擬似的な慣性力を有するインバータは、自身に電力を供給する蓄電池等の電源の種類、状態等に応じて定格出力電力に対する出力電力の比率が異なる。このため、電力系統において短絡等の事故が発生したり、負荷が変動したりした場合、定格出力電力に対する出力電力の比率が相対的に高いインバータは、定格出力電力を超える電力を出力する必要に迫られる。このような場合には、定格出力電力に対する出力電力の比率が相対的に高い高出力インバータの内部誘起電圧が低下し、定格出力電力に対する出力電力の比率が相対的に低い低出力インバータの内部誘起電圧が上昇する。これにより、低出力インバータから高出力インバータへ流れる無効電力が増加し、高出力インバータが出力する電力が低下してしまう。
[第一実施形態]
図1から図10を参照しながら、第一実施形態に係るインバータ制御装置について説明する。第一実施形態では、電力系統において事故が発生していないと判定された場合を例に挙げて説明する。図1は、第一実施形態に係る電力系統、第一インバータ及び第二インバータの一例を示す図である。
図1に示すように、電力系統Eには、負荷L1、…、負荷Ln(n:1以上の自然数)が接続されている。また、図1に示すように、第一インバータ10は、電圧制御部11と、可変交流電源12と、電流センサ13と、電流制御部14とを備える。第一インバータ10は、同期発電機が有する慣性力を擬似的に付与されたインバータである。
電圧制御部11は、電力系統Eに連系している同期発電機の内部で発生している磁束、当該同期発電機が備える巻線等で発生する電圧降下及び当該同期発電機の運動方程式に基づいて当該同期発電機の内部誘起電圧を算出する。そして、電圧制御部11は、第一インバータ10の端子間の電圧が当該内部誘起電圧に追従するように第一インバータ10を制御する。また、電圧制御部11は、当該内部誘起電圧に基づいて可変交流電源12を制御する。
可変交流電源12は、電力系統Eに第一出力電力を供給する。第一出力電力は、第一定格出力電力に第一比率を乗算した出力電力である。また、可変交流電源12は、電圧制御部11により制御されており、電流センサ13により検出された第一出力電流及び電流制御部14の出力がフィードバックされている。
電流センサ13は、可変交流電源12が出力する第一出力電力の第一出力電流を検出して可変交流電源12及び電流制御部14に入力する。
電流制御部14は、電流センサ13により検出された可変交流電源12の第一出力電流に基づいて可変交流電源12を制御する。特に、電流制御部14は、第一出力電力の第一出力電流が過大となった場合、第一出力電力の第一出力電流が適正な大きさになるよう可変交流電源12を制御する。
図1に示すように、第二インバータ20は、電圧制御部21と、可変交流電源22と、電流センサ23と、電流制御部24とを備える。第二インバータ20は、同期発電機が有する慣性力を擬似的に付与されたインバータである。
電圧制御部21は、電圧制御部11と同様の方法により、電力系統Eに連系している同期発電機の内部誘起電圧を算出する。そして、電圧制御部21は、第二インバータ20の端子間の電圧が当該内部誘起電圧に追従するように第二インバータ20を制御する。
可変交流電源22は、電力系統Eに第二出力電力を供給する。第二出力電力は、第二定格出力電力に第一比率よりも小さな第二比率を乗算した出力電力である。また、可変交流電源22は、電流センサ23により検出された第二出力電流及び電流制御部24の出力がフィードバックされている。
電流センサ23は、可変交流電源22が出力する第一出力電力の第二出力電流を検出して可変交流電源22及び電流制御部24に入力する。
電流制御部24は、電流センサ23により検出された可変交流電源22の第二出力電流に基づいて可変交流電源22を制御する。特に、電流制御部24は、第二出力電力の第二出力電流が過大となった場合、第二出力電力の第二出力電流が適正な大きさになるよう可変交流電源22を制御する。
図2は、第一実施形態に係るインバータ制御装置の一例を示す図である。図2に示すように、インバータ制御装置1は、取得部101と、制御部102とを備える。インバータ制御装置1は、第一インバータ10及び第二インバータ20とは別の装置である。
インバータ制御装置1が有する機能の少なくとも一部、取得部101及び制御部102は、回路部(circuitry)を含むハードウェアがソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。ここで言うハードウェアは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)である。また、上述したプログラムは、記憶媒体を備える記憶装置に格納されている。ここで言う記憶媒体は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)である。さらに、上述したプログラムは、インバータ制御装置1が有する機能の一部を実現する差分プログラムであってもよい。
取得部101は、電力系統Eの状態を判定する判定処理の結果を示す判定結果データを取得する。ただし、第一実施形態では、電力系統Eにおいて事故が発生していないと判定された場合を例に挙げているため、取得部101は、電力系統Eにおいて事故が発生していないと判定されたことを示す判定結果データを取得する。
図3は、第一実施形態に係る第一インバータに擬似的な慣性力を付与するための制御の一例を示す制御ブロック図である。制御部102は、図3に示した制御ブロック図で表される制御により第一インバータ10に擬似的な慣性力を付与している。図3に示すように、制御部102は、第一インバータ10に対して、第一単位慣性定数M1及び複素数sを含む伝達関数1/(M1・s)を使用して第一出力電力の目標値である第一目標電力Pm1と第一出力電力Pe1との差Pm1-Pe1を第一出力電力の周波数の偏差Δω1に変換する。第一単位慣性定数M1は、第一インバータ10の慣性力を規定する。また、制御部102は、第一ダンピング係数D1を使用して第一出力電力の周波数の偏差Δω1を電力に変換してフィードバックしている。第一ダンピング係数D1は、第一出力電力の周波数の偏差を減衰させる度合いを規定する。
また、制御部102は、図3に示した制御ブロック図と同様の制御ブロック図で表される制御により擬似的な慣性力を付与している。制御部102は、第二インバータ20に対して、第二単位慣性定数M2及び複素数sを含む伝達関数1/(M2・s)を使用して第二出力電力の目標値である第二目標電力Pm2と第二出力電力Pe2との差Pm2-Pe2を第二出力電力の周波数の偏差Δω2に変換する。第二単位慣性定数M2は、第二インバータ20の慣性力を規定する。また、制御部102は、第二ダンピング係数D2を使用して第二出力電力の周波数の偏差Δω2を電力に変換してフィードバックしている。第二ダンピング係数D2は、第二出力電力の周波数の偏差を減衰させる度合いを規定する。
図4は、第一実施形態に係る負荷電圧ベクトル、第一インバータの第一出力電圧ベクトル及び第二インバータの第二出力電圧ベクトルの一例を示す図である。図4は、負荷電圧ベクトルVL、第一出力電圧ベクトルV1及び第二出力電圧ベクトルV2を示している。
負荷電圧ベクトルVLは、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する前における負荷L1、…、負荷Lnに供給される電圧の実効値及び位相を示している。
第一出力電圧ベクトルV1は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する前における第一インバータ10が出力する第一出力電力の電圧である第一出力電圧の実効値P及び位相を示している。また、第一出力電圧ベクトルV1により示される位相δ1は、負荷電圧ベクトルVLを基準としている。この場合、第一出力電圧は、Psin(δ1)となる。
第二出力電圧ベクトルV2は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する前における第二インバータ20が出力する第二出力電力の電圧である第二出力電圧の実効値P及び位相を示している。また、第二出力電圧ベクトルV2により示される位相δ2は、負荷電圧ベクトルVLを基準としている。この場合、第二出力電圧は、Psin(δ2)となる。
ここで、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加した場合、負荷電圧ベクトルVLの位相が遅れて負荷電圧ベクトルVL´に変化する。そして、この場合、制御部102は、判定結果データが示す結果に基づいて、第一単位慣性定数を減少させる処理、第一ダンピング係数を減少させる処理、第二単位慣性定数を増加させる処理、第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一つを実行する。
例えば、制御部102は、第一単位慣性定数を減少させる処理及び第二単位慣性定数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一単位慣性定数が第二単位慣性定数よりも小さくなるまで、第一単位慣性定数を減少させる処理及び第二単位慣性定数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。
また、例えば、制御部102は、第一ダンピング係数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一ダンピング係数が第二ダンピング係数よりも小さくなるまで、第一ダンピング係数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。
制御部102は、これらの処理により、第二出力電圧ベクトルV2よりも第一出力電圧ベクトルV1が負荷電圧ベクトルVLの位相の変化に追従し易くする。すなわち、制御部102は、これらの処理により、負荷電圧ベクトルVLの位相が遅れて負荷電圧ベクトルVL´に変化した場合、第一出力電圧ベクトルV1の位相が遅れて第一出力電圧ベクトルV1´に変化し、第二出力電圧ベクトルV2の位相が変化しないようにする。これにより、第二出力電力の増加量Psin(δ2´)-Psin(δ2)は、第一出力電力の増加量Psin(δ1´)-Psin(δ1)よりも大きくなる。
なお、制御部102が第一単位慣性定数、第二単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二ダンピング係数を調整する方法は、特に限定されない。例えば、制御部102は、第一単位慣性定数、第二単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二ダンピング係数の少なくとも一つを連続的に変化させて調整してもよい。或いは、制御部102は、図3に例示した制御ブロック図に分岐を設けて第一単位慣性定数、第二単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二ダンピング係数の少なくとも一つを離散的に調整してもよい。
次に、図5を参照しながら第一実施形態に係るインバータ制御装置が実行する処理の一例を説明する。図5は、第一実施形態に係るインバータ制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。インバータ制御装置1は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加した場合、図5に示した処理を実行する。
ステップS10において、取得部101は、電力系統Eの状態を判定する判定処理の結果を示す判定結果データを取得する。
ステップS20において、制御部102は、判定結果データが示す結果に基づいて、第一単位慣性定数を減少させる処理、第一ダンピング係数を減少させる処理、第二単位慣性定数を増加させる処理、第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一つを実行する。
以上、第一実施形態に係るインバータ制御装置1について説明した。インバータ制御装置1は、判定結果データが示す結果に基づいて、第一単位慣性定数を減少させる処理、第一ダンピング係数を減少させる処理、第二単位慣性定数を増加させる処理、第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一つを実行する。これにより、インバータ制御装置1は、第二インバータ20により出力される第二出力電力の増加量を第一インバータ10により出力される第一出力電力の増加量よりも大きくし、定格出力電力に対する出力電力の比率が異なる第一インバータ10及び第二インバータ20を安定的に動作させることができる。
次に、図6から図11を参照しながら、インバータ制御装置1が奏する効果の具体例について説明する。また、図6から図11を使用した説明では、図6から図11に示した1秒の時点において電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加したものとする。
図6は、第一実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行していない場合における第一インバータの出力電力及び無効電力と、第二インバータの出力電力及び無効電力と、負荷に供給される電力とのシミュレーション結果の一例を示す図である。図6は、線Y1、線Y2、線M1、線M2及び線Tを示している。線Y1は、第一インバータ10が出力する第一出力電力を表している。線Y2は、第二インバータ20が出力する第二出力電力を表している。線M1は、第一インバータ10から系統に流れる無効電力を表している。線M2は、第二インバータ20から系統に流れる無効電力を表している。線Tは、負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力を表している。この電力は、第一インバータ10が出力する第一出力電力と第二インバータ20が出力する第二出力電力との合計に等しい。
図6に示すように、0秒から1秒までの期間では、第一インバータ10が約520kWの第一出力電力を出力しており、第二インバータ20が約60kWの第二出力電力を出力している。このような場合に電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加すると、図6に示すように、第一出力電力が第一定格出力電力を超える出力電力である約700kWまで上昇し、第二出力電力が第二定格出力電力未満の出力電力である約360kWまで上昇する。
第一出力電力が第一定格出力電力を超えた場合、第一インバータ10がフィルタコンデンサに電流を供給し得なくなり、かつ、電流制御部14が第一出力電流を低下させるように動作するため、図6に線Y1で示すように、第一出力電力の第一出力電圧が減少してしまい、第一出力電力も減少してしまう。この場合、図6に線Y2で示すように、第二インバータ20が第二出力電圧を維持しつつ、第二出力電流を増加させるため、第二出力電力は、第二定格出力電力を超えるまで増加し、その後減少する。負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力は、図6に線Tで示すように、線Y1で示されている第一出力電力と線Y2で示されている第二出力電力との和となる。さらに、図6に線M1及び線M2で示すように、第二インバータ20から第一インバータ10に流れる無効電力は、第二出力電力が第二定格出力電力を超えるまで増加し、その後減少する。
図7は、第一実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行していない場合における第一実施形態に係る第一インバータの内部誘起電圧及び第二インバータの内部誘起電圧のシミュレーション結果の一例を示す図である。図7は、線N1及び線N2を示している。線N1は、第一インバータ10の内部誘起電圧を示している。線N2は、第二インバータ20の内部誘起電圧を示している。
図7に線N1で示すように、第一インバータ10の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する1秒の時点以降減少する。また、図7に線N2で示すように、第二インバータ20の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する1秒の時点以降、第二出力電力が第二定格出力電力を超えるまで増加し、その後減少する。
図6及び図7を参照しながら説明したように、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加し、第一出力電力が第一定格出力電力を超えた場合、第一インバータ10及び第二インバータ20は、いずれも不安定になってしまう。このような事態の発生を避けるため、インバータ制御装置1は、上述した制御部102による処理を実行する。
次に、図8から図11を参照しながら、インバータ制御装置1が上述した制御部102による処理を実行した場合における第一インバータ10の振る舞い及び第二インバータ20の振る舞いについて説明する。
図8は、第一実施形態に係るインバータ制御装置がダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一インバータの出力電力及び無効電力と、第二インバータの出力電力及び無効電力と、負荷に供給される電力とのシミュレーション結果の一例を示す図である。図8は、線Y11、線Y21、線M11、線M21及び線T1を示している。線Y11は、第一インバータ10が出力する第一出力電力を表している。線Y21は、第二インバータ20が出力する第二出力電力を表している。線M11は、第一インバータ10から系統に流れる無効電力を表している。線M21は、第二インバータ20から系統に流れる無効電力を表している。線T1は、負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力を表している。この電力は、第一インバータ10が出力する第一出力電力と第二インバータ20が出力する第二出力電力との合計に等しい。
図8に示すように、0秒から1秒までの期間では、第一インバータ10が約550kWの第一出力電力を出力しており、第二インバータ20が約50kWの第二出力電力を出力している。このような場合に電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加すると、図8に示すように、第一出力電力が第一定格出力電力を超える出力電力である約700kWまで上昇し、第二出力電力が第二定格出力電力未満の出力電力である約340kWまで上昇する。
しかし、インバータ制御装置1は、制御部102を使用してダンピング係数を調整する処理を実行する。これにより、図8に線T1、線Y11及び線Y21で示すように、線T1は、負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力、第一出力電力及び第二出力電力は、それぞれ約1070kW、約670kW、約400kWで安定して推移する。また、これにより、図8に線M11及び線M21で示すように、第二インバータ20から第一インバータ10に流れる無効電力は、小さな値のまま安定して推移する。
図9は、第一実施形態に係るインバータ制御装置がダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一インバータの内部誘起電圧及び第二インバータの内部誘起電圧のシミュレーション結果の一例を示す図である。図9は、線N11及び線N21を示している。線N11は、第一インバータ10の内部誘起電圧を示している。線N21は、第二インバータ20の内部誘起電圧を示している。
図9に線N11で示すように、第一インバータ10の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加した後、約3250Vから約3100Vまで急激に減少し、約3400Vまで増加し、その後約3250Vで安定して推移する。また、図9に線N2で示すように、第二インバータ20の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する前後において、約3250Vで安定して推移する。
図8及び図9を参照しながら説明したように、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加しても、インバータ制御装置1が制御部102を使用してダンピング係数を調整する処理を実行した場合、第一インバータ10及び第二インバータ20は、いずれも安定的に動作する。また、これは、インバータ制御装置1が制御部102を使用して単位慣性定数を調整する処理を実行した場合も同様である。
図10は、第一実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一インバータの出力電力及び無効電力と、第二インバータの出力電力及び無効電力と、負荷に供給される電力とのシミュレーション結果の一例を示す図である。図10は、線Y12、線Y22、線M12、線M22及び線T2を示している。線Y12は、第一インバータ10が出力する第一出力電力を表している。線Y22は、第二インバータ20が出力する第二出力電力を表している。線M12は、第一インバータ10から系統に流れる無効電力を表している。線M22は、第二インバータ20から系統に流れる無効電力を表している。線T2は、負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力を表している。この電力は、第一インバータ10が出力する第一出力電力と第二インバータ20が出力する第二出力電力との合計に等しい。
図10に示すように、0秒から1秒までの期間では、第一インバータ10が約550kWの第一出力電力を出力しており、第二インバータ20が約50kWの第二出力電力を出力している。このような場合に電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加すると、図10に示すように、第一出力電力が第一定格出力電力を超える出力電力である約700kWまで上昇し、第二出力電力が第二定格出力電力未満の出力電力である約340kWまで上昇する。
しかし、インバータ制御装置1は、制御部102を使用して単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行する。これにより、図10に線T2、線Y12及び線Y22で示すように、線T2は、負荷L1、…、負荷Lnに供給される電力、第一出力電力及び第二出力電力は、それぞれ約1080kW、約540kW、約540kWで安定して推移する。また、これにより、図10に線M12及び線M22で示すように、第二インバータ20から第一インバータ10に流れる無効電力は、小さな値のまま安定して推移する。
図11は、第一実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一インバータの内部誘起電圧及び第二インバータの内部誘起電圧のシミュレーション結果の一例を示す図である。図11は、線N12及び線N22を示している。線N12は、第一インバータ10の内部誘起電圧を示している。線N22は、第二インバータ20の内部誘起電圧を示している。
図11に線N12で示すように、第一インバータ10の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加した後、約3300Vから約3100Vまで急激に減少し、約3500Vまで増加し、その後約3300Vで安定して推移する。また、図11に線N22で示すように、第二インバータ20の内部誘起電圧は、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加する前後において、約3300Vで安定して推移する。
図10及び図11を参照しながら説明したように、電力系統Eに接続されている負荷L1、…、負荷Lnの大きさの合計が増加しても、インバータ制御装置1が制御部102を使用して単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合、第一インバータ10及び第二インバータ20は、いずれも安定的に動作する。
つまり、インバータ制御装置1は、上述した四つの処理の少なくとも一つを実行する。これにより、インバータ制御装置1は、第二出力電圧ベクトルV2よりも第一出力電圧ベクトルV1が負荷電圧ベクトルVLの変化に追従し易くし、第一インバータ10及び第二インバータ20を安定的に動作させることができる。
また、制御部102は、第一単位慣性定数が第二単位慣性定数よりも小さくなるまで、第一単位慣性定数を減少させる処理及び第二単位慣性定数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一ダンピング係数が第二ダンピング係数よりも小さくなるまで、第一ダンピング係数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する。これにより、インバータ制御装置1は、第二出力電圧ベクトルV2よりも第一出力電圧ベクトルV1が負荷電圧ベクトルVLの変化に更に追従し易くし、第一インバータ10及び第二インバータ20を更に安定的に動作させることができる。
[第二実施形態]
図12から図19を参照しながら、第二実施形態に係るインバータ制御装置について説明する。第二実施形態では、電力系統において事故が発生したと判定された場合を例に挙げて説明する。ここで言う事故は、例えば、短絡である。また、第二実施形態の説明では、第一実施形態と重複する内容の説明を適宜省略する。
取得部101は、電力系統Eの状態を判定する判定処理の結果を示す判定結果データを取得する。ただし、第二実施形態では、電力系統Eにおいて事故が発生したと判定された場合を例に挙げているため、取得部101は、電力系統Eにおいて事故が発生していないと判定されたことを示す判定結果データを取得する。例えば、取得部101は、第一出力電力の目標値である第一目標電力と第一出力電力との差が所定の閾値を超えていたことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得する。
ここで、電力系統Eにおいて短絡が発生した場合、第一インバータ10の第一出力電力及び第二インバータ20の第二出力電力のいずれもゼロになる。また、第一出力電力は、第二出力電力よりも大きい。したがって、電力系統Eにおいて短絡が発生した場合、第一出力電力の周波数の偏差は、第二出力電力の周波数の偏差よりも大きくなる。このため、短絡が発生した箇所が電力系統Eから切り離されて復電した場合、負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が大きくなり、第一出力電力と第二出力電力との差が大きくなってしまう。つまり、復電した場合、第一出力電力が第一定格出力電力を超えてしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、制御部102は、判定結果データが示す結果に基づいて、第一実施形態の場合とは反対に、第一単位慣性定数を増加させる処理、第一ダンピング係数を増加させる処理、第二単位慣性定数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一つを実行する。
例えば、制御部102は、第一出力電力の周波数の偏差と、第二出力電力の周波数の偏差とが等しくなるまで、第一単位慣性定数を増加させる処理、第一ダンピング係数を増加させる処理、第二単位慣性定数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一つを実行する。
また、例えば、制御部102は、第一単位慣性定数を増加させる処理及び第二単位慣性定数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一単位慣性定数が第二単位慣性定数よりも大きくなるまで、第一単位慣性定数を増加させる処理及び第二単位慣性定数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。
また、例えば、制御部102は、第一ダンピング係数を増加させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一ダンピング係数が第二ダンピング係数よりも大きくなるまで、第一ダンピング係数を増加させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。
制御部102は、これらの処理により、第一出力電圧ベクトルV1の位相よりも第二出力電圧ベクトルV2の位相を変化し易くし、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が小さくなるようにする。
以上、第二実施形態に係るインバータ制御装置1について説明した。インバータ制御装置1は、判定結果データが示す結果に基づいて、第一単位慣性定数を増加させる処理、第一ダンピング係数を増加させる処理、第二単位慣性定数を減少増加させる処理、第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一つを実行する。これにより、インバータ制御装置1は、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が小さくなるようにする。したがって、インバータ制御装置1は、第一出力電力が第一定格出力電力を超えてしまうことを抑制し、定格出力電力に対する出力電力の比率が異なる第一インバータ10及び第二インバータ20を安定的に動作させることができる。
次に、図12から図17を参照しながら、インバータ制御装置1が奏する効果の具体例について説明する。また、図12から図17を使用した説明では、図12から図17に示した1秒の時点において電力系統Eにおいて短絡が発生し、図12から図17に示した約1.5秒の時点において復電したものとする。
図12は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行していない場合における第一単位慣性定数の時間的な変化及び第二単位慣性定数の時間的な変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。図12は、線A10及び線A20を示している。線A10は、第一単位慣性定数を表している。線A20は、第二慣単位慣性定数を表している。図12に線A10で示すように、第一単位慣性定数は、5で一定である。また、図12に線A20で示すように、第二単位慣性定数は、10で一定である。
図13は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行していない場合における第一ダンピング係数の時間的な変化及び第二ダンピング係数の時間的な変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。図13は、線B10及び線B20を示している。線B10は、第一ダンピング係数を表している。線B20は、第二ダンピング係数を表している。図13に線B10で示すように、第一ダンピング係数は、0.24で一定である。また、図13に線B20で示すように、第二ダンピング係数は、1.08で一定である。
図12及び図13に示すように、電力系統Eにおいて短絡が発生し、その後復電した場合において、第一単位慣性定数、第二慣単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二慣ダンピング係数のいずれも調整されない場合、例えば、第一インバータ10及び第二インバータ20は、図14に示すように動作する。
図14は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行していない場合における第一インバータの出力電力及び無効電力と、第二インバータの出力電力及び無効電力とのシミュレーション結果の一例を示す図である。図14は、線Y10、線Y20、線M10及び線M20を示している。線Y10は、第一インバータ10が出力する第一出力電力を表している。線Y20は、第二インバータ20が出力する第二出力電力を表している。線M10は、第一インバータ10から系統に流れる無効電力を表している。線M20は、第二インバータ20から系統に流れる無効電力を表している。
図14に示すように、0秒から1秒までの期間では、第一インバータ10が約520kWの第一出力電力を出力しており、第二インバータ20が約60kWの第二出力電力を出力している。このような場合に電力系統Eにおいて短絡が発生すると、図14に示すように、第一出力電力及び第二出力電力は、いずれも約0kWとなる。
このような状態で約1.5秒の時点において復電した場合、図14に線Y10で示すように、第一出力電力は、第一定格出力電力を大きく超える。一方、この場合、図14に線Y20で示すように、第二出力電力は、約60kWまで上昇する。復電した際における第一出力電力と第二出力電力とが対照的な振る舞いを示す要因は、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が大きくなっていることである。
第一出力電力が第一定格出力電力を超えた場合、第一インバータ10がフィルタコンデンサに電流を供給し得なくなり、かつ、電流制御部14が第一出力電流を低下させるように動作するため、図14に線Y10で示すように、第一出力電力の第一出力電圧が減少してしまい、第一出力電力も減少してしまう。この場合、図14に線Y20で示すように、第二インバータ20が第二出力電圧を維持しつつ、第二出力電流を増加させるため、第二出力電力は、第二定格出力電力を超えるまで増加し、その後減少する。また、図14に線M10及び線M20で示すように、第二インバータ20から第一インバータ10に流れる無効電力は、第二出力電力が第二定格出力電力を超えるまで増加し、その後減少する。
図12から図14を参照しながら説明したように、電力系統Eにおいて短絡が発生し、その後復電した場合において、第一単位慣性定数、第二慣単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二慣ダンピング係数のいずれも調整されないと、第一インバータ10及び第二インバータ20は、いずれも不安定になってしまう。このような事態の発生を避けるため、インバータ制御装置1は、上述した制御部102による処理を実行する。
次に、図15から図17を参照しながら、インバータ制御装置1が上述した制御部102による処理を実行した場合における第一インバータ10の振る舞い及び第二インバータ20の振る舞いについて説明する。
図15は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一単位慣性定数の時間的な変化及び第二単位慣性定数の時間的な変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。図15は、線A13及び線A23を示している。線A13は、第一単位慣性定数を表している。線A23は、第二慣単位慣性定数を表している。図15に線A13で示すように、制御部102は、短絡が発生した1秒の時点から復電した約1.5秒までの間、第一単位慣性定数を11に引き上げる。また、図15に線A23で示すように、制御部102は、短絡が発生した1秒の時点から復電した約1.5秒までの間、第二単位慣性定数を6に引き下げる。
図16は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一ダンピング係数の時間的な変化及び第二ダンピング係数の時間的な変化のシミュレーション結果の一例を示す図である。図16は、線B13及び線B23を示している。線B13は、第一ダンピング係数を表している。線B23は、第二慣ダンピング係数を表している。図16に線B13で示すように、制御部102は、短絡が発生した1秒の時点から復電した約1.5秒までの間、第一ダンピング係数を1.24まで引き上げる。また、図16に線B23で示すように、制御部102は、短絡が発生した1秒の時点から復電した約1.5秒までの間、第二ダンピング係数を0.42まで引き下げる。
電力系統Eにおいて短絡が発生し、その後復電した場合において、図15及び図16に示すように、第一単位慣性定数、第二慣単位慣性定数、第一ダンピング係数及び第二慣ダンピング係数が調整される場合、例えば、第一インバータ10及び第二インバータ20は、図17に示すように動作する。
図17は、第二実施形態に係るインバータ制御装置が単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合における第一インバータの出力電力及び無効電力と、第二インバータの出力電力及び無効電力とのシミュレーション結果の一例を示す図である。図17は、線Y13、線Y23、線M13及び線M23を示している。線Y13は、第一インバータ10が出力する第一出力電力を表している。線Y23は、第二インバータ20が出力する第二出力電力を表している。線M13は、第一インバータ10から系統に流れる無効電力を表している。線M23は、第二インバータ20から系統に流れる無効電力を表している。
図17に示すように、0秒から1秒までの期間では、第一インバータ10が約550kWの第一出力電力を出力しており、第二インバータ20が約50kWの第二出力電力を出力している。このような状況の下、1秒の時点で電力系統Eにおいて短絡が発生し、約1.5秒の時点で復電した場合、図17に示すように、第一出力電力が720kWまで上昇し、第二出力電力が第二定格出力電力未満の出力電力である約-160kWまで減少する。その後、図17に線Y13及び線Y23で示すように、第一出力電力及び第二出力電力は、それぞれ約550kW、約50kWで安定して推移する。また、これにより、図17に線M13及び線M23で示すように、第二インバータ20から第一インバータ10に流れる無効電力は、小さな値のまま安定して推移する。
図15から図17を参照しながら説明したように、電力系統Eにおいて短絡が発生し、その後復電しても、インバータ制御装置1が制御部102を使用して単位慣性定数及びダンピング係数を調整する処理を実行した場合、第一インバータ10及び第二インバータ20は、いずれも安定的に動作する。
つまり、インバータ制御装置1は、上述した四つの処理の少なくとも一つを実行する。これにより、インバータ制御装置1は、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が小さくなるようにし、第一インバータ10及び第二インバータ20を安定的に動作させることができる。
また、制御部102は、第一出力電力の周波数の偏差と、第二出力電力の周波数の偏差とが等しくなるまで、第一単位慣性定数を増加させる処理、第一ダンピング係数を増加させる処理、第二単位慣性定数を減少させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一つを実行する。これにより、インバータ制御装置1は、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が等しくなるようにし、第一インバータ10及び第二インバータ20を更に安定的に動作させることができる。
また、制御部102は、第一単位慣性定数が第二単位慣性定数よりも大きくなるまで、第一単位慣性定数を増加させる処理及び第二単位慣性定数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。或いは、制御部102は、第一ダンピング係数が第二ダンピング係数よりも大きくなるまで、第一ダンピング係数を増加させる処理及び第二ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一方を実行する。これにより、インバータ制御装置1は、復電した後における負荷電圧ベクトルVLを基準とした第一出力電圧ベクトルV1の位相と第二出力電圧ベクトルV2の位相との差が更に小さくなるようにし、第一インバータ10及び第二インバータ20を更に安定的に動作させることができる。
なお、上述した第一実施形態及び第二実施形態では、インバータ制御装置1が第一インバータ10及び第二インバータ20とは別の装置である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第一インバータ10は、上述した取得部101と同様の機能を有する取得部と、第一単位慣性定数を減少させる処理及び第一ダンピング係数を減少させる処理の少なくとも一方を実行し、又は第一単位慣性定数を増加させる処理及び第一ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一方を実行する制御部とを備えていてもよい。同様に、第二インバータ20は、上述した取得部101と同様の機能を有する取得部と、第二単位慣性定数を増加させる処理及び第二ダンピング係数を増加させる処理の少なくとも一方を実行し、又は第二単位慣性定数を減少させる処理及び第二ダンピング減少を増加させる処理の少なくとも一方を実行する制御部とを備えていてもよい。
また、上述した第一実施形態及び第二実施形態では、取得部101が第一目標電力と第一出力電力との差が所定の閾値を超えていたことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得する場合を例に挙げたが、これに限定されない。
例えば、取得部101は、電力系統Eから電力の供給を受けている負荷L1、…、負荷Lnの少なくとも一つの大きさの合計の変化量が所定の閾値を超えていたことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得してもよい。
或いは、取得部101は、第一出力電力が所定の閾値未満であったことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得してもよい。
或いは、取得部101は、第二出力電力が所定の閾値未満であったことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得してもよい。
或いは、取得部101は、第一出力電力の電圧が所定の閾値未満であったことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得してもよい。
或いは、取得部101は、第二出力電力の電圧が所定の閾値未満であったことを根拠として電力系統Eにおいて事故が発生したと判定されたことを示す判定結果データを取得してもよい。
以上、本発明の第一実施形態及び第二実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、インバータ制御装置1は、第一実施形態及び第二実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ又は設計変更を加えることができる。