JP7237479B2 - ゼラチン含有組成物 - Google Patents

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本発明はゼラチン臭が抑制されたゼラチン含有組成物及びその製造方法に関する。またゼラチン含有組成物についてゼラチン臭を抑制する方法に関する。
ゼラチンは、安価で毒性がなく、またゼリー形成能、保水性、増粘性等の優れた特性を有していることから、食品用途として広く使用されている成分である。しかしながら、ゼラチンは動物由来のタンパク質であるため、精製しても不純物を完全に除去することが困難である。そのため、その成分がゼラチン特有のにおいとして感じられ、特に経時的変化によって特異な悪臭を放つことが知られている。そのため、ゼラチンを用いた食品では、ゼラチンに起因する特有の獣様臭(ゼラチン臭)(経時的に生じる場合を含む)がすることによって、消費者の嗜好性が下がってしまうという問題が生じる。
ゼラチン臭を抑制する方法としては、例えば香料を配合することによってゼラチン臭をマスキングする方法、またにおいを吸着する物質であるシリカゲル等と共に包装することによって、発生したゼラチン臭を吸着する方法等が知られている。しかしながら、これらの方法は、いずれも本質的にゼラチン臭の発生を抑制できるものではない。また、これらの他に、例えば、エチルデカノエート又は甘酒、酒粕、日本酒等のエチルデカノエートを多量に含有する食品素材を、風味改善剤としてゼラチンを含む組成物に配合し、ゼラチン臭を抑制する方法(例えば、特許文献1参照);澱粉分解物を配合してゼラチン臭の原因となるタンパク質や脂質を包接し、においの発生を抑制する方法(例えば、特許文献2参照);消臭成分として杜仲茶エキスを配合する方法(例えば、特許文献3参照);ヤマモモ抽出物、ブドウ種子抽出物、及びチャ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の植物抽出物を配合する方法(例えば、特許公報4参照)などが提案されている。このように、ゼラチン臭の抑制については、従来様々な手段が講じられてきたが、各方法には一長一短があり、さらに効果的にゼラチン臭を抑制することが可能な、新たな方法が求められている。
特開2006-197857号公報 特開2010-90062号公報 特開2011-37731号公報 特開2013-208095号公報
本発明は、ゼラチン臭が抑制されたゼラチン含有組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、ゼラチン含有組成物についてゼラチン臭を抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ゼラチン含有組成物の製造に際して、アミノ酸塩の一つであるアスパラギン酸塩を配合することにより、ゼラチン臭の発生を抑制できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。即ち、本発明は下記態様を有する。
(I)ゼラチン含有組成物
(I-1)アスパラギン酸塩を含有することを特徴とするゼラチン含有組成物。
(I-2)ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を3質量部以上の割合で含有する(I-1)に記載するゼラチン含有組成物。
(I-3)前記アスパラギン酸塩がアスパラギン酸ナトリウムである(I-1)または(I-2)に記載するゼラチン含有組成物。
(II)ゼラチン含有組成物の製造方法
(II-1)ゼラチンを含む組成物にアスパラギン酸塩を配合する工程を有することを特徴とする、ゼラチン臭が抑制されたゼラチン含有組成物を製造する方法。
(II-2)ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を3質量部以上の割合で配合する(II-1)に記載する製造方法。
(II-3)前記アスパラギン酸塩がアスパラギン酸ナトリウムである(II-1)または(II-2)に記載する製造方法。
(III)ゼラチン臭抑制方法
(III-1)ゼラチン含有組成物にアスパラギン酸塩を配合することを特徴とする、ゼラチン含有組成物のゼラチン臭抑制方法。
(III-2)ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を3質量部以上の割合で配合する(III-1)に記載するゼラチン臭抑制方法。
(III-3)前記アスパラギン酸塩がアスパラギン酸ナトリウムである(III-1)または(III-2)に記載するゼラチン臭抑制方法。
本発明によれば、アスパラギン酸塩を配合することによって、ゼラチン特有の悪臭(ゼラチン臭)が抑制されたゼラチン含有組成物を提供することができる。特に本発明によるゼラチン臭が抑制されたゼラチン含有組成物の製造並びにゼラチン臭抑制方法は、ゼラチン含有組成物に着色、着香及び着味といった不都合な影響を与えない方法であり、しかも特別な装置を用いることなく、簡便に且つ安価に実施することができる点で汎用性が高く、有用である。
(I)ゼラチン含有組成物、及びその製造方法
本発明のゼラチン含有組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)は、ゼラチンに加えてアスパラギン酸塩を含有することを特徴とする。
本発明の組成物に使用されるゼラチンは、食品、医薬品及び医薬部外品等の分野において従来使用されている可食性のゼラチンから適宜選択することができる。特に限定されないが、例えば、牛、豚、鶏、魚等の皮、骨、腱、鱗等を原料とし、酸又はアルカリで処理して得られる粗コラーゲンを加熱抽出して製造されたものが用いられる。また、ゼラチンの加水分解物や酸素分解物、アシル化ゼラチン等のゼラチン誘導体等を用いることもできる。本発明においては、これらのゼラチンの中から1種を選択して単独で使用することもできるし、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。ゼラチンは商業的に入手可能なものを使用することができ、例えば株式会社ニッピ、新田ゼラチン株式会社、Rousselot社、Weishardt社、ゼライス株式会社等から購入することができる。
使用するゼラチンのゼリー強度(ブルーム値)は、ゼラチン含有組成物の形状や硬度等に応じて適宜選択することができる。制限はされないものの、例えば50~350g、好ましくは80~300gの範囲から選択することができる。なお、ゼラチンのゼリー強度はJIS K-6503(2001)に準じて測定することができる。具体的には、6.67質量%のゼラチン水溶液を、10℃で17時間冷却して調製したゼリーの表面を2分の1インチ(12.7mm)径のプランジャーで4mm押し下げるのに必要な荷重(g)をゼリー強度とする。
本発明の組成物におけるゼラチンの含有量も、ゼラチン含有組成物の形状や硬度等に応じて適宜選択することができる。しかし、ゼラチン含有組成物を100質量%とした場合、10質量%以上の割合でゼラチンが含まれることで、ゼラチン臭が感じられるようになるため、下限量として10質量%を設定することができる。具体的には、ゼラチン含有組成物の100質量%あたりのゼラチンの割合として、通常10~99.9質量%の範囲、好ましくは15~60質量%、より好ましくは20~50質量%を挙げることができる。なお、ゼラチンをカプセル皮膜として使用する場合は、カプセル皮膜の硬度や成形のしやすさ等を考慮して、25~45質量%、好ましくは30~40質量%の範囲となるように調整することができる。
前記するゼラチンとともに本発明の組成物に使用されるアスパラギン酸塩は、食品、医薬品及び医薬部外品等の分野において従来使用されている可食性のアスパラギン酸塩であればよく、これらから適宜選択することができる。本発明が対象とするアスパラギン酸塩は水和物の状態であってもよい。アスパラギン酸塩として、具体的にはアスパラギン酸ナトリウムやアスパラギン酸カリウム等のアスパラギン酸のアルカリ金属塩;アスパラギン酸カルシウムやアスパラギン酸マグネシウム等のアスパラギン酸のアルカリ土類金属塩を例示することができる。好ましくはアスパラギン酸のアルカリ金属塩であり、より好ましくはアスパラギン酸ナトリウムである。
本発明の組成物におけるアスパラギン酸塩の含有量は、本発明の組成物中に含まれるゼラチンに対する割合を考慮して設定することができる。具体的には、本発明の組成物中に含まれるゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩の割合が3質量部以上、好ましくは3.5質量部以上、より好ましくは4質量部以上になるように配合することができる。その上限量は、本発明の効果を奏することを限度として制限されないものの、50質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下を挙げることができる。ゼラチン含有組成物を100質量%とした場合におけるアスパラギン酸塩の含有量は、上記のゼラチンに対する配合割合に基づいて、1~20質量%の範囲から適宜設定することができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の添加剤を配合することができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば色素や顔料等の着色料、pH調整剤、水溶性高分子、防腐剤、崩壊剤、界面活性剤、可塑剤、水分活性低下剤、矯味剤、甘味料、香料等が挙げられる。
本発明の組成物は、ゼラチンを配合するとともに、アスパラギン酸塩を配合する工程を有する限り、その形状や目的用途に応じて、当該分野において通常採用される方法により調製することができる。ゼラチン及びアスパラギン酸塩の配合量は前述した通りである。
例えば、本発明の組成物がゼラチンを含有するゼリー状の口腔用また経口用の組成物(飲食物、口腔または経口用の医薬品または医薬部外品)である場合、前述するゼラチン及びアルギン酸塩に加えて、他の可食性成分や薬効成分を配合して、所定の形状に成形することで製造することができる。また本発明の組成物が、フィルム、シート、またはカプセル(ハードカプセルまたはソフトカプセルのカプセル基剤または皮膜)の形状を有するものである場合、前述するゼラチン及びアルギン酸塩に加えて、必要に応じて任意成分を水とともに混合し、次いで所望の形状に成形して乾燥固化または冷却することによって調製することができる。なお、混合工程は、必要に応じて、加熱、撹拌及び脱気工程を組み合わせて行うことができる。該混合物の加熱温度としては、ゼラチンの溶解温度以上であればよく、例えば60~90℃、好ましくは70~90℃の範囲から選択される。また、乾燥固化の方法は特に限定されず、従来公知の方法から適宜選択され得るが、例えば気流式回転乾燥機等を用いる方法がある。ゼラチン臭は水分含有量が少ないほど強くなる傾向がある。このため、本発明は、好ましくはゼラチンを基剤成分として用いて調製されるフィルム、シート、またはカプセル(ハードカプセルまたはソフトカプセル)等に適用することによって、より一層ゼラチン臭の抑制効果を実感することができ、本発明の効果を効果的に享受したフィルム、シート、またはカプセルを提供することができる。
かかる本発明の組成物は、従来公知の方法に従い所望の形状に成形することができる。本発明の組成物の形状が、例えばシート状である場合、その厚みは0.1~5mm、好ましくは0.2~1mmが挙げられる。また、本発明の組成物がカプセル状である場合には、オーバール(フットボール)型、オブロング(長楕円)型、ラウンド(球状)型、涙型、三角形等のいずれでもよい。カプセルの大きさも服用が可能な限り特に制限されないが、例えば長径6~20mm、短径4~15mmのオーバール型、好ましくは長径6~15mm、短径4~10mmのオーバール型が挙げられる。本発明の組成物がカプセル状である場合、カプセルに充填される内容物は、特に限定されないが、経口摂取用として調製する場合は、好ましくは可食性のものが挙げられ、具体的にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE等のビタミン類及びその誘導体等;レモン油、オレンジ油、グレープフルーツ油、ライム油、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、パセリ油等の精油;大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ヤシ油等の可食性油脂等;ニンニク末、DHA、EPA、ルテイン、セサミン、杜仲葉エキス、ノコギリヤシエキス、プロポリス等の健康補助食品に含まれる成分等を例示することができる。口腔内に清涼感を付与する目的で使用する場合には、充填される内容物中に精油が配合されることが好ましい。
本発明のゼラチン含有組成物の用途は、特に限定されないが、本発明のゼラチン含有組成物は、ゼラチン独特のにおいが効果的に抑制され、摂食又は服用の際に不快感を生じることがないため、例えば口腔内若しくは経口用の医薬品若しくは医薬部外品、並びに飲食品等に用いることができ、好ましくは飲食品に好適に用いることができる。
(II)ゼラチン臭抑制方法
本発明は、ゼラチンを含有する組成物について、そのゼラチン臭を抑制する方法である。当該方法は、前記ゼラチン含有組成物の製造に際して、配合成分として、ゼラチンに加えて、アスパラギン酸塩を配合することで実施することができる。斯くしてゼラチン含有組成物中にゼラチンとアスパラギン酸塩の共存状態が形成される。つまり、ゼラチンを含有する組成物の製造に際して、アスパラギン酸塩を配合することで、ゼラチンを含有する組成物が有するゼラチン臭を抑制することができる。
ゼラチン含有組成物についてゼラチン臭が抑制されているか否かは、後述する実験例に記載する試験方法に従って評価することができる。なお「抑制」という用語には、ゼラチン臭の発生を完全に阻害(阻止)する場合のみならず、アスパラギン酸塩を配合することで、アスパラギン酸塩を配合しない場合と比較して、ゼラチン臭が減弱(低減)する場合の両方が含まれる。また、ゼラチン含有組成物を調製した直後のゼラチン臭だけでなく、経時的に生じる(または経時的に増強する)ゼラチン臭に対する抑制効果も含まれる。
本発明の方法において使用するゼラチン、及びアスパラギン酸塩の種類やその配合割合、並びにそれらを含有する対象とするゼラチン含有組成物は、(I)において説明した通りであり、本発明においてもそのまま援用することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明の構成及び効果を詳細に説明するが、当該実施例は一例であり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。以下の実施例において、特に言及しない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。また、特に言及しない限り、製造及び実験は常圧及び常温(約25℃)条件下で行われた。
下記の実験で使用した材料は以下の通りである。
[ゼラチン]
Figure 0007237479000001
[アミノ酸類、甘味料、香料]
アスパラギン酸ナトリウム:L-アスパラギン酸ナトリウム協和(協和発酵バイオ(株))
グルタミン酸ナトリウム:L-グルタミン酸ナトリウム協和(同上)
アルギニン:L-アルギニン協和(同上)
トレオニン:L-トレオニン(同上)
高甘味度甘味料:ミラスィー(登録商標)200(DSP&五協フード&ケミカル株式会社)
メントール:薄荷脳(長岡実業株式会社)
実験例1 ゼラチン臭の抑制評価(1)
各種のアミノ酸またはアミノ酸塩、香料または甘味料を用いて、ゼラチン含有組成物(試験サンプル)のゼラチン臭に対する抑制効果を評価した。
(1)試験方法
(1-1)試験サンプルの調製
表2に記載する組成成分及び含量に従って、下記の手順でゼラチン含有組成物(実施例1-1~1-3、比較例1-1~1-5)を調製した。
(1)ガラス瓶に10gのゼラチンをそれぞれ量りとる。
(2)別途、水とアミノ酸類、甘味料または香料を表2~4記載の割合でそれぞれ混合し、(1)で量りとったゼラチンに添加する。
(3)ゼラチンが膨潤するまで約10分間静置する。
(4)これを80℃で約30分間加温し、撹拌してゼラチンを完全に溶解させる。
(5)溶解した後、80℃の状態で30分間静置して脱泡する。
(6)脱泡後、5gを蓋付きガラス製のバイアル瓶に移して、蓋を閉め、蓋を閉めた状態で常温に戻るまで静置する。
(1-2)官能試験
においについてよく訓練した5名のパネラーに、蓋付きバイアル瓶に入った各ゼラチン含有組成物(実施例1-1~1-3、比較例1-1~1-5)のにおいを嗅いでもらった。具体的には、鼻先でバイアル瓶の蓋を開けてもらい、バイアル瓶の中に籠もったゼラチンのにおいを嗅いでもらい、下記の基準に従ってスコア付けをしてもらった。なお、基準対照とする試験サンプルとして、蓋付きバイアル瓶入りゼラチン10%水溶液(基準試料1)及び蓋付きバイアル瓶入りとゼラチン30%水溶液(基準試料2)を上記と同様の方法で調製し、これらのゼラチン臭との比較で、ゼラチン含有組成物のゼラチン臭を評価してもらった。
[ゼラチン臭の判定基準]
6:ゼラチン臭はほぼ感知できない。
5:基準試料1のゼラチン臭よりも弱いが、わずかにゼラチン臭を感知する。
4:基準試料1のゼラチン臭と同程度の弱いゼラチン臭がする。
3:基準試料1のゼラチン臭よりも強いが基準試料2よりも弱いゼラチン臭がする。
2:基準試料2のゼラチン臭と同程度のやや強いゼラチン臭がする。
1:基準試料2のゼラチン臭よりも強いゼラチン臭がする。
[総合評価]
◎:平均スコアが4.5以上で、パネラー5名のうち4名以上が4以上の評価、
○:平均スコアが3.5以上で、パネラー5名のうち3名以上が4以上の評価、
△:平均スコアが2.5以上で、パネラー5名のうち4名以上が3以下の評価
×:平均スコアが2.5未満で、パネラー5名のうち3名以上が2以下の評価
(2)試験結果
ゼラチン臭を評価した結果を表2に合わせて示す。
Figure 0007237479000002
表2に示すように、ゼラチン臭を抑制する効果はアミノ酸の中でもアスパラギン酸塩に固有のものであることが確認された。
実験例2 ゼラチン臭の抑制評価(2)
表3に記載するように、ゼラチンとして、実験例1で用いた豚由来のもの(KKSC)に代えて牛由来、及び魚由来のものを用いて、実施例1-1~1-2及び比較例1-1と同様の組成のゼラチン含有組成物(実施例2-1~2-4、比較例2-1~2-2)を調製し、実験例1と同様にして各ゼラチン含有組成物のゼラチン臭に対する抑制効果を評価した。
結果を表3に合わせて記載する。
Figure 0007237479000003
表3に示すように、アスパラギン酸塩によるゼラチン臭の抑制効果は、ゼラチンの由来に依らず、豚に由来するゼラチンだけでなく(実験例1)、同様に牛由来及び魚由来のゼラチンのにおいに対しても効果的に抑制することが確認された。
また、ゼラチン100部に対してアスパラギン酸塩の割合を4部の割合で配合することで、平均スコアが4以上といった高いゼラチン臭抑制効果が得られた。この結果から、ゼラチン100部に対して少なくともアスパラギン酸塩の割合を3部、好ましくは3.5部配合することで、十分にゼラチン臭抑制効果が得られるものと考えられる。
実験例3 ゼラチン臭の抑制評価(3)
表4に記載するように、ゼラチンとして、実験例1で用いたゲル強度250~280gのもの(KKSC)に代えて、ゲル強度が80~270gにある種々のゼラチン(豚由来)を用いて、実施例1-1~1-2及び比較例1-1と同様の組成のゼラチン含有組成物(実施例3-1~3-4、比較例3-1~3-4)を調製し、実験例1と同様にして各ゼラチン含有組成物のゼラチン臭に対する抑制効果を評価した。
結果を表4に合わせて記載する。
Figure 0007237479000004
表4に示すように、アスパラギン酸塩によるゼラチン臭の抑制効果は、ゼラチンのゼリー強度に寄らず、種々のゼリー強度を有するゼラチンのにおいに対しても効果的に抑制することが確認された。

Claims (5)

  1. ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を3~50質量部の割合で含有することを特徴とするゼラチン含有口腔内又は経口用組成物:
    但し、アレルゲンとゼラチンとアスパラギン酸塩を含有する組成物を除く。
  2. 前記アスパラギン酸塩がアスパラギン酸ナトリウムである請求項1に記載するゼラチン含有口腔内又は経口用組成物。
  3. ゼラチンを含む口腔内又は経口用組成物に、ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を3~50質量部の割合で配合する工程を有することを特徴とする、ゼラチン臭が抑制されたゼラチン含有口腔内又は経口用組成物を製造する方法:
    但し、前記ゼラチン含有口腔内又は経口用組成物はアレルゲンとゼラチンとアスパラギン酸塩を含有する組成物を除く。
  4. ゼラチン含有組成物にアスパラギン酸塩を配合することを特徴とする、ゼラチン含有組成物のゼラチン臭抑制方法。
  5. ゼラチン100質量部に対してアスパラギン酸塩を4質量部以上の割合で配合する請求項に記載するゼラチン臭抑制方法。
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