JP7061498B2 - ポリエーテルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエーテルの製造方法、および濁度の低減方法に関する。
反応性ケイ素基含有ポリエーテルは、室温においても湿分などによる反応性ケイ素基の加水分解反応などを伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
反応性ケイ素基含有ポリエーテルは、すでに工業的に生産され、シーリング材、接着剤、塗料などの用途に広く使用されている。
このような反応性ケイ素基含有ポリエーテルを製造する方法の一例として、KOHなどのアルカリ金属または複合金属シアン化物錯体を触媒としてアルキレンオキシドの開環重合を行い、末端に水酸基を有するポリエーテル重合体を製造し、その末端水酸基をオレフィンへ変換した後(特許文献1参照)、水とアスコルビン酸等の酸性成分を混合した洗浄水と接触させて、アルカリ性成分、重合触媒由来の金属不純物、および塩を除去することで精製し(特許文献2参照)、反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物によりヒドロシリル化を行って製造する方法が知られており、すでに工業的に実用化されている。
上記方法において、末端のOH基をオレフィンに変換した不飽和基含有ポリエーテル中に酸化性不純物が存在すると、その後のヒドロシリル化反応が阻害される。このような反応阻害を防止するため、不飽和基含有ポリエーテル中に存在する酸化性不純物をアスコルビン酸によって分解し、ヒドロシリル化反応を問題なく進行させる方法が知られている(特許文献3参照)。
しかし、上記方法においては、不飽和基含有ポリエーテルにアスコルビン酸を添加すると微量のアスコルビン酸金属塩が生成し、濁りの問題が生じることがあった。そこで、特許文献2に記載の精製方法を追加で実施し、不飽和基含有ポリエーテル重合体中の微量のアスコルビン酸金属塩を除去することで低濁度を達成することは可能である。
しかし、洗浄が追加されることで生産性が悪化する、新たに洗浄操作が必要になりプロセスが煩雑になる等、という問題が生じることがある。
一方、ヒドロシリル化の前にアスコルビン酸を添加しなければ低濁度を達成することは可能であるがヒドロシリル化反応が阻害されるという問題が生じる。
特開平4-36312号公報 国際公開第2006/006511号 国際公開第2006/049087号 特開平1-294733
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであって、不飽和基含有ポリエーテル、反応性ケイ素基含有ポリエーテルにおいて極性溶媒を添加、混合したのち極性溶媒を脱揮することで、生産性を落とすことなく低濁度なポリエーテルを取得することできる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)アスコルビン酸金属塩量が5ppm以上であるポリエーテルに対して極性溶媒を添加し、混合したのち、該極性溶媒を脱揮して濁度指標A660が0.006以下となることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法、
(2)極性溶媒の添加部数が、ポリエーテル100重量部に対し、1重量部以上であることを特徴とする、(1)に記載のポリエーテルの製造方法、
(3)極性溶媒の添加部数が、ポリエーテル100重量部に対し、5重量部以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のポリエーテルの製造方法、
(4)ポリエーテルに添加する極性溶媒が、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(5)ポリエーテルに添加する極性溶媒が、アルコール系溶媒であることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(6)ポリエーテルに添加するアルコール系溶媒が、炭素数1~3のアルコール系溶媒であることを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(7)ポリエーテルに添加する炭素数1~3のアルコール系溶媒がメタノールであることを特徴とする、(1)~(6)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(8)アスコルビン酸金属塩がアスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸亜鉛のいずれかであることを特徴とする、(1)~(7)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(9)ポリエーテルが、不飽和基含有ポリエーテルおよび反応性ケイ素基含有ポリエーテルのいずれかであることを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法、
(10)アスコルビン酸金属塩量が5ppm以上でかつ濁度指標A660が0.006以下であるポリエーテル、
(11)ポリエーテルが、不飽和基含有ポリエーテルおよび反応性ケイ素基含有ポリエーテルのいずれかであることを特徴とする、(10)に記載のポリエーテル、に関する。
本発明によれば、不飽和基含有ポリエーテルおよび反応性ケイ素基含有ポリエーテルからなる群より選ばれるいずれかに極性溶媒を添加、混合したのち極性溶媒を脱揮することで低濁度なポリエーテルを取得することが可能となる。それにより、生産性を落とすことなく効率的に製造が可能となり、ヒドロシリル化反応性が阻害されるというリスクを低減することが可能となる。
(不飽和基含有ポリエーテルの製造方法)
不飽和基含有ポリエーテルの製造方法は、ポリオキシアルキレンの末端の水酸基を金属アルコキシドによりアルコキシド化反応した後に、ハロゲン化物を反応させて炭素-炭素不飽和基を導入する。
水酸基末端ポリエーテルの製造方法は、特に限定されることはなく、公知の方法を用いることができる。
一般的な製造方法としては、例えば、複合金属シアン化物錯体を触媒として用いる重合反応により得られる。
水酸基末端ポリエーテルの主鎖構造は、-R-O-で表される繰り返し単位が好ましい。
ここで、Rは、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、ハロゲン原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の2価の有機基である。主鎖中の複数のRは、同一の基であってもよく、2種以上の異なった基であってもよい。
Rとしてはアルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素原子数は1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が特に好ましい。
-R-O-で表される繰り返し単位としては、-CHCHO-、-CH(CH)CHO-、-CH(C)CHO-、-C(CHCHO-、および-CHCHCHCHO-などをあげることができるが、-CHCHO-、-CH(CH)CHO-が好ましく、-CH(CH)CHO-が特に好ましい。
また、水酸基末端ポリエーテルの主鎖は、分岐していてもよく、架橋していてもよい。
水酸基末端ポリエーテルは、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキサイドを開環重合させて製造されるものが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、及びα-メチルスチレンオキシドなどをあげることができる。
また、上記アルキレンオキサイド以外に、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、及びフェニルグリシジルエーテルなどの炭素原子数2~12の置換または非置換のグリシジルエーテル類なども使用することができる。
開始剤としては、メタノール、エタノ-ル、1-プロパノール、2-プロパノール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコ-ル、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチルー1-ブタノール、3-メチルー1-ブタノール、2-メチルー2-ブタノール、3-メチルー2-ブタノールおよび2,2-ジメチルー1-プロパノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールなどの2価アルコールまたは多価アルコール、および水酸基を有する各種重合体などをあげることができる。
このようにして得られる水酸基末端ポリエーテルは、次いで、金属アルコキシドとの反応(アルコキシド化反応)により、-OM(Mはアルカリ金属)で表される末端基を有するポリエーテルに変換される。
金属アルコキシドとしては、水酸基末端ポリエーテルが有する末端水酸基(-OH)中の水素原子を、アルカリ金属原子に置換可能な化合物であれば特に限定されない。
金属アルコキシドとしては、炭素原子数1~4のアルカリ金属アルコキシドが用いられる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、およびカリウムエトキシドが好ましく、ナトリウムメトキシド、およびカリウムメトキシドがより好ましく、入手性の点でナトリウムメトキシドが特に好ましい。
金属アルコキシドは2種類以上を組み合わせて用いることもできるが、1種類を単独で用いることが好ましい。
次いで、-OMで表される末端基を有するポリエーテル重合体は、ハロゲン化物との反応(アリル化反応)により、精製前の金属不純物を含む不飽和基含有ポリエーテル重合体に変換される。
不飽和基含有ハロゲン化物としては、下記式で表される化合物が好ましい。
H(R)C=C(R)-R-Y
(上記式中、Rは酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、ハロゲン原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の2価の有機基であり、R、Rは、水素原子、または炭素原子数1~10の炭化水素基であり、Yはハロゲン原子である。)
不飽和基含有ハロゲン化物としては、入手性の点でアリルクロライド、およびメタリルクロライド(3-クロロ-2-メチル-1-プロペン)が好ましい。
ハロゲン化物は2種類以上を組み合わせて用いることもできるが、1種類を単独で用いることが好ましい。
また、水酸基末端ポリエーテルに、金属アルコキシドを作用(アルコキシド化反応)させた後、炭素-炭素不飽和結合を有するエポキシ化合物と反応させ、さらに上記ハロゲン化物と反応(アリル化反応)させることで、不飽和基を1つの末端に1個より多く有する不飽和基含有ポリエーテルを得ることもできる。炭素-炭素不飽和結合を有するエポキシ化合物としては、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
ポリエーテルとハロゲン化物との反応完了後も攪拌を継続することで、金属アルコキシド、または金属アルコキシド中のアルカリ性不純物が、ハロゲン化物と反応することにより消費される。ハロゲン化物添加後に、炭素数1~3のアルコールまたは水の中から選ばれる少なくとも一種を添加することにより、これらアルカリ性成分の溶解度が高まりハロゲン化物との反応が促進し、消費速度を速めることが可能となる。炭素数1~3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどがあげられ、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールがアルカリ性成分に対してより良い良溶媒であり、少ない添加部数でアルカリ性成分を溶解可能であるため特に好ましい。ただし、これらに限定されず、分子内の水酸基の数は2つ以上であっても良く、分子内に炭素、水素、酸素以外の原子を含有していても良い。
炭素数1~3のアルコールまたは水の中から2種類以上を組み合わせて用いることもできるが、1種類を単独で用いることが好ましい。
炭素数1~3のアルコールまたは水の添加部数については特に限定しないが、ポリエーテル重合体100部に対し、0.05~20部が好ましく、0.1部~10部がより好ましい。添加部数が0.05部未満であるとアルカリ成分が十分に溶解せず、効果が限定的となる。また、添加部数が20部より多いと、アルコールまたは水添加時の圧力の上昇が大きくなり、添加が困難となる等の不都合が生じる。
アルコールまたは水添加後の攪拌時間は特に限定しないが、5分から8時間が好ましく、5分から4時間がより好ましい。攪拌時間が短いと、アルカリ性成分の除去効果が不十分で、攪拌時間が長いと生産上効率が悪くなる。
得られた不飽和基含有ポリエーテルのpHは9.0以下であることが好ましい。pHが9.0より大きいとアルカリ性成分の除去が十分でなく、次ぐ精製工程おいて、洗浄水が油相中に溶解あるいは微分散して取りこまれ分離しにくくなり、乳化し分離しなくなる可能性が高まる。また、金属不純物や塩の除去効率が悪くなる。
上述の方法により得られる不飽和基含有ポリエーテル中には、金属不純物や塩が含まれており、次ぐ精製工程での除去対象となる水溶性化合物としては、亜鉛塩、コバルト塩および/またはアルカリ金属塩等の、アルカリ金属化合物または複合金属シアン化物錯体触媒由来の化合物等が例示できる。
(不飽和基含有ポリエーテルの精製)
金属不純物を含む不飽和基含有ポリエーテルの精製方法は特に限定されることはなく、公知の方法を用いることができるが、特許文献2に記載の精製方法が特に好ましい。
特許文献2に記載の精製方法では、不飽和基含有ポリエーテル中に含まれる水溶性化合物を水により抽出し除去する工程を含み、該工程が50℃以上の温度でポリエーテル相と水相とを分離する操作を少なくとも含む、アルカリ性成分、重合触媒由来の金属不純物、および塩を水相中に抽出する方法を挙げることができる。また、洗浄水が酸性成分を含有していてもよく、酸性成分としては、アスコルビン酸が好ましい。
特許文献2に記載の精製方法以外にも、特許文献4記載のように、不飽和基含有ポリエーテルを水と相溶性のない溶剤に溶解させ、該溶液と水とを含有する混合物を撹拌槽中で撹拌することにより、アルカリ性成分、重合触媒由来の金属不純物、および塩を水相中に抽出し、ついで該溶液相と水相とを連続遠心分離する方法を挙げることができる。溶剤としては、たとえば脂肪族、脂環式または芳香族系の炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、これらのハロゲン化物などがあげられる。これらの具体例としては、たとえばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノール、ペンタノール、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、塩化メチレン、メチルクロロホルム、四塩化炭素、ジクロロジフルオロメタン、パークロロエチレン、塩素原子、臭素原子および(または)ヨウ素原子で1個以上置換されたベンゼン系溶剤やトルエン系溶剤などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
(不飽和基含有ポリエーテルのヒドロシリル化)
特許文献3に記載のヒドロシリル化方法では、アスコルビン酸を添加したのちに不飽和基含有ポリエーテルの末端の不飽和基に、公知の方法により反応性ケイ素基を導入して、反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得ることができる。
不飽和基含有ポリエーテルにアスコルビン酸を添加したのちに極性溶媒から選ばれる少なくとも一種を添加、混合したのち極性溶媒を脱揮することで濁度指標A660が0.006以下となる低濁度なポリマーを取得することが可能となる。なお、アスコルビン酸を添加したのちにに生じるアスコルビン酸金属塩が5ppm未満であれば濁度指標A660が0.006以下となる、低濁度なポリマーを取得することができる。
本発明で用いられるアスコルビン酸とは、L-アスコルビン酸;その構造異性体であるイソアスコルビン酸;それらのエステル誘導体(具体的には、ルミチン酸L-アスコルビル、ステアリン酸L-アスコルビル、2-エチルヘキサン酸L-アスコルビル、パルミチン酸イソアスコルビル、ステアリン酸イソアスコルビル、または2-エチルヘキサン酸イソアスコルビル);それらのリン酸エステル誘導体(具体的には、L-アスコルビン酸モノリン酸エステル、L-アスコルビン酸ジリン酸エステル、L-アスコルビン酸トリリン酸エステル、イソアスコルビン酸モノリン酸エステル、イソアスコルビン酸ジリン酸エステル、またはイソアスコルビン酸トリリン酸エステル);それらのエーテル誘導体(具体的には、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、またはイソアスコルビン酸-2-グルコシド)であり、より好ましくは本発明でL-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、である。
アスコルビン酸金属塩とは、該アスコルビン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム及びバリウム等のアルカリ土類金属塩;並びにアルミニウム、亜鉛、コバルト等の多価金属塩などの各種の金属塩、等が挙げられるが、本発明で注目すべきは、該アスコルビン酸のナトリウム金属塩、亜鉛金属塩、コバルト金属塩である。特に注目すべきは、該アスコルビン酸のナトリウム金属塩、亜鉛金属塩である。さらに注目すべきは、該アスコルビン酸のナトリウム金属塩である。
アスコルビン酸金属塩の量については特に限定しないが、ポリエーテルに対し、10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、50ppm以下が特に好ましい。
極性溶媒は、水酸基末端ポリエーテル、不飽和基含有ポリエーテル、反応性ケイ素基含有ポリエーテルに添加することが好ましく、不飽和基含有ポリエーテル、反応性ケイ素基含有ポリエーテルが特に好ましい。
極性溶媒は特に限定しないが、当該極性溶媒としては、例えば、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;塩化メチル、1,2-ジクロロエタン、酢酸、ニトロベンゼン、フェノール等が挙げられる。その中でも、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ヘキサノール等のアルコール系溶媒が特に好ましい。さらに、アルコール系溶媒としては、炭素数1~3のアルコールが好ましい。炭素数1~3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどがあげられ、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。分子内の水酸基の数は2つ以上であっても良く、分子内に炭素、水素、酸素以外の原子を含有していても良い。
極性溶媒の中から2種類以上を組み合わせて用いることもできるが、1種類を単独で用いることが好ましい。
極性溶媒の添加部数については特に限定しないが、ポリエーテル100部に対し、1~2000部が好ましく、5~100部がより好ましい。添加部数が1部未満であると効果が限定的となる。
極性溶媒の攪拌時間は特に限定しないが、5分から2時間が好ましく、10分から1時間がより好ましい。攪拌時間が攪拌時間が長いと生産上効率が悪くなる。
以下、本発明をより一層明らかにするために具体的な実施例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(pH測定)
洗浄水のpHはJIS Z 8802(測定方法)に記載の方法で測定した。
不飽和基含有ポリエーテルのpHはJIS K 1557-5(試験方法:pH(参考))に記載の方法で測定した。
pH計は、メトラー・トレド(株)製S220-Kitを使用した。
(アスコルビン酸金属塩同定、濃度測定)
不飽和基含有ポリエーテルまたは反応性ケイ素基含有ポリエーテルを1Lナスフラスコに500g仕込み、上記ポリエーテルに含まれる揮発成分をエバポレーター(東京理化器機(株)製N-1210B型)を用いて除去した。エバポレーターは以下の条件で実施した。[温度、圧力、時間:115℃、1kPa、1時間]
その後、揮発成分を除去したポリエーテルにヘキサン100phrを加えて溶解させた後に、遠心分離機(日立工機(株)製CR-22N型)を用いて固液分離を行った。遠心分離は以下の条件で実施した。[回転数、温度、時間:10000rpm、25℃、20分]
遠心分離で分離した固体を重水(SIGMA-ALDRICH製)5gに溶解し、この重水をNMRチューブ(Wilmad製528-PP-7)に0.9g小分けして1H-NMR(日本電子(株)製JMN-LA400)の測定を行い、アスコルビン酸金属塩の同定、および、その時に得られたNMRシグナルの面積よりアスコルビン酸金属塩を定量し、上記ポリエーテルに含まれるアスコルビン酸金属塩濃度を算出した。
(濁度測定)
不飽和基含有ポリエーテルまたは反応性ケイ素基含有ポリエーテルを200mLナスフラスコに50g仕込み、上記ポリエーテルに含まれる揮発成分をエバポレーター(東京理化器機(株)製N-1210B型)を用いて除去した。エバポレーターは以下の条件で実施した。[温度、圧力、時間:115℃、1kPa、1時間]
その後、分光光度計用セル(アズワン(株)製2-478-05)に移してペルジャー( (株) サンプラテック製PC-250K)を用いて脱泡処理を行った。脱泡処理はダイヤフラムポンプを用いて減圧し、目視で泡がなくなるまで実施した。脱泡処理したセルを分光光度計((株)日立ハイテクサイエンス製U-1800型)を用いて、A660(660nmの吸光度)を測定した。分光光度計のゼロ点調整には、イオン交換水を使用した。
(合成例1)
数平均分子量300のポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの開環重合を行い、触媒および/またはその残渣である金属化合物を不純物をして含む、水酸基末端ポリエーテルを得た。得られた水酸基末端ポリエーテルのGPC分析(システム:東ソー(株)製HLC-8220GPC、カラム:東ソー(株)製TSK-GEL Hタイプ)を行ったところ、数平均分子量が約15000であった。
(合成例2)
合成例1で得られた水酸基末端ポリエーテルの水酸基に対して1.0倍当量のナトリウムメトキシドの30%メタノール溶液を添加してメタノールを留去した後、水酸基に対して1.8倍当量のアリルクロライドを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。アリルクロライド添加後1時間後にメタノール0.5部を添加し、さらに3時間攪拌した後、アリルクロライドとメタノールを留去し、不飽和基含有ポリエーテル(a1)を得た。不飽和基含有ポリエーテル(a1)のpHを測定したところ、8.4であった。
(合成例3)
合成例2で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)687gを攪拌槽(攪拌機、およびジャケット付き)に入れ90℃に加熱し、アスコルビン酸0.069g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し100ppm)、イオン交換水344gを添加した後5分間静置して分離させた。混合溶液を700rpmで1時間、続けて50rpmで15分間攪拌した後、25分間静置することにより分離させ、水相を除去した。続いて、次はアスコルビン酸は添加せず、イオン交換水344gを添加した後5分間静置して分離させた。混合溶液を700rpmで1時間、続けて50rpmで15分間攪拌した後、25分間静置することにより分離させ、水相を除去した。上記操作を2回繰り返したのちに、アスコルビン酸0.0207g(不飽和基含有ポリエーテル(a1)に対し30ppm)を加え90℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した結果は0.015であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、21ppmであった。結果を表1に示す。
(合成例4)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)50g、ヘキサン1gを200ml四つ口フラスコに加え90℃で減圧脱揮を行った後、1時間攪拌した。その後N2で置換し、白金-ビニルシロキサン錯体(Pt1wt%/イソプロパノール(以下、IPA))23μlを加え攪拌し、ジメトキシメチルシラン1.2gをゆっくり滴下した。その混合溶液を90℃で1時間反応させ、反応性ケイ素基含有ポリエーテルを得た。NMRにより得られたポリマーの残アリル基率を測定した結果、未反応のアリル基率は1%であった。濁度(A660)を測定した結果は0.015であった。アスコルビン酸ナトリウム量は、21ppmであった。結果を表1に示す。
Figure 0007061498000001
(実施例1)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)100g、メタノール10gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.003であった。結果を表2に示す。
(実施例2)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)100g、メタノールを5gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.003であった。結果を表2に示す。
(実施例3)
合成例4で得られた反応性ケイ素基含有ポリエーテル100g、メタノールを10gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.002であった。結果を表2に示す。
(実施例4)
合成例4で得られた反応性ケイ素基含有ポリエーテル100g、メタノールを5gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.003であった。結果を表2に示す。
(比較例1)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)100g、メタノールを0.8gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.013であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)100g、ヘキサンを10gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.015であった。結果を表2に示す。
(比較例3)
合成例3で得られた不飽和基含有ポリエーテル(a1)100g、水を10gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.016であった。結果を表2に示す。
(比較例4)
合成例4で得られた反応性ケイ素基含有ポリエーテル100g、ヘキサンを10gを300ml四つ口フラスコに入れ500rpmで20分間攪拌し、120℃で減圧脱揮を行った後、濁度(A660)を測定した。結果は0.016であった。結果を表2に示す。
Figure 0007061498000002

Claims (7)

  1. アスコルビン酸金属塩量が5ppm以上であるポリエーテルであって、不飽和基含有ポリエーテルおよび反応性ケイ素基含有ポリエーテルのいずれかであるポリエーテルに対して、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、及びアミド系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の極性溶媒を添加し、混合したのち、該極性溶媒を脱揮して濁度指標A660が0.006以下となることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法。
  2. 極性溶媒の添加部数が、ポリエーテル100重量部に対し、1重量部以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエーテルの製造方法。
  3. 極性溶媒の添加部数が、ポリエーテル100重量部に対し、5重量部以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエーテルの製造方法。
  4. ポリエーテルに添加する極性溶媒が、アルコール系溶媒であることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法。
  5. ポリエーテルに添加するアルコール系溶媒が、炭素数1~3のアルコール系溶媒であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリエーテルの製造方法。
  6. ポリエーテルに添加する炭素数1~3のアルコール系溶媒がメタノールであることを特徴とする、請求項に記載のポリエーテルの製造方法。
  7. アスコルビン酸金属塩がアスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸亜鉛のいずれかであることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のポリエーテルの製造方法。
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