JP7236207B2 - エアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品 - Google Patents
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Description
該外容器と各内容器との間の空間に、30℃における内圧が0.2MPa以上0.8MPa以下となるように噴射剤が充填されており、
該第1内容器及び第2内容器の各々が、最内層にポリエチレン樹脂層を有する厚さが20μm以上200μm以下の多層構造のシート材を貼り合わせて形成されており、
該第1剤に含有されるアルカリ剤が、アンモニア、アルカノールアミン及び無機アルカリからなる群より選択される2種以上であって、総アルカリ量が0.2mmol/g以上2mmol/g以下であり、
該第2剤に含有される過酸化水素が4.5質量%以上9質量%以下である、
エアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品を提供するものである。
本発明のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品は、アルカリ剤を含有する第1剤が充填された第1内容器、及び過酸化水素を含有する第2剤が充填された第2内容器の両方を収納する外容器を備える。
本発明における内容器は、最内層にポリエチレン樹脂を有する多層構造のシート材を貼り合わせて形成される。この内容器としては、シート材を2枚重ね、縁部を熱溶着や超音波溶着などで貼り合わせたパウチが挙げられる。
外容器と各内容器との間の空間には、30℃における内圧が0.2MPa以上0.8MPa以下となるように噴射剤が充填される。この内圧は、扱い易い吐出量を担保する観点、第1剤と第2剤の吐出量を最初から最後まで等量に維持する観点、第1剤と第2剤の各内容器中の残量を低減する観点から、好ましくは0.3MPa以上、より好ましくは0.4MPa以上、更に好ましくは0.5MPa以上であり、また内容器の破裂リスクを抑える観点、第1剤と第2剤の吐出量比を最初から最後まで維持する観点、高温下での外容器の破裂リスクを抑える観点から、好ましくは0.75MPa以下、より好ましくは0.7MPa以下である。なお、30℃における内圧は、例えば、ブルドン管圧力計、ストレインゲージ式圧力計、フラッシュダイヤフラム型圧力計等(具体的には、実施例に記載した器機)を用いて測定することができる。
第1内容器内に収容する第1剤の30℃における粘度V(f)、及び第2内容器内に収容する第2剤の30℃における粘度V(s)の各々は、頭髪に塗布する際に剤が垂れるのを防止する観点、第1剤及び第2剤の内容器中の残量を低減する観点から、好ましくは10,000mPa・s以上、より好ましくは12,000mPa・s以上、更に好ましくは15,000mPa・s以上であり、また頭髪に塗布した際に剤を延ばしやすくする観点、第1剤及び第2剤の内容器中の残量を低減する観点、第1剤と第2剤の混合性を良好とする観点から、好ましくは145,000mPa・s以下、より好ましくは120,000mPa・s以下、更に好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは75,000mPa・s以下である。
第2内容器内の第2剤の質量M(s)と第1内容器内の第1剤の質量M(f)の比M(s)/M(f)は、第1剤と第2剤の吐出量を最初から最後まで等量に維持する観点から、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.9以上であり、また、毛髪損傷や頭皮刺激の低減の観点から好ましくは1.2未満、より好ましくは1.15以下、更に好ましくは1.1以下である。
第1剤中にはアンモニア又はその塩、アルカノールアミン及び無機アルカリからなる群より選択される2種以上のアルカリ剤を含有する。アンモニアの塩としては、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等が挙げられ、無機アルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられ、経時による液密性の低下を抑制する観点、脱色性・すすぎ時の感触・刺激臭の低減の各性能をバランスさせる観点から、これらから選ばれる2種以上を含有することが好ましく、これらから選ばれる3種以上を含有することがより好ましい。第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、高脱色を可能とする観点、十分な染毛効果を得る観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.4質量%以上であり、また、毛髪損傷や頭皮刺激の低減の観点、経時による液密性の低下を抑制する観点から、好ましくは14質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。第1剤と第2剤の混合物中におけるアルカリ剤の含有量は、高脱色を可能とする観点、十分な染毛効果を得る観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
100mLの容器に第1剤約1g(Ag)を正確に量り採り、水50mLを加えた後、十分攪拌する。この溶液を試験溶液とし、N/10塩酸(力価B)で滴定し、pH7.0になるまでの消費量(CmL)を求める。以上のA、B及びCから、以下の計算式に従って総アルカリ量を求める。
総アルカリ量(mmol/g)=(B×C)÷A÷10
第2剤中には過酸化水素を含有する。第2剤中における過酸化水素の含有量は、高脱色を可能とする観点、十分な染毛効果を得る観点から、4.5質量%以上であって、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5.5質量%以上、更に好ましくは5.7質量%以上であり、また、経時による液密性の低下を抑制する観点、すすぎ時の感触を向上させる観点から、9質量%以下であって、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下である。第1剤と第2剤の混合物中における過酸化水素の含有量は、高脱色を可能とする観点から、好ましくは2.25質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは2.75質量%以上、更に好ましくは2.85質量%以上であり、また、経時による液密性の低下を抑制する観点、すすぎ時の感触を向上させる観点から、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3.7質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
第2剤約0.2gを共栓付三角フラスコに精密に量り、水80mLを少量ずつ加えながら、泡が立たないように十分にかき混ぜて均一にする。この溶液に、希硫酸50mL及びヨウ化カリウム試液10mLを加えて密栓し、泡が立たないように十分かき混ぜ、暗所に15分放置した後、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液を用いて、電気滴定法の電位差滴定法で滴定する。次式により本品中の過酸化水素の含量を算出する。
0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム液1mL = 1.701mg H2O2
第2剤中の過酸化水素の含量(質量%)=(D×F×0.1701)/E
D:0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム滴下量(mL)
E:試料の採取量(g)
F:0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム液のファクター
第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方には、界面活性剤を含有し得る。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びアニオン界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、処方配合の安定性の観点から、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が好ましい。
第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方には、高級アルコールを含有し得る。高級アルコールとしては、下記一般式(1)で表されるものを用いることができる。
〔式中、Rは炭素数12以上24以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。〕
第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方には、炭化水素を含有し得る。炭化水素は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の炭化水素としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン等が挙げられる。これらの中でも、経時での粘度変化を抑制する観点から流動パラフィンが好ましい。
第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方には、エステル油を含有し得る。エステル油は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明のエステル油としては、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、アボガド油、ヒマワリ油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。これらの中でも、乳化安定性の高さの観点から、飽和脂肪酸分岐アルコールエステルである、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル等が好ましい。
第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方には、有機溶剤を含有し得る。有機溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等の低級アルカノール;ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等の芳香族アルコール;プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;エトキシエタノール、エトキシジグリコール、メトキシエタノール等のエーテルアルコール;N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン等のN-アルキルピロリドン;炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン;γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン等のラクトンが挙げられる。
本発明のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品が、染毛用化粧品である場合、第1剤中に酸化染料中間体又は直接染料を含有する。
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、オルトクロルパラフェニレンジアミン、N-フェニルパラフェニレンジアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、3-メチル-4-アミノフェノール、2-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、4-アミノ-メタクレゾール、オルトアミノフェノール及びこれらの塩等が挙げられる。
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。より具体的には、酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、酸性橙3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC橙1、HC赤1、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC赤3、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、分散紫1、分散青1、分散黒9等が挙げられ、塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性黄76、塩基性橙31、塩基性赤51等が挙げられる。
本発明のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品の第1剤又は第2剤には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、油剤、シリコーン類、不揮発性親水性溶剤、動植物油脂、天然又は合成の高分子、エーテル類、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
第1剤のpH(25℃)は、染毛効果と皮膚刺激性の点から、好ましくは8.5以上、より好ましくは9.0以上であり、また、経時による液密性の低下を抑制する観点から、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.0以下、更に好ましくは10.8以下である。第2剤のpH(25℃)は、経時による液密性の低下を抑制する観点、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上であり、また、過酸化水素の安定性の観点から、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下である。更に、第1剤と第2剤の混合物の使用時のpH(25℃)は、高脱色を可能とする観点、十分な染毛効果を得る観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは8.5以上、更に好ましくは9.0以上であり、また、毛髪損傷や頭皮刺激の低減の観点から、好ましくは11.0以下、より好ましくは10.8以下、更に好ましくは10.5以下である。なお、本発明におけるpHは、堀場製作所社製pHメーターF-22を用いて室温(25℃)で測定した値である。
本発明のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品は、染毛用具を用いて毛髪に塗布することができる。染毛用具としては、特開平10-71020号公報に記載されるような櫛部及び刷毛部を備えた染毛用具や、特開2006-326081号公報に記載されるような櫛部及び剤を保持するための凹みを有する刷毛部を備えた染毛用具を用いることができる。
第1剤及び第2剤の剤形は、クリーム状、ゲル状、ペースト状などとすることができる。
本発明のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品は、予め準備した混合用トレイに第1剤及び第2剤を吐出し、特開平10-71020号公報に記載されるような染毛用具の刷毛部で第1剤と第2剤を混合した後、得られた混合物を頭髪に塗布することにより頭髪を染色又は脱色し得る。
該外容器と各内容器との間の空間に、30℃における内圧が0.2MPa以上0.8MPa以下となるように噴射剤が充填されており、
該第1内容器及び第2内容器の各々が、最内層にポリエチレン樹脂層を有する厚さが20μm以上200μm以下の多層構造のシート材を貼り合わせて形成されており、
該第1剤に含有されるアルカリ剤が、アンモニア、アルカノールアミン及び無機アルカリからなる群より選択される2種以上であって、総アルカリ量が0.2mmol/g以上2mmol/g以下であり、
該第2剤に含有される過酸化水素が4.5質量%以上9質量%以下である、
エアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
R-OH (1)
〔式中、Rは炭素数12以上24以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。〕
表7に組成を示す処方1-1~1-18の第1剤と表8に組成を示す処方2-1~2-6の第2剤を常法に従って調製した。これらの第1剤と第2剤はいずれも乳化されたクリーム状製剤である。各表において、各成分の含有量を示す数値は、第1剤又は第2剤における質量%単位の数値である。
これらの第1剤及び第2剤を表3~6に示す組み合わせで、分離充填・同一加圧吐出型の二重構造容器の第1内容器及び第2内容器に充填し、以下の測定及び評価を行った。
なお、表4中、実施例12及び13は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
30℃における内圧を、計装用コンディショナとして、WGA-710c(共和電業社製)、小型圧力変換器として、PGM-10KEZ1(共和電業社製)を用いて測定した。分離充填・同一加圧吐出型の二重構造容器の外容器のステム部位に、小型圧力変換機の圧力導入部を所定時間押し付け、一定となった値を内圧とした。
第1内容器は、最外層/中間層/最内層の順番にPET/Al箔/PEのものをシート材として用いた。また、第2内容器は、最外層/中間層/最内層の順番にPET/NY/PEのものをシート材として用いた。なお、充填される噴射剤としては、窒素を使用した。
シート材の厚さは、30℃において、デジマチックマイクロメータAPB-3D(ミツトヨ社製)を用いて、内容器シート材を5回測定し、平均値を内容器シート材の厚さとした。
100mLの容器に第1剤約1g(Ag)を正確に量り採り、水50mLを加えた後、十分攪拌する。この溶液を試験溶液とし、N/10塩酸(力価B)で滴定し、pH7.0になるまでの消費量(CmL)を求める。以上のA、B及びCから、以下の計算式に従って総アルカリ量を求める。
総アルカリ量(mmol/g)=(B×C)÷A÷10
染毛剤組成物を中国人黒髪1gの毛束に浴比(剤:毛髪)=1:1(質量比)で塗布し、40℃で20分放置した後、約40℃の水ですすぎ、表1に示す処方のシャンプーで洗浄、水洗した。次いで、表2に示す処方のヘアリンスを塗布した後、約40℃の水ですすぎ、タオルで拭き、ドライヤーで乾燥させた。毛束は、BS-B-A(ビューラックス社)を使用した。
得られた脱色直後の毛束の色合いを、色差計(コニカミノルタセンシング社製、色彩色差計CR-400)を用いてCIE表色系(L*,a*,b*)で計測し、脱色前の色合いとの差を下記式により求めて脱色性Δb*とし、次に示す基準に従って脱色力評価の結果とした。
◎:Δb*≧3
○:2≦Δb*<3
△:1.5≦Δb*<2
×:Δb*<1.5
〔式中、b* 0は、脱色前の毛束のb*の値を示し、b* 1は、脱色直後のb*の値を示す。〕
45℃に3ヵ月保存し、剤漏れもなく、内容器シート材に変化がない場合を◎、剤漏れはないが、内容器シート材の一部が着色した場合を○、剤漏れがないが、内容器シート材が剥離した場合を△、剤漏れを起こした場合は×とした。
日本人毛髪を用いて幅5cm、長さ23cm、重さ8gの毛束を作製した。染毛剤組成物を毛束に浴比(剤:毛髪)=1:1で塗布し、30℃で20分放置した後、約40℃の水ですすぎ、市販のシャンプーで洗浄、水洗、乾燥を行った。その後、約40℃の水ですすぎ、シャンプー洗浄、水洗、乾燥の工程を6回繰り返した後、約40℃の水ですすぐ際の指通り性を、コミングフォース測定機によって測定した。コミングフォース測定機は、毛束をロードセルに繋がるフックに吊し、デンマンブラシ(デンマン社製のデンマンブラシD-3(全長204mm、行数7))を用いて挟みこむように毛束をコミングした時にロードセルで検出される
力を、読み取るもので、指通り性を定量的に評価する手法である(J. Soc. Cosmet. Chem., 37, 111-124 (May/June 1986) 参照)。毛束を10回分コミングした時にロードセルで検出される力の平均値をコミングフォース測定値とした。コミングフォース(g)が小さいほど、剤すすぎ時の感触に優れることを示す。
刺激臭評価は、5名の専門パネラーにより第1剤及び第2剤の混合直後に、次に示す基準に従ってニオイ評価を行い、その合計点により評価結果とした。数値が高いほど刺激臭がないことを示す。
4:刺激臭がない
3:刺激臭があまりない
2:やや刺激臭がある
1:刺激臭がある
表7~8に記載のクリーム状の第1剤及び第2剤を、分離充填・同一加圧吐出型の二重構造容器に、それぞれ40g充填した。その後、30℃の恒温槽に30分間浸漬し、第1剤と第2剤を同時吐出する操作を5秒間行い、各剤の吐出量を測定した。
表7~8に記載のクリーム状の第1剤及び第2剤を分離充填・同一加圧吐出型の二重構造容器にそれぞれ40g(吐出前の質量)を充填した。容器中に収容された第1剤又は第2剤が吐出できなくなるまで吐出し(全量吐出)、全量吐出後の内容器内の第1剤及び第2剤の質量(全量吐出後の質量)を測定した。具体的には、外容器をカッターで切断し、次いで第1内容器及び第2内容器をハサミで切り、各内容器内に残存している第1剤及び第2剤を取り出し、質量を測定した。第1剤及び第2剤について、下記式により内容器内の残量割合を計算した。
残量割合(%)=(全量吐出後の質量)/(吐出前の質量)×100
染毛用化粧品第1剤の処方例として、酸化染料中間体及び直接染料を配合した第1剤を表9に示した。これらの第1剤を表8に記載した第2剤(処方例2-1~2-4)と共に使用し、前記各実施例での内圧、シート材の条件を採用することにより、良好な液密性、低減された刺激臭、良好なすすぎ時感触、良好な染毛性を有する。
Claims (9)
- アルカリ剤を含有する第1剤が充填された第1内容器、及び過酸化水素を含有する第2剤が充填された第2内容器の両方を収納する外容器を備えたエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品であって、
該外容器と各内容器との間の空間に、30℃における内圧が0.2MPa以上0.8MPa以下となるように噴射剤が充填されており、
該第1内容器及び第2内容器の各々が、最内層にポリエチレン樹脂層を有する厚さが20μm以上200μm以下の多層構造のシート材を2枚重ね、縁部を熱溶着又は超音波溶着で貼り合わせたパウチであり、
該第1剤に含有されるアルカリ剤が、アンモニア、アルカノールアミン及び無機アルカリからなる群より選択される2種以上であってアンモニア及び炭酸水素アンモニウムを含有するものであり、以下に示す方法によって求められる第1剤に含まれる総アルカリ量が0.2mmol/g以上2mmol/g以下であり、
<総アルカリ量算出方法>
100mLの容器に第1剤約1g(Ag)を正確に量り採り、水50mLを加えた後、十分攪拌する。この溶液を試験溶液とし、N/10塩酸(力価B)で滴定し、pH7.0になるまでの消費量(CmL)を求める。以上のA、B及びCから、以下の計算式に従って総アルカリ量を求める。
総アルカリ量(mmol/g)=(B×C)÷A÷10
該第2剤に含有される過酸化水素が4.5質量%以上9質量%以下である、
エアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。 - 第1内容器及び第2内容器のシート材の曲げ剛性が、いずれも0.15gf・cm2/cm以上3.0gf・cm2/cm以下である請求項1に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 第1剤に含有されるアルカリ剤が、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムから選ばれる2種以上であってアンモニア及び炭酸水素アンモニウムを含有するものである、請求項1又は2に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 第1剤に含まれる総アルカリ量が、0.3mmol/g以上1.8mmol/g以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 第2剤中における過酸化水素の含有量が、5.5質量%以上7.5質量%以下である請求項1~4のいずれか1項に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 更に、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に有機溶剤を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 第1剤中及び第2剤中の有機溶剤量が、いずれも0.1質量%以上15質量%以下である請求項6に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 更に、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に界面活性剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
- 第1剤中及び第2剤中の界面活性剤量が、いずれも0.1質量%以上30質量%以下である請求項8に記載のエアゾール型染毛用又は毛髪脱色用化粧品。
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