JP2024060953A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力系統に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能な電源装置を提供する。【解決手段】回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統との間で電力を入出力する電源装置であって、前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部と、前記電力系統が正常である場合に、前記電力系統に入出力する目標となる第1電力と、前記電力系統に実際に入出力される第2電力との差に基づいて、前記差を小さくする指令周波数を出力し、前記電力系統に事故が発生した場合に、前記差に関わらず所定の前記指令周波数を出力する指令周波数出力部と、前記指令周波数に基づいて、前記出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、前記制御信号に基づいて生成された前記出力電圧を、前記電力系統に出力する駆動部とを備える、電源装置。【選択図】図6

Description

本発明は、電源装置に関する。
同期発電機は、回転体が有する慣性により、電力系統の周波数の維持に貢献する。近年、インバータの出力を制御することにより、同期発電機を模擬する擬似同期発電機が知られている(例えば、特許文献1)。
特許第7023430号
ところで、電力系統に事故が発生して電力系統の電圧が降下した状態の期間は、一般的に擬似同期発電機が入出力することが可能な電力の絶対値が低下する。これに起因して、擬似同期発電機の出力電圧の周波数が、電力系統の周波数に関わらず上昇し始める場合がある。
そうすると、電力系統の電圧の位相と、擬似同期発電機の出力電圧の位相とが乖離し始める。そして、これらの位相差が特に180度以上となると、擬似同期発電機は、電力系統と同期した状態に自力で復旧することが不可能な状態、つまり脱調に陥る場合がある。
特許文献1に記載された擬似同期発電機においては、このような脱調を防止するための対策は開示されていない。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、電力系統に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能な電源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一の発明は、回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統との間で電力を入出力する電源装置であって、前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部と、前記電力系統が正常である場合に、前記電力系統に入出力する目標となる第1電力と、前記電力系統に実際に入出力される第2電力との差に基づいて、前記差を小さくする指令周波数を出力し、前記電力系統に事故が発生した場合に、前記差に関わらず所定の前記指令周波数を出力する指令周波数出力部と、前記指令周波数に基づいて、前記出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、前記制御信号に基づいて生成された前記出力電圧を、前記電力系統に出力する駆動部とを備える、電源装置である。
また、回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統との間で電力を入出力する電源装置であって、前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部と、前記電力系統に入出力する目標となる第1電力と、前記電力系統に実際に入出力される第2電力と、前記回転体を模擬するための慣性定数と、に基づいて、前記第1電力及び前記第2電力の差を小さくする指令周波数を出力する指令周波数出力部と、前記指令周波数に基づいて、前記出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、前記制御信号に基づいて生成された前記出力電圧を、前記電力系統に出力する駆動部とを備え、指令周波数出力部は、前記電力系統に事故が発生した場合に、前記指令周波数の変化を抑えるように前記第1電力及び前記慣性定数の少なくとも一方を制御する、電源装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、電力系統に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能な電源装置を提供することができる。
電源装置2が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。 電力系統1に設けられた電源装置2の機能ブロックの一例を説明する図である。 電源装置2の模擬部21を説明する図である。 電源装置2における脱調について説明する図である。 電源装置が電力系統に連系されていると想定した数値シミュレーション結果を示す図である。 電源装置3の模擬部31を説明する図である。 電源装置3の出力部312が出力する値Δを説明する図である。 電源装置3が電力系統に連系されていると想定した数値シミュレーション結果を示す図である。 電源装置4の模擬部41を説明する図である。 慣性定数Mの推移を説明する図である。 電源装置5の模擬部51を説明する図である。 電源装置5の制限部511が出力する値を説明する図である。 電源装置6の模擬部61を説明する図である。
==第1実施形態==
<<電源装置>>
図1は、一般的な電源装置2が設けられた電力系統1の一例を説明する図である。電源装置2は、回転体を有する同期発電機を模擬する所謂擬似同期発電機である。
電源装置2は、出力電圧Vabcの周波数を制御することによって電力系統1との間で電力Poutを入出力する装置である。
ここで、出力電圧Vabcは、三相交流における各相の相電圧V、V及びVをまとめて表記したものである。
また、電力Poutは、電力系統1に実際に入出力される電力であり、正の場合が電源装置2から電力系統1へ出力される電力であり、負の場合が電力系統1から電源装置2に入力される電力である。
電源装置2は、制御装置20と、駆動部24とを備える。以下では、先ず、制御装置20のハードウェア構成について説明し、次いで、電源装置2の機能ブロックについて説明する。
<制御装置20のハードウェア構成>
制御装置20は、DSP(Digital Signal Processor)200と、記憶装置201とを備える(図1)。
[DSP200]
DSP200は、記憶装置201に記憶された所定のプログラムを実行することにより、制御装置20が有する様々な機能を実現する。
[記憶装置201]
記憶装置201は、DSP200によって実行又は処理される各種データを格納する非一時的な(例えば不揮発性の)記憶装置を含む。
記憶装置201は、更に、例えばRAM(Random-Access Memory)等を有し、様々なプログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
<電源装置2の機能ブロック>
図2は、電力系統1に設けられた電源装置の機能ブロックの一例を説明する図である。
なお、以下では先ず、電源装置2の機能ブロックについて説明する。図中の電源装置2の括弧内の符号については別途説明する。
DSP200が所定のプログラムを実行した結果、制御装置20には、模擬部21と、瞬時電圧制御部22と、PWMパルス生成部23とが実現される。これによって、電源装置2は、模擬部21と、瞬時電圧制御部22と、PWMパルス生成部23と、駆動部24とを備える。以下、それぞれについて説明する。
なお、図面に示したブロックに同じ符号が付されている場合、それらのブロックは同一である。
[模擬部21]
模擬部21は、同期発電機を模擬することにより、電力系統1に出力される出力電圧Vabcの位相の指令値である位相θを計算する。
具体的には、模擬部21は、連系点1a(図2)において計測された出力電圧Vabcと、連系点1aにおいて計測された出力電流Iabcとを入力として、出力電圧Vabcの指令値である位相θを出力する。
以下の説明では、模擬部21が模擬する同期発電機が有する回転体の慣性定数をMとする。慣性定数Mは、外力に対する回転体の応答しにくさを模擬するためのパラメータである。つまり、回転体は、慣性定数Mが大きいほど所定の軸の回りの回転速度が変化しにくく、加速や減速がしにくい。なお、慣性定数Mは、慣性モーメントに相当するパラメータである。
図3は、電源装置2の模擬部21を説明する図である。模擬部21は、計測部210と、指令周波数出力部211と、積分器215とを有する。以下、模擬部21のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明する。
[計測部210]
計測部210は、連系点1aにおいて計測された出力電圧Vabc及び出力電流Iabcを乗算することにより、電力Poutを得る。
[[指令周波数出力部211]]
指令周波数出力部211は、電力Pin と、電力Poutとの差に基づいて、これらの差(Pin -Pout)を小さくする指令周波数を出力する。電力Pin は、電力系統1に入出力する目標となる電力である。電力Pin は、電源装置2の利用者等によって予め定められた電力の値であって記憶装置201に格納されていても良く、または、上位の指令装置から通信等によって与えられても良い。
なお、上述の「差(Pin -Pout)を小さくする指令周波数」とは、後述する事故等によって差(Pin -Pout)が変動した後に、この差が0(零)となる定常状態に収束させるための指令周波数であればよい。
従って、指令周波数出力部211は、差(Pin -Pout)が変動した直後等の過渡的な期間においては、差(Pin -Pout)が大きくなる指令周波数を出力することもあり得る。
指令周波数出力部211は、減算部212と、積分器213と、加算部214とを有する。以下、それぞれについて説明する。
[減算部212]
減算部212は、Pin から電力Poutを減算する処理を実行し、積分器213に出力する。
[積分器213]
積分器213は、減算部212からの入力である減算結果(Pin -Pout)を慣性定数Mで除した値に対し、所定期間に亘って時間積分する処理を実行する。
積分器213は、この演算によって得られた値Δωを、加算部214に出力する。Δωは、Δωが0(零)の周辺で線形近似した場合に、積分器213が時間積分をする所定期間に回転体に蓄積されたエネルギーを慣性定数Mで除した値に相当する値である。
[加算部214]
加算部214は、積分器213の出力であるΔωと、所定の周波数ωとを加算する処理を実行する。これによって、電力系統1に出力される出力電圧Vabcに対する指令周波数ωout(=ω+Δω)を出力する。指令周波数ωoutは、減算部212の減算結果(Pin -Pout)を小さくする値である。
ここで、所定の周波数ωは、本実施形態では電力系統1の定格周波数とする。なお、これに限られず、周波数ωは、電力系統1の定格周波数に近い値であればよい。他の例としては、電力系統1の正常時の所定期間の周波数ωの平均値等としてもよい。
このように、初期値である周波数ωを設定しておくことにより、積分器213の演算処理における時間積分の期間を短縮することができるため、インバータ装置の起動後,系統に連系する際に,系統周波数と指令周波数の差を小さくし,連系時に発生する電力動揺を小さくすることができる。
[積分器215]
積分器215は、加算部214からの入力である指令周波数ωoutに対し、時間積分する演算を実行する。この演算によって、積分器215は、駆動部24から出力される出力電力Vabcの位相の指令値である位相θを出力する。
[瞬時電圧制御部22]
図2の瞬時電圧制御部22は、積分器215からの入力である位相θと、出力電圧Vabcの振幅の指令値に基づいて、PWM制御における基本波としての正弦波状の信号Vabc を生成する。正弦波状の信号号Vabc は、PWMパルス生成部23に出力される。
[PWMパルス生成部23]
PWMパルス生成部23は、例えば三角波で実現される搬送波と、瞬時電圧制御部22からの入力である基本波としての正弦波との交点を検出する。これによって、PWMパルス生成部23は、PWMパルスのデューティ比を決定し、決定したデューティ比を有するPWMパルスVPWMを生成する。
PWMパルスVPWMは、駆動部24に出力され、駆動部24のインバータ回路が駆動される。なお、PWMパルスVPWMは、「制御信号」の一例である。
[駆動部24]
駆動部24は、直流電源240と、複数のスイッチング素子を含むインバータ回路(図示せず)とを有する。インバータ回路は、直流電源240からの直流電圧を交流電圧に変換し、電力系統1に出力電圧Vabcとして出力する。このとき、インバータ回路は、PWMパルス生成部23からの出力であるPWMパルスに基づいて生成された出力電圧Vabcを出力する。
なお、積分器215と、瞬時電圧制御部22と、PWMパルス生成部23とは、「生成部」に相当する。つまり、「生成部」は、指令周波数ωoutに基づいて、出力電圧Vabcを制御するための制御信号を生成する。
以上、電源装置2の構成について説明した。次いで、電源装置2において生じ得る脱調について説明する。図4は、電源装置2における脱調について説明する図である。
図4の(A)~(D)において、横軸は時刻tである。これらの図において、時刻tより前の期間は電力系統が正常な期間である。そして、時刻tにおいて電力系統に地絡事故等の事故が発生し、時刻tにおいて事故が除去されている。そして、時刻t以後は正常な期間である。
図4(A)は、一般的な電源装置の出力電圧Vabcの二乗平均平方根である電圧Vrmsの推移を示している。(B)は、一般的な電源装置によって電力系統に実際に入出力される電力Poutの推移を示している。(C)は、指令周波数ωoutの推移を示している。(D)は、電力系統の周波数ωの推移を示している。
なお、この例では電源装置2は電圧Vrmsを計算するブロックを有しないが、出力電圧Vabcから次式の定義から電圧Vrmsを別途計算することができる。
電圧Vrmsは、次式で定義される。
Figure 2024060953000002
ここで、右辺のV、V及びVは、三相交流における各相の相電圧の瞬時値である。
図4(A)に示すように、事故が発生してから除去されるまでの期間(時刻tから時刻tまでの期間)において、正常な期間(時刻tより前及び時刻tより後の期間)に比べて、電圧Vrmsが降下している。
これに伴い、図4(B)に示すように、事故が発生してから除去されるまでの期間において、電力系統に実際に入出力される電力Poutは小さく推移している。これは、出力電圧Vabcが降下したことに伴い、出力電圧Vabcと出力電流Iabcとの積である電力Poutも降下するためである。
図4(C)及び(D)に示すように、事故が発生する前は、出力電圧Vabcの周波数ωoutは電力系統の周波数ωに同期した状態であり、両者の値はほぼ等しい。
事故が発生すると、出力電圧Vabcの周波数ωoutは上昇を始める(図4(C))。これは、詳細は後述するが、(B)に示したように電力Poutが小さく推移しているため、電力系統に入出力する目標となる電力Pin と、電力Poutとが乖離することによる。一方、電力系統の周波数ωは、事故が発生してもほぼ一定に推移している(図4(D))。
このように、電力系統に事故が発生すると、出力電圧Vabcの周波数ωoutは、電力系統の周波数ωから乖離していく。これにより、電力系統と出力電圧Vabcの位相差が拡大し、この位相差が180°を超えると、電力系統と同期した状態が崩れる、所謂同期外れ(脱調)の状態に至る。
ひとたび脱調すると、事故が除去された後も、同期状態に戻ること一般には難しく、出力電圧Vabcの周波数ωoutは上昇を続けることになる(図4(C))。一方、電力系統の周波数ωは、事故が除去された後もほぼ一定に推移している(図4(D))。
<<数値シミュレーション結果>>
電源装置2が電力系統に連系している場合を想定した数値シミュレーションを行った。電源装置2が連系された電力系統に事故が発生した場合を想定し、電源装置2の挙動を調べた。図5は、電源装置2を想定した数値シミュレーション結果を示す図である。
図5の(A)~(D)において、横軸は時間tである。これらの図において、t=10.00[sec]より前の期間は電力系統が正常な期間である。そして、時間t=10.00[sec]において電力系統に事故が発生し、時間t=10.30[sec]において事故が除去されている。そして、時間t=10.30[sec]以後は正常な期間である。
図5の(A)は、出力電圧Vabcの二乗平均平方根である電圧Vrmsの推移の計算結果を示している。(B)は、出力電圧Vabcに対する指令周波数ωoutの推移の計算結果を示している。(C)は、出力電圧Vabcの位相と、電力系統の位相との位相差Δθの推移の計算結果を示している。(D)は、電力系統に実際に入出力される電力Poutの推移の計算結果を示している。
図5の(A)に示すように、事故が発生してから除去されるまでの期間において、電圧Vrmsはほぼ0(零)に降下している。
以下、事故が発生する前の期間、事故が発生してから除去されるまでの期間及び事故が除去されてからの期間に分けて説明する。
・事故が発生する前の期間
図5の(A)~(D)に示すように、事故が発生する前の期間は、出力電圧Vabc、指令周波数ωout、位相差Δθ及び電力Poutは、ほぼ一定値で推移している。
・事故が発生してから除去されるまでの期間
事故が発生すると、周波数ωoutは上昇を始める(図5(B))。これは、事故が発生すると、電力Poutが著しく低下し、減算部212の減算結果である差(Pin -Pout)が大きく変動することによる。
そうすると、積分器213による積分値(Δω)が増加し、ひいては周波数ωoutが増加する。
また、事故が発生すると、位相差Δθは上昇を始める(図5(C))。これは、周波数ωoutが電力系統の周波数と乖離し始めるため、これらの差を時間で積分した値である位相差Δθは時間の経過と共に増大するためである。
また、事故が発生すると、電力Poutはほぼ0(零)に降下する(図5(D))。これは、図5(A)に示したように、電圧Vrmsがほぼ0(零)に降下する(つまり、電圧Vabcもほぼ0(零)に降下する)ことに伴うものである。
・事故が除去されてからの期間
次いで、事故が除去されると、電圧Vrmsは事故が発生する前の値に回復する(図5(A))。
また、事故が除去されると、周波数ωoutは更に変動する。そして、周波数ωoutは、事故が発生する前の周波数よりも高い周波数の値を中心とする周期的な振動を伴って推移する(図5(B))。
つまり、電源装置2は、事故が除去されても、事故が発生する前の電力系統と同期した状態に戻らず、脱調の状態に陥っている。
また、事故が除去されると、一般的な電源装置の位相差Δθは更に上昇を続ける(図5(C))。これは、事故が除去されても、周波数ωoutと電力系統の周波数とが乖離している(図5(B))ことによる。
また、事故が除去されると、電力Poutは周期的な変動を伴って推移する(図5(D))。このとき、電力Poutが、事故が発生する前の値に回復する兆候を確認することはできない。
以上、数値シミュレーションの結果から、電源装置2は、電力系統に事故が生じた場合に脱調が生じ得ることが確認された。
<<電源装置3>>
次いで、本実施形態の電源装置3について説明する。図6は、本実施形態の電源装置3の模擬部31を説明する図である。電源装置3は、電源装置2(図2)と比べると、模擬部31の構成のみが異なっている。
模擬部31は、計測部210と、判定部310と、指令周波数出力部311と、積分器215とを有する。
以下、模擬部31のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、計測部210と、積分器215との構成については電源装置2と共通であるため説明を省略し、判定部310と、指令周波数出力部311とについて説明する。
[判定部310]
判定部310は、計測部210によって計測された出力電圧Vabcに基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定し、判定結果に応じて出力部312を制御する(後述)。
本実施形態では、判定部310は、電力系統1の電圧の二乗平均平方根である電圧Vrmsの変動に基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する。
電力系統1に事故が発生すると、電圧Vabcが降下することに伴い、電圧Vrmsも降下する。従って、電圧Vrmsの変動は、事故の度合いを示す指標であるといえる。
例えば、地絡事故が発生すると、送電線と大地との抵抗が減少する。そうすると、電圧Vabcに降下が発生する。これに伴い、電圧Vrmsも降下する。地絡事故の度合いが大きいほど、送電線と接地との抵抗は大きく減少し、電圧Vrmsも大きく降下する。
判定部310による判定の手段は特に限定されない。本実施形態の判定部310は、現在時刻の電圧Vrmsが、現在時刻以前の所定期間における電圧Vrmsの平均値から所定の閾値を超えて乖離した場合に、事故が発生したと判定することとする。
[[指令周波数出力部311]]
指令周波数出力部311は、電力系統1が正常である場合には、電力Pin (「第1電力」に相当)と、電力Pout(「第2電力」に相当)との差に基づいて、これらの差(Pin -Pout)を小さくする指令周波数を出力する。
指令周波数出力部311は、電力系統1に事故が発生した場合には、電力Pin と電力Poutとの差に関わらず所定の指令周波数を出力する。
このとき、指令周波数出力部311は、事故が除去された際の電力系統1の周波数と、指令周波数との差が小さくなるよう、所定の指令周波数を出力する。
つまり、このとき、指令周波数出力部311は、電力系統1の周波数と、指令周波数ωoutとが著しく乖離しないよう、所定の指令周波数を出力する。
指令周波数出力部311は、減算部212と、出力部312と、積分器213と、加算部214とを有する。以下、指令周波数出力部311のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、減算部212と、積分器213と、加算部214との構成については電源装置2と同じであるため説明を省略し、出力部312について説明する。
[出力部312]
出力部312は、判定部310の判定結果に基づいて、値Δを出力する。出力部312は、入力312a,入力bと、切替部312cとを有する。
入力312aは、減算部212の出力に接続されている。従って、入力312aには減算部212の減算結果(Pin -Pout)が入力される。
入力312bは、所定の値が入力される端子である。ここで、「所定の値」とは、絶対値が0(零)に近いほど好ましい。「所定の値」は、0(零)(又は実質的に0(零))であることが最も好ましい。その理由については、後述する数値シミュレーション結果と共に説明する。本実施形態では、入力312bには、0(零)が入力される。
切替部312cは、判定部310によって制御される。切替部312cは、正常時には入力312aに接続されている。判定部310は、事故が発生したと判定すると切替部312cを入力312bに切り替える。また、判定部310は、事故が除去されたと判定すると切替部312cを入力312aに切り替える。
出力部312が出力する値Δについて、図7を用いて説明する。図7は、出力部312が出力する値Δを説明する図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は出力部312が出力する値Δである。
この図において、時刻tより前の期間は電力系統1が正常な期間である。そして、時刻tにおいて電力系統1に事故が発生し、時刻tに事故が除去されている。そして、時刻t以後は正常な期間である。
電力系統1が正常である場合(時刻tより前及び時刻t以後の期間)には、切替部312cは入力312aに接続されている。従って、出力部312は、図7に示すように減算部212の減算結果(Pin -Pout)を値Δとして積分器213に出力する。
一方、電力系統1に事故が発生した場合(時刻t以後であって時刻tより前の期間)には、切替部312cは入力312bに切り替えられる。従って、出力部312は、図7に示すように値Δとして0(零)を積分器213に出力する。
以上説明した電源装置3の構成によれば、電力系統に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能となる。
<<数値シミュレーション結果>>
電源装置3が電力系統に連系されていると想定した数値シミュレーションを行った。電源装置3が連系された電力系統に事故が発生した場合を想定し、電源装置3の挙動を調べた。図8は、電源装置3を想定した数値シミュレーション結果を示す図である。
図8の(A)~(D)において、横軸と縦軸は、電源装置2についての数値シミュレーション結果を示す図5と同様である。つまり、これらの図において、t=10.00[sec]より前の期間は電力系統が正常な期間である。そして、時間t=10.00[sec]において電力系統に事故が発生し、時間t=10.30[sec]において事故が除去されている。そして、時間t=10.30[sec]以後は正常な期間である。
以下、事故が発生する前の期間、事故が発生してから除去されるまでの期間及び事故が除去されてからの期間に分けて説明する。
・事故が発生する前の期間
図8の(A)~(D)に示すように、事故が発生する前の期間は、出力電圧Vabc、指令周波数ωout、位相差Δθ及び電力Poutは、ほぼ一定値で推移している。
・事故が発生してから除去されるまでの期間
周波数ωoutは、事故が発生する前とほぼ同様の周波数で一定に推移している(図8(B))。これは、事故が発生した場合には出力部312の出力である値Δが0(零)となることによる。
出力部312の出力が0(零)である期間は、積分器213による積分値への寄与が0(零)となる。そのため、加算部214の出力である周波数ωoutは、事故が発生する直前の値を維持する。従って、周波数ωoutは、事故が発生しても、電力系統の周波数とほぼ同様の値で推移する。
また、電源装置3において位相差Δθは、事故が発生する前と同様の位相差で一定に推移している。これは、前述のように、周波数ωoutが電力系統の周波数とほぼ同様の値で推移するため、これらの差はほぼ0(零)維持することによる。そうすると、これらの差を時間で積分した値である位相差Δθはほぼ0(零)で推移する。
また、事故が発生すると、電力Poutはほぼ0(零)に降下する(図8(D))。これは、図8(A)に示したように、電圧Vrmsがほぼ0(零)に降下する(つまり、電圧Vabcもほぼ0(零)に降下する)ことに伴うものである。
・事故が除去されてからの期間
次いで、事故が除去されると、電圧Vrmsは事故が発生する前の値に回復する(図8(A))。
周波数ωoutは、事故が発生する前と同様の周波数で一定に推移している。つまり、電源装置3は、事故が除去された後も、事故が発生する前の電力系統とほぼ同じ同期した状態に戻っている(図8(B))。これは、前述のように、周波数ωoutは、事故が発生してからも電力系統の周波数とほぼ同様の値で推移していたことによる。
位相差Δθは、事故が発生する前と同様の位相差で一定に推移している。これは、事故が発生してから除去されるまでの期間において、指令周波数ωoutが電力系統の定格周波数に維持されていたため(図8(B))、この期間に両者の位相がほぼ等しく推移していたことによる。すなわち,系統電圧と電源装置3の同期した状態が維持されている。
電力Poutは、事故が除去された直後に著しい変動を示している(図8(D))。しかし、時間の経過に伴い、電力Poutは、減衰振動を伴いながら事故が発生する前の値に徐々に回復している。
以上、数値シミュレーションの結果から、電源装置3は、電力系統に事故が生じた場合に脱調を防止することが可能であることが確認された。
==第2実施形態==
本実施形態の電源装置4について説明する。電源装置4は、電源装置2(図2)と比べると、模擬部41の構成のみが異なっている。
図9は、本実施形態の模擬部41を説明する図である。模擬部41は、計測部210と、判定部410と、指令周波数出力部411と、積分器215とを有する。
以下、模擬部31のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、計測部210と、積分器215とについては第1実施形態と共通であるため説明を省略する。
[判定部410]
判定部410は、出力電圧Vabcに基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定し、判定結果を後述する変更部412に出力する。
本実施形態においても第1実施形態の判定部310と同様に、判定部410は、電力系統1の電圧の二乗平均平方根である電圧Vrmsの変動に基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する。
[[指令周波数出力部411]]
指令周波数出力部411は、電力Pin と、電力Poutと、慣性定数Mと、に基づいて、電力Pin 及び電力Poutの差を小さくする指令周波数を出力する。
指令周波数出力部411は、電力系統1に事故が発生した場合に、指令周波数の変化を抑えるように慣性定数Mを制御する。
指令周波数出力部411は、減算部212と、変更部412と、積分器213と、加算部214とを有する。以下、指令周波数出力部411のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、減算部212と、積分器213と、加算部214との構成については電源装置2と共通であるため説明を省略し、変更部412について説明する。
[変更部412]
変更部412は、電力系統1に事故が発生した場合に、積分器213の処理で用いられる慣性定数Mを電力系統1が正常の場合よりも大きくなるように変更する。変更部412の処理に伴う慣性定数Mの推移について、図10を用いて説明する。
図10は、慣性定数Mの推移を説明する図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は慣性定数Mの値である。
この図において、時刻tより前の期間は電力系統1が正常な期間である。そして、時刻tにおいて電力系統1に事故が発生し、時刻tに事故が除去されている。そして、時刻t以後は正常な期間である。
電力系統1が正常である場合(時刻tより前及び時刻t以後の期間)には、慣性定数Mの値は、初期設定値Mである。初期設定値Mは、例えば、同期発電機が有する回転体の慣性モーメントに相当する値である。
電力系統1に事故が発生した場合(時刻t以後であって時刻tより前の期間)には、変更部412は、慣性定数Mの値を初期設定値Mよりも大きな値Mに変更する。そして、事故が除去された場合、変更部412は、慣性定数Mの値を初期設定値Mに戻す。
ここで、Mは、Mに比べて大きいほど好ましい。Mは、数値計算上不安定な結果が出力されない範囲において、可能な限り大きく設定されることが好ましい。
このようにすることで、慣性定数Mの値がMである期間は、積分器213による積分値への寄与が小さくなる。特に、Mが実質的に無限大であると、積分器213による積分値への寄与は実質的に0(零)になる。
そのため、加算部214の出力である周波数ωoutは、事故が発生しても著しく上昇したり低下したりすることがない。特に、Mが実質的に無限大であると、周波数ωoutは事故が生じる直前の値を維持する。
第1実施形態の数値シミュレーションの説明で述べたように、事故が発生して指令周波数ωoutが著しく上昇したり低下したりすると脱調に陥りやすい。しかし、本実施形態のように慣性定数Mの値を変更することにより、脱調を防止することができる。
なお、上述の積分器213と、加算部214とはまとめて、「第2出力部」に相当する。「第2出力部」は、減算部212の減算結果と、慣性定数Mとに基づいて、減算部212の減算結果に応じた指令周波数ωoutを出力する。
以上説明した本実施形態の電源装置4であっても、電力系統1に事故が発生した場合に、脱調を防止することが可能となる。
==第3実施形態==
本実施形態の電源装置5について説明する。電源装置5は、電源装置2と比べると、模擬部51の構成のみが異なっている。
図11は、本実施形態の模擬部51を説明する図である。模擬部51は、計測部210と、判定部510と、指令周波数出力部511と、積分器215とを有する。
以下、模擬部51のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、計測部210と、積分器215とについては第1実施形態と共通であるため説明を省略する。
[判定部510]
判定部510は、出力電圧Vabcに基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定し、判定結果を後述する制限部512に出力する。
本実施形態においても第1実施形態の判定部310と同様に、判定部510は、電力系統1の電圧の二乗平均平方根である電圧Vrmsの変動に基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する。
[[指令周波数出力部511]]
指令周波数出力部511は、電力Pin と、電力Poutと、慣性定数Mと、に基づいて、電力Pin 及び電力Poutの差を小さくする指令周波数ωoutを出力する。
また、指令周波数出力部511は、電力系統1に事故が発生した場合に、指令周波数ωoutの変化を抑えるように電力Pin を制御する。
指令周波数出力部511は、減算部212と、制限部512と、積分器213と、加算部214とを有する。以下、指令周波数出力部511のそれぞれの構成要素が実行する処理について説明するが、減算部212と、積分器213と、加算部214との構成については電源装置2と共通であるため説明を省略し、制限部512について説明する。
[制限部512]
制限部512は、電力Pin と、判定部510からのVrmsとを入力とする。制限部512は、電力系統1が正常である場合に電力Pin を減算部212に出力し、電力系統1に事故が発生した場合に電力Pin を事故の度合いに応じて小さく制限した電力Pin を減算部212に出力する。制限部512が出力する値について、図12を用いて説明する。
図12は、制限部512が出力する値を説明する図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は制限部512が出力する値である。
この図において、時刻tより前の期間は電力系統1が正常な期間である。そして、時刻tにおいて電力系統1に事故が発生し、時刻tに事故が除去されている。そして、時刻t以後は正常な期間である。
電力系統1が正常である場合(時刻tより前及び時刻t以後の期間)には、制限部512は、入力された電力Pin をそのまま出力する。
一方、電力系統1に事故が発生した場合(時刻t以後であって時刻tより前の期間)には、制限部512は、入力された電力Pin を小さく制限した電力Pin を出力する。
第1実施形態で述べたように、電圧Vrmsの変動は、事故の度合いを示す指標であるといえる。電力系統1に事故が発生した場合に、制限部512が電力Pin を制限する度合いは、電圧Vrmsの変動が大きいほど大きくする。
制限部512が電力Pin を制限する度合いの一例を説明する。
前述のように、判定部510は、第1実施形態の判定部310と同様に、現在時刻の電圧Vrmsが、現在時刻以前の所定期間における電圧Vrmsの平均値から所定の閾値を超えて乖離した場合に、事故が発生したと判定することとした。
本実施形態では、ここでの閾値が、電圧Vrmsの平均値の50%である場合を例示して説明する。つまり、判定部510は、電圧Vrmsが平均値の50%未満となった場合に、事故が発生したと判定する。
なお、図12(A)において、縦軸の電圧Vrmsは、電圧Vrmsの平均値の100%を1として単位化されている。
以上の前提に基づき、電圧Vrmsが、例えば、平均値から90%の値に低下した場合、判定部510は、事故が発生したと判定しない。この場合、制限部512は、入力された電力Pin をそのまま出力する。
一方、電圧Vrmsが、例えば、平均値から10%の値に低下した場合、判定部510は、事故が発生したと判定する。この場合、制限部512は、入力された電力Pin の10%の値を、制限された電力Pin として出力する。
以上のように、電力Pin の値を制限すると、減算部212の出力である制限された電力Pin と電力Poutとの差は、制限されていない電力Pin と電力Poutとの差よりも小さくなる。
そうすると、積分器213の演算結果であるΔωは、電力Pin が制限されていない場合に比べて小さくなる。そして、指令周波数ωoutは、電力Pin が制限されていない場合に比べて電力系統の周波数との乖離が小さくなる。
これによって、電力系統1に事故が発生した場合に、指令周波数ωoutの著しい上昇や低下を抑制することができ、ひいては脱調を防止することができる。
なお、上述の積分器213と、加算部214とはまとめて、「第1出力部」に相当する。「第1出力部」は、制限部512から出力された電力Pin 及び電力Poutの差に基づいて、差(Pin -Pout)を小さくする指令周波数を出力する。
以上説明した本実施形態の電源装置5であっても、電力系統1に事故が発生した場合に、脱調を防止することが可能となる。
なお、本実施形態の電源装置5の態様に限られず、電源装置5に対して、第2実施形態の判定部410と、変更部412とを更に備えたものとしてもよい。このような構成であれば、電力系統1に事故が発生した場合に、更に効果的に脱調を防止することが可能となる。
==第4実施形態==
図13は、本実施形態の模擬部61を説明する図である。模擬部61は、計測部210と、指令周波数出力部611と、積分器215とを有する。電源装置6は、第1実施形態の電源装置3(図6)と比べると、指令周波数出力部611の構成のみが異なっている。
指令周波数出力部611は、第1実施形態の電源装置3の指令周波数出力部311(図6)と比べると、減算部612と、乗算器613とを更に備える点で異なっている。
以下、指令周波数出力部611の減算部612及び乗算器613の構成について説明する。これらの以外の構成について、は第1実施形態と共通であるため詳細な説明は省略する。
[減算部612]
減算部612は、出力部312の出力であるΔから、乗算器613の出力(詳細は後述)を減算する処理を実行し、積分器213に出力する。
[乗算器613]
乗算器613は、積分器213の出力であるΔωに対し、制動定数Dを乗じる演算を実行し、減算部612に出力する。
制動定数Dは、模擬部61が模擬する同期発電機が有する回転体の回転速度に、振動や回転周波数ωとの偏差が含まれる場合に、それらの減衰の効果を示すパラメータである。つまり、制動定数Dが大きいほど、回転体の回転周波数はωに収束しやすい。
このように、第1実施形態の電源装置3の指令周波数出力部311に対し、減算部612と、乗算器613とを更に備えることにより、同期発電機が有する回転体の回転の振動の減衰の効果を含めることができる。
以上説明した本実施形態の電源装置6であっても、電力系統1に事故が発生した場合に、脱調を防止することが可能となる。
==まとめ==
以上、上記第1実施形態の電源装置3は、回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統1との間で電力を入出力する電源装置であって、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する判定部310と、電力系統1が正常である場合に、電力系統1に入出力する目標となる第1電力と、電力系統1に実際に入出力される第2電力との差に基づいて、当該差を小さくする指令周波数を出力し、電力系統1に事故が発生した場合に、当該差に関わらず所定の指令周波数を出力する指令周波数出力部311と、指令周波数に基づいて、出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、制御信号に基づいて生成された出力電圧を、電力系統に出力する駆動部24とを備える。
このような構成によれば、事故が発生してから除去されるまでの期間において、指令周波数出力部311が出力する周波数を著しく低下させることがない。そのため、事故が除去された時点において、出力電圧Vabcの位相の指令値が、電力系統の位相に対して著しく乖離することがない。従って、電力系統1に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能となる。
また、第1実施形態の電源装置3において、指令周波数出力部311は、事故が発生した場合に、事故が除去された際の電力系統1の周波数と、指令周波数との差が小さくなるよう、事故発生から事故が除去されるまでの間所定の指令周波数を出力する。このような構成によれば、事故が発生してから除去されるまでの期間において、指令周波数を電力系統の周波数に近い値に維持することができる。そのため、事故が除去されてから、出力電圧Vabcの位相の指令値が、電力系統1の位相に近い値で推移する。従って、電力系統1に事故等が発生したことによる脱調を更に効果的に防止することが可能となる。
また、第1実施形態の電源装置3において、指令周波数出力部311は、第1電力から第2電力を減算する減算部と、電力系統1が正常である場合に、減算部の減算結果と、回転体を模擬するための慣性定数とに基づいて、減算結果に応じた指令周波数を出力し、電力系統1に事故が発生した場合に、所定の指令周波数を出力する出力部と、を有する。このような構成によれば、容易な計算によって指令周波数を出力することができる。
第2及び第3実施形態の電源装置4,5は、回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統1との間で電力を入出力する電源装置であって、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する判定部410,510と、電力系統1に入出力する目標となる第1電力と、電力系統に実際に入出力される第2電力と、回転体を模擬するための慣性定数と、に基づいて、第1電力及び第2電力の差を小さくする指令周波数を出力する指令周波数出力部411,511と、指令周波数に基づいて、出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、制御信号に基づいて生成された出力電圧を、電力系統1に出力する駆動部24とを備え、指令周波数出力部411,511は、電力系統1に事故が発生した場合に、指令周波数の変化を抑えるように第1電力及び慣性定数の少なくとも一方を制御する。
このような構成によれば、事故が発生してから除去されるまでの期間において、指令周波数出力部411,511が出力する周波数を著しく上昇または低下させることがない。そのため、事故が除去された時点において、出力電圧Vabcの位相の指令値が、電力系統1の位相に対して著しく乖離することがない。従って、電力系統1に事故等が発生したことによる脱調を防止することが可能となる。
第3実施形態の電源装置5において、指令周波数出力部511は、電力系統1が正常である場合に第1電力を出力し、電力系統1に事故が発生した場合に第1電力を事故の度合いに応じて小さく制限した第1電力を出力する制限部512と、制限部512から出力された第1電力及び第2電力の差に基づいて、差を小さくする指令周波数を出力する第1出力部と、を有する。このような構成によれば、容易な計算によって指令周波数を出力することができる。
第2実施形態の電源装置4において、指令周波数出力部411は、第1電力から第2電力を減算する減算部と、減算部の減算結果と、慣性定数とに基づいて、減算結果を小さくする指令周波数を出力する第2出力部と、電力系統1に事故が発生した場合に、慣性定数を電力系統が正常の場合よりも大きくなるように変更する変更部412と、を有する。このような構成によれば、容易な計算によって指令周波数を出力することができる。
第1~第4実施形態の電源装置3,4,5,6において、判定部310,410,510は、電力系統1の電圧の二乗平均平方根の変動に基づいて、電力系統1に事故が発生したか否かを判定する。このような構成によれば、電力系統1に事故が発生したか否かの判断の精度が向上する。
電力系統 1
電源装置 2
電源装置 3
電源装置 4
電源装置 5
制御装置 20
DSP 200
記憶装置 201
模擬部 21
計測部 210
指令周波数出力部 211
減算部 212
積分器 213
加算部 214
積分器 215
瞬時電圧制御部 22
PWMパルス生成部 23
駆動部 24
直流電源 240
模擬部 31
判定部 310
指令周波数出力部 311
出力部 312
入力 312a
入力 312b
切替部 312c
電源装置 4
模擬部 41
判定部 410
指令周波数出力部 411
変更部 412
電源装置 5
模擬部 51
判定部 510
指令周波数出力部 511
制限部 512
模擬部 61
指令周波数出力部 611
減算部 612
乗算器 613

Claims (7)

  1. 回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統との間で電力を入出力する電源装置であって、
    前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部と、
    前記電力系統が正常である場合に、前記電力系統に入出力する目標となる第1電力と、前記電力系統に実際に入出力される第2電力との差に基づいて、前記差を小さくする指令周波数を出力し、前記電力系統に事故が発生した場合に、前記差に関わらず所定の前記指令周波数を出力する指令周波数出力部と、
    前記指令周波数に基づいて、前記出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、
    前記制御信号に基づいて生成された前記出力電圧を、前記電力系統に出力する駆動部と
    を備える、
    電源装置。
  2. 請求項1に記載の電源装置であって、
    前記指令周波数出力部は、
    前記事故が発生した場合に、前記事故が除去された際の前記電力系統の周波数と、前記指令周波数との差が小さくなるよう、前記電力系統の定格周波数に基づいて定まる前記所定の前記指令周波数を出力する、
    電源装置。
  3. 請求項2に記載の電源装置であって、
    前記指令周波数出力部は、
    前記第1電力から前記第2電力を減算する減算部と、
    前記電力系統が正常である場合に、前記減算部の減算結果と、前記回転体を模擬するための慣性定数とに基づいて、前記減算結果に応じた前記指令周波数を出力し、前記電力系統に事故が発生した場合に、前記所定の前記指令周波数を出力する出力部と、
    を有する、
    電源装置。
  4. 回転体を有する同期発電機を模擬し、出力電圧の周波数を制御することによって電力系統との間で電力を入出力する電源装置であって、
    前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部と、
    前記電力系統に入出力する目標となる第1電力と、前記電力系統に実際に入出力される第2電力と、前記回転体を模擬するための慣性定数と、に基づいて、前記第1電力及び前記第2電力の差を小さくする指令周波数を出力する指令周波数出力部と、
    前記指令周波数に基づいて、前記出力電圧を制御するための制御信号を生成する生成部と、
    前記制御信号に基づいて生成された前記出力電圧を、前記電力系統に出力する駆動部と
    を備え、
    指令周波数出力部は、
    前記電力系統に事故が発生した場合に、前記指令周波数の変化を抑えるように前記第1電力及び前記慣性定数の少なくとも一方を制御する、
    電源装置。
  5. 請求項4に記載の電源装置であって、
    指令周波数出力部は、
    前記電力系統が正常である場合に前記第1電力を出力し、前記電力系統に事故が発生した場合に前記第1電力を前記事故の度合いに応じて小さく制限した前記第1電力を出力する制限部と、
    前記制限部から出力された前記第1電力及び前記第2電力の前記差に基づいて、前記差を小さくする前記指令周波数を出力する第1出力部と、
    を有する、
    電源装置。
  6. 請求項4に記載の電源装置であって、
    前記指令周波数出力部は、
    前記第1電力から前記第2電力を減算する減算部と、
    前記減算部の減算結果と、前記慣性定数とに基づいて、前記減算結果を小さくする前記指令周波数を出力する第2出力部と、
    前記電力系統に事故が発生した場合に、前記慣性定数を前記電力系統が正常の場合よりも大きくなるように変更する変更部と、
    を有する、
    電源装置。
  7. 請求項1~6のいずれか一に記載の電源装置であって、
    前記電力系統の電圧の二乗平均平方根の変動に基づいて、前記電力系統に事故が発生したか否かを判定する判定部
    を更に備える、
    電源装置。


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