JP7231303B1 - マット - Google Patents

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Abstract

仰臥時における呼吸の促進を可能にしたマット(1)を提供する。マット(1)の背中支持部(3)は、仰臥した人の左右一対の上後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部および停止部の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の上後鋸筋対応部(19)と、仰臥した人の左右一対の肩甲骨に対応する部位を支持する一対の肩甲骨支持部(20)と、仰臥した人の背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部(23)と、を備える。上後鋸筋対応部(19)および肩甲骨支持部(20)は、上後鋸筋対応部(19)からの体圧が肩甲骨支持部(20)からの体圧よりも低くなるように構成されている。第6胸椎対応部(23)は、第6胸椎対応部(23)からの体圧が背中支持部(3)における第6胸椎対応部(23)以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている。

Description

本発明はマットに関し、特に、仰臥時における呼吸の促進を可能にしたマットに関する。
マットの中には、人がその身体を横たえるとき、その身体を支えるのに使用されるものがある。この種のマットには、その上に横たわる人に寝心地を良く感じさせる機能が求められる。
マットの寝心地は、そのマットの反発力と、そのマットの上に横たわる人の体圧との間のバランスに左右される。体圧とは、マットの上に横たわる人がそのマットに与える圧力のことであり、その分布は身体の姿勢によって異なる。たとえば仰臥位での体圧は臀部で最も高く、次いで背中が高い。仰臥した人の全身をマットが支える場合、そのマットの反発力が一様に高いと、体圧が臀部と背中とに集中するので、臀部と背中とがうっ血しやすい。その結果、うっ血を解消するための寝返りが多くなるので、眠りが浅くなりやすい。逆に、マットの反発力が一様に低いと、臀部が最も深くそのマットに沈み込む。その結果、仰臥時の背骨が直立時のS字形状から大きく歪むので、腰痛、猫背の原因となる。
寝心地を良くするための工夫として、仰臥した人の背骨の方向において反発力、または表面形状を場所によって変化させたマットが知られている(たとえば特許文献1~3参照)。これらのマットでは、臀部と背中とに接触する領域が他の領域よりも柔らかく、または低く設定されている。これにより、臀部と背中とに集中していた体圧が他の部位へ分散される結果、マットの全体で体圧が一様に近づくので、仰臥時の背骨を直立時と同じS字形状に近づけることができる。
寝心地の良さには、寝返りの回数、背骨の形状の他にも、呼吸の深さが関係する。睡眠中の呼吸が深いほど、寝心地は良い。しかし、上記のようなマットの全体で体圧を一様に近づけても、仰臥時には呼吸が浅くなることがあり、呼吸の促進のためには改善の余地がある。
実開平06-058762号公報 特開2002-119382号公報 特表2016-506797号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、仰臥時における呼吸の促進を可能にしたマットを提供することを目的とする。
本発明のマットは、仰臥した人の背中を支持する基準面を有する背中支持部を備えたマットであって、前記背中支持部は、前記仰臥した人の左右一対の上後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の上後鋸筋対応部と、前記一対の上後鋸筋対応部よりも体幅方向の外側において前記仰臥した人の左右一対の肩甲骨に対応する部位を支持する一対の肩甲骨支持部と、前記仰臥した人の前記背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部と、を備え、前記上後鋸筋対応部および前記肩甲骨支持部は、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるように構成され、前記第6胸椎対応部は、前記第6胸椎対応部からの体圧が前記背中支持部における前記第6胸椎対応部以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の実施形態に係るマットの全体構成を示す斜視図である。 図1のマットの平面図である。 図1のマットのIII-III線断面図である。 図1のマットに人が仰臥した状態を示す説明図である。 図1のマットと仰臥した人の骨格との相対的な位置関係を模式的に示すマットおよび人の背面図である。 図1のマットと仰臥した人の骨格との相対的な位置関係を模式的に示すマットおよび人の縦断面図である。 人の下後鋸筋および上後鋸筋ならびに図1のマットの上後鋸筋段差部および下後鋸筋段差部の配置を模式的に示す説明図である。 本発明の変形例に係るマットの全体構成を示す斜視図である。 図8のマットの平面図である。 本発明の他の変形例に係るマットの全体構成を示す斜視図である。 図10のマットの平面図である。 図10のマットのX-X線断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
(マット1の概要説明)
図1~5に示されるマット1は、たとえば薄い直方体形状のウレタンなどの弾力性を有する材料によって一体形成されている。マット1は、当該マット1を支えるフレームまたは台(図示せず)と共にベッドを構成する。マット1は、たとえばその上面全体で、その上に仰臥した人50(図4~6参照)の全身を支えることができるサイズである。マット1のサイズは、例えば、標準的な成人の体型(例えば、身長170cm、体重70kg程度の日本の成人男子など)に合わせて設定される。なお、本発明では、マット1は、仰臥した人50の少なくとも背中52(図4~6参照)に対応する部位を支持することが可能なサイズがあればよい。
なお、本願明細書および図面では、方向を表すために、仰臥した人50の身体が延びる方向X(頭側X1、脚側X2)、仰臥した人50の体幅方向(以下、幅方向)Y(右側Y1、左側Y2)、およびマット1の厚み方向Z(上側Z1、下側Z2)が定義されている。
マット1は、仰臥した人50の背中52、骨盤PVおよび脚部に当接可能な部分が上方Z1に突出した形状を有している。具体的には、マット1は、平坦な直方体形状のベース部2と、当該ベース部2の上面2aから上方Z1に突出する3か所の部分、すなわち、背中支持部3と、骨盤支持部4と、脚部支持部5とを備えている。背中支持部3は、仰臥した人50の背中52(図4~6参照)を支持する基準面100を有する。骨盤支持部4は、背中支持部3よりも脚側X2に位置し、骨盤PV(図4~5参照)に対応する部位を支持する。脚部支持部5は、骨盤支持部4よりも脚側X2に位置し、脚の大腿骨FM(図4~5参照)付近の部分に対応する部位を支持する。
マット1における背中支持部3よりも頭側X1には、頭部51(図4参照)が配置される頭部配置領域6が形成されている。頭部配置領域6では、ベース部2の上面2aが露出しており、頭部51を支持する枕Pが配置される。
マット1における骨盤支持部4と脚部支持部5との間には、背中支持部3の上面を構成する基準面100より低く凹み、股関節J(図4~5参照)が配置される段差部7aを有する股関節配置領域7が形成される。股関節Jは、人50の仰臥時に段差部7aに収容される。
仰臥時には、骨盤支持部4(具体的には、後述の腸骨支持部11)および脚部支持部5は人50の体重によってつぶされるが、段差部7aは仰臥時につぶされないため、股関節Jは不支持状態になる。したがって、段差部7aの深さは人50の体重でもつぶされない程度に設定される。
(背中52の説明)
背中支持部3によって支持される背中52の内部には、仰臥した人50の呼吸を司る筋肉として、図7に示されるように、一対の下後鋸筋41と一対の上後鋸筋42がある。
一対の下後鋸筋41は、仰臥した人の脊柱SPの脚側部分の左右両側に配置されている。各下後鋸筋41は、4つの部分41a~41dを有している。下後鋸筋41の4つの部分41a~41dは、それぞれ、頭側から脚側に順に並び、幅方向(左右方向)Yの外側に向かうにつれて脚側X2へ向かう方向に延びている。したがって、下後鋸筋41の全体的な形状は、略平行四辺形の形状を呈している。4つの部分41a~41dは、それぞれ、起始側の第11胸椎T11~第2腰椎L2(すなわち、第11胸椎T11、第12胸椎T12、第1腰椎L1、および第2腰椎L2)と停止側の第9肋骨R9~第12肋骨R12とをそれぞれ接続する。
一対の上後鋸筋42は、仰臥した人の脊柱SPの頭側部分の左右両側に配置されている。各上後鋸筋42は、4つの部分42a~42dを有している。4つの部分42a~42dは、それぞれ、頭側から脚側に順に並び、幅方向(左右方向)Yの外側に向かうにつれて頭側X1へ向かう方向に延びている。したがって、上後鋸筋42の全体的な形状は、略平行四辺形の形状を呈している。4つの部分42a~42dは、起始側の第6頸椎C6~第2胸椎T2(すなわち、第6頸椎C6、第7頸椎C7、第1胸椎T1、第2胸椎T2)と停止側の第2肋骨R2~第5肋骨R5とをそれぞれ接続する。なお、上後鋸筋42は、第2肋骨R2~第5肋骨R5に接続されているが、肩甲骨SCには接続されていない。具体的には、上後鋸筋42のうち最も頭側X1の部分42aでは、第2肋骨R2に接続された端部42a1が、肩甲骨SCよりも脊柱SP側に位置している。上後鋸筋42のうちその他3本の部分42b~42dでは、第3肋骨R3~第5肋骨R5に接続された端部42b1~42d1は、肩甲骨SCと第3肋骨R3~第5肋骨R5とが上下に重なっている部分に位置しているが、肋骨に接続されているのみで肩甲骨SCには接続されていない。
呼吸の際には、呼吸の際に胸郭を形成する12対の肋骨群は、横隔膜DP(図5参照)の上下運動を補助するように運動する。具体的には、呼気の間は胸郭を形成する肋骨群が下後鋸筋41の収縮によって引き下げられて胸郭が狭まる。吸気の間は肋骨群が上後鋸筋42の収縮によって引き上げられて胸郭が広がる。なお、肋骨の間は肋間筋で連結されているので、肋骨群全体が上下運動を行う。
本実施形態のマット1では、仰臥時において上後鋸筋42による肋骨群の引き上げを制限しないように、以下のような背中支持部3の構造を有する。
(背中支持部3の説明)
本実施形態では、上後鋸筋42による肋骨群の引き上げを制限しないための背中支持部3の頭側X1の部分の構成として、図1~7に示されるように、背中支持部3は、一対の肩甲骨支持部20と、一対の上後鋸筋対応部19と、胸椎支持部18と、第6胸椎対応部23と、一対の肩甲挙筋押圧部24と、一対の肋骨押圧部27と、一対の下後鋸筋対応部29とを備える。
一対の上後鋸筋対応部19は、仰臥した人50の左右一対の上後鋸筋42のそれぞれの少なくとも起始部および停止部の中間の部分に対応する部位の下方に配置されている。上後鋸筋対応部19は、人がマット1に仰臥した状態で上後鋸筋対応部19からの体圧が肩甲骨支持部20からの体圧よりも低くなるように構成されている。本実施形態では、肩甲骨支持部20が基準面10と同じ高さに設定されるとともに、上後鋸筋対応部19は、平面視において略矩形形状の上後鋸筋段差部119によって構成されている。上後鋸筋段差部119は、背中支持部3の上面を構成する基準面100よりも下方に凹んでおり、本発明の第1段差部に対応する。本実施形態では、一対の上後鋸筋段差部119それぞれは、上後鋸筋42が最も収縮および伸長する部分に対応する部位として、一対の上後鋸筋42のそれぞれにおける少なくとも起始部および停止部の中間の部分、具体的には、仰臥した人の脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲に形成されている。これにより、上後鋸筋42において肋骨群を引き上げることに大きく寄与する部分の圧迫を確実に回避することが可能になる。
一対の肩甲骨支持部20は、一対の上後鋸筋対応部19よりも幅方向Yの外側において左右一対の肩甲骨SCに対応する部位を支持する。本実施形態の一対の肩甲骨支持部20は、それぞれ基準面100と同じ高さの上面と、頭側段差部22とを有する。
頭側段差部22は、肩甲骨支持部20における頭側X1の部分であって、肩甲骨SCの頭側X1の部分に対応する部位の下方に配置され、基準面100よりも下方に凹んでおり、本発明の第3段差部に対応している。頭側段差部22は、例えば、肩甲棘SC2(図5および図7参照)の少なくとも一部(好ましくは全部)を含む範囲に形成され、言い換えれば、身長方向の長さの範囲において肩甲骨SCのうちの頭側X1の1/4程度の範囲に形成される。
一対の肩甲挙筋押圧部24は、仰臥した人の肩甲挙筋40(図5参照)における幅方向Yの中間位置よりも外側で、かつ、当該肩甲挙筋40を当該幅方向Yにおいて外側から内側へ押圧可能な位置に配置されている。具体的には、肩甲挙筋押圧部24は、肩甲骨支持部20の胸椎支持部18の幅方向Yの両側において、上後鋸筋段差部119と頭側段差部22との間に配置されている。肩甲挙筋押圧部24は、肩甲骨支持部20の頭側X1かつ幅方向Y内側の端部から頭側X1に突出する延設部26に連結されている。
この肩甲挙筋押圧部24により、仰臥した人の肩甲挙筋40(図5参照)を外側から圧迫して肩甲骨SCの上方回旋(すなわち、肩甲骨SCの脚側の部分SC1が幅方向Y外側かつ頭側X1へ向けて旋回すること)を促すことが可能である。
本実施形態では、肩甲挙筋押圧部24は、基準面100よりも上方に突出し、基準面100よりも高い位置で肩甲挙筋40を幅方向Yにおいて外側から内側へ押圧するように構成されており、肩甲挙筋40を高い位置で押圧しやすくなっている。
なお、本実施形態では、図1~2、図4~5に示されるように、一対の肩甲挙筋押圧部24は、一対の頭側段差部22よりも幅方向Yにおいて内側に配置され、肩甲骨SCの内側かつ頭側の部分から肩付近を支持している。このため、肩甲骨支持部20のうち上記の頭側段差部22が占める範囲が大きくなっても、上後鋸筋42の上部への圧迫を抑制することが可能である。
本実施形態では、上後鋸筋段差部119は、背中支持部3の基準面100よりも低く凹むことによって構成されることにより、上後鋸筋段差部119からの体圧を肩甲骨支持部20からの体圧よりも低くしている。
図3に示されるように、上後鋸筋段差部119の深さH0は、仰臥時に基準面100が沈んだ状態でも、一対の上後鋸筋段差部119からの体圧が基準面100および肩甲骨支持部20からの体圧よりも低くなる関係を維持できる程度の高さに設定される。上後鋸筋段差部119からの体圧は、仰臥時に基準面100が沈んだ状態で上後鋸筋42に対応する部位が上後鋸筋段差部119に接触しない場合は、無圧であり、当該上後鋸筋段差部119に接触した場合でも、基準面100が高さH0の分だけ圧縮することにより生じる体圧よりも当該基準面100からの体圧よりも低圧になるように設定されている。また、マット1における上後鋸筋段差部119の硬度は、基準面100の硬度よりも低くなるように設定されていればより低圧になるので好ましい。
ここで、基準面100、肩甲骨支持部20、および上後鋸筋段差部119からのそれぞれの体圧は、例えば、既存の体圧測定機などによって測定される。体圧測定器では、マット1上の領域をマトリックス状に分割してマス目ごとの荷重を体圧として計測する。この体圧測定器を用いることによって、上記の基準面100、肩甲骨支持部20、および上後鋸筋段差部119からのそれぞれの体圧は、例えば、肩甲骨支持部20から肩甲骨SCに対応する部位の領域に与える体圧の平均値、および、上後鋸筋段差部119から上後鋸筋42に対応する部位の領域に与える体圧の平均値として求めることができる。
上後鋸筋段差部119の幅W12は、一対の上後鋸筋42のそれぞれにおける仰臥した人の脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲をカバーできる幅であればよい。なお、幅W12の具体的な数値範囲については後段において、胸椎支持部18の幅W11と関連付けて説明する。
胸椎支持部18は、一対の上後鋸筋段差部119の間に配置され、仰臥した人50の背中52のうち脊柱SPの少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位を連続的に支持する。本実施形態の胸椎支持部18は、図1および図6に示されるように、後述の腰椎側支持部8とともに仰臥した人の脊柱を連続的に支持する。胸椎支持部18の上面18aは、基準面100と同じ高さで身体が延びる方向Xに連続的に延びており、第1胸椎T1から第3胸椎T3まで連続的に支持することが可能である。
胸椎支持部18の長さ(身体が延びる方向Xの長さ)は、仰臥した人50の背中52のうち脊柱SPの少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位を連続的に支持することが可能な長さであればよい。図5~7では、胸椎支持部18の長さは、脊柱SPの第1胸椎T1から第3胸椎T3までに対応する部位を3個連続して支持可能な長さを有しているが、第1胸椎T1から第4胸椎T4までの範囲のように4個連続した範囲であってもよい。
なお、脊柱の第6胸椎T6付近(第5胸椎T5~第7胸椎T7付近の範囲)は、仰臥時において体圧が高くなりやすいので、第6胸椎T6付近の体圧を低くするために、本実施形態では、後述のように胸椎段差部123で構成された第6胸椎対応部23が設けられている。これにより、仰臥時において呼吸する際にしなやかな脊柱の動きを阻害しなくなる。
また、上後鋸筋42へ体圧は肩甲骨SCと胸椎上部(第1胸椎T1~第3胸椎T3)が受け皿となるので、上後鋸筋42への圧迫を避ける点では胸椎支持部18によって頸椎を支持する必要はない。頸椎は仰臥時において頭部の影響下にあり(すなわち、頭部の重みの影響を受けており)、頸部は頭支持の枕の影響を受ける。さらに、頸部支持は呼吸時に用いられる首回りの筋肉の緊張を高める可能性があるため、胸椎支持部18による頸椎の支持についてはなるべく避ける方が良い。そのような観点から、胸椎支持部18は、頸椎を支持するとしても首回りの筋肉の緊張への影響が最も少ない第7頸椎C7を支持してもよいが、影響が大きい第6頸椎C6およびその頭側の頸椎の支持はしない方がよい。
また、胸椎支持部18による連続的な支持は、上記の範囲における各胸椎を個別に支持していればよい。したがって、胸椎支持部18は、身体が延びる方向Xに連続的に延びている形状に限定されるものではなく、胸椎の1個以上の隙間がなければ断続的に途切れている形状であってもよい。
図2~3に示される胸椎支持部18の幅W11は、少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位の範囲内に設定される。言い換えれば、胸椎支持部18の幅W11は、少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位に当接するが、胸椎T1~T3から左右両側(幅方向Yの両側)に延びる肋骨R1~R3に対応する部位に当接しない範囲に設定されている。
つぎに、図2~3を参照しながら、胸椎支持部18の幅W11および上後鋸筋段差部119の幅W12の数値範囲について説明する。胸椎支持部18の幅W11は、具体的には、標準的な日本の成人の体型を基準とした場合、4~11cmの範囲(好ましくは、6~9cm程度)に設定されているのが好ましい。幅W11が4cm未満の場合には、胸椎に対応する部位を支持する面積が小さくなりすぎて、胸椎の連動した動きを維持できないという問題がある。一方、幅W11が11cmよりも大きい場合には、胸椎支持部18が胸椎だけでなく胸椎両側の肋骨まで圧迫するので、吸気を阻害するという問題がある。したがって、胸椎の連動性を維持しながら肋骨の圧迫をしない範囲として、上記のように胸椎支持部18の幅W11は、4~11cmの範囲に設定されているのが好ましい。
上後鋸筋段差部119の幅W12は、上記の幅W11および肩甲骨SCの間隔を考慮して、以下のようにして設定される。すなわち、上記の胸椎支持部18の幅W11および一対の上後鋸筋段差部119の幅W12の総和W13(=W12+W11+W12)が標準的な日本の成人の体型における左右の肩甲骨SC(図5参照)の間隔(16~24cm程度)と同じかそれより若干大きくなるように、上記の上後鋸筋段差部119の幅W12を設定する。具体的には、幅W11=4~11cm、肩甲骨の間隔に一致する総和W13=16~24cmとした場合、W12=(W13-W11)/2=2.5~10cm程度に設定される。
第6胸椎対応部23は、仰臥した人の背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置されている。本実施形態では、第6胸椎対応部23は、胸椎段差部123により構成されている。胸椎段差部123は、仰臥した人の背中のうち脊柱SPの少なくとも第6胸椎T6を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置され、背中支持部3の基準面100よりも下方(すなわち、胸椎支持部18の上面18aよりも下方)に凹んでいる。胸椎段差部123は、本発明の第2段差部に対応する。胸椎段差部123は、例えば、図5~6に示されるように、第6胸椎T6を含む範囲として、第5胸椎T5~第7胸椎T7を含む範囲に形成されている。図6に示されるように、第6胸椎T6付近は、仰臥姿勢では、胸椎のうち最も低い位置にあり、仰臥時に最も体圧が高くなるので、上記の胸椎段差部123を設けることにより体圧を緩和して脊柱のしなやかな動きを促すことが可能である。
一対の下後鋸筋対応部29は、仰臥した人の左右一対の下後鋸筋41(図7参照)のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置されている。
下後鋸筋対応部29は、下後鋸筋対応部29からの体圧が背中支持部3における下後鋸筋対応部29以外の部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、
本実施形態の下後鋸筋対応部29は、基準面100よりも下方に凹んだ下後鋸筋段差部129により構成されている。下後鋸筋段差部129は、本発明の第4段差部に対応する。
下後鋸筋段差部129からの体圧は、仰臥時に基準面100が沈んだ状態で下後鋸筋41に対応する部位が下後鋸筋段差部129に接触しない場合は、無圧であり、当該下後鋸筋段差部129に接触した場合でも、基準面100との高低差の分だけ圧縮することにより生じる体圧よりも当該基準面100からの体圧よりも低圧になるように設定されている。また、マット1における下後鋸筋段差部129の硬度は、基準面100の硬度よりも低くなるように設定されていればより低圧になるので好ましい。
一対の肋骨押圧部27は、一対の下後鋸筋対応部29よりも体幅方向Yの外側において、仰臥した人の少なくとも第8肋骨R8および第9肋骨R9のそれぞれに対応する部位の下方に位置し、基準面100よりも上方Z1に突出している。肋骨押圧部27は、少なくとも第8肋骨R8および第9肋骨R9(例えば、第7肋骨R7~第11肋骨R11)を含む肋骨を下方から押圧することが可能であり、これにより、胸郭下部が頭側X1へ向かって開きやすくなり、吸気しやすくなる。
(本実施形態の特徴)
(1)
本発明者は、仰臥時において呼吸の促進をするために、吸気時に肋骨を上昇させる上後鋸筋42の動きを阻害する圧迫を除去する点について鋭意検討を重ねた結果、以下のマット1を発明するに至った。
すなわち、本実施形態のマット1は、仰臥した人の背中を支持する背中支持部3を備える。背中支持部3は、背中を支持する上面を有している。背中支持部3の上面は、マット1の基準面100を構成する。背中支持部3は、図1~3および図6~7に示されるように、仰臥した人の左右一対の上後鋸筋42のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分(具体的には、脊柱SPと肩甲骨SCとの間の部分)に対応する部位の下方Z2に配置された一対の上後鋸筋対応部19と、一対の上後鋸筋対応部19の幅方向Yの外側において一対の肩甲骨SCに対応する部位を支持する一対の肩甲骨支持部20とを備える。上後鋸筋対応部19および肩甲骨支持部20は、上後鋸筋対応部19からの体圧が肩甲骨支持部20からの体圧よりも低くなるように構成されている。このため、仰臥時において上後鋸筋42の圧迫、とくに上後鋸筋42のうち活発に動く中間部分の圧迫を回避することが可能である。その結果、仰臥時の吸気が容易になる。
(2)
本実施形態のマット1では、肩甲骨支持部20は、基準面100と同じ高さに設定されている。さらに、上後鋸筋対応部19が基準面100より下方に凹んだ上後鋸筋段差部119(第1段差部)により構成されることにより、上後鋸筋対応部19からの体圧が肩甲骨支持部20からの体圧よりも低くなっている。したがって、上後鋸筋段差部119により上後鋸筋42の圧迫を確実に回避することが可能である。なお、肩甲骨支持部20の上面の高さは、基準面100以上の高さであればよく、基準面100よりも高くてもよい。
(3)
本実施形態のマット1では、背中支持部3は、仰臥した人の背中のうち脊柱SPの少なくとも第6胸椎T6を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部23をさらに有する。第6胸椎対応部23は、第6胸椎対応部23からの体圧が背中支持部3における第6胸椎対応部23以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている。
この構成では、第6胸椎対応部23により、仰臥時における第6胸椎T6付近の圧迫を回避し、仰臥時の呼吸をより促進することが可能である。
本実施形態のマットのように、一対の上後鋸筋対応部19が脊柱を支持する部分の両側に配置された構造では、一対の上後鋸筋対応部19を有しない従来のマットと比較して脊柱への体圧が高くなり、第6胸椎T6付近への体圧がとくに高くなるが、上記のように第6胸椎対応部23を有することにより、第6胸椎T6付近への体圧を部分的に低くすることが可能になる。したがって、本実施形態のマット1では、一対の上後鋸筋対応部19による上後鋸筋42への圧迫回避効果と第6胸椎対応部23による第6胸椎T6付近の圧迫回避効果の相乗効果により、仰臥時の呼吸をより促進することが可能になり、より快適な睡眠が可能になる。
さらに詳細に言えば、図6に示されるように、第6胸椎T6付近は、仰臥姿勢では、胸椎のうち最も低い位置にあり、仰臥時に最も体圧が高くなるが、上記の胸椎段差部123を設けることにより体圧を緩和して脊柱のしなやかな動きを促すことが可能である。これにより、脊柱につながる骨盤PV中央の仙骨も前方へ傾斜する運動(うなずき運動)がしやすくなり、それに伴って横隔膜DPが上昇しやすくなり、その結果、仰臥時の呼吸がしやすくなる。
上記の仙骨のうなずき運動についてさらに補足説明をすれば、呼吸の際の仙骨のうなずき運動では、脊柱を介して後頭骨まで連動して動く。呼気の際には頭はうなずき、吸気には起き上がる。胸椎と肩甲骨を支持する従来の平坦なマット構造の場合には体圧が第6胸椎T6付近に最も集中する。強い体圧で第6胸椎T6が動けなくなると、脊柱を介した仙骨のうなずき運動の連動が途切れてしまい、頭へ伝わらなくなり呼吸に支障をきたすおそれがある。そうした呼吸運動を阻害しないためには、上記の本実施形態のマットのように、第6胸椎対応部23、具体的には胸椎段差部123を設けることにより、第6胸椎T6付近の体圧を緩和することが非常に有効である。
(4)
本実施形態のマット1では、第6胸椎対応部23は、基準面100よりも下方に凹んだ胸椎段差部123(第2段差部)により構成されている。この構成では、簡単な構成で第6胸椎T6付近の圧迫を回避し、仰臥時の呼吸をより促進することが可能である。
仰臥時では背中のうち脊柱SPの第6胸椎T6付近が圧迫されやすいが、上記の構成では、背中支持部3が基準面100よりも下方に凹んだ胸椎段差部123を有していることにより、第6胸椎T6を含む胸椎が2個以上連続した部分への体圧を部分的に低くすることが可能になる。その結果、仰臥時における脊柱SP全体の連続的な動きを維持することが可能になり、仰臥時における呼吸を確実に維持することが可能になる。
(5)
本実施形態のマット1では、肩甲骨支持部20は、肩甲骨SCの頭側X1の部分(具体的には、肩甲棘SC2の少なくとも一部を含む部分)に対応する部位の下方に配置され、基準面100よりも下方に凹んだ頭側段差部22(第3段差部)をさらに有する。これにより、仰臥時において肩甲棘SC2の圧迫を回避し、肩甲骨SCの上方回旋がしやすくなる。それとともに鎖骨および胸郭の頭側への移動がしやすくなるので、仰臥時の吸気がさらに容易になる。
すなわち、本実施形態では、肩甲棘SC2の肩関節側(幅方向Yにおける外側)がマットから圧力を受けない頭側段差部22を設けることで仰臥した人の肩関節側の肩甲棘SC2がマット下方Z2に重力で引き下げられる。その結果、肋骨との接触面の圧力差(接触のアンバランス)を生じさせ、さらに肩甲骨SCの体圧によってより上方回旋が促されることになる。また、頭側段差部22を広くするとより効果的に上方回旋が促される。
(6)
本実施形態のマット1では、背中支持部3は、仰臥した人の左右一対の下後鋸筋41(図7参照)のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の下後鋸筋対応部29を備えている。下後鋸筋対応部29は、下後鋸筋対応部29からの体圧が背中支持部3における下後鋸筋対応部29以外の部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、
かかる構成によれば、仰臥時において下後鋸筋41の圧迫、とくに下後鋸筋41のうち活発に動く中間部分の圧迫を回避することが可能である。その結果、仰臥時の呼気が容易になる。
(7)
本実施形態のマット1では、下後鋸筋対応部29が基準面100より下方に凹んだ下後鋸筋段差部129(第4段差部)により構成されることにより、下後鋸筋対応部29からの体圧が背中支持部3における下後鋸筋対応部29以外の部分からの体圧よりも低くなっている。したがって、下後鋸筋段差部129により下後鋸筋41の圧迫を確実に回避することが可能である。
(8)
本実施形態のマットでは、背中支持部3は、一対の下後鋸筋対応部29よりも体幅方向Yの外側において、仰臥した人の少なくとも第8肋骨R8および第9肋骨R9のそれぞれに対応する部位の下方に位置し、基準面100よりも上方Z1に突出する一対の肋骨押圧部27を備えている。肋骨押圧部27は、少なくとも第8肋骨R8および第9肋骨R9(例えば、第7肋骨R7~第11肋骨R11)を含む肋骨を下方から押圧することが可能である。これにより、胸郭下部が頭側X1へ向かって開きやすくなり、さらに胸椎が理想に近い状態に若干反ることが可能になり、吸気がしやすくなる。
(9)
本実施形態のマット1では、背中支持部3は、仰臥した人の肩甲挙筋40における幅方向Yの中間位置よりも外側で、かつ、当該肩甲挙筋40を当該幅方向Yにおいて外側から内側へ押圧可能な位置に配置された肩甲挙筋押圧部24を備えている。
この構成では、仰臥時に肩甲挙筋押圧部24が肩甲挙筋40を外側から内側へ押圧することにより肩甲骨SCが上方回旋しやすくなる。
また、本実施形態では、肩甲棘SC2の下側に頭側段差部22(第3段差部)があるので、肩甲棘SC2への圧迫を回避しながら肩甲挙筋押圧部24が肩甲挙筋40を押圧することにより、さらに肩甲骨SCが上方回旋しやすくなる。なお、頭側段差部22(第3段差部)が無い構成、すなわち、肩甲骨支持部20における肩甲棘SC2の下側の部分が基準面100で構成していてもよい。
(10)
本実施形態のマット1では、肩甲挙筋押圧部24は、基準面100よりも上方に突出し、基準面100よりも高い位置で肩甲挙筋40を幅方向Yにおいて外側から内側へ押圧するように構成されている。
この構成では、仰臥時に肩甲挙筋押圧部24が基準面100よりも高い位置で肩甲挙筋40に外側から内側へ押圧することにより、肩甲骨SCがさらに上方回旋しやすくなる。
本実施形態では、肩甲骨SCにおける肩甲挙筋40の付着部の外側(肩甲骨上角の頭側)を支持、体圧で押圧することで、肩甲挙筋40が肩甲挙筋押圧部24によって外側から内側に押されることになり、肩甲挙筋40の付着部(上角付近)が首側に引っ張られることで、支点になり、肩甲骨SCが上方回旋する方向に移動しやすくなる。また、肩甲挙筋押圧部24が肩甲挙筋40を幅方向Yの外側から内側に押すことにより、肩甲骨SCを肋骨から浮かせ上方回旋方向に動きやすくする。
(11)
本実施形態のマット1では、一対の上後鋸筋段差部119のそれぞれは、一対の上後鋸筋42のそれぞれにおける仰臥した人の脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲に形成されている。
上後鋸筋42のうち、脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲の部分は、収縮および伸長の度合いが大きく、吸気時に肋骨群を引き上げることに大きく寄与している。そこで、この構成では、上後鋸筋段差部119が一対の上後鋸筋42のそれぞれにおける脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲に形成されることにより、上後鋸筋42において肋骨群を引き上げることに大きく寄与する部分の圧迫を確実に回避することが可能になり、呼吸の促進をより確実に行うことが可能である。
(12)
本実施形態のマット1では、背中支持部3は、仰臥した人の背中のうち脊柱SPの少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位を連続的に支持する胸椎支持部18をさらに備える。胸椎支持部18は、一対の上後鋸筋段差部119の間に位置している。
かかる構成では、胸椎支持部18が脊柱SPの少なくとも第1胸椎T1から第3胸椎T3までを含む胸椎が3個以上連続した部分に対応する部位を連続的に支持することにより、呼吸時において胸椎に連続する脊柱SP全体のしなやかな動きをすることが可能になり、胸椎に接続された肋骨の動きが呼吸中に止まることを防止する。これにより、上後鋸筋42の圧迫の回避と脊柱SPの上側部分におけるしなやかな動きを同時に達成することが可能になり、仰臥した人の呼吸を促進することが可能になる。
(変形例)
(A)
上記実施形態のマット1では、上後鋸筋対応部19は、基準面100より下方に凹んだ上後鋸筋段差部119(第1段差部)により構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、上後鋸筋対応部19および脚側支持部21は、上後鋸筋対応部19からの体圧が脚側支持部21からの体圧よりも低くなることにより、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記脚側支持部からの体圧よりも低くなる構成であれば、仰臥時において上後鋸筋42の圧迫を回避することが可能である。
したがって、本発明の他の変形例として、上後鋸筋対応部19および脚側支持部21の高さは、基準面100と同じ高さに設定され、かつ、上後鋸筋対応部19は、脚側支持部21の硬度よりも低い硬度の材料で構成されてもよい。
このような構成では、上後鋸筋対応部19および脚側支持部21の高さが背中支持部3の上面を構成する基準面100の高さと同じであるので、背中支持部3の上面の凹凸を減らすことが可能になり、仰臥時の違和感が緩和される。それとともに、上後鋸筋対応部19の硬度が脚側支持部21の硬度よりも低いので、上後鋸筋42への圧迫を回避することが可能である。
(B)
上記の実施形態では、第6胸椎対応部23は、基準面100よりも下方に凹んだ胸椎段差部123(第2段差部)により構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第6胸椎対応部23は、当該第6胸椎対応部23からの体圧が脚側支持部21からの体圧よりも低くなるように構成されていればよい。したがって、第6胸椎対応部23および脚側支持部21が基準面100と同じ高さに位置し、かつ、第6胸椎対応部23が肩甲骨支持部20よりも硬度が低い材料で構成されてもよい。この場合も、第6胸椎T6付近の圧迫を回避し、仰臥時の呼吸をより促進することが可能である。
(C)
また、本発明の変形例として、図8~9に示されるように、一対の肩甲骨支持部20は、それぞれ、脚側支持部21と、脚側支持部21よりも頭側X1に位置する頭側対応部25とをさらに有し、脚側支持部21が頭側対応部25と比べて相対的に高くなるように構成されていてもよい。この構成により、仰臥時において上後鋸筋42の全体の圧迫回避と肩甲骨SCの上方回旋の促進の両方を達成することが可能である。なお、図8~9に示されるマットの他の構成は、図1~7に示される上記実施形態のマットの構成と共通する。
脚側支持部21は、肩甲骨のうち上後鋸筋42よりも脚側の部分SC1に対応する部位を基準面100以上の高さ位置で支持する部分である。脚側支持部21の上面は、本実施形態では基準面100より高くなっている。この肩甲骨支持部20では、脚側支持部21が主として肩甲骨SCを支持し、頭側対応部25は副次的に支持するから支持しないようになる。
この図8~9に示される変形例(C)では、頭側対応部25が基準面100と同一の高さであり、脚側支持部21が基準面100よりも高くなるように突出することにより、脚側支持部21が頭側対応部25と比べて高くなっている。なお、上記のように、上後鋸筋42は、第2肋骨R2~第5肋骨R5に接続され、肩甲骨SCと重なっている部分を有しているが、これらの部分は肩甲骨SCには接続されておらず、かつ、脚側支持部21が肩甲骨SCのうち上後鋸筋42よりも脚側の部分SC1に対応する部位を支持するので、肩甲骨SCが受ける体圧によって上後鋸筋42における肩甲骨SCと重なっている部分の圧迫を回避することが可能である。これにより、仰臥時において、上後鋸筋42のうち肩甲骨SCと重なり合う部分を含む上後鋸筋42の全体の圧迫回避と肩甲骨SCの上方回旋の促進の両方を確実に達成することが可能である。
すなわち、上記の構成では、肩甲骨支持部20の脚側支持部21が肩甲骨SCのうち上後鋸筋42よりも脚側X2の部分SC1に対応する部位を基準面100以上の高さ位置で支持することにより上後鋸筋42の全体を圧迫せずに肩甲骨SCを支持し、それとともに基準面100よりも低い上後鋸筋段差部119では上後鋸筋42に対応する部位の体圧を基準面100からの体圧よりも相対的に低くすることが可能なり、上後鋸筋42の全体の圧迫を回避することが可能である。これにより、上後鋸筋42の全体がマット1の反発力に邪魔されることなく、吸気時に胸郭を形成する肋骨群をスムーズに引き上げることができるようになり、吸気を容易に行うことが可能になる。しかも、脚側支持部21は、肩甲骨支持部20における当該脚側支持部21よりも頭側X1の部分と比べて高くなっているので、仰臥時において肩甲骨SCの上方回旋がしやすくなり、それとともに鎖骨および胸郭の頭側への移動もしやすくなるので、仰臥時の吸気がさらに容易になる。
上方回旋の持続的な効果の点では、肩甲骨SCの上方回旋の支点となる肩甲挙筋押圧部24と脚側支持部21の両方があるのが最善であるが、どちらか一方があれば十分効果がある。
なお、この変形例(C)のように、肩甲挙筋押圧部24および脚側支持部21がある構成では、これら肩甲挙筋押圧部24および脚側支持部21が支点となって肩甲骨SCの上方回旋が促されるので、頭側段差部22は省略しても上方回旋は可能であるが、本実施形態のように、肩甲挙筋押圧部24および脚側支持部21だけでなく頭側段差部22を備えた構成が肩甲骨SCの上方回旋を最も促進することが可能である。
(D)
上記の変形例(C)では、肩甲骨支持部20における当該脚側支持部21よりも頭側X1の頭側対応部25は、図1の基準面100と同一の高さであり、脚側支持部21は、頭側対応部25と比べて高くなっているが、脚側支持部21は、頭側対応部25と比べて相対的に高くなるように構成されていれば、仰臥時において、上後鋸筋42のうち肩甲骨SCと重なり合う部分を含む上後鋸筋42の全体の圧迫回避と肩甲骨SCの上方回旋の促進の両方を達成することが可能である。
例えば、本発明の他の変形例として、図10~12に示されるように、肩甲骨支持部20の頭側対応部25は、肩甲骨SCのうち上後鋸筋42と重なる部分の下方に位置し、基準面100よりも下方に凹んだ第5段差部125により構成されてもよい。なお、図10~12に示されるマットの他の構成は、図1~7に示される上記実施形態のマットの構成と共通する。
この図10~12に示される変形例の構成では、第5段差部125により上後鋸筋42のうち肩甲骨SCと重なり合う部分を含む上後鋸筋42の全体の圧迫を回避しながら、脚側支持部21で肩甲骨SCの脚側部分を支持して肩甲骨SCの上方回旋の促進が可能である。
なお、この図10~12に示される変形例では、第5段差部125は、上記実施形態の頭側段差部22(第3段差部)に連続していてもよい。この場合、1つの大きな段差部に第5段差部125、および頭側段差部22が含まれるので、1つの段差部により、上後鋸筋の全体および肩甲棘の両方の圧迫を回避して肩甲骨SCの上方回旋の促進が可能になる。
(E)
上記実施形態のマット1は、一対の上後鋸筋段差部119の間に胸椎支持部18を備えているが、本発明はこれに限定するものではない。一対の上後鋸筋段差部119の面積が比較的小さい場合には、胸椎支持部18が無く、一対の上後鋸筋段差部119がつながっていてもよい。すなわち、一対の上後鋸筋段差部119は、仰臥した人の背中の脊柱SPに対応する部位を横断して互いに連続していてもよい。
かかる構成によれば、一対の上後鋸筋段差部119が脊柱SPに対応する部位を横断して互いに連続していることにより、脊柱SPへの圧迫を回避することが可能になり、脊柱SPへの圧迫感が解消されることによって呼吸の促進が可能になる。
(F)
上記の実施形態では、上後鋸筋段差部119が脊柱SPと肩甲骨SCの間に位置する範囲に形成されるとともに、上後鋸筋42における肩甲骨SCと重なっている部分(図7の部分42b1、42c1、42d1参照)が肩甲骨支持部20によって支持されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、上後鋸筋42に対応する部位の少なくとも起始部と停止部の中間の部分に対応する部位の下方に配置されていればよい。したがって、本発明の変形例として、上後鋸筋段差部119は、肩甲骨SCと重なっている部分(図7の部分42b1、42c1、42d1参照)を含めて上後鋸筋42の全体を覆う範囲に形成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、略矩形形状の上後鋸筋段差部119が開示されているが、本発明では、上後鋸筋段差部119の形状については特に限定しない。したがって、上後鋸筋42の形成範囲が略平行四辺形を呈している点を考慮して、当該上後鋸筋42の形成範囲に対応して、上後鋸筋段差部119を略平行四辺形の形状にしてもよい。
<実施形態のまとめ>
前記実施形態をまとめると以下のとおりである。
前記実施形態にかかるマットは、仰臥した人の背中を支持する基準面を有する背中支持部を備えたマットであって、前記背中支持部は、前記仰臥した人の左右一対の上後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の上後鋸筋対応部と、前記一対の上後鋸筋対応部よりも体幅方向の外側において前記仰臥した人の左右一対の肩甲骨に対応する部位を支持する一対の肩甲骨支持部と、前記仰臥した人の前記背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部と、を備え、前記上後鋸筋対応部および前記肩甲骨支持部は、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるように構成され、前記第6胸椎対応部は、前記第6胸椎対応部からの体圧が前記背中支持部における前記第6胸椎対応部以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、ことを特徴とする。
かかる構成では、背中支持部は、上後鋸筋の下方に位置する上後鋸筋対応部と、肩甲骨支持部を有する。上後鋸筋対応部および肩甲骨支持部は、上後鋸筋対応部からの体圧が肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるように構成されているため、仰臥時において上後鋸筋の圧迫、とくに上後鋸筋のうち活発に動く中間部分の圧迫を回避することが可能である。その結果、仰臥時の吸気が容易になる。
また、上記のマットでは、背中支持部は、仰臥した人の前記背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部を有している。第6胸椎対応部は、第6胸椎対応部からの体圧が前記背中支持部における第6胸椎対応部以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている。
かかる構成では、第6胸椎対応部からの体圧が背中支持部における第6胸椎対応部以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるので、第6胸椎付近の圧迫を回避し、仰臥時の呼吸をより促進することが可能である。
すなわち、本実施形態のマットのように、一対の上後鋸筋対応部が脊柱を支持する部分の両側に配置された構造では、一対の上後鋸筋対応部を有しない従来のマットと比較して脊柱への体圧が高くなり、第6胸椎付近への体圧がとくに高くなるが、上記のように第6胸椎対応部を有することにより、第6胸椎付近への体圧を部分的に低くすることが可能になる。したがって、本実施形態のマットでは、一対の上後鋸筋対応部による上後鋸筋への圧迫回避効果と第6胸椎対応部による第6胸椎付近の圧迫回避効果の相乗効果により、仰臥時の呼吸をより促進することが可能になり、より快適な睡眠が可能になる。
上記のマットにおいて、前記肩甲骨支持部は、前記基準面の高さと同じまたはそれ以上の高さを有し、前記上後鋸筋対応部は、前記基準面より下方に凹んだ第1段差部により構成されることにより、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるのが好ましい。かかる構成では、第1段差部により上後鋸筋の圧迫を確実に回避することが可能である。
上記のマットにおいて、前記上後鋸筋対応部および前記肩甲骨支持部の高さは、前記基準面と同じ高さに設定され、前記上後鋸筋対応部は、前記肩甲骨支持部の硬度よりも低い硬度の材料で構成されていることにより、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるのが好ましい。
かかる構成では、上後鋸筋対応部および肩甲骨支持部の高さが背中支持部の上面を構成する基準面の高さと同じであるので、背中支持部の上面の凹凸を減らすことが可能になり、仰臥時の違和感を低減する。それとともに、上後鋸筋対応部の硬度が肩甲骨支持部の硬度よりも低いので、上後鋸筋への圧迫を回避することが可能である。
上記のマットにおいて、前記第6胸椎対応部は、前記基準面よりも下方に凹んだ第2段差部により構成されているのが好ましい。
かかる構成では、簡単な構成で第6胸椎付近の圧迫を回避し、仰臥時の呼吸をより促進することが可能である。
上記のマットにおいて、前記肩甲骨支持部は、前記肩甲骨の頭側の端部における肩甲棘の少なくとも一部に対応する部位の下方に配置され、前記基準面よりも下方に凹んだ第3段差部をさらに有するのが好ましい。
かかる構成では、第3段差部により肩甲骨の頭側の端部における肩甲棘の圧迫を回避し、肩甲骨の上方回旋をより円滑にできる。それとともに鎖骨および胸郭の頭側への移動がしやすくなるので、仰臥時の吸気がさらに容易になる。
上記のマットにおいて、前記背中支持部は、前記仰臥した人の左右一対の下後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の下後鋸筋対応部をさらに備え、前記下後鋸筋対応部は、前記下後鋸筋対応部からの体圧が前記背中支持部における前記下後鋸筋対応部以外の部分からの体圧よりも低くなるように構成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、仰臥時において下後鋸筋の圧迫、とくに下後鋸筋のうち活発に動く中間部分の圧迫を回避することが可能である。その結果、仰臥時の呼気が容易になる。
上記のマットにおいて、前記下後鋸筋対応部は、前記基準面よりも下方に凹んだ第4段差部により構成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、下後鋸筋対応部が基準面より下方に凹んだ第4段差部により構成されることにより、下後鋸筋対応部からの体圧が背中支持部における下後鋸筋対応部以外の部分からの体圧よりも低くなる。したがって、下後鋸筋段差部により下後鋸筋の圧迫を確実に回避することが可能である。
上記のマットにおいて、前記背中支持部は、前記一対の下後鋸筋対応部よりも体幅方向の外側において、仰臥した人の少なくとも第8肋骨および第9肋骨のそれぞれに対応する部位の下方に位置し、前記基準面よりも上方に突出し、前記第8肋骨および前記第9肋骨を含む肋骨を下方から押圧する一対の肋骨押圧部をさらに備えているのが好ましい。
かかる構成によれば、肋骨押圧部が第8肋骨および第9肋骨を含む肋骨を下方から押圧するので、胸郭下部が頭側へ向かって開きやすくなり、さらに胸椎が理想に近い状態に若干反ることが可能になり、吸気がしやすくなる。
上記のマットにおいて、前記背中支持部は、仰臥した人の肩甲挙筋における前記体幅方向の中間位置よりも外側で、かつ、当該肩甲挙筋を当該体幅方向において外側から内側へ押圧可能な位置に配置された肩甲挙筋押圧部をさらに備えているのが好ましい。
かかる構成では、仰臥時に肩甲挙筋押圧部が肩甲挙筋を外側から内側へ押圧することにより肩甲骨が上方回旋しやすくなる。
上記のマットにおいて、前記肩甲挙筋押圧部は、前記基準面よりも上方に突出し、前記基準面よりも高い位置で前記肩甲挙筋を前記体幅方向において外側から内側へ押圧するように構成されているのが好ましい。
かかる構成では、仰臥時に肩甲挙筋押圧部が基準面よりも高い位置で肩甲挙筋に外側から内側へ押圧することにより、肩甲骨がさらに上方回旋しやすくなる。
上記のマットにおいて、前記一対の肩甲骨支持部は、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋よりも脚側の部分に対応する部位を前記基準面以上の高さ位置で支持する脚側支持部と、前記脚側支持部よりも頭側に位置する頭側対応部とを有し、前記脚側支持部は、前記頭側対応部と比べて相対的に高くなるように構成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、肩甲骨支持部の脚側支持部が当該脚側支持部よりも頭側に位置する頭側対応部よりも相対的に高いので、仰臥時において、上後鋸筋のうち肩甲骨と重なり合う部分を含む上後鋸筋の全体の圧迫回避とともに肩甲骨の上方回旋を促進することが可能であり、仰臥時の吸気が容易になる。
上記のマットにおいて、前記脚側支持部は、前記基準面よりも上方に突出し、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋よりも脚側の部分に対応する部位を前記基準面よりも高い位置で支持するように構成されているのが好ましい。
かかる構成では、脚側支持部が基準面よりも高い位置で肩甲骨の脚側部分を支持することにより、上後鋸筋のうち肩甲骨と重なり合う部分を含む上後鋸筋の全体の圧迫回避と肩甲骨の上方回旋の促進の両方を確実に達成することが可能である。
上記のマットにおいて、前記頭側対応部は、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋と重なる部分の下方に位置し、前記基準面よりも下方に凹んだ第5段差部により構成されているのが好ましい。
かかる構成では、第5段差部により上後鋸筋のうち肩甲骨と重なり合う部分を含む上後鋸筋の全体の圧迫を回避しながら、脚側支持部で肩甲骨の脚側部分を支持して肩甲骨の上方回旋の促進が可能である。
以上のように構成された本実施形態のマットは、仰臥時における呼吸の促進を可能にすることが可能である。

Claims (13)

  1. 仰臥した人の背中を支持する基準面を有する背中支持部を備えたマットであって、
    前記背中支持部は、
    前記仰臥した人の左右一対の上後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の上後鋸筋対応部と、
    前記一対の上後鋸筋対応部よりも体幅方向の外側において前記仰臥した人の左右一対の肩甲骨に対応する部位を支持する一対の肩甲骨支持部と、
    前記仰臥した人の前記背中のうち脊柱の少なくとも第6胸椎を含む胸椎が2個以上連続した部分に対応する部位の下方に配置された第6胸椎対応部と、
    を備え、
    前記上後鋸筋対応部および前記肩甲骨支持部は、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなるように構成され、
    前記第6胸椎対応部は、前記第6胸椎対応部からの体圧が前記背中支持部における前記第6胸椎対応部以外の脊柱を支持する部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  2. 請求項1に記載のマットにおいて、
    前記肩甲骨支持部は、前記基準面の高さと同じまたはそれ以上の高さを有し、
    前記上後鋸筋対応部は、前記基準面より下方に凹んだ第1段差部により構成されていることにより、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなることを特徴とするマット。
  3. 請求項1に記載のマットにおいて、
    前記上後鋸筋対応部および前記肩甲骨支持部の高さは、前記基準面と同じ高さに設定され、
    前記上後鋸筋対応部は、前記肩甲骨支持部の硬度よりも低い硬度の材料で構成されていることにより、前記上後鋸筋対応部からの体圧が前記肩甲骨支持部からの体圧よりも低くなることを特徴とするマット。
  4. 請求項1に記載のマットにおいて、
    前記第6胸椎対応部は、前記基準面よりも下方に凹んだ第2段差部により構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のマットにおいて、
    前記肩甲骨支持部は、前記肩甲骨の頭側の端部における肩甲棘の少なくとも一部に対応する部位の下方に配置され、前記基準面よりも下方に凹んだ第3段差部をさらに有する、
    ことを特徴とするマット。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のマットにおいて、
    前記背中支持部は、前記仰臥した人の左右一対の下後鋸筋のそれぞれの少なくとも起始部と停止部との間の中間の部分に対応する部位の下方に配置された一対の下後鋸筋対応部をさらに備え、
    前記下後鋸筋対応部は、前記下後鋸筋対応部からの体圧が前記背中支持部における前記下後鋸筋対応部以外の部分からの体圧よりも低くなるように構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  7. 請求項6に記載のマットにおいて、
    前記下後鋸筋対応部は、前記基準面よりも下方に凹んだ第4段差部により構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  8. 請求項6に記載のマットにおいて、
    前記背中支持部は、前記一対の下後鋸筋対応部よりも体幅方向の外側において、仰臥した人の少なくとも第8肋骨および第9肋骨のそれぞれに対応する部位の下方に位置し、前記基準面よりも上方に突出し、前記第8肋骨および前記第9肋骨を含む肋骨を下方から押圧する一対の肋骨押圧部をさらに備えている、
    ことを特徴とするマット。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載のマットにおいて、
    前記背中支持部は、仰臥した人の肩甲挙筋における前記体幅方向の中間位置よりも外側で、かつ、当該肩甲挙筋を当該体幅方向において外側から内側へ押圧可能な位置に配置された肩甲挙筋押圧部をさらに備えている、
    ことを特徴とするマット。
  10. 請求項9に記載のマットにおいて、
    前記肩甲挙筋押圧部は、前記基準面よりも上方に突出し、前記基準面よりも高い位置で前記肩甲挙筋を前記体幅方向において外側から内側へ押圧するように構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  11. 請求項1に記載のマットにおいて、
    前記一対の肩甲骨支持部は、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋よりも脚側の部分に対応する部位を前記基準面以上の高さ位置で支持する脚側支持部と、前記脚側支持部よりも頭側に位置する頭側対応部とを有し、
    前記脚側支持部は、前記頭側対応部と比べて相対的に高くなるように構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  12. 請求項11に記載のマットにおいて、
    前記脚側支持部は、前記基準面よりも上方に突出し、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋よりも脚側の部分に対応する部位を前記基準面よりも高い位置で支持するように構成されている、
    ことを特徴とするマット。
  13. 請求項11に記載のマットにおいて、
    前記頭側対応部は、前記肩甲骨のうち前記上後鋸筋と重なる部分の下方に位置し、前記基準面よりも下方に凹んだ第5段差部により構成されている、
    ことを特徴とするマット。
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