JP2014034530A - アレルゲン含有シート状製剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アレルゲンの貯蔵及び輸送の際に保管安定性に優れたものとなり、減感作療法に好適に用いることができるアレルゲン含有シート状製剤を提供すること。
【解決手段】アレルゲンと、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤と、水とを含むアレルゲン含有シート状製剤であって、上記水の含有量が10〜30重量%であることを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤。
【選択図】なし
【解決手段】アレルゲンと、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤と、水とを含むアレルゲン含有シート状製剤であって、上記水の含有量が10〜30重量%であることを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、アレルギー症の予防又は治療剤として有用なアレルゲン含有シート状製剤及びその製造方法に関する。特に本発明は、アレルゲンの安定性に優れ、貯蔵及び取り扱い等の利便性に優れたアレルゲン含有シート状製剤及びその製造方法に関するものである。
花粉アレルギー等のアレルギー性疾患に対する治療としては、現状、抗ヒスタミン剤を用いる対処療法がそのほとんどであるが、近年、アレルギー性疾患を根治可能な治療方法として減感作療法が注目を集めている。
現在、特異的減感作療法用製剤は、皮下注射を目的とした注射剤がほとんどであり、更に、一般的に2〜3年程度の長期間投与が必要であり、当観点から介護者及び患者のQOL(quality of life)をより向上させるような剤型が必要であると考えられている。
また、皮下注射による特異的減感作療法では、アナフィラキシーショックの危険性、医療従事者による投与の必要性、長期間にわたる頻繁な通院の必要性、注射による痛み、冷蔵保管である等の問題点があった。
現在、特異的減感作療法用製剤は、皮下注射を目的とした注射剤がほとんどであり、更に、一般的に2〜3年程度の長期間投与が必要であり、当観点から介護者及び患者のQOL(quality of life)をより向上させるような剤型が必要であると考えられている。
また、皮下注射による特異的減感作療法では、アナフィラキシーショックの危険性、医療従事者による投与の必要性、長期間にわたる頻繁な通院の必要性、注射による痛み、冷蔵保管である等の問題点があった。
これに対して、近年、欧米では舌下投与を目的とした液剤及び錠剤が市販され、その副作用の少なさと簡便さとから注目を集めている。
しかしながら、液剤の舌下投与による特異的減感作療法では、投与量の不正確さ、冷蔵保管が必要である等の問題があった。
また、錠剤の舌下投与による特異的減感作療法では、誤飲、投与量の調整が難しい、携帯性が悪い、残渣による口腔内への違和感等の問題があった。
しかしながら、液剤の舌下投与による特異的減感作療法では、投与量の不正確さ、冷蔵保管が必要である等の問題があった。
また、錠剤の舌下投与による特異的減感作療法では、誤飲、投与量の調整が難しい、携帯性が悪い、残渣による口腔内への違和感等の問題があった。
また、アレルゲンの製剤化においては、アレルゲンを安定に保存させること、すなわち、生物学的活性の損失を最小限に抑制することが必須である。このようなアレルゲンの製剤化技術として、安定化剤や賦形剤を添加した凍結乾燥剤を用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、安定化剤として、ゼラチン及びマンニトール若しくはデンプン及びマンニトールを含む溶液を凍結乾燥することにより、チモシー芝花粉アレルゲンを安定化した医薬組成物が提案されている。また、例えば、特許文献2には、安定化剤としてマンニトール及びpH調節剤として酢酸を含む溶液を凍結乾燥することにより、スギ花粉主要アレルゲンの遺伝子組み換えタンパク質を安定化した医薬組成物も提案されている。その他、例えば、特許文献3には、マクロゴール4000、ポリソルベート80及びスクロースを含む溶液を凍結乾燥することにより、ダニ主要アレルゲンの遺伝子組み換えタンパク質を安定化した医薬組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、安定化剤として、ゼラチン及びマンニトール若しくはデンプン及びマンニトールを含む溶液を凍結乾燥することにより、チモシー芝花粉アレルゲンを安定化した医薬組成物が提案されている。また、例えば、特許文献2には、安定化剤としてマンニトール及びpH調節剤として酢酸を含む溶液を凍結乾燥することにより、スギ花粉主要アレルゲンの遺伝子組み換えタンパク質を安定化した医薬組成物も提案されている。その他、例えば、特許文献3には、マクロゴール4000、ポリソルベート80及びスクロースを含む溶液を凍結乾燥することにより、ダニ主要アレルゲンの遺伝子組み換えタンパク質を安定化した医薬組成物が提案されている。
しかしながら、アレルゲンは熱安定性が悪く、従来のアレルゲンの製剤化技術では、アレルゲンを安定的に貯蔵及び輸送することが困難であった。
また、凍結乾燥製剤は、ケークと呼ばれる多孔質構造を有しているため、脆くて硬く、少量の水分で容易に劣化してしまうために、アルミニウムなどを用いた専用の個包装が必要となる。更に、凍結乾燥製剤は、口腔内で速やかに溶解するため、アレルゲンへの感作時間の制御が必要な減感作療法に用いるためには、更なる改良を要するものであった。
また、凍結乾燥製剤は、ケークと呼ばれる多孔質構造を有しているため、脆くて硬く、少量の水分で容易に劣化してしまうために、アルミニウムなどを用いた専用の個包装が必要となる。更に、凍結乾燥製剤は、口腔内で速やかに溶解するため、アレルゲンへの感作時間の制御が必要な減感作療法に用いるためには、更なる改良を要するものであった。
本発明は、上記現状に鑑み、熱安定性が悪いアレルゲンであっても、安定的に貯蔵及び輸送させることができ、減感作療法に好適に用いることのできるアレルゲン含有シート状製剤、並びに、該シート状製剤の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、アレルゲンの安定化に寄与するゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤を基剤として用い、水分含有量を特定の範囲に限定したアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンを安定的に貯蔵及び輸送させることができ、口腔内経由での減感作療法に適したものとすることができることを見出し、また、このようなアレルゲン含有シート状製剤は、製造時に加熱をしないことで製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アレルゲンと、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤とを、水とを含むアレルゲン含有シート状製剤であって、上記水の含有量が10〜30重量%であることを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤である。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、更に、グリセリンを含むことが好ましい。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、単糖〜六糖の糖及びこれらの糖アルコール、マルトデキストリン、並びに、プルランからなる群より選択される少なくとも1種の安定化剤を含むことが好ましい。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、更に、有機酸塩を含むことが好ましい。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、更に、グリセリンを含むことが好ましい。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、単糖〜六糖の糖及びこれらの糖アルコール、マルトデキストリン、並びに、プルランからなる群より選択される少なくとも1種の安定化剤を含むことが好ましい。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、更に、有機酸塩を含むことが好ましい。
また、本発明は、水に、少なくともアレルゲンとゲル化剤とを溶解させてアレルゲン含有溶液を調製する工程と、上記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程とを有し、上記ゲル化剤は、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程において、水の含有量を10〜30重量%に調整することを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤の製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンと、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤と、水とを含むものである。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤における水の含有量は、アレルゲン含有シート状製剤の全重量に対して10〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。10重量%未満であると、アレルゲンの保管安定性が極めて悪くなり、一方、30重量%を超えると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の常温での物性面の保管安定性が悪くなる恐れがある。
すなわち、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、含まれる特定量の水分子がアレルゲンタンパク質と水素結合を形成し、アレルゲン含有シート状製剤中でも水中と同じ高次構造を保持可能となり、結果としてアレルゲンの安定性に有効であると推測される。
すなわち、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、含まれる特定量の水分子がアレルゲンタンパク質と水素結合を形成し、アレルゲン含有シート状製剤中でも水中と同じ高次構造を保持可能となり、結果としてアレルゲンの安定性に有効であると推測される。
本発明に用いられる上記アレルゲンとは、アレルギー疾患を持っている人の抗体として特異的に反応する抗原を意味し、典型的にはタンパク質である。このようなアレルゲンとしては、具体的には、樹木類の花粉に由来するアレルゲン(アカシア、ハンノキ、ビロードアオダイモ、セイヨウブナ、白樺、カエデ、山スギ、赤スギ、ハコヤナギ、ヒノキ、アメリカニレ、アキニレ、トガサワラ、ゴムの木、ユーカリの木、エノキ、ヒッコリー、アメリカシナノキ、サトウカエデ、メスキート、カジノキ、コナラ属、オリーブ、ペカン、コショウ、マツ、イボタツキ、ロシアオリーブ、アメリカスズカケ、ニワウルシ、クロクルミ、クロヤナギ等)、草木類の花粉に由来するアレルゲン(ワタ、ギョウギシバ、ナガハグサ、スズメノチャヒキ、トウモロコシ、ヒロハウシノケグサ、セイバンモロコシ、カラスムギ、カモガヤ、コヌカグサ、ホソムギ、コメ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヒユ、アカザ、オナモミ、ギシギシ、セイタカアワダチソウ、イソホウキ、シロザ、キンセンカ、イラクサ、アオビエ、ヘラオオバコ、オオブタクサ、ブタクサ、ブタクサモドキ、ノハラヒジキ、ヤマヨモギ、エニシダ、ヒメスイバ等)、虫由来のアレルゲン(カイコ、ダニ、ミツバチ、スズメバチ、アリ、ゴキブリ等)、菌由来のアレルゲン(アルテルナリア、アスペルギルス、ボツリヌス、カンジダ、セファロスポリウム、カーブラリア属、エピコッカム菌、表皮菌、フザリウム属、ヘルミントスポリウム属、連鎖クラドスポリウム、ケカビ、ペニシュリウム、ファーマ属、プルラリアプルランス、クモノスカビ等)、動物の体毛由来のアレルゲン(犬、猫、鳥等)、ハウスダスト由来のアレルゲンタンパク質、食物由来のアレルゲン等が挙げられ、アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原であれば特に限定されない。
ここで、現在、患者の多いスギ花粉アレルギー症の減感作療法が望まれている。このため、本発明のアレルゲン含有シート状製剤において、上記アレルゲンとしては、スギ花粉アレルゲンタンパク質であることが好ましい。
上記スギ花粉アレルゲンタンパク質とは、スギ花粉より抽出されたアレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原性を有するタンパク質、該タンパク質とアミノ酸レベルで相同性の高いタンパク質を有効成分としてなる群より選ばれる1種類以上を含むものが挙げられる。
上記スギ花粉アレルゲンタンパク質とは、スギ花粉より抽出されたアレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原性を有するタンパク質、該タンパク質とアミノ酸レベルで相同性の高いタンパク質を有効成分としてなる群より選ばれる1種類以上を含むものが挙げられる。
上記スギ花粉より抽出された抗原性を有するタンパク質としては、スギ花粉特異的IgE抗体の産生を誘導できるような、スギ花粉中に含まれるタンパク質が挙げられる。このスギ花粉中に含まれるタンパク質は、メジャースギ花粉アレルゲンタンパク質とマイナースギ花粉アレルゲンタンパク質とからなる。
なお、花粉に含まれるいくつかのスギ花粉エキスの内で、大多数の患者が強く感作されている成分をメジャースギ花粉アレルゲンタンパク質といい、一部の患者のみが感作されている成分をマイナースギ花粉アレルゲンタンパク質という。
なお、花粉に含まれるいくつかのスギ花粉エキスの内で、大多数の患者が強く感作されている成分をメジャースギ花粉アレルゲンタンパク質といい、一部の患者のみが感作されている成分をマイナースギ花粉アレルゲンタンパク質という。
上記スギ花粉アレルゲンタンパク質は、それらを含む液状であってもよく、固体であってもよい。ここで、液状のものをスギ花粉エキスと呼び、上記スギ花粉エキスとしては、なかでも、メジャースギ花粉アレルゲンタンパク質であるCryj1及びCryj2及びそれらの混合物がスギ花粉エキスとして好ましく、該Cryj1及びCryj2のみならずマイナースギ花粉アレルゲンタンパク質も含んだスギ花粉抽出液であるスギ花粉エキスそのまま、若しくは、希釈したもの、又は、凍結乾燥させた固形のものも好ましい。
上記アレルゲンの含有量としては、その性質などによっても異なるが、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の全重量に対して、通常1×10−10〜60重量%であることが好ましい。1×10−10重量%未満であると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤が、減感作療法に適さないものとなることがあり、60重量%を超えると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の強度が著しく低下し、保型性に問題が生じる可能性がある。
上記ゲル化剤として用いられるゼラチンとしては、可食性高分子であり、本発明のアレルゲン含有シート状製剤において、基材として機能する材料である。このようなゼラチンとしては、動物の皮や骨に含まれるタンパク質を酵素によって分解抽出したものが挙げられ、例えば、豚、牛若しくは魚由来のものを酸処理又はアルカリ処理したいずれのものでも使用できる。また、近年のBSE問題の観点から、上記ゼラチンとしては、魚由来及び豚由来のゼラチンが好ましい。
本発明における上記ゼラチンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重量%未満であると、低温乾燥後に医薬品として充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、40重量%を超えると、溶液の粘性が非常に高くなり、製造上問題となる恐れがある。
本発明における上記ゼラチンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重量%未満であると、低温乾燥後に医薬品として充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、40重量%を超えると、溶液の粘性が非常に高くなり、製造上問題となる恐れがある。
また、上記ゲル化剤として用いられるペクチンとしては、一般的に柑橘類又はリンゴから水で抽出して得られた高分子多糖類であり、ガラクツロン酸及びそのメチルエステルより構成され、通常、平均分子量が3万〜10万程度である。
上記ペクチンは、上記メチルエステル化の割合によりLMペクチンとHMペクチンとに分けられる。本発明においてはどちらのペクチンを用いても良いが、LMペクチンはカルシウムイオン(Ca2+)の存在下で熱不可逆性のゲルを形成するため、カルシウムイオンを含む有機酸塩との併用は好ましくない。
本発明における上記ペクチンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満であると、低温乾燥後に充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、20重量%を超えると、溶液の粘性が非常に高くなり、製造上問題となる恐れがある。
上記ペクチンは、上記メチルエステル化の割合によりLMペクチンとHMペクチンとに分けられる。本発明においてはどちらのペクチンを用いても良いが、LMペクチンはカルシウムイオン(Ca2+)の存在下で熱不可逆性のゲルを形成するため、カルシウムイオンを含む有機酸塩との併用は好ましくない。
本発明における上記ペクチンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満であると、低温乾燥後に充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、20重量%を超えると、溶液の粘性が非常に高くなり、製造上問題となる恐れがある。
また、上記ゲル化剤として用いられるカラギーナンとしては、直鎖含硫黄多糖類の一種で、一般的にはコンドラス・クリパス(紅藻類)からアルカリ抽出により得られ、D−ガラクトース、3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース、及び、硫酸基から構成される陰イオン性高分子化合物である。これらの構成比によりそれぞれκ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナンに分けられる。
本発明においては、いずれのカラギーナンを用いても良いが、κ−カラギーナン、ι−カラギーナンはカリウムイオン(K+)又はカルシウムイオン(Ca2+)の存在下でゲル化するため、これらのカリウムイオン又はカルシウムイオンを含む有機酸塩との併用は好ましくない。
本発明における上記カラギーナンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満であると、凍結乾燥後に医薬品として充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、20重量%を超えると、溶液中に均一に分散もしくは溶解せず、製造上問題となる恐れがある。
本発明においては、いずれのカラギーナンを用いても良いが、κ−カラギーナン、ι−カラギーナンはカリウムイオン(K+)又はカルシウムイオン(Ca2+)の存在下でゲル化するため、これらのカリウムイオン又はカルシウムイオンを含む有機酸塩との併用は好ましくない。
本発明における上記カラギーナンの含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満であると、凍結乾燥後に医薬品として充分な剤形が形成されない可能性があり、一方、20重量%を超えると、溶液中に均一に分散もしくは溶解せず、製造上問題となる恐れがある。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、上記ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、水にのみ可溶である可食性高分子又は水にも有機溶媒にも溶解しない可食性高分子(以下、これらをまとめて、その他の可食性高分子ともいう)を適量組み合わせて用いることもできる。
上記その他の可食性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム等の合成高分子化合物、デキストラン、カゼイン、プルラン、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、アカシアガム、アラビアガム、澱粉等の天然物より得られる高分子化合物等が挙げられる。
上記その他の可食性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム等の合成高分子化合物、デキストラン、カゼイン、プルラン、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、アカシアガム、アラビアガム、澱粉等の天然物より得られる高分子化合物等が挙げられる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤に含まれるゲル化剤の含有量は、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の全重量100重量部に対して、10〜90重量部が好ましく、30〜80重量部がより好ましい。ゲル化剤の含有量が10〜90重量部の場合、柔軟でしなやかなシート状製剤が得られ、アレルゲン安定性にも優れる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤には、さらにグリセリンを含むことが好ましい。
上記グリセリンの含有量としては、上記ゲル化剤の含有量1.0重量部に対して、0.1〜2.0重量部が好ましく、0.5〜1.0重量部がより好ましい。グリセリンの含有量が0.1〜2.0重量部の場合、柔軟でしなやかなシート状製剤が好適に得られ、アレルゲン安定性にも優れている。
上記グリセリンの含有量としては、上記ゲル化剤の含有量1.0重量部に対して、0.1〜2.0重量部が好ましく、0.5〜1.0重量部がより好ましい。グリセリンの含有量が0.1〜2.0重量部の場合、柔軟でしなやかなシート状製剤が好適に得られ、アレルゲン安定性にも優れている。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンの安定性を向上させる安定化剤である糖、及びこれらの糖アルコール、マルトデキストリン、並びにプルランからなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含んでもよい。
上記糖としては、例えば、以下に示すような単糖、二糖、三〜六糖が挙げられる。
単糖類としては、例えば、エリスロース、スレオース等のアルドテトロース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等のアルドペントース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、ガラクトース、イドース等のアルドヘキソース、エリスルロース等のケトテトロース、キシルロース、リブロース等のケトペントース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のケトヘキソース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース等のα−ジグルコシド、イソトレハロース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース糖のβ−ジグルコシド、ネオトレハロース等のα,β−ジグルコシドの他、イソマルツロース(パラチノース)等が挙げられる。三〜六糖としては、例えば、ラフィノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、オリゴグルコサミン、シクロデキストリン等の環状オリゴ糖等が挙げられる。
上記糖としては、例えば、以下に示すような単糖、二糖、三〜六糖が挙げられる。
単糖類としては、例えば、エリスロース、スレオース等のアルドテトロース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等のアルドペントース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、ガラクトース、イドース等のアルドヘキソース、エリスルロース等のケトテトロース、キシルロース、リブロース等のケトペントース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のケトヘキソース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース等のα−ジグルコシド、イソトレハロース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース糖のβ−ジグルコシド、ネオトレハロース等のα,β−ジグルコシドの他、イソマルツロース(パラチノース)等が挙げられる。三〜六糖としては、例えば、ラフィノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、オリゴグルコサミン、シクロデキストリン等の環状オリゴ糖等が挙げられる。
また、単糖のアルコールとしては、例えば、エリスリトール、D−スレイトール、L−スレイトール等のテトリトール、D−アラビニトール、キシリトール等のペンチトール、D−イジトール、ガラクチトール(ダルシトール)、D−グルシトール(ソルビトール)、マンニトール等のヘキシトール、イノシトール等のシクリトール等が挙げられる。また、二糖のアルコールとしては、例えば、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース(イソマルト)等が挙げられ、三〜六糖のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、還元麦芽糖水飴等が挙げられる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤において、上記糖又は糖アルコールは、置換されていてもよく、また、1種で又は2種以上混合して用いることもできる。
上記糖又は糖アルコールは、本発明のアレルゲン含有シート状製剤が口腔内で容易に溶解する観点、また、製造工程において大きく溶液の粘性を変化させないという観点から、単糖類〜三糖類又はこれらの糖アルコールであることが好ましい。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤において、上記糖又は糖アルコールは、置換されていてもよく、また、1種で又は2種以上混合して用いることもできる。
上記糖又は糖アルコールは、本発明のアレルゲン含有シート状製剤が口腔内で容易に溶解する観点、また、製造工程において大きく溶液の粘性を変化させないという観点から、単糖類〜三糖類又はこれらの糖アルコールであることが好ましい。
上記マルトデキストリンは、一般的にトウモロコシ又は馬鈴薯デンプンが部分的に加水分解されたものであり、グルコースのモノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマーからなる混合物である。上記各成分の割合は、加水分解の進み具合に応じて様々であるため、本発明ではデキストロース当量が1乃至20である部分加水分解デンプンをマルトデキストリンと定義する。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤に含まれる上記安定化剤の含有量は、上記ゲル化剤の含有量1.0重量部に対して、0.1〜2.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重量部がより好ましい。安定化剤の含有量が0.1〜2.0重量部の場合、アレルゲン安定性に優れ、本発明のアレルゲン含有シート状製剤を貯蔵する際に有利である。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造過程では、低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液のpHが5.0〜9.0であることが好ましい。pHが上記範囲にあることで、アレルゲンの物理化学的安定性が顕著に減少することを防止し、安全性を確保することができる。より好ましくはpHが6.0〜8.0である。
上記アレルゲン含有溶液のpHを調節するため、本発明では、上記アレルゲン含有溶液にpH調節剤を含有することが好ましい。
上記pH調節剤としては特に限定されないが、医薬品添加剤として実績がある、アジピン酸、アンモニア水、塩酸、炭酸ナトリウム、希塩酸、クエン酸水和物、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、結晶リン酸二水素ナトリウム、コハク酸、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム水和物、ジイソプロパノールアミン、酒石酸、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム液、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂、マレイン酸、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メグルミン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、硫酸、硫酸アルミニウムカリウム水和物、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
これらのpH調節剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記pH調節剤は、例えば、有機酸と、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等との組み合わせのように、後述する有機酸塩と同等の有機酸塩となる組み合わせが用いられてもよい。
また、製造上の観点から、上記pH調節剤は、少量でpHの調節が可能なものが好ましい。このようなpH調節剤としては、例えば、塩酸及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。
上記pH調節剤としては特に限定されないが、医薬品添加剤として実績がある、アジピン酸、アンモニア水、塩酸、炭酸ナトリウム、希塩酸、クエン酸水和物、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、結晶リン酸二水素ナトリウム、コハク酸、酢酸、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム水和物、ジイソプロパノールアミン、酒石酸、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム液、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂、マレイン酸、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メグルミン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、硫酸、硫酸アルミニウムカリウム水和物、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
これらのpH調節剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記pH調節剤は、例えば、有機酸と、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等との組み合わせのように、後述する有機酸塩と同等の有機酸塩となる組み合わせが用いられてもよい。
また、製造上の観点から、上記pH調節剤は、少量でpHの調節が可能なものが好ましい。このようなpH調節剤としては、例えば、塩酸及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。
また、上記pH調節剤としては、タンパク質の変性や凝集を抑制する効果のある有機酸及び有機酸塩も好適に用いられる。
このような有機酸としては、例えば、クエン酸水和物、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム水和物、酒石酸、乳酸、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、マレイン酸、無水クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
また、上記有機酸塩は、本発明のアレルゲン含有シート状製剤のアレルゲンの安定性を向上させる働きもあり、例えば、アミノ酸塩類、アジピン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、マロン酸塩、グルタル酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、グリチルリチン酸塩、ピメリン酸塩、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの有機酸塩は、単独で用いられてもよく、任意の組み合わせの2種以上が併用されてもよい。
上記有機酸塩としては、なかでも、医薬品添加物として実績があり、水に溶解させた時にアレルゲン含有シート状製剤の最適pH領域(5.0〜9.0)を逸脱しないものが好ましい。このような有機酸塩としては、具体的には、例えば、乳酸カルシウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、コハク酸二ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、アスパラギン酸ナトリウムが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して用いられてもよい。特に、アレルゲンの安定化効果の観点から、乳酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパラギン酸ナトリウムが好ましい。但し、先述の通り、ペクチンにカルシウム塩、カラギーナンにカリウム塩もしくはカルシウム塩を組み合わせるとゲル化の原因になるため、製造上好ましくない。
このような有機酸としては、例えば、クエン酸水和物、グリシン、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酢酸ナトリウム水和物、酒石酸、乳酸、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、マレイン酸、無水クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
また、上記有機酸塩は、本発明のアレルゲン含有シート状製剤のアレルゲンの安定性を向上させる働きもあり、例えば、アミノ酸塩類、アジピン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、マロン酸塩、グルタル酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、グリチルリチン酸塩、ピメリン酸塩、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの有機酸塩は、単独で用いられてもよく、任意の組み合わせの2種以上が併用されてもよい。
上記有機酸塩としては、なかでも、医薬品添加物として実績があり、水に溶解させた時にアレルゲン含有シート状製剤の最適pH領域(5.0〜9.0)を逸脱しないものが好ましい。このような有機酸塩としては、具体的には、例えば、乳酸カルシウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、コハク酸二ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、アスパラギン酸ナトリウムが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して用いられてもよい。特に、アレルゲンの安定化効果の観点から、乳酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパラギン酸ナトリウムが好ましい。但し、先述の通り、ペクチンにカルシウム塩、カラギーナンにカリウム塩もしくはカルシウム塩を組み合わせるとゲル化の原因になるため、製造上好ましくない。
本発明における上記有機酸塩の含有量は、その製造過程で低温乾燥を行なう直前の後述するアレルゲン含有溶液の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤に含まれる有機酸塩の含有量は、ゲル化剤の含有量1重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。有機酸塩の含有量が0.01〜1重量部の場合、本発明のアレルゲン含有シート状製剤のアレルゲン安定性に優れ、貯蔵する際に有利である。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤に含まれる有機酸塩の含有量は、ゲル化剤の含有量1重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。有機酸塩の含有量が0.01〜1重量部の場合、本発明のアレルゲン含有シート状製剤のアレルゲン安定性に優れ、貯蔵する際に有利である。
更に、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、基材を構成する成分として、上述した材料以外に、所望により香料、嬌味剤、甘味剤、着色剤、防腐剤、抗酸化剤、他の安定化剤、消泡剤、界面活性剤等を適宜使用してもよい。
これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
なお、上記消泡剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖混合脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
なお、上記消泡剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖混合脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、感作時間の制御が必要な口腔内減感作療法用に好適に用いられ、特に舌下減感作療法に適したものである。また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、ゼラチンと、特定の安定化剤とを含有することによって、アレルゲン、特にタンパク質やペプチドを安定に維持することができる。
また、後述するように本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、低温乾燥によって得られるものであるため、常温〜50℃程度では物理的に安定である。
また、主基材が水溶性のゲル化剤であるため、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、口腔内の体温程度の温度と水分量で容易に溶解させることができ、特定の添加剤とを含有することで、有意に使用上の物性を向上させることが可能である。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンタンパク質を、特にスギ花粉アレルゲンタンパク質を安定に維持することができる。
また、後述するように本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、低温乾燥によって得られるものであるため、常温〜50℃程度では物理的に安定である。
また、主基材が水溶性のゲル化剤であるため、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、口腔内の体温程度の温度と水分量で容易に溶解させることができ、特定の添加剤とを含有することで、有意に使用上の物性を向上させることが可能である。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンタンパク質を、特にスギ花粉アレルゲンタンパク質を安定に維持することができる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、もちろんそのままの状態で嚥下してもよいし、口腔内で即座に溶解させて嚥下してもよい。更に、口腔内での溶解時間を制御し、口腔粘膜や舌下粘膜からの吸収を期待することも可能である。
更に、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、体温程度の温度で全て溶解させることができるため、残渣感がないという観点、また、物理的に安定で、患者及び介護者も指で持ちやすいという観点から、患者及び介護者のQOLを大幅に向上させることができる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤の物理的強度については特に限定されないが、例えば、包装、貯蔵、輸送及び患者による製剤の取り扱い時に、割れ又は欠け等物理的な崩壊が見られない程度が好ましい。また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、手で持った場合、体温程度の接触では製剤の溶解、性状悪化は一切見られない。
更に、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、体温程度の温度で全て溶解させることができるため、残渣感がないという観点、また、物理的に安定で、患者及び介護者も指で持ちやすいという観点から、患者及び介護者のQOLを大幅に向上させることができる。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤の物理的強度については特に限定されないが、例えば、包装、貯蔵、輸送及び患者による製剤の取り扱い時に、割れ又は欠け等物理的な崩壊が見られない程度が好ましい。また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、手で持った場合、体温程度の接触では製剤の溶解、性状悪化は一切見られない。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤の厚みとしては特に限定されないが、30〜5000μmであることが好ましい。30μm未満であると、強度及び製品の取り扱い性の観点から問題となる可能性があり、5000μmを超えると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤を口腔内、特に舌下への投与した場合、違和感を覚える恐れがある。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤のサイズとしては特に限定されないが、平面面積は、0.5〜6.0cm2の範囲内が好ましい。0.5cm2未満であると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤を摘まんで投与する際に取り扱いが難しくなる恐れがあり、6.0cm2を超えると、本発明のアレルゲン含有シート状製剤を口腔内、特に舌下へ完全に入れることができない恐れがある。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の平面形状は特に限定されず、例えば、長方形、正方形などの矩形、5角形などの多角形、円形、楕円形等、任意の形状が挙げられる。ここにいう多角形は、完全な多角形のほか、若干、角部にRを有する形状も含む。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の平面形状は特に限定されず、例えば、長方形、正方形などの矩形、5角形などの多角形、円形、楕円形等、任意の形状が挙げられる。ここにいう多角形は、完全な多角形のほか、若干、角部にRを有する形状も含む。
上述した本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、例えば、水に、少なくともアレルゲンとゲル化剤とを溶解させてアレルゲン含有溶液を調製する工程と、上記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程とを有し、上記ゲル化剤は、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程において、水の含有量を10〜30重量%に調整する方法により製造することができる。
このような本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造方法もまた、本発明の一つである。
このような本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造方法もまた、本発明の一つである。
上記アレルゲン含有溶液を調製する工程において、得られるアレルゲン含有溶液は、pHが5.0〜9.0の範囲内にあることが好ましい。上記アレルゲン含有溶液のpHが上記範囲内にあることで、アレルゲンの物理化学的安定性が顕著に減少することを防止し、安全性を確保することができる。
なお、上記アレルゲン含有溶液におけるアレルゲン及びゲル化剤としては、上述した本発明のアレルゲン含有シート状製剤で説明したものと同様のものが挙げられる。
また、本工程では、必要に応じて、その他の成分、例えば、上述したpH調節剤や添加剤等を添加してもよい。
なお、上記アレルゲン含有溶液におけるアレルゲン及びゲル化剤としては、上述した本発明のアレルゲン含有シート状製剤で説明したものと同様のものが挙げられる。
また、本工程では、必要に応じて、その他の成分、例えば、上述したpH調節剤や添加剤等を添加してもよい。
また、上記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程では、例えば、上記アレルゲン含有溶液の所定量を、28〜35℃の温度下で希望するサイズのブリスター内に分注し、分注後、即座に低温乾燥させることが好ましい(分注方式)。なお、本発明における低温乾燥とは、5〜25℃で冷風乾燥又は冷却減圧乾燥させることを意味する。上記冷風乾燥又は冷却減圧乾燥の方法としては、公知の方法が挙げられる。
また、上記分注方式の代わりに、剥離フィルム上に適当量展延し、冷却固化することによりシート状製剤を形成し、希望するサイズに裁断することにより調製しても良い。
また、上記分注方式の代わりに、剥離フィルム上に適当量展延し、冷却固化することによりシート状製剤を形成し、希望するサイズに裁断することにより調製しても良い。
また、本工程では、水の含有量を10〜30重量%となるように調整するが、この水分含有量の調整後に、冷風乾燥工程または冷却減圧乾燥工程を行ってもよい。得られたアレルゲン含有シート状製剤を必要により密封包装し、製品とすることが好ましい。
このような本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造方法は、非常に熱安定性が低いアレルゲンに対して、非加熱下に、具体的には35℃以下の温度で調製可能という点、長期的な安定性を劇的に向上させる点等の安定化に対して非常に有用である。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンに加えて特定のゲル化剤を含むため、該アレルゲンの貯蔵及び輸送の際に保管安定性に優れたものとなる。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造方法によれば、非常に熱安定性が悪いことが知られているアレルゲンを、製造中においても安定的に維持することができ、更に、得られたアレルゲン含有シート状製剤においても保管安定性に優れたものとすることができる。
また、本発明のアレルゲン含有シート状製剤の製造方法によれば、非常に熱安定性が悪いことが知られているアレルゲンを、製造中においても安定的に維持することができ、更に、得られたアレルゲン含有シート状製剤においても保管安定性に優れたものとすることができる。
以下の実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<アレルゲン含有シート状製剤の作製>
(実施例1)
85重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、豚由来低分子ゼラチン(豚骨ゼラチンAEP、ニッピ社製)4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン(和光純薬工業社製)2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し溶解させた。pH調整剤である水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。なお、pHの調整は、pH測定器(堀場製作所社製、pHメーター)を用いて、25±2℃の温度下で測定した。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に、表1に示した量を分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例1)
85重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、豚由来低分子ゼラチン(豚骨ゼラチンAEP、ニッピ社製)4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン(和光純薬工業社製)2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し溶解させた。pH調整剤である水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。なお、pHの調整は、pH測定器(堀場製作所社製、pHメーター)を用いて、25±2℃の温度下で測定した。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に、表1に示した量を分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例2〜7)
実施例1と同様の手順で、表1に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%なるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例2では水溶性ゼラチン(魚)(水溶性ゼラチンCSF、ニッピ社製)、実施例3ではLMペクチン(GENU PECTIN Type LM−102AS−J、CP Kelco社製)、実施例4ではHMペクチン(GENU PECTIN Type USP−H、CP Kelco社製)、実施例5ではλ−カラギーナン(GENUVISCO carrageenan type CSM−2、CP Kelco社製)、実施例6ではι−カラギーナン(シーピーガムFA、DSP五協フード&ケミカル社製)、実施例7ではκ−カラギーナン(GENUGEL JPE−126、CP Kelco社製)を用いた。
実施例1と同様の手順で、表1に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%なるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例2では水溶性ゼラチン(魚)(水溶性ゼラチンCSF、ニッピ社製)、実施例3ではLMペクチン(GENU PECTIN Type LM−102AS−J、CP Kelco社製)、実施例4ではHMペクチン(GENU PECTIN Type USP−H、CP Kelco社製)、実施例5ではλ−カラギーナン(GENUVISCO carrageenan type CSM−2、CP Kelco社製)、実施例6ではι−カラギーナン(シーピーガムFA、DSP五協フード&ケミカル社製)、実施例7ではκ−カラギーナン(GENUGEL JPE−126、CP Kelco社製)を用いた。
(比較例1)
99.8重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、スギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。得られた溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に1.0gを分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
99.8重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、スギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。得られた溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に1.0gを分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(比較例2)
97.8重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、グリセリン(和光純薬工業社製)2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。得られた溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に1.0gを分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
97.8重量部の精製水(日本薬局方精製水、健栄製薬社製)に、グリセリン(和光純薬工業社製)2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末(LSL社製)0.2重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。得られた溶液をプラスチック製ブリスターケース(クリオモルド(角型)3号、サクラファインテック社製)に1.0gを分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(比較例3〜4)
実施例1と同様の手順で、表1に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、比較例3ではアルギン酸ナトリウム(キミカアルギン IL−6、キミカ社製)、比較例4では脱アシル型ジェランガム(ケルコゲル、CP Kelco社製)を用いた。
実施例1と同様の手順で、表1に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、比較例3ではアルギン酸ナトリウム(キミカアルギン IL−6、キミカ社製)、比較例4では脱アシル型ジェランガム(ケルコゲル、CP Kelco社製)を用いた。
実施例1〜7、比較例1〜4にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、25±2℃で、14日、30日、60日保管後のアレルゲン活性と、水分含有量を、後述する方法に従って測定した。結果を表2に示した。
(アレルゲン活性評価方法)
スギ花粉抗原ELISA「Cryj1」(生化学バイオビジネス社製)を用い、スギ花粉の主要アレルゲンの1つであるCryj1のアレルゲン活性を測定した。当該測定キットは日本スギ(Cryptomeria japonica)花粉抗原の1つであるCryj1に特異的なモノクロナール抗体(013、053)を利用したサンドイッチELISA法を原理としており、Cryj1を特異的に測定することが可能である。
まず、キット付属の反応緩衝液にアレルゲン含有シート状製剤を入れ、完全に溶解させた。製剤中のCryj1が全く失活していないと仮定して、得られた溶液中のCryj1濃度が10ng/mLとなるように希釈し、これをサンプルとした。次に、新たに反応緩衝液100μLに標準溶液又は前記サンプル20μLを添加し、常温で60分間一時反応を行った後、HRP標識抗体溶液100μLを加え60分間二次反応を行った。ここに酵素基質溶液100μLを加え、常温遮光下で30分間反応を行い、最後に反応停止溶液100μLを加えた。その後、450nmの紫外吸収強度を測定した。各Cryj1濃度の標準溶液における吸収強度を元に検量線を求め、これに従い各サンプルのCryj1アレルゲン活性(ng/mL)を測定した。
保管安定性試験のサンプリング後のCryj1アレルゲン活性(%)を求めた。当該Cryj1アレルゲン活性(%)を下記の通りスコア化することにより評価を行った。
5:90%以上〜105%未満
4:75%以上〜90%未満
3:60%以上〜75%未満
2:45%以上〜60%未満
1:30%以上〜45%未満
0:30%未満
スギ花粉抗原ELISA「Cryj1」(生化学バイオビジネス社製)を用い、スギ花粉の主要アレルゲンの1つであるCryj1のアレルゲン活性を測定した。当該測定キットは日本スギ(Cryptomeria japonica)花粉抗原の1つであるCryj1に特異的なモノクロナール抗体(013、053)を利用したサンドイッチELISA法を原理としており、Cryj1を特異的に測定することが可能である。
まず、キット付属の反応緩衝液にアレルゲン含有シート状製剤を入れ、完全に溶解させた。製剤中のCryj1が全く失活していないと仮定して、得られた溶液中のCryj1濃度が10ng/mLとなるように希釈し、これをサンプルとした。次に、新たに反応緩衝液100μLに標準溶液又は前記サンプル20μLを添加し、常温で60分間一時反応を行った後、HRP標識抗体溶液100μLを加え60分間二次反応を行った。ここに酵素基質溶液100μLを加え、常温遮光下で30分間反応を行い、最後に反応停止溶液100μLを加えた。その後、450nmの紫外吸収強度を測定した。各Cryj1濃度の標準溶液における吸収強度を元に検量線を求め、これに従い各サンプルのCryj1アレルゲン活性(ng/mL)を測定した。
保管安定性試験のサンプリング後のCryj1アレルゲン活性(%)を求めた。当該Cryj1アレルゲン活性(%)を下記の通りスコア化することにより評価を行った。
5:90%以上〜105%未満
4:75%以上〜90%未満
3:60%以上〜75%未満
2:45%以上〜60%未満
1:30%以上〜45%未満
0:30%未満
(水分含有量の測定方法)
加熱乾燥式水分計MX−50(エーアンドディー社製)を用いてアレルゲン含有シート状製剤中の水分含有量を測定した。
加熱乾燥式水分計MX−50(エーアンドディー社製)を用いてアレルゲン含有シート状製剤中の水分含有量を測定した。
表2に示したように、ゲル化剤として、実施例1〜7に示したゼラチン、ペクチン及びカラギーナンが有効であることが示された。一方、カラギーナンとは異なる海藻由来のアルギン酸ナトリウムや微生物由来のジェランガムは不適であることがわかった。
<フィルム製剤中の残存水分量の検討>
(実施例8〜10)
85重量部の精製水に、豚骨ゼラチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有水溶液を得た。
得られたアレルゲン含有水溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表3に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量の設定値が実施例8では10重量%、実施例9では20重量%、実施例10では30重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例8〜10)
85重量部の精製水に、豚骨ゼラチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有水溶液を得た。
得られたアレルゲン含有水溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表3に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量の設定値が実施例8では10重量%、実施例9では20重量%、実施例10では30重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例11〜16)
実施例8と同様の手順で、表3に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量の設定値が実施例11及び14では10重量%、実施例12及び15では20重量%、実施例13及び16では30重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例11〜13ではLMペクチン、実施例14〜16ではλ−カラギーナンを用いた。
実施例8と同様の手順で、表3に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量の設定値が実施例11及び14では10重量%、実施例12及び15では20重量%、実施例13及び16では30重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例11〜13ではLMペクチン、実施例14〜16ではλ−カラギーナンを用いた。
(比較例5〜13)
実施例8と同様の手順で、表4に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量の設定値が比較例5、8及び11では5重量%、比較例6、9及び12では40重量%、比較例7、10及び13では80重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、比較例5〜7では豚骨ゼラチン、比較例8〜10ではLMペクチン、比較例11〜13ではλ−カラギーナンを用いた。
実施例8と同様の手順で、表4に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量の設定値が比較例5、8及び11では5重量%、比較例6、9及び12では40重量%、比較例7、10及び13では80重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、比較例5〜7では豚骨ゼラチン、比較例8〜10ではLMペクチン、比較例11〜13ではλ−カラギーナンを用いた。
実施例8〜16、比較例5〜13にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、40±2℃で、14日、30日保管後のアレルゲン活性を、前述のアレルゲン活性評価方法に従って測定した。30日保管後のアレルゲン含有シート状製剤の外観を、後述する外観評価方法に従って判定した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例8〜16、比較例5〜13にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。
結果を表5に示した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例8〜16、比較例5〜13にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。
結果を表5に示した。
(外観評価方法)
アレルゲン含有シート状製剤の外観を、以下の基準で評価した。
5:製剤の溶解などの異状が全く見られない。
0:製剤の一部もしくは全部に溶解などの異状が見られる。
アレルゲン含有シート状製剤の外観を、以下の基準で評価した。
5:製剤の溶解などの異状が全く見られない。
0:製剤の一部もしくは全部に溶解などの異状が見られる。
表5に示したように、アレルゲン含有シート状製剤中の水分含有量として10〜30重量%が有効であることが示された。一方、水分量が5重量%ではアレルゲンの安定化が損なわれ、水分量が40重量%、80重量%の場合はアレルゲンの失活とともに40℃程度の保管条件ではアレルゲン含有シート状製剤に溶解などの異状が見られることがわかった。
<可塑剤の検討>
(実施例17〜21)
85重量部の精製水に、豚骨ゼラチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリンを表6で示した量ずつ加え(但し、実施例17はグリセリンを添加しなかった)、更にスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表6に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例17〜21)
85重量部の精製水に、豚骨ゼラチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリンを表6で示した量ずつ加え(但し、実施例17はグリセリンを添加しなかった)、更にスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表6に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例22〜31)
実施例17〜21と同様の手順で、表6に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例22〜26ではLMペクチン、実施例27〜31ではλ−カラギーナンを用い、実施例22、27ではグリセリンを添加しなかった。
実施例17〜21と同様の手順で、表6に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例22〜26ではLMペクチン、実施例27〜31ではλ−カラギーナンを用い、実施例22、27ではグリセリンを添加しなかった。
実施例17〜31にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、40±2℃で、14日、30日保管後のアレルゲン活性を、前述のアレルゲン活性評価方法に従って、測定した。30日保管後のアレルゲン含有シート状製剤の外観を、前述の外観評価方法に従って、判定した。更に、実施例17〜31にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、作製直後と、40±2℃で30日保管後のアレルゲン含有シート状製剤の柔軟性を、後述する柔軟性評価方法に従って判定した。
(柔軟性評価方法)
アレルゲン含有シート状製剤の柔軟性を、以下の基準で評価した。
5:柔軟性があり、折り曲げても破損しない。
3:強く折り曲げると破損する。
1:曲げると破損する。
0:軽く触れると破損する。
アレルゲン含有シート状製剤の柔軟性を、以下の基準で評価した。
5:柔軟性があり、折り曲げても破損しない。
3:強く折り曲げると破損する。
1:曲げると破損する。
0:軽く触れると破損する。
表7に示したように、アレルゲン含有シート状製剤の全重量に対するグリセリン含有量として、10〜60重量%が有効であり、特に10〜50重量%が有効であることが示された。
<アレルゲン含有シート状製剤の製造方法の検討>
(実施例32〜37)
実施例18、23、28と同様の手順で、表8に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られた水溶液をプラスチック製ブリスターケースに2.0gずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように表8に示した温度にて低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例32〜37)
実施例18、23、28と同様の手順で、表8に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られた水溶液をプラスチック製ブリスターケースに2.0gずつ分注し、モレキュラーシーブス(MS)を敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように表8に示した温度にて低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(比較例14〜19)
実施例18、23、28と同様の手順で、表8に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、2.0gずつ分注し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように表8に示した温度にて乾燥し、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
実施例18、23、28と同様の手順で、表8に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、2.0gずつ分注し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように表8に示した温度にて乾燥し、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
実施例32〜37、比較例14〜19にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、40±2℃で、14日、30日保管後のアレルゲン活性を、前述のアレルゲン活性評価方法に従って、測定した。30日保管後のアレルゲン含有シート状製剤について、後述するフィルム形成能の評価方法に従って判定した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例32〜37、比較例14〜19にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。
結果を表9に示した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例32〜37、比較例14〜19にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。
結果を表9に示した。
(フィルム形成能の評価方法)
アレルゲン含有シート状製剤のフィルム形成能を、以下の基準で評価した。
5:滑らかなフィルム状を形成している。
0:フィルム状を形成していない。
アレルゲン含有シート状製剤のフィルム形成能を、以下の基準で評価した。
5:滑らかなフィルム状を形成している。
0:フィルム状を形成していない。
表9で示したように、アレルゲン含有シート状製剤の乾燥条件として、5〜25℃の低温乾燥が有効であることが示された。
<口腔内における溶解時間の制御>
(実施例38〜40)
75重量部の精製水に、豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン7重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例38〜40)
75重量部の精製水に、豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン7重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。
得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例41〜43)
85重量部の精製水に、LMペクチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
85重量部の精製水に、LMペクチン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例44〜46)
85重量部の精製水に、λ−カラギーナン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。塩酸を用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
85重量部の精製水に、λ−カラギーナン5重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3.5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。塩酸を用いて、pH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表10に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(比較例20〜25)
実施例18、23、28と同様の手順で、表10に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られたアレルゲン含有溶液を凍結乾燥用バイアルに、表10に示した量ずつ分注し、液体窒素にバイアル瓶ごと漬け、アレルゲン含有溶液を凍結させた。凍結乾燥機(DC400、ヤマト科学社製)に素早く移動し、減圧下にて24時間乾燥を行ない、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
実施例18、23、28と同様の手順で、表10に示した配合量にてアレルゲン含有溶液を調製した。得られたアレルゲン含有溶液を凍結乾燥用バイアルに、表10に示した量ずつ分注し、液体窒素にバイアル瓶ごと漬け、アレルゲン含有溶液を凍結させた。凍結乾燥機(DC400、ヤマト科学社製)に素早く移動し、減圧下にて24時間乾燥を行ない、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
実施例38〜46、比較例20〜25にて得られたアレルゲン含有シート状製剤について、後述する口腔内溶解性試験に従って、口腔内溶解時間を測定した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例35〜43、比較例23〜28にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。結果を表11に示した。
また、前述の水分含有量の測定方法に従って、実施例35〜43、比較例23〜28にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の水分含有量を測定した。結果を表11に示した。
(口腔内溶解性試験)
第15改正日本薬局方に記載の崩壊試験法に準じて試験を行った。1000mLの試験器に900 mLの蒸留水をいれ、37±2℃の温度下で、1分間に29〜32往復、振幅53〜57mmで試験器を上下させる条件下により試験を行った。蒸留水が入った試験器の中にアレルゲン含有シート状製剤を入れ、前述の条件下で試験を開始し、試験開始からアレルゲン含有シート状製剤が完全に溶解し、試験器中から消失した時間を口腔内溶解時間とした。
第15改正日本薬局方に記載の崩壊試験法に準じて試験を行った。1000mLの試験器に900 mLの蒸留水をいれ、37±2℃の温度下で、1分間に29〜32往復、振幅53〜57mmで試験器を上下させる条件下により試験を行った。蒸留水が入った試験器の中にアレルゲン含有シート状製剤を入れ、前述の条件下で試験を開始し、試験開始からアレルゲン含有シート状製剤が完全に溶解し、試験器中から消失した時間を口腔内溶解時間とした。
表11に示したように、アレルゲン含有シート状製剤の口腔内溶解時間は、アレルゲン含有シート状製剤の重量、つまりアレルゲン含有シート状製剤の厚み(本試験では同一のブリスターを使用しているため)を調節することで数十秒〜数分程度の範囲で容易に制御可能であることが示された。凍結乾燥によって得られたアレルゲン含有シート状製剤の場合、アレルゲン含有シート状製剤の重量や大きさを調節しても、1分程度で溶解してしまうことから、実施例に係るアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンへの感作時間の制御が必要な減感作療法に適していることが示された。また、凍結乾燥法で製造したアレルゲン含有シート状製剤は、重量に関係なく、30秒以内で速やかに崩壊することが示された。
<安定化剤の配合によるアレルゲン安定性に関する検討>
アレルゲン含有シート状製剤に安定化剤を組み合わせて、アレルゲン安定性に関する検討を行った。以下に示す実施例はあくまで一つの参考例であり、これが本発明のアレルゲン含有シート状製剤の組成決定を示すものではない。
アレルゲン含有シート状製剤に安定化剤を組み合わせて、アレルゲン安定性に関する検討を行った。以下に示す実施例はあくまで一つの参考例であり、これが本発明のアレルゲン含有シート状製剤の組成決定を示すものではない。
(実施例47)
70重量部の精製水に、豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
70重量部の精製水に、豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例48)
70重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール(ロケット社製)5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへ豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有水溶液を得た。得られたアレルゲン含有水溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
70重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール(ロケット社製)5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへ豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有水溶液を得た。得られたアレルゲン含有水溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例49〜51)
実施例47と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例49では、ラフィノース(和光純薬工業社製)、実施例50では、マルトデキストリン(アミコール10、日澱化学社製)、実施例51では、プルラン(林原商事社製)を用いた。
実施例47と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、実施例49では、ラフィノース(和光純薬工業社製)、実施例50では、マルトデキストリン(アミコール10、日澱化学社製)、実施例51では、プルラン(林原商事社製)を用いた。
(実施例52)
70重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム(太平化学産業)1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへ豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
70重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム(太平化学産業)1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへ豚骨ゼラチン10重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン5重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表12に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例53〜57)
実施例52と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例53ではグルコン酸カルシウム(富田製薬社製)、実施例54ではクエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)、実施例55ではグルコン酸ナトリウム(ヘルシャスA、扶桑化学工業社製)、実施例56ではアスパラギン酸ナトリウム(協和発酵バイオ社製)、実施例57ではグリチルリチン酸二カリウム(和光純薬工業社製)を用いた。
実施例52と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例53ではグルコン酸カルシウム(富田製薬社製)、実施例54ではクエン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)、実施例55ではグルコン酸ナトリウム(ヘルシャスA、扶桑化学工業社製)、実施例56ではアスパラギン酸ナトリウム(協和発酵バイオ社製)、実施例57ではグリチルリチン酸二カリウム(和光純薬工業社製)を用いた。
(実施例58〜63)
実施例52と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例58では乳酸カルシウム、実施例59ではグルコン酸カルシウム、実施例60ではクエン酸ナトリウム、実施例61ではグルコン酸ナトリウム、実施例62ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例63ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
実施例52と同様の手順で、表12に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例58では乳酸カルシウム、実施例59ではグルコン酸カルシウム、実施例60ではクエン酸ナトリウム、実施例61ではグルコン酸ナトリウム、実施例62ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例63ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
(実施例64)
75重量部の精製水に、LMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、LMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例65)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへフィルム基材であるLMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへフィルム基材であるLMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例66〜68)
実施例65と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例66ではラフィノース(和光純薬工業社製)、実施例67ではマルトデキストリン(アミコール10、日澱化学社製)、実施例68ではプルラン(林原商事社製)を用いた。
実施例65と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例66ではラフィノース(和光純薬工業社製)、実施例67ではマルトデキストリン(アミコール10、日澱化学社製)、実施例68ではプルラン(林原商事社製)を用いた。
(実施例69)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩であるクエン酸ナトリウム1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへLMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩であるクエン酸ナトリウム1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへLMペクチン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表13に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例70〜72)
実施例69と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例70ではグルコン酸ナトリウム、実施例71ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例72ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
実施例69と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例70ではグルコン酸ナトリウム、実施例71ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例72ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
(実施例73〜76)
実施例69と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例73ではクエン酸ナトリウム、実施例74では、グルコン酸ナトリウム、実施例75ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例76ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
実施例69と同様の手順で、表13に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例73ではクエン酸ナトリウム、実施例74では、グルコン酸ナトリウム、実施例75ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例76ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
(実施例77)
75重量部の精製水に、λ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、λ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例78)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへλ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部を加え、充分に溶解させた。そこへλ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例79〜81)
実施例78と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例79ではラフィノース、実施例80ではマルトデキストリン、実施例81ではプルランを用いた。
実施例78と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例79ではラフィノース、実施例80ではマルトデキストリン、実施例81ではプルランを用いた。
(実施例82)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへλ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール5重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム1重量部を加え、充分に溶解させた。そこへλ−カラギーナン8重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン4重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表14に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例83〜86)
実施例82と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例83ではグルコン酸カルシウム、実施例84ではクエン酸ナトリウム、実施例85ではグルコン酸ナトリウム、実施例86ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
実施例82と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例83ではグルコン酸カルシウム、実施例84ではクエン酸ナトリウム、実施例85ではグルコン酸ナトリウム、実施例86ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
(実施例87〜91)
実施例82と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例87では乳酸カルシウム、実施例88ではグルコン酸カルシウム、実施例89ではクエン酸ナトリウム、実施例90ではグルコン酸ナトリウム、実施例91ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
実施例82と同様の手順で、表14に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例87では乳酸カルシウム、実施例88ではグルコン酸カルシウム、実施例89ではクエン酸ナトリウム、実施例90ではグルコン酸ナトリウム、実施例91ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
(実施例92)
75重量部の精製水に、ι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、ι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例93)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール4重量部を加え、充分に溶解させた。そこへι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール4重量部を加え、充分に溶解させた。そこへι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例94〜96)
実施例93と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例94ではラフィノース、実施例95ではマルトデキストリン、実施例96では、プルランを用いた。
実施例93と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例94ではラフィノース、実施例95ではマルトデキストリン、実施例96では、プルランを用いた。
(実施例97)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール4重量部及び有機酸塩であるクエン酸ナトリウム0.6重量部を加え、充分に溶解させた。そこへι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール4重量部及び有機酸塩であるクエン酸ナトリウム0.6重量部を加え、充分に溶解させた。そこへι−カラギーナン6重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン3重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表15に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例98〜100)
実施例97と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例98ではグルコン酸ナトリウム、実施例99ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例100ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
実施例97と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例98ではグルコン酸ナトリウム、実施例99ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例100ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
(実施例101〜104)
実施例97と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、さらに、有機酸塩として、実施例101ではクエン酸ナトリウム、実施例102では、グルコン酸ナトリウム、実施例103ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例104ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
実施例97と同様の手順で、表15に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、さらに、有機酸塩として、実施例101ではクエン酸ナトリウム、実施例102では、グルコン酸ナトリウム、実施例103ではアスパラギン酸ナトリウム、実施例104ではグリチルリチン酸二カリウムを用いた。
(実施例105)
75重量部の精製水に、κ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、κ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例106)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール2重量部を加え、充分に溶解させた。そこへκ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール2重量部を加え、充分に溶解させた。そこへκ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例107〜109)
実施例106と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例107ではラフィノース、実施例108ではマルトデキストリン、実施例109ではプルランを用いた。
実施例106と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、安定化剤として、実施例107ではラフィノース、実施例108ではマルトデキストリン、実施例109ではプルランを用いた。
(実施例110)
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール2重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム0.4重量部を加え、充分に溶解させた。そこへκ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
75重量部の精製水に、安定化剤であるソルビトール2重量部及び有機酸塩である乳酸カルシウム0.4重量部を加え、充分に溶解させた。そこへκ−カラギーナン4重量部を加え、50℃で加温して溶解させた。得られた溶液を35℃以下になるまで放冷し、グリセリン2重量部及びスギ花粉抽出物凍結乾燥粉末0.1重量部を加え、充分に混合し、溶解させた。水酸化ナトリウムを用いてpH=6.5に調整し、更に精製水を加えて全量を100重量部としアレルゲン含有溶液を得た。得られたアレルゲン含有溶液をプラスチック製ブリスターケースに、表16に示した量ずつ分注し、モレキュラーシーブスを敷いたデシケーター内に並べ、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥して、アレルゲン含有シート状製剤を得た。
(実施例111〜114)
実施例110と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例111ではグルコン酸カルシウム、実施例112ではクエン酸ナトリウム、実施例113ではグルコン酸ナトリウム、実施例114ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
実施例110と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、有機酸塩として、実施例111ではグルコン酸カルシウム、実施例112ではクエン酸ナトリウム、実施例113ではグルコン酸ナトリウム、実施例114ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
(実施例115〜119)
実施例110と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例115では乳酸カルシウム、実施例116ではグルコン酸カルシウム、実施例117ではクエン酸ナトリウム、実施例118ではグルコン酸ナトリウム、実施例119ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
実施例110と同様の手順で、表16に示した配合量にて溶液を調製し、水分含有量(設定値)が15重量%になるように5℃で低温乾燥を行い、アレルゲン含有シート状製剤を得た。なお、糖類としてはラフィノースを用い、更に、有機酸塩として、実施例115では乳酸カルシウム、実施例116ではグルコン酸カルシウム、実施例117ではクエン酸ナトリウム、実施例118ではグルコン酸ナトリウム、実施例119ではアスパラギン酸ナトリウムを用いた。
実施例47〜119にて得られたアレルゲン含有シート状製剤の保管安定性試験として、40±2℃で90日間保管し、30日経過後、60日経過後及び90日経過後のアレルゲン活性を、前述のアレルゲン活性評価方法に従って測定した。また、90日経過後のアレルゲン含有シート状製剤の外観を観察し、先述の基準で評価した。結果を、表17に示した。
表17に示したように、実施例に係るアレルゲン含有シート状製剤に安定化剤である糖類や有機酸塩を配合することで、アレルゲンの安定化効果を大幅に向上できることが示された。
本発明のアレルゲン含有シート状製剤は、アレルゲンに加えて特定のゲル化剤を含むとともに、特定量の水を含有するため、該アレルゲンの貯蔵及び輸送の際に保管安定性に優れたものとなり、減感作療法に好適に用いることができる。
また、本発明の製造方法によれば、非常に熱安定性が悪い事が知られているアレルゲンを製造中においても安定的に維持することができ、更に、得られたアレルゲン含有シート状製剤においても保管安定性に優れたものとすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、非常に熱安定性が悪い事が知られているアレルゲンを製造中においても安定的に維持することができ、更に、得られたアレルゲン含有シート状製剤においても保管安定性に優れたものとすることができる。
Claims (5)
- アレルゲンと、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種のゲル化剤と、水とを含むアレルゲン含有シート状製剤であって、
前記水の含有量が10〜30重量%である
ことを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤。 - 更に、グリセリンを含む請求項1記載のアレルゲン含有シート状製剤。
- 更に、単糖〜六糖の糖及びこれらの糖アルコール、マルトデキストリン、並びに、プルランからなる群より選択される少なくとも1種の安定化剤を含む請求項1又は2記載のアレルゲン含有シート状製剤。
- 更に、有機酸塩を含む請求項1、2又は3記載のアレルゲン含有シート状製剤。
- 水に、少なくともアレルゲンとゲル化剤とを溶解させてアレルゲン含有溶液を調製する工程と、
前記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程とを有し、
前記ゲル化剤は、ゼラチン、ペクチン及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記アレルゲン含有溶液を低温乾燥させる工程において、水の含有量を10〜30重量%に調整する
ことを特徴とするアレルゲン含有シート状製剤の製造方法。
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