以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。以下の説明においては、X軸に沿った方向を“前後方向X”と呼び、Y軸に沿った方向を“左右方向Y”と呼び、Z軸に沿った方向を“上下方向Z”と呼ぶ。前後方向X、左右方向Y、および上下方向Zは、互いに直交する方向である。以下の説明においては、上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を上側とし、上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を下側とする。また、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を前側とし、前後方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を後側とする。また、左右方向Yは、以下の実施の形態の報知機を前側(+X側)から見た場合における左右方向とする。つまり、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を右側とし、左右方向YのうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を左側とする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における報知機100を示す斜視図である。図2は、実施の形態1における報知機100を示す分解斜視図である。図3は、実施の形態1における報知機100の一部を示す斜視図であって、後述する蓋部30を取り外した状態を示す図である。図4は、実施の形態1における報知機100の一部を前側から見た図であって、後述する蓋部30を取り外した状態を示す図である。図5は、実施の形態1における報知機100の一部を示す斜視図であって、後述する蓋部30およびカバー部材60を取り外した状態を示す図である。図6は、実施の形態1における報知機100の一部を前側から見た図であって、後述する蓋部30およびカバー部材60を取り外した状態を示す図である。
図1に示す実施の形態1における報知機100は、冷媒を検知し、かつ、冷媒を検知した場合に冷媒を検知したことを使用者等に報知する報知機である。冷媒は、例えば、空気調和機などの冷凍サイクル装置に使用される冷媒である。冷媒としては、例えば、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。ガス状の場合における冷媒の密度は、空気の密度よりも大きい。報知機100は、例えば、空気調和機の室内機が配置される室内の壁などに固定される。
図1に示すように、実施の形態1における報知機100は、略直方体状である。報知機100は、前後方向Xに見て、左右方向Yに延びる一対の辺と上下方向Zに延びる一対の辺とを有する略正方形状である。報知機100は、略直方体箱状の筐体10を備える。筐体10は、例えば、樹脂製である。筐体10は、筐体本体部20と、蓋部30と、を有する。筐体本体部20と蓋部30とは、互いに別体である。蓋部30は、筐体本体部20の前側(+X側)に位置する。蓋部30は、筐体本体部20に着脱可能に固定されている。
図2に示すように、筐体本体部20は、前側(+X側)に開口する箱状である。筐体本体部20は、後壁部21と、内周壁部22と、フランジ部23と、を有する。後壁部21は、略正方形板状である。後壁部21の板面は、前後方向Xを向いている。内周壁部22は、後壁部21の外縁部から前側に突出している。内周壁部22は、前後方向Xに見て、略正方形枠状である。図3および図4に示すように、内周壁部22のうち上側に位置する壁部における左右方向Yの中央部には、当該壁部を上下方向Zに貫通する貫通穴22aが形成されている。フランジ部23は、内周壁部22の外周面から内周壁部22の外側に向かって突出している。フランジ部23は、内周壁部22を囲む略正方形枠状である。
後壁部21のうち上側の縁部における左右方向Yの中央部には、蓋固定部21aが形成されている。蓋固定部21aは、後壁部21の前側(+X側)の面から前側かつ上側に突出している。蓋固定部21aは、貫通穴22aの下側に対向して配置されている。蓋固定部21aには、蓋部30を固定するボルトが締め込まれる。当該ボルトによって、筐体本体部20と蓋部30とが互いに固定されている。
図2に示すように、後壁部21の前側(+X側)の面のうち左右方向Yの両縁部における上下方向Zの中央部には、一対の突出壁部26a,26bがそれぞれ形成されている。一対の突出壁部26a,26bは、後壁部21から前側(+X側)に突出している。一対の突出壁部26a,26bは、内周壁部22の内面に繋がっている。突出壁部26aは、前後方向Xに見て、右側に開口する略U字形状である。突出壁部26aの右側の端部は、内周壁部22のうち右側に位置する壁部に繋がっている。突出壁部26bは、前後方向Xに見て、左側に開口する略U字形状である。突出壁部26bの左側の端部は、内周壁部22のうち左側に位置する壁部に繋がっている。後壁部21のうち前後方向Xに見て突出壁部26aによって囲まれた部分と、後壁部21のうち前後方向Xに見て突出壁部26bによって囲まれた部分とには、後壁部21を室内の壁などに固定するボルトが通されるボルト穴が形成されている。
後壁部21の前側(+X側)の面には、基板固定部24a,24bが形成されている。基板固定部24a,24bは、後壁部21から前側に突出する円柱状である。基板固定部24a,24bは、蓋固定部21aよりも下側に位置する。基板固定部24a,24bの先端部には、後述するカバー部材60を固定するボルト70a,70bが締め込まれる雌ねじ穴が形成されている。基板固定部24aは、後壁部21の前側の面のうち左右方向Yおよび上下方向Zの中央部に設けられている。基板固定部24bは、後壁部21の前側の面のうち左右方向Yの中央部における下端部に設けられている。基板固定部24bは、基板固定部24aよりも左側かつ下側に位置する。
図5および図6に示すように、筐体本体部20には、後述するセンサ基板51を保持する基板保持部29が形成されている。基板保持部29は、内周壁部22の内部のうち右側部分における下側部分に形成されている。基板保持部29は、複数のリブ29aを有する。複数のリブ29aは、内周壁部22のうち下側に位置する壁部に形成された複数のリブ29aと、内周壁部22のうち右側に位置する壁部に形成された複数のリブ29aと、突出壁部26aの下側の壁部に形成された複数のリブ29aと、を含む。
基板保持部29は、弾性爪部25a,25bと、固定爪部28a,28bと、支持部27a,27b,27c,27dと、を有する。弾性爪部25a,25b、固定爪部28a,28b、および支持部27a,27b,27c,27dは、後壁部21から前側(+X側)に突出している。弾性爪部25a,25bおよび支持部27a,27b,27c,27dは、基板保持部29のうち左側部分に位置する。固定爪部28a,28bは、基板保持部29のうち右側部分に位置する。実施の形態1において、弾性爪部25aおよび固定爪部28aは、後述するセンサ基板51を着脱可能に固定する爪部である。
弾性爪部25a,25bは、左右方向Yに弾性変形可能である。図5に示すように、弾性爪部25bは、弾性爪部25aの左側に間隔を空けて配置されている。弾性爪部25bは、弾性爪部25aよりも前側(+X側)に突出している。
一対の支持部27a,27bは、弾性爪部25aを上下方向Zに挟んで配置されている。支持部27bは、支持部27aよりも上側に位置する。一対の支持部27c,27dは、弾性爪部25bを上下方向Zに挟んで配置されている。支持部27dは、支持部27cよりも上側に位置する。支持部27dは、支持部27bの左側に繋がっている。
図6に示すように、固定爪部28a,28bは、弾性爪部25a,25bとの間で後述するセンサ基板51を左右方向Yに挟む位置に配置されている。固定爪部28bは、固定爪部28aの右側に位置する。固定爪部28bは、固定爪部28aよりも前側(+X側)に突出している。
筐体本体部20は、弾性爪部25cと、固定爪部28c,28dと、を有する。弾性爪部25cおよび固定爪部28c,28dは、後述する報知素子基板41を保持する爪部である。弾性爪部25cおよび固定爪部28c,28dは、後壁部21から前側(+X側)に突出している。弾性爪部25cは、後壁部21の上側部分における右側部分に配置されている。弾性爪部25cは、左右方向Yに弾性変形可能である。固定爪部28c,28dは、後壁部21の左側の端部に配置されている。固定爪部28dは、固定爪部28cよりも下側に位置する。前後方向Xに見て、固定爪部28cと固定爪部28dとは、突出壁部26bを上下方向Zに挟んで配置されている。
図1および図2に示すように、蓋部30は、後側(-X側)に開口する略直方体箱状である。蓋部30は、後述する第1基板ユニット40および第2基板ユニット50を前側(+X側)から覆っている。蓋部30は、前壁部31と、外周壁部32と、を有する。前壁部31は、略正方形板状である。前壁部31の板面は、前後方向Xを向いている。前壁部31は、後壁部21の前側に間隔を空けて対向して配置されている。
外周壁部32は、前壁部31の外縁部から後側(-X側)に突出している。外周壁部32は、前後方向Xに見て、略正方形枠状である。外周壁部32の内側には、内周壁部22が嵌め合わされている。外周壁部32の後側の端部は、フランジ部23の前側(+X側)の面に接触している。外周壁部32のうち上側の壁部における左右方向Yの中央部分には、筐体本体部20に形成された蓋固定部21aおよび蓋固定部21aに締め込まれたボルトの頭部を覆う被覆部32aが形成されている。被覆部32aは、開閉可能である。被覆部32aが開いた状態において、蓋部30を筐体本体部20に固定するボルトの頭部が筐体10の外部に露出する。
蓋部30における前壁部31には、吸気穴33が形成されている。実施の形態1において吸気穴33は、前壁部31の左側部分における下側の端部に形成されている。吸気穴33は、上下方向Zに延びている。吸気穴33は、左右方向Yに間隔開けて複数設けられている。実施の形態1において吸気穴33は、3つ設けられている。
前壁部31のうち吸気穴33の上側に位置する部分には、停止スイッチ34が設けられている。使用者は、停止スイッチ34を押すことで、報知機100による報知を止めることができる。前壁部31のうち停止スイッチ34の上側に位置する部分には、上下方向Zに間隔を空けて並ぶ複数の窓部35が形成されている。
上述したように蓋部30は、筐体本体部20に着脱可能に固定されている。蓋部30を筐体本体部20から取り外す作業者は、蓋部30の被覆部32aを開いて蓋部30を筐体本体部20に固定するボルトの頭部を露出させ、当該ボルトを取り外す。これにより、作業者は、蓋部30を筐体本体部20から取り外すことができる。
図2に示すように、報知機100は、第1基板ユニット40と、第2基板ユニット50と、を備える。第1基板ユニット40および第2基板ユニット50は、筐体10の内部に収容されている。図5および図6に示すように、第1基板ユニット40は、筐体本体部20のうち左側部分と上側部分とに跨って保持されている。第2基板ユニット50は、基板保持部29に保持されている。
図7は、第1基板ユニット40を示す分解斜視図である。図7に示すように、第1基板ユニット40は、報知素子基板41と、スピーカ42と、端子台43と、スイッチ素子44と、発光体45と、第1コネクタ46と、電気部品47a,47b,47cと、を有する。
報知素子基板41は、板面が前後方向Xを向く板状である。報知素子基板41の板面は、前後方向Xと直交している。報知素子基板41の前側(+X側)の面には、スピーカ42、端子台43、スイッチ素子44、発光体45、第1コネクタ46、および電気部品47a,47b,47cが取り付けられている。スピーカ42、端子台43、スイッチ素子44、発光体45、第1コネクタ46、および電気部品47a,47b,47cは、報知素子基板41に電気的に接続されている。スピーカ42、端子台43、スイッチ素子44、発光体45、第1コネクタ46、および電気部品47a,47b,47cは、例えば、はんだ付けによって報知素子基板41に電気的に接続されている。報知素子基板41は、導体の配線パターンを有するプリント基板である。
報知素子基板41は、第1部分41aと、第2部分41bと、第3部分41cと、第4部分41dと、第5部分41eと、を有する。第1部分41aは、上下方向Zに延びている。第2部分41bは、第1部分41aの上端部から左側に突出している。第3部分41cは、第1部分41aから右側に突出している。第3部分41cの上端部は、第1部分41aの上端部よりも下側に位置する。第4部分41dは、第1部分41aの下側部分から左側に突出している。第4部分41dは、第2部分41bの下側に間隔を空けて配置されている。第5部分41eは、第1部分41aの下端部から右側に突出している。第5部分41eの右端部は、第3部分41cの右端部よりも左側に位置する。第5部分41eは、第3部分41cの左端部の下側に間隔を空けて配置されている。
報知素子基板41には、報知素子基板41を前後方向Xに貫通するボルト穴48a,48bが形成されている。ボルト穴48aは、第3部分41cの下端部における左端部に形成されている。ボルト穴48aには、基板固定部24aの雌ねじ穴に締め込まれるボルト70aが通されている。ボルト穴48bは、第1部分41aと第5部分41eとの接続部分に形成されている。ボルト穴48bには、基板固定部24bの雌ねじ穴に締め込まれるボルト70bが通されている。
図6に示すように、報知素子基板41は、筐体本体部20に保持されている。実施の形態1において報知素子基板41は、弾性爪部25cと固定爪部28c,28dとが報知素子基板41の縁部に前側(+X側)から引っ掛かり、かつ、ボルト穴48a,48bに通されたボルト70a,70bが基板固定部24a,24bの雌ねじ穴に締め込まれることで、筐体本体部20に固定されている。弾性爪部25cは、第3部分41cの右側の縁部に前側から引っ掛かっている。固定爪部28cは、第2部分41bの左側の縁部に前側から引っ掛かっている。固定爪部28dは、第4部分41dの左側の縁部に前側から引っ掛かっている。
スピーカ42は、前後方向Xに延びる軸を中心とする円柱状である。スピーカ42は、第1部分41aと第4部分41dとに跨って配置されている。スピーカ42は、後述する冷媒センサ52が冷媒を検知したことを報知可能な報知素子である。スピーカ42は、冷媒センサ52が冷媒を検知した場合に、冷媒センサ52が冷媒を検知したことを音によって使用者等に報知する。スピーカ42は、例えば、単純な連続音を発生させるブザーである。冷媒センサ52が冷媒を検知した場合、例えば、スピーカ42からは、空気調和機の室内機から冷媒が漏洩していることを知らせるための警告音として単純な連続音が流れる。なお、スピーカ42は、冷媒センサ52が冷媒を検知した場合に、空気調和機の室内機から冷媒が漏洩していることを使用者等に知らせるための音声を流すスピーカであってもよい。
端子台43は、第3部分41cに配置されている。図4に示すように、端子台43は、複数の接続部43a,43b,43c,43dを有する。実施の形態1において複数の接続部43a,43b,43c,43dは、右側に開口する穴である。接続部43aと接続部43bと接続部43bと接続部43bとは、上側から下側に向かってこの順に並んで配置されている。
接続部43aには、配線81aが接続されている。接続部43bには、配線81bが接続されている。接続部43cには、配線81cが接続されている。接続部43dには、配線81dが接続されている。各配線81a,81b,81c,81dは、端子台43を介して、報知素子基板41に電気的に接続されている。配線81aは、電源線である。配線81bおよび配線81dは、信号線である。配線81cは、アース線である。各配線81a,81b,81c,81dは、例えば、内周壁部22に形成された貫通穴22aを通って筐体10の外部に引き出される。配線81aおよび配線81cは、報知機100の外部に設けられた外部電源に接続される。配線81bおよび配線81dは、報知機100の外部に設けられた電子機器に接続される。報知機100には、電源線である配線81aを介して、外部電源から電力が供給される。
なお、端子台43に接続される配線は、筐体10内の他の部品に電気的に接続される配線を含んでもよい。例えば、端子台43に接続される配線は、後述するセンサ基板51に電気的に接続される配線を含んでもよい。例えば、上述した配線81bまたは配線81dが、センサ基板51に電気的に接続されてもよい。
スイッチ素子44は、第1部分41aにおける上下方向Zの中央部に配置されている。スイッチ素子44は、蓋部30の停止スイッチ34の後側(-X側)に位置する。使用者によって停止スイッチ34が押されることでスイッチ素子44が押され、報知機100の報知が停止される。
図6に示すように、発光体45は、第1部分41aの上側部分に配置されている。発光体45は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。実施の形態1において発光体45は、上下方向Zに間隔を空けて複数並んで配置されている。実施の形態1において発光体45は、発光体45aと発光体45bと発光体45cとの3つ設けられている。発光体45aと発光体45bと発光体45cとは、上側から下側に向かってこの順に間隔を空けて並んで配置されている。
発光体45aは、報知機100の電源の入力状態を示す発光体45である。発光体45aは、報知機100に電力が供給されている場合に光を射出する。発光体45bは、後述する冷媒センサ52が冷媒を検知したことを報知可能な報知素子である。発光体45bは、冷媒センサ52が冷媒を検知した場合に光を射出する。発光体45cは、報知機100に何らかの不具合が生じたことを示す発光体45である。発光体45cは、報知機100に何らかの不具合が生じた場合に光を射出する。各発光体45a,45b,45cから射出される光は、蓋部30に形成された各窓部35をそれぞれ介して、筐体10の外部に射出される。これにより、使用者等は、各発光体45a,45b,45cから射出された光を報知機100の外部から視認可能である。
第1コネクタ46は、第3部分41cのうち下側の端部における右側の端部に配置されている。第1コネクタ46は、端子台43の下側に位置する。第1コネクタ46には、報知素子基板41と後述するセンサ基板51とを繋ぐケーブル80が接続されている。ケーブル80は、第1コネクタ46から延びる複数の配線80aと、複数の配線80aの先端部が接続されたケーブルコネクタ80bと、を有する。ケーブルコネクタ80bが後述する第2コネクタ53に接続されることで、ケーブル80を介して、報知素子基板41とセンサ基板51とが電気的に接続されている。
図7に示すように、電気部品47a,47b,47cは、前後方向Xに延びる円柱状である。電気部品47a,47b,47cは、例えば、コンデンサである。電気部品47aは、第2部分41bの上側部分における左側の端部に配置されている。電気部品47cは、第3部分41cの上側の端部における左側の端部に配置されている。電気部品47cは、第3部分41cの下側の端部における左右方向Yの中央部に配置されている。電気部品47cは、ボルト穴48aと第1コネクタ46との左右方向Yの間に位置する。
図6に示すように、第2基板ユニット50は、基板保持部29に保持されている。第2基板ユニット50は、報知素子基板41における第3部分41cの下側、かつ、第1部分41aの下側部分および第5部分41eの右側に位置する。第2基板ユニット50は、センサ基板51と、冷媒センサ52と、第2コネクタ53と、ICチップ54と、を有する。
センサ基板51は、報知素子基板41とは別体である。センサ基板51は、報知素子基板41から離れて配置されている。センサ基板51は、報知素子基板41における第3部分41cの下側、かつ、第1部分41aの下側部分および第5部分41eの右側に位置する。センサ基板51は、板面が前後方向Xを向く四角板状である。センサ基板51の板面は、前後方向Xと直交している。実施の形態1においてセンサ基板51は、左右方向Yに延びる一対の辺と上下方向Zに延びる一対の辺とを有する正方形板状である。
センサ基板51の前側(+X側)の面は、取付面51aである。取付面51aには、冷媒センサ52、第2コネクタ53、およびICチップ54が取り付けられている。冷媒センサ52、第2コネクタ53、およびICチップ54は、センサ基板51に電気的に接続されている。冷媒センサ52、第2コネクタ53、およびICチップ54は、例えば、はんだ付けによってセンサ基板51に電気的に接続されている。センサ基板51は、導体の配線パターンを有するプリント基板である。
センサ基板51は、筐体本体部20に保持されている。実施の形態1においてセンサ基板51は、基板保持部29に保持されている。実施の形態1においてセンサ基板51は、支持部27a,27bと複数のリブ29aとによって囲まれて外周縁部を支持され、かつ、弾性爪部25aと固定爪部28aとがセンサ基板51の外周縁部に前側(+X側)から引っ掛かることで、基板保持部29に保持されている。弾性爪部25aは、センサ基板51の左側の縁部に前側から引っ掛かっている。固定爪部28aは、センサ基板51の右側の縁部に前側から引っ掛かっている。
支持部27aは、センサ基板51のうち左側かつ下側に位置する角部を左側から支持している。支持部27bは、センサ基板51のうち左側かつ上側に位置する角部を左側および上側から支持している。内周壁部22のうち下側に位置する壁部に形成された複数のリブ29aは、センサ基板51の下側の縁部を下側から支持している。内周壁部22のうち右側に位置する壁部に形成された複数のリブ29aは、センサ基板51の右側の縁部を右側から支持している。突出壁部26aの下側の壁部に形成された複数のリブ29aは、センサ基板51の上側の縁部を上側から支持している。
冷媒センサ52は、冷媒を検知可能なセンサである。実施の形態1において冷媒センサ52は、半導体式の冷媒センサである。冷媒センサ52は、ガス状の冷媒センサ52を検知可能である。図2に示すように、冷媒センサ52は、センサ基板51から前側(+X側)に延びる円柱状である。冷媒センサ52は、センサ基板51の左側部分における下側部分に取り付けられている。実施の形態1では、吸気穴33内から筐体10内に流入したガス状の冷媒が冷媒センサ52に接触した場合に、冷媒センサ52は、冷媒を検知する。そのため、例えば、空気調和機における室内機の鉛直方向下方に報知機100を配置しておくことで、室内機から漏れて鉛直方向下方に流れた冷媒を冷媒センサ52によって検知可能である。
図6に示すように、第2コネクタ53は、センサ基板51の右側部分に取り付けられている。第2コネクタ53には、第1コネクタ46から延びるケーブル80のケーブルコネクタ80bが着脱可能に接続されている。第1コネクタ46と第2コネクタ53とがケーブル80によって電気的に接続されることで、センサ基板51は、報知素子基板41と電気的に接続されている。実施の形態1において第2コネクタ53は、センサ基板51に取り付けられた“第1電気部品”に相当する。
ICチップ54は、センサ基板51の左側部分における上側部分に取り付けられている。ICチップ54は、板面が前後方向Xを向く正方形板状である。ICチップ54は、冷媒センサ52の上側、かつ、第2コネクタ53の左側に位置する。図3に示すように、ICチップ54の前側(+X側)の面は、冷媒センサ52の前側の端部および第2コネクタ53の前側の端部よりも後側(-X側)に位置する。言い換えれば、取付面51aからのICチップ54の突出高さは、取付面51aからの冷媒センサ52の突出高さおよび取付面51aからの第2コネクタ53の突出高さよりも小さい。
なお、実施の形態1において、取付面51aからのICチップ54の突出高さ、取付面51aからの冷媒センサ52の突出高さ、および取付面51aからの第2コネクタ53の突出高さは、各部品それぞれにおける前後方向Xの寸法と同じである。
ICチップ54は、冷媒センサ52が冷媒を検知した場合に、ケーブル80を介して報知素子基板41に、冷媒センサ52が冷媒を検知したことを示す信号を送る。ICチップ54から当該信号が報知素子基板41に送られると、発光体45bが点灯し、スピーカ42から冷媒が漏洩したことを報知する音が流れる。実施の形態1においてICチップ54は、取付面51aに取り付けられた“第2電気部品”に相当する。
図3および図4に示すように、報知機100は、筐体10の内部に配置されたカバー部材60を備える。カバー部材60は、上下方向Zに延びている。カバー部材60は、例えば、樹脂製である。カバー部材60は、報知素子基板41の一部を覆った状態で筐体本体部20に固定されている。実施の形態1においてカバー部材60は、報知素子基板41の一部を前側(+X側)から覆っている。より詳細には、カバー部材60は、報知素子基板41のうち、第1部分41aの下側部分における右端部、第3部分41cの左端部、および第5部分41eを前側から覆っている。カバー部材60は、筐体本体部20との間で報知素子基板41の一部を前後方向Xに挟んでいる。
図8は、カバー部材60を示す斜視図である。図9は、カバー部材60を示す斜視図であって、図8とは異なる角度からカバー部材60を見た図である。図8および図9に示すように、カバー部材60は、延伸部61と、第1突出部62と、第2突出部63と、対向部64と、側壁部65と、を有する。
延伸部61は、上下方向Zに延びている。延伸部61は、板面が前後方向Xを向く板状である。延伸部61には、延伸部61を前後方向Xに貫通するボルト穴61a,61bが形成されている。ボルト穴61aは、延伸部61の上端部に形成されている。ボルト穴61bは、延伸部61の下端部に形成されている。ボルト穴61aには、報知素子基板41を固定するボルト70aが前側(+X側)から通されている。ボルト穴61bには、報知素子基板41を固定するボルト70bが前側から通されている。
実施の形態1では、ボルト70a,70bがボルト穴61a,61bと報知素子基板41に形成されたボルト穴48a,48bとにそれぞれ通されて基板固定部24a,24bの雌ねじ穴にそれぞれ締め込まれることで、カバー部材60が、報知素子基板41と共に筐体本体部20に固定されている。つまり、実施の形態1においてカバー部材60と報知素子基板41とは、筐体本体部20に対してボルト70a,70bで共締めされている。
図9に示すように、延伸部61の後側(-X側)の面のうちボルト穴61aの周縁部およびボルト穴61bの周縁部は、後側に突出している。当該突出した部分は、報知素子基板41の前側(+X側)の面に接触している。これにより、カバー部材60は、報知素子基板41に接触している。
第1突出部62は、延伸部61の上側に繋がっている。第1突出部62は、延伸部61の上端部から前側(+X側)に突出している。第1突出部62は、延伸部61の上端部から前側に突出する第1壁部62aと、第1壁部62aの前端部から上側に延びる第2壁部62bと、第2壁部62bの上端部から後側(-X側)に延びる第3壁部62cと、を有する。
図3に示すように、第1突出部62は、電気部品47bを前側(+X側)から覆っている。より詳細には、第1突出部62のうち第2壁部62bが電気部品47bを前側から覆っている。第1突出部62のうち第1壁部62aと第3壁部62cとは、電気部品47bを上下方向Zに挟んで配置されている。前側に突出する第1突出部62が設けられることで、カバー部材60が電気部品47bに干渉することが抑制されている。第2壁部62bは、報知素子基板41のうち第3部分41cを前側から覆っている。第2壁部62bは、前側から見て、端子台43の左側に隣り合って配置されている。
図4に示すように、第2壁部62bには、複数の表示部66a,66b,66c,66dが形成されている。表示部66aと表示部66bと表示部66cと表示部66dとは、上側から下側に向かってこの順に並んで配置されている。実施の形態1において各表示部66a,66b,66c,66dは、第2壁部62bの前側の面に形成された文字である。図4の例では、表示部66aは、“VDD”という文字を含む。表示部66bは、“SIG1”という文字を含む。表示部66cは、“GND”という文字を含む。表示部66dは、“SIG2”という文字を含む。
カバー部材60が報知素子基板41を覆う側、すなわち前側(+X側)から見て、第2壁部62bに形成された複数の表示部66a,66b,66c,66dのそれぞれは、複数の接続部43a,43b,43c,43dのそれぞれと左右方向Yに隣り合って配置されている。表示部66aは、接続部43aの左側に配置されている。表示部66bは、接続部43bの左側に配置されている。表示部66cは、接続部43cの左側に配置されている。表示部66dは、接続部43dの左側に配置されている。
複数の表示部66a,66b,66c,66dは、複数の接続部43a,43b,43c,43dに接続される配線81a,81b,81c,81dに関する情報をそれぞれ示している。実施の形態1において複数の表示部66a,66b,66c,66dは、配線81a,81b,81c,81dに関する情報として、各配線81a,81b,81c,81dの種類を示している。
表示部66aは、接続部43aに接続される配線81aが電源線であることを示している。表示部66bは、接続部43bに接続される配線81bが信号線であることを示している。表示部66cは、接続部43cに接続される配線81cがアース線であることを示している。表示部66dは、接続部43dに接続される配線81dが接続部43bに接続される配線81bとは異なる信号線であることを示している。
図8に示すように、第2突出部63は、延伸部61の上端部における右側に繋がっている。第2突出部63は、延伸部61から前側(+X側)に突出している。第2突出部63は、延伸部61から前側に突出する第1壁部63aと、第1壁部63aの前端部から上側に延びる第2壁部63bと、を有する。第1壁部63aと第2壁部63bとの接続部分は、丸みを帯びている。第2突出部63は、左右方向Yに見て、略円弧状である。第2壁部63bの上端部における左端部は、第1突出部62の第2壁部62bに繋がっている。図3に示すように、第2突出部63は、電気部品47cを前側から覆っている。前側に突出する第2突出部63が設けられることで、カバー部材60が電気部品47cに干渉することが抑制されている。
側壁部65は、延伸部61の左端部および第1突出部62の左端部から前側(+X側)に突出している。側壁部65は、上下方向Zに延びている。側壁部65は、スピーカ42の右側に対向して配置されている。
図8に示すように、対向部64は、第2突出部63の下端部に繋がっている。対向部64は、第1壁部63aの後側(-X側)の端部から下側に突出している。対向部64は、板面が前後方向Xを向く板状である。対向部64は、略長方形板状である。対向部64は、第1壁部63aに繋がる基部64aと、基部64aの下側に繋がる対向本体部64bと、基部64aの前側(+X側)の面における左右方向Yの中央部に形成されたリブ64eと、を有する。
基部64aと対向本体部64bとの間には、対向部64を基部64aから対向本体部64bに向かって辿る際に、前側(+X側)に突出する段差部64cが設けられている。対向本体部64bは、基部64aよりも前側に位置する。リブ64eは、上下方向Zに延びて、対向本体部64bと第1壁部63aとを繋いでいる。
対向本体部64bのうち下側かつ左側の端部には切欠部64dが形成されている。切欠部64dは、前後方向Xに見て、左側に向かうに従って上側に位置する向きに延びている。図4に示すように、切欠部64dが形成されていることで、対向部64が弾性爪部25aに干渉することが抑制されている。
図3および図4に示すように、対向部64は、センサ基板51と対向して配置されている。実施の形態1において対向部64は、センサ基板51の前側(+X側)に間隔を空けて対向して配置されている。つまり、対向部64は、取付面51aと間隔を空けて対向して配置されている。実施の形態1において対向部64は、センサ基板51のうち左側の端部における上側の端部を前側から覆っている。
対向部64と取付面51aとの間隔は、冷媒センサ52の前後方向Xの寸法、および第2コネクタ53の前後方向Xの寸法よりも小さい。つまり、取付面51aからの冷媒センサ52の突出高さおよび取付面51aからの第2コネクタ53の突出高さは、対向部64と取付面51aとの間隔よりも大きい。対向本体部64bと取付面51aとの間隔は、ICチップ54の前後方向Xの寸法よりも大きい。
対向部64は、ICチップ54の少なくとも一部を前側(+X側)から覆っている。これにより、ICチップ54の少なくとも一部は、対向部64とセンサ基板51との前後方向Xの間に配置されている。実施の形態1では、対向部64のうち対向本体部64bがICチップ54の左側部分を前側から覆っている。つまり、実施の形態1においては、ICチップ54の左側部分が対向部64とセンサ基板51との前後方向Xの間に位置する。
対向部64は、センサ基板51が筐体本体部20に対して異なる姿勢で取り付けられた場合に、冷媒センサ52と第2コネクタ53との少なくとも一方に干渉する。以下、詳細に説明にする。
実施の形態1では、センサ基板51は、図3から図6に示す姿勢の他に、図10Aに示す姿勢、図10Bに示す姿勢、および図10Cに示す姿勢の3つの姿勢でも基板保持部29に対して取り付け可能となっている。図10Aは、センサ基板51が異なる姿勢で筐体本体部20に取り付けられた状態を示す図である。図10Bは、センサ基板51が他の異なる姿勢で筐体本体部20に取り付けられた状態を示す図である。図10Cは、センサ基板51がさらに他の異なる姿勢で筐体本体部20に取り付けられた状態を示す図である。
図10Aに示すセンサ基板51の姿勢は、図3から図6に示す姿勢のセンサ基板51を前側(+X側)から見て時計回りに90°回転させた姿勢である。図10Bに示すセンサ基板51の姿勢は、図3から図6に示す姿勢のセンサ基板51を前側から見て時計回りに180°回転させた姿勢である。図10Cに示すセンサ基板51の姿勢は、図3から図6に示す姿勢のセンサ基板51を前側から見て時計回りに270°回転させた姿勢である。実施の形態1においては、図3から図6に示すセンサ基板51の姿勢が正しい姿勢であり、図10Aから図10Cに示すセンサ基板51の各姿勢は誤った姿勢である。
図10Aに示すように、図10Aに示すセンサ基板51の姿勢では、冷媒センサ52の一部が、前後方向Xに見て対向部64と重なる位置に配置される。冷媒センサ52は対向部64よりも前側(+X側)に突出しているため、冷媒センサ52が対向部64と前後方向Xに重なる位置に配置されていると、対向部64が冷媒センサ52に干渉して、対向部64を配置することができない。したがって、図10Aに示す姿勢でセンサ基板51が筐体本体部20に取り付けられていると、カバー部材60を筐体本体部20に取り付けることができない。
図10Bおよび図10Cにそれぞれ示すように、図10Bに示すセンサ基板51の姿勢および図10Cに示すセンサ基板51の姿勢では、第2コネクタ53の一部が、前後方向Xに見て対向部64と重なる位置に配置される。第2コネクタ53は対向部64よりも前側(+X側)に突出しているため、第2コネクタ53が対向部64と前後方向Xに重なる位置に配置されていると、対向部64が第2コネクタ53に干渉して、対向部64を配置することができない。したがって、図10Bに示す姿勢および図10Cに示す姿勢でセンサ基板51が筐体本体部20に取り付けられていると、カバー部材60を筐体本体部20に取り付けることができない。
以上により、図10Aから図10Cに示すようにセンサ基板51が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられていると、対向部64が冷媒センサ52と第2コネクタ53との少なくとも一方に干渉して、カバー部材60を筐体本体部20に取り付けることができなくなっている。一方、図3から図6に示すようにセンサ基板51が正しい姿勢で筐体本体部20に取り付けられていると、対向部64が冷媒センサ52および第2コネクタ53と干渉しないため、カバー部材60を筐体本体部20に取り付けることが可能となっている。
実施の形態1において、冷媒センサ52の交換を行う作業者は、まず蓋部30を筐体本体部20から取り外した後に、ボルト70a,70bを取り外してカバー部材60を取り外す。次に、作業者は、ケーブル80のケーブルコネクタ80bを第2コネクタ53から外し、かつ、弾性爪部25aを左側に弾性変形させてセンサ基板51から外して、第2基板ユニット50を基板保持部29から取り外す。次に、作業者は、新しい冷媒センサ52を有する新しい第2基板ユニット50を基板保持部29に取り付けた後に、カバー部材60をボルト70a,70bで筐体本体部20に再び固定する。次に、作業者は、蓋部30を再び筐体本体部20に固定する。以上により、作業者は、冷媒センサ52を交換できる。
実施の形態1によれば、報知機100は、冷媒を検知可能な冷媒センサ52と、冷媒センサ52が冷媒を検知したことを報知可能な報知素子としてのスピーカ42および発光体45bと、スピーカ42および発光体45bが取り付けられた報知素子基板41と、冷媒センサ52が取り付けられたセンサ基板51と、報知素子基板41およびセンサ基板51を内部に収容する筐体10と、を備える。センサ基板51は、報知素子基板41とは別体であり、報知素子基板41と電気的に接続されている。筐体10は、報知素子基板41およびセンサ基板51が保持された筐体本体部20と、筐体本体部20に着脱可能に固定され、報知素子基板41およびセンサ基板51を覆う蓋部30と、を有する。筐体本体部20は、センサ基板51を着脱可能に固定する爪部として弾性爪部25aおよび固定爪部28aを有する。
そのため、上述したようにして、報知素子基板41を筐体本体部20から取り外すことなく、冷媒センサ52が取り付けられたセンサ基板51を筐体本体部20から取り外すことができる。これにより、半導体式の冷媒センサ52が冷媒を検知して使用済みとなった場合、および冷媒センサ52などに不具合が生じた場合などに、報知素子としてのスピーカ42および発光体45bを交換することなく、冷媒センサ52を交換できる。したがって、冷媒センサ52の交換に要する手間およびコストを低減できる。以上により、実施の形態1によれば、報知機100において、冷媒センサ52を容易に交換できる。
なお、実施の形態1では、蓋部30およびカバー部材60を取り外せば、第1基板ユニット40を取り外すこともできる。これにより、作業者は、報知素子基板41に取り付けられた報知素子としてのスピーカ42および発光体45bも容易に交換できる。
また、実施の形態1によれば、報知機100は、筐体10の内部に配置されたカバー部材60を備える。カバー部材60は、報知素子基板41の一部を覆った状態で筐体本体部20に固定されている。そのため、カバー部材60によって、報知素子基板41の一部を保護できる。これにより、報知素子基板41および報知素子基板41に取り付けられた部品が損傷することを抑制できる。また、使用者が報知素子基板41および報知素子基板41に取り付けられた部品に意図せず触れることを抑制できる。また、カバー部材60によって報知素子基板41を押さえることができるため、報知素子基板41を筐体10内に安定して保持しやすい。
また、実施の形態1によれば、カバー部材60は、筐体本体部20との間で報知素子基板41の一部を挟み、かつ、報知素子基板41に接触している。そのため、カバー部材60によって、報知素子基板41をより安定して筐体本体部20に固定することができる。
また、実施の形態1によれば、カバー部材60と報知素子基板41とは、筐体本体部20に対してボルト70a,70bで共締めされている。そのため、カバー部材60と報知素子基板41とを容易かつ強固に筐体本体部20に対して固定することができる。報知素子基板41を強固に固定できることで、スピーカ42から音が流れる場合に、スピーカ42の振動で報知素子基板41が振動することを抑制できる。これにより、スピーカ42から流される報知音以外の騒音が生じることを抑制できる。
また、実施の形態1によれば、報知機100は、センサ基板51に取り付けられた第1電気部品として第2コネクタ53を備える。カバー部材60は、センサ基板51と対向して配置される対向部64を有する。対向部64は、センサ基板51が筐体本体部20に対して異なる姿勢で取り付けられた場合に、冷媒センサ52と第2コネクタ53との少なくとも一方に干渉する。そのため、上述したようにして、センサ基板51が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられた場合、対向部64が冷媒センサ52と第2コネクタ53との少なくとも一方に干渉して、カバー部材60を取り付けることができなくなる。これにより、作業者にセンサ基板51が誤った姿勢で取り付けられていることを気付かせることができ、センサ基板51が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられることを抑制できる。したがって、例えば、センサ基板51に取り付けられた冷媒センサ52の位置が吸気穴33から遠くなることを抑制でき、冷媒センサ52によって冷媒を検知しにくくなることを抑制できる。また、例えば、第2コネクタ53の位置が報知素子基板41に取り付けられた第1コネクタ46に対して遠い位置になることを抑制でき、ケーブル80によって報知素子基板41とセンサ基板51とを接続しにくくなることを抑制できる。
また、実施の形態1によれば、センサ基板51は、冷媒センサ52および第1電気部品としての第2コネクタ53が取り付けられた取付面51aを有する。対向部64は、取付面51aと間隔を空けて対向して配置されている。取付面51aからの冷媒センサ52の突出高さおよび取付面51aからの第2コネクタ53の突出高さは、対向部64と取付面51aとの間隔よりも大きい。そのため、取付面51aと直交する前後方向Xに見て、対向部64を冷媒センサ52および第2コネクタ53と重ねて配置できなくなっている。これにより、センサ基板51が誤った姿勢で配置された際に、対向部64を、冷媒センサ52と第2コネクタ53との少なくとも一方に対して好適に干渉させることができる。したがって、センサ基板51が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられることをより好適に抑制できる。
また、実施の形態1によれば、報知機100は、取付面51aに取り付けられた第2電気部品としてICチップ54を備える。ICチップ54の少なくとも一部は、対向部64とセンサ基板51との間に配置されている。そのため、センサ基板51が正しい姿勢で取り付けられた際に、センサ基板51のうち対向部64と対向する部分の少なくとも一部を、対向部64と干渉しない部品であるICチップ54の配置領域として利用できる。これにより、対向部64を取付面51aと対向させても、取付面51aの実装面積が減少することを抑制できる。実施の形態1では、対向部64に段差部64cを設けて対向本体部64bを取付面51aからより前側(+X側)に離すことで、対向本体部64bがICチップ54と干渉することを抑制している。
また、実施の形態1によれば、報知機100は、複数の接続部43a,43b,43c,43dを有し報知素子基板41に取り付けられた端子台43を備える。カバー部材60は、複数の接続部43a,43b,43c,43dに接続される配線81a,81b,81c,81dに関する情報をそれぞれ示す複数の表示部66a,66b,66c,66dを有する。そのため、複数の接続部43a,43b,43c,43dに複数の配線81a,81b,81c,81dをそれぞれ接続する作業を行う際に、作業者は、各表示部66a,66b,66c,66dを参照することで、どの配線81a,81b,81c,81dをどの接続部43a,43b,43c,43dに接続すればよいかを把握しやすい。これにより、各接続部43a,43b,43c,43dのそれぞれに対して誤った配線81a,81b,81c,81dが接続されることを抑制できる。
また、実施の形態1によれば、カバー部材60が報知素子基板41を覆う側(+X側)から見て、複数の表示部66a,66b,66c,66dのそれぞれは、複数の接続部43a,43b,43c,43dのそれぞれと隣り合って配置されている。そのため、作業者は、各表示部66a,66b,66c,66dを参照することで、各接続部43a,43b,43c,43dに接続すべき配線81a,81b,81c,81dを好適に把握することができる。これにより、各接続部43a,43b,43c,43dのそれぞれに対して誤った配線81a,81b,81c,81dが接続されることをより好適に抑制できる。
また、実施の形態1によれば、報知素子基板41に取り付けられた報知素子は、スピーカ42および発光体45bの少なくとも一方を含む。そのため、報知機100は、音と光との少なくとも一方によって、使用者等に対して冷媒が漏れたことを報知することができる。これにより、使用者等に対して冷媒が漏れたことを好適に報知することができる。実施の形態1では、スピーカ42および発光体45bが報知素子として設けられているため、使用者等に対して冷媒が漏れたことをより好適に報知することができる。
実施の形態2.
図11は、実施の形態2における報知機200の一部を前側(+X側)から見た図である。図12は、実施の形態2におけるセンサ基板251が異なる姿勢で筐体本体部20に取り付けられた状態を示す図である。図12に示すセンサ基板251の姿勢は、図11に示す姿勢のセンサ基板251を前側(+X側)から見て時計回りに180°回転させた姿勢である。実施の形態2においては、図11に示すセンサ基板251の姿勢が正しい姿勢であり、図12に示すセンサ基板251の各姿勢は誤った姿勢である。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図11に示すように、実施の形態2の報知機200において、第2基板ユニット250は、センサ基板251と、冷媒センサ52と、第2コネクタ53と、ICチップ254と、を有する。冷媒センサ52、第2コネクタ53、およびICチップ254は、センサ基板251の前側(+X側)の面である取付面251aに取り付けられている。
センサ基板251は、左右方向Yに長い略長方形板状である。センサ基板251の四角のうち左側かつ下側の角部には、角部がC面取りされて形成された面取部251cが形成されている。センサ基板251の四角のうち左側かつ上側の角部には、角部がC面取りされて形成された面取部251dが形成されている。
センサ基板251は、実施の形態1と同様の基板保持部29に保持されている。実施の形態2においてセンサ基板251は、支持部27c,27dと複数のリブ29aとによって囲まれて外周縁部を支持され、かつ、弾性爪部25bと固定爪部28bとがセンサ基板251の外周縁部に前側(+X側)から引っ掛かることで、基板保持部29に保持されている。弾性爪部25bは、センサ基板251の左側の縁部に前側から引っ掛かっている。固定爪部28bは、センサ基板251の右側の縁部に前側から引っ掛かっている。
このように、実施の形態1において説明した筐体本体部20における基板保持部29は、実施の形態1のような略正方形板状のセンサ基板51も、実施の形態2のような略長方形板状のセンサ基板251も取付可能となっている。実施の形態2において、弾性爪部25bおよび固定爪部28bは、センサ基板251を着脱可能に固定する爪部である。
面取部251cは、支持部27cと対向して配置されている。支持部27cのうち面取部251cと対向する面は、前後方向Xに見て、面取部251cに沿って延びている。面取部251dは、支持部27dと対向して配置されている。支持部27dのうち面取部251dと対向する面は、前後方向Xに見て、面取部251dに沿って延びている。センサ基板251のその他の構成は、実施の形態1におけるセンサ基板51のその他の構成と同様である。
ICチップ254は、センサ基板251のうち下側部分における左右方向Yの中央部に取り付けられている。ICチップ254は、冷媒センサ52よりも右側で、かつ、第2コネクタ53よりも左側に位置する。ICチップ254は、対向部64とセンサ基板251との間に配置されていない。ICチップ254のその他の構成は、実施の形態1におけるICチップ54のその他の構成と同様である。報知機200のその他の構成は、実施の形態1における報知機100のその他の構成と同様である。
実施の形態2において、例えば、図12に示すようにセンサ基板251を誤った姿勢で基板保持部29に保持させると、実施の形態1と同様に、第2コネクタ53が対向部64に干渉する。そのため、実施の形態2においても、センサ基板251が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられることを抑制できる。
また、実施の形態2では、略長方形板状のセンサ基板251の四角のうち2つの角部のみに面取部251c,251dを設け、かつ、基板保持部29に面取部251c,251dとそれぞれ対向して配置される支持部27c,27dを設けることで、センサ基板251が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられることを抑制することもできる。つまり、図11に示すセンサ基板251の四角のうち右側かつ下側の角部と右側かつ上側の角部とを面取りしないことで、センサ基板251を左右方向Yに逆向きに取り付けようとした場合に、当該面取りされていない角部を支持部27c,27dに干渉させることができる。これにより、センサ基板251が基板保持部29に誤った姿勢で取り付けられること自体を抑制することができる。
なお、図12に示すセンサ基板251は、四角の全てが面取りされた状態となっているため、図11に示すセンサ基板251の姿勢に対して左右方向Yに逆向きとなっていても基板保持部29に保持可能となっている。しかしながら、上述したように、センサ基板251がこの姿勢で配置されていると、対向部64が第2コネクタ53と干渉するため、カバー部材60を取り付けることができない。そのため、図12に示すようにセンサ基板251の四角の全てが面取りされていても、センサ基板251が誤った姿勢で筐体本体部20に取り付けられることを抑制できる。
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した各実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
冷媒センサは、冷媒を検知可能な素子であれば、どのような素子であってもよい。冷媒センサは、半導体式以外の冷媒センサであってもよい。報知素子は、冷媒センサが冷媒を検知したことを報知可能な素子であれば、どのような素子であってもよい。報知素子は、例えば、冷媒を検知したことを示す文字などを表示可能なディスプレイなどの表示装置であってもよい。報知素子の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。センサ基板に取り付けられた第1電気部品および第2電気部品は、どのような部品であってもよい。第1電気部品は、例えば、コンデンサなどであってもよい。第2電気部品は、例えば、トランジスタなどであってもよい。
カバー部材は、報知素子基板の一部を覆った状態で筐体本体部に固定されるならば、どのような構成であってもよい。カバー部材は、報知素子基板と接触しなくてもよい。カバー部材は、報知素子基板とは別に、筐体本体部に固定されてもよい。センサ基板と対向して配置される対向部は、センサ基板が筐体本体部に対して異なる姿勢で取り付けられた場合に、冷媒センサと第1電気部品との両方と干渉してもよい。対向部の形状は、特に限定されない。カバー部材は、対向部を有しなくてもよい。
カバー部材に形成された複数の表示部は、端子台の複数の接続部に接続される配線に関する情報をそれぞれ示すならば、どのような構成であってもよい。複数の表示部は、文字ではなく記号などであってもよい。複数の表示部が示す配線に関する情報は、配線の色であってもよいし、配線の太さであってもよい。複数の表示部は、設けられなくてもよい。
本開示の報知機は、どのように用いられてもよい。報知機は、空気調和機以外の冷凍サイクル装置における冷媒の漏洩を検知するために用いられてもよいし、冷凍サイクル装置以外の機器における冷媒の漏洩を検知するために用いられてもよい。報知機が設置される場所は、特に限定されない。以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。