JPH1050313A - リチウム・ニッケル複合酸化物の製造方法およびそれを正極に用いた非水電解液電池 - Google Patents

リチウム・ニッケル複合酸化物の製造方法およびそれを正極に用いた非水電解液電池

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JPH1050313A
JPH1050313A JP8200433A JP20043396A JPH1050313A JP H1050313 A JPH1050313 A JP H1050313A JP 8200433 A JP8200433 A JP 8200433A JP 20043396 A JP20043396 A JP 20043396A JP H1050313 A JPH1050313 A JP H1050313A
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JP
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nickel
lithium
composite oxide
slurry
powder
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JP8200433A
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Tatsuhiro Kurasawa
辰博 倉沢
Takao Tanaka
隆夫 田中
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケル酸化度が1に近いリチウム・ニッケ
ル複合酸化物を合成することができ、焼成時の坩堝への
腐食、付着を抑制し、生産性、歩留りアップが可能なリ
チウム・ニッケル複合酸化物の製造方法およびそれを用
いた非水電解液電池を提供する。 【解決手段】 リチウムとニッケルのモル比が、0.9
8≦Li/Ni≦1.10となるようにA:硝酸ニッケ
ル溶液とB:水酸化リチウム溶液とC:酸化ニッケルお
よび/または水酸化ニッケルの混合物の粉体またはスラ
リーを混合して調整したスラリーを乾燥し、焼成するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム・ニッケ
ル複合酸化物の製造方法と、それを正極に用いた非水電
解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、ラップトップ型パソコ
ン、カメラ一体型VTR等のポータブル機器の需要が増
加している。これらの機器には、小型軽量の二次電池が
不可欠である。現在、二次電池としては、主にNi−C
d電池やNi水素電池が使われているが、これらの電池
は、小型軽量化には限界がある。
【0003】その一方で、負極に金属リチウムやリチウ
ムを吸蔵・脱離できる物質を用いる非水電解液二次電池
の開発が進められている。この電池は、これまでの小型
二次電池に比べて高電圧が得られる上エネルギー密度が
高いという特徴があり、これまでの電池よりも小型軽量
な二次電池をつくることができる。
【0004】この電池の正極には、一般に、LiCoO
2 が用いられているが、Coは価格が高く、埋蔵量が少
ない等の問題があるため、LiCoO2 に比べて安価で
しかも高充放電容量が得られるLiNiO2 等のリチウ
ム・ニッケル複合酸化物が新規電極活物質として注目さ
れ研究が進められてきた。
【0005】リチウム・ニッケル複合酸化物の合成方法
は J. Am. Chem. Soc, 76, 1499(1954)、USP
4,302,518号等により公知であり、一般にリチ
ウムの化合物とニッケルの化合物とを混合し、酸素雰囲
気にて500〜900℃で焼成することにより合成され
ている。
【0006】合成反応での酸化をより進行させるため
に、出発原料に酸化力のある硝酸塩を用いる方法もあ
る。例えば、特開平4−237953号公報には、硝
酸ニッケル水溶液と水酸化リチウム水溶液を等モルで混
合したものを乾燥して塩基性硝酸ニッケル(Ni(O
H)NO3 )と硝酸リチウムからなる前駆体を合成し、
これを500〜1000℃で焼成することによりLiN
iO2 を合成している。
【0007】また、硝酸塩を用いる別の方法として、
特開平5−251079号公報には硝酸リチウムと水酸
化ニッケルまたはオキシ水酸化ニッケルとを等モルで混
合して焼成し、500〜1000℃で焼成することによ
りLiNiO2 を合成する方法が提案されている。リチ
ウム・ニッケル複合酸化物のうち、組成が正確にLiN
iO2であり空間群R3mの結晶構造を有する物質はリ
チウム層、ニッケル層、酸素層から成る層状構造をして
おり、その積層形式は(O層−Li層−O層−Ni層)
の繰り返しとなっている。理想的な層状構造物質におい
ては、リチウム層は他の元素を含有していないため、充
電時のリチウムの脱離反応や放電時のリチウムの挿入反
応においてリチウムの移動を阻害するものがなく、充放
電容量が大きく電池特性の優れた材料となると考えられ
る。しかし、合成条件によっては、合成物全体のリチウ
ムとニッケルの組成(モル比)がLi/Ni=1.00
であっても、ミクロではLiNiO2 ではない不純物の
部分(NiO,Li2 O)が生成している場合が多い。
特にNiOがLiNiO2 相に混入した場合には、層状
構造のリチウム層にニッケルが混入し、充放電時のリチ
ウムの移動を妨害する。LiNiO2 中のニッケルが3
価であるのに対して不純物のニッケルは2価であるの
で、LiNiO2 の生成率を確認する方法として、ニッ
ケル酸化度(全ニッケル元素中のニッケル(3価)の割
合)が用いられる。ニッケル酸化度eは下式により計算
される。ただし、aはEDTAキレート滴定法により分
析されたサンプル中のニッケルの含有量(wt%)を、
bは酸化還元滴定に用いたサンプル量(g)を、cは酸
化還元滴定により測定されたニッケル(3価)の量(m
ol)を、dはニッケルの原子量(g/mol)を表
す。
【0008】
【数1】e=c(mol)/{b(g)×a(wt%)
/100/d(g/mol)} すなわち純粋なLiNiO2 組成に近いものほどニッケ
ル酸化度が1に近づく。
【0009】前述した、の方法で合成されたリチウ
ム・ニッケル酸化物の組成は厳密にはLiNiO2 の組
成から若干ずれ、ニッケル酸化度が0.98以上のもの
が得られず、電池を作成したときの充放電容量が低いと
いう問題がある。その原因は定かでないが、LiNiO
2 合成過程での酸化が不十分であること、または、原料
の混合が不十分でリチウムとニッケルの組成が不均一に
なっている部分があることによると考えられる。
【0010】また、、のような硝酸塩を出発原料と
する方法では酸化は促進されるものの、の場合には塩
基性硝酸ニッケルと硝酸リチウムの混合粉が昇温時約3
00℃で完全に融解してしまい坩堝等の容器に付着した
り容器を腐食するという問題があり、の場合には混合
方法が粉体混合となるための場合に比べて均一混合を
行うことが困難であり、やはりニッケル酸化度が0.9
8以上のものが得られないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の技術の
前記の問題点を解決した新規のリチウム・ニッケル複合
酸化物の製造方法およびそれを正極に用いた非水電解液
電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0013】すなわち、本発明は、リチウムとニッケル
のモル比が0.98≦Li/Ni≦1.10となるよう
に下記A〜C A:硝酸ニッケル溶液 B:水酸化リチウム溶液 C:酸化ニッケルおよび/または水酸化ニッケル混合物
の粉体またはそのスラリー を混合して調製したスラリーを乾燥し、焼成することを
特徴とするリチウム・ニッケル複合酸化物の製造方法を
提案するものであり、前記A,Bの混合比がAのニッケ
ルに対するBのリチウムのモル比が1.8≦Li/Ni
≦2.2となるように混合すること、前記Cが水酸化ニ
ッケルの粉体またはそのスラリーであること、前記Cが
硝酸ニッケルを焼成して得られる酸化ニッケルの粉体ま
たはそのスラリーであること、混合したスラリーの乾燥
方法が噴霧乾燥法であること、酸素雰囲気下550〜8
00℃で焼成することを含む。
【0014】また、本発明は前記のリチウム・ニッケル
複合酸化物を正極活物質として用いたことを特徴とする
非水電解液電池を提案するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】硝酸ニッケル溶液(以下、Aと記
す)と水酸化リチウム溶液(以下、Bと記す)は混合時
に反応し、A1モルに対しB約2モルの混合比で水酸化
ニッケル1モルが生成析出する(下記反応式)。
【0016】Ni(NO32 +2LiOH→Ni(O
H)2 +2LiNO3 したがって、A、B、酸化ニッケル及び/または水酸化
ニッケル混合物の粉体またはそのスラリー(以下、Cと
記す)を混合した。A+B+C混合スラリーは、混合比
に関係なく、固形分として少なくとも液相反応により合
成された平均粒径2μm以下の微粒の水酸化ニッケルを
含有したスラリーとなる。このような微粒の水酸化ニッ
ケルは市販の水酸化ニッケル粉を粉砕することでは得に
くい。本発明においては、A+B+C混合スラリー中に
液相反応で得られた微粒の水酸化ニッケルが含まれるこ
とにより、Liとの混合をよりミクロレベルで実施する
ことができ、混合のバラツキを減らすことができる。
【0017】A+B+C混合スラリー中に溶解している
成分は溶媒種、温度、濃度等にも影響されるが、主にA
とBの混合比に依存して変化し、Aのニッケルに対する
Bのリチウムの混合モル比(Li/Ni)がLi/Ni
<2の場合には概ね(硝酸ニッケル+硝酸リチウム)溶
液、Li/Ni=2の場合には概ね硝酸リチウム溶液、
Li/Ni>2の場合には概ね(水酸化リチウム+硝酸
リチウム)溶液となる。AとBの混合比は、Aのニッケ
ルに対するBのリチウムの混合モル比が1.8≦Li/
Ni≦2.2であることが好ましい。前記Li/Niが
1.8未満である場合には、水酸化ニッケルの生成析出
に使われない硝酸ニッケルがCと混合し乾燥した後にも
硝酸ニッケル水和物、塩基性硝酸ニッケル等として残留
し、坩堝等の焼成容器の内壁への付着や内壁の腐食を引
き起こすので好ましくない。また、前記Li/Niが
2.2を超える場合には、反応時に酸化力のある硝酸リ
チウムの割合が減って、ニッケル酸化度が1に近いもの
が得られないので好ましくない。
【0018】上記範囲であれば組成のずれの少ない充放
電特性の優れたLiNiO2 が坩堝を腐食することなく
合成可能であるが、前記の影響をより低減させるために
はLi/Ni比は2に近い方がより好ましい。
【0019】乾燥や焼成の過程でニッケルが粉体から揮
発等で失われることはないが、リチウムは550℃以上
の焼成温度では、焼成温度が高いほど、また焼成時間が
長いほど減少する傾向にある。理由は定かでないが、酸
化リチウムとなって昇華するためと推測している。正確
な組成のLiNiO2 を合成するためには、この減少リ
チウム分だけリチウムを過剰にしておく必要がある。減
少リチウム量は、焼成温度、焼成時間、流通ガスの組成
や流量、スラリー乾燥後の粉体の形態、焼成時の仕込み
量、焼成炉の構造等に依存して変化すると考えられるの
で、その合成条件に適した量だけリチウムを適宜過剰に
することが好ましい。前記製造方法における減少リチウ
ム量から考えて、A+B+C混合スラリー中のニッケ
ル、リチウムのモル比は0.98≦Li/Ni≦1.1
0でなければならない。合成条件を適宜選択した上で
1.00≦Li/Ni≦1.03とすることがより好ま
しい。Cとしては、酸化ニッケルおよび/または水酸化
ニッケルの混合物が用いられる。これらの化合物を用い
るのは、容器への付着や容器の腐食が起きず、かつ、焼
成後に不純物となって残留する元素が化合物中に含まれ
ていないためである。坩堝等の容器への付着を防げるの
は、いずれの化合物も550〜800℃の焼成で溶融状
態を経ないこと、すなわち、水酸化ニッケルは融解する
ことなく約230℃で酸化ニッケルへ分解すること、お
よび酸化ニッケルの融点が800℃を超えることによる
と考えられる。ここで、酸化ニッケルとはNiOx (1
≦×≦1.5)を指し、いずれの化合物についても若干
の水を含有する化合物を含むものとする。
【0020】用いられる酸化ニッケルおよび/または水
酸化ニッケルの混合物は、A+B+C混合スラリー中の
分散を良くするためにその平均粒子径が小さいことが好
ましい。好ましくは平均粒子径50ミクロン以下、より
好ましくは5ミクロン以下が好適である。このような平
均粒子径にするには、例えば、市販の酸化ニッケル粉、
水酸化ニッケル粉等をボールミル、振動ミル、ジェット
ミル等で粉砕しても得ることができる。また、硝酸ニッ
ケルの熱分解により平均粒子径5ミクロン以下の酸化ニ
ッケルが合成できるし、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等
の2価ニッケルの塩溶液にアルカリ溶液を加えて水酸化
ニッケルの微粒子を沈殿させ、デカンテーションにより
溶解塩を除くことで平均粒子径2ミクロン以下の水酸化
ニッケルのスラリーを合成することも可能である。
【0021】混合スラリーの乾燥は、ボックス型乾燥機
による静置乾燥やロータリーエバポレーター等に撚る減
圧乾燥でも可能であるが、リチウム化合物とニッケル化
合物が分相して混合が不十分になりリチウムとニッケル
の組成にばらつきが生じる可能性があるので、より組成
のばらつきを小さくするために噴霧乾燥を行うことが好
ましい。
【0022】ここで噴霧乾燥とは、均一に混合したスラ
リーをノズル、アトマイザー等により液滴化し、これを
極く短時間に乾燥する一般的な方法の他、前記液滴を短
時間に凍結した後、減圧下で乾燥を行う噴霧凍結乾燥
や、前記一般的な噴霧乾燥と焼成を組み合わせた噴霧熱
分解も好ましい。
【0023】A,B,Cで用いられる溶媒は水が最も取
扱い易いと思われるが、必ずしも水である必要はなく、
例えばエタノールのようなアルコール、アセトンのよう
な有機溶媒でもよいし、アンモニア水のようにニッケル
化合物を一部溶解する溶媒を用いることもできる。ま
た、数種の溶媒を均一混合したものでもよい。A,B,
Cのそれぞれで用いられる溶媒が異なっていてもよい
が、スラリーの混合をより完全に行うために、混合時に
それらの溶媒が分相することなく均一混合するものであ
ることが好ましく、A,B,Cで同じ溶媒を用いること
がより好ましい。これらの溶媒は、焼成後の残留不純物
を避けるため、少なくとも550℃以下で全て分解また
は気化するものであることが好ましく、不揮発性物質の
含有量が少なく、純度の高いものであることが好まし
い。
【0024】本発明で用いる焼成炉は、静置型のボック
ス型炉、回転型のロータリーキルン等を使用することが
できるが、より均一に焼成を行うために、回転型の焼成
炉を用いることが好ましい。またバッチ式、連続式のい
ずれでも可能である。
【0025】焼成温度は550℃〜800℃が好まし
く、さらに好ましくは、650℃〜750℃が好適であ
る。焼成温度が550℃未満の場合は長時間焼成しても
硝酸リチウムの分解が不完全であり好ましくない。ま
た、800℃を超える場合はニッケルの酸化度が低下し
易くなるので好ましくない。
【0026】焼成時間は焼成温度、焼成方法により適宜
選択されるが、概ね0.5〜30時間が好ましい。焼成
時の雰囲気としては、酸化を促進する酸素雰囲気下であ
ることが好ましく、酸素分圧が高いことがより好ましい
が、空気を用いても構わない。焼成で分解生成ガスが発
生している間は酸素分圧が低下するおそれがあるので、
分解生成ガスを除去しながら焼成することが好ましく、
酸素気流中で焼成することがより好ましい。
【0027】上記の方法によりリチウム・ニッケル複合
酸化物を合成した場合、焼成時の坩堝への腐食、付着が
なく、かつ、ニッケル酸化度が1に近いリチウム・ニッ
ケル複合酸化物を合成することができる。また、この物
質を正極活物質に用いた非水電解液電池は、充放電容量
の大きな電池になる。
【0028】
【実施例】
実施例1 金属ニッケル、水酸化ニッケル一水和物をそれぞれ69
%硝酸、水に溶解し2.00mol/kg溶液の硝酸ニ
ッケル水溶液(A)、2.50mol/kg溶液の水酸
化リチウム水溶液(B)を調製した。この硝酸ニッケル
水溶液2.50kgと水酸化リチウム水溶液4.00k
gを強力攪拌翼を備えた容積約250mlの反応槽に攪
拌をい行いながらそれぞれ100g/min、160g
/minで同時にフィードし、オーバーフローした液を
回収してニッケルとリチウムの混合モル比がLi/Ni
=2.00の混合スラリーを得た。
【0029】得られた混合スラリーを攪拌混合しなが
ら、硝酸ニッケル水溶液を大気雰囲気にて400℃、1
0時間焼成して得た酸化ニッケル微粉5.00モル
(C)をさらに混合し、24時間攪拌混合を行って、リ
チウムとニッケルの混合モル比がLi/Ni=1.00
のA+B+C混合スラリーを得た。
【0030】該A+B+C混合スラリーをホモミキサー
で1時間分散した後、スプレードライヤーにより噴霧乾
燥を行った。乾燥粉をアルミナ坩堝に入れ、ガス流通型
の小型ボックス炉にて、酸素気流中、700℃で10時
間焼成しリチウム・ニッケル酸化物を得た。焼成物は坩
堝との付着がなく、坩堝の腐食も見られなかった。
【0031】合成したリチウム・ニッケル酸化物のニッ
ケル含有量をEDTAキレート滴定法によって測定し、
ニッケル(3価)量を酸化還元滴定により測定した。2
つの測定値からニッケル酸化度を算出した。結果を表1
に示す。
【0032】合成したリチウム・ニッケル複合酸化物の
電池特性を調べるため、リチウム・ニッケル複合酸化
物、導電材であるアセチレンブラック、結着材であるポ
リフッ化エチレンを所定重量比で混練し、ペレット状に
成型して正極とした。負極にはリチウムを用い、電解液
は六フッ化リン酸リチウムを1mol/l溶解したプロ
ピレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合液を用
いてボタン型電池を組み立てた。この電池の性能を調べ
るために、0.5mA/cm2 の定電流で4.3Vまで
充電させた後、3.0Vまで放電させて放電容量を調べ
た。結果を表1に示す。
【0033】実施例2 酸化ニッケル微粉5.00モル(C)に変えて、水20
00gと市販の水酸化ニッケル粉5.00モルの混合物
を振動ボールミルで湿式粉砕して得た水酸化ニッケルス
ラリー(C)を用いた以外は実施例1と同じ方法で合成
を行い、リチウム・ニッケル酸化物を得た。焼成物は坩
堝との付着がなく、坩堝の腐食も見られなかった。
【0034】合成したリチウム・ニッケル酸化物は実施
例1と同様の方法で分析した。ニッケル酸化度を表1に
示す。
【0035】合成したリチウム・ニッケル複合酸化物の
電池特性は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を
表1に示す。
【0036】比較例1 水酸化リチウム一水和物粉2.00モル、硝酸ニッケル
六水和物粉1.00モル、酸化ニッケル粉1.00モル
を窒素雰囲気にてボールミルで1時間混合した粉をアル
ミナ坩堝に入れ、ガス流通型の小型ボックス炉にて酸素
気流中、700℃で10時間焼成してリチウム・ニッケ
ル酸化物を得た。焼成物は坩堝と付着しており、坩堝を
腐食していた。回収を試みたが、アルミナ坩堝の破片の
混入が避けられなかった。
【0037】比較例2 金属ニッケル、水酸化リチウム一水和物をそれぞれ69
%硝酸、水に溶解し2.00mol/kg溶液の硝酸ニ
ッケル水溶液、2.50mol/kg溶液の水酸化リチ
ウム水溶液を調製した。この硝酸ニッケル水溶液2.5
0kgと水酸化リチウム水溶液2.00kgを強力攪拌
翼を備えた容積約250mlの反応槽に攪拌を行いなが
らそれぞれ100g/min、80g/minで同時に
フィードし、オーバーフローした液を回収してニッケル
とリチウムの混合モル比がLi/Ni=1.00の混合
スラリーを得た。
【0038】スラリーの乾燥、焼成は実施例1と同様に
行った。焼成物は坩堝と付着しており、坩堝を腐食して
いた。回収を試みたが、アルミナ坩堝の破片の混入が避
けられなかった。
【0039】比較例3 水酸化リチウム一水和物を水に溶解し2.50mol/
kg溶液の水酸化リチウム水溶液を調製した。この水酸
化リチウム水溶液2.00kgに、水2000gと市販
の水酸化ニッケル粉5.00モルの混合物を振動ボール
ミルで湿式粉砕して得た水酸化ニッケルスラリーを加
え、リチウムとニッケルの混合モル比がLi/Ni=
1.00の混合スラリーを得た。
【0040】スラリーの乾燥、焼成は実施例1と同様に
行った。得られたリチウム・ニッケル酸化物は実施例1
と同様の方法で分析した。ニッケル酸化度を表1に示
す。
【0041】合成したリチウム・ニッケル複合酸化物の
電池特性は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を
表1に示す。
【0042】比較例4 実施例1と同様に硝酸ニッケル水溶液と水酸化リチウム
水溶液を混合し、ニッケルとリチウムの混合モル比がL
i/Ni=2.00の混合スラリーを得た。
【0043】得られた混合スラリーを攪拌混合しなが
ら、硝酸ニッケル水溶液を大気雰囲気にて400℃、1
0時間焼成して得た酸化ニッケル微粉4.70モルをさ
らに混合し、24時間攪拌混合を行ってリチウムとニッ
ケルの混合モル比がLi/Ni=0.97のA+B+C
混合スラリーを得た。
【0044】スラリーの乾燥、焼成は実施例1と同様に
行った。得られたリチウム・ニッケル酸化物は実施例1
と同様の方法で分析した。ニッケル酸化度を表1に示
す。
【0045】合成したリチウム・ニッケル複合酸化物の
電池特性は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を
表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明により、硝酸ニッケル溶液A、水
酸化リチウム溶液Bおよび酸化ニッケルおよび/または
水酸化ニッケルの混合物の粉体またはそのスラリーCを
用いることにより、ニッケル酸化度が1に近いリチウム
・ニッケル複合酸化物を合成することができる。また、
該複合酸化物を正極活物質に用いた非水電解液電池は、
大きな放電容量が得られる。
【0048】さらには、焼成時の坩堝への腐食、付着を
抑制することができ、生産性の大幅な向上および歩留り
のアップが期待できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムとニッケルのモル比が0.98
    ≦Li/Ni≦1.10となるように下記A〜C A:硝酸ニッケル溶液 B:水酸化リチウム溶液 C:酸化ニッケルおよび/または水酸化ニッケル混合物
    の粉体またはそのスラリー を混合して調製したスラリーを乾燥し、焼成することを
    特徴とするリチウム・ニッケル複合酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記A,Bの混合比がAのニッケルに対
    するBのリチウムのモル比が1.8≦Li/Ni≦2.
    2となるように混合する請求項1記載のリチウム・ニッ
    ケル複合酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記Cが水酸化ニッケルの粉体またはそ
    のスラリーである請求項1または2記載のリチウム・ニ
    ッケル複合酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記Cが硝酸ニッケルを焼成して得られ
    る酸化ニッケルの粉体またはそのスラリーである請求項
    1または2記載のリチウム・ニッケル複合酸化物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 混合したスラリーの乾燥方法が噴霧乾燥
    法である請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のリチ
    ウム・ニッケル複合酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸素雰囲気下550〜800℃で焼成す
    る請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のリチウム・
    ニッケル複合酸化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載
    のリチウム・ニッケル複合酸化物を正極活物質として用
    いたことを特徴とする非水電解液電池。
JP8200433A 1996-07-30 1996-07-30 リチウム・ニッケル複合酸化物の製造方法およびそれを正極に用いた非水電解液電池 Pending JPH1050313A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012048968A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Ube Ind Ltd 電極材料の連続製造方法
WO2023106313A1 (ja) * 2021-12-08 2023-06-15 住友化学株式会社 リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池

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