JP7228823B2 - 木質材料難燃化処理用組成物 - Google Patents
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Description
1. 木質材料を難燃化処理するための組成物であって、
(1)リン系難燃成分及びホウ素系難燃成分の少なくとも1種の難燃成分及び
(2)ポリエチレンイミン
を含むことを特徴とする木質材料難燃化処理用組成物。
2. 難燃成分が、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ポリリン酸カルバメート及びこれらのアミン塩の少なくとも1種である、前記項1に記載の木質材料難燃化処理用組成物。
3. ポリエチレンイミンの平均分子量が300以上である、前記項1又は2に記載の木質材料難燃化処理用組成物。
4. 40℃未満の温度下で使用される、前記項1~3のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物。
5. さらに水系溶媒を含み、少なくとも前記難燃成分及び前記ポリエチレンイミンが前記水系溶媒に溶解している、前記項1~4のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物。
6. 難燃化された木質材料を製造する方法であって、
(1)減圧下で木質材料内の空気を除去する工程、及び
(2)40℃未満の温度下において、前記項1~5のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物を木質材料中に注入する工程
を含むことを特徴とする難燃化木質材料の製造方法。
7. 木質材料難燃化処理用組成物が注入された木質材料をさらに40℃以上の温度下で乾燥させる工程を含む、前記項6に記載の製造方法。
8. 前記項1~5のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物を含有する難燃化木質材料。
9. 木質材料難燃化処理用組成物の含有量が50~400kg/m3である、前記項8に記載の難燃化木質材料。
本発明の木質材料難燃化処理用組成物(本発明組成物)は、木質材料を難燃化処理するための組成物であって、
(1)リン系難燃成分及びホウ素系難燃成分の少なくとも1種の難燃成分及び
(2)ポリエチレンイミン
を含むことを特徴とする。
本発明は、難燃化木質材料の製造方法も包含する。すなわち、本発明は、難燃化された木質材料を製造する方法であって、
(1)減圧下で木質材料内の空気を除去する工程(減圧工程)、及び
(2)40℃未満の温度下において、本発明組成物を木質材料中に注入する工程(注入工程)
を含むことを特徴とする難燃化木質材料の製造方法を包含する。
減圧工程では、減圧下で木質材料内の空気を除去する。減圧の程度は、特に限定されず、一般的には20kPa以下(好ましくは8~15kPa)の範囲内で適宜設定すれば良い。また、減圧時間も限定的でなく、例えば0.5~6時間程度とすれば良いが、これに限定されない。
注入工程では、40℃未満(好ましくは10~38℃、より好ましくは15~35℃)の温度下において、本発明組成物を木質材料中に注入する。この場合、本発明組成物は、少なくとも難燃成分及びポリエチレンイミンが水系溶媒に溶解した水溶液の形態であることが好ましい。これにより、より確実に難燃成分及びポリエチレンイミンを木質材料内部に注入することができる。例えば、木質材料が減圧手段により減圧された状態で注入工程を実施することによってより確実に本発明組成物を注入することがもきる。
上記のような減圧工程及び加圧工程は、例えば次のような方法で好適に実施することができる。これらの各工程における操作条件等は、a)薬剤として本発明組成物を用いること及びb)40℃未満の温度で実施されることを除き、公知の条件に従って実施することもできる。
本発明は、本発明組成物を含有する難燃化木質材料を包含する。すなわち、本発明によれば、少なくとも難燃成分及びポリエチレンイミンが内部に含まれる難燃化木質材料を提供することもできる。
ポリリン酸カルバメートの54%水溶液(833g)に対し、平均分子量70,000のポリエチレンイミンの30%水溶液(株式会社日本触媒製「エポミンP-1000」)167gを加え、常温で充分に攪拌して濃度約50%の難燃化薬剤Aを1,000g得た。得られた溶液は微黄色透明であった。
ポリエチレンイミンとして平均分子量10,000のもの(株式会社日本触媒製「エポミンSP-200」を30%に希釈)を使用したほかは、実施例1と同様にして難燃化薬剤Bを得た。
実施例1の平均分子量70,000のポリエチレンイミン水溶液の使用量を84gとしたうえ、さらに25%アンモニア水溶液を40g加えたほかは、実施例1と同様にして難燃化薬剤Cを得た。
実施例1で用いたポリリン酸カルバメート水溶液(833g)に炭酸グアニジン53gを加え、炭酸ガスの発生が収まるまで攪拌した後、実施例1の平均分子量70,000のポリエチレンイミン水溶液84gを加えて実施例1と同様にして難燃化薬剤Dを得た。
38%のリン酸水溶液(708g)に炭酸グアニジン318gを加え、炭酸ガスの発生が収まるまで攪拌した後、実施例1の平均分子量70,000のポリエチレンイミン水溶液84gを加えて実施例1と同様にして難燃化薬剤Eを得た。
36%の亜リン酸水溶液(687g)に炭酸グアニジン350gを加え、炭酸ガスの発生が収まるまで攪拌した後、実施例1の平均分子量70,000のポリエチレンイミン水溶液84gを加えて実施例1と同様にして難燃化薬剤Fを得た。
38%のリン酸水溶液(708g)に炭酸グアニジン318gを加え、炭酸ガスの発生が収まるまで攪拌した後、シランカップリング剤として3-アミノプロピルトリメトキシシランを24g加え、実施例1の平均分子量70,000のポリエチレンイミン水溶液84gを加えて実施例1と同様にして難燃化薬剤Gを得た。
従来品としてポリリン酸カルバメートのアンモニウム塩水溶液(濃度50重量%)を難燃化薬剤Hとした。
従来品としてリン酸グアニジンとシランカップリング剤の水溶液(濃度50重量%)を難燃化薬剤Iとした。
(1)試料の作製(木材への注入操作)
各実施例及び比較例で得られた難燃化薬剤A~Iについて、水道水を適宜加えることにより、固形分濃度を約30%に調整した。このようにして得られた液剤中に密度0.33g/cm3の木材(スギ辺材、縦100mm×横100mm×板厚18mm)を完全に沈め、温度23℃にて容器内を10kPaに減圧して2時間かけて木質材料中の空気を除去した。次いで、1.0MPaに加圧して5時間にて薬剤を注入した。木材を液剤中から取り出した後、送風式乾燥機を使用して50℃で14日間乾燥した。得られた木材は、密度より算出した結果、有効成分としての薬剤が約280kg/m3注入されていた。このようにして得られた難燃化木材を試料として用いた。
各試料について、コーンカロリーメータを使用して50kW/m2の輻射熱で20分間の発熱性試験を行い、10分及び20分の総発熱量と最大発熱速度を測定し、「不燃」、「準不燃」、「難燃」の判定を行った。その結果を表1に示す。
各試料に対し、温度40℃及び相対湿度90%RHで24時間の吸湿操作と、60℃熱風乾燥器で24時間の乾燥操作との組み合わせからなる工程を1サイクルとし、それを5サイクル繰り返した後、試料表面を目視することで白華の有無を確認した。白華が全く認められないものを「○」、少しでも白華が確認できた場合を「×」とした。その結果を表1に示す。
溶脱性の簡易評価法として、前記の白華試験の初期と5サイクル目の乾燥後の重量を測定し、初期の薬剤注入量に対する重量減少の割合(%)を計算した。その結果を表1に示す。
Claims (9)
- 木質材料を難燃化処理するための組成物であって、
(1)難燃成分としてリン酸又は亜リン酸のグアニジン塩及び
(2)数平均分子量が300以上であるポリエチレンイミン
を含むことを特徴とする木質材料難燃化処理用組成物。 - 難燃成分が、リン酸又は亜リン酸と、炭酸グアニジンとの塩である、請求項1に記載の木質材料難燃化処理用組成物。
- さらにシランカップリング剤を含む、請求項1又は2に記載の木質材料難燃化処理用組成物。
- 40℃未満の温度下で使用される、請求項1~3のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物。
- さらに水系溶媒を含み、少なくとも前記難燃成分及び前記ポリエチレンイミンが前記水系溶媒に溶解している、請求項1~4のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物。
- 難燃化された木質材料を製造する方法であって、
(1)減圧下で木質材料内の空気を除去する工程、及び
(2)40℃未満の温度下において、請求項1~5のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物を木質材料中に注入する工程
を含むことを特徴とする難燃化木質材料の製造方法。 - 木質材料難燃化処理用組成物が注入された木質材料をさらに40℃以上の温度下で乾燥させる工程を含む、請求項6に記載の製造方法。
- 請求項1~5のいずれかに記載の木質材料難燃化処理用組成物を含有する難燃化木質材料。
- 木質材料難燃化処理用組成物の含有量が50~400kg/m3である、請求項8に記載の難燃化木質材料。
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