JPH08176292A - ポリエーテルの精製方法 - Google Patents

ポリエーテルの精製方法

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JPH08176292A
JPH08176292A JP24492295A JP24492295A JPH08176292A JP H08176292 A JPH08176292 A JP H08176292A JP 24492295 A JP24492295 A JP 24492295A JP 24492295 A JP24492295 A JP 24492295A JP H08176292 A JPH08176292 A JP H08176292A
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salt
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catalyst
water
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JP24492295A
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Toru Ueno
徹 上野
Kazunori Chiba
和典 千葉
Shinya Saiki
真也 斉木
Shinobu Okazaki
忍 岡崎
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子量ポリエーテル類を精製する。 【解決手段】アルカリ金属ハロゲン化物を含有するポリ
エーテル(A)に、水(B)、酸性ピロリン酸塩
(C)、およびノニオン界面活性剤を添加した後、水分
を除去し、ついでポリエーテル(A)に不溶の金属塩を
ポリエーテル(A)から除去することからなるポリエー
テルの精製方法において、酸性ピロリン酸塩(C)を添
加する前のポリエーテル(A)のpHを2〜12に調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩を含有するポリ
エーテルから該塩を除去する精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量のポリエーテル(たとえば、水
酸基含有ポリエーテルまたはその変成物)は、その分子
量が高くなるほど粘度が高くなる。高分子量のポリエー
テルを精製してそれに含まれる不純物を除去する場合、
ポリエーテルが高粘度となるほど精製処理が困難とな
る。また、不純物が少量でかつそれを充分に除去する必
要がある場合、ポリエーテルが高粘度であることは処理
をますます困難にする。
【0003】水酸基含有ポリエーテルを変成する方法と
しては、OH基をOM基(M:アルカリ金属)とした
後、有機ハロゲン化物を反応させる方法がある。具体的
には、たとえば、有機ハロゲン化物として塩化アリルを
反応させて末端をアリル基に変成する方法、塩化メチレ
ン等のポリハロゲン化炭化水素と反応させてポリエーテ
ルを多量化する方法などがある。
【0004】その際に副生するアルカリ金属ハロゲン化
物は後に充分に除去する必要があるが、変成物が高粘度
であると、この副生物の除去はきわめて困難となる。
【0005】以下、例として、アルケニル基等の不飽和
基を末端に有する不飽和基含有ポリエーテルの製造の場
合について具体的に説明する。
【0006】不飽和基含有ポリエーテルは、その不飽和
基を利用してさらに付加反応等の化学修飾により種々の
官能基を導入できるので、官能基含有ポリエーテルの有
用な中間体となっており、その合成法および精製法がこ
れまでに検討されている(特開平5−97996号公
報、特開平3−72527号公報)。
【0007】たとえば水酸基含有ポリエーテルをアルカ
リ触媒存在下に、塩化アリルや塩化メタリルのような塩
化アルケニルと反応させて末端アルケニル基とする方法
はよく知られた方法である。
【0008】この方法において、反応時にたとえばアル
カリ金属水酸化物や金属ナトリウムなどのアルカリ触媒
を使用した場合、塩化ナトリウムのような無機塩が副生
する。このような副生無機塩および過剰のアルカリ触媒
を使用した場合には残存するアルカリ触媒の除去が必要
となる。この除去は、一般には、適当な吸着剤で処理し
濾過する方法、各種酸で中和した後に生成する塩を濾過
する方法、および抽出する方法(抽出法)などが知られ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ポリエーテルが高分子
量である場合、高粘度であるために濾過が困難である。
さらに、ポリエーテルが高分子量である場合、中和によ
り生成する塩が微分散してしまい容易に濾過できない。
また、抽出法にしても複合金属シアン化物錯体化合物触
媒を用いて製造した高分子量のポリエーテルにあっては
単純な水洗方法ではポリマー層と水層が全く分離できな
い状態のクリーム状の混合物になってしまい、たとえ溶
剤を使用した場合でもエマルジョン状となり容易に分液
できない。
【0010】非水溶性の有機溶媒で希釈し、水層のpH
のコントロールと界面活性剤の併用により分液する方法
も提案されたが、実質的には親水性の高いポリエーテル
では使用しにくいなど制約が大きい。
【0011】したがって、不飽和基含有ポリエーテルに
限らず、上記のような性質を有する高分子量のポリエー
テルについての汎用性の高い精製方法を確立することが
望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされた下記の発明である。第1の塩を含有
するポリエーテル(A)に、水(B)、および、第1の
塩を構成するイオンと反応してポリエーテル(A)に本
質的に不溶な第2の塩を形成しうる化合物(C)、を添
加した後、水分を除去し、次いで第2の塩をポリエーテ
ル(A)から除去することからなるポリエーテルの精製
方法において、化合物(C)を添加する前のポリエーテ
ル(A)のpHを2〜12に調整することを特徴とする
ポリエーテルの精製方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
(ポリエーテル(A))本発明におけるポリエーテル
(A)は、触媒の存在下イニシエータにモノエポキシド
を反応させて得られる水酸基含有ポリエーテルまたはそ
の変成物であることが好ましい。
【0014】(水酸基含有ポリエーテル)水酸基含有ポ
リエーテルは、イニシエータに触媒の存在下モノエポキ
シドを反応させて得られるものが好ましい。
【0015】水酸基含有ポリエーテルの水酸基数は1以
上であり、1〜6が適当で、1〜4が好ましく、2〜4
が特に好ましい。
【0016】イニシエータは上記水酸基数に対応する活
性水素原子(水酸基やアミノ基の水素原子)数を有する
化合物であり、たとえば1価以上のアルコール類やフェ
ノール類がある。
【0017】イニシエータとしては、特に1〜6価のア
ルコールやそのアルキレンオキシド付加物(目的物に比
較して低分子量のポリオキシアルキレンポリオール)が
好ましいが、これらに限定されず、たとえば1〜6価の
カルボン酸、アミン、チオールなども使用できる。不飽
和基含有ポリエーテルを製造する場合、アルケニルアル
コール(たとえば、アリルアルコール、メタリルアルコ
ール)などの不飽和基を有する1価イニシエータが好ま
しい。2価以上のイニシエータとしては、たとえば、以
下の化合物がある。
【0018】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
その他のポリオキシプロピレングリコール、ブタンジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、ビスフェノールAおよび
これらのアルキレンオキシド付加物。
【0019】モノエポキシドとしては、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレ
ンオキシド、スチレンオキシドなどのアルキレンオキシ
ドがある。オキセタン、テトラヒドロフラン等も使用で
きる。炭素数2〜6のアルキレンオキシドが好ましく、
プロピレンオキシド単独、プロピレンオキシドと少量の
他の炭素数3以上のアルキレンオキシドの併用、あるい
はプロピレンオキシドとエチレンオキシドの併用が特に
好ましい。
【0020】水酸基含有ポリエーテルの水酸基価換算分
子量は、1000以上が適当である。3000〜500
00が好ましく、5000〜30000が特に好まし
く、8000〜30000がさらに好ましい。ここで、
水酸基価換算分子量は水酸基含有ポリエーテルを製造す
るときに使用したイニシエータの活性水素数と水酸基含
有ポリエーテルの水酸基当りの分子量の積で計算した分
子量のことをさす。
【0021】触媒としては、複合金属シアン化物錯体化
合物触媒、ポルフィリン金属錯体化合物触媒およびアル
カリ触媒などが挙げられる。
【0022】水酸基含有ポリエーテルの製造において使
用される触媒として、ナトリウム系触媒やカリウム系触
媒等の触媒アルカリ触媒はよく知られている。アルカリ
触媒は通常アルカリ金属やアルカリ金属化合物からな
り、事実上水酸基OHをOM(Mはアルカリ金属)と
し、触媒作用を発揮していると考えられている。しか
し、アルカリ触媒としてナトリウム系触媒やカリウム系
触媒を使用した場合は、副反応のため得られる水酸基含
有ポリエーテルの分子量の上限は限られ、たとえばジオ
ールの場合たかだか4000程度である。
【0023】より高分子量のものを製造するためには、
アルカリ触媒のうちでも、セシウム系触媒を使用する
か、複合金属シアン化物錯体化合物触媒あるいはポルフ
ィリン金属錯体化合物触媒などの錯体触媒の使用が好ま
しく、複合金属シアン化物錯体化合物触媒が特に好まし
い。
【0024】複合金属シアン化物錯体化合物としては、
亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体化合
物が好ましく、そのエーテルおよび/またはアルコール
錯体化合物が特に好ましい。その組成は本質的に特公昭
46−27250号公報に記載されているものが使用で
きる。エーテルとしてはエチレングリコールジメチルエ
ーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体化合物の製造
時の取扱いの容易さからグライムが特に好ましい。アル
コールとしてはt−ブタノールが好ましい。
【0025】本発明はイニシエータに触媒の存在下モノ
エポキシドを反応させて得られる、触媒に起因する塩を
含む水酸基含有ポリエーテルを精製する方法として好ま
しい。
【0026】(水酸基含有ポリエーテルの変成物)本発
明の方法は、水酸基含有ポリエーテルの変成物を精製す
る方法としても好ましい。すなわち、水酸基含有ポリエ
ーテルを変成後、本発明の方法を用いて精製できる。こ
の場合、水酸基含有ポリエーテルを製造する際に使用し
た触媒に起因する塩や水酸基含有ポリエーテルを変成す
る際に使用した触媒やその他の化合物に起因する塩を除
去できる。
【0027】水酸基含有ポリエーテルの変成物には、末
端変成物や多量化物がある。末端変成物としては、水酸
基含有ポリエーテルをアルカリ金属アルコキシドとした
後、ハロゲン化炭化水素を反応させて得られるポリエー
テル等がある。多量化物としては、水酸基含有ポリエー
テルをアルカリ金属アルコキシドとした後、ポリハロゲ
ン化炭化水素を反応させて得られる多量化ポリエーテル
などがある。
【0028】ここで、「水酸基含有ポリエーテルをアル
カリ金属アルコキシドとする」とは「水酸基含有ポリエ
ーテルの水酸基OHをOM(Mはアルカリ金属)とす
る」ことをさす(以下、同様)。
【0029】末端変成物のひとつである不飽和基含有ポ
リエーテルは水酸基含有ポリエーテルをアルカリ金属ア
ルコキシドとし、次いで不飽和基含有ハロゲン化炭化水
素を反応させて得られる。
【0030】すなわち、水酸基含有ポリエーテルをアル
カリ金属、アルカリ金属水素化物、金属アルコキシド、
またはアルカリ金属水酸化物と反応させ、OHをOM
(Mはアルカリ金属)とした後、不飽和基含有ハロゲン
化炭化水素と反応させることにより、不飽和基含有ポリ
エーテルが得られる。または、アルカリ触媒の存在下に
水酸基含有ポリエーテルを不飽和基含有ハロゲン化炭化
水素と反応させる方法により、不飽和基含有ポリエーテ
ルが得られる。
【0031】上記の方法により、アルカリ金属ハロゲン
化物、すなわち金属塩、を含有する不飽和基含有ポリエ
ーテルが得られる。本発明は該金属塩を除去するのに好
ましい精製方法である。
【0032】アルカリ金属としては、ナトリウム、カリ
ウム、セシウムが、アルカリ金属水素化物としては水素
化ナトリウムが、金属アルコキシドとしてはNaOR、
LiOR(Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチルのようなアルキル基を示す)が、アルカリ金
属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどが挙げられ
る。
【0033】不飽和基含有ハロゲン化炭化水素として
は、炭素数4以下のポリハロゲン化不飽和炭化水素、ま
たは炭素数10以下のモノハロゲン化不飽和炭化水素が
適当である。
【0034】ハロゲンとしては、塩素または臭素が適当
である。特に、炭素数1〜2のジクロロ不飽和炭化水
素、または炭素数6以下のモノクロロ不飽和炭化水素が
好ましい。前記のように、もっとも好ましくはハロゲン
化アルケニル、特に塩化アルケニルまたは臭化アルケニ
ルが好ましい。ハロゲン化アルケニルとしては特に塩化
アリル、塩化メタリルまたは臭化アリルが好ましい。そ
の他にはクロロメチルスチレンが挙げられる。
【0035】不飽和基含有ハロゲン化炭化水素の使用量
を変えることにより、水酸基含有ポリエーテルの水酸基
に対する不飽和基への変換率を任意に変えうる。水酸基
含有ポリエーテルの水酸基に対し任意の当量を使用でき
るが、すべての水酸基を不飽和基に変換する場合は一般
には水酸基に対して過剰当量使用される。その当量の上
限は1.3倍当量程度が適当である。
【0036】得られる不飽和基含有ポリエーテルにおけ
る1分子当りの不飽和基の数は、1.6〜6、特に1.
8〜3が好ましい。なお、得られる不飽和基含有ポリエ
ーテルは不飽和基に変換されていない水酸基を有してい
てもよい。
【0037】また、ポリエーテルモノオールの製造にお
いて、アリルアルコール、メタリルアルコールのような
不飽和基を有する1価のイニシエータを使用してポリエ
ーテルモノオールを製造し、その水酸基を上記の方法に
より不飽和基化して、不飽和基の数が1を超える高分子
量のポリエーテルも製造できる。
【0038】また、水酸基含有ポリエーテルをアルカリ
金属アルコキシドとし、次いで塩化メチレンのようなポ
リハロゲン化炭化水素を反応させることにより、ポリエ
ーテルを多量化できる。この方法によっても、アルカリ
金属ハロゲン化物、すなわち金属塩、を含有するポリエ
ーテルが得られる。本発明は該金属塩を除去するのに好
ましい精製方法である。
【0039】上記アルカリ金属ハロゲン化物の量は、通
常、生成するポリエーテルが高分子量であるほど少量と
なる。通常その量は、生成する高分子量のポリエーテル
に対して5重量%以下であり、多くの場合2重量%以下
である。下限は精製の必要性に応じて変わりうるもので
あるが、通常の場合、0.1重量%程度である。
【0040】なお、変成に用いる水酸基含有ポリエーテ
ルは、上記した触媒を使用して製造されうるが、該触媒
により製造後、未精製のまま変成したポリオールであっ
てもよく、触媒により製造後、精製した後変成したポリ
エーテルであってもよい。未精製のポリエーテルである
方が好ましい。
【0041】未精製のポリエーテルを用いた場合、水酸
基含有ポリエーテルを製造するのに用いた触媒に起因す
る塩およびアルカリ金属ハロゲン化物を含むこととな
る。
【0042】本発明は特に、触媒の存在下イニシエータ
にモノエポキシドを反応させて水酸基含有ポリエーテル
を得た後、該水酸基含有ポリエーテルをアルカリ金属ア
ルコキシドとし、次いで不飽和基含有ハロゲン化炭化水
素を反応させて得られる不飽和基含有ポリエーテルを精
製する方法として好ましい。
【0043】(精製方法)本発明では、第1の塩を含有
するポリエーテル(A)に、水(B)、および、第1の
塩を構成するイオンと反応してポリエーテル(A)に本
質的に不溶な第2の塩を形成しうる化合物(C)、を添
加した後、水分を除去し、次いで第2の塩をポリエーテ
ル(A)から除去する方法において、化合物(C)を添
加する前のポリエーテル(A)のpHを2〜12に調整
する。
【0044】(化合物(C))化合物(C)としては、
酸性ピロリン酸塩が好ましい。酸性ピロリン酸塩のう
ち、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na222
7 )が特に好ましい。
【0045】(水(B))本発明では水(B)を使用す
る。水(B)の使用は、精製しようとするポリエーテル
(A)中に含まれる第1の塩の含有量やポリエーテル
(A)の極性によって第1の塩が部分的に析出するおそ
れがある場合に特に有効である。
【0046】水(B)の添加量はポリエーテル(A)に
含まれる第1の塩の量に依存するが、一般的にはポリエ
ーテル(A)の0.05〜50重量%程度、好ましくは
1〜10重量%である。0.05重量%より少ないと、
脱水後に析出する第2の塩が充分大きくならないため、
第2の塩の除去がしにくい。50重量%より多いと、脱
水工程に必要な時間と熱量が多く経済的ではない。な
お、水(B)によってポリエーテル(A)中の第1の塩
を完全に溶解する必要はなく、第1の塩を溶解する量よ
り少ない量の水でも充分である。過剰に水を添加しても
よい。
【0047】水(B)の添加は化合物(C)の添加の前
後いずれでもよい。化合物(C)の添加の後に添加する
ことが特に好ましい。
【0048】本発明においては水(B)および化合物
(C)を添加した後に、撹拌を1〜24時間行うことが
好ましい。10時間行うことが精製度向上および後の濾
過等による第2の塩の除去を容易にするために特に有効
である。
【0049】(pHの調整)本発明においては、化合物
(C)を添加する前のポリエーテル(A)のpHを2〜
12に調整する。pHが2未満であると水酸基含有ポリ
エーテルの製造に用いた触媒に起因する塩が残ることが
ある。例えば複合金属シアン化物錯体触媒を用いた場
合、亜鉛塩等が残ることがあるので好ましくない。pH
が12を超えると、第2の塩の除去が困難になるので好
ましくない。精製度向上の観点から、好ましくはpHを
5〜11.5、特にpH=8〜10に調整することが好
ましい。
【0050】pH調整方法としては、酸の添加によるこ
とが好ましい。pH調整には、無機酸、有機酸のいずれ
も使用でき、特に無機酸が副生する塩を容易に除去する
点で好ましい。使用できる無機酸としては、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸等が例示できるが
これらに限定されない。なお、未精製ポリエーテル
(A)がpH=2〜12の場合においては必ずしも調整
しなくてもよい。
【0051】(界面活性剤の添加)本発明においては、
水(B)、および、化合物(C)とともに界面活性剤
(D)を添加することもできる。界面活性剤としてはノ
ニオン系界面活性剤が好ましい。精製しようとするポリ
エーテル(A)がポリオキシエチレン鎖を含まない場合
にはノニオン系界面活性剤を使用することが望ましい。
【0052】ノニオン系界面活性剤としては一般に知ら
れているものが使用できる。ノニオン系界面活性剤とし
ては分子内にオキシエチレン鎖を5重量%以上有する化
合物が好ましいが、その他の界面活性剤も使用できる。
ノニオン系界面活性剤の添加量はポリエーテル(A)に
対して0.01〜10重量%である。
【0053】ポリエーテル(A)がオキシエチレン鎖を
含まない場合、ノニオン系界面活性剤の量が0.01重
量%より少ないと、後で析出した第2の塩を除去して
も、ポリエーテル(A)中に第2の塩が残ることがあっ
たり、また、第2の塩が微分散した状態となり、ポリエ
ーテル(A)から第2の塩を除去することが非常に困難
となる。ノニオン系界面活性剤の量が10重量%より多
いと、精製後のポリエーテル(A)に多量のノニオン系
界面活性剤が残ることとなり、好ましくない。
【0054】精製しようとするポリエーテル(A)自体
がポリオキシエチレン鎖を0.01重量%以上含むポリ
エーテルである場合は、このような界面活性効果をポリ
エーテル自身がもっているためにノニオン系界面活性剤
の添加は必須ではないが、ノニオン系界面活性剤を添加
しても精製は可能である。該ノニオン系界面活性剤を使
用しないか、または、より少量のノニオン系界面活性剤
を使用することにより、好ましい結果が得られることが
ある。
【0055】本発明で使用できるノニオン系界面活性剤
としては、具体的には以下のものが挙げられるが、これ
らに限定されない。ポリオキシエチレン脂肪族アルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂
肪族アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪族カルボ
ン酸エステル、ソルビタンモノまたはポリ脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪族カルボン
酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックコポリマー、オキシエチレンまたはポリオキシエチ
レン脂肪族アミン、脂肪酸ジアルカノールアミド、グリ
セリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエ
リスリトール脂肪酸エステルなど。
【0056】(第2の塩の除去方法)第2の塩の除去方
法としては、一般的に知られる方法が使用できる。その
ような方法として、具体的には、濾過法、遠心分離法、
静置沈降法などが挙げられる。濾過方法が特に好まし
い。
【0057】濾過による塩の除去において、ポリエーテ
ル(A)の分子量が大きく、したがって粘度が大きい場
合に、第2の塩の除去が容易でない場合には、ポリエー
テル(A)を有機溶媒により希釈する方法や加熱する方
法が好ましい。
【0058】有機溶媒により希釈する方法において、使
用できる有機溶媒としては、第2の塩を溶解しないこと
が必須であるが、その他には特に制限はない。具体的に
は以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪
族炭化水素系溶媒。シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素系溶媒。ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒。ジクロロメ
タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど
のハロゲン化炭化水素系溶媒。クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤。
【0060】加熱する方法とは、第2の塩を含むポリエ
ーテル(A)の液温を50〜140℃に加熱することに
よりポリエーテル(A)の液粘度を低下させる方法であ
る。液温は80〜140℃が特に好ましい。
【0061】(吸着剤の使用)本発明では、精製するポ
リエーテル(A)に含まれる第1の塩を本質的にポリエ
ーテル(A)に溶解しない第2の塩にしたのちに除去す
ることによって純度の高いポリエーテルとするが、精製
工程で極微量のイオン、酸、塩基等の残存があることを
防止するために、一般によく知られている吸着剤を使用
できる。
【0062】そのような吸着剤としては、活性白土、マ
グネシウムシリケート、アルミノシリケート、酸化マグ
ネシウムアルミニウム、ヒドロタルサイト等の固体イオ
ン交換体としても知られる天然または合成の吸着剤やイ
オン交換樹脂等が例示できるが、これらに限定されな
い。これらの固体吸着剤の除去はポリエーテル(A)か
ら第2の塩を除去する方法と同様の方法が使用できる。
【0063】上記の吸着剤は、第2の塩を取り除いた後
のポリエーテル(A)に対して添加してもよく、第2の
塩を含んでいるポリエーテル(A)に添加してもよい。
後者の場合、第2の塩と吸着剤の両方を一度の操作で同
時に除去できるのでより好ましい。その場合吸着剤を添
加するのは脱水を開始する前、ある程度脱水が進行した
時点または脱水が終了した時点のいずれでもよい。好ま
しくはある程度脱水が進行した時点から脱水が終了する
直前までのいずれかの時点である。
【0064】
【実施例】
[未精製ポリエーテルAの製造]グリセリンを開始剤と
して亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒存在下プロ
ピレンオキシドを重合して分子量30000のポリオキ
シプロピレントリオールを得た後、そのOH基に対して
1倍当量のNaOHと窒素雰囲気下60℃で反応させて
OH基をONa基とした。次に、塩化アリルを1.05
倍当量加え、60℃で反応させた後、未反応の塩化アリ
ルを減圧下で留去して、NaClを含む末端アリル化ポ
リエーテル(以下、未精製ポリエーテルAという)を製
造した。
【0065】[未精製ポリエーテルBの製造]エチレン
グリコールを開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテー
ト錯体触媒存在下プロピレンオキシドを重合して分子量
15000とした後、さらにエチレンオキシドを重合し
て分子量18000のポリオキシアルキレンジオールを
得た。次に窒素雰囲気下、粉末NaOHをそのポリオキ
シアルキレンジオールのOH基に対して1.5倍当量を
加え、さらに塩化メタリル1.05倍当量を加え、60
℃で反応させた後、未反応の塩化メタリルを減圧下で留
去して、NaClとNaOHを含む末端アルケニル化ポ
リエーテル(以下、未精製ポリエーテルBという)を製
造した。
【0066】[未精製ポリエーテルCの製造]ブタノー
ルを開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触
媒存在下プロピレンオキシドを重合して分子量4000
のポリオキシプロピレンモノオールを得た後、窒素雰囲
気下、OH基に対して、金属Naを1. 0倍当量加え、
120℃で3時間反応させた。さらに塩化アリルを1.
1倍当量加え、60℃で反応させた後、未反応の塩化ア
リルを減圧下で留去して、NaClを含む末端アリル化
ポリエーテル化合物(以下、未精製ポリエーテルCとい
う)を製造した。
【0067】[例1]未精製ポリエーテルA(pH=1
2.7)を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、
pH=9.5となるように塩酸を添加し、ついでポリオ
キシエチレンプロピレンブロック共重合体(分子量10
000、オキシエチレン鎖12重量%含有)1gと未精
製ポリエーテルAに含まれるアルカリ化合物に対し1.
8倍当量のピロリン酸二水素二ナトリウム0. 12gを
加え、水3gを添加して80℃で2時間撹拌した。
【0068】混合物を80℃に維持し、窒素ガスを通し
て水を除去した。合成吸着剤(KW−500SN、協和
化学工業製)0. 24gを加え、100℃で1時間撹拌
した。ヘキサン100gを加え、常温で30分間撹拌し
た。その後、セライトをプレコートした濾紙を使用して
濾過した。濾液から減圧下で溶媒を留去し、無色透明の
油状物を得た。
【0069】[例2]未精製ポリエーテルB(pH=1
2.5)を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、
pH=8.5となるよう塩酸を添加し、ついで例1と同
様のポリオキシエチレンプロピレンブロック共重合体1
gと未精製ポリエーテルBに含まれるアルカリ化合物に
対し2.4倍当量のピロリン酸二水素二ナトリウム0.
16gを加え、水3gを添加して80℃で2時間撹拌し
た。以下、例1と同様に脱水操作および濾過操作を行い
無色透明の油状物を得た。
【0070】[例3]未精製ポリエーテルC(pH=1
2.3)を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、
pH=9.0となるよう硫酸を添加し、ついで例1と同
様のポリオキシエチレンプロピレンブロック共重合体1
gと未精製ポリエーテルCに含まれるアルカリ化合物に
対し1. 8倍当量のピロリン酸二水素二ナトリウム0.
12gを加え、水3gを添加し80℃で2時間撹拌し
た。以下、例1と同様に脱水操作および濾過操作を行
い、無色透明の油状物を得た。
【0071】[例4]未精製ポリエーテルB(pH=1
2.5)を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、
pH=8.3となるよう塩酸を添加し、ついで例1と同
様のポリオキシエチレンプロピレンブロック共重合体1
gと未精製ポリエーテルBに含まれるアルカリ化合物に
対し2.4倍当量のピロリン酸二水素二ナトリウム0.
16gを加え、水3gを添加して80℃で8時間撹拌し
た。以下、例1と同様に脱水操作および濾過操作を行い
無色透明の油状物を得た。
【0072】[例5]未精製ポリエーテルB(pH=1
2.5)を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、
pH=8.4となるよう塩酸を添加し、ついで例1と同
様のポリオキシエチレンプロピレンブロック共重合体1
gと未精製ポリエーテルBに含まれるアルカリ化合物に
対し2.4倍当量のピロリン酸二水素二ナトリウム0.
16gを加え、水3gを添加して80℃で8時間撹拌し
た。
【0073】混合物を80℃に維持し、窒素ガスを通し
て水を除去した。合成吸着剤(KW−500SN、協和
化学工業製)0. 24gを加え、100℃で1時間撹拌
した後、濾紙を使用して濾過し、無色透明の油状物を得
た。
【0074】[例6(比較例)]未精製ポリエーテルA
(pH=12.7)を100g撹拌機付きガラス製反応
器に入れ、例1同様のポリオキシエチレンプロピレンブ
ロック共重合体1gと未精製ポリエーテルAに含まれる
アルカリ化合物に対し1. 8倍当量のピロリン酸二水素
二ナトリウム0. 12gを加え、水3gを添加し80℃
で2時間撹拌した。
【0075】混合物を80℃に維持し、窒素ガスを通し
て水を除去した。例1と同様の合成吸着剤0. 24gを
加え、100℃で1時間撹拌した。ヘキサン100gを
加え、常温で30分間撹拌した後、セライトをプレコー
トした濾紙を使用して濾過したが濾過性は例1に比較し
て著しく悪く全量を濾過することができなかった。濾過
できた溶液については、減圧下で溶媒を留去して、淡黄
色白濁油状物を得た。
【0076】以上の例1〜6で得られた油状物を分析し
た結果を表1にまとめた。なお、表1における(1)p
H値、(2)Cl- イオン、(3)Cl- 除去率および
(4)濾過速度は、次の通りである。
【0077】(1)ポリエーテル10gをpH=7に調
整したイソプロパノール−イオン交換水(容積比60/
40の混合溶媒)60cm3 に溶解したときのpH値。 (2)クロム酸カリウムを指示薬として硝酸銀水溶液で
滴定して求めた、ポリエーテル1gあたりの塩素イオン
量(mmol/g)。
【0078】(3)初期混合物に含まれる塩素イオンが
精製後何%除去できたかを示す。 (4)精製後、金属塩の濾過を行う際の500(kg/
2 )処理時の濾過速度(kg/m2・hr)を示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】実施例で示すように、本発明によって塩
素イオンの少ない(すなわちアルカリ金属ハロゲン化物
が少ない)ポリエーテルが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 忍 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の塩を含有するポリエーテル(A)
    に、水(B)、および、第1の塩を構成するイオンと反
    応してポリエーテル(A)に本質的に不溶な第2の塩を
    形成しうる化合物(C)、を添加した後、水分を除去
    し、次いで第2の塩をポリエーテル(A)から除去する
    ことからなるポリエーテルの精製方法において、化合物
    (C)を添加する前のポリエーテル(A)のpHを2〜
    12に調整することを特徴とするポリエーテルの精製方
    法。
  2. 【請求項2】水(B)および化合物(C)を添加した
    後、1〜24時間撹拌を行う、請求項1の精製方法。
  3. 【請求項3】濾過により第2の塩をポリエーテル(A)
    から除去する、請求項1の精製方法。
  4. 【請求項4】濾過により第2の塩をポリエーテル(A)
    から除去する際に、ポリエーテル(A)を有機溶媒によ
    り希釈する、請求項3の精製方法。
  5. 【請求項5】濾過により第2の塩をポリエーテル(A)
    から除去する際に、ポリエーテル(A)の温度を50〜
    140℃に加熱する、請求項3の精製方法。
  6. 【請求項6】水(B)、および、化合物(C)とともに
    界面活性剤(D)を添加する、請求項1〜5のいずれか
    の精製方法。
  7. 【請求項7】ポリエーテル(A)が、触媒の存在下イニ
    シエータにモノエポキシドを反応させて得られる水酸基
    含有ポリエーテルまたはその変成物である、請求項1の
    精製方法。
  8. 【請求項8】ポリエーテル(A)が、触媒の存在下イニ
    シエータにモノエポキシドを反応させて水酸基含有ポリ
    エーテルを得た後、該水酸基含有ポリエーテルをアルカ
    リ金属アルコキシドとし、次いで不飽和基含有ハロゲン
    化炭化水素を反応させて得られる不飽和基含有ポリエー
    テルである、請求項1の精製方法。
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