JP7285248B2 - ポリエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ポリエーテルの末端水酸基を金属アルコキシドと反応させてアルコキシド化することと、
アルコキシド化されたポリエーテルの末端に、炭素-炭素不飽和基を有する不飽和基含有ハロゲン化物を反応させて、ポリエーテルの末端に炭素-炭素不飽和基を導入して粗製の不飽和基含有ポリエーテルを得ることと、
粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理を少なくとも1つ行うことと、
不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルに、アスコルビン酸を添加することとを含む、精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法であって、
得られた精製された不飽和基含有ポリエーテル中のアスコルビン酸金属塩量が0.001重量ppm以上10重量ppm未満である、不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(2)アスコルビン酸金属塩が、アスコルビン酸ナトリウムおよび/またはアスコルビン酸亜鉛を含む、(1)に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(3)アスコルビン酸金属塩が、ナトリウムメトキシドに由来する金属塩、硫酸ナトリウムに由来する金属塩、塩化ナトリウムに由来する金属塩、および複合金属シアン化物錯体化合物触媒に由来する金属塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩を含む、(1)または(2)に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(4)アスコルビン酸金属塩が、不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルに添加されたアスコルビン酸に由来する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(5)粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理を、2回以上繰り返す、(1)~(4)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(6)粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理が、粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを1回以上混合する処理である、(1)~(5)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(7)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する処理を2回以上繰り返す、(6)に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(8)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理のうちの少なくとも1回において、水として酸性水が使用される、(6)または(7)に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(9)酸性水が、酸性成分として、アスコルビン酸、クエン酸、および硫酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、(8)に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(10)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理において、いずれの回の処理後の洗浄水においても、pHが4.5~8である、(6)~(9)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(11)不純物を取り除く処理が施された後に、A660が0.000以下である不飽和基含有ポリエーテルに対してアスコルビン酸を添加する、(1)~(10)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(12)不純物を取り除く処理が施された後のアスコルビン酸が添加される不飽和基含有ポリエーテルが有機溶剤を含まない、(1)~(11)のいずれか1つに記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
(13)ポリエーテルの末端水酸基を金属アルコキシドと反応させてアルコキシド化することと、
アルコキシド化されたポリエーテルの末端に、炭素-炭素不飽和基を有する不飽和基含有ハロゲン化物を反応させて、ポリエーテルの末端に炭素-炭素不飽和基を導入して粗製の不飽和基含有ポリエーテルを得ることと、
粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理を少なくとも1つ行うことと、
不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルを、アスコルビン酸および/またはアスコルビン酸金属塩の存在下に、下記一般式(1)で示されるシラン化合物によりヒドロシリル化して反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得ることとを含む、反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法であって、
得られた反応性ケイ素基含有ポリエーテル中のアスコルビン酸金属塩量が0.001重量ppm以上10重量ppm未満である反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
H-(SiR2 2-bXbO)m-Si(R1)3-aXa (1)
(一般式(1)中、R1およびR2は同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が二個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよく、R’は炭素数1から20の一価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく異なっていてもよく、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよく、aは0、1、2または3を示し、bは0、1、または2を示し、m個の-(SiR2 2-bXbO)-で表される基において、mが2以上の整数である場合、二個以上のbは同一であってもよく、異なっていてもよく、mは0から19の整数を示し、但し、aおよびbは、a+Σb≧1を満足する。)
(14)アスコルビン酸金属塩が、アスコルビン酸ナトリウムおよび/またはアスコルビン酸亜鉛を含む、(13)に記載の反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(15)アスコルビン酸金属塩が、ナトリウムメトキシドに由来する金属塩、硫酸ナトリウムに由来する金属塩、塩化ナトリウムに由来する金属塩、および複合金属シアン化物錯体化合物触媒に由来する金属塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩を含む、(13)または(14)に記載の反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(16)反応性ケイ素基含有ポリエーテル中のアスコルビン酸金属塩が、不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルとともにヒドロシリル化に供されたアスコルビン酸および/またはアスコルビン酸金属塩に由来する、(13)~(15)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(17)粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理を、2回以上繰り返す、(13)~(16)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(18)粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理が、粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを1回以上混合する処理である、(13)~(17)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(19)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する処理を2回以上繰り返す、(18)に記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(20)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理のうちの少なくとも1回において、水として酸性水が使用される、(18)または(19)に記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(21)酸性水が、酸性成分として、アスコルビン酸、クエン酸、および硫酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、(20)に記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(22)粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理において、いずれの回の処理後の洗浄水においても、pHが4.5~8である、(18)~(21)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(23)不純物を取り除く処理が施された後に、A660が0.000以下である不飽和基含有ポリエーテルに対してアスコルビン酸を添加し、アスコルビン酸が添加された不飽和基含有ポリエーテルをヒドロシリル化に供する、(13)~(22)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
(24)不純物を取り除く処理が施された後に、有機溶剤を含まない不飽和基含有ポリエーテルにアスコルビン酸を添加し、アスコルビン酸が添加された不飽和基含有ポリエーテルをヒドロシリル化に供する、(13)~(23)のいずれか1つに記載の精製された反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
不飽和基含有ポリエーテルの製造方法は、
ポリエーテルであるポリオキシアルキレンの末端の水酸基を金属アルコキシドと反応させてアルコキシド化することと、
アルコキシド化されたポリエーテルの末端に、炭素-炭素不飽和基を有する不飽和基含有ハロゲン化物を反応させて、ポリエーテルの末端に炭素-炭素不飽和基を導入して粗製の不飽和基含有ポリエーテルを得ることと、を含む。
H(R5)C=C(R4)-R3-Y
(上記式中、R3は酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の2価の有機基であり、R4、およびR5は、水素原子、または炭素原子数1~10の炭化水素基であり、Yはハロゲン原子である。)
不飽和基含有ハロゲン化物としては、入手性の点でアリルクロライド、およびメタリルクロライド(3-クロロ-2-メチル-1-プロペン)が好ましい。
ただし、アルコールはこれらに限定されず、分子内の水酸基の数は2つ以上であってもよく、分子内に炭素、水素、酸素以外の原子を含有していてもよい。炭素数4以上のアルコールを用いると、アルカリ性成分の溶解性が不十分であり効果が限定的である。また、炭素数4以上のアルコールは沸点が高く、反応後の除去が難しい。
上記の方法により得られる粗製の不飽和基含有ポリエーテルに対して、少なくとも1つの不純物を取り除く処理が行われ、粗製の不飽和金含有ポリエーテルが精製される。
粗製の不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理は、2回以上繰り返して行われるのが好ましい。
金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルの精製方法は特に限定されることはなく、公知の方法を用いることができる。精製方法としては、金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルを有機溶剤に溶解した後、粗製の不飽和基含有ポリエーテルの有機溶剤溶液を水と混合する方法(特許文献3を参照)、金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する方法(特許文献2を参照)、金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルを有機溶剤に溶解して濾過をする方法、および金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルを特定の有機溶剤に溶解して金属不純物を析出させて除去する方法が挙げられる。操作が容易であり、且つ精製効果が高いことから、これらの精製方法の中では、金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する方法が特に好ましい。
水による抽出は1回以上の任意の回数行われる。金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する処理は、不飽和基含有ポリエーテルの精製効果とのバランスの点で2回以上行われるのがこの好ましい。
酸性水を用いて、粗製の不飽和基含有ポリエーテルを洗浄することにより、アルカリ性成分、重合触媒由来の金属不純物、および塩等の不純物を効率よく除去しやすい。
粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理のうちの最後の処理後の洗浄水のpHが4.5~8であることが好ましく、5~6.5であることがさらに好ましく、5.5~6.2であることが特に好ましい。また、粗製の不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理において、いずれの回の処理後の洗浄水においても、pHが4.5~8であることが好ましく、5~6.5であることがさらに好ましく、5.5~6.2であることが特に好ましい。洗浄水のpHが上記の範囲内であると、不純物の除去効果が高い。
酸性水に添加される酸性成分は、不純物の除去効果の点から、アスコルビン酸、クエン酸、および硫酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アスコルビン酸、および/または硫酸であることがさらに好ましく、アスコルビン酸であることが特に好ましい。
イソアスコルビン酸は、L-アスコルビン酸の構造異性体である。
さらに、金属不純物を含む粗製の不飽和基含有ポリエーテルを特定の有機溶剤に溶解して金属不純物を析出させて除去する方法もある。
上記のようにして不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルに対して、アスコルビン酸が添加される。
好ましくは、不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルは、アスコルビン酸および/またはアスコルビン酸金属塩の存在下に、後述する一般式(1)で示されるシラン化合物によるヒドロシリル化反応に供される。かかるヒドロシリル化反応を経て、反応性ケイ素基含有ポリエーテルが得られる。
例えば、特許文献4に記載のヒドロシリル化方法では、アスコルビン酸を添加したのちに不飽和基含有ポリエーテルの末端の不飽和基に、公知の方法により反応性ケイ素基を導入して、反応性ケイ素基含有ポリエーテルが製造される。
このため、不純物を取り除く処理が施され、且つ、当該処理後にアスコルビン酸が添加された不飽和基含有ポリエーテルは、特許文献4に記載の方法等の方法において、ヒドロシリル化反応により反応性ケイ素基含有ポリエーテルを製造するための原料として好適に使用される。
また、アスコルビン酸金属塩の量が0.001重量ppm以上10重量ppm未満である不飽和基含有ポリエーテルは、A660が0.000以下である不飽和基含有ポリエーテルと、アスコルビン酸とが混合された不飽和基含有ポリエーテルであるのが好ましい。また、アスコルビン酸が混合される前の不飽和基含有ポリエーテルのA660と、アスコルビン酸と混合された後の不飽和基含有ポリエーテルのA660との差が0.001以上0.008未満であるのが好ましい。
イソアスコルビン酸は、L-アスコルビン酸の構造異性体である。
アスコルビン酸の添加量が過多であると、不飽和基含有ポリエーテルに濁りが生じる場合がある。アスコルビン酸の添加量が過少であると、不飽和基含有ポリエーテルを用いてヒドロシリル化反応を実施する際に、ヒドロシリル化反応への悪影響が生じる場合がある。
不純物を取り除く処理後に不飽和基含有ポリエーテルに残存する、金属アルコキシド、複合金属シアン化物錯体化合物触媒、硫酸ナトリウム等に由来するNaやZn等の金属成分が、不飽和基含有ポリエーテルに添加されるアスコルビン酸と結合してアスコルビン酸金属塩が生成する。
アスコルビン酸を添加した後に生じるアスコルビン酸金属塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム、およびバリウム等のアルカリ土類金属塩;並びにアルミニウム、亜鉛等の多価金属塩等の各種の金属塩、等が挙げられる。
アスコルビン酸を添加された精製された不飽和基含有ポリエーテルは、アスコルビン酸金属塩として、より好ましくは、アスコルビン酸ナトリウム、および/またはアスコルビン酸亜鉛を含む。
(一般式(1)中、R1およびR2は同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が二個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよく、R’は炭素数1から20の一価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく異なっていてもよく、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは同一であってもよく異なっていてもよく、aは0、1、2または3を、bは0、1、または2を示し、m個の-(SiR2 2-bXbO)-で表される基において、mが2以上の整数である場合、二個以上のbは同一であってもよく、異なっていてもよく、mは0から19の整数を示し、但し、aおよびbは、a+Σb≧1を満足する。)
(一般式(2)中、R1、Xは前記と同じ。cは1、2または3を示す。)
反応性ケイ素基含有ポリエーテル中のアスコルビン酸金属塩は、不純物を取り除く処理が施された後の不飽和基含有ポリエーテルとともにヒドロシリル化に供されたアスコルビン酸および/またはアスコルビン酸金属塩に由来するのが好ましい。
アスコルビン酸金属塩をかかる範囲内の量含有する、反応性ケイ素基含有ポリエーテルは、濁りが無く清澄である。
不飽和基含有ポリエーテルのpHはJIS K 1557-5(試験方法:pH(参考))に記載の方法で測定した。
pH計として、メトラー・トレド(株)製S220-Kitを使用した。
不飽和基含有ポリエーテルまたは反応性ケイ素基含有ポリエーテルを1Lナスフラスコに500g仕込み、上記ポリエーテルに含まれる揮発成分をエバポレーター(東京理化器機(株)製N-1210B型)を用いて除去した。エバポレーターによる揮発成分の除去は以下の条件で実施された。
温度:115℃
圧力:1kPa
時間:1時間
回転数:10000rpm
温度:25℃
時間:20分
不飽和基含有ポリエーテルまたは反応性ケイ素基含有ポリエーテルを200mLナスフラスコに50g仕込み、上記ポリエーテルに含まれる揮発成分をエバポレーター(東京理化器機(株)製N-1210B型)を用いて除去した。エバポレーターによる揮発成分の除去は以下の条件で実施された。
温度:115℃
圧力:1kPa
時間:1時間
数平均分子量300のポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの開環重合を行い、触媒および/またはその残渣である金属化合物を不純物として含む、数平均分子量約15000の水酸基末端ポリエーテルを得た。
合成例1で得られた水酸基末端ポリエーテルの水酸基に対して1.0倍当量のナトリウムメトキシドの30%メタノール溶液を添加した後、メタノールを留去した。次いで、水酸基に対して1.8倍当量のアリルクロライドを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。アリルクロライド添加の1時間後にメタノール0.5部を添加し、さらに3時間撹拌した。その後、アリルクロライドとメタノールを留去し、不飽和基含有ポリエーテル(a1)を得た。不飽和基含有ポリエーテル(a1)のpHを測定したところ、8.4であった。
合成例2で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)687gを撹拌槽に入れ90℃に加熱した。加熱された不飽和基含有ポリエーテル(a1)に、アスコルビン酸0.137g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し200ppm)とイオン交換水344gとを添加した後、5分間静置して有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。洗浄水のpHは、5.5であった。続いて、次はアスコルビン酸は添加せず、イオン交換水344gを有機層に添加した後、5分間静置して、有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。アスコルビン酸を含まない水による上記の洗浄操作を2回繰り返した後に、有機相である不飽和基含有ポリエーテル(a1)にアスコルビン酸0.0207g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し30ppm)を加え90℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した結果は0.001であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、2重量ppmであった。アスコルビン酸添加前の不飽和基含有ポリエーテルを脱揮してA660を測定したところ、-0.002であった。結果を表1に示す。
合成例2で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)687gを撹拌槽に入れ90℃に加熱した。加熱された不飽和基含有ポリエーテル(a1)に、アスコルビン酸0.131g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し190ppm)とイオン交換水344gとを添加した後、5分間静置して有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。洗浄水のpHは、5.8であった。続いて、次はアスコルビン酸は添加せず、イオン交換水344gを有機相に添加した後、5分間静置して、有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。アスコルビン酸を含まない水による上記の洗浄操作を2回繰り返した後に、有機相である不飽和基含有ポリエーテル(a1)にアスコルビン酸0.0207g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し30ppm)を加え90℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した結果は0.003であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、5重量ppmであった。アスコルビン酸添加前の不飽和基含有ポリエーテルを脱揮してA660を測定したところ、0.000であった。結果を表1に示す。
合成例2で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)687gを撹拌槽に入れ90℃に加熱した。加熱された不飽和基含有ポリエーテル(a1)に、アスコルビン酸0.124g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し180ppm)とイオン交換水344gとを添加した後、5分間静置して有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。洗浄水のpHは、6.1であった。続いて、次はアスコルビン酸は添加せず、イオン交換水344gを有機相に添加した後、5分間静置して、有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。アスコルビン酸を含まない水による上記の洗浄操作を2回繰り返した後に、有機相である不飽和基含有ポリエーテル(a1)にアスコルビン酸0.0207g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し30ppm)を加え90℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した結果は0.006であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、8重量ppmであった。アスコルビン酸添加前の不飽和基含有ポリエーテルを脱揮してA660を測定したところ、0.000であった。結果を表1に示す。
合成例2で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)687gを撹拌槽に入れ90℃に加熱した。加熱された不飽和基含有ポリエーテル(a1)に、アスコルビン酸0.117g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し170ppm)とイオン交換水344gとを添加した後、5分間静置して有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。洗浄水のpHは、6.3であった。続いて、次はアスコルビン酸は添加せず、イオン交換水344gを有機相に添加した後、5分間静置して、有機相と水相とに分離させた。混合液を回転数700rpmで1時間、続けて回転数50rpmで15分間撹拌した後、25分間静置することにより、有機相と水相とに分離させ、水相を除去した。アスコルビン酸を含まない水による上記の洗浄操作を2回繰り返した後に、有機相である不飽和基含有ポリエーテル(a1)にアスコルビン酸0.0207g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し30ppm)を加え90℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した結果は0.011であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、15重量ppmであった。アスコルビン酸添加前の不飽和基含有ポリエーテルを脱揮してA660を測定したところ、0.000であった。結果を表1に示す。
実施例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)50gと、ヘキサン1gとを容量200mLの四つ口フラスコに加え、90℃で減圧脱揮を行った後、1時間撹拌した。その後、フラスコ内をN2で置換した。次いで、白金-ビニルシロキサン錯体(Pt1wt%/イソプロパノール(以下、IPA))23μLをフラスコ内に加えた後、撹拌した。その後、ジメトキシメチルシラン1.2gをゆっくりフラスコ内に滴下した。滴下後、混合溶液を90℃で1時間反応させ、反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得た。NMRにより得られたポリエーテルの残アリル基率を測定した結果、未反応のアリル基率は1%であった。濁度(A660)を測定した結果は0.006であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、8重量ppmであった。
比較例1で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)50gと、ヘキサン1gとを容量200mLの四つ口フラスコに加え、90℃で減圧脱揮を行った後、1時間撹拌した。その後、フラスコ内をN2で置換した。次いで、白金-ビニルシロキサン錯体(Pt1wt%/イソプロパノール(以下、IPA))23μLをフラスコ内に加えた後、撹拌した。その後、ジメトキシメチルシラン1.2gをゆっくりフラスコ内に滴下した。滴下後、混合溶液を90℃で1時間反応させ、反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得た。NMRにより得られたポリエーテルの残アリル基率を測定した結果、未反応のアリル基率は1%であった。濁度(A660)を測定した結果は0.012であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、15重量ppmであった。結果を表2に示す。
Claims (13)
- ポリエーテルの末端水酸基を金属アルコキシドと反応させてアルコキシド化することと、
アルコキシド化された前記ポリエーテルの末端に、炭素-炭素不飽和基を有する不飽和基含有ハロゲン化物を反応させて、前記ポリエーテルの末端に炭素-炭素不飽和基を導入して粗製の不飽和基含有ポリエーテルを得ることと、
粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く処理を少なくとも1つ行うことと、
前記不純物を取り除く前記処理が施された後の前記不飽和基含有ポリエーテルに、アスコルビン酸を添加することとを含む、精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法であって、
得られた精製された前記不飽和基含有ポリエーテル中のアスコルビン酸金属塩量が0.001重量ppm以上10重量ppm未満である精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。 - 前記アスコルビン酸金属塩が、アスコルビン酸ナトリウムおよび/またはアスコルビン酸亜鉛を含む、請求項1に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 前記アスコルビン酸金属塩が、ナトリウムメトキシドに由来する金属塩、硫酸ナトリウムに由来する金属塩、塩化ナトリウムに由来する金属塩、および複合金属シアン化物錯体化合物触媒に由来する金属塩からなる群より選ばれる1種以上の金属塩を含む、請求項1または2に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 前記アスコルビン酸金属塩が、不純物を取り除く前記処理が施された後の前記不飽和基含有ポリエーテルに添加された前記アスコルビン酸に由来する、請求項1~3のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く前記処理を、2回以上繰り返す、請求項1~4のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルから不純物を取り除く前記処理が、粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルと水とを1回以上混合する処理である、請求項1~5のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する前記処理を2回以上繰り返す、請求項6に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の処理のうちの少なくとも1回において、前記水として酸性水が使用される、請求項6または7に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 前記酸性水が、酸性成分として、アスコルビン酸、クエン酸、および硫酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項8に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 粗製の前記不飽和基含有ポリエーテルと水とを混合する1回以上の前記処理において、いずれの回の処理後の洗浄水においても、pHが4.5~8である、請求項6~9のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 不純物を取り除く前記処理が施された後に、A660が0.000以下である前記不飽和基含有ポリエーテルに対して前記アスコルビン酸を添加する、請求項1~10のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 前記不飽和基含有ポリエーテルが有機溶剤を含まない、請求項1~11のいずれか1項に記載の精製された不飽和基含有ポリエーテルの製造方法。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の製造方法により得られた、精製された不飽和基含有ポリエーテルを、アスコルビン酸および/またはアスコルビン酸金属塩の存在下に、下記一般式(1)で示されるシラン化合物によりヒドロシリル化して反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得ることとを含む、反応性ケイ素基含有ポリエーテルの製造方法。
H-(SiR2 2-bXbO)m-Si(R1)3-aXa (1)
(一般式(1)中、R1およびR2は同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が二個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよく、R’は炭素数1から20の一価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよく、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよく、aは0、1、2または3を示し、bは0、1、または2を示し、またm個の-(SiR2 2-bXbO)-で表される基において、mが2以上の整数である場合、二個以上のbは同一であってもよく、異なっていてもよく、mは0から19の整数を示し、但し、aおよびbは、a+Σb≧1を満足する。)
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