又は非極性溶媒の除去を行っても、濁度の高いポリエーテルしか得られないことが分かる。
比較例3によれば、ろ過前に粗製ポリエーテルから極性溶媒と、非極性溶媒との除去を行うことなく、希釈用のヘキサンと、ろ過助剤とが加えられた粗製ポリエーテルの希釈液をろ過する場合、濁度の高いポリエーテルしか得られないことが分かる。

Claims (12)

  1. 粗製ポリエーテルを精製する精製ポリエーテルの製造方法であって、
    粗製ポリエーテルと、極性溶媒と、非極性溶媒とを混合して混合液を得る、混合液調製工程と、
    前記混合液から、前記極性溶媒の少なくとも一部と、前記非極性溶媒の少なくとも一部とを除去する溶媒除去工程と、
    前記溶媒除去工程後に、前記精製ポリエーテル中に析出している、前記粗製ポリエーテルに由来する不純物を除去する、不純物除去工程と、
    を含み、
    前記粗製ポリエーテルが、水酸基末端ポリエーテル、不飽和基末端ポリエーテル、又は反応性ケイ素基末端ポリエーテルであり
    前記反応性ケイ素基末端ポリエーテルが有する反応性ケイ素基が、下記式:
    -(SiR 2-b O) -Si(R 3-a )X
    (式中、R 及びR は、互いに、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は(R’) SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示す。R 又はR が、それぞれ2つ以上存在するとき、複数のR 又はR は同一でも異なっていてもよい。R’は、炭素原子数1以上20以下の1価の炭化水素基である。3つのR’は、同一でも、異なっていてもよい。Xは、水酸基、又は加水分解性基を示す。Xが2つ以上存在する時、複数のXは同一でも、異なっていてもよい。aは、0、1、2、又は3である。bは、0、1、又は2である。m個の(SiR 2-b O)基におけるbについて、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0以上19以下の整数である。但し、a及びbは、a+Σb≧1を満足する。)
    で表される基である、方法。
  2. 前記極性溶媒が、プロトン性極性溶媒である、請求項1に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  3. 前記極性溶媒が、アルコール系溶媒である、請求項1又は2に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  4. 前記アルコール系溶媒が、炭素原子数1以上3以下のアルコールである、請求項3に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  5. 前記アルコール系溶媒が、メタノールである、請求項3又は4に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  6. 前記非極性溶媒が、鎖式又は環式の飽和炭化水素である、請求項1~5のいずれか1項に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  7. 前記非極性溶媒がヘキサンである、請求項6に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  8. 前記混合液の調製に用いられる、前記極性溶媒の質量と、前記非極性溶媒の質量との比率が、極性溶媒/非極性溶媒として1/0.1~1/10である、請求項1~7のいずれか1項に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  9. 前記粗製ポリエーテルと、前記極性溶媒と、前記非極性溶媒との混合を、0℃以上140℃以下の温度にて行う、請求項1~8のいずれか1項に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  10. 前記不純物の除去が、静置分離、遠心分離、及びろ過より選択される分離操作により行われる請求項1~9のいずれか1項に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  11. 前記不純物除去工程において、前記不純物を除去する分離操作を1回又は複数回行う、請求項1~10のいずれか1項に記載の精製ポリエーテルの製造方法。
  12. 精製ポリエーテルを含む硬化性組成物の製造方法であって、
    前記精製ポリエーテルが、前記不飽和基末端ポリエーテル、又は前記反応性ケイ素基末端ポリエーテルであり、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の方法に従って前記精製ポリエーテルを製造する精製ポリエーテル製造工程と、
    前記精製ポリエーテルを、前記精製ポリエーテル以外の前記硬化性組成物の成分と混合する混合工程と、
    を含む方法。
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