JP7233511B1 - リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム二次電池のレート特性を高くできるリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池の提供。【解決手段】リチウム金属複合酸化物を含み、(1)を満たすリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム金属複合酸化物は、少なくともNi、Li及び元素Xを含有し、α-NaFeO2型結晶構造を有し、前記元素Xは、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、V、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素である、リチウム二次電池用正極活物質。0%<[1-(A/B)]×100≦1.3% ・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池を構成する正極には、リチウム二次電池用正極活物質が用いられる。リチウム二次電池用正極活物質は、リチウム金属複合酸化物を含む。
リチウム二次電池に求められる電池特性として、急速充電が可能であることがあげられる。急速充電が可能であるか否かの指標として、いわゆるレート特性がある。充電時にLiイオンがスムーズに移動できると、レート特性が良好となる。本明細書におけるレート特性とは、1CAで定電流放電させたときの放電容量と3CAで定電流放電させたときの放電容量との比である。
例えば特許文献1には、異物や未反応物が残留せず、適切な組成を有する正極活物質が記載されている。具体的には、特許文献1は、正極活物質内のLi原子周辺の電子環境に着目し、Li NMR測定によって得られたNMRスペクトルに一重線ピークが現れる正極活物質を開示している。このような正極活物質は、Liイオンの移動が阻害されにくいため、リチウム二次電池の性能が低下しにくいと、特許文献1は開示している。
特開2016-42462号公報
リチウム二次電池の応用分野が進む中、リチウム二次電池には急速充電が可能であることが求められる。
本発明は、リチウム二次電池のレート特性を高くできるリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極を提供することを目的とする。さらにこれらを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様は[1]~[9]を包含する。
[1]リチウム金属複合酸化物を含み、下記(1)を満たすリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム金属複合酸化物は、少なくともNi、Li及び元素Xを含有し、α-NaFeO型結晶構造を有し、前記元素Xは、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、V、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素である、リチウム二次電池用正極活物質。
0%<[1-(A/B)]×100≦1.3% ・・・(1)
(Aは、核磁気共鳴測定により得られる前記リチウム二次電池用正極活物質のLiの固体核磁気共鳴スペクトルに基づき下記の波形分析方法により算出するNiと元素Xの合計存在量に対するNiの存在割合(mol%)であり、Bは、ICP発光分光法により測定される前記リチウム二次電池用正極活物質のNiと元素Xの合計存在量に対するNiの存在割合(mol%)である。)
(波形分析方法)
波形解析ソフトを用いてLiの固体核磁気共鳴スペクトルを3つの波形に分離し、Li近傍の6配位サイトをすべて占有しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内5か所に配位しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内4か所に配位しているNi3+に帰属するピークをそれぞれ得る。
[2]下記(2)を満たす、[1]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
1.45≦5C-Ni/4C-Ni≦1.73 ・・・(2)
(5C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)であり、4C-Niは、4配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比である。)
[3]下記(3)を満たす、[1]又は[2]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
1.45≦6C-Ni/5C-Ni≦1.85 ・・・(3)
(6C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、6配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比であり、5C-Niは、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比である。)
[4]下記組成式(I)を満たす、[1]~[3]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
Li[Li(Ni(1-y)X11-x]O (I)
(式(I)中、X1は、Co、Mn、Fe、Cu、Ti、Mg、Al、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、B、Si、S及びPからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、-0.1≦x≦0.2、0<y≦0.9を満たす。)
[5]前記組成式(I)は、0<y≦0.3を満たす、[4]に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[6]BET比表面積が0.5m/g以上2.0m/g以下を満たす、[1]~[5]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
[7]下記(4)を満たす、[1]~[6]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
1.75≦L/L≦2.0 ・・・(4)
(Lは、CuKα線を使用した粉末X線回折測定による、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークから求めたリチウム二次電池用正極活物質の結晶子径であり、Lは、2θ=44.4±1°の範囲内の回折ピークから求めたリチウム二次電池用正極活物質の結晶子径である。)
[8][1]~[7]のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極活物質を含むリチウム二次電池用正極。
[9][8]に記載のリチウム二次電池用正極を含むリチウム二次電池。
本発明によれば、リチウム二次電池のレート特性を高くできるリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極を提供することができる。さらにこれらを用いたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明によれば、急速に充電できるリチウム二次電池を提供することができる。
リチウム二次電池の一例を示す模式図である。 全固体リチウム二次電池の一例を示す模式図である。
本願明細書において、リチウム金属複合酸化物(Lithium Metal composite Oxide)を以下「LiMO」と称し、リチウム二次電池用正極活物質(Cathode Active Material for lithium secondary batteries)を以下「CAM」と称す。
<CAM>
本実施形態のCAMはLiMOを含み、後述する(1)を満たす。
LiMOは、α-NaFeO型結晶構造を有する。
LiMOは、少なくともNi、Li及び元素Xを含有する。元素Xは、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、V、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素である。
「Ni」とは、ニッケル金属ではなく、ニッケル原子を指す。「Co」及び「Li」等も同様に、それぞれコバルト原子及びリチウム原子等を指す。
リチウム二次電池の作動時には、LiイオンがLiMOの結晶構造内を移動し、反応が進行する。より効率的に充電及び放電するためには、LiMOの結晶構造の内部はLiイオンがスムーズに移動しやすい状況であることが好ましい。
本発明者らは、LiMOの結晶構造の内部にある程度の空孔が有る場合には、Liイオンがよりスムーズに移動できると想起した。ここでいう空孔は、Liの欠損部である。空孔が多すぎると充電及び放電に寄与できるLiがそもそも少なくなるものの、ある程度の空孔が存在すると、Liイオンの移動先となり、Liイオンがよりスムーズに移動できる。
LiMOの結晶構造の内部の状況を評価するにあたり、Liを分析対象とすると、結晶構造に帰属しているLiも包含されるため、正確に評価することが困難となる。
そこで、本発明者らはLiに磁気的な影響を及ぼしているNiに着目した。CAMに含まれるNiには、LiMOを構成するNiと、LiMOを構成しないNiとがある。LiMOを構成しないNiとは、Li近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiである。LiMOを構成しないNiの存在箇所の近傍には、Liが存在せず、空孔があると考えられる。本発明は、CAMに含まれるNiのうち、LiMOを構成しないNi量を測定することで、間接的にLiMOの結晶構造の内部のLiの欠損部を規定するという思想に係る。
(1)
CAMは下記(1)を満たす。
0%<[1-(A/B)]×100≦1.3% ・・・(1)
(Aは、核磁気共鳴測定により得られるCAMのLiの固体核磁気共鳴スペクトルに基づき後述の波形分析方法により算出するNiと元素Xの合計存在量に対するLiに配位しているNiの存在割合(mol%)であり、Bは、ICP発光分光法により測定されるCAMのNiと元素Xの合計存在量に対するNiの存在割合(mol%)である。)
[核磁気共鳴測定]
Aは、CAMを核磁気共鳴測定することにより得られる。
本実施形態において、核磁気共鳴測定は、Liの固体核磁気共鳴測定である。Liの固体核磁気共鳴測定を、以降において「Li-NMR」と記載する。
CAMのLiの固体核磁気共鳴スペクトルから、Liに配位しているNiの存在割合(mol%)を解析できる。ここで解析できるNiの量は、Li近傍の6配位サイトをすべて占有しているNi3+、6配位サイトの内5か所に配位しているNi3+、6配位サイトの内4か所に配位しているNi3+の量である。Aは、LiMOの結晶構造を構成し、Niと元素Xの合計存在量に対するLi近傍に配位するNiの存在割合(mol%)である。
Li-NMRの測定条件は具体的には、以下の通りである。
Li-NMRを実施する際には、CAMの粉末を外径4mmの測定用試料管につめて装置に挿入する。
測定装置としてBruker社製AVANCE300(Li-NMRの共鳴周波数は116.6MHzである)を用いる。
室温環境下(実測24℃)において、マジックアングルスピニングの回転数を50kHzとして、ハーンスピンエコー法によりNMRを測定する。シフト基準として1mol/L塩化リチウム水溶液を用い、外部標準として別途測定したシフト位置を0ppmとする。
測定に際しては、測定の間の繰り返し待ち時間を0.5秒、積算回数を2048回に設定して測定する。
(Aの算出)
上記の方法により、CAMのLiの固体核磁気共鳴スペクトルが得られる。得られたスペクトルを波形分析し、Niの存在割合(mol%)を算出する。
(波形分析方法)
得られた固体Li-NMRスペクトルについて、波形解析ソフトDmfit(フランス国立科学研究センター提供)を用いて波形分離する。なお、スペクトル上には多数のスピニングサイドバンドが検出され、フィッティング結果が収束しないため、束縛条件としてシグナル幅をLi塩12ppm、その他の成分130ppmに最適化した上で波形分離を行う。
波形分離により、3つのピークを検出する。3つのピークとは、Li近傍の6配位サイトをすべて占有しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内5か所に配位しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内4か所に配位しているNi3+に帰属するピークである。
各ピークは、非特許文献1に沿って帰属する。またシグナル積分比を求める場合、スピニングサイドバンドも含めて算出する。
非特許文献1:株式会社東レリサーチセンター発行、The TRC News,201607-01(2016 6月)
波形分離により検出した3つのピークから、下記の方法によりNiの存在割合(mol%)を算出する。3つのピークのシグナル積分比を用いて、下記式からLiMOの結晶構造を構成しLi近傍に配位するNiの存在量Aを算出する。
Figure 0007233511000001
[ICP発光分光法による測定]
本実施形態において、「ICP発光分光法」を「ICP」と記載する。
ICPによれば、CAMに含まれるNiの存在量(mol%)を測定することができる。
ICPによるCAMの分析は、CAMの粉末を塩酸に溶解させた後、ICP発光分光分析装置を用いて行う。
ICP発光分光分析装置としては、例えばエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000が使用できる。
(Bの算出)
ICPによる測定結果から、CAMに含まれるNiと元素Xの合計量に対するNiの存在量の割合(mol%)であるBを求める。
上記の方法により得られたAとBは、下記(1)を満たす。
0%<[1-(A/B)]×100≦1.3% ・・・(1)
上記(1)は、下記(1)-1~(1)-3のいずれかであることが好ましい。
0%<[1-(A/B)]×100≦1.2% ・・・(1)-1
0%<[1-(A/B)]×100≦1.1% ・・・(1)-2
0%<[1-(A/B)]×100≦0.9% ・・・(1)-3
上記「[1-(A/B)]×100」の値は、CAMに含まれる全Ni量のうち、Li近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの存在割合である。このようなNiの存在箇所の近傍には、Liが存在せず、空孔があると考えられる。(1)を満たすCAMは、充電及び放電に寄与できるLiイオンを確保しつつ、空孔があることによりLiイオンがスムーズに移動しやすくなると考えられる。このようなCAMを用いたリチウム二次電池は、Liイオン導電性が良好となり、レート特性が向上する。
(2)
CAMは、(2)を満たすことが好ましい。
1.45≦5C-Ni/4C-Ni≦1.73 ・・・(2)
(5C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)であり、4C-Niは、4配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)である。)
5C-Niは、5配位Ni(5 Coordination Ni)の略記であり、Li近傍の5配位サイトのすべてに配位しているNi3+に帰属されるピークのシグナル積分比(%)である。
4C-Niは、4配位Ni(4 Coordination Ni)の略記であり、Li近傍の4配位サイトのすべてに配位しているNi3+に帰属されるピークのシグナル積分比(%)である。
[5C-Ni及び4C-Niの算出方法]
5C-Ni及び4C-Niは、Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる。
具体的な算出方法は、上記(波形分析方法)に記載の方法と同様である。
(2)は、下記(2)-1~(2)-3のいずれかであることが好ましい。
1.48≦5C-Ni/4C-Ni≦1.70 ・・・(2)-1
1.50≦5C-Ni/4C-Ni≦1.69 ・・・(2)-2
1.51≦5C-Ni/4C-Ni≦1.68 ・・・(2)-3
(2)を満たすCAMは、Li近傍の6配位サイトのうち1配位サイトまたは2配位サイトに元素Xが配位している状態において、結晶構造中におけるLi近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの分散状態が良好だと考えられる。このような結晶構造の場合に、結晶構造中のLi近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの分布が均一であることから、高いレートにおいてもLiイオンがスムーズに移動しやすくなると考えられる。このようなCAMを用いたリチウム二次電池は、Liイオン導電性が良好となり、レート特性が向上する。
(3)
CAMは(3)を満たすことが好ましい。
1.45≦6C-Ni/5C-Ni≦1.85 ・・・(3)
(6C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、6配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)であり、5C-Niは、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)である。)
6C-Niは、6配位Ni(6 Coordination Ni)の略記であり、Li近傍の6配位サイトのすべてに配位しているNi3+に帰属されるピークのシグナル積分比(%)である。
5C-Niについての説明は前記同様である。
[6C-Ni及び5C-Niの算出方法]
6C-Ni及び5C-Niは、Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる。
具体的な算出方法は、上記(波形分析方法)に記載の方法と同様である。
(3)は、下記(3)-1~(3)-3のいずれかであることが好ましい。
1.48≦6C-Ni/5C-Ni≦1.80 ・・・(3)-1
1.50≦6C-Ni/5C-Ni≦1.78 ・・・(3)-2
1.51≦6C-Ni/5C-Ni≦1.75 ・・・(3)-3
(3)を満たすCAMは、Li近傍の6配位サイトのうちすべてをNiが占有している状態または6配位サイトのうち1配位サイトに元素Xが配位している状態において、結晶構造中におけるLi近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの分散状態が良好だと考えられる。このような結晶構造の場合に、結晶構造中のLi近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの分布が均一であることから、高いレートにおいてもLiイオンがスムーズに移動しやすくなると考えられる。このようなCAMを用いたリチウム二次電池は、Liイオン導電性が良好となり、レート特性が向上する。
≪式(I)≫
(組成式)
CAMは、下記式(I)を満たすことが好ましい。
Li[Li(Ni(1-y)X11-x]O (I)
(式(I)中、X1は、Co、Mn、Fe、Cu、Ti、Mg、Al、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、B、Si、S及びPからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、-0.1≦x≦0.2、0<y≦0.9を満たす。)
組成式(I)において、xはサイクル特性を向上させる観点から、0.001以上が好ましく、0.0015以上であることがより好ましく、0.002以上が特に好ましい。また、初回効率が高いリチウム二次電池を得る観点から、xは0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下が特に好ましい。
xの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
xは、0.001≦x≦0.1を満たすことが好ましく、0.002≦x≦0.06を満たすことがより好ましい。
組成式(I)において、放電容量が高いリチウム二次電池を得る観点から、0<y<0.6を満たすことが好ましく、0<y≦0.5を満たすことがより好ましく、0<y≦0.4を満たすことがさらに好ましく、0<y≦0.3を満たすことが特に好ましい。
組成式(I)において、yは電池の内部抵抗が低いリチウム二次電池を得る観点から、0.05以上がより好ましく、0.08以上が特に好ましい。また、熱的安定性が高いリチウム二次電池を得る観点から、0.55以下が好ましく、0.45以下が特に好ましい。
yの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。組み合わせの例としては、yは、0.05≦y≦0.55、0.08≦y≦0.45が挙げられる。
x、及びyの組み合わせとしては、0.002≦x≦0.06かつ0.08≦y≦0.45を満たすことが好ましい。
CAMの組成分析は、上記[ICP発光分光法による測定]に記載の方法により実施できる。
(層状構造)
LiMOの結晶構造は、層状構造であり、六方晶型の結晶構造又は単斜晶型の結晶構造であることがより好ましい。
六方晶型の結晶構造は、P3、P31、P32、R3、P-3、R-3、P312、P321、P3112、P3121、P3212、P3221、R32、P3m1、P31m、P3c1、P31c、R3m、R3c、P-31m、P-31c、P-3m1、P-3c1、R-3m、R-3c、P6、P61、P65、P62、P64、P63、P-6、P6/m、P63/m、P622、P6122、P6522、P6222、P6422、P6322、P6mm、P6cc、P63cm、P63mc、P-6m2、P-6c2、P-62m、P-62c、P6/mmm、P6/mcc、P63/mcm及びP63/mmcからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。α-NaFeO型結晶構造は、六方晶型の結晶構造に帰属される。
また、単斜晶型の結晶構造は、P2、P21、C2、Pm、Pc、Cm、Cc、P2/m、P21/m、C2/m、P2/c、P21/c及びC2/cからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。
これらのうち、初回放電容量が高いリチウム二次電池を得るため、結晶構造は、空間群R-3mに帰属される六方晶型の結晶構造、又はC2/mに帰属される単斜晶型の結晶構造であることが特に好ましい。
LiMOの結晶構造は、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とするCAMの粉末X線回折測定を行うことで算出できる。具体的には、粉末X線回折測定装置(例えば、株式会社リガク製UltimaIV)を用いて観察することにより確認できる。
≪BET比表面積≫
CAMは、BET比表面積が0.5m/g以上2.0m/g以下を満たすことが好ましい。CAMは、BET比表面積が0.8m/g以上1.8m/g以下を満たすことが好ましく、1.0m/g以上1.5m/g以下を満たすことがより好ましい。
BET比表面積が上記の下限値以上であるCAMを用いると、リチウム二次電池の出力特性を高めやすい。
BET比表面積が上記の上限値以下であるCAMを用いると、CAMと電解液との接触面積が増大しにくく、電解液の分解に起因するガスが発生しにくい。
[BET比表面積の測定]
測定対象物のBET比表面積は、BET比表面積測定装置により測定できる。BET比表面積測定装置としては、例えば、マウンテック社製Macsorb(登録商標)を用いることができる。粉末状の測定対象物を測定する場合、前処理として窒素雰囲気中、105℃で30分間乾燥させることが好ましい。測定対象物はCAMである。
(4)
CAMは、下記(4)を満たすことが好ましい。
1.75≦L/L≦2.0 ・・・(4)
(Lは、CuKα線を使用した粉末X線回折測定による、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークから求めるCAMの結晶子径であり、Lは、2θ=44.4±1°の範囲内の回折ピークから求めるCAMの結晶子径である。)
(Lの算出)
CuKα線を使用したX線回折測定において、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークAから求めるCAMの結晶子径である。具体的には、回折ピークAの半値幅から、Scherrer式を用いて求める。
〔Scherrer式〕
L=Kλ/βcosθ
(L:結晶子径、K:Scherrer定数、β:ピーク半値幅)
(Lの算出)
CuKα線を使用したX線回折測定において、2θ=44.4±1°の範囲内の回折ピークBから求めるCAMの結晶子径である。具体的には、回折ピークBの半値幅から、上記Scherrer式を用いて求める。
得られたL及びLから、L/Lを算出する。
及びLは、それぞれ異なる方向の結晶子径であり、これらの比L/Lは結晶子の形態を示すものとなる。本発明において、L/Lが上記範囲を満たすことは、結晶子の形態が等方性の高いものであることを示している。結晶子が等方性の高い形態を有している場合、充放電時にリチウム脱挿入を行う結晶面がCAMの全体に均一に存在することとなり、リチウムイオンがスムーズに移動できるため、レート特性が向上しやすい。
本明細書において、リチウム二次電池の電池性能の測定は下記の方法により測定する。
<電池性能の測定>
(リチウム二次電池用正極の作製)
本実施形態の製造方法により製造されるCAMと導電材とバインダーとを、CAM:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となる割合で加えて混練し、ペースト状の正極合剤を調製する。正極合剤の調製時には、N-メチル-2-ピロリドンを有機溶媒として用いる。導電材にはアセチレンブラックを用いる。バインダーには、ポリフッ化ビニリデンを用いる。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ40μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、リチウム二次電池用正極を得る。このリチウム二次電池用正極の正極面積は1.65cmとする。
(リチウム二次電池の作製)
以下の操作を、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
(リチウム二次電池用正極の作製)で作製されるリチウム二次電池用正極を、コイン型電池R2032用のパーツ(宝泉株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上にセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルム)を置く。ここに電解液を300μl注入する。電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートの30:35:35(体積比)混合液に、LiPF6を1.0mol/lとなる割合で溶解したものを用いる。
次に、負極として金属リチウムを用いて、負極を積層フィルムセパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池(コイン型ハーフセルR2032)を作製する。
上記の方法で作製されるリチウム二次電池を用いて、以下の方法でレート特性を評価する。
・充放電試験
上記の方法で作製したハーフセルを用いて、初期充放電後に、レート試験を実施し、レート特性を評価した。
初期充放電は、試験温度25℃において、充放電ともに電流0.2CAにてそれぞれ定電流定電圧充電と定電流放電を行った。充電最大電圧4.3V、放電最小電圧2.5Vとした。
・・放電レート試験
試験温度25℃
充電最大電圧4.3V、充電電流1CA、定電流定電圧充電
放電最小電圧2.5V、放電電流1CAまたは3CA、定電流放電
1CAで定電流放電させたときの放電容量と3CAで定電流放電させたときの放電容量とを用い、以下の式で求められる3CA/1CA放電容量維持率を求め、レート特性の指標とする。3CA/1CA放電容量維持率が高ければ高いほど、レート特性が高く、リチウム二次電池が急速充電可能であることを示す。
・・3CA/1CA放電容量維持率
3CA/1CA放電容量維持率(%)
=3CAにおける放電容量/1CAにおける放電容量×100
上記の方法により求めた3CA/1CA放電容量維持率が80%以上であると、「レート特性が高い」と評価する。
<CAMの製造方法>
CAMの製造方法は、金属複合酸化物の製造工程と、金属複合酸化物及びリチウム化合物とを混合し混合物を得る工程と、CAMを得る工程と、を順に実施する方法である。
[金属複合酸化物の製造工程]
まず、Niと、元素Xを含む金属複合酸化物を調製する。
金属複合酸化物は、通常公知のバッチ共沈殿法又は連続共沈殿法により製造することが可能である。以下、金属として、Ni、Co及びAlを含む金属複合酸化物を例に、その製造方法を詳述する。
まず共沈殿法、特にJP-A-2002-201028に記載された連続法により、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、アルミニウム塩溶液、及び錯化剤を反応させ、Ni(1-a-b)CoaAlb(OH)(式中、a+b=1)で表される金属複合水酸化物を製造する。
上記ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの何れか1種又は2種以上を使用することができる。
上記コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、及び酢酸コバルトのうちの何れか1種又は2種以上を使用することができる。
上記アルミニウム塩溶液の溶質であるアルミニウム塩としては、例えば硫酸アルミニウムやアルミン酸ソーダ等が使用できる。
以上の金属塩は、上記Ni(1-a-b)CoaAlb(OH)の組成比に対応する割合で用いられる。また、溶媒として水が使用される。
錯化剤は、水溶液中で、Ni、Co、及びAlのイオンと錯体を形成可能な化合物である。例えば、アンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ウラシル二酢酸、及びグリシンが挙げられる。
アンモニウムイオン供給体としては、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、弗化アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
錯化剤は含まれていなくてもよく、錯化剤が含まれる場合、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、アルミニウム塩溶液及び錯化剤を含む混合液に含まれる錯化剤の量は、例えば金属塩のmol数の合計に対するmol比が0より大きく2.0以下である。
共沈殿法に際しては、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、アルミニウム塩溶液及び錯化剤を含む混合液のpH値を調整するため、混合液のpHがアルカリ性から中性になる前に、混合液にアルカリ性水溶液を添加する。アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが使用できる。
なお、本明細書におけるpHの値は、混合液の温度が40℃の時に測定された値であると定義する。混合液のpHは、反応槽からサンプリングした混合液の温度が、40℃になったときに測定する。
サンプリングした混合液の温度が40℃よりも低い場合には、混合液を加熱して40℃になったときにpHを測定する。
サンプリングした混合液の温度が40℃よりも高い場合には、混合液を冷却して40℃になったときにpHを測定する。
上記ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、及びアルミニウム塩溶液のほか、錯化剤を反応槽に連続して供給すると、Ni、Co、及びAlが反応し、Ni(1-a-b)CoaAlb(OH)が生成する。
反応に際しては、反応槽の温度を、例えば20℃以上80℃以下、好ましくは30℃以上70℃以下の範囲内で制御する。
また、反応に際しては、反応槽内のpH値を、例えばpH9以上pH13以下、好ましくはpH11以上pH13以下の範囲内で制御する。
反応槽内の物質は、適宜撹拌して混合する。
連続式共沈殿法で用いる反応槽は、形成された反応沈殿物を反応槽の上部からあふれさせて分離する、オーバーフロータイプの反応槽である。
反応槽内は不活性雰囲気であってもよい。不活性雰囲気であると、ニッケルよりも酸化されやすい元素が凝集してしまうことを抑制し、均一な金属複合水酸化物を得ることができる。
また、反応槽内には酸素を導入してもよい。反応槽内に酸素を導入する方法は、酸素を含むガスをバブリングする方法が挙げられる。このとき、多量に酸素を導入することなく、不活性雰囲気を保ちつつ酸素ガスを導入することが好ましい。遷移金属の酸化量を増やすと、比表面積は大きくなる。
上記の条件の制御に加えて、各種気体、例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス、空気、酸素等の酸化性ガス、またはそれらの混合ガスを反応槽内に供給し、得られる反応生成物の酸化状態を制御してもよい。
得られる反応生成物を酸化する化合物として、過酸化水素などの過酸化物、過マンガン酸塩などの過酸化物塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、ハロゲン、オゾンなどを使用することができる。
得られる反応生成物を還元する化合物として、シュウ酸、ギ酸などの有機酸、亜硫酸塩、ヒドラジンなどを使用する事ができる。
以上の反応後、得られた反応生成物を水で洗浄した後、乾燥することで、ニッケルコバルトアルミニウム金属複合水酸化物が得られる。また、反応生成物に水で洗浄するだけでは混合液に由来する夾雑物が残存してしまう場合には、必要に応じて、反応生成物を、弱酸水や水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを含むアルカリ溶液で洗浄してもよい。
さらに、ニッケルコバルトアルミニウム金属複合水酸化物を酸化することにより金属複合酸化物であるニッケルコバルトアルミニウム金属複合酸化物を調製する。
酸化のための焼成時間は、昇温開始から達温して温度保持が終了するまでの合計時間を1時間以上30時間以下とすることが好ましい。最高保持温度に達する加熱工程の昇温速度は180℃/時間以上が好ましく、200℃/時間以上がより好ましく、250℃/時間以上が特に好ましい。
一定量の金属複合水酸化物を焼成する場合は、金属複合水酸化物の供給量(kg)に対する、焼成中に炉内に供給される酸化性ガスの総量(Nm)の比(酸化性ガスの総量/金属複合水酸化物の供給量)を制御することが好ましい。以下において、酸化性ガスの総量(Total amount of oxidizing gas)を「TAO」と記載し、金属複合水酸化物の供給量(Supply amount of metal composite hydroxide)を「SMCH」と記載し、比(酸化性ガスの総量/金属複合水酸化物の供給量)を「TAO/SMCH」と記載する。
TAO/SMCHは0.3Nm/kg以上を満たすことが好ましく、0.5Nm/kg以上を満たすことがより好ましく、0.6Nm/kg以上を満たすことが特に好ましい。TAO/SMCHをこの範囲に制御すると、金属複合水酸化物からの脱水を促進しつつ、脱水による排ガス中の露点上昇を抑制することができる。
また、ガスとの接触による金属複合水酸化物の温度低下を抑制する観点から、TAO/SMCHは15Nm/min以下を満たすことが好ましく、5Nm/min以下を満たすことがより好ましく、3Nm/min以下を満たすことが特に好ましい。TAO/SMCHを上記範囲内とすることで、リチウム化合物と反応しやすい金属複合酸化物が得られる。このような金属複合酸化物とリチウム化合物とを混合して焼成すると、Niの存在箇所の近傍にLiが存在しない空孔を含み、かつ結晶構造中のLi近傍の6配位サイトのいずれにも配位していないNiの分布が均一なCAMが得られやすくなる。
TAO/SMCHを0.3Nm/kg以上15Nm/min以下に制御することで、(1)を満たすCAMが得られる。さらに、(2)、(3)を本実施形態の好ましい範囲に制御したCAMが得られる。
本明細書における最高保持温度とは、焼成工程における焼成炉内雰囲気の保持温度の最高温度であり、焼成工程における焼成温度を意味する。複数の加熱工程を有する本焼成工程の場合、最高保持温度とは、各加熱工程のうちの最高温度を意味する。
本明細書における昇温速度は、焼成装置において、昇温を開始した時間から最高保持温度に到達するまでの時間と、焼成装置の焼成炉内の昇温開始時の温度から最高保持温度までの温度差とから算出される。
[混合物を得る工程]
金属複合酸化物を乾燥させた後、リチウム化合物と混合する。
リチウム化合物としては、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、酸化リチウムのうち何れか一つ、または、二つ以上を混合して使用することができる。
これらのリチウム化合物のうち、水酸化リチウムや酢酸リチウムは、空気中の二酸化炭素と反応して、炭酸リチウムを数%含みうる。
金属複合酸化物は、リチウム化合物と混合する前に乾燥してもよい。
金属複合酸化物の乾燥条件は特に制限されない。乾燥条件は金属複合酸化物が酸化又は還元されない条件であることが好ましい。具体的には、金属複合酸化物が金属複合酸化物のまま維持される乾燥条件である。
金属複合酸化物が酸化又は還元されない条件にするためには、乾燥時の雰囲気に窒素、ヘリウム及びアルゴン等の不活性ガスを使用すればよい。
金属複合酸化物の乾燥後に、適宜分級を行ってもよい。
リチウム化合物、及び金属複合酸化物は、最終目的物の組成比を勘案して用いられる。例えば、金属複合酸化物としてニッケルコバルトアルミニウム金属複合酸化物を用いる場合、リチウム化合物と金属複合酸化物とは、LiNi(1-a-b-c)CoaAlbc(式中、a+b+c=1)の組成比に対応する割合で用いられる。
また、最終目的物であるCAMにおいて、リチウム化合物に含まれるLiと、金属複合酸化物に含まれる金属元素とのmol比が0.98以上、1.1以下となる比率で混合すると、(1)を満たすCAMが得られやすい。
[CAMを得る工程]
ニッケルコバルトアルミニウム金属複合酸化物及びリチウム化合物の混合物を焼成することによって、LiMOとしてリチウム-ニッケルコバルトアルミニウム金属複合酸化物が得られる。なお、焼成には、所望の組成に応じて乾燥空気、酸素雰囲気、不活性雰囲気等が用いられる。本実施形態においては酸素雰囲気で焼成することが好ましい。
焼成工程は、1回のみの焼成であってもよく、複数回の焼成段階を有していてもよい。
複数回の焼成段階を有する場合、最も高い温度で焼成する工程を本焼成と記載する。本焼成の前には、本焼成よりも低い温度で焼成する仮焼成を行ってもよい。また、本焼成の後には本焼成よりも低い温度で焼成する後焼成を行ってもよい。
本焼成の焼成温度(最高保持温度)は、CAMの粒子の成長を促進させる観点から、600℃以上が好ましく、610℃以上がより好ましく、620℃以上が特に好ましい。また、CAMの粒子にクラックが形成されることを防止し、粒子強度を維持する観点から、1200℃以下が好ましく、1100℃以下がより好ましく、1000℃以下が特に好ましい。
本焼成の最高保持温度の上限値及び下限値は任意に組みわせることができる。
組み合わせの例としては、600℃以上1200℃以下、610℃以上1100℃以下、620℃以上1000℃以下が挙げられる。
仮焼成又は後焼成の焼成温度は、本焼成の焼成温度よりも低ければよく、例えば350℃以上800℃以下の範囲が挙げられる。
焼成における保持温度は、用いる遷移金属元素の種類、沈殿剤、不活性溶融剤の種類、量に応じて適宜調整すればよい。
また、前記保持温度で保持する時間は、0.1時間以上20時間以下が挙げられ、0.5時間以上10時間以下が好ましい。前記保持温度までの昇温速度は、通常50℃/時間以上400℃/時間以下であり、前記保持温度から室温までの降温速度は、通常10℃/時間以上400℃/時間以下である。また、焼成の雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴンまたはこれらの混合ガスを用いることができる。
本実施形態において、最高保持温度に達する加熱工程の昇温速度は180℃/時間以上が好ましく、200℃/時間以上がより好ましく、250℃/時間以上が特に好ましい。
最高保持温度に達する加熱工程の昇温速度は、焼成装置において、昇温を開始した時間から後述の保持温度に到達するまでの時間から算出される。
また、焼成の雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴンまたはこれらの混合ガスを用いることができる。
・洗浄工程
洗浄に用いる洗浄液の温度は、15℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましく、8℃以下がさらに好ましい。洗浄液の温度を凍結しない範囲で上記範囲に制御することで、洗浄時に焼成物の結晶構造中から洗浄液中へのリチウムイオンの過度な溶出が抑制できる。
洗浄工程において、洗浄液と焼成物とを接触させる方法としては下記の方法が挙げられる。
1)各洗浄液の水溶液中に、焼成物を投入して撹拌する方法。
2)各洗浄液の水溶液をシャワー水として、焼成物にかける方法。
3)各洗浄液の水溶液中に、焼成物を投入して撹拌した後、各洗浄液の水溶液から焼成物を分離し、次いで、各洗浄液の水溶液をシャワー水として、分離後の焼成物にかける方法。
洗浄後には脱水処理を実施し、ウエットケーキを得ることが好ましい。ウエットケーキの含水率は、11wt%以下が好ましく、10.5wt%以下がより好ましく、10wt%以下が特に好ましい。ウエットケーキの厚みは、30mm以下が好ましく、28mm以下がより好ましく、25mm以下が特に好ましい。ウエットケーキの含水率と厚みを上記範囲内とすることで、後述する熱処理中に焼成物と雰囲気中の水分との反応が抑制され、Niの存在箇所の近傍にLiが存在しない空孔が少ないCAMが得られる。
ウエットケーキの含水率が11wt%以下、厚みが30mm以下とすることで、(1)を満たすCAMが得られる。
・熱処理工程
得られたウエットケーキを熱処理することが好ましい。
熱処理する温度や方法は特に限定されないが、充電容量の低下を防止できる観点から、熱処理温度は100℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。また、特に制限はないが、リチウムの揮発を防止でき、本実施形態の組成を有するCAMが得られやすくなる観点から、700℃以下であることが好ましく、600℃以下であることがより好ましい。
リチウムの揮発量は、熱処理温度により制御することができる。
熱処理中の雰囲気は、酸素雰囲気、不活性雰囲気、減圧雰囲気又は真空雰囲気が挙げられる。洗浄後の熱処理を上記雰囲気で行うことで、熱処理中に焼成物と雰囲気中の水分又は二酸化炭素との反応が抑制され、不純物の少ないCAMが得られる。
・解砕工程
熱処理後に、得られた熱処理品を解砕してもよい。
解砕工程は、気流式粉砕機、分級機構付衝突式粉砕機、ピンミル、ボールミル、ジェットミル、分級ローター付カウンタージェットミルなどを用いて実施することが好ましい。
以上の工程により、CAMが得られる。
<リチウム二次電池>
次いで、本実施形態のCAMを用いる場合の好適なリチウム二次電池の構成を説明する。
さらに、本実施形態のCAMを用いる場合に好適なリチウム二次電池用正極(以下、正極と称することがある。)について説明する。
さらに、正極の用途として好適なリチウム二次電池について説明する。
本実施形態のCAMを用いる場合の好適なリチウム二次電池の一例は、正極及び負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
リチウム二次電池の一例は、正極及び負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
図1は、リチウム二次電池の一例を示す模式図である。本実施形態の円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。
まず、図1に示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、及び一端に負極リード31を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。
次いで、電池缶5に電極群4及び不図示のインシュレーターを収容した後、缶底を封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7及び封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。
電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形又は角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型又は角型などの形状を挙げることができる。
さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、又はペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
以下、各構成について順に説明する。
(正極)
正極は、まずCAM、導電材及びバインダーを含む正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に担持させることで製造することができる。
(導電材)
正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)及び繊維状炭素材料などを挙げることができる。
正極合剤中の導電材の割合は、100質量部のCAMに対して5-20質量部であると好ましい。
(バインダー)
正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂;ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、WO2019/098384A1またはUS2020/0274158A1に記載の樹脂を挙げることができる。
(正極集電体)
正極が有する正極集電体としては、Al、Ni又はステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を用いることができる。
正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、有機溶媒を用いて正極合剤をペースト化し、得られる正極合剤のペーストを正極集電体の少なくとも一面側に塗布して乾燥させ、電極プレス工程を行って固着する方法が挙げられる。
正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPということがある。)が挙げられる。
正極合剤のペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法及び静電スプレー法が挙げられる。
以上に挙げられた方法により、正極を製造することができる。
(負極)
リチウム二次電池が有する負極は、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能であればよく、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる電極、及び負極活物質単独からなる電極を挙げることができる。
(負極活物質)
負極が有する負極活物質としては、炭素材料、カルコゲン化合物(酸化物又は硫化物など)、窒化物、金属又は合金で、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能な材料が挙げられる。
負極活物質として使用可能な炭素材料としては、天然黒鉛又は人造黒鉛などの黒鉛、コークス類、カーボンブラック、炭素繊維及び有機高分子化合物焼成体を挙げることができる。
負極活物質として使用可能な酸化物としては、SiO及びSiOなど式SiO(ここで、xは正の実数)で表されるケイ素の酸化物;SnO及びSnOなど式SnO(ここで、xは正の実数)で表されるスズの酸化物;LiTi12及びLiVOなどのリチウムとチタンとを含有する金属複合酸化物;を挙げることができる。
また、負極活物質として使用可能な金属としては、リチウム金属、シリコン金属及びスズ金属などを挙げることができる。負極活物質として使用可能な材料として、WO2019/098384A1またはUS2020/0274158A1に記載の材料を用いてもよい。
これらの金属や合金は、例えば箔状に加工された後、主に単独で電極として用いられる。
上記負極活物質の中では、充電時に未充電状態から満充電状態にかけて負極の電位がほとんど変化しない(電位平坦性がよい)、平均放電電位が低い及び繰り返し充放電させたときの容量維持率が高い(サイクル特性がよい)などの理由から、天然黒鉛又は人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、又は微粉末の凝集体などのいずれでもよい。
前記の負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVdF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記載することがある)、スチレンブタジエンゴム(以下、SBRと記載することがある)、ポリエチレン及びポリプロピレンを挙げることができる。
(負極集電体)
負極が有する負極集電体としては、Cu、Ni又はステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。
このような負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、正極の場合と同様に、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布又は乾燥後プレスし圧着する方法が挙げられる。
(セパレータ)
リチウム二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂又は含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布又は織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。また、JP-A-2000-030686又はUS20090111025A1に記載のセパレータを用いてもよい。
(電解液)
リチウム二次電池が有する電解液は、電解質及び有機溶媒を含有する。
電解液に含まれる電解質としては、LiClO及びLiPFなどのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。
また前記電解液に含まれる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類を用いることができる。
有機溶媒としては、これらのうちの2種以上を混合して用いることが好ましい。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒及び環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。
また、電解液としては、得られるリチウム二次電池の安全性が高まるため、LiPFなどのフッ素を含むリチウム塩及びフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解液を用いることが好ましい。電解液に含まれる電解質および有機溶媒として、WO2019/098384A1またはUS2020/0274158A1に記載の電解質および有機溶媒を用いてもよい。
<全固体リチウム二次電池>
次いで、全固体リチウム二次電池の構成を説明しながら、本発明の一態様に係るCAMを用いた全固体リチウム二次電池の正極、及びこの正極を有する全固体リチウム二次電池について説明する。
図2は、本実施形態の全固体リチウム二次電池の一例を示す模式図である。図2に示す全固体リチウム二次電池1000は、正極110と、負極120と、固体電解質層130とを有する積層体100と、積層体100を収容する外装体200と、を有する。また、全固体リチウム二次電池1000は、集電体の両側にCAMと負極活物質とを配置したバイポーラ構造であってもよい。バイポーラ構造の具体例として、例えば、JP-A-2004-95400に記載される構造が挙げられる。各部材を構成する材料については、後述する。
積層体100は、正極集電体112に接続される外部端子113と、負極集電体122に接続される外部端子123と、を有していてもよい。その他、全固体リチウム二次電池1000は、正極110と負極120との間にセパレータを有していてもよい。
全固体リチウム二次電池1000は、さらに積層体100と外装体200とを絶縁する不図示のインシュレーター及び外装体200の開口部200aを封止する不図示の封止体を有する。
外装体200は、アルミニウム、ステンレス鋼又はニッケルメッキ鋼などの耐食性の高い金属材料を成形した容器を用いることができる。また、外装体200として、少なくとも一方の面に耐食加工を施したラミネートフィルムを袋状に加工した容器を用いることもできる。
全固体リチウム二次電池1000の形状としては、例えば、コイン型、ボタン型、ペーパー型(またはシート型)、円筒型、角型、又はラミネート型(パウチ型)などの形状を挙げることができる。
全固体リチウム二次電池1000は、一例として積層体100を1つ有する形態が図示されているが、本実施形態はこれに限らない。全固体リチウム二次電池1000は、積層体100を単位セルとし、外装体200の内部に複数の単位セル(積層体100)を封じた構成であってもよい。
以下、各構成について順に説明する。
(正極)
本実施形態の正極110は、正極活物質層111と正極集電体112とを有している。
正極活物質層111は、上述した本発明の一態様であるCAM及び固体電解質を含む。また、正極活物質層111は、導電材及びバインダーを含んでいてもよい。
(固体電解質)
正極活物質層111に含まれる固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有し、公知の全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質を採用することができる。このような固体電解質としては、無機電解質及び有機電解質を挙げることができる。無機電解質としては、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質及び水素化物系固体電解質を挙げることができる。有機電解質としては、ポリマー系固体電解質を挙げることができる。各電解質としては、WO2020/208872A1、US2016/0233510A1、US2012/0251871A1、US2018/0159169A1に記載の化合物が挙げられ、例えば、以下の化合物が挙げられる。
(酸化物系固体電解質)
酸化物系固体電解質としては、例えば、ペロブスカイト型酸化物、NASICON型酸化物、LISICON型酸化物及びガーネット型酸化物などが挙げられる。各酸化物の具体例は、WO2020/208872A1、US2016/0233510A1、US2020/0259213A1に記載の化合物が挙げられ、例えば、以下の化合物が挙げられる。
ペロブスカイト型酸化物としては、LiLa1-aTiO(0<a<1)などのLi-La-Ti系酸化物、LiLa1-bTaO(0<b<1)などのLi-La-Ta系酸化物及びLiLa1-cNbO(0<c<1)などのLi-La-Nb系酸化物などが挙げられる。
NASICON型酸化物としては、Li1+dAlTi2-d(PO(0≦d≦1)などが挙げられる。NASICON型酸化物とは、Li (式中、Mは、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeからなる群から選ばれる1種以上の元素である。Mは、Ti、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlからなる群から選ばれる1種以上の元素である。m、n、o、p及びqは、任意の正数である。)で表される酸化物である。
LISICON型酸化物としては、Li-Li(Mは、Si、Ge、及びTiからなる群から選ばれる1種以上の元素である。Mは、P、As及びVからなる群から選ばれる1種以上の元素である。)で表される酸化物などが挙げられる。
ガーネット型酸化物としては、LiLaZr12(LLZともいう)などのLi-La-Zr系酸化物などが挙げられる。
酸化物系固体電解質は、結晶性材料であってもよく、非晶質材料であってもよい。
(硫化物系固体電解質)
硫化物系固体電解質としては、LiS-P系化合物、LiS-SiS系化合物、LiS-GeS系化合物、LiS-B系化合物、LiI-SiS-P系化合物、LiI-LiS-P系化合物、LiI-LiPO-P系化合物及びLi10GeP12系化合物などを挙げることができる。
なお、本明細書において、硫化物系固体電解質を指す「系化合物」という表現は、「系化合物」の前に記載した「LiS」「P」などの原料を主として含む固体電解質の総称として用いる。例えば、LiS-P系化合物には、LiSとPとを主として含み、さらに他の原料を含む固体電解質が含まれる。LiS-P系化合物に含まれるLiSの割合は、例えばLiS-P系化合物全体に対して50~90質量%である。LiS-P系化合物に含まれるPの割合は、例えばLiS-P系化合物全体に対して10~50質量%である。また、LiS-P系化合物に含まれる他の原料の割合は、例えばLiS-P系化合物全体に対して0~30質量%である。また、LiS-P系化合物には、LiSとPとの混合比を異ならせた固体電解質も含まれる。
LiS-P系化合物としては、LiS-P、LiS-P-LiI、LiS-P-LiCl、LiS-P-LiBr、LiS-P-LiI-LiBr、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI及びLiS-P-Z(m、nは正の数である。Zは、Ge、ZnまたはGaである。)などを挙げることができる。
LiS-SiS系化合物としては、LiS-SiS、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-SiS-P-LiCl、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiSO及びLiS-SiS-LiMO(x、yは正の数である。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga又はInである。)などを挙げることができる。
LiS-GeS系化合物としては、LiS-GeS及びLiS-GeS-Pなどを挙げることができる。
硫化物系固体電解質は、結晶性材料であってもよく、非晶質材料であってもよい。
(水素化物系固体電解質)
水素化物系固体電解質材料としては、LiBH、LiBH-3KI、LiBH-PI、LiBH-P、LiBH-LiNH、3LiBH-LiI、LiNH、LiAlH、Li(NHI、LiNH、LiGd(BHCl、Li(BH)(NH)、Li(NH)I及びLi(BH)(NHなどを挙げることができる。
(ポリマー系固体電解質)
ポリマー系固体電解質として、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物及びポリオルガノシロキサン鎖及びポリオキシアルキレン鎖からなる群から選ばれる1種以上を含む高分子化合物などの有機系高分子電解質を挙げることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。
固体電解質は、発明の効果を損なわない範囲において、2種以上を併用することができる。
(導電材及びバインダー)
正極活物質層111が有する導電材としては、上述の(導電材)で説明した材料を用いることができる。また、正極合剤中の導電材の割合についても同様に上述の(導電材)で説明した割合を適用することができる。また、正極が有するバインダーとしては、上述の(バインダー)で説明した材料を用いることができる。
(正極集電体)
正極110が有する正極集電体112としては、上述の(正極集電体)で説明した材料を用いることができる。
正極集電体112に正極活物質層111を担持させる方法としては、正極集電体112上で正極活物質層111を加圧成型する方法が挙げられる。加圧成型には、冷間プレスや熱間プレスを用いることができる。
また、有機溶媒を用いてCAM、固体電解質、導電材及びバインダーの混合物をペースト化して正極合剤とし、得られる正極合剤を正極集電体112の少なくとも一面上に塗布して乾燥させ、プレスし固着することで、正極集電体112に正極活物質層111を担持させてもよい。
また、有機溶媒を用いてCAM、固体電解質及び導電材の混合物をペースト化して正極合剤とし、得られる正極合剤を正極集電体112の少なくとも一面上に塗布して乾燥させ、焼結することで、正極集電体112に正極活物質層111を担持させてもよい。
正極合剤に用いることができる有機溶媒としては、上述の(正極集電体)で説明した正極合剤をペースト化する場合に用いることができる有機溶媒と同じものを用いることができる。
正極合剤を正極集電体112へ塗布する方法としては、上述の(正極集電体)で説明した方法が挙げられる。
以上に挙げられた方法により、正極110を製造することができる。正極110に用いる具体的な材料の組み合わせとしては、本実施形態に記載のCAMと表1に記載する組み合わせが挙げられる。
Figure 0007233511000002
Figure 0007233511000003
Figure 0007233511000004
(負極)
負極120は、負極活物質層121と負極集電体122とを有している。負極活物質層121は、負極活物質を含む。また、負極活物質層121は、固体電解質及び導電材を含んでいてもよい。負極活物質、負極集電体、固体電解質、導電材及びバインダーは、上述したものを用いることができる。
負極集電体122に負極活物質層121を担持させる方法としては、正極110の場合と同様に、加圧成型による方法、負極活物質を含むペースト状の負極合剤を負極集電体122上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法、及び負極活物質を含むペースト状の負極合剤を負極集電体122上に塗布、乾燥後、焼結する方法が挙げられる。
(固体電解質層)
固体電解質層130は、上述の固体電解質を有している。
固体電解質層130は、上述の正極110が有する正極活物質層111の表面に、無機物の固体電解質をスパッタリング法により堆積させることで形成することができる。
また、固体電解質層130は、上述の正極110が有する正極活物質層111の表面に、固体電解質を含むペースト状の合剤を塗布し、乾燥させることで形成することができる。乾燥後、プレス成型し、さらに冷間等方圧加圧法(CIP)により加圧して固体電解質層130を形成してもよい。
積層体100は、上述のように正極110上に設けられた固体電解質層130に対し、公知の方法を用いて、固体電解質層130の表面に負極活物質層121が接する態様で負極120を積層させることで製造することができる。
以上のような構成のリチウム二次電池において、本実施形態のCAMを用いているため、レート特性が高いリチウム二次電池を提供できる。
また、以上のような構成の正極は、上述した構成のCAMを有するため、リチウム二次電池のレート特性を高くすることができる。
さらに、以上のような構成のリチウム二次電池は、上述した正極を有するため、レート特性が高く、急速充電が可能な二次電池となる。
<組成分析>
CAMの組成分析は、前記[ICP発光分光法による測定]において説明した方法により実施した。
<電池性能の測定>
CAMを用いたリチウム二次電池の電池性能は、上記<電池性能の測定>に記載の方法により測定した。具体的には、レート特性を測定した。
(1)
CAMの核磁気共鳴測定は、上記[核磁気共鳴測定]に記載の方法により実施し、前記(Aの算出方法)に記載の方法によりAを求めた。
また、[ICP発光分光法による測定]、及び(Bの算出方法)に記載の方法により、CAMのBを求めた。
得られたA及びBから、[1-(A/B)]×100を算出した。
(2)
上記[5C-Ni及び4C-Niの算出方法]に記載の方法により、CAMの5C-Ni及び4C-Niを求めた。
得られた5C-Ni及び4C-Niから、5C-Ni/4C-Niを算出した。
(3)
上記[6C-Ni及び5C-Niの算出方法]に記載の方法により、CAMの6C-Ni及び5C-Niを求めた。
得られた6C-Ni及び5C-Niから、6C-Ni/5C-Niを算出した。
<BET比表面積の測定>
上記[BET比表面積の測定]に記載の方法により、CAMのBET比表面積を測定した。
(4)
上記(Lの算出)、(Lの算出)に記載の方法により、CAMのL及びLを求め、L/Lを算出した。
≪実施例1≫
1.CAM-1の製造
攪拌器およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃に保持した。
硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸アルミニウム水溶液とを、NiとCoとAlとの原子比が88:9:3となる割合で混合して、混合原料液を調製した。
次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料液と硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが11.6(液温40℃での測定時)になるよう、水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトアルミニウム複合水酸化物の粒子を得た。
ニッケルコバルトアルミニウム複合水酸化物の粒子を洗浄した後、遠心分離機で脱水し、乾燥及び篩別した後に、650℃で酸化することで、ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物1を得た。酸化の際には、TAO/SMCHを13.5Nm/kgに制御した。これにより、ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物1を得た。
ニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物1と水酸化リチウム一水和物粉末を、mol比がLi/(Ni+Co+Al)=1.1となる割合で秤量して混合した。
その後、酸素雰囲気下650℃で5時間仮、焼成した。
その後、さらに酸素雰囲気下720℃で6時間、本焼成した。
その後、液温を5℃に調整した純水に、スラリー全体量に対する焼成物の質量割合が30質量%になるよう割合で混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水して得られたウエットケーキを、250℃で熱処理し、脱水後に残留する水分を乾燥することにより、CAM-1を得た。なお、ウエットケーキは、厚みが25mm、含水率が9.30wt%であった。
2.CAM-1の評価
CAM-1の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.03、y=0.12であり、元素XはCo、Alであった。粉末X線回折測定の結果、CAM-1は、α-NaFeO型結晶構造を有していた。
≪実施例2≫
1.CAM-2の製造
本焼成の温度を700℃、スラリー全体量に対する焼成物の質量割合を40質量%に変更した以外は実施例1と同様の方法により、CAM-2を得た。なお、ウエットケーキは、厚みが30mm、含水率が9.39wt%であった。
2.CAM-2の評価
CAM-2の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.04、y=0.11であり、元素XはCo、Alであった。粉末X線回折測定の結果、CAM-2は、α-NaFeO型結晶構造を有していた。
≪比較例1≫
1.CAM-11の製造
後処理工程を実施しない以外は実施例1と同様の方法によりCAM-11を得た。
2.CAM-11の評価
CAM-11の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.10、y=0.11であり、元素XはCo、Alであった。粉末X線回折測定の結果、CAM-11は、α-NaFeO型結晶構造を有していた。
≪比較例2≫
1.CAM-12の製造
前駆体の酸化工程を実施しない以外は実施例1と同様の方法によりCAM-12を得た。なお、ウエットケーキは、厚みが25mm、含水率が11.3wt%であった。
2.CAM-12の評価
CAM-12の組成分析を行い、組成式(I)に対応させたところ、x=0.03、y=0.11であり、元素XはCo、Alであった。粉末X線回折測定の結果、CAM-12は、α-NaFeO型結晶構造を有していた。
実施例1~2、比較例1~2で製造したそれぞれのCAMについて、[1-(A/B)]×100、5C-Ni/4C-Ni、6C-Ni/5C-Ni、BET比表面積、L/L及びレート特性の結果を表4に記載する。
Figure 0007233511000005
表4に記載の結果の通り、(1)を満たす実施例1~2のCAMを用いた場合、リチウム二次電池のレート特性は80%以上と高い結果であった。
1:セパレータ、3:負極、4:電極群、5:電池缶、6:電解液、7:トップインシュレーター、8:封口体、10:リチウム二次電池、21:正極リード、100:積層体、110:正極、111:正極活物質層、112:正極集電体、113:外部端子、120:負極、121:負極活物質層、122:負極集電体、123:外部端子、130:固体電解質層、200:外装体、200a:開口部、1000:全固体リチウム二次電池

Claims (8)

  1. リチウム金属複合酸化物を含み、下記(1)を満たし、下記組成式(I)を満たすリチウム二次電池用正極活物質であって、
    前記リチウム金属複合酸化物は、少なくともNi、Li及び元素Xを含有し、α-NaFeO型結晶構造を有し、前記元素Xは、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Ti、Mg、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、V、B、Si、S及びPからなる群より選択される1種以上の元素である、リチウム二次電池用正極活物質。
    0%<[1-(A/B)]×100≦1.3% ・・・(1)
    (Aは、核磁気共鳴測定により得られる前記リチウム二次電池用正極活物質のLiの固体核磁気共鳴スペクトルに基づき下記の波形分析方法により算出するNiと元素Xの合計存在量に対するNiの存在割合(mol%)であり、Bは、ICP発光分光法により測定される前記リチウム二次電池用正極活物質のNiと元素Xの合計存在量に対するNiの存在割合(mol%)である。)
    Li[Li (Ni (1-y) X1 1-x ]O (I)
    (式(I)中、X1は、Co、Mn、Fe、Cu、Ti、Mg、Al、W、Mo、Nb、Zn、Sn、Zr、Ga、B、Si、S及びPからなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、-0.1≦x≦0.2、0<y≦0.9を満たす。)
    (波形分析方法)
    波形解析ソフトを用いてLiの固体核磁気共鳴スペクトルを3つの波形に分離し、Li近傍の6配位サイトをすべて占有しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内5か所に配位しているNi3+に帰属するピーク、6配位サイトの内4か所に配位しているNi3+に帰属するピークをそれぞれ得る。
    波形分離により検出した3つのピークから、下記の方法によりNiの存在割合(mol%)を算出する。3つのピークのシグナル積分比を用いて、下記式(1)から前記Aを算出する。
    Figure 0007233511000006
  2. 下記(2)を満たす、請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
    1.45≦5C-Ni/4C-Ni≦1.73 ・・・(2)
    (5C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比(%)であり、4C-Niは、4配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比である。)
  3. 下記(3)を満たす、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
    1.45≦6C-Ni/5C-Ni≦1.85 ・・・(3)
    (6C-Niは、前記Liの固体核磁気共鳴スペクトルのうち、300ppm以上1000ppm以下の範囲のピークの波形解析から求められる、6配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比であり、5C-Niは、5配位Niに帰属されるピークのシグナル積分比である。)
  4. 前記組成式(I)は、0<y≦0.3を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  5. BET比表面積が0.5m/g以上2.0m/g以下を満たす、請求項1~のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  6. 下記(4)を満たす、請求項1~のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
    1.75≦L/L≦2.0 ・・・(4)
    (Lは、CuKα線を使用した粉末X線回折測定による、2θ=18.5±1°の範囲内の回折ピークから求めたリチウム二次電池用正極活物質の結晶子径であり、Lは、2θ=44.4±1°の範囲内の回折ピークから求めたリチウム二次電池用正極活物質の結晶子径である。)
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質を含むリチウム二次電池用正極。
  8. 請求項に記載のリチウム二次電池用正極を含むリチウム二次電池。
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