JP7233132B2 - 回転刃具 - Google Patents

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Description

本発明は、タイルやモルタル等の建造物表面の研削又は塗膜剥がし等の工事に用いられる立体形状の回転刃具に関する。
この種の工事に用いられる回転刃具には、ストレート型とカップ型のものとがある。ストレート型の回転刃具は、チップと呼ばれる研削刃が、円盤状の基板の周縁に形成される。カップ型の回転刃具は、基台の中央部が周縁よりも窪み、窪んだ部分のうち、回転工具に連結される中央部以外の領域にチップが形成される。カップ型の回転刃具は、ストレート型の回転刃具よりもチップの形成領域が格段に大きいので、広い被研削面に対して効率的に作業を行うことができる利点がある。
カップ型の回転刃具の従来例として、特許文献1に開示された回転刃具(回転砥石)がある。この回転刃具は、窪部を有する円形の基板(2)の窪部を除く部分が円環状の平面領域に成型されており、この平面領域に、複数の砥石片(11)が形成された金属円環板(8)が固定されている。砥石片(11)は、ダイヤモンド砥粒や立方晶窒化硼素で形成され、基板(2)の外周に沿って湾曲する外側砥石と長手方向が基板(2)の中心部方向に沿い、回転方向に湾曲する径側砥石とが混在している。外側砥石と内側砥石が湾曲しているのは、建造物表面等の加工精度を増すためとされる。
また、特許文献2には、中心に取付孔が形成された略円板状の中央部に窪部が形成された台金(21)を備え、この台金(21)の外周部に複数の小研削部(27)がネジ部材によって固定された回転刃具(カップホイール)が開示されている。各小研削部(27)は、リング状の支持基板(27a)に固定される。小研削部(27)のうちの一部が破損した場合には、破損した小研削部(27)だけを取り替えることができる。
特開2014-42980号公報 特開2015-223691号公報
特許文献1に開示された回転刃具は、重量を重視するため、基板(2)が樹脂材料で成型されている。特許文献2に開示された回転刃具も同様に台金(21)が樹脂材料で成型されている。そのため、特許文献1の回転刃具のうち複数の外側砥石の外周部分を結ぶ円の直径は、基板(2)の直径よりも大きくせざるを得ない。特許文献2に開示された回転刃具も同様である(特許文献2の段落0031等)。このような構造の回転刃具では、マトリクス状、網状又は馬踏状に多数配列された矩形タイルを被研削対象とすることが困難となる。
すなわち、矩形タイルは目地と呼ばれる均等幅で貼り付けられるが、回転刃具が正面視で円形であり、かつ、複数の外側砥石の外周部分が基板(2)の直径よりも大きいため、矩形タイルの角部を研削する際に、隣りの矩形タイルを傷つけてしまうことがある。その際、回転刃具が矩形タイルに触れると火花が出てしまい、危険を伴う。それ故に、回転刃具の扱いを慎重にせざるを得ず、作業性が低下するおそれがある。
さらに、カップ型の回転刃具は、特許文献1,2の開示からも明らかなように、台金の中央部が周縁よりも窪み、窪んだ部分のうち、回転工具に連結される中央部以外の領域にチップが形成されるため、台金の加工が困難である。そのため、回転刃具全体の製造コストの低減が難しい。
本発明は、例えば矩形タイルのように研削対象物が近接している場合であっても隣り合う研削対象物を傷つけることがなく、かつ、作業性を高めることができる構造の回転刃具を提供することを主たる課題とする。本発明の他の目的は、後述する実施の形態例から明らかになるであろう。
上記目的を達成する本発明の一態様となる回転刃具は、中央部内壁に軸心と平行にネジ孔が螺刻され、上面視で真円をなすフランジ型の台金と、前記台金のフランジ面から被研削物側に立設される複数の砥石片と、を有し、前記複数の砥石片は、前記台金が前記軸心を中心に回転するときに前記台金のフランジ面にチップ領域を形成し、前記フランジ面の外径が前記チップ領域の外径よりも大きいことを特徴とする。
本発明の回転刃具は、台金のフランジ面の外径がチップ領域の外径よりも大きい。そのため、被研削物に隣接する物体に接触する事態が回避され、作業性が高まるという格別の効果を奏する。
本実施形態の回転刃具の構造説明図であり、(a)は背面図、(b)は(a)のA-A’断面図、(c)は正面図である。 (a)~(c)はフランジ面の回転の進捗状況を示す図である。 回転刃具の研削作業時の臨界状態の位置を示す説明図である。 図3の部分拡大図である。 継手の形状・構造例を示す図である。 (a),(b)は、回転刃具を継手を用いて回転工具に取り付けられた状態をそれぞれ異なる角度から表す外観斜視図であり、(c)は回転刃具の外観正面図である。 回転刃具と継手とを固定した回転工具の使用状態を示す説明図である。 回転刃具の変形例を示す外観正面図である。
以下、本発明の一態様に係る実施形態例について説明する。本実施形態の回転刃具は、タイルやモルタル等の被研削物を研削する工具であって、回転工具が有する回転軸に、回転方向とは逆方向にネジ締め固定されて使用されるものである。回転工具は、例えば公知の手持ち式のグラインダであり、回転軸として雄ネジが突出している。
本明細書では、便宜上、回転刃具のうち、それが取り付けられる回転工具側を背面部ないし背面側、被研削物側を正面部ないし正面側、背面部と正面部以外の部分を側面部、回転軸の中心軸と一致する軸線を軸心と呼び、正面側を軸心と平行方向から見ることを上面視、背面側を軸心と平行方向から見ることを底面視又は背面視、軸心と直交する側から側面部を見ることを側面視と呼ぶ。
図1は、本実施形態の回転刃具の構造説明図であり、図1(a)は背面図、図1(b)は図1(a)のA-A’断面図、図1(c)は正面図である。図2(a)~(c)は、回転工具に装着されて回転するときの状態を示す説明図である。
図1を参照すると、本実施形態の回転刃具1は、上面視で真円をなすフランジ型の台金10を構成要素として含む。
台金10は、厚みがh2で外径がD1となる、上面視で真円をなす円柱状のフランジ部11と、フランジ部11の背面側にフランジ部11と一体成型された軸受け部12とを含んで構成される。台金10は金属粒を含む硬質部材であって、その硬度は、HBW201以上HBW355以内のブリネル硬さである。この硬さは、鉄(Fe)と同等あるいはそれ以上である。カップ型回転刃具の一般的な部材の硬さはブリネル硬さHBW137~HBW170であるが、本実施形態では、同じ部材を出発材料として後述する熱処理を施すことにより、上記の硬さまで高めている。このような硬さの硬質部材にするのは、タイル等の硬質の被研削物に触れたときの台金10の摩耗を減らすためである。
フランジ部11の正面側の面をフランジ面11aと呼ぶ。フランジ面11aは側面視で平面である。そのため、一般的なカップ型回転刃具のように、窪部や傾斜面などを形成して複雑な構造にする必要がなく、台金10の製造工程が簡易なものとなり、量産化に適した構造となる。
軸受け部12は、フランジ部11の背面からの長さがh1で、外径がD2(<D1)の円柱のうち、上面視で左右対向する弧の部分が直線状に削られることで対向距離D3(<D2)となる一対の把持面122を有する形状に成型されている。一対の把持面122は、スパナ等で把持して、台金10を回転させやすくするため、つまりネジ締めあるいは緩めるために形成される。軸心を中心とするフランジ部11の中央部111は、軸受け部12の中央部121でもあり、軸心と平行に内径がD4となる孔13が形成されている。つまり、各中央部111,121は、それぞれ開口している。
軸受け部12側の孔13には、開口端のやや内側からフランジ部11側に、軸心と平行に所定長延びる支持環14が挿入されており、この支持環14の挿入端部からフランジ部11の中央部111の開口端までの孔13の内壁に、雌ネジ111aが螺刻されている。つまり、中央部内壁に軸心と平行に形成される孔13はネジ孔となる。雌ねじ111aは、図示しない回転工具から突出する雄ネジに螺合するサイズ及び形状に成形されている。開口端から支持環14の端部までは徐々に内径が小さくなるテーパ状に成形されており、これにより、支持環14の孔13への挿入が容易になっている。支持環14の外径はD5(>D4)であり、雌ねじ111aのネジ底からネジ頭までの距離よりは大きくなっている。軸受け部12側の開口端の内径はD6(<D5)である。
フランジ面11aには、それぞれ当該フランジ面11aから高さh3で、3つの第1研削刃15a,15b,15cと3つの第2研削刃15d,15e,15fとが砥石片の一例として立設されており、これにより、フランジ面11aに、台金10が回転したときに被研削物を研削する、高さh3の3次元のチップ領域15が形成される。
第1研削刃15a,15b,15cは、それぞれフランジ面11aの外周を中央部111の軸心を起点に360度を3等分した領域のうち当該外周よりも僅かに内側に、外周と同心円弧状に、隣り合う第1研削刃との間の間隔を均等にして1つずつ配される。
また、第2研削刃15d,15e,15fは、それぞれの両端部が、フランジ面11aの外周を中央部111の軸心を起点に360度を3等分した領域の境界線に沿うように1つずつ均等に配される。つまり、第2研削刃15dは、隣り合う2つの第1研削刃15a,15bの間隙であって第1研削刃15a,15bの外周を結ぶ曲線上の位置を一端部とし、中央部111の開口端又はその付近の位置を他端部として、回転方向に向かう面部が凸面、その反対方向の面部が凹面をなす形状となる。
各研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fを図示のような凸面及凹面を有する形状にするのは、回転時の回転刃具1の空気抵抗を小さくするとともに、研削刃間を冷却用の空気の通路及び研削屑ないし粉塵を通過させる排出路などとして利用するためである。すなわち、台金10は、正面からみたX-Y座標面(二次元面)を示した図2(a)~(c)の向きに回転する場合、回転駆動時の状態を表す図2(a)では、回転に伴う気流はあまり生じない。しかし、回転が速くなり始める状態を表す図2(b)に矢印で示したように、徐々に気流が生じ、さらに回転速度が増す図2(c)に矢印で示したように、気流が回転と反対方向に大きくなる。本実施形態では、この気流が、第2研削刃15d,15e,15fの凹面に沿って、第1研削刃15a,15b,15cの前端に抵抗なく案内されるようにする。
具体的には、回転方向からみて第1研削刃15aの前端部は、例えばそれぞれ最前端の部分が鋭角でフランジ部11の外周縁に近い部分が鈍角となる形状に成形される。逆に、回転方向からみて後ろ側の第2研削刃15dの外側端部(中央部111から離れる方向の端部)のうち、回転方向からみて最前端の部分が鈍角で最後端の部分が鋭角となる形状に成形される。これにより、回転時の各研削刃15a,15dの空気抵抗を抑制することができる。また、各研削刃15a,15dが、ファン等の冷却機構を設けなくとも、気流によって冷却されるようになる。第1研削刃15bと第2研削刃15e,第1研削刃15cと第2研削刃15fについても同様の説明となる。これにより、チップ領域15内の研削屑ないし粉塵も、気流と共にスムーズに台金10の外部へ排出される。
次に、本実施形態の回転刃具1の製造方法について説明する。回転刃具1は、被研削物の材質、形状、配置状況などに応じて様々な出発材料とそれを加工する工程をとり得るが、本実施形態では、まず、炭素鋼又は合金鋼で台金10を作製する。作製法は、成形加工、不要部分の除去加工のいずれであってよい。粉末冶金法を用いることもできる。その後、以下の工程により、研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fを作製し、それらを台金10のフランジ部11に固着して回転刃具1の原型とした。
第1工程:金属粉末と結合剤の粉とを混合してボンドシステムを作製する。
第2工程:ボンドシステムにダイヤモンド超砥粒を混合する。その際、ダイヤモンド超砥粒が集まって塊を作らないように、各砥粒を均一に混合する。これにより得られる混合物を第1の混合物とする。
第3工程:例えば熱伝導効率の高いカーボン型に第1の混合物を入れて形を整える。具体的には所定温度で所定圧力を所定時間かけて固めていく(冷間加工)。所定温度及び所定圧力は、各砥粒や金属粉末が再結晶化せず、逆に結晶構造が緻密になる摂氏720度以下の温度及び圧力であり、所定時間は、各砥粒や金属粉末の結晶構造が変化を生じる直前の時間である。このような温度で、所定時間をかけてゆっくり圧力を加えることで、加工硬化が促進される効果がある。
第4工程:カーボン型に入れた状態で、さらに熱、圧力をかけ、焼き固めることで、ダイヤモンドチップ(研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15f)を作製する。具体的には、摂氏900度から摂氏1200度の金属の再結晶温度以上の高温で圧力をかけながら行う熱間加工により、残留応力の少ないダイヤモンドチップを作製する。ダイヤモンドチップは、底面が平面で、上面視で図1(c)に示す研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fの形状となる。これにより作製されるダイヤモンドチップの硬さは、台金10の50倍以上の硬度となる。
第5工程:台金10のフランジ面11aに、第4工程で作成したダイヤモンドチップの底面を固着する。固着は、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤を用いてもよいが、ロウ付けであってもよい。ダイヤモンドチップの底面は平面なので固着面積を大きくすることができ、いかなる態様によっても強力にフランジ面11aに固着させることができる。また、平坦なフランジ面11aに直接固着してもよいが、事前にフランジ面11aに、ダイヤモンドチップの底面と同形状の窪みを形成しておき、この窪みにダイヤモンドチップを嵌め込んで固着するようにしてもよい。
第6工程:台金10のフランジ部11とダイヤモンドチップの表面に、無色のクリアコーティング剤を塗布した後、ドレッシングする。すなわち、ダイヤモンドチップのうち少なくとも底面と反対側の部分をダイヤモンド粒が露出するまで研磨する。クリアコーティング剤を塗布するのは、回転刃具1の表面酸化を防止するためであり、それを無色にするのは、被研削物以外の部分に接触したときに色がつく事態を回避するためである。
ダイヤモンドチップは、すべて同形状・同サイズであってよい。この場合、第2工程及び第3工程で使用するカーボン型が1つで足り、製造コストで有利となる。また、第1研削刃15a,15b,15cのうち回転方向の最前端部の鈍角の角度をより大きくしたり、後端部の鋭角の部分を除去してもよい。また、角部をすべて除去してR状に成形してもよい。また、第2研削刃15d,15e,15fのうち、内側端部(中央部111に近い方向の端部)だけを図1(c)等に示す位置から回転方向に近づけるようにしてもよい。この場合、外側端部(中央部111から離れる方向の端部)の鈍角部分はより180度に近く、鋭角部分はより0度に近づく形状にするとよい。
各研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fを図1(b)、(c)、図2のように配することで、チップ領域15の上面視での外縁は、第1研削刃15a,15b,15cのそれぞれの凸曲面と第2研削刃15d,15e,15fの外側端部とを結ぶ第1円状となり、チップ領域15の上面視での内縁は、第2研削刃15d,15e,15fの内側端部(中央部111に近い端部)を結ぶ第2円状となる。つまり、チップ領域15は上面視で第1円から第2円を差し引いた円環状となる。ただし、チップ領域15が3次元であることから、現実の研削作業では、チップ領域15の外縁よりも僅かに外側まで削られる。この点を考慮して、フランジ10の外径は、チップ領域15の外径(=外縁)を超え、さらに現実に削られる領域を含む外縁の径よりも大きいサイズに設計される。
上面視で第1円状のチップ領域15の回転時の外径とフランジ10の外径とのギャップを「オフセット値」と呼ぶ。オフセット値には最適値があり、最適値より大きすぎると、被研削物が矩形タイルの場合に角の部分が削れなくなる。逆にオフセット値が最適値より小さすぎると、例えばタイルのような硬い被研削物の場合に各研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fよりも先に台金10が摩耗してしまい、各研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fが、本来は研削の対象でない、隣設の矩形タイルまで削ってしまう。
オフセット値の最適値は、例えば矩形タイルのように被研削物の近傍に縦横に存在する被研削物以外の部材の配置間隔、台金10の直径D、台金10の摩耗度などに基づいて決定される。
オフセット値の最適値の一例について説明する。被研削物は、例えば図3に示されるように、それぞれモルタルで固着されている4枚の矩形タイル300,301,302,303のうち、2点破線で示した1枚の矩形タイル300だけとする。各矩形タイル300,301,302,303は、すべて同サイズで、長辺がW1、短辺がW2であり、目地幅がM10である。図3には被研削物に対して台金10の外周を最大限、隅に寄せた状態、つまり、研削作業の臨界状態が示されている。被研削物及びそれ以外の部分との相対位置関係を示すため、便宜上、台金10のフランジ面11aが実線で示してあるが、実際は、矩形タイル300とフランジ面11aとは対向する。
図4は、図3の部分拡大図であり、軸心をOで示してある。チップ領域15の外径の半径をT、チップ領域15の外縁を超えて実際に研削されてしまう円の半径をS、矩形タイル間の目地幅をm(図3のM10)、半径Sから上記半径Tを差し引いた長さをd、フランジ10の半径(D/2)から半径Sを差し引いた値をfとすると、オフセット値の最適値は、以下の式より求まる値あるいはそれ以下とすることができる。
[m・(√2)-((√2)-1)・D)/2+d]
なお、値d,fが判明している場合の最適値は、その合算値として決定することができる。また、最適値の決定に際しては、台金10、特にフランジ11の摩耗係数と被研削物の硬さとを考慮する。マトリクス状に貼り付けられる汎用の矩形タイル300を被研削物とする場合のオフセット値は概ね1[mm]前後となるが、0.3[mm]以下にならないようにするのが望ましい。0.3[mm]未満では各研削刃15a,15b,15c,15d,15e,15fの寿命の前にフランジ部11が摩耗して、被研削物以外の部材を傷付けてしまうおそれがあるためである。一方、オフセット値が2[mm]近くなると削り残しが多くなり、特に矩形タイルの角部が削りにくくなる。
次に、回転刃具1の回転工具への取付態様について説明する。回転工具の回転軸として突出している雄ネジが十分な長さである場合は、その雄ネジを台金10の軸受け部12側の孔13に挿入し、スパナ等で把持面122を把持しながら、雄ネジの根元が支持環14に収容されるまで締め付けることで作業が可能になる。締め付ける方向は、回転刃具1の回転方向とは逆の方向となる。ただし、研削時の作業性をより高める観点からは、継手を用いるのが好ましい。
継手は、例えば図5に示される形状のものとすることができる。図示の例では、継手20は、継手本体部21と、継手本体部21から突出する雄ネジ22と、を備えて構成される。材質及び製造方法は、台金10と同じである。
継手本体部21は、その内部に雄ネジ22と同じピッチ及び内径の雌ねじが形成され、その表面に台金10の軸受け部12に形成された把持面122と同じ目的で一対の把持面23が形成された略円筒状であり、その外径は、支持環14の内径と同じかそれよりも僅かに小さい。雄ネジ22は、回転工具の雄ネジ及び回転刃具1の台金10に螺刻された雌ねじ111aに適合する形状のものであり、その先端が台金10の軸受け部12の開口縁から挿入され、把持面23を用いてスパナ等で締め付けられる。
継手20は、台金10と同じ材料で、台金10とほぼ同じ硬度で製造することができる。そのため、継手20は、台金10ないし回転刃具1の一部として使用することができる。
図6(a),(b)は、回転刃具1を、継手20を用いて回転工具に取り付けられた状態をそれぞれ異なる角度から表す外観斜視図であり、図6(c)は回転刃具1を正面から見た外観正面図である。回転工具30は、操作者が片手で把持することができる形状及びサイズの中空把持筐体31を備えている。中空把持筐体31には、図示しない回転駆動機構及び駆動伝達機構が収容されており、その先端部には刃具取付筐体が付設されている。
刃具取付筐体は、それぞれ先端部に向かうにつれて対向間隔が小さくなる一対の傾斜面31,33を有し、一方の傾斜面31には、先端部に向かうにつれて傾斜面31からの高さが高くなる略円柱部32が形成された筐体である。図示されていないが、円柱部32の内部では、駆動伝達機構による回転力が付与される上述の雄ネジが、中空把持筐体31(その内部の駆動伝達機構の回転軸)に対して所定角度、例えば中空把持筐体31内の回転軸に対して略90度で突出しており、その雄ネジは継手本体部21の雌ネジに螺合し、継手本体部21から突出する雄ネジ22が回転刃具1の軸受け部12の雌ネジ111aに螺合している。
図7は、回転刃具1と継手20とを固定した回転工具30の使用状態を示す説明図である。被研削物は、図3に示したマトリクス状に配列された複数のタイルのうち、いずれか1枚の矩形タイルだけである。他の矩形タイルまで削るとその修復に多大な労力を要するので、作業に熟練を要する。また、各矩形タイルはモルタルで固定されているため、目地よりも一段と高くなっており、かつ、目地は狭い幅であり、回転刃具1のチップ領域15も3次元のものであるため、一般的には作業が困難である。
しかし、本実施形態の回転刃具1は、台金10のフランジ11の外径がチップ領域15の外縁(回転時の外径)よりも大きく、かつ、チップ領域15の外縁とフランジ11との間のオフセット値が最適値に設計されているため、隣接する矩形タイルまで削ってしまう事態を容易に回避することができる。作業者は、上記事態を意識する必要がなくなるので、作業性を高めることができる。また、回転工具30の中空把持筐体31が回転刃具1の回転軸と所定角度(例えば略90度)であるため、より作業しやすくなるという利点もある。
[変形例]
本発明は、本実施形態で説明した形状、構造以外にも様々な変形態様で実施することができる。例えば、本実施形態では、図1(c)等に示したように、第2研削刃15d,15e,15fを第1研削刃15a,15b,15cと同じ形状・サイズであることを前提として説明したが、第2研削刃15d,15e,15fを第1研削刃15a,15b,15cよりも小さく、あるいは大きくしてもよい。
また、図8に例示する回転刃具1’にしてもよい。図8に示した回転刃具1’は、第2研削刃15’d,15’e,15’fが上面視で略「く」字状、すなわち回転方向に凸面を有し、凸面の反対方向が凹面となる形状を有する。これにより、被研削物の研削がより効率的となる。また、図8に示した回転刃具1’は、第1研削刃15’a,15’b,15’cが、少なくとも回転方向の前端部が第2研削刃15’d,15’e,15’fの回転方向と逆の面とほぼ平行になる形状である。これにより、チップ領域15内の研削屑ないし粉塵が、よりスムーズに台金10の外部へ放出されるようになる。
また、本実施形態では、第1研削刃15a,15b,15cと第2研削刃15d,15e,15fがそれぞれ3つの場合の例を説明したが、2つあるいは4つ以上であってもよい。回転時に生じる気流及びチップ領域15内の研削屑ないし粉塵をより円滑にかつ大量に外部に放出できる構造であれば、その数に制限はない。
また、図6(a)~(c)及び図7に示した回転工具30の形状及び構造は、これらの図に示された例に限定されるものではなく、既存のグラインダなどを用いることもできる。また、作業時に生じる粉塵を作業者に与えないようにする防塵フードを回転工具30に付加してもよい。

Claims (4)

  1. 中央部内壁に軸心と平行にネジ孔が螺刻され、上面視で真円をなすフランジ型の台金と、前記台金のフランジ面から被研削物側に立設される複数の砥石片と、を有し、
    前記複数の砥石片は、前記フランジ面の外周と同心円弧状に配される第1研削刃と前記フランジ面の略外周から前記フランジの軸心に向かって配される第2研削刃とを含み、
    前記第2研削刃は、隣り合う2つの前記第1研削刃の間隙であって当該隣り合う第1研削刃の内周を結ぶ曲線よりも外側の位置を起点として形成され、
    前記第2研削刃には、回転時に生じる気流を前記台金の外部へ案内する凸面部が形成されており、
    前記第2研削刃は、外側端部のうち、回転方向からみて最前端の部分が鈍角で最後端の部分が鋭角となる形状に成形されており、
    前記台金が前記軸心を中心に回転するときに前記台金のフランジ面にチップ領域を形成し、前記フランジ面の外径が前記チップ領域の外径よりも大きいことを特徴とする、
    回転刃具。
  2. 回転時における前記チップ領域の外径と前記フランジ面の外径との差であるオフセット値が、被研削物の近傍に存在する被研削物以外の部材の配置間隔に基づいて決定されることを特徴とする、
    請求項1に記載の回転刃具。
  3. 前記台金の背面側に、その中心軸にネジ孔が螺刻されその表面に把持面が形成された軸受け部が、前記台金と一体に形成されていることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の回転刃具。
  4. 前記軸受け部は、回転駆動源となる回転工具と直接又は前記ネジ孔に適合する雄ネジ及び雌ネジを有する継手を介して接合されることを特徴とする、
    請求項3に記載の回転刃具。
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